特許第6969961号(P6969961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6969961光学ユニットおよび3軸振れ補正機能付き光学ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6969961
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】光学ユニットおよび3軸振れ補正機能付き光学ユニット
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20211111BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20211111BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20211111BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20211111BHJP
【FI】
   G03B5/00 J
   G02B7/02 Z
   G03B17/55
   G03B17/02
【請求項の数】21
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-194255(P2017-194255)
(22)【出願日】2017年10月4日
(65)【公開番号】特開2018-180506(P2018-180506A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年9月3日
(31)【優先権主張番号】特願2017-78792(P2017-78792)
(32)【優先日】2017年4月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】須江 猛
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
(72)【発明者】
【氏名】五明 正人
(72)【発明者】
【氏名】小松 亮二
【審査官】 藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−116836(JP,A)
【文献】 特開2015−132725(JP,A)
【文献】 特開2017−044795(JP,A)
【文献】 特開2009−188720(JP,A)
【文献】 特開2008−085927(JP,A)
【文献】 特開2005−117123(JP,A)
【文献】 特開2014−071172(JP,A)
【文献】 特開2017−016113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00 − 5/08
G02B 7/02 − 7/16
G03B 17/55
G03B 17/02
H04N 5/222 − 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子と、
前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、
前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、
前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、
前記回転部材と固定部材の一方に設けられた回転軸、および、他方に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、
前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と、を有し、
前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、
前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、
前記コイルと前記磁石は、前記光学素子の光軸方向の投影面積の少なくとも一部が前記基板と重なっており、
前記回転部材を基準回転位置に復帰させる姿勢復帰機構を備え、
前記姿勢復帰機構は、前記磁石と、前記回転部材および前記固定部材のうちで前記コイルが搭載された側の部材に固定される磁性部材と、を備え、
前記磁石は、前記光軸を中心とする周方向で2つに分極着磁され、
前記磁性部材は、前記回転部材が前記基準回転位置にあるとき、前記磁性部材の前記周方向の中心は、前記光軸方向から見て前記磁石の着磁分極線と重なることを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
前記固定部材に前記軸受部が設けられ、前記軸受部は前記固定部材を前記光軸方向に貫通する保持孔に配置され、
前記回転軸は前記回転部材に設けられ、前記軸受部から前記固定部材の前記反被写体側に露出することを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
【請求項3】
光学素子と、
前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、
前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、
前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、
前記回転部材に設けられた回転軸、および、前記固定部材に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、
前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と、を有し、
前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、
前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、
前記軸受部は前記固定部材を前記光学素子の光軸方向に貫通する保持孔に配置され、
前記回転軸は、前記軸受部から前記固定部材の前記反被写体側に露出し、
前記回転部材を基準回転位置に復帰させる姿勢復帰機構を備え、
前記姿勢復帰機構は、前記磁石と、前記回転部材および前記固定部材のうちで前記コイルが搭載された側の部材に固定される磁性部材と、を備え、
前記磁石は、前記光軸を中心とする周方向で2つに分極着磁され、
前記磁性部材は、前記回転部材が前記基準回転位置にあるとき、前記磁性部材の前記周方向の中心は、前記光軸方向から見て前記磁石の着磁分極線と重なることを特徴とする光学ユニット。
【請求項4】
前記コイルと前記磁石は、前記光軸方向の投影面積の少なくとも一部が前記基板と重なることを特徴とする請求項3に記載の光学ユニット。
【請求項5】
前記基板からの熱が伝達される放熱部材が前記回転部材に固定されていることを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載の光学ユニット。
【請求項6】
前記回転部材はフィラー入りの樹脂部材であり、
前記基板は、前記放熱部材の表面に設けられた熱伝導層と接触することを特徴とする請求項に記載の光学ユニット。
【請求項7】
前記放熱部材は、前記基板の前記反被写体側に配置され、
前記回転部材は、前記放熱部材の前記反被写体側に形成された前記回転軸を備えることを特徴とする請求項またはに記載の光学ユニット。
【請求項8】
前記基板に接続される第1フレキシブルプリント基板、および、前記コイルと接続される第2フレキシブルプリント基板のいずれか一方に設けられたパターンを介してグランド電位と接続されるシールド部を備え、
前記撮像素子と前記回転部材との間に前記シールド部が配置され、且つ、前記光軸方向から見た場合に前記撮像素子と前記シールド部とが重なっていることを特徴とする請求項からの何れか一項に記載の光学ユニット。
【請求項9】
前記シールド部は、前記第1フレキシブルプリント基板または前記第2フレキシブルプリント基板の一部を構成しており、
前記シールド部には、前記グランド電位と接続されたグランドパターンが形成されていることを特徴とする請求項に記載の光学ユニット。
【請求項10】
前記放熱部材は金属製の板材であり、前記シールド部を介して前記グランド電位と接続されることを特徴とする請求項またはに記載の光学ユニット。
【請求項11】
前記放熱部材は、前記光軸方向から見た面積が前記撮像素子より大きく、前記光軸方向
から見た場合に前記撮像素子全体を包含する範囲に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の光学ユニット。
【請求項12】
前記放熱部材と前記回転部材との間に配置される電磁波吸収シートを備えることを特徴とする請求項から11のいずれか一項に記載の光学ユニット。
【請求項13】
光学素子と、
前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、
前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、
