特許第6969894号(P6969894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6969894
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】ステータおよびレゾルバ
(51)【国際特許分類】
   H02K 24/00 20060101AFI20211111BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20211111BHJP
   G01D 5/245 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H02K24/00
   H02K5/22
   G01D5/245 E
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-90647(P2017-90647)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-191403(P2018-191403A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 尚浩
【審査官】 服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−106977(JP,A)
【文献】 特開2012−135078(JP,A)
【文献】 特開2004−120873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 24/00
H02K 5/22
G01D 5/245
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の本体部から一方の径方向に延在する複数のティースを有するステータコアと、
前記複数のティースを前記ステータコアの軸方向の両側から覆うインシュレータと、
前記インシュレータを介して前記複数のティースのそれぞれに巻回されるコイルと、
前記インシュレータから前記一方の径方向とは反対の径方向に延在し、前記コイルを構成する巻線の末端が一端に絡げられている複数の端子を有し、前記インシュレータと一体に形成された端子台部と、
前記端子台部との接続部を有し、前記複数の端子のそれぞれの他端を収納し、該複数の端子の他端が外部コネクタと接続されるコネクタハウジングと
を備え、
前記本体部には、周方向に沿って等角度で複数の貫通孔が形成され、
前記端子台部には、前記複数の端子よりも前記コイル側に位置し、前記ステータコアの前記複数の貫通孔の1つと重なる第1の貫通孔が形成され、
前記複数の端子を、前記複数の端子の前記一端側から覆う端子カバーをさらに備え、
前記端子カバーには、前記第1の貫通孔と重なる第3の貫通孔が形成され、
前記コネクタハウジングは、前記ステータコアの前記貫通孔前記第1の貫通孔、および前記第3の貫通孔を貫通するように形成された第1の突起部を前記接続部として有し、
前記ステータコアの前記貫通孔前記第1の貫通孔、および前記第3の貫通孔を貫通した前記第1の突起部の先端が前記端子カバー上で固着されている、
ステータ。
【請求項2】
前記端子台部には、前記反対の径方向において前記ステータコアの外側に位置するように第2の貫通孔が形成され、
前記コネクタハウジングは、前記第2の貫通孔を貫通するように形成された第2の突起部を前記接続部として有し、前記第2の貫通孔を貫通した前記第2の突起部の先端が前記端子台部上で固着されている、
請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
前記端子カバーには、前記反対の径方向において前記ステータコアの外側に位置するように第4の貫通孔が形成され、
前記コネクタハウジングは、前記第4の貫通孔を貫通するように形成された第2の突起部を前記接続部として有し、前記第4の貫通孔を貫通した前記第2の突起部の先端が前記端子カバー上で固着されている、
請求項に記載のステータ。
【請求項4】
前記端子台部は、前記第2の突起部が前記第4の貫通孔を貫通するように前記第2の突起部をガイドするガイド部を有する、
請求項に記載のステータ。
【請求項5】
前記端子カバーは、前記コイルを覆うコイルカバーと一体に形成されている、
請求項のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項6】
ロータと、
請求項1〜のいずれか一項に記載のステータと
を備える、レゾルバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータおよびレゾルバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータまたは発電機などの回転軸の回転角を検出するレゾルバが知られている。例えば、レゾルバは、モータまたは発電機などの回転軸に固定されるロータおよびハウジング等に固定されたステータを含む。ステータは、環状の本体および環状の本体の径方向に延在する複数のティースを備えたステータコアを含む。ロータは、非回転対称の形状を有すると共に、ステータコアの環状の本体の径方向においてステータコアの複数のティースと対向するように配置される。ステータコアの複数のティースには、コイル(巻回された巻線)が設けられている。コイルは、外部から励磁電流が供給される励磁巻線と、ロータの回転角度に依存して信号を出力する出力巻線とを含む。出力巻線は、sin相の信号を出力する巻線およびcos相の信号を出力する巻線を含む。
【0003】
励磁電流が励磁巻線に印加された状態において、ロータが、モータまたは発電機などの回転軸の回転に伴って、回転させられる際に、ロータとステータコアの複数のティースとの間におけるギャップの大きさが、ロータの回転に伴って変化する。ロータとステータコアの複数のティースとの間におけるギャップの大きさの変化に応じた電圧が出力巻線に生じる。出力巻線に生じる電圧は、ロータの回転角度に依存する信号であるため、出力巻線に生じる電圧を検出することによって、モータまたは発電機などの回転軸の回転角度を検出することができる。
