(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外部装置制御機能部は、試験状態表示機能部に存在するウェブクライアントから送信される、発生器を制御するための外部装置制御通知が所定時間受信されなくなったときに、タイムアウト判定を実施して前記発生器の制御を中止し、前記発生器の動作を停止させるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載のセンサループ精度試験管理システム。
【背景技術】
【0002】
火力、水力または原子力発電プラント等のプラントでは、監視・制御対象の機器に対して監視・制御装置が設置される。この監視・制御装置は、プラント内に設置されている各種のセンサからプロセスデータを入力し、この入力したデータをもとにプラント状態を運転員に提供している。
【0003】
大規模なプラントではセンサの点数が数万点にもなるため、センサの精度や、プラント内でセンサが接続されるセンサループの精度を、建設時や点検時に確認する作業に長時間を要する。このうちのセンサループ精度試験は、中央制御室と現場にそれぞれ作業員を配置し、現場の作業員が、センサの検出値を模擬した模擬値をセンサループに入力値として入力させたとき、この入力値を中央制御室の作業員が読み取って記録するという手順で行われている。従って、このセンサループ精度試験では、現場と中央制御室のそれぞれに作業員が必要になる。
【0004】
この点を改善するための従来のセンサループ精度試験管理システムでは、センサが設置された現場に、センサループに入力された入力値を表示する端末を設置することで、現場の作業員が、端末の表示画面により入力値や判定基準値を確認しながら発生器の出力を調整し、センサループ試験管理サーバが、判定基準値により入力値の良否を判定して試験を実施することで、人員の削減に貢献している。
【0005】
つまり、
図12に示すように、従来のセンサループ精度試験管理システム100は、現場に試験表示端末101及び発生器102が設置される。作業員103が発生器102から、センサ104の検出値に相当する模擬値(電圧値、電流値など)を出力させる。この模擬値は、センサ104を経てセンサループ109を流れ、PIO装置105によりデジタル化されて入力値に変換された後、この入力値がプロセス計算機106を経て、中央制御室のセンサループ試験管理サーバ107へ送信される。
【0006】
センサループ試験管理サーバ107は、センサループ試験を複数の試験ステップ毎に管理し、各試験ステップにおいて入力値と試験条件との一致性を判定する。この判定結果は試験結果として、入力値及び判定基準値と共に、試験ステップ毎に試験条件・状態DB108に格納される(
図14参照)。ここで、DBはデータベースの略称である。
【0007】
試験表示端末101には、
図13に示すように試験状態表示画面110が表示される。試験表示端末101に存在するウェブクライアントはセンサループ試験管理サーバ107と通信することによって、試験条件・状態DB108に格納された試験ステップ毎の入力値及び試験結果を、判定基準値と共に試験状態表示画面110に表示させる。現場にいる作業員103は、試験表示端末101の試験状態表示画面110に表示された試験ステップの進行に応じて、センサ104からの検出値の模擬値である発生器102の出力値が各試験ステップの判定基準値に相当する値になるように発生器102を操作して入力値を変更する。これにより、一人での作業が実現される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(
図1〜
図5)
図1は、第1実施形態に係るセンサループ精度試験管理システムが適用されたプラント監視・制御装置を示す系統図である。また、
図2は、
図1のセンサループ精度試験管理システムを示す系統図である。
図1に示すプラント監視・制御装置10は、プラントを構成する機器や配管にセンサ11を設置し、このセンサ11の検出値をPIO装置(プロセス入出力装置)12にてデジタル化し、プロセス計算機13にて処理して表示端末14に表示することでプラント状態を運転員に提示し、プラントの監視及び制御に供している。
【0016】
また、センサループ精度試験管理システム20は、センサ11が接続されるセンサループ15の精度を検査し管理するものであり、発生器21、センサループ試験管理サーバ22、試験条件・状態DB(DBはデータベースの略称である。以下同様)23、及び試験表示端末24を有して構成される。ここで、センサループ精度試験管理システム20が試験の対象とするセンサループ15は、現場17に設置されたセンサ11との接続端部から、中央制御室18に設置されたPIO装置12またはプロセス計算機13(例えばプロセス計算機13)までのセンサループである。
【0017】
発生器21は、
