特許第6969925号(P6969925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6969925
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】テープ引出機、及び、テープ巻付装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 20/18 20060101AFI20211111BHJP
   H01B 13/26 20060101ALI20211111BHJP
   H01B 13/012 20060101ALI20211111BHJP
   H02G 1/06 20060101ALN20211111BHJP
【FI】
   B65H20/18
   H01B13/26 Z
   H01B13/012 B
   !H02G1/06
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-148246(P2017-148246)
(22)【出願日】2017年7月31日
(65)【公開番号】特開2019-26439(P2019-26439A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 亮
(72)【発明者】
【氏名】渡部 真志
(72)【発明者】
【氏名】北川 勝秀
【審査官】 沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−225815(JP,A)
【文献】 特開2015−224123(JP,A)
【文献】 特開昭54−037250(JP,A)
【文献】 特開2017−010729(JP,A)
【文献】 実開昭54−041878(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 20/00−20/40
B65B 41/00−41/18
H01B 13/012
H01B 13/22−13/32
H02G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールテープから延びるテープ端を保持するホルダ部と、前記ホルダ部によって保持された前記テープ端を把持するチャック部と、を備えると共に、前記テープ端を把持した前記チャック部と前記ホルダ部との間隔を広げることによって前記ロールテープを引き出す、テープ引出機であって、
前記ホルダ部は、
前記ロールテープの引き出し方向の退行側に窪み且つ前記ロールテープの厚さ方向に延びると共に前記ロールテープの幅方向の窪み幅が前記ロールテープの幅よりも小さい凹部を有する一対の第1アームであって、前記テープ端の一部を前記凹部の溝内部に露出させるように前記テープ端を保持する一対の第1アーム、を有し、
前記チャック部は、
前記凹部にアーム先端部を挿入して前記溝内部に露出した前記テープ端の一部を前記厚さ方向に挟む一対の第2アームであって、前記アーム先端部が前記凹部から前記引き出し方向の進行側にはみ出すことなく、前記溝内部にアーム先端部の全体が収容される一対の第2アーム、を有する、
テープ引出機。
【請求項2】
請求項1に記載のテープ引出機において、
前記ホルダ部は、
前記ロールテープの幅方向に並んだ複数の前記凹部を有し、
前記第2アームは、
前記凹部の各々に対応した複数の前記アーム先端部を有し、複数の前記アーム先端部によって前記テープ端を把持する、
テープ引出機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のテープ引出機と、
前記テープ引出機によって引き出された前記ロールテープを巻付対象物に巻き付けるテープ巻付機と、を備えた、
テープ巻付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールテープを引き出すテープ引出機、及び、引き出されたロールテープを巻付対象物に巻き付けるテープ巻付装置、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両用のワイヤハーネスを構成する電線束などにロールテープ(例えば、粘着テープ)を巻き付けるテープ巻付装置が提案されている。例えば、従来のテープ巻付装置の一つは、電線束にロールテープを巻き付ける際にロールテープから延びるテープ端を把持して引き出すためのテープ引出機を備えている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−225815号公報