【0004】
ステータは、ステータコアの複数のティースとコイルとの間に絶縁を与えるインシュレータを含むことがある。ステータは、コイルに接続された端子ピンおよび端子ピンを囲むことでコネクタを構成するコネクタハウジングを含むことがある。レゾルバが、例えば、高温のような比較的過酷な環境で使用される場合には、インシュレータおよびコネクタハウジングは、好ましくは、インサート成形の手段によって、ステータコア等と一体に成形される。ここで、コネクタハウジングは、インシュレータと一体に成形される。
【0005】
例えば、ステータは、各絶縁板と絶縁モールド体とは一体に成形されており、絶縁モールド体の外側に壁部を形成し、この壁部によってコネクタのメス側を構成し、コネクタのオス側を受け入れることができるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−219594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、インシュレータのみならずコネクタハウジングがステータコア等と一体に成形される場合には、ステータを成形するための金型の形状は、複雑なものである。それに応じて、ステータを成形するための金型のコストが増加することになる。
【0008】
また、レゾルバの機種、型式、またはユーザごとにステータに接続されるコネクタの形状が異なることがある。このような場合には、コネクタハウジングの形状のみが異なる金型を用意することになる。それに応じて、ステータを成形するための金型のコストが増加することになる。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製造コストを低減することができるステータおよびレゾルバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係るステータは、環状の本体部から一方の径方向に延在する複数のティースを有するステータコアと、前記複数のティースを前記ステータコアの軸方向の両側から覆うインシュレータと、前記インシュレータを介して前記複数のティースのそれぞれに巻回されるコイルと、前記インシュレータから前記一方の径方向とは反対の径方向に延在し、前記コイルを構成する巻線の末端が一端に絡げられている複数の端子を有し、前記インシュレータと一体に形成された端子台部と、前記端子台部との接続部を有し、前記複数の端子のそれぞれの他端を収納し、該複数の端子の他端が外部コネクタと接続されるコネクタハウジングとを備え、前記本体部には、周方向に沿って等角度で複数の貫通孔が形成され、前記端子台部には、前記複数の端子よりも前記コイル側に位置し、前記ステータコアの前記複数の貫通孔の1つと重なる第1の貫通孔が形成され、前記複数の端子を、前記複数の端子の前記一端側から覆う端子カバーをさらに備え、前記端子カバーには、前記第1の貫通孔と重なる第3の貫通孔が形成され、前記コネクタハウジングは、前記ステータコアの前記貫通孔前記第1の貫通孔、および前記第3の貫通孔を貫通するように形成された第1の突起部を前記接続部として有し、前記ステータコアの前記貫通孔前記第1の貫通孔、および前記第3の貫通孔を貫通した前記第1の突起部の先端が前記端子カバー上で固着されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第1の実施形態に係るレゾルバを示す平面図である。
図2A図2Aは、上面から見た第1の実施形態に係るステータを示す分解斜視図である。
図2B図2Bは、底面から見た第1の実施形態に係るステータを示す分解斜視図である。
図3A図3Aは、上面から見た第1の実施形態に係るステータを示す斜視図である。
図3B図3Bは、底面から見た第1の実施形態に係るステータを示す斜視図である。
図4A図4Aは、第1の実施形態に係るステータを示す平面図である。
図4B図4Bは、図4Aに示す線A−Aに沿った第1の実施形態に係るステータを示す断面図である。
図5A図5Aは、上面から見た第2の実施形態に係るステータを示す分解斜視図である。
図5B図5Bは、底面から見た第2の実施形態に係るステータを示す分解斜視図である。
図6図6は、第2の実施形態に係るステータの斜視図である。
図7A図7Aは、第2の実施形態に係るステータを示す平面図である。
図7B図7Bは、図7Aに示す線A−Aに沿った第2の実施形態に係るステータを示す断面図である。
図8図8は、第2の実施形態に係るステータの他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態に係るステータおよびレゾルバについて図面を参照して説明する。これらの実施形態によりこの発明が限定されるものではない。各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るレゾルバ1を示す平面図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るレゾルバ1は、ロータ2と、ステータ3Aとを含むバリアブルリラクタンス(VR)型レゾルバである。ステータ3Aは、後述するように、ステータ3Aに設けられるコイルを覆うコイルカバーを含むことがある。
【0015】
ロータ2は、ケイ素鋼板等の軟磁性材料で形成された複数枚の鋼板のコアを積層することによって得られる積層構造を有する。ロータ2は、図示されないモータまたは発電機などの回転軸に装着される。図1に示すロータ2は、ステータ3Aの内側に配置されている。すなわち、図1に示すレゾルバ1は、インナーロータ型のレゾルバである。図1に示すレゾルバ1において、軸方向は、ロータ2に接続されたモータまたは発電機などの回転軸の軸方向と同一である。径方向は、軸方向と直交する方向と同一である。径方向は、軸方向と直交する面と平行なあらゆる方向を意味する。
【0016】