図2にも示すように、センサ11の検出値に相当する模擬値(電流値や電圧値など)をセンサループ15に直接出力、またはセンサ11を介してセンサループ15に出力するものである。この発生器21は、センサ11の種類(即ちセンサ11のセンサID)毎に異なる型式の発生器21が用いられることがあるので、複数の型式の発生器21が用意される。センサループ試験において、対象となるセンサループ15に接続されたセンサ11の種類に対応する型式の発生器21が作業員16により選択され、この発生器21が後述の如く試験表示端末24に接続される。
【0018】
センサループ試験管理サーバ22には、発生器21からセンサループ15に出力された模擬値がPIO装置12にてデジタル化されて入力値に変換され、この入力値がプロセス計算機13を介して入力される。センサループ試験管理サーバ22は、該当する1個のセンサ11に対応した発生器21から出力される模擬値の変化に応じて試験ステップを複数設定する。そして、センサループ試験管理サーバ22は、各試験ステップにおいて、入力値が判定基準値(
図3参照)の許容範囲にあるか否かを判断し、許容範囲内にあれば「良」と判定し、許容範囲外であれば「否」と判定する。この入力値の良否の判定結果、即ち試験結果は、入力値と共に、試験ステップ毎に試験条件・状態DB23に格納される。
【0019】
試験条件・状態DB23は、
図4に示すように、センサループ試験における試験条件のデータ構成、試験状態のデータ構成及び使用装置のデータ構成を有する。試験条件のデータ構成には、試験対象のセンサループ15に接続されるセンサ11の識別番号(センサID)、センサ11の名称、発生器21の装置タイプ(型式)、試験ステップ毎の判定基準値、及びこの判定基準値に相当する値を出力するための発生器21の出力値が、複数のセンサループ試験のそれぞれについて格納されている。また、試験状態のデータ構成には、試験ステップ毎の入力値と試験結果が、複数のセンサループ試験のそれぞれについて格納されている。更に、使用装置のデータ構成には、センサループ試験において使用される装置(例えば発生器)の詳細情報が格納されている。
【0020】
試験表示端末24は、
図2に示すように、試験状態表示機能部25、外部装置制御機能部26及び端末内ウェブサーバ機能部27を備え、発生器21が例えばUSBインターフェイス等により接続可能に構成される。このうちの外部装置制御機能部26は、試験表示端末24への発生器21の接続状態を認識すると共に、試験表示端末24に接続された発生器21からその型式を取得し、更にこの発生器21を制御する。
【0021】
試験状態表示機能部25は、センサループ試験管理サーバ22と通信し、また試験状態表示画面30(
図3)を試験表示端末24に表示し、更に、端末内ウェブサーバ機能部27及び外部装置制御機能部26を介して発生器21を制御等するためのウェブクライアントを有し、このウェブクライアントの起動により動作する。つまり、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、センサループ試験管理サーバ22と通信することで、試験条件・状態DB23に格納された試験条件データ(判定基準値を含む)を取得する。更に、試験条件・状態DB23には、センサループ試験管理サーバ22が取得した入力値と、センサループ試験管理サーバ22が判定した判定結果(試験結果)とが試験状態データに格納されるが、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、この試験状態データをセンサループ試験管理サーバ22との通信により取得する。
【0022】
試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、センサループ試験管理サーバ22との通信により取得した判定基準値、入力値及び試験結果を試験状態表示画面30(
図3)に試験ステップ毎に表示する。ここで、試験表示端末24における試験状態表示画面30の表示は、試験表示端末24においてウェブクライアントが起動され、この起動直後に表示されるセンサ選択画面(不図示)上で、試験対象のセンサループ15に接続されるセンサ11が選択されたときに出力される試験状態表示画面の表示要求通知によって表示される。
【0023】
また、試験状態表示機能部25に存在するウェブクライアントは、一般に、サンドボックス機構によって、試験表示端末24の内部で動作する外部装置制御機能部26と情報の送受信を行なうことができない。しかしながら、本実施形態では、試験表示端末24が、試験状態表示機能部25及び外部装置制御機能部26に接続されて試験表示端末24内で動作する端末内ウェブサーバ機能部27を備える。この端末内ウェブサーバ機能部27によって、試験状態表示機能部25に存在するウェブクライアントは、外部装置制御機能部26と情報の送受信を行なうことが可能になり、この外部装置制御機能部26を介して発生器21の接続状態を取得すると共に、この発生器21を制御可能に構成される。
