特許第6969890号(P6969890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ヒラノテクシードの特許一覧

<>
  • 特許6969890-ウエブの巻取り装置 図000002
  • 特許6969890-ウエブの巻取り装置 図000003
  • 特許6969890-ウエブの巻取り装置 図000004
  • 特許6969890-ウエブの巻取り装置 図000005
  • 特許6969890-ウエブの巻取り装置 図000006
  • 特許6969890-ウエブの巻取り装置 図000007
  • 特許6969890-ウエブの巻取り装置 図000008
  • 特許6969890-ウエブの巻取り装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6969890
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】ウエブの巻取り装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 18/26 20060101AFI20211111BHJP
   B65H 19/28 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   B65H18/26
   B65H19/28 A
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-88854(P2017-88854)
(22)【出願日】2017年4月27日
(65)【公開番号】特開2018-184292(P2018-184292A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2020年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000240341
【氏名又は名称】株式会社ヒラノテクシード
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(72)【発明者】
【氏名】中村 行良
【審査官】 沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−072285(JP,A)
【文献】 特開昭61−012559(JP,A)
【文献】 特開2016−040193(JP,A)
【文献】 特開2003−081497(JP,A)
【文献】 実開平04−014253(JP,U)
【文献】 特開2010−241573(JP,A)
【文献】 特開2001−132763(JP,A)
【文献】 特開昭58−125553(JP,A)
【文献】 特開2006−008346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 18/00−18/28
B65H 19/00−19/30
B65H 21/00−21/02
B65H 23/18−23/198
B65H 26/00−26/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に公転する主回転軸と、
前記主回転軸を公転させる公転手段と、
前記主回転軸から突出した左右一対の第1主支持腕と、
前記主回転軸から突出し、前記第1主支持腕から前記主回転軸を中心として180°離れた左右一対の第2主支持腕と、
前記第1主支持腕と前記第2主支持腕との間であって、かつ、前記第1主支持腕から前記主回転軸を中心として90°離れた位置において、前記主回転軸から突出した左右一対の第1補助腕と、
前記第2主支持腕と前記第1主支持腕との間であって、かつ、前記第2主支持腕から前記主回転軸を中心として90°離れた位置において、前記主回転軸から突出した左右一対の第2補助腕と、
左右一対の前記第1主支持腕の間に自転するように取り付けられた第1巻軸と、
左右一対の前記第2主支持腕の間に自転するように取り付けられた第2巻軸と、
前記主回転軸とは偏心した位置と、前記位置から前記主回転軸を中心として180°離れた位置のそれぞれに腕回転軸を介して回転自在に取り付けられた2組の左右一対のタッチ支持腕と、
左右一対の前記タッチ支持腕の一方の先端の間に回転自在に支持され、前記第1巻軸又は第2巻軸に巻かれた前記ウエブに接触しつつ回転するタッチロールと、