前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、
前記回転部材と固定部材の一方に設けられた回転軸、および、他方に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、
前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と、を有し、
前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、
前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、
前記コイルと前記磁石は、前記光学素子の光軸方向の投影面積の少なくとも一部が前記基板と重なっており、
前記基板に接続される第1フレキシブルプリント基板を備え、
前記回転部材は、前記第1フレキシブルプリント基板が固定される固定面を備え、
前記固定面は、前記回転部材の基板支持部から前記反被写体側に突出する突出部の前記反被写体側の端面であることを特徴とする光学ユニット。
【請求項14】
光学素子と、
前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、
前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、
前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、
前記回転部材に設けられた回転軸、および、前記固定部材に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、
前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と、を有し、
前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、
前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、
前記軸受部は前記固定部材を前記光学素子の光軸方向に貫通する保持孔に配置され、
前記回転軸は、前記軸受部から前記固定部材の前記反被写体側に露出し、
前記基板に接続される第1フレキシブルプリント基板を備え、
前記回転部材は、前記第1フレキシブルプリント基板が固定される固定面を備え、
前記固定面は、前記回転部材の基板支持部から前記反被写体側に突出する突出部の前記反被写体側の端面であることを特徴とする光学ユニット。
【請求項15】
前記固定面に凸部が形成され、
前記第1フレキシブルプリント基板は、前記凸部が嵌る係合穴を備えることを特徴とする請求項13または14に記載の光学ユニット。
【請求項16】
光学素子と、
前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、
前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、
前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、
前記回転部材と固定部材の一方に設けられた回転軸、および、他方に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、
前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と、を有し、
前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、
前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、
前記コイルと前記磁石は、前記光学素子の光軸方向の投影面積の少なくとも一部が前記基板と重なっており、
前記回転支持機構は、
前記軸受部として、前記回転軸に固定される内輪および前記固定部材に固定される外輪を備えるボールベアリングを有し、
更に、前記回転部材に形成された回転部材側環状溝と前記固定部材に形成された固定部材側環状溝の間に複数の転動体を配置した回転支持部を有し、
前記複数の転動体は、前記ボールベアリングの外周面より径方向外側に配置されることを特徴とする光学ユニット。
【請求項17】
光学素子と、
前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、
前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、
前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、
前記回転部材に設けられた回転軸、および、前記固定部材に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、
前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と、を有し、
前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、
前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、
前記軸受部は前記固定部材を前記光学素子の光軸方向に貫通する保持孔に配置され、
前記回転軸は、前記軸受部から前記固定部材の前記反被写体側に露出し、
前記回転支持機構は、
前記軸受部として、前記回転軸に固定される内輪および前記固定部材に固定される外輪を備えるボールベアリングを有し、
更に、前記回転部材に形成された回転部材側環状溝と前記固定部材に形成された固定部材側環状溝の間に複数の転動体を配置した回転支持部を有し、
前記複数の転動体は、前記ボールベアリングの外周面より径方向外側に配置されることを特徴とする光学ユニット。
【請求項18】
前記ホルダ部材と前記固定部材とが前記光軸方向に対向する部位に挟まれる弾性部材と、
前記弾性部材の径方向外側で前記ホルダ部材と前記固定部材の一方を他方に対して前記光軸方向にねじ止めするねじ部材と、を備えることを特徴とする請求項1から17の何れか一項に記載の光学ユニット。
【請求項19】
前記撮像素子への光入射領域を規定するアパーチャが形成され、前記アパーチャを除いて前記撮像素子の被写体側を覆うカバー部材を有し、
前記カバー部材は、前記アパーチャが形成された端板部と、前記アパーチャの外周側において前記端板部から前記被写体側へ立ち上がる筒部とを備え、
前記ホルダ部材は、前記筒部の外周面と隙間を隔てて対向するホルダ筒部、および、前記筒部の外周側において前記端板部と隙間を隔てて対向する段部を備えることを特徴とする請求項1から18の何れか一項に記載の光学ユニット。
【請求項20】
請求項1から19の何れか一項に記載の光学ユニットと、
前記光学ユニットの前記光軸と交差する軸回りの振れを補正する振れ補正機構とを有することを特徴とする3軸振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項21】
前記振れ補正機構は、前記光学ユニットを前記光軸と交差する第1方向回りおよび第2方向回りに揺動させる揺動用磁気駆動機構であり、
前記光学ユニットは、前記第1方向と前記第2方向の間の角度位置に配置される揺動支持部と、前記揺動支持部によって支持される可動枠と、を備えるジンバル機構によって支持されることを特徴とする請求項20に記載の3軸振れ補正機能付き光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光軸回りの振れを補正するローリング補正を行う光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末や移動体に搭載される光学ユニットには、携帯端末や移動体の移動時の撮影画像の乱れを抑制するために、光学モジュールを揺動あるいは回転させて振れを補正する機構を備えるものがある。この種の光学ユニットは、ピッチング(縦揺れ/チルティング)およびヨーイング(横揺れ/パンニング)の2方向の傾きに対応して、光学モジュールをピッチング方向およびヨーイング方向に揺動させる揺動機構を備える。また、光軸回りの振れに対応して、光学モジュールを光軸回りに回転させるローリング補正機構を備える。
【0003】
ローリング補正機構を備える光学ユニットは、レンズなどの光学素子および撮像素子を備える光学モジュールを回転させてローリング補正を行う。このような光学ユニットは、回転対象である光学モジュールが撮像素子だけでなくレンズなどの光学素子を含む大型のユニットであるため、大きな駆動力が必要であり、ローリング補正機構を構成する磁気駆動機構が大型化する。また、大型のユニットを回転させるため、ローリング補正機構を駆動するための消費電力が大きい。そこで、特許文献1には、ローリング補正を行う場合に光学素子(レンズ)は回転させず、撮像素子を搭載した基板(撮像基板)を備える可動部を回転させるようにした光学ユニット(撮像装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−210392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の光学ユニット(撮像装置)においては、ローリング補正機構(回転ブレ補正機構)は磁気駆動機構であり、撮像素子を搭載した基板を備える可動部に固定されたコイルと、固定部材に固定された磁石とが光軸方向に対向している。
