(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも一つの無機層は、前記第2導電層上に直接配置され、前記第1導電層と前記第2導電層との間に配置されたタッチ絶縁層を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。本明細書において、ある構成要素(又は領域、層、部分など)が異なる構成要素「上にある」、「連結される」、又は「結合される」と言及する場合に、それは異なる構成要素上に直接連結/結合されるか又はそれらの間に第3の構成要素が配置されることを意味する。
【0017】
同じ図面符号は同じ構成要素を指称する。また、図面において、構成要素の厚さ、比率、及び寸法は技術的内容の効果的な説明のために誇張したものである。「及び/又は」は関係する構成が定義される一つ以上の組合せを含む。
【0018】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明する際に使用されるが、構成要素は用語によって限定されない。用語は一つの構成要素を異なる構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明の権利範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名され、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名される。単数の表現は、文脈上明確に異なるものとして意味しない限り、複数の表現を含む。
【0019】
また、「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は図面に示した構成の関連を説明するために使用される。用語は、相対的な概念であって、図面に表示した方向を基準として説明する。
【0020】
「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、物品、又はこれらを組合せたものが存在することを指定するものであって、一つ又はそれ以上の異なる特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品、又はこれらを組合せたものの存在又は付加可能性を予め排除しない。
【0021】
図1Aは、本発明の一実施形態による表示装置DDの第1動作による斜視図である。
図1Bは、本発明の一実施形態による表示装置DDの第2動作による斜視図である。
図1Cは、本発明の一実施形態による表示装置DDの第3動作による斜視図である。
【0022】
図1Aに示すように、第1動作モードにおいて、イメージIMが表示される表示面ISは第1方向軸DR1と第2方向軸DR2で定義される面に平行する。表示面ISの法線方向、即ち表示装置DDの厚さ方向は、第3方向軸DR3で指示される。各部材の全面(又は上面)と背面(又は下面)は第3方向軸DR3に区分される。しかし、第1〜第3方向軸(DR1、DR2、DR3)で指示される方向は相対的な概念として異なる方向に変換される。以下、第1〜第3方向は第1〜第3方向軸(DR1、DR2、DR3)でそれぞれ指示される方向に対して同じ図面符号を参照する。
【0023】
図1A〜
図1Cはフレキシブル表示装置DDの一例として折り畳み式のフォルダブル表示装置を示す。しかし、本発明の表示装置は、巻かれる形状のローラブル表示装置又は帯状のバンディド表示装置であってもよく、特に制限されるものではない。また、本実施形態でフレキシブル表示装置を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。本発明による表示装置DDはフラットのリジッド表示装置であってもよい。本発明によるフレキシブル表示装置DDは、テレビ、モニターなどのような大型電子装置をはじめ、携帯電話、タブレット、自動車ナビゲーション、ゲーム機、スマートウォッチなどのような中小型電子装置などに使用される。
【0024】
図1Aに示すように、フレキシブル表示装置DDの表示面ISは複数個の領域を含む。フレキシブル表示装置DDは、イメージIMが表示される表示領域DD−DA、及び表示領域DD−DAに隣接する非表示領域DD−NDAを含む。非表示領域DD−NDAはイメージが表示されない領域である。
図1AはイメージIMの一例として花瓶を示す。一例として、表示領域DD−DAは四角形状である。非表示領域DD−NDAは表示領域DD−DAを囲む。但し、これに制限されるものではなく、表示領域DD−DAの形状と非表示領域DD−NDAの形状は相対的にデザインされる。
【0025】
図1A〜
図1Cに示すように、表示装置DDは動作形態によって定義される複数個の領域を含む。表示装置DDは、ベンディング軸BXを基準に(On the basis of)ベンディングされるベンディング領域BA、非ベンディングされる第1非ベンディング領域NBA1、及び第2非ベンディング領域NBA2を含む。
図1Bに示すように、表示装置DDは第1非ベンディング領域NBA1の表示面ISと第2非ベンディング領域NBA2の表示面ISとが向き合うように内側ベンディング(Inner−bending)される。また、
図1Cに示すように、表示装置DDは表示面ISが外部に露出するように外側ベンディング(Outer−bending)される。
【0026】
一実施形態において、表示装置DDは複数個のベンディング領域BAを含む。また、使用者が表示装置DDを操作する形態に応じてベンディング領域BAが定義される。例えば、ベンディング領域BAは、
図1B及び
図1Cと異なって第1方向軸DR1に平行に定義されるか、或いは対角線方向に定義される。ベンディング領域BAの面積は、固定されるものではなく、曲率半径に応じて決定される。一実施形態において、表示装置DDは
図1A及び
図1Bに示した動作モードのみを繰り返すように構成される。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態による表示装置DDの一例の断面図である。
図2は第2方向軸DR2と第3方向軸DR3で定義される断面を示す。
【0028】