左右一対の前記タッチ支持腕の他方の先端にそれぞれ設けられた重りと、
左右一対の前記第1補助腕と左右一対の前記第2補助腕のそれぞれに設けられ、左右一対の前記タッチ支持腕をそれぞれ移動させて、前記タッチロールを前記ウエブに押圧する左右一対の押圧手段と、
左右一対の前記タッチ支持腕にそれぞれ設けられ、前記ウエブへの前記タッチロールの押圧力を検出する左右一対の検出手段と、
制御部と、
を有し、
前記制御部は、
左右一対の前記検出手段が検出した左右の押圧力が同じになるように、左右一対の前記押圧手段を制御し、前記タッチロールが、前記第1巻軸又は前記第2巻軸に巻回された前記ウエブの幅方向において均一に押圧し、
前記ウエブの巻径が大きくなるほどに、左右の前記押圧力が小さくなるように、左右一対の前記押圧手段を制御する、
ウエブの巻取り装置。
【請求項2】
前記押圧手段は、エアーシリンダである、
請求項1に記載のウエブの巻取り装置。
【請求項3】
前記検出手段は、圧力センサである、
請求項1に記載のウエブの巻取り装置。
【請求項4】
左右一対の前記第1主支持腕にそれぞれ自転自在に取り付けられた第1チャックと、
前記第1チャックを自転させる第1自転手段と、
左右一対の前記第2主支持腕にそれぞれ自転自在に取り付けられた第2チャックと、
前記第2チャックを自転させる第2自転手段と、
を有し、
前記第1巻軸は、左右一対の前記第1チャックに架け渡され、
前記第2巻軸は、左右一対の前記第2チャックに架け渡されている、
請求項1に記載のウエブの巻取り装置。
【請求項5】
前記巻軸に巻かれた前記ウエブに接触して、前記ウエブを前記巻軸に巻き付かせるための巻付けロールと、
前記巻付けロールに前記ウエブを案内する案内ロールと、
を有する請求項1に記載のウエブの巻取り装置。
【請求項6】
前記巻軸に巻かれる前記ウエブが増加する程に前記巻付けロールを移動させる移動手段を有する、
請求項5に記載のウエブの巻取り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエブの巻取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺状のウエブに塗工液を塗工し、その後に乾燥して処理を終えたものは、巻取り装置によって巻軸に巻き付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第539397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように巻軸にウエブを巻き付ける場合に、この巻取りが均一に行われず、ウエブが巻軸に竹の子状に巻かれる場合があるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、巻軸にウエブを均一に巻くことができるウエブの巻取り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水平に公転する主回転軸と、前記主回転軸を公転させる公転手段と、前記主回転軸から突出した左右一対の第1主支持腕と、前記主回転軸から突出し、前記第1主支持腕から180°離れた左右一対の第2主支持腕と、 前記第1主支持腕と前記第2主支持腕との間であって、かつ、前記第1主支持腕から前記主回転軸を中心として90°離れた位置において、前記主回転軸から突出した左右一対の第1補助腕と、前記第2主支持腕と前記第1主支持腕との間であって、かつ、前記第2主支持腕から前記主回転軸を中心として90°離れた位置において、前記主回転軸から突出した左右一対の第2補助腕と、左右一対の前記第1主支持腕の間に自転するように取り付けられた第1巻軸と、左右一対の前記第2主支持腕の間に自転するように取り付けられた第2巻軸と、前記主回転軸とは偏心した位置と、前記位置から前記主回転軸を中心として180°離れた位置のそれぞれに腕回転軸を介して回転自在に取り付けられた2組の左右一対のタッチ支持腕と、左右一対の前記タッチ支持腕の一方の先端の間に回転自在に支持され、前記第1巻軸又は第2巻軸に巻かれた前記ウエブに接触しつつ回転するタッチロールと、 