【特許文献2】特開2015−224123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のテープ巻付装置が備えるテープ引出機は、ロールテープから僅かに引き出されたテープ端の姿勢をホルダ部によって保持し、そのように保持されたテープ端をチャック部によって挟んで把持するようになっている。ところが、通常、テープ端の一部(先端部分)はホルダ部から引き出し方向に延びるように露出しており、この露出した部分はホルダ部によって保持されない。そのため、その露出長さによっては、テープ端が自重によって折れ曲がる場合がある。この場合、折れ曲がったテープ端をチャック部によって把持すると、折れ曲がったテープ端が押し潰されるようにチャック部によって挟まれ、テープ端が適正に把持されない可能性がある。更に、テープ端が適正に把持されない結果、ロールテープを引き出す際にテープ端がチャック部から外れ(分離し)、ロールテープが適正に引き出されない可能性がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロールテープの引き出し性能に優れたテープ引出機、及び、そのテープ引出機を利用したテープ巻付装置、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る「テープ引出機」は、下記(1)及び(2)を特徴としている。
(1)
ロールテープから延びるテープ端を保持するホルダ部と、前記ホルダ部によって保持された前記テープ端を把持するチャック部と、を備えると共に、前記テープ端を把持した前記チャック部と前記ホルダ部との間隔を広げることによって前記ロールテープを引き出す、テープ引出機であって、
前記ホルダ部は、
前記ロールテープの引き出し方向の退行側に窪み且つ前記ロールテープの厚さ方向に延びると共に前記ロールテープの幅方向の窪み幅が前記ロールテープの幅よりも小さい凹部を有する一対の第1アームであって、前記テープ端の一部を前記凹部の溝内部に露出させるように前記テープ端を保持する一対の第1アーム、を有し、
前記チャック部は、
前記凹部にアーム先端部を挿入して前記溝内部に露出した前記テープ端の一部を前記厚さ方向に挟む一対の第2アームであって、前記アーム先端部が前記凹部から前記引き出し方向の進行側にはみ出すことなく、前記凹部の溝内部にアーム先端部の全体が収容される一対の第2アーム、を有する、
テープ引出機であること。
(2)
上記(1)に記載のテープ引出機において、
前記ホルダ部は、
前記ロールテープの幅方向に並んだ複数の前記凹部を有し、
前記第2アームは、
前記凹部の各々に対応した複数の前記アーム先端部を有し、複数の前記アーム先端部によって前記テープ端を把持する、
テープ引出機であること。
【0007】
上記(1)の構成のテープ引出機によれば、ホルダ部が有する一対の第1アームが凹部(ロールテープの厚さ方向に延びる溝状の部分)を有し、この凹部の溝内部にロールテープのテープ端の一部が露出するように、テープ端が第1アームに保持される。この凹部の窪み幅はロールテープの幅よりも小さいため、上述したようにテープ端の先端部分が自重によって折れ曲がっても、折れ曲がった部分が凹部の溝内部に入り込み難い。
【0008】
更に、チャック部が有する一対の第2アームのアーム先端部は、この凹部にその全体が収容された状態にて、溝内部に露出したテープ端を挟んで保持するようになっている。換言すると、第2アームのアーム先端部は、凹部から引き出し方向に露出する(はみ出す)ことなく、テープ端を挟むことができる。そのため、上述したようにテープ端の先端部分が自重で折れ曲がっていても、第2アームのアーム先端部は、その折れ曲がった部分に触れることなく凹部の溝内部を通過してテープ端を把持できる。よって、テープ端の折れ曲がりの有無にかかわらずテープ端が適正に把持され、上述した従来のテープ巻付装置に設けられたテープ引出機に比べ、ロールテープを引き出す際にチャック部がテープ端から外れることが抑制される。
【0009】
したがって、本構成のテープ引出機は、上述した従来のテープ巻付装置に設けられたテープ引出機に比べ、ロールテープの引き出し性能に優れている。
【0010】
上記(2)の構成のテープ引出機によれば、ホルダ部が複数の凹部を有し、これら複数の凹部の各々に対応するように、第2アームに複数のアーム先端部が設けられる。これにより、ホルダ部が凹部を一つだけ有する場合に比べ、ロールテープが幅方向の複数箇所において把持されるため、ロールテープを引き出す際のチャック部の外れ等を更に抑制できる。更に、複数の凹部を設けることで個々の凹部の窪み幅を小さくし得るため、自重で折れ曲がったテープ端が凹部に入り込むことを、より確実に防止できる。
【0011】
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係る「テープ巻付装置」は、下記(3)を特徴としている。
(3)
上記(1)又は上記(2)に記載のテープ引出機と、
前記テープ引出機によって引き出された前記ロールテープを巻付対象物に巻き付けるテープ巻付機と、を備えた、
テープ巻付装置であること。
【0012】