【0006】
しかしながら、特許文献1では、ローリング補正機構(回転ブレ補正機構)により回転させられる可動部は、撮像素子を搭載した基板の径方向外側に設けられた回転保持機構によって光軸を中心として回転可能に支持される。回転保持機構は、可動部の外周面と、固定部の内周面との間に転動体であるボールを配置して構成されている。また、特許文献1では、ローリング補正機構である磁気駆動機構は、撮像素子を搭載した基板の径方向外側に構成されている。すなわち、可動部に固定されたコイルと、固定部材に固定された磁石は、撮像素子を搭載した基板の径方向外側に配置されている。このように、回転保持機構やローリング補正機構が撮像素子を搭載した基板の径方向外側に配置されている場合、光学ユニットを小型化することが困難である。
【0007】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、光軸回りの振れを補正するローリング補正機構を備えた光学ユニットを小型化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の光学ユニットは、光学素子と、前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、前記回転部材と固定部材の一方に設けられた回転軸、および、他方に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と、を有し、前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、前記コイルと前記磁石は、前記光学素子の光軸方向の投影面積の少なくとも一部が前記基板と重なっており、前記回転部材を基準回転位置に復帰させる姿勢復帰機構を備え、前記姿勢復帰機構は、前記磁石と、前記回転部材および前記固定部材のうちで前記コイルが搭載された側の部材に固定される磁性部材と、を備え、前記磁石は、前記光軸を中心とする周方向で2つに分極着磁され、前記磁性部材は、前記回転部材が前記基準回転位置にあるとき、前記磁性部材の前記周方向の中心は、前記光軸方向から見て前記磁石の着磁分極線と重なることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、撮像素子が搭載された基板を光学素子およびホルダ部材から分離して回転させるため、回転する部分を軽量にすることができる。これにより、ローリング用磁気駆動機構を小型化でき、消費電力を少なくすることができる。また、ローリング用磁気駆動機構から加えられる駆動力に対する応答性が良いので、精度良くローリング補正を行うことができる。更に、回転する部分の軽量化により回転支持機構を小型化し簡略化することもできる。加えて、本発明は、ローリング用磁気駆動機構である磁石とコイルの光軸方向の投影面積が基板と重なっているため、ローリング用磁気駆動機構を径方向に小型化できる。従って、光学ユニットを径方向に小型化でき、光学ユニットを軽量化できる。また、基板を固定した回転部材が回転軸もしくは軸受部を備えているため、撮像素子と回転
軸とを近接させることができ、撮像素子から回転軸までの介在部品が少なくなるので積み上げの公差分も少なくなる為、ローリング補正の回転中心と撮像素子の中心とを一致させやすい。従って、回転中心と撮像素子の中心とのずれに起因する像の欠けを抑制できる。また、ローリング用磁気駆動機構の磁石および磁性部材が磁気バネとして機能するので、回転部材を基準回転位置(原点位置)へ復帰させることができる。磁気バネは、板バネを用いた従来の姿勢復帰機構のように、取り付け時の部材の変形や衝撃による部材の変形のおそれがない。また、回転角度の増大による部材の変形のおそれがないので、回転範囲を大きく設定することができる。
【0010】
本発明において、前記固定部材に前記軸受部が設けられ、前記軸受部は前記固定部材を前記光軸方向に貫通する保持孔に配置され、前記回転軸は前記回転部材に設けられ、前記軸受部から前記固定部材の前記反被写体側に露出することが望ましい。このような回転支持機構は光軸方向のサイズが小型であり、光軸方向に薄型化されている。従って、光学ユニットを光軸方向に小型化でき、光学ユニットを軽量化できる。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、本発明の光学ユニットは、光学素子と、前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、前記回転部材に設けられた回転軸、および、前記固定部材に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と、を有し、前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、前記軸受部は前記固定部材を前記光学素子の光軸方向に貫通する保持孔に配置され、前記回転軸は、前記軸受部から前記固定部材の前記反被写体側に露出し、前記回転部材を基準回転位置に復帰させる姿勢復帰機構を備え、前記姿勢復帰機構は、前記磁石と、前記回転部材および前記固定部材のうちで前記コイルが搭載された側の部材に固定される磁性部材と、を備え、前記磁石は、前記光軸を中心とする周方向で2つに分極着磁され、前記磁性部材は、前記回転部材が前記基準回転位置にあるとき、前記磁性部材の前記周方向の中心は、前記光軸方向から見て前記磁石の着磁分極線と重なることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、上記の光学ユニットと同様に、撮像素子が搭載された基板を光学素子およびホルダ部材から分離して回転させるため、回転する部分を軽量にすることができる。これにより、ローリング用磁気駆動機構を小型化でき、消費電力を少なくすることができる。また、ローリング用磁気駆動機構から加えられる駆動力に対する応答性が良いので、精度良くローリング補正を行うことができる。更に、回転する部分の軽量化により回転支持機構を小型化し簡略化することもできる。加えて、本発明は、固定部材の像側に露出する回転軸を備えた回転支持機構は光軸方向のサイズが小型であり、光軸方向に薄型化されている。従って、光学ユニットを光軸方向に小型化でき、光学ユニットを軽量化できる。また、基板が固定される回転部材が回転軸もしくは軸受部を備えているため、撮像素子と回転軸とを近接させることができ、撮像素子から回転軸までの介在部品が少なくなるので積み上げの公差分も少なくなる為、ローリング補正の回転中心と撮像素子の中心とを一致させやすい。従って、回転中心と撮像素子の中心とのずれに起因する像の欠けを抑制できる。また、ローリング用磁気駆動機構の磁石および磁性部材が磁気バネとして機能するので、回転部材を基準回転位置(原点位置)へ復帰させることができる。磁気バネは、板バネを用いた従来の姿勢復帰機構のように、取り付け時の部材の変形や衝撃による部材の
変形のおそれがない。また、回転角度の増大による部材の変形のおそれがないので、回転範囲を大きく設定することができる。
【0013】
本発明において、前記コイルと前記磁石は、前記光軸方向の投影面積の少なくとも一部が前記基板と重なることが望ましい。このようにすると、ローリング用磁気駆動機構を径方向に小型化できる。従って、光学ユニットを径方向に小型化でき、光学ユニットを軽量化できる。
【0015】
本発明において、前記基板からの熱が伝達される放熱部材が前記回転部材に固定されていることが望ましい。また、この場合に、前記回転部材はフィラー入りの樹脂部材であり、前記基板は、前記放熱部材の表面に設けられた熱伝導層と接触することが望ましい。このようにすると、撮像素子の発熱を基板から回転部材へ効率良く伝達できる。従って、撮像素子の発熱を効率良く放熱できる。
【0016】
また、前記放熱部材は、前記基板の前記反被写体側に配置され、前記回転部材は、前記放熱部材の前記反被写体側に形成された前記回転軸を備える構造を採用すれば、回転部材へ伝達された熱を回転軸から放熱できる。従って、撮像素子の発熱を効率良く放熱できる。
【0017】
本発明において、前記基板に接続される第1フレキシブルプリント基板、および、前記コイルと接続される第2フレキシブルプリント基板のいずれか一方に設けられたパターンを介してグランド電位と接続されるシールド部を備え、前記撮像素子と前記回転部材との間に前記シールド部が配置され、且つ、前記光軸方向から見た場合に前記撮像素子と前記シールド部とが重なっていることが望ましい。このようにすると、グランド電位のシールド部によってコイルで発生するノイズから撮像素子を遮蔽することができる。従って、ノイズの影響による映像乱れなどの問題が発生するおそれを少なくすることができる。
【0018】