ステータ3Aは、ステータコア10と、インシュレータ20と、端子台部30Aと、コイル40と、図示されないコネクタハウジングとを含む。ステータコア10は、ケイ素鋼板等の軟磁性材料で形成された所定枚数の鋼板のコアを軸方向に積層することによって得られる。ステータコア10は、環状の本体部である環状部から一方の径方向に延在する複数のティース11を有する。インナーロータ型のレゾルバ1においては、ステータコア10は、環状の本体部である環状部から径方向の内側に延在する複数のティース11を有する。図1に示すステータコア10は、14個のティース11を有するが、ステータコア10のティース11の数は特に限定されない。複数のティース11は、環状部の周方向に等角度に配置される。各ティース11の先端は、周方向に広がる先端部を有する。隣接するティース11の間には空間(スロット)が形成されている。
【0017】
インシュレータ20は、絶縁性の部材である。インシュレータ20は、例えば、絶縁性樹脂の射出成形によって成形される。インシュレータ20は、ステータコア10の軸方向の両側から複数のティース11を覆う。インシュレータ20は、軸方向の両側から複数のティース11の各々の先端を覆うフランジ部を有する。インシュレータ20は、インサート成形によりステータコア10に一体に成形で形成される。
【0018】
端子台部30Aは、インシュレータ20から複数のティース11が延在する一方の径方向とは反対の径方向に延在する部材である。端子台部30Aは、インシュレータ20と一体に形成された部材である。端子台部30Aは、絶縁性樹脂の射出成形によって、インシュレータ20と一体に成形される。図1に示すステータ3Aは、ステータコア10の径方向の外側に延在する端子台部30Aを有する。
【0019】
端子台部30Aは、複数の端子(端子ピン)31を有する。例えば、図1に示す端子台部30Aは、6本の端子31を有する。各端子31の一端には、対応するコイル40を構成する巻線の末端が絡げられている。各端子31の一端に絡げられた巻線の部分は、例えば、TIG溶接(タングステン−不活性ガス溶接)によって、その端子31に電気的に接続される。各端子31の他端は、コネクタハウジングの内部に突出する。各端子31の他方端は、外部コネクタと接続される。
【0020】
コイル40は、インシュレータ20を介して複数のティース11のそれぞれに巻回される巻線である。コイル40は、励磁信号を入力するための巻線である励磁巻線と、ロータ2の回転角度θに応じて2相の信号を出力するための巻線である出力巻線とで構成される。出力巻線は、sinθに依存したsin相の信号を出力するための巻線であるsin相出力巻線と、cosθに依存したcos相の信号を出力するための巻線であるcos相出力巻線とで構成される。
【0021】
図1に示されないコネクタハウジングは、例えば、メス型の外部コネクタに端子31を接続するための端子台部30Aに接続されたオス型のコネクタハウジングである。コネクタハウジングについては、後述する。
【0022】
図2Aは、上面から見た第1の実施形態に係るステータ3Aを示す分解斜視図である。図2Bは、底面から見た第1の実施形態に係るステータ3Aを示す分解斜視図である。図2Aおよび図2Bは、コネクタハウジング50を端子台部30Aに接続する前のステータ3Aを図示する。
【0023】
図2Aおよび図2Bに示すように、ステータ3Aは、ステータコア10と、インシュレータ20と、端子台部30Aと、コイル40と、コネクタハウジング50とを含む。図2Aおよび図2Bに示すようなステータ3Aにおいては、インシュレータ20および端子台部30Aは、例えば、樹脂の成形によって、ステータコア10と一体に形成されている。また、端子台部30Aは、ステータコア10の径方向の一方にインシュレータ20から延在するように、インシュレータ20と一体に形成されている。コイル40は、ステータコア10の複数のティースにインシュレータ20を介して巻回されている。一方、第1の実施形態に係るステータ3Aにおいては、コネクタハウジング50は、ステータコア10、インシュレータ20、および端子台部30Aとは別個に形成されている。
【0024】
ステータコア10の本体部には、ステータコア10の周方向に沿って等角度に貫通孔12および貫通孔13が形成されている。貫通孔12は、例えばハウジング等に、ステータコア10を取り付けるための取り付けねじを挿通するための円弧状の貫通孔である。貫通孔13は、ステータ3Aを製造するための治具の治具ピンを挿通するための円弧状の貫通孔である。インナーロータ型のレゾルバ1のためのステータ3Aにおいては、貫通孔13は、貫通孔12に対して径方向の内側に形成されている。
【0025】
貫通孔12の形状および貫通孔13の形状のいずれも円弧状に限定されるものではなく、例えば、直線状であってもよい。図2Aおよび図2Bに示すステータ3Aにおいては、貫通孔12の数および貫通孔13の数のいずれも7個である(端子台部30Aで覆われた部分に図に示されない1個の貫通孔12および1個の貫通孔13が形成されている)。貫通孔12の数および貫通孔13の数のいずれも特に限定されるものではなく、6個以下または8個以上であってもよい。
【0026】
端子台部30Aは、ステータコア10の径方向の外側からステータコア10を間に挟むような形状(U字型)を有する。端子台部30Aには、複数の端子(端子ピン)31のインサート成形によって、複数の端子31が植設されている。各端子31の一端には、対応するコイル40を構成する巻線の末端が絡げられている。各端子31の他端は、コネクタハウジング50の内部に突出する。
【0027】
端子台部30Aには、複数の端子31の一端側に、ステータコア10の貫通孔13と重なる第1の貫通孔32が形成されている。図2Aおよび図2Bに示す端子台部30Aには、ステータコア10の貫通孔13の両端に位置するように2個の第1の貫通孔32が形成されている。端子台部30Aに形成された第1の貫通孔32の数は、特に限定されるものではなく、第1の貫通孔32の数は、1個または3個以上であってもよい。
【0028】
端子台部30Aには、複数の端子31の一端側に、複数のティース11が延在する一方の径方向と反対の径方向において、すなわち、ステータコア10の径方向の外側に、ステータコア10の外側に位置するように第2の貫通孔33が形成されている。図2Aおよび図2Bに示す端子台部30Aには、ステータコア10の外周の接線方向における端子台部30Aの両端に位置するように2個の第2の貫通孔33が形成されている。端子台部30Aに形成された第2の貫通孔33の数は、特に限定されるものではなく、第2の貫通孔33の数は、1個または3個以上であってもよい。
