【課題を解決するための手段】
【0037】
驚くべきことに、これは、第2の原材料、すなわち、エテンの使用を制御することによって実現される。n−ブテン系のエステル混合物の粘度は、エステル前駆体を調製する際にエテンの使用を制御することによって好ましい影響を受け得ることが見出された。
【0038】
したがって、本発明は、エステル前駆体を調製する際にエテンの使用を制御することによって、n−ブテン系のエステル混合物の粘度への好ましい影響を提供する。
【0039】
具体的には、本発明は、2つの手段、すなわちエテンをC
2オレフィンとして直接使用してもよい手段または事前の別個のオリゴマー化後にエテンをC
8オレフィンとして使用してもよい手段を提案する。
【0040】
本発明の第1の実施形態では、n−ブテンを含まずエテンを含有する原料混合物を第1のオリゴマー化と別個に実施される第2のオリゴマー化にかけることによって得られるエテンオリゴマーを、決定されたエステル混合物の実粘度の近似値の関数として、制御された方式で、ヒドロホルミル化されるブテンオリゴマーに添加する。第2のオリゴマー化で進行する1つの方法は、エテンの四量体化であり、したがって、4つのC
2オレフィンを結合することによって形成されるC
8オレフィンが得られる。エテンのオリゴマー化では、C
8オレフィンはもとよりC
4、C
6およびより大きいオレフィンも得られるが、これらをすべてブテンオリゴマー化のオリゴマー化体と混合する必要はない。ヒドロホルミル化の目的がC
mアルデヒドの調製である場合、C
m−1オレフィンをエテンオリゴマー化のオリゴマー化体から分離し、ブテンオリゴマー化からのオリゴマー化体と混合する。したがって、目的がヒドロホルミル化でC
9アルデヒドを調製することである場合、C
2オリゴマー化からの四量体をC
4オリゴマー化(ジブテン)からのC
8オレフィンと混合する。したがって、こうして得られた混合物は、2種類のC
8オレフィン、すなわち、第1にブテン二量体および第2にエテン四量体を含む。次いで、異なる起源のC
8オレフィンのこの混合物をヒドロホルミル化にかける。
【0041】
C
2系オリゴマー化体の添加の効果は、エテン四量体の分枝度をブテン二量体より低くすることと、分枝最小のC
2オリゴマーと分枝がより大きいC
4オリゴマーを混合することにより全体として分枝がより小さいC
8オリゴマーを生み出すことである。同様に、これがそれから調製されたエステル混合物のより低い粘度をもたらす。
【0042】
したがって、後のエステル混合物の粘度を下げるために、C
8混合物中のエテンオリゴマーの割合は、ブテンオリゴマーよりも増加させるべきである。逆に、粘度を増加しなければならない場合、ヒドロホルミル化される基材へのエテン四量体の添加を低減させる。
【0043】
本発明の第2の実施形態では、決定されたエステル混合物の実粘度の近似値の関数として、制御された方式で、エテンをn−ブテン含有原料混合物に添加し、第1のオリゴマー化はエテンおよびn−ブテンの共オリゴマー化である。この文脈における共オリゴマー化とは、エテンとブテンが同じ触媒上で同じ反応容器中で同時にオリゴマー化されることを意味する。次いで、エテンオリゴマーおよびブテンオリゴマーは、別個に得られたオリゴマーをブレンドすることによって後段でなく反応器中でin situで混合する。同時に、ブテンとエテンの両方を含むオリゴマー化体もまた反応器中で形成される。したがって、C8オレフィンは、2つのブテン分子、または4つのエテン分子、または他の場合では2つのエテン分子および1つのブテン分子から形成することができる。
【0044】
粘度に対する効果は同じである。共オリゴマー化中のエテンの割合が高いほど、後のエステルの粘度は低い。したがって、次いで、制御は、ブテン含有原料ストリーム内へのエテンの混合程度を介して実施される。
【0045】
したがって、2つの実施形態をつなぐ本発明の基本的な思想は、エテンまたはエテンオリゴマーを添加することによって、多様なC
