特許第6969932号(P6969932)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6969932
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】地上PCタンク
(51)【国際特許分類】
   B65D 90/02 20190101AFI20211111BHJP
   E04H 7/20 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   B65D90/02 G
   E04H7/20
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-162348(P2017-162348)
(22)【出願日】2017年8月25日
(65)【公開番号】特開2019-38579(P2019-38579A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2020年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 暁
(72)【発明者】
【氏名】若林 雅樹
【審査官】 小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−303101(JP,A)
【文献】 特開2007−270901(JP,A)
【文献】 特開昭58−160279(JP,A)
【文献】 米国特許第05150551(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 90/02
E04H 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎版と、前記基礎版の上に設けられた側壁と、上下方向に延びて前記基礎版と前記側壁とにわたるとともに前記側壁に沿って配列されてプレストレスが導入された複数のPC鋼材と、を有する地上PCタンクにおいて、
前記側壁のコンクリートに埋設され前記PC鋼材間における前記側壁のコンクリートを補強可能な補強部材を有し、
前記複数のPC鋼材は、それぞれ同一高さにおいて前記側壁に定着され、
前記PC鋼材は、PC鋼棒であり、
前記補強部材は、前記複数のPC鋼材それぞれが挿通し、前記側壁のコンクリートに埋設された複数のスパイラル筋であることを特徴とする地上PCタンク。
【請求項2】
前記複数のPC鋼材は、配列方向に隣り合うPC鋼材の間隔が260mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の地上PCタンク。
【請求項3】
前記複数のPC鋼材は、配列方向に隣り合うPC鋼材の間隔が190mm以上であることを特徴とする請求項2に記載の地上PCタンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上PCタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、LNGやLPG等の液化ガスを貯蔵するタンクとして、基礎版の上に設けられた円筒状の側壁にPC鋼材を設けてプレストレスを導入した地上PCタンクが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
このような地上PCタンクにおける側壁と基礎版との接続部分には、側壁と基礎版とにわたるように上下方向に延びるPC鋼材が側壁の周方向に沿って複数配列され、これらのPC鋼材によってプレストレスが導入されている。
【0003】
上記のようにPC鋼材を配列する場合、同一高さにおいて定着するPC鋼材の間のコンクリートに有害なひび割れが生じないように、同一高さにおいて定着するPC鋼材の間隔を規定値以上とする必要がある。
しかしながら、必要量となるすべてのPC鋼材を同一高さに配列しようとすると、隣接するPC鋼材の間隔が規定値以下となってしまうことがある。このような場合には、特許文献1および2に開示されているように、側壁におけるPC鋼材が配置される部分を高さ方向に2つのロットに分割し、下側のロットに定着されるPC鋼材と、下側のロットを貫通し上側のロットに定着されるPC鋼材とを交互に配列することがある。
これにより、同一高さにおいて定着されるPC鋼材は、1つおきに配列されたPC鋼材となるため、すべてのPC鋼材を同一高さにおいて定着する場合と比べて、同一高さにおいて定着されるPC鋼材の間隔を大きく確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5516962号公報
【特許文献2】特許第5516963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようにPC鋼材を高さを変えて配列する場合、側壁におけるPC鋼材が配置される部分を複数のロットに分割しなければならず、側壁の打設ロットが増えてしまい、工費および工期が増加するという問題がある。このため、同一高さにおいて定着されるPC鋼材の間隔を規定値よりも小さくしても、PC鋼材間のコンクリートに有害なひび割れが生じることを抑制できる地上PCタンクが望まれている。
