(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1では、押出成形セメント板の中空部形状に合わせた大きさの連結部材が必要であるとともに、連結部材と係合部を結合する金具の強度も必要となり、金具のコストがアップする。また、中空部のみで押出成形セメント板を保持するため、中空部や金具の精度によっては壁面の外面側における面精度が出ないおそれがある。なお、面精度とは、上下左右のパネル間における外面側の出入りの精度をいう。
【0008】
さらに、上記特許文献2では、型枠パネルの製造時に予め裏面に連結具を埋設してコンクリートを流し込む必要があるため、製造効率が悪くコストと時間を要する。また、予め連結具を埋設するため連結具の位置が限定され、型枠パネルの取付位置に制約がある。さらに、型枠パネルの幅や長さを調整するために切断した場合には、取り付けが難しくなるなど施工上の制約がある。
【0009】
また、いずれの先行技術でも、例えば、壁面の表面側における面精度を調整する必要がある場合、上下それぞれのパネルの位置を調整ボルトやスペーサなどを介して行う必要があり、労力と時間を要する。その上、左右の板間、壁面全体の調整が必要な場合には、さらに施工に労力と時間を要する。
【0010】
そこで、本発明は、施工効率が良く、上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネルの出入り調整を必要としない軽量盛土用パネルの取付金具とそれを用いた取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る軽量盛土用パネルの取付金具は、上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネルの横目地部に配置される取付金具であって、前記取付金具の外側に、前記軽量盛土用パネルに係合させるパネル係合部を備え、前記取付金具の内側に、前記軽量盛土用パネルに固定される金具固定部と、前記軽量盛土用パネルから軽量盛土方向に離れて設けられた支持部と連結される連結具が保持される連結具保持部と、を備え、前記パネル係合部は、下側の前記軽量盛土用パネルに係合させる下部係合部と、上側の前記軽量盛土用パネルに係合させる上部係合部と、を有している。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「外側」は、軽量盛土用パネルの外面側をいい、「内側」は、軽量盛土用パネルの内面側をいう。
【0012】
この構成により、下部係合部を下側の軽量盛土用パネルに係合させ、上部係合部を上側の軽量盛土用パネルに係合させれば、下側の軽量盛土用パネルの上に積み上げられる上側の軽量盛土用パネルの出入り方向を一致させることができる。すなわち、取付金具に上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネルを係合させることで外面を面一にできるので、上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネルの出入り調整が必要なくなり、施工効率の向上を図れる。
【0013】
また、板材の外側を一方に屈曲させて形成した前記上部係合部と、板材の外側を他方に屈曲させて形成した前記下部係合部と、板材の内側を一方に屈曲させて形成した前記金具固定部と、板材の内側を他方に屈曲させて形成した前記連結具保持部とが、1枚の金属板材の曲げ加工によって形成されていてもよい。
【0014】
このように構成すれば、1枚の金属板材からプレス機による曲げ加工によって強度の高い取付金具を形成することができる。しかも、取付金具を曲げ加工で容易に製作することができ、取付金具を低コストで製作できる。曲げ加工は、例えば、下部係合部と金具固定部とが対向配置され、上部係合部と連結具保持部とが対向配置されるようにしても、上部係合部と金具固定部とが対向配置され、下部係合部と連結具保持部とが対向配置されるようにしてもよい。
【0015】
また、前記金具固定部は、固定ボルト孔を有し、前記連結具保持部は、保持ボルト孔を有し、前記固定ボルト孔に螺合して前記軽量盛土用パネルの内面に固定する固定ボルトと、前記保持ボルト孔に螺合して前記連結具を保持する保持ボルトと、をさらに備えていてもよい。
【0016】
このように構成すれば、下部係合部を下側の軽量盛土用パネルに係合させ、上部係合部を上側の軽量盛土用パネルに係合させ、金具固定部の固定ボルト孔に固定ボルトを螺合すれば取付金具を軽量盛土用パネルに固定することができる。そして、連結具保持部の保持ボルト孔に保持ボルトを螺合すれば取付金具の取り付けが完了する。よって、取付金具の取付効率向上を図れる。
