(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記流量調整機構が、複数のノズルごとに複数設けられ、制御手段が、ノズルに応じた電圧レベルまたは電流レベルで対応する流量調整機構の流量を制御するように構成される請求項1に記載のマウンタ用エア制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、1つのヘッドモジュールには、例えば、1、2、4、8、12、24個のノズルが搭載されており、ノズルそれぞれに、1つずつ、絞り弁がついている。絞り弁の上流は共通のレギュレータを介して正圧域であるエア配管等に接続されている。
【0008】
図9は1つのノズルnに着目して、ヘッドモジュールHM内でノズルnがソレノイドバルブである3ポートバルブbを介して正圧域と負圧域に背反的に接続される構成を示しており、正圧域はエア配管cからレギュレータd及び絞り弁eを介してエアが供給されるようになっている。レギュレータdは不安定なエア配管の圧力を安定化する役割を担い、絞り弁eはマニュアルで絞り量が調整可能とされている。負圧域は真空ポンプfに接続されている。ノズルn、3ポートバルブb及び絞り弁eは、レギュレータdと真空ポンプfの間にノズル数分だけ並列的に設けられている。
【0009】
図10の構成は
図9と同様に3ポートバルブbによってノズルnを正圧域又は負圧域に選択的に切り替え可能とした上で、3ポートバルブbの上流にソレノイドバルブである2ポートバルブg又は3ポートバルブhによって3ポートバルブbへのエア供給のオン・オフを行っている。
【0010】
さらに、
図11の構成はノズルnを正圧域に対して断切する2ポートバルブmと、ノズルnを負圧域に対して断切する2ポートバルブkとがノズルnに対して並列的に接続された構成とされている。
【0011】
このようなヘッドモジュールHMは、大きくは高速、多機能タイプに分類されている。高速タイプは例えばスマートフォン向けの小さなチップ部品実装用に構成され、ノズルnの数は多く、ノズル径は小さく、パーツ吸着後の真空破壊のために供給するエアの流量も少量に設定される。一方、多機能タイプは例えばコネクタなどの比較的大きな異形部品実装用に構成され、ノズルnの数は少なく、ノズル径は大きく、パーツ吸着後の真空破壊のために供給するエアの流量も比較的多く設定される。このため、
図9〜
図11の絞り弁e及びレギュレータdの調整はヘッドモジュールHMの用途ごとに異なり、ヘッドモジュールHM自体が用途に応じて高速用、多機能用として複数種類用意されている。
【0012】
ところで、マウンタの稼働中、パーツの変更時などにノズルnの交換が必要となった場合、ノズル交換は装置の稼動を止めずに行われるのが一般的であるが、ヘッドモジュールHMの交換が必要となった場合は、装置を止めて行う必要があり、設備稼働率の低下につながっている。
【0013】
そこで、1つのヘッドモジュールHMで高速用と多機能用を兼用させることが一つの対策として考えられる。しかしながら、仮に、高速用に調整したヘッドモジュールHMを多機能用で使うと、流量が少ないために所要の流量に達するまでに時間が掛かり、その結果、タクトが下がるという新たな課題が生じる。逆に、多機能用に調整したヘッドモジュールHMを高速用で使うと、流量が多すぎるために小さいチップが解放時に吹き飛ぶという新たな課題が生じる。これを解決するためには、1つのヘッドモジュールHMが高速用と多機能用の複数の用途を充足するものであることが望まれる。
【0014】
また、従来の絞り弁eは変更できない固定の絞り弁または、手動調整の絞り弁が一般的であり、装置の稼働中は固定絞りとして用いられるため、稼働中に実装部品であるパーツの変更やノズルの交換があったときに、パーツやノズル毎に適した流量が維持されるかどうか疑問がある。