例えば、前記シールド部は、前記第1フレキシブルプリント基板または前記第2フレキシブルプリント基板の一部を構成しており、前記シールド部には、前記グランド電位と接続されたグランドパターンが形成されている。このようにすると、グランド電位のパターン(グランドパターン)によってコイルで発生するノイズから撮像素子を遮蔽することができる。また、フレキシブルプリント基板を引き回すことによって撮像素子と回転部材との間にシールド部を配置することができるので、容易にシールド部を設けることができる。
【0019】
本発明において、前記放熱部材は金属製の板材であり、前記シールド部を介して前記グランド電位と接続されることが望ましい。このようにすると、放熱部材もグランド電位となるので、放熱部材もグランド電位のシールドとして機能する。従って、コイルで発生するノイズの影響をさらに低減させることができる。また、放熱部材にノイズ遮蔽と放熱性改善の両方の機能を持たせることができるので、部品点数の増大を抑制できる。
【0020】
本発明において、前記放熱部材は、前記光軸方向から見た面積が前記撮像素子より大きく、前記光軸方向から見た場合に前記撮像素子全体を包含する範囲に配置されていることが望ましい。このようにすると、撮像素子の全面積をカバーできるため、撮像素子に対するノイズの影響を効果的に抑制できる。
【0021】
本発明において、前記放熱部材と前記回転部材との間に配置される電磁波吸収シートを備えることが望ましい。電磁波吸収シートを追加することにより、更に、撮像素子に対するノイズの影響を抑制できる。
【0022】
また、上記の課題を解決するために、本発明の光学ユニットは、光学素子と、前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、前記回転部材と固定部材の一方に設けられた回転軸、および、他方に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と、を有し、前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、前記コイルと前記磁石は、前記光学素子の光軸方向の投影面積の少なくとも一部が前記基板と重なっており、前記基板に接続される第1フレキシブルプリント基板を有し、前記回転部材は、前記第1フレキシブルプリント基板が固定される固定面を備え、前記固定面は、前記回転部材の基板支持部から前記反被写体側に突出する突出部の前記反被写体側の端面であることを特徴とする。あるいは、本発明の光学ユニットは、光学素子と、前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、前記回転部材に設けられた回転軸、および、前記固定部材に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と、を有し、前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、前記軸受部は前記固定部材を前記光学素子の光軸方向に貫通する保持孔に配置され、前記回転軸は、前記軸受部から前記固定部材の前記反被写体側に露出し、前記基板に接続される第1フレキシブルプリント基板を備え、前記回転部材は、前記第1フレキシブルプリント基板が固定される固定面を備え、前記固定面は、前記回転部材の基板支持部から前記反被写体側に突出する突出部の前記反被写体側の端面であることを特徴とする。このように、第1フレキシブルプリント基板を回転部材に固定することにより、撮像素子が搭載された基板と第1フレキシブルプリント基板との接続部に負荷がかかることを抑制できる。
【0023】
この場合に、前記固定面に凸部が形成され、前記第1フレキシブルプリント基板は、前記凸部が嵌る係合穴を備えることが望ましい。このようにすると、第1フレキシブルプリント基板を固定面に確実に位置決めできる。
【0024】
また、上記の課題を解決するために、本発明の光学ユニットは、光学素子と、前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、前記回転部材と固定部材の一方に設けられた回転軸、および、他方に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と
、を有し、前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、前記コイルと前記磁石は、前記光学素子の光軸方向の投影面積の少なくとも一部が前記基板と重なっており、前記回転支持機構は、前記軸受部として、前記回転軸に固定される内輪および前記固定部材に固定される外輪を備えるボールベアリングを有し、更に、前記回転部材に形成された回転部材側環状溝と前記固定部材に形成された固定部材側環状溝の間に複数の転動体を配置した回転支持部を有し、前記複数の転動体は、前記ボールベアリングの外周面より径方向外側に配置されることを特徴とする。あるいは、本発明の光学ユニットは、光学素子と、前記光学素子の反被写体側に配置された撮像素子と、前記撮像素子が搭載された基板が固定された回転部材と、前記回転部材の前記反被写体側に配置される固定部材と、前記回転部材に設けられた回転軸、および、前記固定部材に設けられた軸受部を備える回転支持機構と、前記回転部材を前記光学素子の光軸回りに回転させるローリング用磁気駆動機構と、を有し、前記光学素子は、前記光学素子を保持するホルダ部材を介して前記固定部材に固定され、前記ローリング用磁気駆動機構は、前記回転部材と前記固定部材の一方に設けられた磁石と、他方に設けられたコイルとを備え、前記軸受部は前記固定部材を前記光学素子の光軸方向に貫通する保持孔に配置され、前記回転軸は、前記軸受部から前記固定部材の前記反被写体側に露出し、前記回転支持機構は、前記軸受部として、前記回転軸に固定される内輪および前記固定部材に固定される外輪を備えるボールベアリングを有し、更に、前記回転部材に形成された回転部材側環状溝と前記固定部材に形成された固定部材側環状溝の間に複数の転動体を配置した回転支持部を有し、前記複数の転動体は、前記ボールベアリングの外周面より径方向外側に配置されることを特徴とする。このようにすると、回転支持機構を光軸方向に薄型化することができる。従って、光学ユニットを光軸方向に薄型化することができる。
【0025】
本発明において、前記ホルダ部材と前記固定部材とが前記光軸方向に対向する部位に挟まれる弾性部材と、前記弾性部材の径方向外側で前記ホルダ部材と前記固定部材の一方を他方に対して前記光軸方向にねじ止めするねじ部材と、を備えることが望ましい。このようにすると、ねじ部材のねじ締め具合の調節により、固定部材に対するホルダ部材の傾きを調節できる。従って、撮像素子に対する光学素子の傾角調整を行うことができる。
【0026】
本発明において、前記撮像素子への光入射領域を規定するアパーチャを除いて前記撮像素子の被写体側を覆うカバー部材を有し、前記カバー部材は、前記アパーチャが形成された端板部と、前記アパーチャの外周側において前記端板部から前記被写体側へ立ち上がる筒部とを備え、前記ホルダ部材は、前記筒部の外周面と隙間を隔てて対向するホルダ筒部、および、前記筒部の外周側において前記端板部と隙間を隔てて対向する段部を備えることが望ましい。このようにすると、ホルダ部材とカバー部材との間にラビリンス構造を設けることができる。従って、塵埃が撮像素子側へ入り込むおそれを少なくすることができる。
【0027】
次に、本発明の3軸振れ補正機能付き光学ユニットは、上記の光学ユニットと、前記光学ユニットの前記光軸と交差する軸回りの振れを補正する振れ補正機構とを有する。このようにすると、3軸振れ補正機能付き光学ユニットを小型化することができる。
【0028】
この場合に、前記振れ補正機構は、前記光学ユニットを前記光軸と交差する第1方向回りおよび第2方向回りに揺動させる揺動用磁気駆動機構であり、前記光学ユニットは、前記第1方向と前記第2方向の間の角度位置に配置される揺動支持部と、前記揺動支持部に
よって支持される可動枠と、を備えるジンバル機構によって支持されることが望ましい。このようにすると、揺動用磁気駆動機構が配置される角度位置(第1方向および第2方向)の間のスペースを利用してジンバル機構の揺動支持部を配置できる。従って、3軸振れ補正機能付き光学ユニットを小型化できる。また、ジンバル機構の一部を構成する光学ユニットのホルダ部材にローリング補正のための回転支持機構が直接固定されているため、光軸と交差する2軸の交点と、ローリング補正の回転軸とを一致させ易い。また、光学ユニットは、ローリング補正の回転軸と撮像素子の中心とを一致させ易い構造である。従って、回転軸と撮像素子の中心とのずれに起因するによる像の欠けを抑制できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、撮像素子が搭載された基板を光学素子およびホルダ部材から分離して回転させるため、回転する部分を軽量にすることができる。これにより、ローリング用磁気駆動機構を小型化でき、消費電力を少なくすることができる。また、ローリング用磁気駆動機構から加えられる駆動力に対する応答性が良いので、精度良くローリング補正を行うことができる。更に、回転する部分の軽量化により回転支持機構を小型化し簡略化することもできる。加えて、ローリング用磁気駆動機構の径方向のサイズ、あるいは、回転支持機構の光軸方向のサイズを小型化できるため、光学ユニットの小型化および軽量化が可能である。また、基板が固定される回転部材が回転軸もしくは軸受部を備えているため、撮像素子と回転軸とを近接させることができ、撮像素子から回転軸までの介在部品が少なくなるので積み上げの公差分も少なくなる為、ローリング補正の回転中心と撮像素子の中心とを一致させやすい。従って、回転中心と撮像素子の中心とのずれに起因する像の欠けを抑制できる。また、ローリング用磁気駆動機構の磁石および磁性部材が磁気バネとして機能するので、回転部材を基準回転位置(原点位置)へ復帰させることができる。磁気バネは、板バネを用いた従来の姿勢復帰機構のように、取り付け時の部材の変形や衝撃による部材の変形のおそれがない。また、回転角度の増大による部材の変形のおそれがないので、回転範囲を大きく設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明を適用した光学ユニットを被写体側および反被写体側から見た斜視図である。