上記(3)の構成のテープ巻付装置によれば、テープ引出機のホルダ部が有する一対の第1アームが凹部(ロールテープの厚さ方向に延びる溝状の部分)を有し、この凹部の溝内部にロールテープのテープ端の一部が露出するように、テープ端が第1アームに挟まれる。この凹部の窪み幅はロールテープの幅よりも小さいため、上述したようにテープ端の先端部分が自重によって折れ曲がっても、折れ曲がった部分が凹部の溝内部に入り込み難い。更に、テープ引出機のチャック部が有する一対の第2アームのアーム先端部は、この凹部にその全体が収容された状態にて、溝内部に露出したテープ端を挟んで保持するようになっている。換言すると、第2アームのアーム先端部は、凹部から引き出し方向に露出する(はみ出す)ことなく、テープ端を挟むことができる。そのため、上述したようにテープ端の先端部分が自重で折れ曲がっていても、第2アームのアーム先端部は、その折れ曲がった部分に触れることなく凹部の溝内部を通過してテープ端を把持できる。よって、テープ端の折れ曲がりの有無にかかわらずテープ端が適正に把持され、上述した従来のテープ巻付装置に設けられたテープ引出機に比べ、ロールテープを引き出す際にチャック部がテープ端から外れることが抑制される。
【0013】
このように、本構成のテープ巻付装置は、テープ引出機によってロールテープをより確実に引き出すことができ、テープ巻付機によって巻付対象物(例えば、ワイヤハーネスの電線束)にロールテープを巻き付けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ロールテープの引き出し性能に優れたテープ引出機、及び、そのテープ引出機を備えたテープ巻付装置を提供できる。
【0015】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施形態に係るテープ引出機を備えたテープ巻付装置における、ロールテープの引き出し工程の完了段階を示す斜視図である。
図2図2(a)は、テープ巻付装置の主要部におけるロールテープの引き出し工程の第1段階を示す斜視図であり、図2(b)は、その第2段階を示す斜視図である。
図3図3(a)は、図2(b)に示すテープ巻付装置の主要部の側面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。
図4図4(a)は、テープ巻付装置における、巻付対象物の押圧支持工程の途中段階を示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示す状態におけるテープ引出部と巻付対象物との接触状態を示す図である。
図5図5(a)は、テープ巻付装置における、巻付対象物の押圧支持工程の完了段階を示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示す状態におけるテープ引出部と巻付対象物との接触状態を示す図である。
図6図6(a)は、図4(a)に示す状態におけるテープ引出部と巻付対象物との接触角度を示す図であり、図6(b)は、図5(a)に示す状態におけるテープ引出部と巻付対象物との接触角度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るテープ引出機(主な構成部材:ホルダ部10,チャック部20)、及び、テープ巻付機(主な構成部材:支持部30)、並びに、本発明の実施形態に係るテープ巻付装置1について説明する。テープ巻付装置1は、テープ引出機によって引き出されたロールテープ40(テープ引出部40a)をテープ巻付機によって巻付対象物(本例では、ワイヤハーネスの電線束50)に巻き付けるための装置である。
【0018】
以下、説明の便宜上、図1に示すように、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」を定義する。前後方向、左右方向、及び、上下方向は互いに直交している。
【0019】
図1に示すように、テープ巻付装置1は、複数の金属プレート等が組み合わされた構造体である本体部2を備える。本体部2は、作業台(図示省略)の上に、作業台に対して前後方向に移動可能に支持されており、作業台に対する本体部2の前後方向の位置は、後側の退避位置(図1参照)、又は、前側の作動位置(図4及び図5参照)に選択的に制御可能となっている。
【0020】
本体部2には、ロールテープ40(粘着テープ)から延びるテープ端41の姿勢を保持するホルダ部10と、ホルダ部10によって保持されたテープ端41を把持するチャック部20と、電線束50を収容して電線束50の中心軸の変位を防ぐように支持する支持部30と、が設けられている。
【0021】
図1図3に示すように、ホルダ部10は、本体部2に設けられたホルダ本体部11と、ホルダ本体部11の左側面の所定位置から左方向に一体に突出する円柱状の中心軸部12と、ホルダ本体部11の左側面の中心軸部12より上方の所定位置から前後方向に微小隙間を空けて並ぶように左方向に一体に突出する一対の第1アーム13と、を備える。
【0022】
