(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、船舶の設計図を用いて、手作業でマスト等の遮蔽物が存在する仰角及び方位角を算出し、マスト等の遮蔽物の存在を示すブロッキングチャートを作成するため、ブロッキングチャート作成の高いスキルが必要となり、ブロッキングチャート作成の時間もかかる。そして、特許文献2では、CCDカメラ等を用いて、ビル等の遮蔽物の存在を示すブロッキングチャートを作成するため、衛星受信装置以外の別個の装置が必要となる。さらに、特許文献1、2では、マスト及びビル等の遮蔽物の形状を計測することにより、衛星通信が仰角毎及び方位角毎に可能かどうかを間接的に計測するにすぎない。
【0006】
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、衛星通信のブロッキングチャートを作成するにあたり、高いスキル、長い作成時間及び別個の装置を必要とすることなく、衛星通信が仰角毎及び方位角毎に可能かどうかをより直接的に計測することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物が存在する仰角及び方位角で、衛星通信アンテナの受信雑音レベルが高くなる傾向があることを利用する。つまり、衛星通信アンテナの受信雑音レベルが高くなる仰角及び方位角に、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物が存在する可能性が高いと判定する。
【0008】
具体的には、本開示は、衛星通信アンテナの指向性の仰角毎及び方位角毎に、前記衛星通信アンテナの受信雑音レベルの情報を取得する受信雑音レベル取得ステップと、前記衛星通信アンテナの指向性の仰角毎及び方位角毎に、前記衛星通信アンテナの受信雑音レベルを記録することにより、前記衛星通信アンテナの指向性のいずれの仰角及びいずれの方位角に、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物が存在するかを示すブロッキングチャートを作成するブロッキングチャート作成ステップと、を順に備えることを特徴とする衛星通信のブロッキングチャートの作成方法である。
【0009】
また、本開示は、衛星通信アンテナの指向性の仰角毎及び方位角毎に、前記衛星通信アンテナの受信雑音レベルの情報を取得する受信雑音レベル取得ステップと、前記衛星通信アンテナの指向性の仰角毎及び方位角毎に、前記衛星通信アンテナの受信雑音レベルを記録することにより、前記衛星通信アンテナの指向性のいずれの仰角及びいずれの方位角に、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物が存在するかを示すブロッキングチャートを作成するブロッキングチャート作成ステップと、を順にコンピュータに実行させるための衛星通信のブロッキングチャートの作成プログラムである。
【0010】
この構成によれば、もとから備わっている衛星受信装置を用いて、衛星通信アンテナの受信雑音レベルを計測することにより、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物が存在するかどうかを判定する。よって、衛星通信のブロッキングチャートを作成するにあたり、高いスキル、長い作成時間及び別個の装置を必要とすることなく、衛星通信が仰角毎及び方位角毎に可能かどうかをより直接的に計測することができる。
【0011】
また、本開示は、前記ブロッキングチャート作成ステップでは、前記衛星通信アンテナの指向性の仰角毎に、情報を取得された前記衛星通信アンテナの受信雑音レベルから、前記遮蔽物の背景に起因する前記衛星通信アンテナの受信雑音レベルを除去することにより、前記遮蔽物に起因する前記衛星通信アンテナの受信雑音レベルを抽出することを特徴とする衛星通信のブロッキングチャートの作成方法である。
【0012】
この構成によれば、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物の背景に起因する衛星通信アンテナの受信雑音レベルを除去するため、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物に起因する衛星通信アンテナの受信雑音レベルを埋没させないことができる。
【0013】
また、本開示は、前記ブロッキングチャート作成ステップでは、前記衛星通信アンテナの受信雑音レベルを等レベル線で記録することにより、前記遮蔽物の輪郭を前記等レベル線で表示することを特徴とする衛星通信のブロッキングチャートの作成方法である。
【0014】
この構成によれば、衛星通信アンテナの受信雑音レベルを等レベル線で記録するため、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物の存在を見落とすことがなく、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物の輪郭を等レベル線で表示することができる。
【発明の効果】
【0015】
このように、本開示は、衛星通信のブロッキングチャートを作成するにあたり、高いスキル、長い作成時間及び別個の装置を必要とすることなく、衛星通信が仰角毎及び方位角毎に可能かどうかをより直接的に計測することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0018】
本開示の衛星通信システムの構成を
図1に示す。船舶での衛星通信システムは、通信衛星S、船舶Mに備えられる衛星通信装置T及び衛星通信装置Tに備えられる衛星通信アンテナAから構成される。地上での衛星通信システムは、通信衛星S、住宅Hに備えられる衛星通信装置T及び衛星通信装置Tに備えられる衛星通信アンテナAから構成される。