【0024】
発生器21の制御は次のようにしてなされる。つまり、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、センサループ試験管理サーバ22との通信により、試験ステップ毎の試験進捗通知(判定基準値、入力値及び試験結果)を取得する。すると、このウェブクライアントは、未完了の次の試験ステップの判定基準値に相当する発生器出力値(
図4参照)を発生器21から出力させるための外部装置制御通知を送信する。この外部装置制御通知が外部装置制御機能部26を介して発生器21へ送信されることで、発生器21が制御される。
【0025】
また、発生器21の接続状態の取得は次のようにしてなされる。つまり、外部装置制御機能部26は、発生器21が試験表示端末27に接続されているときには「外部装置接続継続」を表す発生器接続状態通知を、発生器21が試験表示端末24に接続されていないときには「外部装置未接続」を表す発生器接続状態通知を、それぞれ試験状態表示機能部25のウェブクライアントに送信する。この発生器接続状態通知により、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、発生器21の接続状態を取得して認識する。
【0026】
端末内ウェブサーバ機能部27は、上述の試験状態表示機能部25のウェブクライアントによる発生器21の制御等に寄与するほか、発生器21の型式の適否を判定する。つまり、端末内ウェブサーバ機能部27は、試験状態表示機能部25のウェブクライアントからの外部装置接続要求通知(試験対象のセンサループ15に接続されたセンサ11の試験条件データ及び試験状態データを含む)を受信したとき、この外部装置接続要求通知を外部装置制御機能部26へ送信する。このとき、外部装置制御機能部26が発生器21へ発生器型式取得要求通知を送信することで、試験表示端末24に実際に接続されている発生器21が外部装置制御機能部26へ自身の型式を送信し、端末内ウェブサーバ機能部27は、外部装置制御機能部26を介して発生器21の型式を受信する。これにより、端末内ウェブサーバ機能部27は、試験表示端末24に実際に接続された発生器21の型式と、試験対象のセンサループ15に接続されたセンサ11に対応する発生器21の予め取得された型式データ(つまり、発生器型式要求通知に含まれた試験条件データにおける発生器装置タイプ)とを比較して判定する。
【0027】
端末内ウェブサーバ機能部27は、上述の発生器21の型式と型式データとが一致している場合に接続完了通知を、不一致の場合に接続失敗通知をそれぞれ試験状態表示機能部25へ送信する。この試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、端末内ウェブサーバ機能部27から接続完了通知を受信したときのみ、端末内ウェブサーバ機能部27及び外部装置制御機能部26へ外部装置制御通知を送信して、これらの端末内ウェブサーバ機能部27及び外部装置制御機能部26を介して発生器21を制御する。
【0028】
外部装置制御機能部26による発生器21の制御には、試験状態表示機能部25のウェブクライアントからの外部装置制御通知に基づく制御のほか、外部装置制御機能部26のタイムアウト判定に基づく発生器21の停止制御も含む。つまり、外部装置制御機能部26は、試験状態表示機能部25のウェブクライアントから送信される、発生器21を制御するための外部装置制御通知が所定時間停滞して受信されなくなったときにタイムアウト判定を実施する。外部装置制御機能部26は、このタイムアウト判定によって発生器21の制御を中止し、発生器21の動作を停止させる。
【0029】
上述のように構成された第1実施形態のセンサループ精度試験管理システム20の作用を、主に
図5を参照して説明する。
作業員16は、試験表示端末24の試験状態表示機能部25に存在するウェブクライアントを起動して、試験表示端末24にセンサ選択画面(不図示)を表示させる。このセンサ選択画面上で、作業員16が、試験対象のセンサループ15に接続されたセンサ11のセンサIDを選択して指定すると、試験状態表示画面30を表示させるための表示要求通知35が送信されて、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、該当するセンサIDのセンサ11に接続されたセンサループ15試験用の試験状態表示画面30を試験表示端末24に表示させる。
【0030】
試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、試験状態表示画面30の表示と略同時またはその表示後に、試験条件・状態データ取得要求通知36をセンサループ試験管理サーバ22へ送信することで、このセンサループ試験管理サーバ22を経由して試験条件・状態DB23から、試験条件データ及び試験状態データを含む試験条件・状態データ通知37を取得する。