中心軸部12にはロールテープ40の中心孔が左側から挿通される(図1等参照)。これにより、ロールテープ40が、中心軸部12の軸心周りに回転可能に中心軸部12に支持される。一対の第1アーム13の間の微小隙間には、ロールテープ40から僅かに引き出されたテープ端41が下側から挿通される(図2(a)参照)。
【0023】
これにより、テープ端41が、上方に起立するように、一対の第1アーム13によって保持される(図2(a)参照)。テープ端41を一対の第1アーム13に保持させる際、テープ端41の先端部の上下方向位置が、第1アーム13の上面と同じ位置となるように、又は、第1アーム13の上面より僅かに上側の位置となる(図2(a)参照)ように、テープ端41が配置される。但し、このテープ端41の配置は、通常は作業者の手作業で行われるため、配置のバラツキが生じ得る。また、このバラツキに起因し、テープ端41の先端部分が自重によって折れ曲がる程度にテープ端41が第1アーム13の上面から露出する場合もある。
【0024】
各第1アーム13の上面には、下方(ロールテープの引き出し方向)に窪み且つ前後方向(ロールテープ40の厚さ方向)に延びると共に左右方向(ロールテープ40の幅方向)の窪み幅がロールテープ40の幅よりも小さい凹部14が形成されている。本例では、2つの凹部14が、左右方向に微小距離だけ離れて並んで配置されている。本例では、前後方向から視て、各凹部14は、矩形状となっている。このように第1アーム13の各々の上面に凹部14が形成されているため、テープ端41が一対の第1アーム13に保持された状態にて、テープ端41の一部が凹部14の溝内部に露出している(図2(a)参照)。
【0025】
図1図3に示すように、チャック部20は、一対の第1アーム13の上方に位置するように本体部2に設けられたチャック本体部21と、チャック本体部21の下面から前後方向に対向して下側に突出するようにチャック本体部21に設けられた一対の第2アーム22と、を備える。
【0026】
チャック本体部21は、本体部2に対して上下方向に移動可能に本体部2に支持されている。本体部2に対するチャック本体部21の上下方向の位置は、上側の退避位置(図1参照)、又は、下側の作動位置(図2(b)及び図3参照)に選択的に制御可能となっている。
【0027】
一対の第2アーム22のそれぞれの下端部には、前後方向に対向するように互いに近づく向きに延びるアーム先端部23が形成されている。換言すれば、各第2アーム22は、左右方向から視て略L字状の形状を有している。本例では、第1アーム13の各々に左右方向に並んで形成された2つの凹部14に対応するように、第2アーム22の各々において、2つのアーム先端部23が左右方向に微小距離だけ離れて並んで配置されている。
【0028】
一対の第2アーム22のそれぞれは、チャック本体部21に対して前後方向に移動可能にチャック本体部21に支持されている。チャック本体部21に対する一対の第2アーム22の前後方向の位置は、前後方向に対向するアーム先端部23の先端面同士が離間する退避位置(テープ端41を挟まない位置。図示省略)、又は、同先端面同士が当接する作動位置(テープ端41を挟む位置。図2(b)及び図3参照)に選択的に制御可能となっている。
【0029】
図1及び図2に示すように、支持部30は、退避位置にあるチャック本体部21の右側に隣接するように本体部2に設けられた支持本体部31と、支持本体部31に対して上方且つ右方に離れて位置するように本体部2に設けられた押圧部32と、を備える。
【0030】
支持本体部31は、本例では、前後方向及び上下方向に延びる平板状部材である。支持本体部31には、電線束50を収容するための収容凹部33が形成されている。収容凹部33は、前後方向に延びて前方に開口するU字状の溝である。収容凹部33の円弧状の最奥部33aの円弧径(収容凹部33の開口の上下方向幅)は、電線束50の外径に対応した大きさに設定されている。
【0031】
支持本体部31は、ホルダ本体部11(中心軸部12及び一対の第1アーム13)と一体で、収容凹部33の最奥部33aの円弧に対応して左右方向に延びる中心軸線周りを、本体部2に対して回転駆動可能に本体部2に設けられている。このように、支持本体部31及びホルダ本体部11を回転駆動することで、中心軸部12に支持されたロールテープ40が、支持本体部31の収容凹部33に収容された電線束50の周りを周回するようになっている。
【0032】
押圧部32は、支持本体部31に収容された電線束50を押圧支持するために設けられている。本例では、押圧部32は、その基端部34が左右方向の軸回りに本体部2に回動可能に支持された棒状部材である。押圧部32の回動位置は、棒状の押圧部32が前方に延びる退避位置(図1及び図4参照)、又は、棒状の押圧部32が下方に延びる作動位置(図5参照)に選択的に制御可能となっている。
【0033】