【0017】
一方、本発明に係る軽量盛土用パネルの取付構造は、上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネルの取付構造であって、前記軽量盛土用パネルは、横目地部に凹状係合部を有しており、下側の前記軽量盛土用パネルの凹状係合部に係合させる下部係合部と上側の前記軽量盛土用パネルの凹状係合部に係合させる上部係合部とを有する取付金具で上下に積み上げられる前記軽量盛土用パネルが横目地部で保持され、前記取付金具が前記軽量盛土用パネルの内面に固定され、前記取付金具から軽量盛土方向に延設される連結具が、前記軽量盛土用パネルから軽量盛土方向に離れて設けられた支持部に連結されている。
【0018】
この構成により、取付金具の下部係合部を下側の軽量盛土用パネルの凹状係合部に係合させ、取付金具の上部係合部を上側の軽量盛土用パネルの凹状係合部に係合させ、この取付金具を連結具で軽量盛土方向に離れて設けられた支持部に連結することで、取付金具で上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネルの面精度を保った状態で適切な位置に壁面を構築することができる。
【0019】
また、前記軽量盛土用パネルの縦方向長さは、前記凹状係合部よりも内面側が少なくとも前記取付金具の厚みの分で短く形成されていてもよい。
【0020】
このように構成すれば、上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネルの間に取付金具を設けた状態で、軽量盛土用パネルの外面が連なるように積み上げられるので、目地処理が不要となり、軽量盛土用パネルの積み上げ作業が効率良く行える。
【0021】
また、前記軽量盛土用パネルの横目地部における前記凹状係合部よりも内面側に板間パッキング材が挟まれており、前記軽量盛土用パネルの縦目地部における内面側に板間封止材が取り付けられていてもよい。
【0022】
このように構成すれば、板間パッキング材と板間封止材とによって軽量盛土中の水などが軽量盛土用パネルの表面側に流れ出るのを抑止し、軽量盛土用パネルの壁面が汚れることを抑止できる。軽量盛土に気泡モルタルを用いた場合、エフロエッセンスや水が軽量盛土用パネルの表面側に流れ出ることを抑止できる。
【0023】
また、前記軽量盛土用パネルが押出成形セメント板であってもよい。
【0024】
このように構成すれば、所望の形状の凹状係合部を有する軽量盛土用パネルを容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネルの出入り方向を取付金具で一致させることができるので、積み上げられる軽量盛土用パネルの出入り調整を不要とすることが可能となる。よって、軽量盛土用パネルの施工効率向上を図ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、軽量盛土用パネル30を用いて地山100の急傾斜地に道路の路盤構築を行う例を説明する。以下の実施形態では、軽量盛土用パネル30として押出成形セメント板を例に説明する。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における上下左右方向の概念は、
図3に示すように軽量盛土用パネル30を積み上げて形成された壁面5に向かった状態における上下左右方向の概念と一致するものとする。
【0028】
(取付金具の実施形態)
図1は、第1実施形態に係る第1取付金具10を示す斜視図であり、(A)は外側の上方から見た斜視図、(B)は内側の上方から見た斜視図である。
図2は、第2実施形態に係る第2取付金具20を示す斜視図であり、(A)は外側の上方から見た斜視図、(B)は内側の上方から見た斜視図である。第1取付金具10及び第2取付金具20は、図示する状態での使用と、上下方向を逆向きにした使用のいずれでも使用可能であるが、以下の説明では図示する状態で使用する例を説明する。
【0029】
図1(A)、(B)に示すように、第1実施形態に係る第1取付金具10は、外側に、軽量盛土用パネル30(
図4)に係合させるパネル係合部11を備え、内側に、軽量盛土用パネル30に固定される金具固定部12と連結具たるセパレートボルト60(
図5〜
図7)が保持される連結具保持部13とを備えている。パネル係合部11は、下側の軽量盛土用パネル30に係合させる下部係合部11aと、上側の軽量盛土用パネル30に係合させる上部係合部11bと、を有している。