図2図1の光学ユニットの断面図である。
図3図1の光学ユニットの断面図である。
図4】ローリング用磁気駆動機構および姿勢復帰機構と、回転支持機構の一部を示す平面図および断面図である。
図5】第1フレキシブルプリント基板および第2フレキシブルプリント基板が固定される固定面の説明図である。
図6】3軸振れ補正機能付き光学ユニットの斜視図である。
図7図6の3軸振れ補正機能付き光学ユニットの分解斜視図である。
図8】変形例の光学ユニットにおけるノイズシールド構造の説明図である。
図9】ノイズシールド構造の変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した光学ユニット1の実施形態を説明する。本明細書において、符号Lは光学ユニット1の光軸であり、L1方向は光軸L方向の被写体側であり、L2方向は光軸L方向の反被写体側である。
【0032】
図1は本発明を適用した光学ユニット1の斜視図であり、図1(a)は被写体側L1から見た斜視図、図1(b)は反被写体側L2から見た斜視図である。また、図2図3図1の光学ユニット1の断面図であり、図2図1(a)のA−A断面図であり、図3図1(a)のB−B断面図である。図1に示すように、光学ユニット1は、レンズユニット2と、レンズユニット2を保持するホルダ部材であるレンズホルダ10と、レンズホルダ10の反被写体側L2の端部に固定される固定部材20を備える。図2図3に示すように、レンズユニット2は、光学素子であるレンズ3を鏡筒4に組み付けて構成されている。鏡筒4の被写体側L1の先端には、円筒状のキャップ5およびカバーガラス6が取り
付けられる。レンズホルダ10は、固定部材20との間に後述する弾性部材90を挟み込んだ状態で、ねじ部材91によって固定部材20にねじ止めされる。
【0033】
図1に示すように、レンズホルダ10は、円筒状のホルダ筒部11と、ホルダ筒部11の反被写体側L2の端部から径方向外側に拡がる段部12と、段部12の外周縁から反被写体側L2に筒状に延びる側板部13を備える。レンズユニット2の鏡筒4は、ホルダ筒部11の内周側に保持される。この状態で、レンズユニット2の光軸Lは、レンズホルダ10のホルダ筒部11の中心軸線と一致する。段部12は、光軸L方向から見た場合の形状が、正方形の4箇所の角部が切り欠かれた形状である。側板部13には、一方の側面およびその両側の角部に設けられた面取り面の反被写体側L2の縁を所定の高さで切り欠いた切り欠き部14が形成されている。また、側板部13には、切り欠き部14が形成された側面を除く他の3方向の側面にそれぞれ1箇所ずつボス部15が形成されている。
【0034】
固定部材20は全体として板状であり、光軸L方向に対して垂直に配置される。固定部材20は、側板部13を光軸L方向から見た形状の一方側(切り欠き部14側)の縁を直線上に切り欠いた形状である。従って、側板部13の反被写体側L2の端部に固定部材20が固定されると、切り欠き部14と固定部材20との間に光軸L方向の反被写体側L2および光軸L方向と直交する方向に開口する開口部7が形成される。この開口部7から、後述する第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9が光学ユニット1の外部へ取り出される。
【0035】
固定部材20の外周縁は、切り欠き部14の側の縁を除き、レンズホルダ10の側板部13の反被写体側L2の端面16と光軸L方向に対向する。固定部材20の外周縁と、側板部13の端面16との間には弾性部材90が挟まれている。弾性部材90は、開口部7が形成された範囲を除く周方向の全範囲に配置されている。従って、開口部7が形成された範囲を除き、弾性部材90によって側板部13と固定部材20との隙間がシールされる。
【0036】
固定部材20には、外周縁の3箇所に径方向外側に突出する突出部21が形成されている。突出部21は、側板部13に形成されたボス部15と光軸L方向に対向する。固定部材20をレンズホルダ10に固定するねじ部材91は、突出部21に形成されたねじ穴に通されてボス部15にねじ止めされる。ねじ部材91による固定箇所は、弾性部材90が挟まれた位置より径方向外側である。3箇所のねじ部材91のねじ締め状態を調節することにより、レンズホルダ10に保持されるレンズユニット2の光軸Lの傾きが調節される。従って、撮像素子40に対するレンズユニット2の傾角調整を行うことができる。
【0037】
図2図3に示すように、レンズユニット2の反被写体側L2には、撮像素子40が搭載された基板41と、撮像素子40を被写体側L1から覆うように被せられたカバー部材30と、基板41が固定される回転台座50と、回転台座50を光軸L周りに回転可能に支持する回転支持機構60と、回転台座50を光軸L周りに回転させるローリング用磁気駆動機構70が設けられている。回転台座50は、撮像素子40が搭載された基板41の反被写体側L2に配置される。回転台座50は、光軸Lに対して垂直な板状の基板支持部51と、基板支持部51の中央から反被写体側L2に突出する回転軸52を備える。基板支持部51には、基板41が固定される。
【0038】
本形態の光学ユニット1において、回転台座50は、光軸L回りに回転する回転部材であり、回転台座50と、回転台座50に固定された基板41および撮像素子40と、カバー部材30は、光軸Lを中心として一体になって回転する回転体1A(図2図3参照)を構成する。一方、レンズホルダ10、レンズユニット2、および固定部材20は、回転体1Aを回転可能に支持する固定体1B(図2図3参照)を構成する。
【0039】
カバー部材30は、撮像素子40を被写体側L1から覆う略矩形の端板部31と、端板部31の外周縁から反被写体側L2側へ突出する側板部32と、側板部32の反被写体側L2の縁から径方向外側へ広がるフランジ部33と、端板部31の外周縁より径方向内側から被写体側L1に立ち上がる円筒状の筒部34を備える。筒部34の内周側で、且つ、端板部31の中央には、撮像素子40への光入射領域を規定するアパーチャ35が形成されている。レンズユニット2からの光は、アパーチャ35を通過して撮像素子40へ入射する。アパーチャ35の位置および形状は、撮像素子40に応じて決定される。例えば、光軸L方向から見た撮像素子40の形状が矩形である場合、アパーチャ35は矩形である。
【0040】
カバー部材30のフランジ部33は、基板41の外周縁に対して被写体側L1から当接する。これにより、撮像素子40は、アパーチャ35を除いて外側から覆われた状態となる。アパーチャ35を囲んで被写体側L1に立ち上がる筒部34の外周面は、ホルダ筒部11の内周面と所定の隙間を隔てて径方向に対向する。また、カバー部材30の端板部31は、筒部34の外周側において、レンズホルダ10の段部12と所定の隙間を隔てて光軸L方向に対向する。つまり、レンズホルダ10とカバー部材30との間には、屈曲した狭い隙間36が形成され、ラビリンス構造が形成されている。
【0041】
回転台座50において、基板支持部51の被写体側L1の面には、基板41より1回り小さい凹部53が形成されている。凹部53の底面には板状の放熱部材54が固定され、放熱部材54の基板41側の面には熱伝導性シート55が貼り付けられている。放熱部材54は、アルミや銅などの金属製の板材である。基板支持部51の被写体側L1の面に基板41を固定すると、基板41は、熱伝導性シート55と接触する。従って、撮像素子40による発熱は、基板41から熱伝導性シート55を経由して放熱部材54に伝達される。熱伝導性シート55は、基板41と放熱部材54との間に熱伝導層を形成するものであればよい。あるいは、熱伝導性の良いゲル状ペーストを放熱部材54の表面に塗布し、熱伝導層を形成してもよい。回転台座50はフィラー入りの樹脂部材であるため、熱伝導性が良い。従って、放熱部材54からの熱は、回転台座50に効率的に伝達される。また、回転台座50には、放熱部材54の反被写体側L2に回転軸52が形成されている。従って、回転台座50に伝達された熱は、回転軸52から効率的に放熱される。
【0042】