図2に示すように、表示装置DDは、保護フィルムPM、表示モジュールDM、光学部材LM、ウィンドーWM、第1接着部材AM1、第2接着部材AM2、及び第3接着部材AM3を含む。表示モジュールDMは保護フィルムPMと光学部材LMとの間に配置される。光学部材LMは表示モジュールDMとウィンドーWMとの間に配置される。第1接着部材AM1は表示モジュールDMと保護フィルムPMとを結合し、第2接着部材AM2は表示モジュールDMと光学部材LMとを結合し、第3接着部材AM3は光学部材LMとウィンドーWMとを結合する。
【0029】
保護フィルムPMは表示モジュールDMを保護する。保護フィルムPMは、外部に露出した第1外面OS−Lを提供し、第1接着部材AM1に接着される接着面を提供する。保護フィルムPMは、外部の湿気が表示モジュールDMに浸透することを防止し、外部衝撃を吸収する。
【0030】
保護フィルムPMはプラスチックフィルムをベース層として含む。保護フィルムPMは、ポリエーテルスルフォン(PES:Polyethersulphone)、ポリアクリレート(PAR:Polyacrylate)、ポリエーテルイミド(PEI:Polyetherimide)、ポリエチレンナフタレート(PEN:Polyethyelenen napthalate)、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethyeleneterepthalate)、ポリフェニレンスルフィド(PPS:Polyhenylene sulfide)、ポリアリレート(Polyallylate)ポリイミド(PI:Polyimide)、ポリカーボネート(PC:Polycabonate)、ポリアリレンエーテルスルフォン(Poly(aryleneether sulfone))、及びこれらの組合せからなるグループから選択されるいずれか一つを含むプラスチックフィルムを含む。
【0031】
保護フィルムPMを構成する物質は、プラスチック樹脂に制限されず、有機/無機複合材料を含む。保護フィルムPMは多孔性有機層及び有機層の気孔に充填された無機物を含む。保護フィルムPMはプラスチックフィルムで形成される機能層を更に含む。機能層は樹脂層を含む。機能層はコーティング法により形成される。一実施形態において、保護フィルムPMは省略される。
【0032】
ウィンドーWMは、外部衝撃から表示モジュールDMを保護し、使用者に入力面を提供する。ウィンドーWMは、外部に露出した第2外面OS−Uを提供し、第3接着部材AM3に接着される接着面を提供する。
図1A〜
図1Cに示した表示面ISが第2外面OS−Uである。
【0033】
ウィンドーWMはプラスチックフィルムを含む。ウィンドーWMは多層構造を有する。ウィンドーWMは、ガラス基板、プラスチックフィルム、及びプラスチック基板から選択される多層構造を有する。ウィンドーWMはベゼルパターンを更に含む。多層構造は連続工程又は接着層を利用した接着工程を介して形成される。
【0034】
光学部材LMは外部光反射率を減少させる。光学部材LMは少なくとも偏光フィルムを含む。光学部材LMは位相差フィルムを更に含む。一実施形態において、光学部材LMは省略される。
【0035】
表示モジュールDMは有機発光表示パネルDP及びタッチ感知ユニットTSを含む。タッチ感知ユニットTSは有機発光表示パネルDP上に直接配置される。本明細書において「直接配置される」ということは、別途の接着層を利用して付着することを除く連続工程により形成されることを意味する。
【0036】
有機発光表示パネルDPは入力された映像データに対応するイメージIM(
図1A参照)を生成する。有機発光表示パネルDPは厚さ方向DR3に向き合う第1表示パネル面BS1−L及び第2表示パネル面BS1−Uを提供する。本実施形態において、有機発光表示パネルDPを例示的に説明したが、表示パネルはこれに制限されない。
【0037】
タッチ感知ユニットTSは外部入力の座標情報を獲得する。タッチ感知ユニットTSは静電容量方式で外部入力を感知する。
【0038】
図示していないが、一実施形態による表示モジュールDMは反射防止層を更に含む。反射防止層はカラーフィルター又は導電層/絶縁層/導電層の積層構造物を含む。反射防止層は外部から入射した光を吸収又は相殺干渉又は偏光させて外部光の反射率を減少させる。反射防止層は光学部材LMの機能を代替する。
【0039】
第1接着部材AM1、第2接着部材AM2、及び第3接着部材AM3の各々は、光学透明接着フィルムOCA(Optically Clear Adhesive film)、光学透明接着樹脂OCR(Optically Clear Resin)、又は感圧接着フィルムPSA(Pressure Sensitive Adhesive film)のような有機接着層である。有機接着層は、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、ポリエポキシ系、ポリアセテートビニル系などの接着物質を含む。結果的に有機接着層は有機層の一つに該当する。後述するように有機接着層は気泡発生の原因になり得る。
【0040】
図示していないが、表示装置DDは
図1A〜
図1Cに示した状態を維持するために機能層を支持するフレーム構造物を更に含む。フレーム構造物は関節構造又はヒンジ構造を含む。
【0041】
図3A及び
図3Bは、本発明の一実施形態による表示装置DD−1の他の例の斜視図である。
図3Aは広げた状態の表示装置DD−1を示し、
図3Bはベンディングされた状態の表示装置DD−1を示す。
【0042】
表示装置DD−1は一つのベンディング領域BAと一つの非ベンディング領域NBAを含む。表示装置DD−1の非表示領域DD−NDAがベンディングされる。但し、一実施形態において、表示装置DD−1のベンディング領域は変更される。
【0043】
本実施形態による表示装置DD−1は、
図1A〜
図1Cに示した表示装置DDと異なり、一つの形態に固定されて作動する。表示装置DD−1は
図3Bに示すようにベンディングされた状態で作動する。表示装置DD−1はベンディングされた状態でフレームなどに固定され、フレームが電子装置のハウジングに結合される。
【0044】
本実施形態による表示装置DD−1は
図2に示したものと同じ断面構造を有する。但し、非ベンディング領域NBAとベンディング領域BAとが異なる積層構造を有する。非ベンディング領域NBAは
図2に示したものと同じ断面構造を有し、ベンディング領域BAは