【0031】
次に、試験対象となるセンサループ15に接続されたセンサ11に対応する型式の発生器21が、作業員16によって試験表示端末24に接続される。その後、試験表示端末24に表示された試験状態表示画面30の発生器接続ボタン31が作業員16により操作(例えばクリック操作)されると、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、センサループ試験が未試験状態にあることを確認した上で、外部装置接続要求通知38(試験対象のセンサループ15に接続されたセンサ11の試験条件データ及び試験状態データを含む)を、端末内ウェブサーバ機能部27を経由して外部装置制御機能部26へ送信する。この外部装置接続要求通知38を受信した外部装置制御機能部26は、発生器21に対して型式を要求する発生器型式要求通知39を送信する。
【0032】
発生器型式要求通知39を受信した発生器21は、自身の型式を表す発生器型式通知40を、外部装置制御機能部26を経由して端末内ウェブサーバ機能部27へ送信する。この端末内ウェブサーバ機能部27は、発生器型式通知40の受信により取得した、試験表示端末24に実際に接続された発生器21の型式と、試験対象のセンサループ15に接続されたセンサ11に対応する発生器21の型式データ(つまり、外部装置接続要求通知38に含まれた試験条件データの発生器装置タイプ(
図4参照)とを比較する。端末内ウェブサーバ機能部27は、この比較により、発生器21の型式と型式データとが一致していれば接続完了通知41を、不一致であれば接続失敗通知42をそれぞれ試験状態表示機能部25へ送信する。接続完了通知41を受信した試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、
図3に示す試験状態表示画面30の接続状態表示32を「未接続」から「接続」に変更する。
【0033】
次に、試験表示端末24に表示された試験状態表示画面30の試験開始ボタン33が作業者16によって操作(例えばクリック操作)されると、試験ステップ1〜9を順次実行する繰り返し処理が実地される。この繰り返し処理は、試験状態表示機能部25のウェブクライアントにより試験状態表示画面30が表示された状態にあり、且つ発生器21が試験表示端末24に接続された状態にあり、且つ試験ステップが進行状態にあるときに継続される。
【0034】
この繰り返し処理はセンサループ試験管理サーバ22が起点となって実行される。つまり、センサループ試験管理サーバ22は、試験ステップ毎に、発生器21から出力されてデジタル化された入力値を判定基準と比較して判定し、その判定結果(つまり試験結果)、入力値及び判定基準値を含む試験進捗通知43を、試験ステップ毎に試験状態表示機能部25のウェブクライアントへ送信する。すると、この試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、試験状態表示画面30の表示内容を更新すると共に、未完了の次の試験ステップの判定基準値に相当する発生器出力値(
図4参照)を発生器21から出力させるための外部装置制御機通知44を送信する。この外部装置制御通知44は、端末内ウェブサーバ機能部27及び外部装置制御機能部26を経由して発生器21へ送信される。
【0035】
また、上述の繰り返し処理において、外部装置制御機能部26は、発生器21が試験表示端末24に接続されているか否かの状態を表す外部装置接続状態通知45を、端末内ウェブサーバ機能部27を経由して試験状態表示機能部25のウェブクライアントへ送信する。この外部装置接続状態通知45の内容は、発生器21が試験表示端末24に接続されているときには「外部装置接続継続」であり、発生器21が試験表示端末24に接続されていないときには「外部装置未接続」である。
【0036】
外部装置接続状態通知45を受信した試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、外部装置接続継続を内容とする外部装置接続状態通知45を受信したときに外部装置制御通知44を送信する。また、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、外部装置未接続を内容とする外部装置接続状態通知45を受信したときには外部装置制御通知44を停止して、上述の繰り返し処理を終了させる。
【0037】
上述の繰り返し処理中に試験状態表示画面30の閉じボタン34が誤って操作(例えばクリック操作)されると、試験状態表示画面30が閉じ、試験状態表示機能部25のウェブクライアントが停止して外部装置制御通知44が送信されなくなる。また、上述の繰り返し処理中に試験状態表示機能部25のウェブクライアントとセンサループ試験管理サーバ22との通信が不安定になりまたは遮断された場合には、センサループ試験管理サーバ22から試験状態表示機能部25に試験進捗通知43が送信されなくなるので、試験状態表示機能部25のウェブクライアントから外部装置制御通知44が送信されなくなる。