図3に示すように、凹部53の径方向外側には、基板支持部51から被写体側L1に突出する位置決めピン56が形成されている。位置決めピン56は、周方向に離れた複数箇所に形成されている。基板41には、位置決めピン56と光軸L方向から見て重なる位置に位置決め穴42が形成されている。本形態では、位置決めピン56および位置決め穴42は、図2に示す1箇所、および、図3に示す2箇所の合計3箇所に形成されている。複数の位置決めピン56のそれぞれを位置決め穴42に通すことにより、基板支持部51に対して基板41が位置決めされる。また、カバー部材30は、フランジ部33に形成された位置決め穴37に位置決めピン56を通すことにより、基板支持部51および基板41に対して位置決めされる。
【0043】
図3に示すように、基板支持部51には、凹部53の径方向外側で、且つ、位置決めピン56より径方向内側の位置に、磁性部材81を取り付けるための凹部57が形成されている。凹部57は、光軸Lを中心として対称な2箇所に形成されている。磁性部材81は、後述するように、回転台座50を基準回転位置に復帰させるための磁気バネ(姿勢復帰機構80)を構成する部材である。
【0044】
図2に示すように、撮像素子40が搭載された基板41には、撮像素子用の第1フレキシブルプリント基板8が接続されている。第1フレキシブルプリント基板8が接続される
基板41の縁は、レンズホルダ10の切り欠き部14と固定部材20との間に形成される開口部7に面している。第1フレキシブルプリント基板8は、基板41から開口部7を通って径方向外側へ引き出された後、U字状に折り返されて固定部材20の反被写体側L2に引き回される。第1フレキシブルプリント基板8は、開口部7の外側で、U字状に折り返された直後の部分が回転台座50に固定されている。回転台座50には、基板支持部51の開口部7側の縁から反被写体側L2に突出する突出部58が形成されている。突出部58の反被写体側L2の端面は、第1フレキシブルプリント基板8を固定する固定面59となっている。第1フレキシブルプリント基板8の固定構造については後述する。
【0045】
(回転支持機構)
固定部材20の径方向の中央には、軸受保持部22が形成されている。軸受保持部22は、固定部材20を光軸L方向に貫通する保持孔23を備える。固定部材20の反被写体側L2の面には、保持孔23を囲んで反被写体側L2に立ち上がる環状突出部24が形成されている。回転支持機構60は、軸受保持部22に保持される軸受部61と、軸受部61の径方向外側で固定部材20と回転台座50との間に構成される回転支持部65を備える。すなわち、回転支持機構60は、軸受部61および回転支持部65の2組の回転支持部によって構成されている。
【0046】
軸受部61は、保持孔23の内周面に固定される外輪62と、回転軸52の外周面に固定される内輪63と、外輪62と内輪63との間に配置されるボール64を備える。図2図3に示すように、回転軸52の光軸L方向の先端は、固定部材20の反被写体側L2に露出している。より詳しく述べると、回転軸52は、軸受部61の内輪63から反被写体側L2に突出しており、固定部材20に形成された環状突出部24より反被写体側L2に突出している。回転支持部65は、固定部材20の被写体側L1の面に形成された固定部材側環状溝66と、回転台座50の基板支持部51の反被写体側L2の面に形成された回転部材側環状溝67と、固定部材側環状溝66と回転部材側環状溝67との間に配置された転動体68と、固定部材側環状溝66と回転部材側環状溝67との間で転動体68を保持するリテーナ69を備える。
【0047】
固定部材側環状溝66は、軸受部61の外輪62の外周面より径方向外側に形成されている。そのため、固定部材側環状溝66の底面は、軸受部61の外輪62の被写体側L1の端面より反被写体側L2に窪んだ位置にある。また、回転支持部65は、固定部材側環状溝66と回転部材側環状溝67が光軸L方向に対向する構造となっているため、光軸L方向の厚さが軸受部61よりも小さい。従って、回転支持機構60は、軸受部61のようなボールベアリングを光軸L方向に2組重ねて配置する構成と比較して、光軸L方向の高さが小さい構造となっている。
【0048】
(ローリング用磁気駆動機構)
図4はローリング用磁気駆動機構70および姿勢復帰機構80と、回転支持機構60の一部を示す平面図および断面図である。図4(a)は光軸L方向の被写体側L1から見た平面図であり、回転台座50が基準回転位置にある場合の平面図である。また、図4(b)は図4(a)のC−C断面図である。図3に示すように、回転台座50の回転軸52が軸受保持部22に取り付けられた軸受部61を介して回転可能に保持されると、回転台座50の基板支持部51と固定部材20との間にローリング用磁気駆動機構70が構成される。ローリング用磁気駆動機構70は、回転台座50の回転軸52を間に挟んで径方向の両側に配置された一対のコイル71と、固定部材20の軸受保持部22を間に挟んで径方向の両側に配置された一対の磁石72を備える。コイル71と磁石72は、光軸L方向で所定のギャップを空けて対向する。
【0049】
図4(a)に示すように、磁石72は周方向に2分割されており、コイル71と対向す
る面の磁極が径方向に延びる着磁分極線73を境にして異なるように着磁されている。コイル71は空芯コイルであり、径方向に延びる長辺部分が有効辺として利用される。一方のコイル71の内側にはホール素子74が配置される。ホール素子74は、コイル71への給電用の第2フレキシブルプリント基板9に固定される。ホール素子74は、回転台座50が予め定めた基準回転位置にあるときに、磁石72の着磁分極線73と対向する。ローリング用磁気駆動機構70は、ホール素子74の信号に基づいて検出されたローリング方向の原点位置に基づいて制御され、回転台座50に撮像素子40および基板41を固定した回転体1Aを光軸L回りに回転させてローリング補正を行う。つまり、光学ユニット1は、レンズユニット2およびレンズホルダ10を含まない小型の回転体1Aを回転させることによってローリング補正を行う。
【0050】
図2に示すように、回転台座50には、基板支持部51から固定部材20に向けて突出する回転規制用凸部512が形成されている。また、固定部材20には、回転規制用凸部512の先端が挿入される回転規制用凹部25が形成されている。回転規制用凹部25は周方向に所定の角度範囲にわたって延在する。回転規制用凸部512および回転規制用凹部25は、固定部材20に対する回転台座50の回転範囲(ローリング補正の回転範囲)を規制する回転規制部を構成する。
【0051】
(姿勢復帰機構)
光学ユニット1は、回転台座50を予め定めた基準回転位置に復帰させるための姿勢復帰機構80を備える。姿勢復帰機構80は、回転台座50に固定された2個の磁性部材81と、ローリング用磁気駆動機構70を構成する2個の磁石72によって構成される2組の磁気バネである。上述したように、各磁性部材81は、基板支持部51の被写体側L1の面に形成された凹部57に固定されており、コイル71を間に挟んで磁石72と光軸L方向に対向する。図4(a)に示すように、磁性部材81は周方向の寸法が径方向の寸法より大きい長方形である。回転台座50が基準回転位置に位置するとき、磁性部材81の周方向の中心82は、磁石72の着磁分極線73と光軸L方向から見て重なる位置にある。
【0052】
回転台座50が基準回転位置から回転すると、磁性部材81の中心82が、磁石72の着磁分極線73から周方向にずれるため、磁性部材81と磁石72との間には、磁性部材81の中心82と、磁石72の着磁分極線73の角度位置を一致させる方向の磁気吸引力が働く。すなわち、回転台座50が基準回転位置からずれると、姿勢復帰機構80は、回転台座50を基準回転位置に復帰させる方向の磁気吸引力が働く。なお、本形態では、磁性部材81と磁石72からなる磁気バネを2組用いているが、磁気バネは1組であってもよい。すなわち、磁性部材81は1個のみであってもよい。また、ローリング用磁気駆動機構70は、コイル71と磁石72を少なくとも1組備えていればよい。
【0053】
(フレキシブルプリント基板の固定構造)
図3に示すように、回転台座50には、ローリング用磁気駆動機構70用の第2フレキシブルプリント基板9が固定される。第2フレキシブルプリント基板9は、基板支持部51の反被写体側L2の面に形成された固定溝513に配置されて、コイル71の位置へ引き回される。第2フレキシブルプリント基板9および固定溝513は、回転軸52を中心として一方のコイル71から他方のコイル71までの角度範囲で周方向に延在する。第2フレキシブルプリント基板9は、一対のコイル71と他方のコイル71の間の角度位置から径方向外側へ引き出される。この角度位置には、レンズホルダ10の切り欠き部14と固定部材20との間に形成される開口部7が設けられている。従って、ローリング用磁気駆動機構70用の第2フレキシブルプリント基板9は、撮像素子40用の第1フレキシブルプリント基板8と共に、開口部7から光学ユニット1の外部へ引き出される(図1図2図3参照)。
【0054】
ローリング用磁気駆動機構70用の第2フレキシブルプリント基板9は、撮像素子40用の第1フレキシブルプリント基板8と同様に、U字状に折り返されて固定部材20の反被写体側L2に引き回される。第2フレキシブルプリント基板9は、開口部7の外側で、U字状に折り返された直後の部分が回転台座50から突出する突出部58に設けられた固定面59に固定されている。つまり、固定面59には、第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9が重なった状態でまとめて固定される。