図2に示したものと異なる断面構造を有する。ベンディング領域BAには光学部材LM及びウィンドーWMが配置されない。即ち、光学部材LM及びウィンドーは非ベンディング領域NBAにのみ配置される。第2接着部材AM2及び第3接着部材AM3もベンディング領域BAに配置されない。
【0045】
図4Aは、本発明の一実施形態による表示モジュールDMの断面図である。
図4Bは、本発明の一実施形態による有機発光表示パネルDPの平面図である。
図4Cは、本発明の一実施形態による画素PXの等価回路図である。
図4D及び
図4Eは、本発明の一実施形態による有機発光表示パネルDPの部分断面図である。
【0046】
図4Aに示すように、有機発光表示パネルDPは、ベース層SUB、ベース層SUB上に配置された回路層DP−CL、発光素子層DP−OLED、及び薄膜封止層TFEを含む。ベース層SUBは少なくとも一つのプラスチックフィルムを含む。ベース層SUBは、フレキシブル基板としてプラスチック基板、ガラス基板、メタル基板、又は有機/無機複合材料基板などを含む。
【0047】
回路層DP−CLは、複数個の絶縁層、複数個の導電層、及び半導体層を含む。回路層DP−CLの複数個の導電層は信号ライン又は画素の制御回路を構成する。発光素子層DP−OLEDは有機発光ダイオードを含む。薄膜封止層TFEは発光素子層DP−OLEDを密封する。薄膜封止層TFEは少なくとも2個の無機薄膜とその間に配置された少なくとも一つの有機薄膜を含む。無機薄膜は水分/酸素から発光素子層DP−OLEDを保護し、有機薄膜はほこり粒子のような異物質から発光素子層DP−OLEDを保護する。
【0048】
タッチ感知ユニットTSは薄膜封止層TFE上に直接配置される。タッチ感知ユニットTSはタッチセンサ及びタッチ信号ラインを含む。タッチセンサ及びタッチ信号ラインは単層又は多層構造を有する。
【0049】
タッチセンサ及びタッチ信号ラインは、ITO(Indium tin oxide)、IZO(Indium zinc oxide)、ZnO(Zinc oxide)、ITZO(Indium tin zinc oxide)、PEDOT、金属ナノワイヤ、グラフィンを含む。タッチセンサ及びタッチ信号ラインは、金属層、例えばモリブデン、銀、チタニウム、銅、アルミニウム、又はこれらの合金を含む。タッチセンサ及びタッチ信号ラインは同じ層構造を有するか又は異なる層構造を有する。タッチ感知ユニットTSに対する具体的な内容は後述する。
【0050】
図4Bに示すように、有機発光表示パネルDPは平面上に表示領域DA及び非表示領域NDAを含む。有機発光表示パネルDPの表示領域DA及び非表示領域NDAは表示装置DDの表示領域DD−DA及び非表示領域DD−NDAに各々対応する。有機発光表示パネルDPの表示領域DA及び非表示領域NDAは、表示領域DAの表示領域DD−DA及び非表示領域DD−NDAと必ずしも同じである必要はなく、有機発光有機発光表示パネルDPの構造/デザインに応じて変形される。
【0051】
有機発光表示パネルDPは複数個の信号ラインSGL及び複数個の画素PXを含む。複数個の画素PXが配置された領域が表示領域DAとして定義される。本実施形態において、非表示領域DNAは表示領域DAの縁に沿って定義される。
【0052】
複数個の信号ラインSGLは、ゲートラインGL、データラインDL、電源ラインPL、及び制御信号ラインCSLを含む。ゲートラインGLは複数個の画素PXのうちの対応する画素PXに各々連結され、データラインDLは複数個の画素PXのうちの対応する画素PXに各々連結される。電源ラインPLは複数個の画素PXに連結される。非表示領域NDAの一側にはゲートラインGLが連結されたゲート駆動回路DCVが配置される。制御信号ラインCSLはゲート駆動回路DCVに制御信号を提供する。
【0053】
ゲートラインGL、データラインDL、電源ラインPL、及び制御信号ラインCSLの中の一部は同じ層に配置され、他の一部は異なる層に配置される。ゲートラインGL、データラインDL、電源ラインPL、及び制御信号ラインCSLの各々は、信号配線部及び信号配線部の末端に連結された信号パッド部を含む。信号パッド部の例として、制御パッド部CSL−P、データパッド部DL−P、及び電源パッド部PL−Pを図示する。ゲートパッド部は、図示していないが、ゲート駆動回路DCVに重畳してゲート駆動回路DCVに連結される。
【0054】
図4Cは、いずれか一つのゲートラインGL、いずれか一つのデータラインDL、及び電源ラインPLに連結された画素PXを例示的に示す。画素PXの構成は、これに制限されず、変形されて実施される。
【0055】
画素PXは表示素子として有機発光ダイオードOLEDを含む。有機発光ダイオードOLEDは全面発光型ダイオードであるか又は背面発光型ダイオードである。画素PXは、有機発光ダイオードOLEDを駆動するための回路部として第1トランジスタTFT1(又はスイッチングトランジスタ)、第2トランジスタTFT2(又は駆動トランジスタ)、及びキャパシターCAPを含む。
【0056】
第1トランジスタTFT1はゲートラインGLに加えられた走査信号に応答してデータラインDLに加えられたデータ信号を出力する。キャパシターCAPは第1トランジスタTFT1から受信したデータ信号に対応する電圧を充電する。
【0057】
第2トランジスタTFT2は有機発光ダイオードOLEDに連結される。第2トランジスタTFT2はキャパシターCAPに蓄積された電荷量に対応して有機発光ダイオードOLEDに流れる駆動電流(ELVDDからELVSSに流れる電流)を制御する。有機発光ダイオードOLEDは第2トランジスタTFT2のターンオン区間の間に発光する。
【0058】
図4Dは
図4Cに示した等価回路の第1トランジスタTFT1及びキャパシターCAPに対応する部分の断面を示す。
図4Eは
図4Cに示した等価回路の第2トランジスタTFT2及び有機発光ダイオードOLEDに対応する部分の断面を示す。
【0059】
図4D及び
図4Eに示すように、ベース層SUB上に回路層DP−CLが配置される。ベース層SUB上に配置された第1トランジスタTFT1の半導体パターンAL1(以下、第1半導体パターン)及び第2トランジスタTFT2の半導体パターンAL2(以下、第2半導体パターン)は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、金属酸化物半導体の中から互いに同一又は互いに異なるように選択される。