【0019】
船舶での衛星通信システムでは、衛星通信をブロックする可能性があるマスト等の遮蔽物Bが存在することがある。地上での衛星通信システムでは、衛星通信をブロックする可能性があるビル等の遮蔽物Bが存在することがある。そこで、衛星通信をブロックする可能性があるマスト及びビル等の遮蔽物Bの存在を示すブロッキングチャートを作成する。
【0020】
ここで、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物Bが存在する仰角θ及び方位角φで、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルが高くなる傾向があることを利用する。つまり、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルが高くなる仰角θ及び方位角φに、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物Bが存在する可能性が高いと判定する。
【0021】
衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物Bが存在する仰角θ及び方位角φで、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルが高くなる理由は、遮蔽物Bより放射される熱雑音(ミリ波)を受信するからである。衛星通信で使用される周波数が例えば10GHz以上である場合は、衛星通信装置Tで遮蔽物Bより放射される熱雑音(ミリ波)の受信・検知は可能である。ここで、受信雑音には、遮蔽物Bより放射される熱雑音(ミリ波)のみならず、大気や大地などより放射される熱雑音も含まれる。しかし、遮蔽物Bは衛星通信アンテナAの近傍(〜数十メートル)に存在することから、遮蔽物Bより放射される熱雑音(ミリ波)の受信レベルは、大気や大地などより放射される熱雑音の受信レベルより高いと推測される。そして、遮蔽物Bの大きさを考慮すれば、当該周波数帯域では回折の影響は小さいと判断できることから、さらに、衛星通信アンテナAの指向性が高い場合は、大気や大地などより放射される熱雑音と遮蔽物Bより放射される熱雑音(ミリ波)との受信レベル差を明確に検知でき、遮蔽物Bの存在を明らかにすることができる。
【0022】
本開示の衛星通信装置の構成を
図2に示す。衛星通信装置Tは、衛星通信アンテナA、衛星受信装置1及びブロッキングチャート作成装置2から構成される。衛星受信装置1は、衛星信号受信部11、衛星信号増幅部12及び衛星信号処理部13から構成される。ブロッキングチャート作成装置2は、受信雑音レベル取得部21、背景雑音レベル除去部22、受信雑音レベル記録部23及びブロッキングチャート表示部24から構成される。
【0023】
衛星受信装置1は、衛星信号を受信する装置であり、もとから備わっている装置である。衛星信号受信部11は、衛星通信時には、衛星通信アンテナAの指向性を通信衛星Sに指向させ、実衛星波を受信する周波数を設定し、衛星信号を受信する一方で、ブロッキングチャート作成時には、衛星通信アンテナAの指向性をほぼ半球状に走査させ、実衛星波を受信しない周波数を設定し、雑音信号を受信する。衛星信号増幅部12は、衛星通信時には、衛星信号を増幅する一方で、ブロッキングチャート作成時には、雑音信号を増幅する。衛星信号処理部13は、衛星通信時には、衛星信号を捕捉し、衛星追尾を維持する一方で、ブロッキングチャート作成時には、仰角毎及び方位角毎の雑音信号のレベルを計測する。
【0024】
ブロッキングチャート作成装置2は、ブロッキングチャートを作成する装置であり、衛星通信装置Tにハードウェアを搭載することにより実現することができ、又は、衛星通信装置Tにプログラムをインストールすることにより実現することができる。本開示のブロッキングチャートの作成手順のフローチャートを
図3に示す。
【0025】
受信雑音レベル取得部21は、衛星通信アンテナAの指向性の仰角θ毎及び方位角φ毎に、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルの情報を取得する(ステップS1)。ここで、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルは、衛星通信アンテナAでの雑音温度をT
ant(K:ケルビン)として、以下のように表わされる。なお、k
Bはボルツマン定数であり、Bは衛星通信の雑音レベルを測定するときの受信帯域幅である。
衛星通信アンテナAの出力後の受信雑音レベルP
ant=10log(k
BT
antB)
受信雑音レベルP
antは、アンテナ受信信号を衛星信号増幅部12で所定のレベルまで増幅後、衛星信号処理部13で取得される。
【0026】
背景雑音レベル除去部22及び受信雑音レベル記録部23は、衛星通信アンテナAの指向性の仰角θ毎及び方位角φ毎に、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを記録することにより、衛星通信アンテナAの指向性のいずれの仰角θ及びいずれの方位角φに、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物Bが存在するかを示すブロッキングチャートを作成する(ステップS2、S3)。ブロッキングチャート表示部24は、衛星通信アンテナAの指向性のいずれの仰角θ及びいずれの方位角φに、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物Bが存在するかを示すブロッキングチャートを表示する(ステップS4)。
