特許第6969852号(P6969852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6969852三次元の対象物の積層造形的な製造の為の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6969852
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】三次元の対象物の積層造形的な製造の為の方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 12/90 20210101AFI20211111BHJP
   B22F 12/10 20210101ALI20211111BHJP
   B22F 10/85 20210101ALI20211111BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20211111BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20211111BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20211111BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20211111BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20211111BHJP
【FI】
   B22F12/90
   B22F12/10
   B22F10/85
   B29C64/153
   B29C64/393
   B33Y10/00
   B33Y30/00
   B33Y50/02
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-71107(P2020-71107)
(22)【出願日】2020年4月10日
(62)【分割の表示】特願2018-16854(P2018-16854)の分割
【原出願日】2018年2月2日
(65)【公開番号】特開2020-114949(P2020-114949A)
(43)【公開日】2020年7月30日
【審査請求日】2020年4月10日
(31)【優先権主張番号】10 2017 104 506.6
(32)【優先日】2017年3月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506154834
【氏名又は名称】ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・シューマン
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・ヘッツェル
(72)【発明者】
【氏名】タンヤ・トラウト
【審査官】 池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0271884(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0179064(US,A1)
【文献】 特開2017−013426(JP,A)
【文献】 特開平03−118430(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/193742(WO,A1)
【文献】 特表2014−527481(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0074965(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0326880(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 3/16
B22F 3/105
B29C 64/00−64/40
B33Y 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー照射(4)によって硬化可能な構成材料(3)から成る構成材料層の、漸次的、層ごと、選択的な露光と、これにともなってあらわれる漸次的、層ごと、選択的な硬化による三次元の対象物の積層造形的な製造の為の装置(1)であって、
エネルギー照射(4)によって硬化可能な構成材料(3)からなる構成材料層の漸次的、層ごと、選択的な露光と、これにともないあらわれる漸次的、層ごと、選択的な硬化の為のエネルギー照射(4)の発生の為に設けられている露光装置(6)と、
各々の集合少なくとも1つの測定点を含みかつ複数の三次元の対象物(2)のうちの一つに対応する複数の測定点(P)の集合において温度を測定するように構成された温度測定用の測定装置(11)と、
前記複数の測定点(P)の集合における少なくとも1つの測定点において、前記測定装置(11)によって測定/検出される一又は複数の温度に応じて加熱又は冷却を行うことで温度を制御するよう構成された温度制御装置(12)と、