左右一対の前記タッチ支持腕の他方の先端にそれぞれ設けられた重りと、左右一対の前記第1補助腕と左右一対の前記第2補助腕のそれぞれに設けられ、左右一対の前記タッチ支持腕をそれぞれ移動させて、前記タッチロールを前記ウエブに押圧する左右一対の押圧手段と、左右一対の前記タッチ支持腕にそれぞれ設けられ、前記ウエブへの前記タッチロールの押圧力を検出する左右一対の検出手段と、制御部と、を有し、前記制御部は、左右一対の前記検出手段が検出した左右の押圧力が同じになるように、左右一対の前記押圧手段を制御し、前記タッチロールが、前記第1巻軸又は前記第2巻軸に巻回された前記ウエブの幅方向において均一に押圧し、前記ウエブの巻径が大きくなるほどに、左右の前記押圧力が小さくなるように、左右一対の前記押圧手段を制御する、ウエブの巻取り装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、タッチロールの左右の押圧力が同じになるため、タッチロールにタッチされているウエブは、巻軸に綺麗に巻かれる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の巻取り装置の説明図である。
図2】第1巻軸と第1タッチロールの一部欠裁平面図である。
図3】第1タッチロールを第1巻軸に押圧した状態であって、ウエブの巻径が最小のときの図である。
図4】第1タッチロールを第1巻軸に押圧した状態であって、ウエブの巻径が図3の巻径より大きくなったときの図である。
図5】第1タッチロールを第1巻軸に押圧した状態であって、ウエブの巻径が図4の巻径より大きくなったときの図である。
図6】第1タッチロールを第1巻軸に押圧した状態であって、ウエブの巻径が最大になったときの図である。
図7】巻取り装置のブロック図である。
図8】第1タッチロールの押圧力とウエブの巻径との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態のウエブWの巻取り装置10について図1図7を参照して説明する。ウエブWとしては、長尺状のフィルム、金属泊、紙、布帛などである。本実施形態の巻取り装置10は、ウエブWを巻軸1,2に巻き取る巻取りユニット3と、巻取りユニット3にウエブWを案内する案内ユニット4とより構成されている。
【0010】
(1)巻取りユニット3の構成
巻取り装置10の巻取りユニット3の構成について図1図2を参照して説明する。図1に示すように、水平な床に載置された基台12から左右一対の支持脚14,14が立設されている。左右一対の支持脚14,14の上部には、水平に、かつ、回転自在に主回転軸16が架け渡されている。
【0011】
主回転軸16から左右一対の第1主支持腕18,18が突出している。第1主支持腕18,18から180°離れた位置において第2主支持腕20,20が主回転軸16から突出している。
【0012】
主回転軸16において、第1主支持腕18と第2主支持腕20との間であって、かつ、90°離れた位置から、左右一対の第1補助腕22,22が突出している。第2主支持腕20,20と第1主支持腕18,18の間であって、90°離れた位置からは左右一対の第2補助腕24,24が突出している。
【0013】
左右一対の第1主支持腕18,18の先端には、図2に示すように、左右一対の第1チャック26,26が設けられている。左右一対の第1チャック26,26の間には、着脱自在に第1巻軸1が取り付けられる。第1巻軸1は、第1チャック26,26と共に回転する。
【0014】
左右一対の第2主支持腕20,20の先端には、図2に示すように、左右一対の第2チャック28,28が設けられている。左右一対の第2チャック28,28の間には、着脱自在に第2巻軸2が取り付けられる。第2巻軸2は、第2チャック28,28と共に回転する。
【0015】
左右一対の第1補助腕22,22の先端には、第1補助ロール30が回転自在に架け渡されている。
【0016】
左右一対の第2補助腕24,24の先端には、第2補助ロール32が回転自在に架け渡されている。
【0017】
基台12には、主回転軸16を回転させる公転モータ34が設けられている。ここで、「公転」とは、主回転軸16を公転モータ34によって回転させ、第1主支持腕18、第2主支持腕20、第1補助腕22、第2補助腕24を、図1においては反時計回りの方向に回転させることをいう。
【0018】
基台12には、第1チャック26を回転させる第1自転モータ36が設けられている。また、第2チャック28を回転させる第2自転モータ38が設けられている。ここで、「自転」とは、第1巻軸1又は第2巻軸2を回転させてウエブWを巻き取ることをいう。
【0019】
コンピュータよりなる巻取り装置10の制御部5が、基台12に設けられている。
【0020】
(2)第1タッチロール46と第2タッチロール66