4原料混合物またはそれから得られるブテンオリゴマーを制御された方式でグレードアップすることである。その理由は、この仕方で、エステル混合物の生成粘度に好ましい影響を与えることが可能であるからである。
【0046】
この方法の特定の利点は、実際の生成プロセスをほとんど変化させることなく、加工された物質に好ましい影響を与えることであるとみなされる。この点で、本発明は、物質のストリームに好ましい影響を与えることがないのに複雑な方式でプラントパラメータを変更する欧州特許出願第15168100.4号または米国特許出願第14/717,183号に記載の手段と異なる。
【0047】
原理的に本方法の1つの欠点は、確かに、C
2オレフィンのエテンを提供し、しかも非常に実質的に均一な品質で提供する第2の原材料源に依存していることである。
【0048】
しかし、エテンは、容易に入手可能な石油化学製品である。その理由は、それがポリエチレンを調製するために大量に必要であるからである。さらに、エテンは、異例ともいえる天然ガス鉱床から得ることができる。したがって、本方法の実施に必要なエテンに到達する多様な仕方が存在する。C
2源に伴う余分のコストは、本方法が、今日まで利用されている高いグレードでしたがって高価なC
4源よりはるかに安価な低級C
4源を利用できることで相殺される。
【0049】
エテンオリゴマーをn−ブテン含有原料混合物のオリゴマー化体に添加する本発明の変形形態の第1の発展形態では、エテンオリゴマーは、n−ブテンを含まずエテンおよびへキセンを含有する原料混合物を第1のオリゴマー化と別個に実施される第2のオリゴマー化にかけることによって得られ、第2のオリゴマー化はエテンおよびへキセンの共オリゴマー化である。この文脈でのヘキセンとは、1−へキセンやn−へキセンなどの炭素原子6個を有する1つまたは複数のオレフィンに対する総称を意味すると理解されたい。エテンとC
6オレフィンの共オリゴマー化は、ヘキセンがエテン用の溶媒としての機能を果たし、その結果として反応条件をより良好に制御することが可能であるという効果を有する。この効果は、欧州特許出願第15151621.8号に記載されているが、これは、本出願の出願日には未公開であった。
【0050】
所望のエテン系C
8オリゴマーをジブテンと混合する前に、ヘキセン溶媒をそのオリゴマーから分離することが推奨される。さもないと、バラストが随伴され、そのために後段階で副反応がもたらされ、エステルの品質を低下させる恐れがある。
【0051】
エテンとヘキセンの共オリゴマー化の重要な技術的利点は、それが液相で実施できることである。これは、オリゴマー化が極めて発熱的であり、液体溶媒としてヘキセンを使用することによって反応熱を除去することが容易に可能であるからである。ブテンオリゴマー化もまた液相で行われる。液体エテンオリゴマー化のさらなる利点は、ブテンオリゴマー化の場合と同じ反応器およびそのためのプラント要素を使用することが可能であり、プラントの複雑性を低く保つことができることである。
【0052】
ヘキセンは、単離された原材料として得ることはほとんどできない。しかし、ヘキセンは、オリゴマー化によって標準的なC
2およびC
3源から得ることができる。したがって、ヘキセンは、第1および第2のオリゴマー化と別個に実施される第3のオリゴマー化を供給源とし、その場合、エテンが三量体化されるか、またはプロペンが二量体化される。
【0053】
ヘキセンは、別個に調製するのではなく、任意の場合に存在するエテンオリゴマー化を供給源とすることもできる。常にエテンを含む第2のオリゴマー化は、任意の他のオレフィンまたは任意の溶媒がまた存在していてもしていなくても常にヘキセンも生じる。したがって、ヘキセンは、第1の実施形態では、エテン三量体化の副生物として、第2の実施形態では、n−ブテンとエテンの共オリゴマー化の副生物として得られる。したがって、本方法の一変形形態では、ヘキセンは第2のオリゴマー化を供給源とする。
【0054】