表示面(15)を有し、前記複数の三次元の対象物(2)及び前記複数の測定点(P)の集合を位置及び時間に関して同時に表示する複数の表示を積層造形的な製造の過程で前記表示面(15)に表示するように構成された表示装置(14)と、を備えた装置(1)。
【請求項2】
前記複数の測定点(P)の集合、形成過程にある、又は、少なくとも部分的に形成された第1の三次元の対象物(2)に対応する第1の複数の測定点の集合、前記第1の三次元の対象物(2)とともに形成過程にある、又は、少なくとも部分的に形成された第2の三次元の対象物(2)に対応する第2の複数の測定点の集合とを含み、
前記表示装置(14)は
記第の三次元の対象物(2)及び前記第の複数の測定点の集合を位置及び時間に関して表示する第の表示と、を積層造形的な製造の過程で前記表示面(15)に表示するように構成され
記第2の三次元の対象物(2)及び前記第2の複数の測定点の集合を位置及び時間に関して表示する第2の表示と、を積層造形的な製造の過程で前記表示面(15)に表示するように構成されている
請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
少なくとも一つの測定点(P)が積層造形的な製造が実行される構成面(E)内に存在する請求項1に記載の装置(1)。
【請求項4】
少なくとも一つの測定点(P)が、積層造形的な製造が実行される領域の内部に存在する請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
少なくとも一つの測定点(P)が積層造形的な製造が実行される構成面(E)内に、そして少なくとも一つの測定点(P)が積層造形的な製造が実行される領域の内部に存在する請求項1に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記複数の測定点(P)の集合が、第3の三次元の対象物(2)に対応する第3の測定点の集合を含む請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記表示装置(14)が、前記の複数の測定点の集合に基づく前記複数の三次元の対象物(2)の温度勾配を前記複数の測定点(P)の集合における温度の測定値を用いて前記表示面(15)に同時に表示するように構成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
三次元の対象の積層造形的な製造の為の方法であって、
請求項1からのいずれか一項に記載の装置(1)を提供し、
前記装置(1)により、
前記複数の測定点(P)の集合において温度を検出し、
出された前記温度に応じて、前記複数の測定点(P)の集合における少なくとも一つの測定点において温度の制御を行う
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー照射によって硬化可能な構成材料からなる構成材料層の、漸次的、層ごと、選択的な露光と、これにともなって現れる漸次的、層ごと、選択的な硬化による三次元の対象物の積層造形的な製造の為の装置に関する。装置は、露光装置を有する。
この露光装置は、エネルギー照射によって硬化可能な構成材料から成る構成材料層の漸次的、層ごと、選択的な露光と、これに伴って現れる漸次的、層ごと、選択的な硬化の為のエネルギー照射の発生の為に設けられており、装置は、請求項1の上位概念に記載の他の特徴を有している。
【背景技術】
【0002】
三次元の対象物の積層造形的な製造の為のそのような装置は、それ自体公知である。相応する装置によって、製造されるべき三次元の対象物は、エネルギー照射によって硬化可能な構成材料からなる、製造すべき対象物の層に関する断面に相応する領域中での構成材料層の漸次的、層ごと、選択的な露光と、これに伴って現れる漸次的、層ごと、選択的な硬化によって積層造形的に構築される。
【0003】
更に、装置に、温度検出装置を付設することが公知である。これは、装置の異なるコンポーネントの温度の検出の為に設けられている。
【0004】
公知の測定装置は、温度に関する情報と、これに伴い、構成材料の選択的な硬化によって生成すべき三次元の対象物内の所定の組織の形成に関する情報(独語:Aufschluesse)を獲得するのには適していない。よってこれまで、そのような情報に基づいて、構成材料から硬化すべき三次元の対象物の構成プロセス中、又は発生プロセス中、有利に関与することは不可能であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明の課題は、先行技術に対して改善された、三次元の対象物の積層造形的な製造の為の装置を提供することである。これによって、既に構成プロセスに間にデータが検出されることが可能である。そのようなデータに基づいて構成プロセスのパラメーターが適合されることが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1に記載の三次元の対象物の積層造形的な製造の為の装置によって解決される。これに従属する請求項は、当該装置の可能な実施形に関する。
【0007】