【0015】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、マウンタの稼動を停止せずにノズル交換に伴う適切なエア制御を行うことができ、さらに複数のヘッドモジュールの機能を1つのヘッドモジュールでまかなえることを可能にした、従来にはないマウンタ用エア制御装置を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を講じたものである。
【0017】
すなわち、本発明のマウンタ用エア制御装置は、マウンタのヘッドモジュールに搭載される流量調整機構と、この流量調整機構を制御する制御手段とを備えたものであって、前記流量調整機構は、正圧域とノズルの間に介在して通過するエアの流量を連続的に変更可能な機能を含み、前記制御手段は、ノズルを負圧にした後、予め定めた印加電圧または印加電流に基づき、前記流量調整機構の流量を制御してノズルに向けたエア供給を行うように構成されるマウンタ用エア制御装置であって、
前記ヘッドモジュールには高速用途向け及び多機能用途向けに複数種類のノズルが同時に取り付け可能であり、前記流量調整機構が
前記異なる用途向けに複数設けられ、該複数の流量調整機構が前記正圧域を構成する共通のレギュレータに並列的に接続されており、前記制御手段が、前記
複数の流量調整機構
の何れを作動させる
かの情報を含むオン・オフ指令が入力される指令入力部と、予め前記
用途に応じた流量調整機構ごとに印加電圧値または印加電流値の設定を行う設定部と、
前記指令入力部に前記オン・オフ指令を入力されることにより
作動させるべき流量調整機構に関して前記設定部に設定されている電圧値または電流値に対応する印加電圧または印加電流を前記流量調整機構へ印加する出力制御部と、を備えており、前記制御手段は、
前記ヘッドモジュールに高速用途向け及び多機能用途向けに複数種類のノズルを同時に取り付けた状態のままで、前記電圧値または電流値に対応する印加電圧または印加電流に基づき、
エア供給すべきノズルに対応する前記流量調整機構の流量を制御する
ことで、マウンタを停止することなく高速用途向けのノズル又は多機能用途向けのノズルの何れかに切り替えてエア供給を行うことを特徴とする。
【0018】
このようにすると、流量調整機構でノズルに供給するエアの流量制御ができるため、マウンタの稼動を停止せずにパーツやノズルの種類に応じた流量調整を行うことができる。このため、1つのヘッドモジュールで適切に取り扱えるパーツやノズルの種類が増え、設備稼働率も向上させることが可能となる。
【0020】
このようにすると、流量調整機構に対して高速用や多機能用などの用途に相応しい流量制御ができるため、小さい部品に対しては流量を小さく、大きい部品に対しては流量を大きくする流量制御を行うことができる。これにより、ヘッドモジュールの交換を行うことなく汎用性の高い使い方ができ、ヘッドモジュールを共用することによる部品点数の削減とともに、ヘッドモジュールの交換に要していた分、設備稼働率を向上させることが可能となる。
また、流量や圧力を正確にデジタル管理できるうえに、一旦設定を行ったうえでオン・オフ指令により電圧印加または電流印加を行うことで、瞬時に適切な流量制御を実現することが可能となる。
【0021】
或いは、流量調整機構が、複数のノズルごとに複数設けられ、制御手段が、ノズルに応じた電圧レベルまたは電流レベルで対応する流量調整機構の流量を制御するように構成されることが好ましい。
【0022】
このようにすると、用途が同一か否かによらず、ノズル別に更に細かい流量制御を行うことが可能となる。
【0025】
具体的な実施の態様としては、前記流量調整機構が、流量調整機能付きの圧電バルブを用いて構成されるものや、前記流量調整機構が、比例弁を用いて構成されるものが挙げられる。
【発明の効果】
【0026】
以上、説明した本発明によれば、マウンタの稼動を停止せずにノズル交換に伴う適切なエア制御を行うことができ、さらに複数のヘッドモジュールの機能を1つのヘッドモジュールでまかなえることを可能にした、新規有用なマウンタ用エア制御装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