【0055】
図5は第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9が固定される固定面59の説明図であり、固定面59を反被写体側L2から見た斜視図である。図5(a)は撮像素子40用の第1フレキシブルプリント基板8の図示を省略した図であり、図5(b)は撮像素子40用の第1フレキシブルプリント基板8およびローリング用磁気駆動機構70用の第2フレキシブルプリント基板9の図示を省略した図である。図5(b)に示すように、固定面59は第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9が引き出される方向(すなわち、径方向)と直交する方向の幅が長い横長の矩形面である。固定面59の幅方向の中央には、第2フレキシブルプリント基板9の厚さに対応する深さの幅広の溝591が形成されている。溝591の幅方向の中央には、回転台座50から径方向外側へ引き出される第2フレキシブルプリント基板9の部分(可撓性基板9A)を通すための凹部592が形成されている。
【0056】
固定面59には、第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9を固定するための固定部として、凸部593およびフック部594が形成されている。凸部593は、溝591の底面から円柱状に突出しており、凹部592の幅方向の両側に1箇所ずつ形成されている。フック部594は、固定面59の幅方向の両端に1箇所ずつ形成されている。フック部594は、固定面59より反被写体側L2に突出する突き当て部595と、突き当て部595から径方向外側へ屈曲して延びる押さえ部596を備えた屈曲形状である。
【0057】
図5(a)に示すように、ローリング用磁気駆動機構70用の第2フレキシブルプリント基板9は、凹部592を通る幅の可撓性基板9Aと、溝591と略同一幅の幅広部9Bを備えており、幅広部9Bは、可撓性基板に補強板を固定した構造となっている。幅広部9Bには、幅方向に離間した2箇所に係合穴597が形成されている。第2フレキシブルプリント基板9は、幅広部9Bを溝591に重ね合わせて各係合穴597に凸部593を嵌め込むことにより、固定面59に位置決めされる。
【0058】
図1(b)に示すように、撮像素子40用の第1フレキシブルプリント基板8は、基板41の幅方向の両側に接続される2本の可撓性基板8A、8Bと、可撓性基板8A、8Bが所定の間隔を空けた状態で接続される幅広部8Cを備える。幅広部8Cは、可撓性基板に補強板を固定した構造となっている。幅広部8Cには、幅方向に離間した2箇所に係合穴598が形成されている。また、幅広部8Cには、幅方向の両側の縁から突出する引っ掛け部599が形成されている。第1フレキシブルプリント基板8を固定面59に固定する際には、第2フレキシブルプリント基板9の幅広部9Bの上に第1フレキシブルプリント基板8の幅広部8Cを重ねて、固定面59に沿って幅広部8Cをスライドさせて、引っ掛け部599をフック部594に係合させる。また、係合穴598に凸部593を嵌め込む。これにより、幅広部8Cが固定面59に固定され、撮像素子40用の第1フレキシブルプリント基板8が固定面59に固定される。また、ローリング用磁気駆動機構70用の第2フレキシブルプリント基板9は、幅広部8Cによって幅広部9Bが押さえられるので、固定面59に固定される。
【0059】
(3軸振れ補正機能付き光学ユニット)
図6は3軸振れ補正機能付き光学ユニット100の斜視図である。また、図7図6の3軸振れ補正機能付き光学ユニット100の分解斜視図である。図6図7に示すXYZの3方向は互いに直交する方向であり、X方向の一方側を+X、他方側を−Xで示し、Y方向の一方側を+Y、他方側を−Yで示し、Z方向の一方側を+Z、他方側を−Zで示す。Z方向は、光学ユニット1の光軸L方向と一致する。被写体側L1は+Z方向と一致し、反被写体側L2は−Z方向と一致する。
【0060】
3軸振れ補正機能付き光学ユニット100は、上記の光学ユニット1を、光軸Lと直交する軸回りの振れを補正する振れ補正機構を備えたユニットに組み込んで、ローリング補正と、ピッチング(縦揺れ)方向およびヨーイング(横揺れ)方向の振れ補正を行うように構成したものである。3軸振れ補正機能付き光学ユニット100は、光学ユニット1と、光学ユニット1を保持するホルダ300と、光学ユニット1およびホルダ300を収容するケースである固定体400と、固定体400に対してホルダ300を揺動可能に支持するジンバル機構500と、ホルダ300を固定体400に対して揺動させる揺動用磁気駆動機構600と、ホルダ300と固定体400とを接続するバネ部材700を備える。
【0061】
ホルダ300は、ジンバル機構500により、光軸L方向(Z方向)と直交する第1軸線R1回りに揺動可能に支持されているとともに、光軸L方向および第1軸線R1と直交する第2軸線R2回りに揺動可能に支持されている。第1軸線R1および第2軸線R2は、固定体400の対角方向であり、X方向およびY方向に対して45度傾いている。光学ユニット1はホルダ300に固定されている。従って、光学ユニット1はホルダ300と一体になって揺動する。
【0062】
固定体400は、光軸L方向(Z方向)から見た場合に略正方形の外形をした第1ケース410と、第1ケース410に対して−Z方向側から組み付けられる第2ケース420を備える。第1ケース410は、溶接等により第2ケース420と固定される。第1ケース410は、ホルダ300の周りを囲む角筒状の胴部411と、胴部411の+Z方向の端部から内側に張り出した矩形枠状の端板部412を備える。端板部412の中央には窓413が形成されている。胴部411は、X方向に対向する一対の側板401、402と、Y方向に対向する一対の側板403、404を備える。第2ケース420は、矩形枠状の第1部材421と、第1部材421の−Z方向側に取り付けられる矩形枠状の第2部材422の2部材によって構成される。
【0063】
ホルダ300は、光学ユニット1(ローリング補正機能付き光学ユニット)が固定されるホルダ本体部310と、ホルダ本体部310に固定された光学ユニット1のX方向の両側においてY方向に延在する一対の壁部301、302と、光学ユニット1のY方向の両側においてX方向に延在する一対の壁部303、304を備える。光学ユニット1は、レンズホルダ10のホルダ筒部11が壁部303〜306の内周側に配置されるようにホルダ300に組み付けられる。ホルダ本体部310は、光軸方向から見た場合に略矩形であり、壁部301〜304はホルダ本体部310の外周縁に設けられている。また、ホルダ本体部310の−Z方向の端部には、固定体400の第2ケース420と当接してホルダ300の揺動範囲を規制するストッパー312が設けられている。
【0064】
ジンバル機構500は、ホルダ300と固定体400との間に構成されている。ジンバル機構500は、ホルダ本体部310の第1軸線R1上の対角位置に設けられた第1揺動支持部501と、固定体400の第2軸線R2上の対角位置に設けられた第2揺動支持部502と、第1揺動支持部501および第2揺動支持部502によって支持される可動枠503を備える。第1軸線R1および第2軸線R2は光軸L方向と直交し、且つ、X方向およびY方向に対して45度傾いた方向であり、第1軸線R1と第2軸線R2は互いに直交する。第2揺動支持部502は、固定体400の第2ケース420を構成する第1部材
421に形成されている。可動枠503は、光軸回りの4か所に設けられた支点部504と、光軸回りで隣り合う支点部504を繋ぐ連結部505を備える板状ばねである。
【0065】
可動枠503における各支点部504の内側面には溶接等によって金属製の球体(図示省略)が固定されている。この球体は、ホルダ300に設けられた第1揺動支持部501、および、固定体400に設けられた第2揺動支持部502に保持される接点ばね511と点接触する。接点ばね511は板状ばねであり、第1揺動支持部501に保持される接点ばね511は第1軸線R1方向に弾性変形可能であり、第2揺動支持部502に保持される接点ばね511は第2軸線R2方向に弾性変形可能である。従って、可動枠503は、光軸L方向と直交する2方向(第1軸線R1方向および第2軸線R2方向)の各方向回りに回転可能な状態で支持される。
【0066】
揺動用磁気駆動機構600は、ホルダ300と固定体400の間に設けられた4組の磁気駆動機構601を備える。各磁気駆動機構601は、磁石602とコイル603を備える。コイル603はホルダ300のX方向の両側の壁部301、302、ならびにホルダ300のY方向の両側の壁部303、304の外側面に保持される。磁石602は、固定体400の第1ケース410に設けられた側板401、402、403、404の内側面に保持される。第1ケース410は磁性材料から構成されており、磁石602に対するヨークとして機能する。揺動用磁気駆動機構600は、光学ユニット1のレンズホルダ10のホルダ筒部11の外周側のスペースを利用して配置される。
【0067】