ここで記載する装置(「装置」)は、製造すべき対象物の層に関する断面に相応する領域内での、硬化可能な構成材料から成る構成材料層の、漸次的、層ごと、選択的な露光と、これにともない現れる漸次的、層ごと、選択的な硬化による三次元の対象物、つまり例えば技術的部材、又は技術的部材グループの積層造形的な製造の為に設けられている。構成材料は、粒状、又は粉末形状の金属材料、プラスチック材料、及び/又はセラミック材料であることが可能である。選択的に硬化すべき各構成材料層の選択的な硬化は、対象に関する構成データに基づいて行われる。相応する構成データは、積層造形的に製造すべき各対象物の幾何構造的な形態を表し、そして例えば積層造形的に製造すべき対象物の「スライス式の」CADデータを含むことが可能である。装置は、SLM装置として、つまり選択的なレーザー溶融方法(SLM法)の実施の為の装置として、又はSLS装置として、つまり選択的レーザー焼結法(SLS法)の実施の為の装置として形成されていることが可能である。装置が、SEBS装置として、つまり選択的電子照射溶融法(SEBS法)の実施の為の装置として形成されていることも考え得る。
【0008】
装置は、積層造形的な構成過程の実施の為に典型的に必要とされる機能コンポーネントを有する。これには、特に層形成装置と露光装置が挙げられる。
【0009】
層形成装置は、装置の構成面内、又は構成フィールド内における、選択的に露光すべき、又は選択的に硬化すべき構成材料層の形成の為に設けられている。構成面又は構成フィールド内では、エネルギー照射により硬化可能な構成材料から成る構成材料層の漸次的、層ごと、選択的な露光と、これに伴って現れる漸次的、層ごと、選択的な硬化が行われる。
【0010】
露光装置は、エネルギー照射の発生の為、つまり特に、レーザー照射の発生の為、エネルギ照射によって硬化可能な構成材料からなる構成材料層の漸次的、層ごと、選択的な露光と、これに伴って現れる漸次的、層ごと、選択的な硬化の為に設けられている。露光装置は、露光装置の各構成部材としてエネルギー照射発生装置と照射転向装置(スキャナー装置)を有する。エネルギー照射発生装置は、エネルギー照射の実際の発生のために設けられている。照射転向装置は、選択的に硬化すべき構成材料層へのエネルギー照射の転向の為に設けられている。
【0011】
装置は、測定装置を有する。測定装置は、構成面内の少なくとも一つの測定点の温度の測定の為に設けられている。構成面内では、構成材料の漸次的、層ごと、選択的な硬化が行われる。よって、選択的に硬化すべき、又は硬化される構成材料層の内部の測定点が測定装置(これは特にサーモグラフィーカメラとして形成されている、又は少なくとも一つのそのようなものを有する)によって検出されることが可能である。測定装置によって検出される、又は測定される測定点は、硬化された構成材料から少なくとも部分的に形成された少なくとも一つの三次元の対象物、又は、積層造形的に製造すべき対象物の積層造形的な製造の枠内で生ずる少なくとも一つの対象物部分に割り当てられている。測定装置は、つまり特に、積層造形的に製造すべき少なくとも一つの対象物、又は積層造形的に製造すべき対象物の積層造形的な製造の枠内で生ずる少なくとも一つの対象物部分の温度を検出する、又は測定するために設けられている。そのようにして、場合によっては構成プロセスの枠内で変化する様々なパラメーター(対象物又は対象物部分のパラメーター、例えば組織パラメーター)に関する情報が得られることが可能である。
【0012】
装置は、様々な粉末モジュール、特に底部側で装置の不活性化可能なプロセスチャンバーに取り付け可能な粉末モジュールを有する。相応する粉末モジュールは、例えば構成モジュールで有り得る。この中で、積層造形的に製造すべき一又は複数の対象物の、本来の積層造形的な構築が行われる。少なくとも一つの測定点が、構成面内に存在し得る。構成面は、ここでは、特に底部側で装置のプロセスチャンバーに取り付けられた、装置の構成モジュールに接して設けられている、又は形成されている。構成面は、構成材料の内部に配置されている、又は形成されていることが可能である。当然であるが、少なくとも一つの測定点は、特に底部側で装置のプロセスチャンバーに取り付けられた構成モジュールの内部にも存在し得る。
【0013】
構成プロセスの枠内で場合によって変化する対象物パラメーターに関するできる限り広範な(包括的、全面的な)画像を得るために、三次元の対象物には、複数の測定点が割り当てられていることも可能である。よって対象物の温度が、場所ごとに、及び/又は時間ごとに多段階に、つまり対象物の様々な場所で、又は様々な時間で測定されることが可能である。
【0014】
装置には、表示装置が割り当てられていることが可能である。表示装置は、少なくとも一つの測定点で測定された温度を表示するために設けられている。表示装置は、装置のハウジング部分に設けられている、または形成されていることが可能である。表示装置は、装置側のユーザーインターフェースの構成部材を形成することが可能である。表示装置は、ディスプレイ、特にタッチディスプレイであることが可能である。測定装置によって測定されるデータは、表示装置によって多様な文字数字併用の、及び/又はグラフィックによる表示可能性において表されることが可能である。
【0015】