【0027】
このように、もとから備わっている衛星受信装置1を用いて、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを計測することにより、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物Bが存在するかどうかを判定する。よって、衛星通信のブロッキングチャートを作成するにあたり、高いスキル、長い作成時間及び別個の装置を必要とすることなく、衛星通信が仰角θ毎及び方位角φ毎に可能かどうかをより直接的に計測することができる。
【0028】
次に、背景雑音レベル除去部22について、具体的に説明する。背景雑音レベル除去部22は、衛星通信アンテナAの指向性の仰角θ毎に、情報を取得された衛星通信アンテナAの受信雑音レベルから、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを除去することにより、遮蔽物Bに起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを抽出する(ステップS2)。本開示の遮蔽物の背景に起因する受信雑音レベルの除去方法を
図4に示す。
【0029】
図4の上段には、低仰角θ
Lにおける衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを示す。低仰角θ
Lでは、高仰角θ
Hと比べて地表面からの雑音による影響が大きいため、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルが高い。一方で、遮蔽物Bに起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルは、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルより高い。そのため、両者の受信雑音レベルの差分は小さいと考えられる。
【0030】
また、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルは、低仰角θ
Lでは高仰角θ
Hと比べ雨雲及び地面等の分布の影響が大きいために、衛星通信アンテナAの方位角φにより異なることが多いと考えられる。
【0031】
背景雑音レベル除去部22は、衛星通信アンテナAの方位角φ
Bにおいて、遮蔽物Bに起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベル(
図4の左上欄のピーク高さ)から、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベル(
図4の左上欄の方位角φによらずほぼ一定である背景レベル)を除去することにより、遮蔽物Bと背景とに起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルの差分(
図4の右上欄のピーク高さ)を抽出する。
【0032】
図4の下段には、高仰角θ
Hにおける衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを示す。高仰角θ
Hでは、低仰角θ
Lと比べて地表面からの雑音による影響が小さいため、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルが低い。一方で、遮蔽物Bに起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルは、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルより高い。そのため、両者の受信雑音レベルの差分は大きいと考えられる。
【0033】
また、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルは、高仰角θ
Hでは低仰角θ
Lと比べ雨雲及び地面等の分布の影響が小さいために、衛星通信アンテナAの方位角φにより異なることが少ないと考えられる。
【0034】
背景雑音レベル除去部22は、衛星通信アンテナAの方位角φ
Bにおいて、遮蔽物Bに起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベル(
図4の左下欄のピーク高さ)から、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベル(
図4の左下欄の方位角φによらずほぼ一定である背景レベル)を除去することにより、遮蔽物Bと背景とに起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルの差分(
図4の右下欄のピーク高さ)を抽出する。
【0035】
このように、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを除去するため、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物Bに起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを埋没させないことができる。
【0036】
次に、受信雑音レベル記録部23について、具体的に説明する。受信雑音レベル記録部23は、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを等レベル線で記録することにより、遮蔽物Bの輪郭を等レベル線で表示する(ステップS3)。本開示の受信雑音レベルの等レベル線による記録方法を
図5に示す。遮蔽物Bの高さは、方位角φ
B1〜φ
B2において仰角θ