エテンとヘキセンの共オリゴマー化の利点は、任意の場合に副生物として得られるエテンの三量体が有用な方式で溶媒として使用できることである。加えて、溶媒としてのヘキセンは、他の考えられる溶媒、たとえば、イソブテンとは対照的に、蒸留除去の点でより好ましい条件を可能にする。その理由は、高圧力下で塔頂から、かかる多量の溶媒を除去する必要でないからである。これによって溶媒除去の設備および運転のためのコストが低減される。
【0055】
エテンおよびブテンを別個にオリゴマー化する本発明の実施形態の好ましい発展形態では、エテンオリゴマー化は、不活性液体溶媒の存在下で実施される。次いで、エテンは、液体溶媒に少なくとも部分的に溶解させる。次いで、エテンオリゴマーはまた、溶媒に溶解して存在し、ブテンオリゴマーと混合する前に除去しなければならない。次いで、溶媒を再循環して、新鮮なエテンと混合することができる。不活性溶媒の存在下でのオリゴマー化の利点は、反応条件をより良好に制御できることである。さらに、不均一固体触媒上で液相において揮発性エテンをオリゴマー化し、したがって、高いプロセス強度を実現することがこの仕方でより簡単である。有用な不活性溶媒は、十分に非反応性であるので、オリゴマー化に参加しないものである。具体的には、これは、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサンもしくはヘプタンまたはこうしたアルカンの混合物であってよい。しかし、溶媒からのエテン混合物の分離が複雑になり過ぎないように、エテンオリゴマーより高いまたは低い沸点を有するアルカンのみを混合するべきである。
【0056】
ちなみに、C
2オリゴマー化を反応性へキセンの存在下で実施する場合、C
2オリゴマー化で不活性溶媒を使用することが有利なこともある。
【0057】
エテンおよびブテンを別個にオリゴマー化する実施形態のさらなる発展形態では、エテンオリゴマーのブテンオリゴマーへの制御された添加は、エステル混合物の目標粘度を最初に固定し、決定されたエステル混合物の実粘度の近似値をエステル混合物の目標粘度と比較し、実粘度の近似値が目標粘度より高い場合はヒドロホルミル化されるブテンオリゴマーに添加するエテンオリゴマーの量を増加させ、実粘度の近似値が目標粘度より低い場合はヒドロホルミル化されるブテンオリゴマーに添加するエテンオリゴマーの量を減少させるように実施される。
【0058】
したがって、エテンおよびブテンが共オリゴマー化される実施形態では、原料混合物へのエテンの制御された添加は、エステル混合物の目標粘度を最初に固定し、決定されたエステル混合物の実粘度の近似値をエステル混合物の目標粘度と比較し、実粘度の近似値が目標粘度より高い場合は原料混合物に添加するエテンの量を増加させ、実粘度の近似値が目標粘度より低い場合は原料混合物に添加するエテンの量を減少させるように実施される。この制御された手法は、粘度がエテン含量の上昇と共に低下し、その逆も成り立つという発見に基づいている。
【0059】
エステル混合物の実粘度の近似値は、エテンまたはエテンオリゴマー含量を低減すべきか増加すべきかを評価して最終的にエステル混合物の粘度を一定にすることを可能にするのに必要である。最も単純な場合、エステル混合物の実粘度の近似値の決定は、測定によって実施される。
【0060】
どの条件下で近似を行い、どの試験法で実粘度を決定するかは、本発明の実行に対して重要でない。目標粘度は、エステル混合物を使用する顧客によってパラメーターと試験方法両方を考慮して最終的に決定される。したがって、実粘度の近似値は、目標の粘度について規定された方法によって決定される。
【0061】
たとえば、ASTM D7042によって実粘度の近似値を決定することが可能である。次いで、測定誤差の範囲内では、実粘度の近似値は真の実粘度に対応する。
【0062】
エステル混合物の実粘度の測定には、最後のプロセスステップ(エステル化)がすでに完了していることが必要である。しかし、工業の慣例では、エステル化はバッチ方式で実施されるが、他の先行反応ステップは、連続的に実施される。これは、エステル化が完了し、実現された粘度が測定可能になる前にいくらかの時間が経過することを意味する。しかし、その間にもオリゴマー化、ヒドロホルミル化および水素化は、連続的に進行を継続しており、測定が目標の粘度から許容できない偏りを示しても、その間に生成したアルコール混合物の異性体分布に好ましい影響を与えることはもはや不可能である。バッチ式エステル化によって、不感時間が生じ、このために閉回路制御の品質は明白に低下する。