【0029】
端子台部30Aには、複数の端子31の他端側に、貫通孔34が形成されている。貫通孔34は、ステータコア10の貫通孔13の形状に対応する形状を有する。貫通孔34の形状および数は、コネクタハウジング50に設けられる(後述する)第1の突起が第1の貫通孔32を挿通することができる限り特に限定されるものではない。例えば、貫通孔34の形状および数は、それぞれ、第1の貫通孔32の形状および数に対応するものであってもよい。
【0030】
コネクタハウジング50は、複数の端子31のそれぞれの他端を収納するためのハウジング部材である。コネクタハウジング50は、端子台部30Aと接続するための接続部を有する。コネクタハウジング50は、複数の端子31の他端側において、端子台部30Aと接続される。コネクタハウジング50が端子台部30Aと接続される際に、コネクタハウジング50は、図示されないメス型の外部コネクタに複数の端子31の他端を接続するオス型のコネクタを構成する。このように、コネクタハウジング50は、外部コネクタと接続される。コネクタハウジング50は、例えば、樹脂の成形によって、形成される。コネクタハウジング50は、角形コネクタまたは長円形コネクタのような、所定の形状を有するように、成形される。
【0031】
コネクタハウジング50は、複数の端子31に対応する位置に、複数の端子31を挿通させるための複数の貫通孔51を有する。コネクタハウジング50が端子台部30Aと接続される際に、各端子31の他端は、複数の貫通孔51に圧入されることによって、コネクタハウジング50の内部に突出する。複数の貫通孔51の形状および数は、それぞれ、複数の端子31がコネクタハウジング50を挿通するように、複数の端子31の形状および数に対応する。
【0032】
コネクタハウジング50は、ステータコア10の貫通孔13および第1の貫通孔32を貫通するように形成された第1の突起部52を接続部として有する。第1の突起部52の位置、形状および数は、第1の突起部52が、ステータコア10の貫通孔13および第1の貫通孔32を貫通するように、それぞれ、第1の貫通孔32の位置、形状および数に対応する。第1の突起部52は、第1の突起部52の先端52aがステータコア10の貫通孔13および第1の貫通孔32を貫通すると共に複数の端子31の一端側において端子台部30Aから突出するような形状を有する。図2Aおよび図2Bに示すコネクタハウジング50において、第1の突起部52は、円柱の形状(ピンの形状)を有する2個の先端52aを含む。より具体的には、コネクタハウジング50には、ステータコア10の貫通孔13の両端に位置するように設けられた2個の第1の貫通孔32に対応する位置に2個の第1の突起部52が形成されている。
【0033】
コネクタハウジング50は、第2の貫通孔33を貫通するように形成された第2の突起部53を接続部として有する。第2の突起部53の位置、形状および数は、第2の突起部53が、第2の貫通孔33を貫通するように、それぞれ、第2の貫通孔33の位置、形状および数に対応する。第2の突起部53は、第2の突起部53の先端53aが第2の貫通孔33を貫通すると共に複数の端子31の一端側において端子台部30Aから突出するような形状を有する。図2Aおよび図2Bに示すコネクタハウジング50において、第2の突起部53は、円柱の形状(ピンの形状)を有する2個の先端53aを含む。より具体的には、コネクタハウジング50には、ステータコア10の外周の接線方向における端子台部30Aの両端に位置するように設けられた2個の第2の貫通孔33に対応する位置に2個の第2の突起部53が形成されている。
【0034】
コネクタハウジング50が端子台部30Aと接続される際に、第1の突起部52の先端52aがステータコア10の貫通孔13および第1の貫通孔32を貫通すると共に複数の端子31の一端側において端子台部30Aから突出する。ステータコア10の貫通孔13および第1の貫通孔32を貫通しかつ端子台部30Aから突出した第1の突起部52の先端52aは、複数の端子31の一端側における端子台部30A上で固着される。
【0035】
コネクタハウジング50が端子台部30Aと接続される際に、第2の突起部53の先端53aが第2の貫通孔33を貫通すると共に複数の端子31の一端側において端子台部30Aから突出する。第2の貫通孔33を貫通しかつ端子台部30Aから突出した第2の突起部53の先端53aは、複数の端子31の一端側における端子台部30A上で固着される。
【0036】
端子台部30Aから突出した第1の突起部52の先端52aまたは第2の突起部53の先端53aを固着する方法としては、熱カシメ、赤外線カシメ、または超音波カシメのような、カシメ固着が挙げられる。端子台部30Aから突出した第1の突起部52の先端52aまたは第2の突起部53の先端53aをカシメ固着することによって、コネクタハウジング50を端子台部30Aとより強固に接続することができる。図2Aおよび図2Bに示すように、端子台部30Aから突出した2個の第1の突起部52の先端52aおよび2個の第2の突起部53の先端53aをカシメ固着することによって、端子台部30Aに対するコネクタハウジング50の接続の強度を向上させることができる。また、第1の突起部52の先端52aまたは第2の突起部53の先端53aと端子台部30Aを溶着して固着してもよい。
【0037】
図3Aは、上面から見た第1の実施形態に係るステータ3Aを示す斜視図である。図3Bは、底面から見た第1の実施形態に係るステータ3Aを示す斜視図である。図4Aは、第1の実施形態に係るステータ3Aを示す平面図である。図4Bは、図4Aに示す線A−Aに沿った第1の実施形態に係るステータ3Aを示す断面図である。図3A図3B図4A、および図4Bは、コネクタハウジング50を端子台部30Aに接続した後のステータ3Aを図示する。
【0038】
図3Aから図4Bに示すように、ステータ3Aにおいて、ステータコア10の貫通孔13および第1の貫通孔32を貫通した第1の突起部52の先端52aが複数の端子31の一端側における端子台部30A上で固着されている。図3Aから図4Bに示されるステータ3Aにおいては、第1の突起部52の先端52aが端子台部30A上でカシメ固着されることで端子台部30A上にカシメ部52bが形成されている。