【0038】
このように試験状態表示機能部25のウェブクライアントから外部装置制御通知44が送信されず、従って、この外部装置制御通知44が所定時間停滞して外部装置制御機能部26に受信されなくなったときに、この外部装置制御機能部26はタイムアウトを判定する。このタイムアウト判定によって、外部装置制御機能部26は、発生器21の制御を中止する外部装置制御中止通知46を発生器21へ送信して、発生器21からの出力を停止させる。更に、外部装置制御機能部26は、タイムアウト判定によって、外部装置未接続状態に遷移する。
【0039】
上述のように実施されるセンサループ15の試験状況は、
図1に示すプラントメーカーのメーカー事務所50や顧客事務所51からも確認することが可能である。これらのメーカー事務所50及び顧客事務所51には、センサループ試験管理サーバ22と通信可能な試験表示端末52が設置されており、メーカー事務所50の管理者53や、顧客事務所51の顧客54は、試験表示端末52に表示される、試験状態表示画面30(
図3)と同様な試験状態表示画面を目視することで、センサループ試験の進捗状況を確認することが可能になる。このうち、メーカー事務所50の管理者53は、センサループ試験における試験条件データ(
図4参照)を登録または変更できるようにしてもよい。
【0040】
以上のように構成されたことから、第1実施形態によれば、次の効果(1)〜(3)を奏する。
(1)
図2に示すように、試験表示端末24は試験状態表示機能部25、外部装置制御機能部26及び端末内ウェブサーバ機能部27を備える。このうちの試験表示端末24内で動作する端末内ウェブサーバ機能部27は、試験状態表示機能部25に存在してセンサループ試験管理サーバ22と通信とするためのウェブクライアントと、試験表示端末24に接続された発生器21を制御する外部装置制御機能部26との間で情報を送受信可能に構成されている。このため、試験状態表示機能部25内のウェブクライアントは、端末内ウェブサーバ機能部27及び外部装置制御機能部26を介して発生器21を制御することができる。従って、発生器21を手動で操作する場合に比べて発生器21の操作を正確に実施できると共に、この発生器21の操作に関するヒューマンエラーの発生を確実に防止できる。
【0041】
(2)試験表示端末24の端末内ウェブサーバ機能部27は、センサループ試験において発生器21がセンサ11の検出値の模擬値を出力する前に、試験表示端末24に実際に接続された発生器21の型式と、試験対象のセンサループ15に接続されたセンサ11に対応する発生器21の予め取得された型式データ(つまり、試験条件・状態データベース23に格納された試験状態データの発生器装置タイプ)とを比較する。
【0042】
この端末内ウェブサーバ機能部27によって発生器21の型式と型式データとが一致していると判定された場合に限り、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、端末内ウェブサーバ機能部27及び外部装置制御機能部26を経由して発生器21に、外部装置制御通知44を通知して発生器21を制御する。この結果、型式と型式データとが一致していない発生器21からセンサ11の検出値の模擬値が出力されることを防止できるので、センサループ15が例えば過大な模擬値によって損傷を被ることを未然に防止することができる。
【0043】
(3)
図2、
図3及び
図5に示すように、センサループ試験の繰り返し処理中には、試験表示端末24の試験状態表示画面30の閉じボタン34が誤って操作されて試験状態表示画面30が閉じ、試験状態表示機能部25のウェブクライアントが停止する場合や、試験状態表示機能部25のウェブクライアントとセンサループ試験管理サーバ22との通信が不安定になりまたは遮断されて、センサループ試験管理サーバ22からの試験進捗通知43を試験状態表示機能部25が受信できなくなる場合がある。これらの場合には、試験状態表示機能部25のウェブクライアントから外部装置制御通知44が送信されなくなる。外部装置制御機能部26は、外部装置制御通知44が所定時間停滞して受信されなくなった場合に、タイムアウト判定を実施して外部装置制御中止通知46を発生器21へ送信し、この発生器21の動作を停止させる。この結果、発生器21が長時間出力継続状態にあることを防止して、安全性を確保できる。
【0044】
[B]第2実施形態(
図6、17)
図6は、第2実施形態に係るセンサループ精度試験管理システムを示す系統図である。また、
図7は、
図6のセンサループ精度試験管理システムが実行する処理の流れを説明する説明図である。この第2実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0045】