【0060】
図示していないが、ベース層SUBの一面上に機能層が更に配置される。機能層はバリア層又はバッファ層のうちの少なくとも何れか一つを含む。第1半導体パターンAL1及び第2半導体パターンAL2はバリア層又はバッファ層上に配置される。
【0061】
ベース層SUB上に第1半導体パターンAL1及び第2半導体パターンAL2をカバーする第1絶縁層12が配置される。第1絶縁層12は有機層及び/又は無機層を含む。特に、第1絶縁層12は複数個の無機薄膜を含む。複数個の無機薄膜はシリコンナイトライド層及びシリコンオキサイド層を含む。
【0062】
第1絶縁層12上に第1トランジスタTFT1の制御電極GE1(以下、第1制御電極)及び第2トランジスタTFT2の制御電極GE2(以下、第2制御電極)が配置される。第1絶縁層12上にキャパシターCAPの第1電極E1が配置される。第1制御電極GE1、第2制御電極GE2、及び第1電極E1はゲートラインGL(
図4C参照)と同じフォトリソグラフィ工程によって製造される。即ち、第1電極E1は、ゲートラインGLと同じ物質で構成され、同じ積層構造を有し、同じ層上に配置される。
【0063】
第1絶縁層12上に、第1制御電極GE1、第2制御電極GE2、及び第1電極E1をカバーする第2絶縁層14が配置される。第2絶縁層14は有機層及び/又は無機層を含む。特に、第2絶縁層14は複数個の無機薄膜を含む。複数個の無機薄膜はシリコンナイトライド層及びシリコンオキサイド層を含む。
【0064】
第2絶縁層14上にデータラインDL(
図4C参照)が配置される。第2絶縁層14上に第1トランジスタTFT1の入力電極SE1(以下、第1入力電極)及び出力電極DE1(以下、第1出力電極)が配置される。第2絶縁層14上に第2トランジスタTFT2の入力電極SE2(以下、第2入力電極)及び出力電極DE2(以下、第2出力電極)が配置される。第1入力電極SE1はデータラインDLの中の対応するデータラインから分岐される。電源ラインPL(
図4C参照)はデータラインDLと同じ層上に配置される。第2入力電極SE2は電源ラインPLから分岐される。
【0065】
第2絶縁層14上にキャパシターCAPの第2電極E2が配置される。第2電極E2は、データラインDL及び電源ラインPLと同じフォトリソグラフィ工程によって製造され、同じ物質から構成され、同じ積層構造を有し、同じ層上に配置される。
【0066】
第1入力電極SE1及び第1出力電極DE1は、第1絶縁層12及び第2絶縁層14を貫通する第1貫通孔CH1及び第2貫通孔CH2を介して第1半導体パターンAL1にそれぞれ連結される。第1出力電極DE1は第1電極E1に電気的に連結される。例えば、第1出力電極DE1は第2絶縁層14を貫通する貫通孔(図示せず)を介して第1電極E1に連結される。第2入力電極SE2及び第2出力電極DE2は、第1絶縁層12及び第2絶縁層14を貫通する第3貫通孔CH3及び第4貫通孔CH4を介して第2半導体パターンAL2にそれぞれ連結される。一方、他の実施形態において、第1トランジスタTFT1及び第2トランジスタTFT2はボトムゲート構造に変形されて実施される。
【0067】
第2絶縁層14上に、第1入力電極SE1、第1出力電極DE1、第2入力電極SE2、及び第2出力電極DE2をカバーする第3絶縁層16が配置される。第3絶縁層16は有機層及び/又は無機層を含む。特に、第3絶縁層16は平坦面を提供するために有機物質を含む。
【0068】
第1絶縁層12、第2絶縁層14、及び第3絶縁層16のうちの何れか一つは画素の回路構造によって省略される。第2絶縁層14及び第3絶縁層16の各々は層間絶縁層(Interlayer)として定義される。層間絶縁層は、層間絶縁層を基準にした部分に配置された導電パターンと上部に配置された導電パターンとの間に配置されて導電パターンを絶縁させる。
【0069】
第3絶縁層16上に発光素子層DP−OLEDが配置される。第3絶縁層16上に画素定義膜PXL及び有機発光ダイオードOLEDが配置される。第3絶縁層16上にアノード(陽極)AEが配置される。アノードAEは第3絶縁層16を貫通する第5貫通孔CH5を介して第2出力電極DE2に連結される。画素定義膜PXLには開口部OPが定義される。画素定義膜PXLの開口部OPはアノードAEの少なくとも一部分を露出させる。
【0070】
発光素子層DP−OLEDは発光領域PXA及び発光領域PXAに隣接する非発光領域NPXAを含む。非発光領域NPXAは発光領域PXAを囲む。本実施形態において、発光領域PXAはアノードAEに対応して定義される。しかし、発光領域PXAはこれに制限されず、発光領域PXAは光が発生する領域に定義されることで十分である。発光領域PXAは開口部OPにより露出されたアノードAEの一部領域に対応して定義される。
【0071】
正孔制御層HCLは発光領域PXA及び非発光領域NPXAに共通に配置される。図示していないが、正孔制御層HCLのような共通層は複数個の画素PX(
図4B参照)に共通に形成される。
【0072】
正孔制御層HCL上に有機発光層EMLが配置される。有機発光層EMLは開口部OPに対応する領域にのみ配置される。即ち、有機発光層EMLは複数個の画素PXの各々に分離されて形成される。
【0073】
有機発光層EML上に電子制御層ECLが配置される。電子制御層ECL上にカソード(陰極)CEが配置される。カソードCEは複数個の画素PXに共通的に配置される。
【0074】
本実施形態において、パターニングされた有機発光層EMLを例示的に示しているが、有機発光層EMLは複数個の画素PXに共通的に配置される。この際、有機発光層EMLは白色光を生成する。また、有機発光層EMLは多層構造を有する。
【0075】
本実施形態において、薄膜封止層TFEはカソードCEを直接カバーする。一実施形態において、カソードCEをカバーするキャッピング層が更に配置される。この場合、薄膜封止層TFEはキャッピング層を直接カバーする。
【0076】
図5A〜
図5Cは、本発明の一実施形態による薄膜封止層(TFE1、TFE2、TFE3)の多様な例の断面図である。以下、
図5A〜
図5Cを参照して本発明の一実施形態による薄膜封止層(TFE1、TFE2、TFE3)を説明する。
【0077】