【0039】
図3Aから図4Bに示すように、ステータ3Aにおいて、第2の貫通孔33を貫通した第2の突起部53の先端53aが複数の端子31の一端側における端子台部30A上で固着されている。図3Aから図4Bに示されるステータ3Aにおいては、第2の突起部53の先端53aが端子台部30A上でカシメ固着されることで端子台部30A上にカシメ部53bが形成されている。
【0040】
このようにして、インシュレータ20と一体に形成された端子台部30Aと別個に形成されたコネクタハウジング50は、複数の端子31の他端側において、インシュレータ20と一体に形成された端子台部30Aと接続される。
【0041】
上述したように、第1の実施形態によれば、ステータ3Aは、インシュレータ20と一体に形成された端子台部30Aとの接続部を有し、複数の端子31のそれぞれの他端を収納し、外部コネクタと接続されるコネクタハウジング50を含む。第1の実施形態に係るステータ3Aにおいて、コネクタハウジング50をインシュレータ20と一体に形成された端子台部30Aと別個に形成すると共に接続することができる。よって、例えば、外部コネクタの仕様変更(例えば、機種、型式、または客先の変更)に伴って外部コネクタに接続されるコネクタハウジング50の形状などの仕様が変更されることがある。この場合には、コネクタハウジング50のみを変更することによって、外部コネクタの様々な仕様を取り扱うことができる。それに応じて、ステータコア10、インシュレータ20および端子台部30Aを標準化することができる。すなわち、コネクタハウジング50を成形する金型を変更すればよい。この場合には、ステータコア10、インシュレータ20および端子台部30Aを形成する金型を変更することなくステータコア10、インシュレータ20および端子台部30Aを形成する金型を標準化することができる。よって、ステータ3Aの製造コストを低減することができる。それに応じて、レゾルバ1の製造コストを低減することができる。
【0042】
第1の実施形態によれば、ステータ3Aにおいて、ステータコア10の本体部には、周方向に沿って貫通孔13が形成されている。端子台部30Aには、ステータコア10の貫通孔13と重なる第1の貫通孔32が形成されている。コネクタハウジング50は、ステータコア10の貫通孔13および第1の貫通孔32を貫通するように形成された第1の突起部52を接続部として有する。ステータコア10の貫通孔13および第1の貫通孔32を貫通した第1の突起部52の先端52aが端子台部30A上で固着されている。よって、第1の実施形態に係るステータ3Aにおいては、ステータコア10の元来形成されている貫通孔13のスペースを利用することによってコネクタハウジング50を端子台部30Aと容易に接続することができる。
【0043】
第1の実施形態によれば、ステータ3Aにおいて、端子台部30Aには、ステータコア10の貫通孔13の両端に位置するように設けられた2個の第1の貫通孔32が形成されている。コネクタハウジング50には、ステータコア10の貫通孔13の両端に位置するように設けられた2個の第1の貫通孔32に対応する位置に2個の第1の突起部52が形成されている。この場合には、コネクタハウジング50は、ステータコア10の貫通孔13の両端に対応する位置で、端子台部30Aと接続される。よって、例えば、コネクタハウジング50に対する外部コネクタの結合または取り外しによってコネクタハウジング50に生じる応力に対して、端子台部30Aに対するコネクタハウジング50の接続の安定性を向上させることができる。
【0044】
第1の実施形態によれば、ステータ3Aにおいて、端子台部30Aには、複数のティース11が延在する一方の径方向と反対の径方向においてステータコア10の外側に位置するように第2の貫通孔33が形成されている。コネクタハウジング50は、第2の貫通孔33を貫通するように形成された第2の突起部53を接続部として有する。第2の貫通孔33を貫通した第2の突起部53の先端53aが端子台部30A上で固着されている。よって、第1の実施形態に係るステータ3Aにおいては、ステータコア10の外側のスペースを利用することによってコネクタハウジング50を端子台部30Aと容易に接続することができる。
【0045】
第1の実施形態によれば、ステータ3Aにおいて、端子台部30Aには、ステータコア10の外周の接線方向における端子台部30Aの両端に位置するように2個の第2の貫通孔33が形成されている。コネクタハウジング50には、ステータコア10の外周の接線方向における端子台部30Aの両端に位置するように設けられた2個の第2の貫通孔33に対応する位置に2個の第2の突起部53が形成されている。よって、例えば、コネクタハウジング50に対する外部コネクタの結合または取り外しによってコネクタハウジング50に生じる応力に対して、端子台部30Aに対するコネクタハウジング50の接続の安定性を向上させることができる。
【0046】
(第2の実施形態)
図5Aは、上面から見た第2の実施形態に係るステータ3Bを示す分解斜視図である。図5Bは、底面から見た第2の実施形態に係るステータ3Bを示す分解斜視図である。図5Aおよび図5Bは、コネクタハウジング50を端子台部30Bに接続する前のステータ3Bを図示する。以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0047】
第2の実施形態に係るステータ3Bは、ステータ3Bが端子カバー60を含むと共にコネクタハウジング50の接続部が端子カバー60と接続されるなどの点で、第1の実施形態に係るステータ3Aと相違する。
【0048】
図5Aおよび図5Bに示すように、端子台部30Bは、ステータコア10の径方向の外側からステータコア10を間に挟むような形状(U字型)を有する。端子台部30Bには、複数の端子(端子ピン)31が植設されている。各端子31の一端には、対応するコイル40を構成する巻線の末端が絡げられている。各端子31の他端は、コネクタハウジング50の内部に突出する。
【0049】