次に、第1タッチロール46と第2タッチロール66について説明する。
【0021】
主回転軸16の近傍において、水平方向に第1腕回転軸40が設けられている。この第1腕回転軸40は、主回転軸16とは偏心した位置に回転自在に固定されている。
【0022】
第1腕回転軸40の左右両側から左右一対の第1左タッチ支持腕42、第1右タッチ支持腕44が設けられている。
【0023】
左右一対の第1左タッチ支持腕42、第1右タッチ支持腕44の一方の端部には、図2に示すように、ベアリング45,45を介して第1タッチロール46が回転自在に設けられている。第1タッチロール46の回転軸は、第1巻軸1と平行である。
【0024】
左右一対の第1左タッチ支持腕42、第1右タッチ支持腕44の他方の端部には、図1に示すように、第1重り48,48が設けられている。第1左タッチ支持腕42、第1右タッチ支持腕44において、第1タッチロール46と第1腕回転軸40の距離と第1重り48と第1腕回転軸40の比率は、例えば8対2又は9対1に設けられている。但し、この比率は第1タッチロール46と第1重り48の重さによって決定される。
【0025】
第1左タッチ支持腕42において、第1腕回転軸40の近傍から第1偏心突部50が突出している。第1右タッチ支持腕44においても同様に第1偏心突部50が突出している。左の第1補助腕22の先端と、第1左タッチ支持腕42の第1偏心突部50との間には、第1左エアーシリンダ52が取り付けられている。また、右の第1補助腕22の先端と、第1右タッチ支持腕44の第1偏心突部50との間には、第1右エアーシリンダ54が取り付けられている。第1左エアーシリンダ52と第1右エアーシリンダ54が伸縮することにより、左右一対の第1左タッチ支持腕42、第1右タッチ支持腕44が第1腕回転軸40を中心に回転する。そして、第1タッチロール46が、後から説明するように第1巻軸1に押圧される。
【0026】
第1左タッチ支持腕42の一方の先端の近傍には、圧力センサよりなる第1左センサ56が設けられている。この第1左センサ56によって、第1タッチロール46の左側のウエブWに対する圧力を検出できる。
【0027】
第1右タッチ支持腕44の一方の先端の近傍には、圧力センサよりなる第1右センサ58が設けられている。この第1右センサ58によって、第1タッチロール46の右側のウエブWに対する圧力を検出できる。
【0028】
主回転軸16の近傍であって、第1腕回転軸40から180°離れた位置に第2腕回転軸60が設けられている。この第2腕回転軸60は、第2巻軸2と平行であり、かつ、第2主支持腕20とは偏心した位置に回転自在に固定されている。
【0029】
第2腕回転軸60の左右両側には、左右一対の第2左タッチ支持腕62、第2右タッチ支持腕64が設けられている。
【0030】
左右一対の第2左タッチ支持腕62、第2右タッチ支持腕64の一方の端部には、図2に示すように、ベアリング65,65を介して第2タッチロール66が回転自在に設けられている。第2タッチロール66の回転軸は、第2巻軸2と平行である。
【0031】
左右一対の第2左タッチ支持腕62、第2右タッチ支持腕64の他方の端部には、図1に示すように、第2重り68,68が設けられている。第2左タッチ支持腕62、第2右タッチ支持腕64において、第2タッチロール66と第2腕回転軸60の距離と第2重り68と第2腕回転軸60の比率は、例えば8対2又は9対1に設けられている。但し、この比率は第2タッチロール66と第2重り68の重さによって決定される。
【0032】
第2左タッチ支持腕62において、第2腕回転軸60の近傍から第2偏心突部70が突出している。第2右タッチ支持腕64においても同様に第2偏心突部70が突出している。左の第2補助腕22の先端と、第2左タッチ支持腕62の第2偏心突部70との間には、第2左エアーシリンダ72が取り付けられている。また、右の第2補助腕22の先端と、第2右タッチ支持腕64の第2偏心突部70との間には、第2右エアーシリンダ74が取り付けられている。第2左エアーシリンダ72と第2右エアーシリンダ74が伸縮することにより、左右一対の第2左タッチ支持腕62、第2右タッチ支持腕64が第2腕回転軸60を中心に回転する。そして、第2タッチロール66が、後から説明するように第2巻軸1に押圧される。
【0033】
第2左タッチ支持腕62の一方の先端の近傍には、圧力センサよりなる第2左センサ76が設けられている。この第2左センサ76によって、第2タッチロール66の左側のウエブWに対する圧力を検出できる。