第2実施形態のセンサループ精度試験管理システム60が第1実施形態と異なる点は、第1実施形態の端末内ウェブサーバ機能部27の代わりに、再接続管理機能付きの端末内ウェブサーバ機能部61が用いられた点である。
【0046】
つまり、再接続管理機能付きの端末内ウェブサーバ機能部61は、センサループ試験の進行中に試験状態表示機能部25のウェブクライアントから外部装置制御機能部26へ発生器21を制御するための外部装置制御通知44が送信されなくなった場合に、センサループ試験が未だ進行中であれば、所定の操作(例えば発生器接続ボタン31の操作)がなされることで、試験状態表示機能部25のウェブクライアントと外部装置制御機能部26とを再接続させて、未完了の試験部分(試験ステップ)から試験を継続させるための外部装置制御通知44を、試験状態表示機能部25のウェブクライアントから外部装置制御機能部26へ送信させるよう構成されたものである。
【0047】
この再接続管理機能付きの端末内ウェブサーバ機能部61の機能を、
図7を用いて更に説明する。試験表示端末24に表示された試験状態表示画面30の発生器接続ボタン31が操作(例えばクリック操作)されると、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、センサループ試験が未試験状態であれば、第1実施形態と同様に、外部装置接続要求通知38(試験対象のセンサループ15に接続されたセンサ11の試験条件データ及び試験状態データを含む)を、端末内ウェブサーバ機能部61を経由して外部装置制御機能部26へ送信する。このとき、外部装置制御機能部26から発生器21へ発生器型式要求通知39を送信し、この発生器21から発生器型式通知40が外部装置制御機能部26を経て端末内ウェブサーバ機能部61に送信される。
【0048】
これにより、端末内ウェブサーバ機能部61は、第1実施形態の端末内ウェブサーバ機能部27と同様に、試験表示端末24に実際に接続された発生器21の型式と、予め取得された発生器21の型式データ(上述の試験条件データの発生器装置タイプ(
図4参照))とが一致しているか否かを判定して、接続完了通知41または接続失敗通知42を試験状態表示機能部25のウェブクライアントへ送信する。
【0049】
また、センサループ試験の進行中に試験状態表示機能部25のウェブクライアントとセンサループ試験管理サーバ22との通信が不安定になりまたは遮断されたり、試験表示端末24の試験状態表示画面30が閉じボタン34の操作により誤って閉じられたりして、試験状態表示機能部25のウェブクライアントから外部装置制御通知44が外部装置制御機能部26へ送信されなくなる場合がある。そして、このような場合であっても、外部装置制御機能部26によるタイムアウト判定が未だ実施されずにセンサループ試験が進行中である場合がある。
【0050】
このような場合には、試験状態表示画面30が必要に応じて再度表示されて、この試験状態表示画面30の発生器接続ボタン31が操作(例えばクリック操作)されると、端末内ウェブサーバ機能部61が、試験状態表示機能部25のウェブクライアントと外部装置制御機能部26とを再接続可能とすることで、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、外部装置再接続要求通知62(試験対象のセンサループ15に接続されたセンサ11の試験条件データ及び試験状態データを含む)を、端末内サーバ機能部61を経由して外部装置制御機能部26へ送信することが可能になる。
【0051】
この外部装置再接続要求通知62の送信により端末内ウェブサーバ機能部61は、外部装置制御機能部26が有する発生器21の型式と予め取得された発生器21の型式データ(上述の試験条件データの発生器装置タイプ)との適合を確認する。そして、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、外部装置再接続要求通知62の送信後に、未完了の試験ステップから試験を継続させるための外部装置制御通知44を、端末内サーバ機能部61を経由して外部装置制御機能部26へ送信する。
【0052】
以上のように構成されたことから、本第2実施形態によっても、第1実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(4)を奏する。
(4)試験表示端末24には、試験状態表示機能部25のウェブクライアントから外部装置制御機能部26へ外部装置制御通知44が送信されなくなった場合でも、センサループ試験が未だ進行中であるならば、試験状態表示機能部25のウェブクライアントと外部装置制御機能部26とを再接続可能とする再接続管理機能付きの端末内ウェブサーバ機能部61が設けられている。このため、センサループ試験の進行中に試験状態表示機能部25のウェブクライアントとセンサループ試験管理サーバ22との通信が不安定になりまたは遮断されたり、試験表示端末24の試験状態表示画面30が閉じボタン34の操作により誤って閉じられたりして、試験状態表示機能部25のウェブクライアントから外部装置制御通知44が外部装置制御機能部26へ送信されなくなった場合であっても、外部装置制御機能部26によるタイムアウト判定が未だ実施されずにセンサループ試験が進行中である場合には、端末内ウェブサーバ機能部61が、試験状態表示機能部25のウェブクライアントと外部装置制御機能部26とを再接続可能とする。