Bである。遮蔽物Bに起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルは、等レベル線及び表示の濃淡として示されるが、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルは、
図5の簡潔化のため、等レベル線として示されず、表示の濃淡として示される。
【0037】
ブロッキングチャートは、衛星通信アンテナAの指向性の仰角θ方向を、半径方向(仰角90°を中心に表示)として示し、衛星通信アンテナAの指向性の方位角φ方向を、円周方向として示し、衛星通信アンテナAの指向性のいずれの仰角θ及びいずれの方位角φに遮蔽物Bが存在するかを、表示の濃淡(遮蔽物Bを濃く表示)等として示す。
【0038】
図5の左欄には、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを除去する前におけるブロッキングチャートを示す。ここで、遮蔽物Bが存在しないときは、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルが、ほぼ同心円状の等レベル線及び表示の濃淡として示されるはずである。
【0039】
一方で、遮蔽物Bが存在するときは、遮蔽物Bに起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルが、方位角φ
B1〜φ
B2において仰角θ
Bまで、仰角θにほぼ依存しない高い等レベル線及び濃い表示として示される。なお、衛星通信アンテナAの受信ビームの方位角分解能は高いため、遮蔽物Bの輪郭はある程度明確に示される。ただ、遮蔽物Bの輪郭の近傍では、受信雑音レベルが遮蔽物Bに起因するレベルから遮蔽物Bの背景に起因するレベルまで遷移するため、遮蔽物Bの輪郭は幅の狭いグラデーションで示される。
【0040】
図5の右欄には、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを除去した後におけるブロッキングチャートを示す。ここで、遮蔽物Bが存在しないときは、遮蔽物Bの背景に起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルが、ブロッキングチャートのほぼ全体で除去されるはずである。
【0041】
一方で、遮蔽物Bが存在するときは、遮蔽物Bに起因する衛星通信アンテナAの受信雑音レベルが、方位角φ
B1〜φ
B2において仰角θ
Bまで、仰角θが高仰角であるほど高い等レベル線及び濃い表示として示される。なお、衛星通信アンテナAの受信ビームの方位角分解能は高いため、遮蔽物Bの輪郭はある程度明確に示される。ただ、遮蔽物Bの輪郭の近傍では、受信雑音レベルが遮蔽物Bに起因するレベルから遮蔽物Bの背景に起因するレベルまで遷移するため、遮蔽物Bの輪郭は幅の狭いグラデーションで示される。また、遮蔽物Bによるブロッキング部分を明確にするため、遮蔽物Bの背景を単一色で示し、遮蔽物Bを輪郭も含めて、遮蔽物Bの背景とは異なる単一色で示す処理をしてもよい。
【0042】
このように、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを等レベル線で記録するため、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物Bの存在を見落とすことがなく、衛星通信をブロックする可能性がある遮蔽物Bの輪郭を等レベル線で表示することができる。
【0043】
なお、
図4に示したように、高仰角θ
Hほど受信雑音レベル差を大きく捉えることができる。よって、
図4及び
図5に対する変形例として、方位角φ
B1〜φ
B2において高仰角θ
Hで遮蔽物Bの存在を検知した場合には、その方位角の範囲において高仰角θ
Hより低仰角でも遮蔽物Bの存在を仮定して、ブロッキングチャートを作成してもよい。もっとも、遮蔽物Bの形によっては、高仰角θ
Hでは衛星通信が遮られるが、低仰角θ
Lでは衛星通信が遮られない場合もあり得る。その場合には、
図4及び
図5に対する変形例を用いず、あくまで受信雑音レベル差に基づいて、ブロッキングチャートを作成する。
【0044】
さらに、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルの閾値を設定するときは、遮蔽物Bの輪郭を明確に表示することができる。ただし、遮蔽物Bの存在を見落とすことがないように、遮蔽物Bが存在するかどうかを判定するための、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルの閾値を設定することが望ましい。
【0045】
そして、衛星通信アンテナAの指向性の仰角θ及び方位角φの間隔を狭くして、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを計測するときは、ブロッキングチャートの作成時間が長くなるものの、ブロッキングチャートの作成精度を高くすることができる。一方で、衛星通信アンテナAの指向性の仰角θ及び方位角φの間隔を広くして、衛星通信アンテナAの受信雑音レベルを計測するときは、ブロッキングチャートの作成時間が短くなるため、天候等の変化による衛星通信アンテナAの背景雑音レベルの変化を考慮しなくてもよい。
【0046】
さらに、天候(晴天又は雨天)、時間帯(昼間又は夜中)及び季節(春夏秋冬)が変化すれば、衛星通信アンテナAの背景雑音レベルが変化することから、各天候、各時間帯及び各季節のブロッキングチャートを作成してもよい。なお、衛星通信アンテナAの背景雑音レベルは、晴天では雨雲がないため、雨天より低くなり、夜中では太陽が出ないため、昼間より低くなり、冬では水蒸気量が少ないため、夏より低くなる。