【0030】
第1取付金具10は、1枚の板材16から形成されている。この例では、板材16の外側の幅方向両端部を下向き(一方)に屈曲させて下部係合部11aが形成され、板材16の外側の幅方向中央部を上向き(他方)に屈曲させて上部係合部11bが形成されている。また、板材16の内側の幅方向両端部を上向き(他方)に屈曲させて金具固定部12が形成され、板材16の内側の幅方向中央部を下向き(一方)に屈曲させて連結具保持部13が形成されている。上部係合部11bと金具固定部12との間隔W1と、下部係合部11aと連結具保持部13との間隔W1は同じ寸法となっている。間隔W1は、後述する軽量盛土用パネル30の凹状係合部32と内面33との寸法Vよりも大きい寸法となっている。
【0031】
また、上記金具固定部12には、内側から外側に向けて後述する固定ボルト40(
図4)を螺合する固定ボルト孔14が設けられている。さらに、上記連結具保持部13には、内側から外側に向けて後述する保持ボルト41(
図4)を螺合する保持ボルト孔15が設けられている。
【0032】
図2(A)、(B)に示す第2実施形態に係る第2取付金具20は、上記第1取付金具10とは、外側に備えさせるパネル係合部21が異なる。上記第1取付金具10とは、内側に備えさせる金具固定部12と連結具保持部13は同一であるが、20番台の符号を付して説明する。
【0033】
第2取付金具20のパネル係合部21は、外側の幅方向両端部を上向き(他方)に屈曲させて上部係合部21bが形成され、外側の幅方向中央部を下向き(一方)に屈曲させて下部係合部21aが形成されている。その他の構成は、上記第1取付金具10と同一であり、第2取付金具20の符号を付して説明は省略する。
【0034】
第2取付金具20も、1枚の板材26から形成されている。この例では、板材26の外側の幅方向両端部を上向きに屈曲させて上部係合部21bが形成され、板材26の外側の幅方向両端部を下向きに屈曲させて下部係合部21aが形成されている。また、板材26の内側の幅方向両端部を上向きに屈曲させて金具固定部22が形成され、板材26の内側の幅方向中央部を下向きに屈曲させて連結具保持部23が形成されている。これにより、第2取付金具20は、外側の上部係合部21bと内側の金具固定部22とが対向し、外側の下部係合部21aと内側の連結具保持部23とが対向するようになっている。上部係合部21bと金具固定部22との間隔W2と、下部係合部21aと連結具保持部23との間隔W2は同じ寸法となっている。間隔W2は、後述する軽量盛土用パネル30の凹状係合部32と内面33との寸法Vよりも大きい寸法となっている。この第2取付金具20も、金具固定部22に固定ボルト孔24が設けられ、連結具保持部23に保持ボルト孔25が設けられている。
【0035】
第1取付金具10及び第2取付金具20を1枚の金属板材から形成する場合、プレス機による曲げ加工によって容易に製作することができる。また、第1取付金具10及び第2取付金具20を1枚の金属板材から形成すれば、溶接などによる後付けの組み合わせ加工に比べて耐久性や精度を向上させることができ、コストも抑えることができる。
【0036】
なお、上記第1取付金具10及び第2取付金具20の形状は一例であり、上部係合部11b,21b及び下部係合部11a,21aの数や位置、金具固定部12,22及び連結具保持部13,23の数や位置を異ならせることは可能であり、取付金具の構成は上記例に限定されるものではない。
【0037】
(軽量盛土用パネルの取付構造例)
図3は、
図1に示す第1取付金具10を用いた軽量盛土用パネル30の取付構造1による路盤構築例を示す縦断面図である。この例は、地山100の傾斜地に軽量盛土として気泡モルタル70を用いて道路面となる床板71を敷設する路盤を構築する例である。道路を構築する部分には、気泡モルタル70で路盤を構築する部分の外側部分に基礎コンクリート72が設けられ、基礎コンクリート72に支持部たる支持支柱80が所定間隔で設けられる。支持支柱80は、紙面と直交する方向に所定間隔で設けられる。
【0038】
軽量盛土用パネル30は、支持支柱80に対して気泡モルタル70を打設する部分と反対方向に離れて設けられる。上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネル30は、後述するように上記取付金具10によって保持され、取付金具10は、後述するように連結具たるセパレートボルト60によって支持部たる支持支柱80に連結される。そして、軽量盛土用パネル30と地山100との間に気泡モルタル70が打設される。
【0039】