以上説明した構成を有するテープ巻付装置1において、ホルダ部10及びチャック部20が本発明の実施形態に係るテープ引出機に対応し、ホルダ部10及び支持部30がテープ巻付機に対応している。
【0034】
次いで、テープ巻付装置1を用いてロールテープ40から引き出されたテープ引出部40aを電線束50に巻き付ける際の手順について説明する。この手順では、ロールテープ40の引出工程、電線束50の押圧支持工程、及び、テープ引出部40aの巻付工程が、この順に実行される。なお、初期状態(引出工程の前の状態)では、本体部2、チャック本体部21、一対の第2アーム22、及び、押圧部32は全て、退避位置にある。
【0035】
ロールテープ40の引出工程では、先ず、図2(a)に示すように、ホルダ部10の中心軸部12にロールテープ40の中心孔を挿通させてロールテープ40を中心軸部12に支持させる。次いで、ロールテープ40から僅かに引き出したテープ端41を一対の第1アーム13の間の微小隙間に下側から挿通させて、テープ端41を、上方に起立するように、一対の第1アーム13によって保持させる。このように、テープ端41が一対の第1アーム13に保持された状態では、上述したように、テープ端41の一部が凹部14の溝内部に露出している(図2(a)参照)。
【0036】
次いで、チャック部20のチャック本体部21を退避位置から作動位置に移動させる。これにより、前後方向に対向し且つ離間したアーム先端部23同士の間にテープ端41が介在する状態が得られる。次いで、この状態から、一対の第2アーム22を退避位置から作動位置に移動させる。
【0037】
これにより、図2(b)及び図3に示すように、各アーム先端部23が対応する凹部14に挿入されて、各凹部14に露出したテープ端41の一部が前後方向に対向した対応するアーム先端部23の先端面同士によってそれぞれ挟持される。このとき、図3(b)に示すように、アーム先端部23の上面は、上下方向において第1アーム13の上面と同じ位置、又は、第1アーム13の上面より下側の位置にある。換言すれば、前後方向から視て、各凹部14の溝内部に、対応するアーム先端部23の全体がそれぞれ収容される。
【0038】
そして、このように、テープ端41がアーム先端部23により挟持された状態で、チャック本体部21を作動位置から退避位置に戻す。換言すれば、チャック部20とホルダ部10との間の間隔が広げられる。これにより、テープ端41がチャック本体部21と一体でロールテープ40に対して上方に移動することで、ロールテープ40が所定長さだけ引き出される。この結果、図1に示すように、所定長さのテープ引出部40aが、上下方向に延びるように配置される。これにより、ロールテープ40の引出工程が終了し、電線束50の押圧支持工程に移行する。
【0039】
電線束50の押圧支持工程では、先ず、図1に示すように、電線束50(本例では、ワイヤハーネスの電線束)を、作業台に固定配置された所定の治具(図示省略)を用いて、収容凹部33に対応する上下方向位置にて左右方向に直線状に延びるように、作業台に対して配置する。
【0040】
次いで、図4に示すように、本体部2を退避位置から作動位置に移動させる。これにより、電線束50の延在方向の一部が収容凹部33に収容される。このとき、電線束50が、上下方向に延びるテープ引出部40aに接触してテープ引出部40aを後側に押圧する。この押圧力の反力によって、電線束50は前側に押し返される。
【0041】
このように、電線束50が前側に押し返されることで、図4(b)に示すように、電線束50は、収容凹部33の最奥部33aまで到達せず、最奥部33aから前側に若干離れて位置し、電線束50と接触しているテープ引出部40aは、後方に若干撓んだ状態となる。この状態では、図6(a)に示すように、テープ引出部40aと電線束50との接触角度θ1は比較的小さい。
【0042】
次いで、図5に示すように、押圧部32を退避位置から作動位置に移動させる。これにより、図5(b)に示すように、押圧部32が電線束50を後側に押圧することで、収容凹部33に収容された電線束50が収容凹部33内を後側に移動し、電線束50が最奥部33aに到達(当接)した状態に維持される。この電線束50の移動に伴い、テープ引出部40aの後方への撓み量が増大する。この結果、図6(b)に示すように、テープ引出部40aと電線束50との接触角度θ2はθ1(図6(a)参照)と比べて大きくなる。これにより、電線束50の押圧支持工程が終了し、テープ引出部40aの巻付工程に移行する。
【0043】
テープ引出部40aの巻付工程では、このように電線束50が最奥部33aに維持され且つ接触角度θ2が大きい状態で、支持本体部31及びホルダ本体部11(中心軸部12及び一対の第1アーム13)を一体で回動させる。これにより、中心軸部12に支持されたロールテープ40が収容凹部33に収容された電線束50の周りを周回することで、ロールテープ40が引き出されながら電線束50に巻き付けられる。
【0044】