【0006】
そこで、本発明は、同一高さにおいて定着されるPC鋼材の間隔を規定値よりも小さくしても、PC鋼材間のコンクリートに有害なひび割れが生じることを抑制できる地上PCタンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る地上PCタンクは、基礎版と、前記基礎版の上に設けられた側壁と、上下方向に延びて前記基礎版と前記側壁とにわたるとともに前記側壁に沿って配列されてプレストレスが導入された複数のPC鋼材と、を有する地上PCタンクにおいて、前記側壁のコンクリートに埋設され前記PC鋼材間における前記側壁のコンクリートを補強可能な補強部材を有し、前記複数のPC鋼材は、それぞれ同一高さにおいて前記側壁に定着され、前記PC鋼材は、PC鋼棒であり、前記補強部材は、前記複数のPC鋼材それぞれが挿通し、前記側壁のコンクリートに埋設された複数のスパイラル筋であることを特徴とする。
【0008】
本発明では、側壁のコンクリートに埋設されPC鋼材間における側壁のコンクリートを補強可能な補強部材を有することにより、PC鋼材間のコンクリートが補強され、PC鋼材の間のコンクリートに有害なひび割れが生じることを抑制できる。このため、本発明のようなスパイラル鉄筋が設けられていない従来の地上PCタンクと比べて、同一高さにおいて定着されるPC鋼材の間隔を規定値よりも小さくても、PC鋼材の間のコンクリートに有害なひび割れが生じることを抑制できる。
その結果、従来の地上PCタンクのようにロッドを増やしてPC鋼材が定着される高さを変える必要がなく、複数のPC鋼材それぞれを同一高さにおいて側壁に定着することができるため、側壁のロットを減らすことができて、工費および工期を削減することができる。
【0009】
また、本発明に係る地上PCタンクでは、前記補強部材は、前記複数のPC鋼材それぞれが挿通し、前記側壁のコンクリートに埋設された複数のスパイラル筋である。
このような構成とすることにより、PC鋼材間のコンクリートが確実に補強され、PC鋼材の間のコンクリートに有害なひび割れが生じることを効率的に抑制できる。
【0010】
また、本発明に係る地上PCタンクでは、前記複数のPC鋼材は、配列方向に隣り合うPC鋼材の間隔が260mm以下であってもよい。
このような構成とすることにより、隣接するPC鋼材の間隔を、例えば、「プレストレストコンクリート設計施工規準・同解説(日本建築学会)」に規定されているPC鋼材の間隔よりも小さくすることができる。
【0011】
また、本発明に係る地上PCタンクでは、前記複数のPC鋼材は、配列方向に隣り合うPC鋼材の間隔が190mm以上であってもよい。
このような構成とすることにより、隣接するPC鋼材の間のコンクリートに有害なひび割れが生じることを確実に抑制できる。また、補強部材の変形、損傷、めり込み等を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、同一高さにおいて定着されるPC鋼材の間隔を規定値よりも小さくしても、PC鋼材間のコンクリートに有害なひび割れが生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態による地上PCタンクの一例を示す図で、基礎版および側壁の断面図である。
図2図1のA部分の内部を側壁の径方向から見た図である。
図3】(a)は試験体の平面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は(a)のC−C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態による地上PCタンクについて、図1および図2に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による地上PCタンク1は、鉄筋コンクリートで構築されている。地上PCタンク1は、地盤11に支持された基礎版2と、基礎版2の上に立ち上がる円筒状の側壁3と、側壁3の上側に設けられた屋根(不図示)と、を有している。
側壁3は、下縁部近傍に設けられて基礎版2に連続されるハンチ部4と、ハンチ部4の上端部から上側に延びる直壁部5と、を有している。
ハンチ部4は、上側から下側に向かって漸次径方向外側に壁厚が増大する形状に形成されている。直壁部5は、高さ方向全体にわたって略同じ壁厚となる形状に形成されている。
側壁3は、上下方向に複数のロットに分割されていて、下側のロットから上側のロットに向かって順次構築されている。ハンチ部4は、直壁部5とは異なる1つのロットで構成されている。直壁部5は、複数のロット51,51…で構成されている。
【0015】
側壁3のコンクリート31には、周方向に沿って延びる第1PC鋼より線6と、上下方向に沿って延びる第2PC鋼より線7およびPC鋼棒(PC鋼材)8と、PC鋼棒8が挿通されたスパイラル筋9と、が埋設されている。第1PC鋼より線6、第2PC鋼より線7およびPC鋼棒8には、それぞれプレストレス力が導入されている。
【0016】
第1PC鋼より線6は、側壁3の高さ方向の全体にわたって所定の間隔をあけて複数配列されている。第1PC鋼より線6は、ハンチ部4および直壁部5のそれぞれに設けられている。