軽量盛土用パネル30の積み上げは、打設する気泡モルタル70の量に応じて順次行われる。すなわち、軽量盛土として気泡モルタル70を用いる場合、軽量盛土用パネル30は最下部から順次施工していくが、一定段数の軽量盛土用パネル30を積み上げた後(例えば、1段毎、2段毎など)、気泡コンクリートを打設して硬化させる。その後、次の軽量盛土用パネル30を積み上げた後、再び気泡コンクリートを打設して硬化させる、という作業を繰り返す方法で施工される。この作業を繰り返すことで軽量盛土用パネル30によって壁面5が形成され、軽量盛土用パネル30と地山100との間に所定高さの路盤が構築される。そして、気泡モルタル70で形成された路盤の上部に、道路面となるコンクリート製の床板71が敷設される。
【0040】
なお、軽量盛土として発泡スチロールブロックを用いる場合、気泡モルタル70のように硬化することを待つことなく、軽量盛土用パネル30の積み上げと発泡スチロールブロックの積み上げ作業を連続的に繰り返して行うことができる。
【0041】
(軽量盛土用パネルの取付構造)
図4は、
図1に示す第1取付金具10の使用状態を示す軽量盛土用パネル30の積み上げ部分の側面図である。図は、壁面5の中間部分において軽量盛土用パネル30を積み上げるときの状態を示している。この実施形態の軽量盛土用パネル30は押出成形セメント板が用いられており、押出し方向に連続する中空部31がある。この例では、中空部31が横方向に延びるように用いられている。軽量盛土用パネル30の上端部及び下端部には、凹状係合部32がそれぞれ設けられている。凹状係合部32は、軽量盛土用パネル30の内面33とほぼ平行に形成されており、軽量盛土用パネル30の内面33から寸法Vで形成されている。軽量盛土用パネル30を押出成形セメント板とすることで、中空部31と同時に凹状係合部32を容易に形成することができる。
【0042】
また、軽量盛土用パネル30の高さ方向の寸法は、凹状係合部32が設けられた部分から内側の高さ寸法H2(縦方向長さ)が、軽量盛土用パネル30の外側の高さ寸法H1(縦方向長さ)に対して小さくなっている。内側の高さ寸法H2は、第1取付金具10の厚みと板間パッキング材35の厚みの半分の厚みTだけ小さくなっている。これにより、上下に軽量盛土用パネル30を積み上げた状態で、上下の軽量盛土用パネル30の外面が連なるように積み上げられるので、目地処理が不要となる。すなわち、軽量盛土用パネル30を積み上げるときに、凹状係合部32の内側に第1取付金具10と板間パッキング材35を挟んだ状態で、上下に積まれた軽量盛土用パネル30の外面が連なった状態となるので、目地処理が不要となって軽量盛土用パネル30の積み上げ作業を効率よく行うことができる。軽量盛土用パネル30を押出成形セメント板とすれば、このような高さ方向の寸法差も容易に異ならせることができる。
【0043】
図4に示す状態は、下側軽量盛土用パネル30が所定位置に配置され、その上端部に第1取付金具10が配置されている。第1取付金具10は、外側の下部係合部11aが軽量盛土用パネル30の上端部に形成された凹状係合部32に係合された状態で配置される。第1取付金具10は、下側軽量盛土用パネル30の横方向の一部に配置されるため、第1取付金具10のない横目地部6の部分には厚みのある板間パッキング材35が設けられる。また、第1取付金具10の上面には薄い板間パッキング材35が設けられる。
【0044】
上記第1取付金具10の間隔W1は、軽量盛土用パネル30の凹状係合部32から内面33までの寸法Vに対して大きく形成されており、図では上記第1取付金具10を
図1に示す状態で取り付けているため、軽量盛土用パネル30の内側には、上方に金具固定部12が位置し、下方に連結具保持部13が位置している。この連結具保持部13の保持ボルト孔15に保持ボルト41が螺合されて、第1取付金具10の下部が下側の軽量盛土用パネル30に固定される。保持ボルト41は、リング状部41aを有している。
【0045】
そして、上側の軽量盛土用パネル30が下側の軽量盛土用パネル30の上部に積み上げられる。この時、上側の軽量盛土用パネル30の凹状係合部32が第1取付金具10の上部係合部11bに係合される(二点鎖線)。その後、金具固定部12の固定ボルト孔14に固定ボルト40が螺合されて、第1取付金具10の上部が上側の軽量盛土用パネル30に固定される。これにより、上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネル30の外側面によって形成される壁面5の面精度を保つことができる。そして、軽量盛土用パネル30は、第1取付金具10の出入り調整によって左右の軽量盛土用パネル30間の出入りと全体の出入り方向の位置決めがなされる。