【0034】
第2右タッチ支持腕64の一方の先端の近傍には、圧力センサよりなる第2右センサ78が設けられている。この第2右センサ78によって、第2タッチロール66の右側のウエブWに対する圧力を検出できる。
【0035】
(3)案内ユニット4の構成
次に、案内ユニット4の構成について図1を参照して説明する。案内ユニット4は、基台12の上面であって、巻取りユニット3の隣に設けられている。
【0036】
基台12から、フレーム100が立設されている。このフレーム100には、水平方向に移動自在な移動装置102が設けられている。
【0037】
移動装置102は、本体114の先端に巻付けロール116が回転自在に設けられている。この巻付けロール116は、案内ロール104,106,108から案内されたウエブWを第1巻軸1又は第2巻軸2に巻き付けるためのロールである。本体114は、移動モータ118によってレール120の上を水平方向に移動する。本体114を巻付けロール116と共に移動させる理由は、ウエブWを巻き付けていくと巻取り径が大きくなるため、その大きくなった巻取り径の分だけ巻付けロール116を退避させるためのものである。また、この移動装置102の巻付けロール116にウエブWを外部から案内するための案内ロール104,106,108が回転自在に設けられている。
【0038】
移動装置102の上方には、上カッター装置110が設けられ、移動装置102の下方には下カッター装置112が設けられている。
【0039】
上カッター装置110は、回転軸124を中心に回転自在であり、その先端に上カッター126が設けられている。この上カッター装置110は、図2に示すようにエアーシリンダよりなる上カッター駆動部128によって回転自在であり、ウエブWを幅方向に切断する。
【0040】
下カッター装置112も、回転軸130を中心に回転自在であり、その先端に下カッター132が設けられている。この下カッター装置112も、図2に示すようにエアーシリンダよりなる下カッター駆動装置134によって回転自在であり、ウエブWを幅方向に切断する。
【0041】
(4)巻取り装置10の電気的構成
次に、巻取り装置10の電気的構成について図7を参照して説明する。巻取り装置10の制御部5は、中央処理装置、キーボードやマウスなどの入力装置、ディスプレイ、スピーカなどの出力装置を有している。
【0042】
制御部5には、図7のブロック図に示すように、公転モータ34、第1自転モータ36、第2自転モータ38、移動モータ118、上カッター駆動部128、下カッター駆動装置134が接続されている。
【0043】
制御部5には、第1左エアーシリンダ52が、第1左電空変換器53を介して接続され、第1右エアーシリンダ54が、第1右電空変換器55を介して接続されている。制御部5には、第1左センサ56と第1右センサ58が接続されている。
【0044】
制御部5には、第2左エアーシリンダ72が、第2左電空変換器73を介して接続され、第2右エアーシリンダ74が、第2右電空変換器75を介して接続されている。制御部5には、第2左センサ76と第2右センサ78が接続されている。
【0045】
(5)巻取り装置10の動作状態
巻取り装置10の動作状態について図1図3図8を参照して説明する。
【0046】
初期状態において、図1に示すように、第1巻軸1が、左右一対の第1主支持腕18の間に架け渡され、第1主支持腕18が水平状態にあって、第1巻軸1が巻付けロール116の近傍に位置している。以下この位置を「巻付け位置」という。一方、水平状態にある左右一対の第2主支持腕20,20の間に、空の第2巻軸2が取り付けられている。以下この位置を「取り付け位置」という。制御部5は、第1自転モータ36によってウエブWを第1巻軸1に巻き付ける走行速度に合わせて、下記の工程を順番に行う。
【0047】
第1工程において、制御部5は、第1巻軸1を巻付け位置において、反時計回りの方向に自転させる(図1参照)。ウエブWは、案内ロール104、106,108を経て巻付けロール116の下周面を通り、自転している第1巻軸1に上巻で巻き付けられていく。この状態において、図3に示すように、第1タッチロール46は、第1巻軸1に巻き付いていくウエブWの下周面からウエブWを幅方向に均一に押圧する。制御部5は、第1左センサ56が検出した左の押圧力と第1右センサ58が検出した右の押圧力が等しくなるように、第1左エアーシリンダ52と第1右エアーシリンダ54を制御する。これによって、ウエブWの巻付きがばらついたりしない。