【0029】
この実施形態のマウンタ用エア制御装置が適用されるマウンタのヘッドモジュールHMは、
図1に示すように、負圧域を構成する真空ポンプ1と正圧域中に配置されるレギュレータ2を搭載しており、レギュレータ2は同じく正圧域の圧縮空気源となるエア配管3に接続されている。ヘッドモジュールHMには、従来の高速用途に適合するノズルn1と、多機能用に適合するノズルn2が取り付け可能とされており、更に、高速用途のノズルn1も径の異なる複数種類が取り付け可能とされ、多機能用途のノズルn2も径の異なる複数種類が取り付け可能とされている。そして、各ノズルn1…、n2…ごとに流量制御機構4が接続され、流量制御機構4の真空破壊側の回路は上流を共通のレギュレータ2に並列的に接続されている。また、吸引側の回路は上流を共通の真空ポンプ1に接続されている。
【0030】
そして、ヘッドモジュールHMに流量調整機構4を搭載するとともに、この流量調整機構4を制御する制御手段5を設け、流量調整機構4には、正圧域を構成するレギュレータ2とノズルn(n1またはn2)の間に介在して通過するエアの流量を連続的に変更可能な機能を持たせ、制御手段5は、ノズルn(n1またはn2)を負圧にした後、予め定めた印加電圧または印加電流に基づき、流量調整機構4の流量を制御してノズルn(n1またはn2)に向けたエア供給を行うように構成されている。
【0031】
図2は1つのノズルn(n1あるいは2)に対してマウンタ用エア制御装置を構成する流量調整機構4と、この流量調整機構4を制御する制御手段5とを示しており、流量調整機構4はノズルnの真空破壊用の絞り弁41によって構成されている。制御手段5はこれ以外に真空排気用の切替弁61も制御するように構成されている。この回路構成は
図11の従来例を改良した形となっている。
【0032】
絞り弁41は、正圧域を構成するレギュレータ2の吐出口に連通する第1ポート41aと、ノズルnに連通する第2ポート41bとの間に作動部41cが介在し、第1の作動位置で両ポート41a、41b間を遮断し、第2の作動位置で両ポート41a、41b間を連通する2ポートバルブによって構成されている。具体的には、この絞り弁41はピエゾ素子を用いた圧電バルブで、ノーマルクローズに設定され、外部からの印加電圧レベルに応じて第1の作動位置と第2の作動位置の間で連続的に作動部41cが変位又は変形することにより絞り量を可変として、通過するエアの流量を変更する流量調整機能を有したものとなっている。このため、この2ポートバルブ41によってノズルnに供給するエアの流量および圧力を微調整することができる。また、圧電バルブを採用しているため、例えば電磁弁や比例弁に比べて電圧が印加されてからの応答性が素早いという特徴を有している。
【0033】
切替弁61は、負圧域である真空ポンプ1の吸引口に連通する第3ポート61aと、ノズルnに連通する第4ポート61bとの間に作動部61cが介在し、第1の切替位置で両ポート61a、61b間を遮断し、第2の切替位置で両ポート61a、61b間を連通する2ポートバルブによって構成される。具体的には、このバルブ61はソレノイドバルブで、ノーマルクローズに設定され、外部からの電圧指令によって作動部61cが第1の切替位置から第2の切替位置に切り替わる。
【0034】
一方、制御手段5は、圧電バルブ用ドライバ51を具備し、この圧電バルブ用ドライバ51は上位制御装置52に接続されている。
【0035】
圧電バルブ用ドライバ51は、通信入出力部51a、設定入力部51b、設定部51c、指令入力部51d、出力制御部51e、電圧出力回路51fを備えており、上位制御装置52は、ドライバ設定部52aと、バルブ動作指令部52bとを備えている。
【0036】
ドライバ設定部52aは圧電バルブ用ドライバ51の設定部51cに通信入出力部51aを通じて流量設定を行う。また、バルブ動作指令部52bは、バルブのオン・オフ指令を圧電バルブドライバ5とソレノイドバルブ61に入力する。バルブ動作指令部52bにはどのバルブを駆動するかの通信局番が含まれる。