【0046】
(軽量盛土用パネルの取付構造)
図5は、一実施形態に係る軽量盛土用パネル30の取付構造1の下部を示す縦断面図である。
図6は、一実施形態に係る軽量盛土用パネル30の取付構造1の中間部と上部を示す縦断面図である。
図7は、
図6に示すVII−VII矢視の断面図である。なお、
図7では第1取付金具10を断面にせずに示している。
【0047】
まず、
図5に基づいて、上記
図3に示す軽量盛土用パネル30の取付構造1における下部について説明する。軽量盛土用パネル30の取付構造1における下部には、基礎コンクリート72に支持支柱80の基礎材86(例えば、C型鋼材)が埋設される。そして、基礎コンクリート72の硬化後、基礎材86の上部に支持支柱80(例えば、C型鋼材)が筒状の鋼材結合部材87によって結合される。基礎材86と支持支柱80とは、鋼材結合部材87を結合ボルト87aで固定することで一体となっている。この例では、基礎コンクリート72の打設時に基礎材86を所定間隔で埋設し、基礎コンクリート72の硬化後に支持支柱80を設ける例としているが、基礎コンクリート72の打設時に支持支柱80を埋設してもよい。また、支持支柱80の構成は、この実施形態に限定されるものではない。
【0048】
そして、支持支柱80から地山100(
図3)と反対方向(図の左方向)に離れた位置に軽量盛土用パネル30が配置されている。軽量盛土用パネル30の内側の下部には板間パッキング材35が設けられ、軽量盛土用パネル30の凹状係合部32に端部取付金具50が係合される。端部取付金具50は、上記第1取付金具10の下向きに形成された下部係合部11aと連結具保持部13とに相当する部分を有するものである。図示する基礎コンクリート72の部分では、端部取付金具50の下部係合部51aと連結具保持部53とを上向きにした状態で使用され、軽量盛土用パネル30の凹状係合部32に下部係合部51aが係合される。端部取付金具50は、内側に設けられた連結具保持部53の保持ボルト孔55に保持ボルト41が螺合されて軽量盛土用パネル30の下部内面に固定される。保持ボルト41のリング状部41aには、セパレートボルト60のL型になった先端部61が係止されて固定ナット62(
図7)で固定されている。
【0049】
一方、支持支柱80の基礎材86には、水平方向に所定長さのピース状のアングル材81がU字状の固定金具82(
図7)で固定されている。アングル材81には、下向きに高ナット83が設けられている。そして、高ナット83に設けられた貫通孔84に、上記保持ボルト41のリング状部41aに先端部61が係止されたセパレートボルト60の他端が挿通されて調整ナット85で留め付けられている。セパレートボルト60は、高ナット83に設けられたボルト83aで上下方向から固定されている。このように、セパレートボルト60によって、軽量盛土用パネル30に固定された第1取付金具10と、軽量盛土用パネル30から軽量盛土方向に離れて設けられた支持支柱80と一体の基礎材86とが連結されている。
【0050】
このような軽量盛土用パネル30の取付構造1によれば、セパレートボルト60の調整ナット85を位置調整することで、支持支柱80に対する軽量盛土用パネル30の位置を決めることができる。取付金具10(20も同様)を用いた軽量盛土用パネル30の取付構造1における横方向の詳細は、以下の中間部の説明において
図7で説明する。
【0051】
次に、
図6,7に基づいて上記
図3に示す軽量盛土用パネル30の取付構造1における中間部について説明する。軽量盛土用パネル30の取付構造1における中間部は、上記
図4で説明したように、下側の軽量盛土用パネル30の上部の凹状係合部32に第1取付金具10の下部係合部11aが係合される。
【0052】
そして、連結具保持部13の保持ボルト孔15に保持ボルト41を螺合することで、第1取付金具10が下側の軽量盛土用パネル30に固定される。その後、
図5の下部と同様に、保持ボルト41のリング状部41aにセパレートボルト60のL型になった先端部61が係止されて固定ナット62(
図7)で固定される。
【0053】
一方、支持支柱80の所定高さには、ピース状のアングル材81が固定金具82で固定されている。このアングル材81には、上向きに高ナット83が設けられている。この高ナット83に設けられた貫通孔84に、セパレートボルト60の支持支柱80の方向に延設された他端部が挿通されて調整ナット85で留め付けられている。セパレートボルト60は、高ナット83に設けられたボルト83aで上下方向から固定されている。このように、セパレートボルト60によって、軽量盛土用パネル30に固定された第1取付金具10と、軽量盛土用パネル30から軽量盛土方向に離れて設けられた支持支柱80とが連結されている。