測定装置は、典型的にはデータ伝送ユニットと、そして温度制御装置の制御の為のハードウェア的、及び/又はソフトウェア的に組み込まれた制御ユニットを有しており、又は、測定装置には、相応するデータ伝送ユニットと相応する制御ユニットが付設されている。よって、測定装置によって測定されるデータは、データ伝送ユニットを介して、外部の通信パートナー(例えば構成プロセスを監視するための外部の監視装置のようなもの)にも伝達されることが可能である。
【0016】
構成面の内部(場合によっては構成モジュール内部)の一、又は複数の測定点、又は空間点での温度が、測定装置によって測定された/検出された温度に応じて変更されることが可能であるよう、温度制御装置(存在する場合)は形成されている。温度制御装置(存在する場合)は、この為、制御指令を発生するため、装置側、又は構成モジュール側の温度調整装置、つまり特に加熱装置に設けられている。温度調整装置は、制御指令に基づいて相応する運転状態において得られることが可能であるので、構成材料、又は対象物の温度の意図した制御が可能である。
【0017】
本発明は更に、エネルギー照射によって硬化可能な構成材料から成る構成材料層の漸次的、層ごと、選択的な露光と、これにともなって現れる漸次的、層ごと、選択的な硬化による三次元の対象物の積層造形的な製造の為の方法と、少なくとも一つの測定点、又は空間点における積層造形的に製造すべき三次元の対象物の、少なくとも硬化された構成材料の温度の測定の為の方法に関する。装置と関連して述べられた全ての説明は、当該方法に対しても同様に有効である。
【0018】
以下に本発明を図面中の実施例に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例に従う装置の原理図
図2】実施例に従う表示装置の表示の原理図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、実施例に従う、装置1の原理図を示す。装置1は、一般的に、エネルギー照射4、つまり特にレーザー照射によって硬化可能な構成材料3、つまり例えば金属粉から成る構成材料層の漸次的、層ごと、選択的な露光と、これに伴って現れる漸次的、層ごと、選択的な硬化による三次元の対象物2、つまり特に技術的部材、又は技術的部材群の積層造形的な製造に使用される。硬化すべき各構成材料層の選択的な硬化は、対象に関する構成データに基づいて行われる。相応する構成データは、積層造形的に製造すべき各対象物2の幾何学的、又は幾何・構造的な形態を表し、そして例えば製造すべき対象物2の「スライス式の」CADデータを含んでいる。装置1は、例えばLaser−CUSINGR装置、つまり選択的レーザー溶融法(SLM法)の実施の為の装置として形成されていることが可能である。
【0021】
装置1は、積層造形的な構成過程の実施の為に必要な機能コンポーネントを有する。図1には、例えば、層形成装置5と、露光装置6が示されている。
【0022】
層形成装置5は、装置1の構成面E内における選択的に露光すべき、又は選択的に硬化すべき構成材料層の形成の為に設けられており、そして、この為に、(両矢印P1で示された)装置1の構成面Eに対して移動可能に支承された、特に刃部状の、又は刃部形状の層形成要素(詳説せず)を有する。
【0023】
露光装置6は、装置1の構成面E内での選択的に硬化すべき構成材料層の選択的な露光の為のエネルギー照射4の発生の為に設けられており、そしてこの為、典型的には一つの照射発生装置(図示せず)を有し(この照射発生装置は、エネルギー照射4の発生の為に設けられている)、場合によっては、スキャナー装置とも称される照射転向装置(図示せず)を有し(この照射転向装置は、照射発生装置によって発生されたエネルギー照射4を、例えば選択的に硬化すべき構成材料層の露光すべき領域への転向の為に設けられている)、そして、種々の光学的な要素(例えばフィルター要素、対物レンズ要素、レンズ要素等のようなもの、図示せず)を有する。
【0024】
図1には、更に、調量モジュール7、構成モジュール8、及びオーバーフローモジュール9が表されている。これらは、装置1の不活性化可能なプロセスチャンバー10の下側の領域に取り付けられている。上述したモジュール7−9は、装置1のプロセスチャンバー10の下側の領域を形成することも可能である。
【0025】
装置1は、更に、サーモグラフィーカメラの形式の測定装置11を有する。これは、一又は複数の測定点Pにおける温度の測定の為に検出されることが可能である。そのような測定点P(図1には純粋に例示的に二つの測定点Pのみが表されている)は、構成面E内、又は構成モジュール8の内部で、既に(部分的に)形成された三次元の対象物2の表面に存在することが可能である。当然、測定点Pは、複数の三次元の対象物2上にも存在し得る。
【0026】
更に温度制御装置12と、これに付設される温度調整又は加熱装置13が表されている。これは、例えば、構成モジュール8、又はこの中に存在する構成材料3の加熱及び/又は冷却の為の二つの温度調整又は加熱要素13a,13bを有する。
【0027】