図5Aに示すように、薄膜封止層TFE1はカソードCE(
図4E参照)に接触する第1無機薄膜IOL1を含むn個の無機薄膜IOL1〜IOLnを含む。第1無機薄膜IOL1は下部無機薄膜として定義され、n個の無機薄膜IOL1〜IOLnのうちの第1無機薄膜IOL1以外の無機薄膜は上部無機薄膜として定義される。
【0078】
薄膜封止層TFE1はn−1個の有機薄膜(OL1〜OLn−1)を含み、n−1個の有機薄膜(OL1〜OLn−1)はn個の無機薄膜(IOL1〜IOLn)と交互に配置される。n−1個の有機薄膜(OL1〜OLn−1)は平均的にn個の無機薄膜(IOL1〜IOLn)よりも厚い厚さを有する。
【0079】
n個の無機薄膜(IOL1〜IOLn)の各々は1個の物質を含む単層であるが、各々が異なる物質を含む複数を有してもよい。n−1個の有機薄膜(OL1〜OLn−1)の各々は有機モノマーが蒸着されて形成される。有機モノマーはアクリル系モノマーを含む。一実施形態において、薄膜封止層TFE1はn番目の有機薄膜を更に含む。
【0080】
図5B及び
図5Cに示すように、薄膜封止層(TFE2、TFE3)の各々に含まれる無機薄膜は、互いに同じであるか又は異なる無機物質を有し、互いに同じであるか又は異なる厚さを有する。薄膜封止層(TFE2、TFE3)の各々に含まれる有機薄膜は、互いに同じであるか又は異なる有機物質を有し、互いに異なる厚さを有する。
【0081】
図5Bに示すように、薄膜封止相TFE2は、順に積層された第1無機薄膜IOL1、第1有機薄膜OL1、第2無機薄膜IOL2、第2有機薄膜OL2、及び第3無機薄膜IOL3を含む。
【0082】
第1無機薄膜IOL1は2層構造を有する。第1サブ層S1はフッ化リチウム層であり、第2サブ層S2はアルミニウムオキサイド層である。第1有機薄膜OL1は第1有機モノマー層であり、第2無機薄膜IOL2は第1シリコンナイトライド層であり、第1有機薄膜OL2は第2有機モノマー層であり、第3無機薄膜IOL3は第2シリコンナイトライド層である。
【0083】
図5Cに示すように、薄膜封止層TFE3は、順に積層された第1無機薄膜IOL10、第1有機薄膜OL1、及び第2無機薄膜IOL20を含む。第1無機薄膜IOL10は2層構造を有する。第1サブ層S10はフッ化リチウム層であり、第2サブ層S20はシリコンオキサイド層である。第1有機薄膜OL1は第1有機モノマー層であり、第2無機薄膜IOL20は2層構造を有する。第2無機薄膜IOL20は互い異なる蒸着環境で蒸着された第1サブ層S100及び第2サブ層S200を含む。第1サブ層S100は低電源条件で蒸着され、第2サブ層S200は高電源条件で蒸着される。第1サブ層S100及び第2サブ層S200の各々はシリコンナイトライド層である。
【0084】
図6Aは、本発明の一実施形態によるタッチ感知ユニットTSの断面図である。
図6B〜
図6Eは本発明の一実施形態によるタッチ感知ユニットTSの平面図である。
【0085】
図6Aに示すように、タッチ感知ユニットTSは、第1導電層TS−CL1、第1絶縁層TS−IL1(以下、第1タッチ絶縁層)、第2導電層TS−CL2、及び第2絶縁層TS−IL2(以下、第2タッチ絶縁層)を含む。第1導電層TS−CL1は薄膜封止層TFE上に直接配置される。第1導電層TS−CL1と薄膜封止層TFEとの間にプラスチックフィルム、ガラス基板、プラスチック基板は配置されない。
【0086】
第1導電層TS−CL1及び第2導電層TS−CL2の各々は単層構造を有し、第3方向軸DR3に沿って積層された多層構造を有する。多層構造の導電層は透明導電層及び金属層のうちの少なくとも2以上を含む。多層構造の導電層は互いに異なる金属を含む金属層を含む。透明導電層は、ITO(Indium tin oxide)、IZO(Indium zinc oxide)、ZnO(Zinc oxide)、ITZO(Indium tin zinc oxide)、PEDOT、金属ナノワイヤ、グラフィンを含む。金属層は、モリブデン、銀、チタニウム、銅、アルミニウム、及びこれらの合金を含む。
【0087】
第1導電層TS−CL1及び第2導電層TS−CL2の各々は複数個のパターンを含む。以下、第1導電層TS−CL1は第1導電パターンを含み、第2導電層TS−CL2は第2導電パターンを含む。第1導電パターン及び第2導電パターンの各々はタッチ電極及びタッチ信号ラインを含む。
【0088】
第1タッチ絶縁層TS−IL1及び第2タッチ絶縁層TS−IL2の各々は無機物又は有機物を含む。無機物は、アルミニウムオキサイド、チタニウムオキサイド、シリコンオキサイド、シリコンオキシナイトライドジルコニウムオキサイド、及びハフニウムオキサイドのうちの少なくとも一つを含む。有機物は、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリイソプレン、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、シロキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びぺリレン系樹脂のうちの少なくとも何れか一つを含む。
【0089】
第1タッチ絶縁層TS−IL1及び第2タッチ絶縁層TS−IL2の各々は単層又は多層構造を有する。第1タッチ絶縁層TS−IL1及び第2タッチ絶縁層TS−IL2の各々は無機層及び有機層のうちの少なくとも何れか一つを有する。無機層及び有機層は化学気相蒸着法によって形成される。
【0090】
本実施形態において、第1タッチ絶縁層TS−IL1及び第2タッチ絶縁層TS−IL2のうちの少なくとも何れか一つは2.05g/cm
3〜2.4g/cm
3の密度を有する少なくとも一つの無機層を含む。これに対する詳しい説明は後述する。
【0091】
第1タッチ絶縁層TS−IL1は第1導電層TS−CL1と第2導電層TS−CL2とを絶縁させるのみであり、その形状は制限されるものではない。第1導電パターン及び第2導電パターンの形状に応じて第1タッチ絶縁層TS−IL1の形状は変形される。第1タッチ絶縁層TS−IL1は、薄膜封止層TFEを全体的にカバーするか、或いは複数個の絶縁パターンを含む。複数個の絶縁パターンは、後述する第1連結部CP1又は第2連結部CP2に重畳するのみで十分である。
【0092】