【0054】
その後、軽量盛土用パネル30の横目地部6に板間パッキング材35が設けられ、上側の軽量盛土用パネル30の下部の凹状係合部32が上部係合部11bに係合される。そして、金具固定部12の固定ボルト孔14に固定ボルト40を螺合することで、第1取付金具10が上側の軽量盛土用パネル30にも固定される。これにより、第1取付金具10による上下方向に積み上げられた軽量盛土用パネル30の位置固定が完了する。この状態で、上下の軽量盛土用パネル30による面精度は保たれる。
【0055】
この時、
図4に示すように、軽量盛土用パネル30は凹状係合部32から内側の高さが外側に比べて小さくなっているため、凹状係合部32から内側部分の横目地部6に第1取付金具10と板間パッキング材35とが挟み込まれた状態で、上下の軽量盛土用パネル30の外面が連なる状態にできる。
【0056】
また、
図7に示すように、上記支持支柱80は、左右方向に配置される軽量盛土用パネル30の縦目地部7の位置付近に設けられている。左右方向に突きつけられる軽量盛土用パネル30は、それぞれの両端部に第1取付金具10が取り付けられる。第1取付金具10は、軽量盛土用パネル30に取り付けるための加工を行うことなく任意の位置に取り付けることができるので、施工性の向上を図ることができる。
【0057】
さらに、支持支柱80に固定金具82で固定されたアングル材81には、左右位置に高ナット83がそれぞれ設けられている。そして、上記保持ボルト41のリング状部41aに先端部61が係止されたセパレートボルト60の他端部が、アングル材81に設けられたそれぞれの高ナット83の貫通孔84に挿通され、それぞれ調整ナット85で留めつけられている。
【0058】
このように左右方向に配置される軽量盛土用パネル30を支持支柱80に留めつける構造は、上述した
図5に示す下部及び後述する
図6に示す上部も同様である。これにより、セパレートボルト60の調整ナット85の締め付け状態を、1本の支持支柱80の部分で調整することができ、支持支柱80に対する左右の軽量盛土用パネル30の位置、傾き、出入り調整などが行える。
【0059】
このように、第1取付金具10を介して積み上げられる軽量盛土用パネル30は、表面の出入りが、第1取付金具10に固定ボルト40と保持ボルト41とを締め付けて軽量盛土用パネル30に固定することで均一にそろえることができる。また、左右方向の軽量盛土用パネル30の出入りと、壁面5の全体の出入りは、セパレートボルト60の支持支柱80側を留めつけている調整ナット85の締め付けによって調整することができる。
【0060】
すなわち、上記した軽量盛土用パネル30の取付金具10(20)を用いた取付構造1によれば、取付金具10(20)を介して上下の軽量盛土用パネル30を積み上げた状態で表面の出入りが一致した状態で適切に固定することができる。よって、上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネル30の出入り調整をする必要がなくなる、そして、軽量盛土用パネル30によって構築される壁面5の面精度の調整は、左右の軽量盛土用パネル30の位置調整と壁面5の全体の面調整のみで適切に行うことができる。しかも、この調整作業は、セパレートボルト60の支持支柱80側の調整ナット85によって調整すればよく、施工性の向上を図ることができる。
【0061】
また、
図7に示すように、左右に配置される軽量盛土用パネル30の縦目地部7には、裏面側に板間封止材36(縦目地テープ)が取り付けられている。これにより、施工後の水などの流出防止を図れる。なお、軽量盛土が発泡スチロールブロックの場合も、上下の軽量盛土用パネル30の間に板間パッキング材35と板間封止材36を設けて、施工後の水などの流出防止を図ることが好ましい。
【0062】
さらに、横目地部6を凹状係合部32同士で接続させることで、気泡モルタル70が多少流れ出たとしても凹状係合部32に留めて、軽量盛土用パネル30の外部に流れ出ることを防ぐことができる。これにより、気泡モルタル70のエフロエッセンスや水も外部に流れにくくなることから、これらの要因に基づき軽量盛土用パネル30の外面で形成される壁面5の汚れを防止することができる。
【0063】
一方、