【0063】
この課題を避けるために、代わりに、本発明は、実粘度の近似値を計算によって決定するステップを提案し、その計算はアルコールの分析に基づく。アルコールの組成を使用して後のエステル混合物の粘度を決定できる適切な計算法は、欧州特許第1430014B1号に開示されている。
【0064】
上の式を介して実粘度の近似値を数学的に決定することの特別の利点は、アルコールの分析が、自動化および連続方式、すなわち、ガスクロマトグラフィーによって実施できることである。したがって、粘度は、同様に、連続的におよび事実上不感時間なしで決定することができる。こうした仕方で、エテンまたはエテンオリゴマーを添加することによってブテンの組成の変動に対して早期の段階で反応することが可能である。閉回路制御の品質は、大きく改善される。
【0065】
あるいは、エステル混合物の実粘度の近似値は、計算によって決定することもでき、その計算はアルデヒド混合物の分析に基づく。計算は、欧州特許第1430014B1号に記載の方法と同様に実施される。
【0066】
同様に、あるいはエステル混合物の実粘度の近似は、ヒドロホルミル化されるオリゴマーの分析に基づく計算によって実施することもできる。実粘度の近似値の決定では、エテンに由来する、またはC
2とC
2とC
4の結合によってもしくはC
2とC
6の結合によって形成されたものを含むC
8オリゴマーすべてを考慮しなければならない。計算は、欧州特許第1430014B1号に記載の方法と同様に実施される。
【0067】
本方法は、その組成の点で時間変動を受ける原材料ストリームを連続的に送達するC
4源の利用を意図している。かかる一定でないC
4源は、通常、特定の物質質量流量の範囲内で変化し、個々の変動割合が変動割合の特定の範囲内にある物質質量流量の組合せからなるn−ブテン含有原料混合物を提供する。
【0068】
物質 物質質量流量 変動割合
イソブテン:0kg/s〜1kg/s −0.05g/s
2〜0.05g/s
2
1−ブテン:0kg/s〜6kg/s −0.30g/s
2〜0.30g/s
2
2−ブテン:1kg/s〜13kg/s −0.30g/s
2〜0.30g/s
2
(シス+トランス)
イソブタン:0kg/s〜3kg/s −0.15g/s
2〜0.15g/s
2
n−ブタン:1kg/s〜7kg/s −0.30g/s
2〜0.30g/s
2
他の材料 :0kg/s〜1kg/s −0.05g/s
2〜0.05g/s
2
【0069】
数学用語における変動割合とは、物質質量流量の時間微分であると理解されたい。
【0070】
したがって、本明細書に記載の原料混合物ストリームは、1秒当り1−ブテン1kgを送達することができ、この値は、0.25g/s
2の割合で変動することができる。これは、100000秒(=28時間)以内に1−ブテン含量の成分質量流量が最大3.5kg/sまで上昇することを意味する。逆に、−0.1g/s
2の変動割合を有する1−ブテン含量の減少もまた本明細書に記載されており、したがって、1−ブテンストリーム1kg/sは、3時間未満(すなわち、10000秒以内)で完全に消滅し、したがって、C
4ストリームは突然に1−ブテンを含まなくなる。成分はすべて時間変動を受けるので、全質量流量においても変動してよい。こうした変動は、特定プラントの運転範囲の限界によって限定される。
【0071】
こうした変動を相殺するために、エステル前駆体の調製において、本発明に従って、エテンが使用される。しかし、次いで、エテン含有原料混合物の変動がn−ブテン含有原料混合物の変動に重ならないように、このエテンは、連続的におよび少ない変動で提供されなければならない。原理的に、C
2ストリームの組成は、C
4ストリームほど大きく変動しない。その理由は、唯一のエテン異性体のみが存在するが、n−ブテンは、3つの異性体構造で存在するからである。