本実施形態において、2層型タッチ感知ユニットを例示的に示しているが、これに制限されるものではない。単層型タッチ感知ユニットは導電層及び導電層をカバーする絶縁層を含む。導電層はタッチセンサ及びタッチセンサに連結されたタッチ信号ラインを含む。単層型タッチ感知ユニットはセルフキパシタンス(自己容量)方式で座標情報を獲得する。
【0093】
図6Bに示すように、タッチ感知ユニットTSは第1タッチ電極(TE1−1〜TE1−3)、第1タッチ電極に連結された第1タッチ信号ライン(SL1−1〜SL1−3)、第2タッチ電極(TE2−1〜TE2−3)、及び第2タッチ電極(TE2−1〜TE2−3)に連結された第2タッチ信号ライン(SL2−1〜SL2−3)を含む。
図6Bは3個の第1タッチ電極(TE1−1〜TE1−3)及び3個の第2タッチ電極(TE2−1〜TE2−3)を含むタッチ感知ユニットTSを例示的に示す。
【0094】
第1タッチ電極(TE1−1〜TE1−3)の各々は複数個のタッチ開口部が定義されたメッシュ形状を有する。第1タッチ電極(TE1−1〜TE1−3)の各々は複数個の第1タッチセンサ部SP1及び複数個の第1連結部CP1を含む。第1タッチセンサ部SP1は第1方向DR1に配列される。第1連結部CP1の各々は第1タッチセンサ部SP1のうちの連接する2個の第1タッチセンサ部SP1を連結する。具体的に示していないが、第1タッチ信号ライン(SL1−1〜SL1−3)もメッシュ形状を有する。
【0095】
第2タッチ電極(TE2−1〜TE2−3)は第1タッチ電極(TE1−1〜TE1−3)と絶縁交差する。第2タッチ電極(TE2−1〜TETE2−3)の各々は複数個のタッチ開口部が定義されたメッシュ形状を有する。第2タッチ電極(TE2−1〜TE2−3)の各々は複数個の第2タッチセンサ部SP2及び複数個の第2連結部CP2を含む。第2タッチセンサ部SP2は第2方向DR2に配列される。第2連結部CP2の各々は第2タッチセンサ部SP2のうちの連接する2個の第2タッチセンサ部SP2を連結する。第2タッチ信号ライン(SL2−1〜SL2−3)もメッシュ形状を有する。
【0096】
第1タッチ電極(TE1−1〜TE1−3)と第2タッチ電極(TE2−1〜TE2−3)とは静電結合される。第1タッチ電極(TE101〜TE1−3)にタッチ感知信号が加わることによって第1タッチセンサ部SP1と第2タッチセンサ部SP2との間にキャパシターが形成される。
【0097】
複数個の第1タッチセンサ部SP1、複数個の第1連結部CP1、及び第1タッチ信号ライン(SL1−1〜SL1−3)、並びに複数個の第2タッチセンサ部SP2、複数個の第2連結部CP2、及び第2タッチ信号ライン(SL2−1〜SL2−3)のうちの一部は
図6Aに示した第1導電層TS−CL1がパターニングされて形成され、他の一部は
図6Aに示した第2導電層TS−CL2がパターニングされて形成される。
【0098】
他の層上に配置された導電パターンを電気的に連結するために、
図6Aに示した第1タッチ絶縁層TS−IL1を貫通する貫通孔(コンタクトホール)が形成される。以下、
図6C〜
図6Eを参照して一実施形態によるタッチ感知ユニットTSを説明する。
【0099】
図6Cに示すように、薄膜封止層TFE上に第1導電パターンが配置される。第1導電パターンはブリッジパターンCP2を含む。ブリッジパターンCP2は薄膜封止層TFE上に直接配置される。
図6Cは表示領域DAをカバーする薄膜封止層TFEを例示的に示す。ブリッジパターンCP2は
図6Bに示した第2連結部CP2に対応する。
【0100】
図6Dに示すように、薄膜封止層TFE上にブリッジパターンCP2をカバーする第1タッチ絶縁層TS−IL1が配置される。第1タッチ絶縁層TS−IL1にはブリッジパターンCP2を部分的に露出させる貫通孔(コンタクトホール)CHが定義される。フォトリソグラフィ工程によって貫通孔(コンタクトホール)CHが形成される。
【0101】
図6Eに示すように、第1タッチ絶縁層TS−IL1上に第2導電パターンが配置される。第2導電パターンは、複数個の第1タッチセンサ部SP1、複数個の第1連結部CP1、及び第1タッチ信号ライン(SL1−1〜SL1−3)、並びに複数個の第2タッチセンサ部SP2及び第2タッチ信号ライン(SL2−1〜SL2−3)を含む。別途に図示していないが、第1タッチ絶縁層TS−IL1上に第2導電パターンをカバーする第2タッチ絶縁層TS−IL2が配置される。
【0102】
一実施形態において、第1導電パターンは第1タッチ電極(TE1−1〜TE1−3)及び第1タッチ信号ライン(SL1−1〜SL1−3)を含む。第1導電パターンは第2タッチ電極(TE2−1〜TE2−3)及び第2タッチ信号ライン(SL2−1〜SL2−3)を含む。この場合、第1タッチ絶縁層TS−IL1には貫通孔(コンタクトホール)CHが定義されない。
【0103】
また、一実施形態において、第1導電パターンと第2導電パターンとは互いに代替される。即ち、第2導電パターンはブリッジパターンCP2を含む。
【0104】
図7Aは、
図6EのAA領域の部分拡大図である。
図7Bは、
図7AのII−II′線による部分断面図である。
図7Cは、
図6BのI−I′線による部分断面図である。以下、
図7A〜
図7Cを参照して表示モジュールDMについてより詳しく説明する。
【0105】
図7Aに示すように、第1タッチセンサ部SP1は非発光領域NPXAに重畳する。第1タッチセンサ部SP1は第1方向DR1に延長された複数個の第1縦部SP1−C及び第2方向DR2に延長された複数個の第1横部SP1−Lを含む。複数個の第1縦部SP1−C及び複数個の第1横部SP1−Lはメッシュ線として定義される。メッシュ線の線幅は数μmである。
【0106】
複数個の第1縦部SP1−C及び複数個の第1横部SP1−Lは互いに連結されて複数個のタッチ開口部TS−OPを形成する。即ち、第1タッチセンサ部SP1は複数個のタッチ開口部TS−OPを具備するメッシュ形状を有する。
図7Aは、タッチ開口部TS−OPが発光領域PXAに一対一対応することを示しているが、これに制限されるものではない。一つのタッチ開口部TS−OPは2以上の発光領域PXAに対応し得る。
【0107】
図示していないが、第1連結部CP1、第1タッチ信号ライン(SL1−1〜SL1−3)、第2タッチセンサ部SP2、第2連結部CP2,及び第2タッチ信号ライン(SL2−1〜SL2−3)も横部と縦部を含む。