【0037】
通信入出力部51aが、RS485やEthernet、CAN等に代表させるデータ通信による通信手段の場合、圧電バルブ用ドライバ5は、通信入出力部51aに流量設定データが入力されると、これを設定部51cに書き込む。これにより設定部51cには、ノズルタイプごとの出力電圧設定、通信局番、動作論理が保持される。出力電圧設定は流量(バルブ開度)に関する設定であり、通信局番はどの圧電バルブ41に関する設定かを特定し、動作論理には指令入力部51dの信号に対して同期出力なのかワンショット出力なのかの切替、立ち上がり、立ち下り等の電圧出力波形の設定、ワンショットパルス時間の設定等が行われる。
【0038】
次に、通信入出力部51aが、接点入力のような切替による通信手段を使用する場合について記述する。圧電バルブ用ドライバ5は、設定入力部51bにより、設定部51cに、出力電圧設定、動作論理、同期出力とワンショット出力切替、立ち上がり、立ち下り等の電圧出力波形の設定、ワンショットパルス時間の設定等を書き込む。これら設定値をひとつのグループとし複数記憶される。接点入力のような切替手段により、グループを切り替えることで、データ通信手段よりも高速に設定の切替が行われる。
【0039】
このような構成では、上位制御装置52は先ず、実装部品(パーツ)を吸着する際にソレノイドバルブ61をオンにしてノズル先端を所要の負圧状態にし、次にパーツを開放する際にソレノイドバルブ61をオフにするとともに圧電バルブドライバ51をオンにする。これにより圧電バルブドライバ51は、通信局番に関連づけて設定部51cで設定されている動作論理に従って、対応するノズルnの圧電バルブ41に出力制御部51e及び電圧出力回路51fを介して出力電圧を印加する。このように、印加電圧を決め打ちすることで、エア供給の応答性を早くしている。
【0040】
圧電バルブ41は、印加電圧に応じて作動部41cが連続的に変位し、ノズルの品種に最適な流量および圧力でエアを供給する。このエアはノズルnに到達し、吸着されているパーツを真空破壊によって開放する。開放されたパーツは、対象となるプリント基板上にマウントされる。
【0041】
上位制御装置52では、マウンタのタクトを上げるために、ヘッドモジュールHMが目的の位置に到達するまえに、バルブの遅れや、ノズル先端が目標圧力になるまでの圧力変化の遅れを想定して、ノズルnのXYZ軸の移動と並行してバルブの動作指令を出している。
【0042】
以上のように、本実施形態のマウンタ用エア制御装置は、マウンタのヘッドモジュールHMに搭載される流量調整機構4と、この流量調整機構4を制御する制御手段5とを備えたものであって、流量調整機構4は、正圧域とノズルnの間に介在して通過するエアの流量を連続的に変更可能な機能を含み、制御手段5は、ノズルnを負圧にした後、予め定めた印加電圧または印加電流に基づき、流量調整機構4の流量を制御してノズルnに向けたエア供給を行うように構成される。
【0043】
このようにすると、流量調整機構4でノズルnに供給するエアの流量制御ができるため、マウンタの稼動を停止せずにパーツやノズルnの種類に応じた流量調整を行うことができる。このため、1つのヘッドモジュールHMで適切に取り扱えるパーツやノズルの種類が増え、設備稼働率も向上させることが可能となる。
【0044】
特に流量調整機構4が、高速用のノズルn1を対象としたものと、多機能用のノズルn2を対象したものとを併設し、制御手段5が、用途に応じた電圧レベルまたは電流レベルで対応する流量調整機構4の流量を制御するように構成されている。
【0045】
このようにすると、流量調整機構4に対して高速用や多機能用などの用途に相応しい流量制御ができるため、小さい部品に対しては流量を小さく、大きい部品に対しては流量を大きくする流量制御を行うことができる。これにより、ヘッドモジュールHMの交換を行うことなく汎用性の高い使い方ができ、ヘッドモジュールHMを共用することによる部品すなわちヘッドモジュールHMの点数の削減とともに、ヘッドモジュールHMの交換に要していた分、設備稼働率を向上させることが可能となる。