端子台部30Bには、複数の端子31の一端側に、ステータコア10の貫通孔13と重なる第1の貫通孔32が形成されている。図5Aおよび図5Bに示す端子台部30Bには、ステータコア10の貫通孔13の両端に位置するように2個の第1の貫通孔32が形成されている。端子台部30Bに形成された第1の貫通孔32の数は、特に限定されるものではなく、第1の貫通孔32の数は、1個または3個以上であってもよい。
【0050】
端子台部30Bには、複数の端子31の他端側に、貫通孔34が形成されている。貫通孔34は、ステータコア10の貫通孔13の形状に対応する形状を有する。貫通孔34の形状および数は、コネクタハウジング50に設けられる第1の突起部52が第1の貫通孔32を挿通することができる限り特に限定されるものではない。例えば、貫通孔34の形状および数は、それぞれ、第1の貫通孔32の形状および数に対応するものであってもよい。
【0051】
図5Aおよび図5Bに示すように、第2の実施形態に係るステータ3Bは、複数の端子31を、複数の端子31の一端側から覆う端子カバー60をさらに含む。端子カバー60は、端子台部30Bに設けられた複数の端子31のみならず端子台部30Bを覆うように、端子台部30Bの形状に対応する形状(略方形状)を有する。端子カバー60は、複数の端子31に面する側において、端子カバー60の内部に設けられた複数の隔離部材(仕切り板)61を有する。複数の端子31は、複数の隔離部材61によって形成された空間によって互いに離間される。複数の端子31は、複数の隔離部材61によって形成された空間に収容される。それによって、複数の端子31がステータ3Bに侵入した異物によって電気的に短絡されることを予防することができる。
【0052】
端子カバー60には、第1の貫通孔32と重なる第3の貫通孔62が形成されている。第3の貫通孔62の位置、形状および数は、第3の貫通孔62が第1の貫通孔32と重なるように、それぞれ、第1の貫通孔32の位置、形状および数に対応する。図5Aおよび図5Bに示す端子カバー60には、ステータコア10の貫通孔13の両端に位置するように設けられた2個の第1の貫通孔32に対応する位置に2個の第3の貫通孔62が形成されている。
【0053】
端子カバー60には、複数のティース11が延在する一方の径方向と反対の径方向において、すなわち、ステータコア10の径方向の外側に、ステータコア10の外側に位置するように第4の貫通孔63が形成されている。図5Aおよび図5Bに示す端子カバー60には、ステータコア10の外周の接線方向における端子カバー60の両端に位置するように2個の第4の貫通孔63が形成されている。端子カバー60に形成された第4の貫通孔63の数は、特に限定されるものではなく、第4の貫通孔63の数は、1個または3個以上であってもよい。
【0054】
端子カバー60の内部は、ワニスで充填されたものであってもよい。端子カバー60の内部がワニスで充填されている場合には、端子カバー60で覆われる複数の端子31に絡げられている巻線の末端の腐食を予防することができる。
【0055】
コネクタハウジング50は、複数の端子31のそれぞれの他端を収納するためのハウジング部材である。コネクタハウジング50は、端子カバー60と接続するための接続部を有する。コネクタハウジング50の接続部は、端子カバー60と接続されることで、端子台部30Bと接続される。コネクタハウジング50は、複数の端子31の他端側において、端子台部30Bと接続される。コネクタハウジング50が端子台部30Bと接続される際に、コネクタハウジング50は、図示されないメス型の外部コネクタに複数の端子31の他端を接続するオス型のコネクタを構成する。
【0056】
コネクタハウジング50は、複数の端子31に対応する位置に、複数の端子31を挿通させるための複数の貫通孔51を有する。コネクタハウジング50が端子台部30Bと接続される際に、各端子31の他端は、複数の貫通孔51を通じてコネクタハウジング50の内部に突出する。複数の貫通孔51の形状および数は、それぞれ、複数の端子31がコネクタハウジング50を挿通するように、複数の端子31の形状および数に対応する。
【0057】
コネクタハウジング50は、ステータコア10の貫通孔13、第1の貫通孔32、および第3の貫通孔62を貫通するように形成された第1の突起部52を接続部として有する。第1の突起部52の位置、形状および数は、第1の突起部52が、ステータコア10の貫通孔13、第1の貫通孔32、および第3の貫通孔62を貫通するように、それぞれ、第1の貫通孔32および第3の貫通孔62の位置、形状および数に対応する。第1の突起部52は、第1の突起部52の先端52aがステータコア10の貫通孔13、第1の貫通孔32、および第3の貫通孔62を貫通すると共に端子台部30Bの側と反対側において端子カバー60から突出するような形状を有する。図5Aおよび図5Bに示すコネクタハウジング50において、第1の突起部52は、円柱の形状(ピンの形状)を有する2個の先端52aを含む。より具体的には、コネクタハウジング50には、ステータコア10の貫通孔13の両端に位置するように設けられた2個の第1の貫通孔32および2個の第3の貫通孔62に対応する位置に2個の第1の突起部52が形成されている。
【0058】
コネクタハウジング50は、第4の貫通孔63を貫通するように形成された第2の突起部53を接続部として有する。第2の突起部53の位置、形状および数は、第2の突起部53が、第4の貫通孔63を貫通するように、それぞれ、第4の貫通孔63の位置、形状および数に対応する。第2の突起部53は、第2の突起部53の先端53aが第4の貫通孔63を貫通すると共に端子台部30Bの側と反対側において端子カバー60から突出するような形状を有する。図5Aおよび図5Bに示すコネクタハウジング50において、第2の突起部53は、円柱の形状(ピンの形状)を有する2個の先端53aを含む。より具体的には、コネクタハウジング50には、ステータコア10の外周の接線方向における端子台部30Bの両端に位置するように設けられた2個の第4の貫通孔63に対応する位置に2個の第2の突起部53が形成されている。
【0059】