【0108】
図7B及び
図7Cに示すように、薄膜封止層TFE上に第2連結部CP2が直接配置される。薄膜封止層TFE上に第2連結部CP2をカバーする第1タッチ絶縁層TS−IL1が直接配置される。第1タッチ絶縁層TS−IL1は少なくとも表示領域DAに重畳する。第1タッチ絶縁層TS−IL1上に、第1タッチセンサ部SP1、第2タッチセンサ部SP2、及び第1連結部CP1が直接配置される。
【0109】
第2タッチ絶縁層TS−IL2は、第1タッチ絶縁層TS−IL1上に直接配置されて、第1タッチセンサ部SP1、第2タッチセンサ部SP2、及び第1連結部CP1をカバーする。第2タッチ絶縁層TS−IL2は少なくとも表示領域DAに重畳する。
【0110】
図7B及び
図7Cは、各々が3層構造を有する第1タッチセンサ部SP1、第1連結部CP1、第2タッチセンサ部SP2、及び第2連結部CP2を例示的に示す。第1タッチセンサ部SP1、第1連結部CP1、第2タッチセンサ部SP2、及び第2連結部CP2の各々はチタニウム/アルミニウム/チタニウムの3層構造を有する。
【0111】
図8Aは、表示装置DDに発生した気泡不良を示した断面図である。
図8Bは、表示装置DDに発生した気泡不良を示した写真である。
図9は、膜密度による気泡不良を示したグラフである。
【0112】
図2に示した表示装置DDと同じ表示装置に対して厳しい条件の信頼性評価を行った。80℃〜90℃の温度及び80%〜90%の湿度条件で信頼性評価を行った。
【0113】
図8A及び
図8Bに示すように、ウィンドーWMと第3接着部材AM3の界面に気泡が捕集された。気泡の大部分は窒素及び水素であることが確認された。窒素及び水素が気泡の約80%〜約90%を占めた。気泡は、二酸化炭素、一酸化炭素、メタノールを微量含むことが確認された。
【0114】
実験1〜8によるサンプルを作成して厳しい条件の信頼性を評価した。実験結果は下記の表1の通りである。
【0116】
実験1〜6は、
図2に示した表示装置を基準に行った。但し、タッチ感知ユニットTS(
図6A参照)の構造のみがそれぞれ相違する。実験1はタッチ感知ユニットTSを省略し、実験2〜6は、第1導電層、第1タッチ絶縁層(無機層)、第2導電層、第2タッチ絶縁層(有機層)のうちの一部を省略した。
【0117】
実験7は単層の無機層が形成されたガラス基板を表示モジュールDM(
図2参照)の代わりに適用し、実験8は単層の有機層が形成されたガラス基板を表示モジュールDMの代わりに適用した。
【0118】
実験1〜8の第1タッチ絶縁層(無機層)には化学気相蒸着法(Chemical vapor deposition:PECVD)を介して形成された1.90g/cm
3シリコンナイトライド層を適用し、有機層にはスリットコーティング法を介して形成されたアクリル系有機層を適用した。
【0119】
実験2〜4、6で気泡が発生したことから、気泡発生は無機層に関連することがわかる。実験6と7とを比較すると、気泡は無機膜が単一条件で発生するものではなく、薄膜封止層に関連することがわかる。
【0120】
実験2〜4、6で発生した気泡の量から、気泡は外部から侵入したものではなく、無機層及び形成過程から生成されたシード(Seed)が有機物と反応して生成されたものと推定される。
【0121】
実験2及び3によるサンプルに対して追加実験を実施した。実験2及び3によるサンプルに対して気泡発生時間を測定した。
【0123】
各々4個のサンプルに対して信頼性を評価した。実験2のサンプルは24時間以後に気泡が発生していなかったが、実験3の4個のサンプルのうちの3個のサンプルに気泡が発生した。
【0124】
表2の実験結果によると、有機層は気泡の発生を促進させることがわかる。シードが有機層と反応するものと推定される。
【0125】
以下の表3と同様に、実験9及び10によるサンプルに対して追加実験を実施した。実験9及び10によるサンプルに対して気泡発生時間を測定した。
【0127】
実験9及び10の各々のサンプルは表1の実験2のサンプルと同じ構造を有する。即ち、実験9及び10の各々のサンプルは
図2に示した表示装置と同じ構造を有する。実験9のサンプルは第2接着部材AM2及び第3接着部材AM3に3M社製のOCA(光学透明接着部材)を適用し、実験10のサンプルは第2接着部材AM2及び第3接着部材AM3にTMS社製のOCAを適用した。なお、製造会社毎にOCAの組成が異なる。
【0128】
上記表3の実験結果によると、接着部材の組成によって発生する気泡の時間が異なることがわかる。実験結果を添付していないが、同じ時間の間に発生した気泡の量も接着部材の組成によって異なる。
【0129】
無機層の密度を変えてサンプルを制作して信頼性評価を行った。実験2と同じ構造のサンプルを制作し、サンプル毎に無機層の密度のみを別々に適用した。
【0130】
一般的にシリコンナイトライド層は、シランSiH4、窒素N2、水素H2、及びアンモニアNH3の混合ガスを利用して化学気相蒸着法を介して形成される。シランSiH4及び水素H2の流量はシリコンナイトライド層の密度に影響を与える。その他、パワーやチャンバー内の気圧がシリコンナイトライド層の密度に影響を与える。他の因子が同じになるように調節し、シランSiH4の流量を調節してサンプルによって密度が異なる無機層を形成した。
【0131】
図9のグラフは膜密度による気泡不良を示す。シリコンナイトライド層の膜密度が2.05g/cm
3以上である表示装置サンプルでは気泡が発生しなかった。
【0132】
シリコンナイトライド層を形成する過程で発生したシードが高密度のシリコンナイトライド層によって密封されるため、膜密度が2.05g/cm
3以上である表示装置サンプルではシードと有機物とが反応しないため、気泡が発生しないものと推定される。
【0133】
膜密度が2.05g/cm
3未満の無機膜を含む表示装置では、シードが低密度の無機膜を透過して第2タッチ絶縁層TS−IL2及び有機接着層(AM2、AM3)(
図2参照)に到達する。シードが第2タッチ絶縁層TS−IL2及び有機接着層(AM2、AM3)と反応することによって気泡が生成されたものと推定される。
【0134】