【0053】
この結果、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、未完了の試験ステップから試験を継続させるための外部装置制御通知44を、端末内ウェブサーバ機能部61を経由して外部装置制御機能部26へ送信することができるので、センサループ試験の進行中に試験状態表示画面30が誤って閉じられたり、試験状態表示機能部25のウェブクライアントとセンサループ試験管理サーバ22との通信が不安定になりまたは遮断されたりした場合などにおいても、センサループ試験を最初からやり直す事態を防止できる。
【0054】
[C]第3実施形態(
図8〜
図11)
図8は、第3実施形態に係るセンサループ精度試験管理システムが適用されたプラント監視・制御装置を示す系統図である。また、
図9は、
図8のセンサループ精度試験管理システムを示す系統図である。この第3実施形態において第1及び第2実施形態と同様な部分については、第1及び第2実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0055】
図8及び
図9に示すように、第3実施形態のセンサループ精度試験管理システム70が第2実施形態と異なる点は、試験表示端末24に発生器21のほかに、試験環境(例えば温度、湿度、騒音レベルなど)を計測可能な周辺計測器71が接続可能に構成されると共に、試験表示端末24が、発生器21を制御する第1外部装置制御機能部26のほかに、周辺計測器71を制御する第2外部装置制御機能部72を備えた点である。尚、この第3実施形態では、第1及び第2実施形態の外部装置制御機能部を第1外部装置制御機能部と称する。
【0056】
再接続管理機能付きの端末内ウェブサーバ機能部61は、試験状態表示機能部25のウェブクライアントと第1外部装置制御機能部26との間、及び試験状態表示機能部25のウェブクライアントと第2外部装置制御機能部72との間で、それぞれ情報を送受信可能に構成されている。従って、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、センサループ試験の開始時に周辺計測器71を動作させる信号を、端末内ウェブサーバ機能部61を経由して第2外部装置制御機能部72へ送信する。また、試験状態表示機能部25のウェブクライアントは、センサループ試験中に、周辺計測器71が計測した計測データ(例えば温度、湿度、騒音レベルなどのデータ)を、第2外部装置制御機能部72及び端末内ウェブサーバ機能部61を経由して受信して取得する。
【0057】
この試験状態表示機能部25のウェブクライアントにより取得された計測データは、
図10に示すように試験状態表示画面30に表示される。更に、試験状態表示機能部25のウェブクライアントに取得された計測データは、センサループ試験管理サーバ25へ送信され、このセンサループ試験管理サーバ22に接続された試験条件・状態DB23に、センサループ試験の試験情報(判定基準値、入力値、試験結果)と共に記録される。
図11に示すように、周辺計測器71による計測データは、試験条件・状態DB23の試験状態データに記録され、周辺計測器71の個々の装置タイプ(型式)は、試験条件・状態DB23の試験条件データ及び装置データに記録される。
【0058】
以上のように構成されたことから、本第3実施形態によれば、第1及び第2実施形態の効果(1)〜(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
(5)試験表示端末24に接続された周辺計測器71が第2外部装置制御機能部72により制御され、端末内ウェブサーバ機能部61が、試験状態表示機能部25のウェブクライアントと第2外部装置制御機能部72との間で情報を送受信可能に構成されている。このため、周辺計測器71による計測データを第2外部装置制御機能部72、端末内ウェブサーバ機能部61、試験状態表示機能部25及びセンサループ試験管理サーバ22を経由して試験条件・状態DB23に、センサループ試験の試験情報と共に記録させることができる。この結果、センサループ試験の試験情報を、周辺計測器71により計測された試験環境データを用いて的確に評価可能な高度なセンサループ精度試験管理システム70を構築できる。
【0059】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。