【0046】
さらに流量調整機構4は、一の用途に含まれる複数のノズルn1ごと(n2ごと)にも複数設けられ、制御手段5が、ノズルn1(n2)に応じた電圧レベルまたは電流レベルで対応する流量調整機構4の流量を制御するように構成される。
【0047】
このようにすることで、用途別、ノズル別に更に細かい流量制御を行うことが可能となる。
【0048】
また制御手段5が、予め流量調整機構4ごとに印加電圧値または印加電流値の設定を行う設定部51cと、オン・オフ指令を入力されることにより設定部51cに設定されている電圧値または電流値で対応する流量調整機構4への電圧印加または電流印加を行う出力制御部51eとを備えている。
【0049】
このようにすると、流量や圧力を正確にデジタル管理できるうえに、一旦設定を行ったうえでオン・オフ指令により電圧印加または電流印加を行うことで、瞬時に適切な流量制御を実現することが可能となる。
【0050】
そして、流量調整機構4が、流量調整機能付きの圧電バルブを41用いて構成されるため、高速、長寿命なエア制御装置を実現することが可能となる。
<第2実施形態>
【0051】
次に、本発明の第2実施形態を、
図3を参照して説明する。なお、概ね共通する部分には同一符号を付すか或いは一部符合を省略し、説明についても省略する。
【0052】
前記第1実施形態では流量調整機構4が1つの2ポートバルブ41によって構成されていたが、この実施形態では、流量調整機構4が1つの2ポートバルブ42と1つの3ポートバルブ43を直列に接続することによって構成されている点が異なる。この回路構成は
図10の従来例を改良した形となっている。
【0053】
すなわち、正圧域を構成するレギュレータ2とノズルnの間に介在して連続的な流量調整を行う絞り弁としての2ポートバルブ42が圧電バルブによって構成され、その下流に配置された3ポートバルブ43は真空排気と真空破壊を切り替える切替弁として構成されている。3ポートバルブ43はノズルnに対して正圧域を遮断し真空ポンプ1を接続する位置をノーマル状態とし、上位制御装置52からバルブ動作指令が入力されることによって真空ポンプ1を遮断し正圧域をノズルnに接続する動作を行う。2ポートバルブ42は、連続的に流量を変化させる機能を備え、前記実施形態と同様に圧電バルブドライバ51からの入力によって動作する。
【0054】
このように構成しても、前記実施形態と同様の作用効果を奏する。
<第3実施形態>
【0055】
次に、本発明の第3実施形態を、
図4を参照して説明する。なお、概ね共通する部分には同一符号を付すか或いは一部符合を省略し、説明についても省略する。
【0056】
前記第1実施形態では流量調整機構4が絞り弁である2ポートバルブ41によって構成され、前記第2実施形態では流量調整機構4が絞り弁である2ポートバルブ45と切替弁である3ポートバルブ44によって構成されていたが、この実施形態では、流量調整機構4が絞り弁である3ポートバルブ44と切替弁である2ポートバルブ45によって構成されている点が異なる。この回路構成も
図10の従来例を改良した形となっている。
【0057】
すなわち、正圧域を構成するレギュレータ2とノズルnの間に介在して連続的な流量調整を行う圧電バルブ44はノズルnに対して正圧域を遮断し真空ポンプ1を接続する位置をノーマル状態とし、圧電バルブドライバ51からバルブ動作指令が入力されることによって真空ポンプ1を遮断し正圧域とノズルnの間を連続的に開度を変えながら接続する動作を行う。また、2ポートバルブ45は、レギュレータ2と3ポートバルブ44の間をオンオフする役割を担い、上位制御装置52のバルブ動作指令部からの入力によって動作する。
【0058】
このように構成しても、前記各実施形態に準じた作用効果を奏する。
<第4実施形態>
【0059】
次に、本発明の第4実施形態を、