温度調整装置12は、制御ユニット(図示せず)の構成部材を形成する、又はそのようなものに付設されていることが可能である。制御ユニットは、測定装置によって検出されるデータと、場合によっては更なる別の上方を評価するため、及び制御信号を装置1の別の構成上の機能コンポーネントに出力するために形成されている。例えば、制御装置は、検出したデータに基づいて制御信号を温度制御装置12、層形成装置5、又は照射発生装置6に出力するために設けられていることが可能である。
【0028】
表示装置14、例えばディスプレイが更に表されている。これによって、検出された温度と、この値から導きだされる情報(例えば温度勾配のようなもの)が、相応する三次元の対象物2に割り当てられた状態で表されることが可能である。表示装置14の画面内容は、ユーザーによって選択可能な様々な画面モードが表示されることが可能である。表示装置14は、測定装置11の部分として形成されていることも可能である。
【0029】
図2は、実施例に従う表示装置14の表示の原理図を示す。
【0030】
表示装置14の表示面15では、温度が測定された各測定点Pに、グラフィカルに、三次元の対象物2が割り当てられているのが見て取れる。その際、時と場所におけるその形状造形も、表されることが可能である。
【0031】
示された実施例においては、温度は、複数の、つまり例示的には四つの測定点Pにおいて測定される。その際、四つの測定点Pの其々が、所定の三次元の対象物2、又は構成部材に割り当てられている。複数の測定点が、同じ三次元の対象物2、又は構成部材に割り当てられている別の実施例は表されていない。
【0032】
表示面15は、二つの表示面領域15a,15bに分けられている。第一の表示面領域15aには、複数の対象物2と測定点Pが表されている。第二の表示面領域15bには、各対象物2に割り当てられる温度(測定値)(ここでは例示的にケルビン絶対温度として記載されている)が表されている。
【0033】
第二の表示面領域15b内には、更に、ユーザーによって選択可能なメニューポイント16a−cが存在している。これを介して、ユーザーは所定の表示を選択することができる。メニューポイント16aの選択によって、例えば測定値のテーブル状の表示が可能であり、メニューポイント16bの選択によって、例えば測定値のグラフ上の表示が可能であり、そしてメニューポイント16bの選択によって例えば対象物2の場所による、又は時間による温度勾配の表示が可能である。
【0034】
(付記1)
エネルギー照射(4)によって硬化可能な構成材料(3)から成る構成材料層の、漸次的、層ごと、選択的な露光と、これにともなってあらわれる漸次的、層ごと、選択的な硬化による三次元の対象物の積層造形的な製造の為の装置(1)であって、
エネルギー照射(4)によって硬化可能な構成材料(3)からなる構成材料層の漸次的、層ごと、選択的な露光と、これにともないあらわれる漸次的、層ごと、選択的な硬化の為のエネルギー照射(4)の発生の為に設けられている露光装置(6)を有し、
温度の測定の為の測定装置(11)を有する装置において、
測定装置(11)が、少なくとも一つの測定点(P)において温度を測定するために設けられており、その際、測定点(P)が、少なくとも部分的に硬化された構成材料(3)から形成される少なくとも一つの三次元の対象物(2)に、又は積層造形的に製造すべき対象物の積層造形的な製造の枠内で生じる少なくとも一つの対象物部分に割り当てられていることを特徴とする装置。
【0035】
(付記2)
少なくとも一つの測定点(P)が構成面(E)内に存在しており、これが、特に底部側の、装置(1)のプロセスチャンバー(10)に取り付けられた装置(1)の構成モジュール(8)に隣接して形成されていることを特徴とする付記1に記載の装置。
【0036】
(付記3)
少なくとも一つの測定点(P)が、特に底部側で、装置(1)のプロセスチャンバー(10)に取り付けられた構成モジュール(8)の内部に存在することを特徴とする付記1または2に記載の装置。
【0037】
(付記4)
少なくとも一つの測定点(P)が構成面(E)内に、そして少なくとも一つの測定点(P)が構成モジュール(8)の内部に存在することを特徴とする付記1に記載の装置。
【0038】
(付記5)
三次元の対象物(2)に複数の測定点(P)が割り当てられていることを特徴とする付記1から4のいずれか一つに記載の装置。
【0039】
(付記6)
装置(1)に表示装置(14)が割り当てられており、この表示装置が、少なくとも一つの測定点(P)において測定される温度の表示の為に設けられていることを特徴とする付記1から5のいずれか一つに記載の装置。
【0040】
(付記7)
一又は複数の測定点又は空間点における温度が、測定装置(11)によって測定/検出される一又は複数の温度に応じて変更されることが可能であるよう形成されている温度制御装置(12)が設けられていることを特徴とする付記1から6のいずれか一つに記載の装置。
【0041】
(付記8)
三次元の対象の積層造形的な製造の為の方法において、以下の方法ステップ、つまり、
請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(1)の提供、
一、又は複数の測定点(P)における温度の検出、
一、又は複数の検出された温度に応じた、一、又は複数の測定点(P)における温度の制御、
を有することを特徴とする方法。

図1
図2