【0048】
第2工程において、図4図5に示すように、第1巻軸1に巻き付いているウエブWの巻径が大きくなると、制御部5は、図1の点線に示すように、移動装置102の本体114を移動モータ118で移動させ、大きくなる巻径に併せて巻付けロール116を退避させる。また、制御部5は、巻径が大きくなるウエブWに接触している第1タッチロール46に関しても、図4図5に示すように、巻径と共に第1左タッチ支持腕42を回転させ移動させていく。このときに、制御部5は、第1タッチロール46が左右均等にウエブWに接触するように、第1左センサ56と第1右センサ58によって左の押圧力と右の押圧力を検出し、第1左エアーシリンダ52と第1右エアーシリンダ54を制御している。
【0049】
第3工程において、制御部5は、図3図6に示すように、ウエブWの巻径が大きくなるほど、図8に示すように第1タッチロール46の押圧力を小さくする。ウエブWの巻径が大きくなるほど第1タッチロール46の押圧力を小さくする理由は、巻径が大きくなると中心に近いウエブWに対する外周からのウエブWの巻き付け力が大きくなり、その中心部に近いウエブWに皺が発生するためであって、外周に近いウエブWの巻き付け力を弱め、皺が発生しないようにしている。図8は、押圧力と巻径との関係を示したグラフであり、縦軸が押圧力を示し、横軸が巻径を示し、点Aが図3の状態を示し、点Bが図4の状態を示し、点Cが図5の状態を示し、点Dが図6の状態を示している。縦軸は、第1タッチロール46が、空の第1巻軸1に真下からタッチした状態の押圧力を100とし、数字が下がるほどその押圧力が小さいことを示し、横軸は、巻径(直径)である。
【0050】
第4工程において、第1巻軸1にウエブWが図6に示すように、ほぼ満巻状態になると、制御部5は、第1主支持腕18、第2主支持腕20、第1補助腕22、第2補助腕24を主回転軸16を中心として反時計回りの方向に公転させ、第1巻軸1を巻付け位置から取り外し位置に公転させる(図1参照)。このときに、第1タッチロール46は、ウエブWに接触したまま公転する。
【0051】
第5工程において、第1主支持腕18が巻付け位置から取り外し位置まで公転すると、ウエブWは、図1の点線に示すように、巻付けロール116、第2補助ロール32を経て第1巻軸1に上巻状態となる。そのため、満巻状態になると、制御部5は、上カッター装置110を上カッター駆動部128によって駆動させて、ウエブWを幅方向に切断する。この状態において、空の第2巻軸2が、巻付け位置にあるため、切断後には、引き続きウエブWの巻取りを行うことができる。第2巻軸2においても、第1巻軸1と同様にウエブWを巻き付けることができる。
【0052】
(6)効果
本実施形態によれば、第1左エアーシリンダ52と第1右エアーシリンダ54によって第1タッチロール46をウエブWの幅方向に均一に押圧できるため、第1巻軸1にウエブWが巻かれる場合にずれたりして、竹の子状にならない。
【0053】
また、ウエブWの巻径が大きくなるほど第1タッチロール46の押圧力を小さくするため、ウエブWの表面に第1タッチロール46の跡が付かない。
【0054】
(7)変更例
上記実施形態では、第1巻軸1又は第2巻軸2に上巻状態を説明したが、これに代えて第1巻軸1又は第2巻軸2に下巻状態でもよい。このときには下カッター装置112によってウエブWを切断すればよい。
【0055】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
W・・・ウエブ、1・・・第1巻軸、2・・・第2巻軸、3・・・巻取り部、4・・・案内部、5・・・制御部、10・・・巻取り装置、12・・・基台、14・・・支持脚、16・・・主回転軸、18・・・第1主支持腕、20・・・第2主支持腕、34・・・公転モータ、36・・・第1自転モータ、38・・・第2自転モータ、40・・・第1腕回転軸、42・・・第1左タッチ支持腕、44・・・第1右タッチ支持腕、46・・・第1タッチロール、52・・・第1左エアーシリンダ、54・・・第1右エアーシリンダ、56・・・第1左センサ、58・・・第1右センサ、60・・・第2腕回転軸、62・・・第2左タッチ支持腕、64・・・第2右タッチ支持腕、66・・・第2タッチロール、72・・・第2左エアーシリンダ、74・・・第2右エアーシリンダ、76・・・第2左センサ、78・・・第2右センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8