第2タッチ絶縁層TS−IL2で生成された気泡は、第2接着部材AM2、光学部材LM、及び第3接着部材AM3を通過してウィンドーWMと第3接着部材AM3との界面に捕集される。第2接着部材AM2及び第3接着部材AM3で生成された気泡もウィンドーWMと第3接着部材AM3との界面から捕集される。
【0135】
一方、無機層の密度が増加するほどフレキシブル性が減少するため、無機層の密度は2.4g/cm
3以下であることが好ましい。外部から与えられたストレスによる無機層のクラックを防止するためである。
【0136】
一実施形態において、
図6Aを参照して説明した第1タッチ絶縁層TS−IL1及び第2タッチ絶縁層TS−IL2のうちの少なくとも何れか一つは2.05g/cm
3〜2.4g/cm
3の密度を有する無機層を含むことが好ましい。上述した気泡発生を抑制すると共に第1タッチ絶縁層TS−IL1及び第2タッチ絶縁層TS−IL2のクラックを防止することができる。
【0137】
一実施形態において、第1タッチ絶縁層TS−IL1及び第2タッチ絶縁層TS−IL2の各々が上述した密度のシリコンナイトライド層を含む。
【0138】
一実施形態において、第1タッチ絶縁層TS−IL1が上述した密度のシリコンナイトライド層を含む。この場合、第2タッチ絶縁層TS−IL2は有機層であることが好ましい。第2タッチ絶縁層TS−IL2に上述した密度未満の無機層を形成すると第2タッチ絶縁層TS−IL2を形成する過程で気泡が発生する。気泡の発生を防止し且つフレキシブル性を向上させるために、第2タッチ絶縁層TS−IL2は有機層であることが好ましい。
【0139】
一実施形態において、第2タッチ絶縁層TS−IL2が上述した密度のシリコンナイトライド層を含む。第2タッチ絶縁層TS−IL2が多層構造を有する場合、最上層に上述した密度のシリコンナイトライド層が配置されることが好ましい。この場合、第1タッチ絶縁層TS−IL1は有機層及び/又は無機層を含む。
【0140】
図10Aは、本発明の一実施形態による表示装置DD−2の他の例の断面図である。
図10Bは、本発明の一実施形態による表示装置DD−2の他の例の断面の拡大図である。
図11は、本発明の一実施形態による表示装置DD−3の更に他の例の断面図である。
図1〜
図9を参照して説明した構成と同じ構成に対する詳しい説明は省略する。
【0141】
図10A及び
図10Bに示すように、表示装置DD−2は、保護フィルムPM、表示モジュールDM−1、タッチパネルTSP、ウィンドーWM、第1接着部材AM1、第2接着部材AM2、及び第3接着部材AM3を含む。表示モジュールDM−1は有機発光表示パネルDP及び反射防止層RPLを含む。反射防止層RPLは有機発光表示パネルDP上に直接配置される。
【0142】
反射防止層RPLはそれぞれが表示領域DA及び非表示領域NDAに重畳する導電層(RPL−ML1、RPL−ML2)及びそれぞれが表示領域DA及び非表示領域NDAに重畳する絶縁層(RPL−IL1、RPL−IL2)を含む。
図10Bは2個の導電層(RPL−ML1、RPL−ML2)及び2個の絶縁層(RPL−IL1、RPL−IL2)を含む反射防止層RPLを例示的に示す。
【0143】
導電層(RPL−ML1、RPL−ML2)及び絶縁層(RPL−IL1、RPL−IL2)は交互に積層される。積層順は特に制限されない。第1導電層RPL−ML1は吸収率が約30%以上である金属を含む。第1導電層RPL−ML1は屈折率nが約30%以上である金属を含む。第1導電層RPL−ML1は、屈折率nが約1.5〜7の間であり、吸収係数kが約1.5〜7の間の物質である。第1導電層RPL−ML1は、クロムCr、モリブデンMo、タングステンW、チタニウムTi、ニッケルNi、コバルトCo、酸化銅CuO、窒化チタニウムTiNx、及び硫化ニッケルNiSのうちの何れか一つ以上を含む。第1導電層RPL−ML1は上述した物質のうちの何れか一つを含む金属層である。第2導電層RPL−ML2も上述した金属を含む。
【0144】
第1絶縁層RPL−IL1及び第2絶縁層RPL−IL2は、シリコンオキサイドSiO2、酸化チタニウムTiO2、フッ素化リチウムLiF、フッ化カルシウムCaF2、フッ化マグネシウムMaF2、シリコンナイトライドSiNx、酸化タンタルTa2O5、酸化ニオブ(Nb2O5)、シリコンカーボンナイトライド(SiCN)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化鉄(FeOx)、及び酸化クロム(CrOx)のうちから選択されるいずれか一つで形成される。外部から入射した光OLは、第1導電層RPL−ML1で一部反射され(以下、第1反射光RL1)、第2導電層RPL−ML2から一部反射される(第2反射光RL2)。
【0145】
第1絶縁層RPL−IL1は、第1反射光RL1と第2反射光RL2との位相差が約180°になるように第1絶縁層RPL−IL1を通過する光の位相を調節する。それによって第1反射光RL1と第2反射光RL2とは相殺される。
【0146】
第1導電層RPL−ML1、第2導電層RPL−ML2、第1絶縁層RPL−IL1、及び第2絶縁層RPL−IL2の厚さ、材料などは、第1反射光RL2が相殺干渉される条件を満足するように選択されるが、特に制限されるものではない。図示していないが、反射防止層RPLはブラックマットリックスBMを更に含み得る。
【0147】
反射防止層RPLを形成する過程で気泡が発生することを防止するために、第1絶縁層RPL−IL1及び第2絶縁層RPL−IL2のうちの少なくとも一つは2.05g/cm
3〜2.4g/cm
3の密度を有する無機層を含む。第1絶縁層RPL−IL1及び第2絶縁層RPL−IL2は上述した密度のシリコンナイトライド層を含む。
【0148】
図11に示すように、表示装置DD−3は、保護フィルムPM、表示モジュールDM−2、ウィンドーWM、第1接着部材AM1、及び第2接着部材AM2を含む。表示モジュールDM−2は、有機発光表示パネルDP、タッチ感知ユニットTS、及び反射防止層RPLを含む。反射防止層RPLはタッチ感知ユニットTS上に直接配置される。
【0149】
タッチ感知ユニットTSは
図1〜
図9を参照して説明したものと同様の構成を有し、反射防止層RPLは
図10A及び
図10Bを参照して説明したものと同様の構成を有する。
【0150】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。