コネクタハウジング50の接続部が端子カバー60と接続されることでコネクタハウジング50が端子台部30Bと接続される際に、第1の突起部52の先端52aがステータコア10の貫通孔13、第1の貫通孔32、および第3の貫通孔62を貫通すると共に端子台部30Bの側と反対側において端子カバー60から突出する。ステータコア10の貫通孔13、第1の貫通孔32、および第3の貫通孔62を貫通しかつ端子カバー60から突出した第1の突起部52の先端52aは、端子台部30Bの側と反対側において端子カバー60上で固着される。
【0060】
コネクタハウジング50の接続部が端子カバー60と接続されることでコネクタハウジング50が端子台部30Bと接続される際に、第2の突起部53の先端53aが第4の貫通孔63を貫通すると共に端子台部30Bの側と反対側において端子カバー60から突出する。第4の貫通孔63を貫通しかつ端子カバー60から突出した第2の突起部53の先端53aは、端子台部30Bの側と反対側において端子カバー60上で固着される。
【0061】
端子カバー60から突出した第1の突起部52の先端52aまたは第2の突起部53の先端53aを固着する方法としては、熱カシメ、赤外線カシメ、または超音波カシメのような、カシメ固着が挙げられる。端子カバー60から突出した第1の突起部52の先端52aまたは第2の突起部53の先端53aをカシメ固着することによって、コネクタハウジング50を端子カバー60とより強固に接続することができる。図5Aおよび図5Bに示すように、端子カバー60から突出した2個の第1の突起部52の先端52aおよび2個の第2の突起部53の先端53aをカシメ固着することによって、端子カバー60に対するコネクタハウジング50の接続の強度を向上させることができる。また、第1の突起部52の先端52aまたは第2の突起部53の先端53aと端子カバー60を溶着して固着してもよい。
【0062】
端子台部30Bは、第2の突起部53が第4の貫通孔63を貫通するように第2の突起部53をガイドするガイド部35を有する。ガイド部35の位置、形状および数は、第2の突起部53が第4の貫通孔63を貫通するようにガイド部35が第2の突起部53をガイドすることができるように、それぞれ、第4の貫通孔63の位置、形状および数に対応する。
【0063】
ガイド部35は、コネクタハウジング50の第2の突起部53が端子カバー60と接続される際に、ガイド部35の表面が第2の突起部53の表面と接触すると共にスライドすることが可能であるような形状を有する。ガイド部35は、例えば、軸方向に直交する平面において、第2の突起部53の断面の一部の形状または第2の突起部53の断面の一部の形状に類似する形状を有する。ガイド部35は、例えば、軸方向に直交する平面において、角柱の形状を有する第2の突起部53の断面の隣接する2辺の形状または円弧の形状を有する。
【0064】
図5Aおよび図5Bに示す端子台部30Bは、コネクタハウジング50の2個の第2の突起部53に対応する2個のガイド部35を有する。より具体的には、端子台部30Bは、ステータコア10の外周の接線方向における端子台部30Bの両端に位置するように設けられた2個の第2の突起部53に対応する位置に2個のガイド部35を有する。
【0065】
図6は、第2の実施形態に係るステータ3Bの斜視図である。図7Aは、第2の実施形態に係るステータ3Bを示す平面図である。図7Bは、図7Aに示す線A−Aに沿った第2の実施形態に係るステータ3Bを示す断面図である。図6図7A、および図7Bは、コネクタハウジング50を端子台部30Bに接続した後のステータ3Bを図示する。
【0066】
図6から図7Bに示すように、ステータ3Bにおいて、ステータコア10の貫通孔13、第1の貫通孔32、および第3の貫通孔62を貫通しかつ端子カバー60から突出した第1の突起部52の先端52aは、端子台部30Bの側と反対側において端子カバー60上で固着されている。図6から図7Bに示されるステータ3Bにおいては、第1の突起部52の先端52aが端子カバー60上でカシメ固着されることで端子カバー60上にカシメ部52bが形成されている。
【0067】
図6から図7Bに示すように、ステータ3Bにおいて、第4の貫通孔63を貫通しかつ端子カバー60から突出した第2の突起部53の先端53aは、端子台部30Bの側と反対側において端子カバー60上で固着されている。図6から図7Bに示されるステータ3Bにおいては、第2の突起部53の先端53aが端子カバー60上でカシメ固着されることで端子カバー60上にカシメ部53bが形成されている。
【0068】
このようにして、インシュレータ20と一体に形成された端子台部30Bと別個に形成されたコネクタハウジング50の接続部は、端子台部30Bに対して反対側に配置される端子カバー60に接続される。それに応じて、コネクタハウジング50は、複数の端子31の他端側において、インシュレータ20と一体に形成された端子台部30Bと接続される。
【0069】
第2の実施形態によれば、ステータ3Bは、複数の端子31を、複数の端子31の一端側から覆う端子カバー60をさらに含む。コネクタハウジング50の接続部は、端子カバー60と接続されることで、端子台部30Bと接続される。よって、第2の実施形態に係るステータ3Bにおいては、コネクタハウジング50の接続部を端子カバー60と接続することによって、端子台部30Bに設けられた複数の端子31を保護すると共に端子台部30Bにコネクタハウジング50を接続することができる。
【0070】
第2の実施形態によれば、ステータ3Bにおいて、端子台部30Bには、ステータコア10の貫通孔13と重なる第1の貫通孔32が形成されている。端子カバー60には、第1の貫通孔32と重なる第3の貫通孔62が形成されている。コネクタハウジング50は、ステータコア10の貫通孔13、第1の貫通孔32、および第3の貫通孔62を貫通するように形成された第1の突起部52を接続部として有する。ステータコア10の貫通孔13、第1の貫通孔32、および第3の貫通孔62を貫通した第1の突起部52の先端52aが端子カバー60上で固着されている。よって、第2の実施形態に係るステータ3Bにおいては、ステータコア10の元来形成されている貫通孔13のスペースを利用することによってコネクタハウジング50の第1の突起部52を端子カバー60と容易に接続することができる。
【0071】