図2に示すように、第2PC鋼より線7は、U字形状に曲げられた形状で、屈曲部71が下側となり屈曲部71と連続する一対の直線部72,72が側壁3の周方向に並ぶ姿勢で、側壁3の周方向全体にわたって所定の間隔をあけて複数配列されている。第2PC鋼より線7の一対の直線部72,72の間隔は、側壁3の周方向に隣り合う第2PC鋼より線7,7の間隔(隣り合う第2PC鋼より線7の直線部72,72の間隔)と略同じ値に設定されている。
第2PC鋼より線7は、下端部(屈曲部71)が基礎版2に配置され、上端部が側壁3の上端部近傍に配置されて、側壁3の上端部近傍において定着プレート73(図1参照)が取り付けられている。なお、図2では第1PC鋼より線6を省略している。
【0017】
PC鋼棒8は、側壁3のハンチ部4と基礎版2とにわたるように上下方向に延びていて、側壁3の周方向に間隔をあけて複数配列されている。PC鋼棒8は、第2PC鋼より線7の一対の直線部72,72の間および隣り合う第2PC鋼より線7,7の間のそれぞれに側壁3の周方向に間隔をあけて複数配列されている。
【0018】
複数のPC鋼棒8は、それぞれ下端部が基礎版2に配置され、上端部がハンチ部4の上端部よりも上側に突出し、ハンチ部4の上面41において定着プレート81が取り付けられている。
ハンチ部4の上面は、全体にわたって略同じ高さとなるように形成されている。このため、複数のPC鋼棒8の上端部は、それぞれ同じ高さにおいて定着プレート81が取り付けられて定着されている。
複数のPC鋼棒8は、配列の1つ置きに同じ長さに形成されている。このため、複数のPC鋼棒8は、下端部が下側に配置されるPC鋼棒8と下端部が上側に配置されるPC鋼棒8とが交互並ぶように配列されている。
【0019】
スパイラル筋9は、軸線方向が上下方向となる向きに配置され、内部にPC鋼棒8が挿通されている。スパイラル筋9は、複数のPC鋼棒8それぞれに対して1つずつ設けられている。スパイラル筋9は、PC鋼棒8よりも短く形成され、PC鋼棒8の上部側が挿通されている。スパイラル筋9は、上端部がハンチ部4の上端部と略同じ高さとなる位置に配置されている。PC鋼棒8は、スパイラル筋9よりも上側において定着プレート81が取り付けられている。
スパイラル筋9の下端部は、基礎版2に達していない。
【0020】
次に、上述した本実施形態による地上PCタンクの作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による地上PCタンク1では、複数のPC鋼棒8がそれぞれ挿通されて側壁3のコンクリートに埋設されたスパイラル筋9を有することにより、PC鋼棒8の間のコンクリートが補強され、PC鋼棒8の間のコンクリートに有害なひび割れが生じることを抑制できる。このため、本実施形態のようなスパイラル鉄筋9が設けられていない従来の地上PCタンクと比べて、同一高さにおいて定着されるPC鋼棒8の間隔を規定値よりも小さくしても、PC鋼棒8の間のコンクリートに有害なひび割れが生じることを抑制できる。
その結果、従来の地上PCタンクのようにロッドを増やしてPC鋼棒が定着される高さを変える必要がなく、複数のPC鋼棒8それぞれを同一高さにおいて側壁3に定着することができるため、側壁3のロットを減らすことができて、工費および工期を削減することができる。
【0021】
本実施形態による地上PCタンク1におけるPC鋼棒8の定着性能を確認するための試験を行った。
試験は、図3に示す試験体10を用いて行った。試験体10は、本実施形態のPC鋼棒8(図1および図2参照)に相当するPC鋼棒18、および本実施形態のスパイラル筋9(図1および図2参照)に相当するスパイラル筋19がコンクリートに埋設されている。試験体10は、PC鋼棒18およびスパイラル筋19が上下方向に延びる方向に配置されている。
試験では、2つの試験体10それぞれのPC鋼棒18にプレストレス荷重を導入し、導入されたにプレストレス荷重と、コンクリートの変形との関係を確認した。
【0022】
2つの試験体10は、それぞれ幅750mm、奥行き500mm、高さ900mmの直方体としている。2つの試験体10には、それぞれ幅方向に190mmの間隔で3本のPC鋼棒18,18,18を配置した。
3本のPC鋼棒18,18,18は、それぞれ試験体10における高さ方向全体にわたって延びていて、試験体10における奥行き方向の略中央部に配置されている。
スパイラル筋19は、上端部が試験体10の上端部と略同じ高さに配置されている。試験体10におけるスパイラル筋19が配置される部分の長さを定着装置長さlとする。定着装置長さlは、試験体10の上端部からスパイラル筋19の下端部までの長さに相当している。試験体10では、l=400mmとする。
【0023】
試験体10の各寸法は、「プレストレストコンクリート設計施工規準・同解説(日本建築学会)」のP429付「6.1定着部の試験」の規定を満たす寸法とした。
この規定では、実使用状態におけるPC鋼棒18,18の配置間隔の最小値の1/2をaとし、実使用状態におけるヘリあき距離の最小値の1/2をbとする。試験体10では、aは隣り合うPC鋼棒18,18の間隔190mmの1/2に相当していて95mmとなり、bは試験体10の奥行き寸法500の1/2に相当していて250mmとなる。