以上に説明したように、本発明の実施形態に係るテープ引出機、及び、そのテープ引出機を備えたテープ巻付装置1によれば、ホルダ部10が有する一対の第1アーム13が凹部14(ロールテープ40の厚さ方向(前後方向)に延びる溝状の部分)を有し、この凹部14にロールテープ40のテープ端41の一部が露出するように、テープ端41が第1アーム13に保持される。この凹部14の窪み幅(左右方向の幅)はロールテープ40の幅よりも小さいため、ホルダ部10から引き出し方向(上下方向)に露出したテープ端41が自重で折れ曲がっても、その折れ曲がった部分が凹部14の溝内部に入り込み難い。
【0045】
更に、チャック部20が有する一対の第2アーム22のアーム先端部23は、この凹部14にその全体が収容された状態にて、テープ端41を挟んで保持するようになっている。換言すると、第2アーム22のアーム先端部23は、凹部14からはみ出すことなく、テープ端41を挟むことができる。そのため、ホルダ部10から露出したテープ端41が自重で折れ曲がっていても、第2アーム22のアーム先端部23は、その折れ曲がった部分に触れることなく、テープ端41を把持できる。その結果、上述した従来のテープ巻付装置に設けられたテープ引出機に比べ、第2アーム22からテープ端41が外れることが抑制される。
【0046】
したがって、本構成のテープ引出機を備えたテープ巻付装置1は、上述した従来のテープ巻付装置に設けられたテープ引出機に比べ、ロールテープ40の引き出し性能に優れている。
【0047】
更に、ホルダ部10が複数の凹部14を有し、これら複数の凹部14に対応した第2アーム22の複数のアーム先端部23を用いてチャック部20がテープ端41を把持するようになっている。そのため、ホルダ部10が凹部14を一つだけ有する場合に比べ、ロールテープ40が幅方向の複数箇所において把持されるため、ロールテープ40を引き出す際のチャック部20の外れ等を更に抑制できる。更に、個々の凹部14の窪み幅が小さくなるため、自重で折れ曲がったテープ端41が凹部14に入り込むことを、より確実に防止できる。
【0048】
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0049】
例えば、上記実施形態では、ホルダ部10の第1アーム13が複数の凹部14を有し、チャック部20の第2アーム22が複数の凹部14に対応して複数のアーム先端部23を有している。これに対し、ホルダ部10の第1アーム13が単一の凹部14を有し、チャック部20の第2アーム22が単一の凹部14に対応して単一のアーム先端部23を有していてもよい。
【0050】
ここで、上述した本発明の実施形態に係るテープ引出機、及び、テープ巻付装置の特徴をそれぞれ以下(1)〜(3)に簡潔に纏めて列記する。
(1)
ロールテープ(40)から延びるテープ端(41)を保持するホルダ部(10)と、前記ホルダ部(10)によって保持された前記テープ端(41)を把持するチャック部(20)と、を備えると共に、前記テープ端(41)を把持した前記チャック部(20)と前記ホルダ部(10)との間隔を広げることによって前記ロールテープ(40)を引き出す、テープ引出機であって、
前記ホルダ部(10)は、
前記ロールテープ(40)の引き出し方向に窪み且つ前記ロールテープ(40)の厚さ方向に延びると共に前記ロールテープ(40)の幅方向の窪み幅が前記ロールテープ(40)の幅よりも小さい凹部(14)を有する一対の第1アーム(13)であって、前記テープ端(41)の一部を前記凹部(14)の溝内部に露出させるように前記テープ端(41)を保持する一対の第1アーム(13)、を有し、
前記チャック部(20)は、
前記凹部(14)にアーム先端部(23)を挿入して前記溝内部に露出した前記テープ端(41)の一部を前記厚さ方向に挟む一対の第2アーム(22)であって、前記溝内部にアーム先端部(23)の全体が収容される一対の第2アーム(22)、を有する、
テープ引出機。
(2)
上記(1)に記載のテープ引出機において、
前記ホルダ部(10)は、
前記ロールテープ(40)の幅方向に並んだ複数の前記凹部(14)を有し、
前記第2アーム(22)は、
前記凹部(14)の各々に対応した複数の前記アーム先端部(23)を有し、複数の前記アーム先端部(23)によって前記テープ端(41)を把持する、
テープ引出機。
(3)
上記(1)又は上記(2)に記載のテープ引出機と、
前記テープ引出機によって引き出された前記ロールテープ(40)を巻付対象物(50)に巻き付けるテープ巻付機と、を備えた、
テープ巻付装置(1)。
【符号の説明】
【0051】
1 テープ巻付装置
10 ホルダ部(テープ引出機)
13 一対の第1アーム
14 凹部
20 チャック部(テープ引出機)
22 一対の第2アーム
23 アーム先端部
40 ロールテープ
41 テープ端
50 電線束(巻付対象物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6