第2の実施形態によれば、ステータ3Bにおいて、端子カバー60には、ステータコア10の貫通孔13の両端に位置するように設けられた2個の第1の貫通孔32に対応する位置に2個の第3の貫通孔62が形成されている。コネクタハウジング50には、ステータコア10の貫通孔13の両端に位置するように設けられた2個の第1の貫通孔32および2個の第3の貫通孔62に対応する位置に2個の第1の突起部52が形成されている。この場合には、コネクタハウジング50の第1の突起部52は、ステータコア10の貫通孔13の両端に対応する位置で、端子カバー60と接続される。よって、例えば、コネクタハウジング50に対する外部コネクタの結合または取り外しによってコネクタハウジング50に生じる応力に対して、端子カバー60に対するコネクタハウジング50の接続の安定性を向上させることができる。
【0072】
第2の実施形態によれば、ステータ3Bにおいて、端子カバー60には、複数のティース11が延在する一方の径方向と反対の径方向においてステータコア10の外側に位置するように第4の貫通孔63が形成されている。コネクタハウジング50は、第4の貫通孔63を貫通するように形成された第2の突起部53を接続部として有する。第4の貫通孔63を貫通した第2の突起部53の先端53aが端子カバー60上で固着されている。よって、第2の実施形態に係るステータ3Bにおいては、ステータコア10の外側のスペースを利用することによってコネクタハウジング50の第2の突起部53を端子カバー60と容易に接続することができる。
【0073】
第2の実施形態によれば、ステータ3Bにおいて、端子カバー60には、ステータコア10の外周の接線方向における端子カバー60の両端に位置するように2個の第4の貫通孔63が形成されている。コネクタハウジング50には、ステータコア10の外周の接線方向における端子台部30Bの両端に位置するように設けられた2個の第4の貫通孔63に対応する位置に2個の第2の突起部53が形成されている。よって、例えば、コネクタハウジング50に対する外部コネクタの結合または取り外しによってコネクタハウジング50に生じる応力に対して、端子カバー60に対するコネクタハウジング50の接続の安定性を向上させることができる。
【0074】
第2の実施形態によれば、ステータ3Bにおいて、端子台部30Bは、第2の突起部53が第4の貫通孔63を貫通するように第2の突起部53をガイドするガイド部35を有する。よって、端子台部30Bに設けられたガイド部35を利用することによって、端子カバー60の第4の貫通孔63に対してコネクタハウジング50の第2の突起部53を容易に位置決めすることができる。それに応じて、コネクタハウジング50の第2の突起部53を端子カバー60と容易に接続することができる。
【0075】
図8は、第2の実施形態に係るステータ3Bの他の構成例(ステータ3C)を示す図である。ステータ3Cは、ステータ3Cが、第1のコイルカバー71および第2のコイルカバー72を含む点で、ステータ3Bと相違する。
【0076】
第1のコイルカバー71及び第2のコイルカバー72の材料は特に限定されないが、例えば、樹脂で形成される。第1のコイルカバー71及び第2のコイルカバー72は、例えば、樹脂の射出成形によって成形される。樹脂としては、例えば、絶縁性樹脂を用いることができる。
【0077】
図8に示すように、第1のコイルカバー71及び第2のコイルカバー72は、ステータコア10の軸方向の両側からコイル40を覆うことで、コイル40を保護する。図8に示すように、第1のコイルカバー71は、コイル40の上側から装着される。第2のコイルカバー72は、コイル40の下側から装着される。
【0078】
ステータ3Cにおいては、端子カバー60は、コイル40を覆う第1のコイルカバー71と一体に形成されている。すなわち、端子カバー60および第1のコイルカバー71は、絶縁性樹脂のような樹脂の射出成形によって成形される。
【0079】
ステータ3Cにおいては、端子カバー60がコイル40を覆う第1のコイルカバー71と一体に形成されているので、複数の端子31およびコイル40を保護するカバーを容易にステータ3Cに装着することができる。
【0080】
上記の実施形態においては、複数の端子31は、直棒のピンであるが、コネクタハウジング50内に配置される複数の端子31の他端は、ステータコア10の軸方向に突出するが、複数の端子31の形状は、特に限定されるものではない。例えば、複数の端子31として複数のL字状のピンを用いることができる。この場合には、複数のL字状のピンを、コネクタハウジング50内に配置される複数のL字状のピンの他端が径方向の外側に突出するように、設けてもよい。
【0081】
上記の実施形態においては、レゾルバ1がインナーロータ型のレゾルバである場合を説明したが、上記の実施形態をアウターロータ型のレゾルバにも適用可能である。アウターロータ型のレゾルバにおいては、環状の本体部から径方向の外側に延在する複数のティースを有するステータコアの外側にロータが配置される。端子台部は、インシュレータから径方向の内側に延在する。アウターロータ型のレゾルバにおいても、外部コネクタと接続されるコネクタハウジングは、インシュレータと別個に形成される。コネクタハウジングは、ステータコアの内側に対応する位置に端子台部との接続部を有することで、ステータコアの内側で端子台部に接続される。
【0082】
上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 レゾルバ
2 ロータ
3A ステータ
10 ステータコア
11 ティース
12,13 (ステータコアの)貫通孔
20 インシュレータ
30A 端子台部
31 端子ピン
32 第1の貫通孔
33 第2の貫通孔
34 (端子台部の)貫通孔
35 ガイド部
40 コイル
50 コネクタハウジング
51 (コネクタハウジングの)貫通孔
52 第1の突起部
52a (第1の突起部の)先端
52b (第1の突起部の先端の)カシメ部
53 第2の突起部
53a (第2の突起部の)先端
53b (第2の突起部の先端の)カシメ部
60 端子カバー
61 隔離部材
71 第1のコイルカバー
72 第2のコイルカバー
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8