【0072】
好ましくは、制御された方式で使用されるエテンは、特定の物質質量流量の範囲内で変化し、個々の変動割合が変動割合の特定の範囲内にある上記の物質質量流量の組合せを送達する連続したエテン源を供給源とする。
【0073】
物質 物質質量流量 変動割合
エテン :0.1kg/s〜5kg/s −0.01g/s
2〜0.01g/s
2
n−ブテン:0kg/s〜0.01kg/s −0.01g/s
2〜0.01g/s
2
他の材料 :0kg/s〜1kg/s −0.05g/s
2〜0.05g/s
2
【0074】
C
4ストリームの仕様に比較して、C
2ストリームは非常に実質的に一定である。念のために申し添えるが、C
2ストリームは、事実上n−ブテンを含まないことが明白にされた。
【0075】
本明細書に記載のオレフィンオリゴマー化はすべて、好ましくは、ニッケル、ケイ素およびアルミニウムを含む不均一固体触媒の存在下、液相中で実施される。適切な触媒は、米国特許第2581228号に開示されている。
【0076】
対照的に、ヒドロホルミル化は、コバルトまたはロジウムいずれかを含む均一触媒系の存在下で実施される。Rh系触媒系は、さらに、配位子として有機リン化合物を含んでよい。適切な触媒系は、上に引用した論文中でFrankeらによって議論されている。
【0077】
ヒドロホルミル化からの生成物は、水素化を受けて存在するアルデヒドがアルコールに変換される。アルデヒドのアルコールへの接触水素化は、文献中に広く記載されている。これは、不均一触媒反応または均一触媒反応いずれかで進行してもよい。概説が、
Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、2013中のJ.Falbe、H.Bahrmann、W.Lipps、D.Mayer、G.D.Frey、Alcohols Aliphatic
および
Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、2009中のD.Sanfilippo、P.N.Rylander、Hydrogenation and Dehydrogenationに記載されている。
【0078】
水素化プロセスは、異性体分布に対していかなる重要な好ましい影響も与えていないが、これは、アルデヒドの骨格異性体がアルコール中と同じ比で存在することを意味する。
【0079】
アルコール混合物のエステル混合物への変換は、好ましくは、アルコール混合物をカルボン酸またはカルボン酸無水物でエステル化することによって実施される。
【0080】
こうしたものは、それ自体公知の方法であり、その詳細は、欧州特許第1186593B1号および欧州特許第1300388B1号で知ることが可能である。エステル混合物はまた、原理的にC
9アルコールによる存在するエステルのエステル交換によっても調製することができる。欧州特許第1430014B1号には、エステル化のプロセスステップは、可塑剤の品質に好ましい影響を与えないことが示されている。これはもっぱらC
9アルコールの特性によって決定される。
【0081】
本方法に包含されるオリゴマー化、ヒドロホルミル化および水素化の反応ステップは、好ましくは、連続的に実施される。その理由は、使用されるC
4源もまた原材料を連続的に送達するからである。エステル化ステップのみが、好ましくは、バッチ式運転で実施される。その理由は、本明細書での反応が平衡反応であり、その平衡が蒸留を介してエステルの方向にシフトされなければならないからである。
【0082】
得られるアルコール混合物が、ノニルアルコール異性体(INA)、たとえば、n−ノナノールと特にメチルオクタノールなどの単分枝および/または多分枝ノナノールの混合物である場合、1つの選択肢は、この混合物をフタル酸または無水フタル酸と反応させてジイソノニルフタラート(DINP)を得ることである。DINPは、PVC用の可塑剤として使用できるエステル混合物である。
【0083】
ここで、一連の多様な方法の変形形態を単純化された流れ図を参照して明確化する。そのために図は、以下を示す。