【0024】
試験体10の高さ寸法は、aおよびbのうちの大きい方の値の3倍以上、かつ当該定着装置の長さlに試験体10の奥行き寸法2bを加えた値以上とした。これにより、高さhは、750mm(250×3)以上、かつ900mm(400+2×250)以上となり、900mmとした。
試験体10には、主筋および帯鉄筋を適宜設けた。
【0025】
2つの試験体10のコンクリートの配合は、同一としており、以下の表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
レディーミクストコンクリートは、15―18―20Nを用いた。そのフレッシュ性状を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
2つの試験体10を試験体No.1および試験体No.2とすると、本試験では、試験体No.1は、材齢を21日とし、載荷時のコンクリート強度が24.9N/mmであった。試験体No.2は、材齢を24日とし、載荷時のコンクリート強度が25.1N/mmであった。
【0030】
PC鋼棒18は、φ40C種1号SBPR1080/1230とした。実際の地上PCタンクにおいては、PC鋼棒18にφ36C種1号SBPR1080/1230を採用すると想定される。しかしながら、試験体10には、このφ36C種1号SBPR1080/1230の引張強度の95%相当の引張力を導入する必要があることにより、試験実施上の安全のため直径が一回り大きいφ40C種1号SBPR1080/1230を使用した。
【0031】
PC鋼棒18へのプレストレス荷重は、PC鋼棒18を鋼棒ジャッキで上方に引っ張り、PC鋼棒18にナットを固定することによって導入する。プレストレス荷重の導入は、「プレストレストコンクリート設計施工規準・同解説(日本建築学会)」に示されている定着部の試験法に準拠するものとする。各載荷レベルは以下の表3に示した確認事項について確認した。なお、表3の定着具とは、PC鋼材の端部をコンクリートに定着するための装置を示しており、本発明におけるスパイラル筋などの補強部材も含まれている。表3では、PC鋼棒C種1号φ36:Py=耐力(降伏耐力)=1099kN、Pu=引張強さ(引張強度)=1252kNとしている。
【0032】
【表3】
【0033】
試験体No.1の載荷試験結果を表4に示し、試験体No.2の載荷試験結果を表5に示す。
配列の中央のPC鋼棒18を評価対象とするため、評価面は配列の中央のPC鋼棒18付近とした。
実際の載荷レベルは、荷重段階Aよりも小さい0.7Pu=876kNとした。載荷時においてひび割れは発生していない。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
表4および表5より、試験体No.1および試験体No.2は、「プレストレストコンクリート設計施工規準・同解説(日本建築学会)」の評価基準を満足する結果であることがわかる。このように、PC鋼棒18,18の間隔を「プレストレストコンクリート設計施工規準・同解説(日本建築学会)」で規定された寸法よりも小さくしても、スパイラル筋19によってPC鋼棒18,18間のコンクリートが補強されるため、PC鋼棒18,18の間にひび割れが生じることが防止される。
【0037】
以上、本発明による地上PCタンクの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、地上PCタンクに第1PC鋼より線6、第2PC鋼より線7およびPC鋼棒8が設けられてプレスストレス力が導入されているが、これらの第1PC鋼より線6、第2PC鋼より線7およびPC鋼棒8は、PC鋼より線やPC鋼棒などのPC鋼材で構成されプレストレス力が導入されていればよい。第1PC鋼より線6および第2PC鋼より線7に代わってPC鋼棒が設けられ、PC鋼棒8に代わってPC鋼より線が設けられていてもよい。
【0038】
また、上記の実施形態では、第1PC鋼より線6は、U字形状に形成され、側壁3の全高さにわたって延びているが、U字形状に形成されずに、上下に延びる直線状に形成されていてもよいし、側壁3の全高さに対して部分的に設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、配列されたPC鋼棒8の下端部は、配列の1つ置きに同じ高さとなり、隣接するPC鋼棒8の下端部は異なる高さに配置されているが、すべてのPC鋼棒8の下端部が同じ高さに配置されていてもよいし、3種類以上の高さのいずれかに配置されていてもよい。
また、上記の実施形態では、側壁3のコンクリートに埋設されPC鋼棒8,8間における側壁3のコンクリートを補強可能な補強部材として、スパイラル筋9が用いられているが。スパイラル筋9以外の部材が用いられてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 地上PCタンク
2 基礎版
3 側壁
4 ハンチ部
5 直壁部
6 第1PC鋼より線
7 第2PC鋼より線
8,18 PC鋼棒(PC鋼材)
9,19 スパイラル筋(補強部材)
図1
図2
図3