図6に示すように、この軽量盛土用パネル30の取付構造1における上部は、軽量盛土用パネル30の上部の凹状係合部32に端部取付金具50の下部係合部51が係合される。端部取付金具50は、連結具保持部13の保持ボルト孔15に保持ボルト41が螺合されて軽量盛土用パネル30の上部内面に固定される。この端部取付金具50も、
図5の下部と同じように、保持ボルト41のリング状部41aには、セパレートボルト60のL型になった先端部61が係止されて固定ナット62(
図7)で固定されている。セパレートボルト60の他端は、支持支柱80の方向に延設されて高ナット83の貫通孔84に挿通されて調整ナット85で留められている。セパレートボルト60は、高ナット83に設けられたボルト83aで上下方向から固定されている。このような上部の端部取付金具50による取付構造は、
図5に示す下部の端部取付金具50による取付構造とは上下方向が逆になったものであり、構成は同一である。また、左右方向は上記
図7と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0064】
(総括)
以上のように、上記第1取付金具10及び第2取付金具20を用いることにより、上下方向に積み上げられる軽量盛土用パネル30について表面の出入り調整を行うことなく適切に積み上げることができ、上下の軽量盛土用パネル30によって形成される壁面5の面精度の向上も図ることが可能となる。よって、軽量盛土用パネル30の施工においては、左右の軽量盛土用パネル30間の出入りと壁面の全体の出入り調整のみ行えばよいので、軽量盛土工法の作業効率向上を図ることが可能となる。
【0065】
また、軽量盛土用パネル30に取付金具10,20を取り付けるための加工が不要であるため、現場でのパネル加工が必要なく、さらに取付金具10,20を横方向に延びる凹状係合部32の任意の位置に取り付けることが可能であるため、この点でも施工性の向上を図ることが可能となる。
【0066】
さらに、軽量盛土用パネル30を押出成形セメント板とすることで、凹状係合部32を形成した軽量盛土用パネル30を容易に製造することができる。しかも、軽量盛土用パネル30の凹状係合部32同士を取付金具10,20で連結することで、例えば、気泡モルタル70が横目地部6に多少流れ出たとしても、凹状係合部32内にとどまって軽量盛土用パネル30の外面まで流れ出すことを抑制することができる。これにより、気泡モルタル70のエフロエッセンスや水が軽量盛土用パネル30の外面に流れにくくなり、軽量盛土用パネル30で形成された壁面5の汚れ防止を図ることができる。
【0067】
また、上記実施形態では、1枚の金属板材16,26を加工して取付金具10,20を製作することができるので、軽量盛土用パネル30の横目地部6に取り付け後の必要な強度を確保しやすく、一体成形による耐久性向上を図ることができる。
【0068】
(変形例)
軽量盛土用パネル30としては押出成形セメント板の他、軽量気泡コンクリート板、凹状係合部32を形成できるものであればよく、PC板などその他の材質のものを用いることも可能であり、軽量盛土用パネル30は上記した実施形態に限定されるものではない。
【0069】
また、軽量盛土用パネル30として押出成形セメント板を用いた場合、例えば、縦方向の長さを調整した場合でも、凹状係合部32と同程度の形状(例えば、中空部31で切断して内側に所定の板厚)が残っていれば、取付金具10,20で保持することができる。よって、特別な加工など施すことなく軽量盛土用パネル30を積み上げる施工ができる。
【0070】
さらに、上記した凹状係合部32の形状も上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態以外の形状でも取付金具10,20を係合させて定位置を保持できる形状であれば実施でき、本発明の要旨を損なわない範囲で種々の構成を変更することは可能であり、上記した実施形態に限定されるものではない。
【0071】
また、上記した実施形態では、セパレートボルト60に傾斜を持たせて支持支柱80に取り付けているが、セパレートボルト60は傾斜を持たせなくても、傾斜の向きを上記実施形態と逆向きとしてもよく、現場の状況、施工性に応じて変更することができる。
【0072】
さらに、上記した実施形態における高ナット83に代えて、ピース状のアングル材81の上面に、さらに2面にボルト孔を開けたピース状のアングル材(図示略)を設けた構成とすることができる。この場合、ピース状のアングル材81の上面に新たなアングル材の片面のボルト孔にボルトを挿通してナットで取り付け、もう片面のボルト孔にセパレートボルト60の端部を挿通して調整ナット85で留め付ければよい。