図5を参照して説明する。なお、概ね共通する部分には同一符号を付すか或いは一部符合を省略し、説明についても省略する。
【0060】
前記各実施形態では流量調整機構4の機能を含んで2つのバルブが採用されていたが、この実施形態では流量調整機構4に絞り弁である3ポートバルブを用い、この3ポートバルブに負圧域の切替機能を持たせている点が異なる。この回路構成は
図9の従来例を改良した形となっている。
【0061】
すなわち、この3ポートバルブ46はノズルnに対して正圧域を構成するレギュレータ2を遮断し負圧域を構成する真空ポンプ1を接続する位置をノーマル状態とし、圧電バルブドライバ51からバルブ動作指令が入力されることによって真空ポンプ1を遮断し正圧域を連続的に絞りを変えながらノズルnに接続する動作を行う。
【0062】
このように構成しても、前記各実施形態に準じた作用効果を奏する。
<第5実施形態>
【0063】
次に、本発明の第5実施形態を、
図6を参照して説明する。なお、概ね共通する部分には同一符号を付すか或いは一部符合を省略し、説明についても省略する。
【0064】
前記各実施形態では、流量調整機構4の絞り弁が圧電バルブによって構成されていたのに対し、この実施形態の流量調整機構4は、絞り弁を比例弁47に変更している点が異なる。
【0065】
すなわち、このものは
図11に示す従来の回路構成を改良した形であり、絞り弁eに代えて比例弁47を採用して、ノズルnと正圧域を構成するレギュレータ2の間の絞りである開度を上位制御装置52のアナログ出力部52cからの出力によって連続的に可変しているものであり、ノズルnを正圧域に接続する2ポートバルブmおよび負圧域に接続する2ポートバルブkはバルブ動作指令部52bによって動作させるようにしている。
【0066】
比例弁47をノズルnごとに個別に持たせるとヘッドモジュールHMの重量が増大するうえに、応答性も悪いため瞬時に切替はできないが、ヘッドモジュールHMを共用してマウンタの稼動を停止することなく高速用から多機能用までを賄え、ヘッドモジュールの交換を不要にできる点では、比例弁47を用いても、圧電バルブを用いた上記実施形態に準じた作用効果が奏される。
<その他の実施形態>
【0067】
図7は
図10に示す従来の回路構成を改良した形であって、絞り弁eに変えて比例弁48を採用し、アナログ出力部52cによって制御するようにしたものである。また、
図8は
図9に示す従来の回路構成を改良した形であって、絞り弁eに変えて比例弁49を採用し、アナログ出力部52cによって制御するようにしたものである。
【0068】
このようにしても、第5実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0069】
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0070】
例えば、流量調整機構4に対し、多機能用途、高速用途などのノズルのカテゴリーに関係なく、複数のノズルに対して本発明を適用することで、ノズルに適合した流量制御を行うことが可能である。
【0071】
また、上記実施形態ではノズルnと流量調整機構4は1対1の関係であったが、図示しないが、複数のノズルに対して1つの流量調整機構を設け、流量調整機構その下流に各ノズルに対して方向制御弁(流路制御弁)を設ける構成としても構わない。
【0072】
さらに、上記実施形態では圧電ドライバはヘッドモジュール外に配置しているが、重量やスペースが問題にならなければヘッドモジュールに搭載しても構わない。
【0073】
或いは、上記実施形態では真空ポンプがヘッドモジュールに搭載されているが、真空排気が適切に行われればヘッドモジュール外に配置しても構わない。
【0074】
さらにまた、本実施形態のエア制御装置はマウンタ2に適用されたが、これに限定されず、外観検査機、測定分別機およびテーピング機などに適用されてもよい。
【0075】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。