ホルダ300と固定体400との間では、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側のいずれにおいても、磁石602とコイル603とが対向する磁気駆動機構601が構成される。磁石602は光軸L方向(すなわち、Z方向)に2分割され、内面側の磁極が分割位置(着磁分極線)を境にして異なるように着磁されている。コイル603は空芯コイルであり、+Z方向側および−Z方向側の長辺部分が有効辺として利用される。
【0068】
ホルダ300の+Y方向側および−Y方向側に位置する2組の磁気駆動機構601は、コイル603への通電時にX軸回りの同一方向の磁気駆動力が発生するように配線接続されている。また、ホルダ300の+X方向側および−X方向側に位置する2組の磁気駆動機構601は、コイル603への通電時にY軸回りの同一方向の磁気駆動力が発生するように配線接続されている。磁気駆動機構601は、+Y方向側および−Y方向側に位置する2組の磁気駆動機構601によるX軸回りの回転、および+X方向側および−X方向側に位置する2組の磁気駆動機構601によるY軸回りの回転を合成することにより、光学ユニット1を第1軸線R1回りおよび第2軸線R2回りに回転させる。X軸回りの振れ補正、およびY軸回りの振れ補正を行う場合は、第1軸R1回りの回転および第2軸R2回りの回転を合成する。
【0069】
バネ部材700は、ホルダ本体部310の−Z方向の端部に配置され、ホルダ300と固定体400を接続する。揺動用磁気駆動機構600が駆動されていない静止状態にあるときのホルダ300およびホルダ300に固定された光学ユニット1の姿勢は、バネ部材700によって定まる。バネ部材700は、金属板を加工した矩形枠状の板バネである。バネ部材700は、その外周部に設けられた固定体側連結部701が固定体400の第2ケース420の内周側に固定される。また、バネ部材700の内周部に設けられた可動体側連結部702がホルダ本体部310の外周面に設けられた固定用凸部313に固定され、固定体側連結部701と可動体側連結部702はアーム部703によって繋がっている。なお、バネ部材700を用いる代わりに、光学ユニット1の姿勢復帰機構80と同様の磁気バネを用いることもできる。
【0070】
3軸振れ補正機能付き光学ユニット100は、上記のように、X軸回りの振れ補正、お
よびY軸回りの振れ補正を行う振れ補正部である揺動用磁気駆動機構600を備えており、光学ユニット1は、揺動用磁気駆動機構600によるX軸回りおよびY軸回りの振れ補正を行っていない基準状態であるとき、光学ユニット1の光軸L方向が図6図7のZ方向と一致する姿勢となるように、3軸振れ補正機能付き光学ユニット100に組み込まれている。
【0071】
従って、3軸振れ補正機能付き光学ユニット100は、ピッチング(縦揺れ)方向およびヨーイング(横揺れ)方向の振れ補正を行うことができる。また、光学ユニット1にはローリング用磁気駆動機構70が組み込まれているのでローリング補正を行うことができる。光学ユニット1は、ジャイロスコープなどの振れ検出センサを備えており、振れ検出センサによって直交する3軸回りの振れを検出して、検出した振れを打ち消すように揺動用磁気駆動機構600およびローリング用磁気駆動機構70を駆動する。あるいは、3軸振れ補正機能付き光学ユニット100が搭載される光学機器本体に搭載される振れ検出センサの信号に基づいて、光学機器本体の制御部が揺動用磁気駆動機構600およびローリング用磁気駆動機構70を制御してもよい。
【0072】
(本形態の主な作用効果)
本形態の光学ユニットは、撮像素子40が搭載された基板41をレンズユニット2およびレンズホルダ10から分離して回転させて光軸L回りの回転補正(ローリング補正)を行う。従って、回転する部分(回転体1A)を軽量にすることができるため、ローリング用磁気駆動機構70を小型化でき、消費電力を少なくすることができる。また、ローリング用磁気駆動機構70から加えられる駆動力に対する回転体1Aの応答性が良いので、精度良くローリング補正を行うことができる。更に、回転する部分の軽量化により回転支持機構60を小型化し簡略化することもできる。加えて、本形態は、ローリング用磁気駆動機構70の径方向のサイズ、および、回転支持機構60の光軸L方向のサイズを小型化できるため、光学ユニット1の小型化および軽量化が可能である。
【0073】
具体的には、ローリング用磁気駆動機構70のコイル71および磁石72は、光軸L方向の投影面積の少なくとも一部が、撮像素子40が搭載された基板41と重なっている。従って、基板41より径方向外側に確保すべきローリング用磁気駆動機構70の配置空間が狭くてよいので、光学ユニット1の径方向の小型化を図ることができる。また、回転支持機構60は、回転台座50に設けられた回転軸52をボールベアリングである軸受部61によって回転可能に支持するとともに、軸受部61の径方向外側に配置され、且つ、基板41の光軸L方向の投影面積の範囲内に配置される回転支持部65によって回転台座50の基板支持部51を回転可能に支持する構造である。従って、基板41より径方向外側に回転支持機構60を設けるための空間を確保する必要がないので、光学ユニット1の径方向の小型化を図ることができる。
【0074】
また、本形態の回転支持機構60は、軸受部61の径方向外側に回転支持部65の転動体68が配置されているので、軸受部61のようなボールベアリングを光軸L方向に2組重ねて配置する構成と比較して、光軸L方向の厚さを小さくすることができる。つまり、回転支持機構60は径方向のサイズが小型であり、且つ、光軸L方向にも薄型化されている。従って、光学ユニット1を小型化でき、且つ、光学ユニット1を軽量化できる。また、回転体1Aは、基板41が固定される回転台座50に回転軸52が形成されているため、撮像素子40と回転軸52とを近接させることができ、撮像素子40から回転軸52までの介在部品が少なくなるので積み上げの公差分も少なくなる為、ローリング補正の回転中心と撮像素子40の中心とを一致させやすい。従って、回転中心と撮像素子40の中心とのずれに起因する像の欠けを抑制できる。
【0075】
本形態は、回転台座50を基準回転位置に復帰させる姿勢復帰機構80として、ローリ
ング用磁気駆動機構70の磁石72と、コイル71が搭載された回転台座50に搭載される磁性部材81を備えた磁気バネを用いている。このような姿勢復帰機構80は、従来用いていた板バネのように取り付け時の部材の変形や、衝撃による部材の変形のおそれがない。また、回転角度の増大による部材の変形のおそれがないので、回転範囲を大きく設定することができる。
【0076】
本形態の回転台座50には、熱伝導性シート55などの熱伝導層を介して基板41からの熱が伝達される放熱部材54が固定されている。また、回転台座50は、フィラー入りの樹脂によって構成された樹脂部材であり、放熱部材54の取付位置の裏側に回転軸52が形成されている。従って、撮像素子40の発熱を基板41から回転台座50へ効率良く伝達でき、回転軸52から回転支持機構60を介して固定部材20に効率良く放熱できる。よって、撮像素子40の発熱を効率良く放熱できる。
【0077】
本形態の回転台座50は、開口部7側の縁に形成された突出部58を備えており、突出部58の反被写体側L2の端面(固定面59)には、撮像素子40用の第1フレキシブルプリント基板8、および、ローリング用磁気駆動機構70用の第2フレキシブルプリント基板9をまとめて固定することができる。従って、回転時に加わる第1フレキシブルプリント基板8と撮像素子40との接続部に負荷がかかることを抑制できる。また、第2フレキシブルプリント基板9に負荷がかかることを抑制できる。固定面59と第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9には、凸部593と係合穴597、598からなる係合構造が設けられているため、第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9を確実に位置決めできる。更に、引っ掛け部599とフック部594からなる係合構造が設けられているため、第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9を確実に固定できる。また、基板支持部51から反被写体側L2に突出する突出部58の反被写体側L2の端面を固定面59とすることで、第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9を引き出す際にR状に撓んだ部分を形成できるので、回転時の第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9の動きをスムーズにすることができる。
【0078】
本形態では、レンズホルダ10と固定部材20の外周縁との間に弾性部材90が挟まれており、弾性部材90が挟まれた位置よりも径方向外側の位置で、レンズホルダ10と固定部材20とがねじ部材91によって締め付け固定されている。従って、ねじ部材91の締め付け具合の調節によって固定部材20に対するレンズホルダ10の傾きを調節でき、撮像素子40に対するレンズユニット2の光軸Lの傾きを調節できる。
【0079】
本形態では、撮像素子40への光入射領域を規定するアパーチャ35を除いて撮像素子40を覆うカバー部材30が基板41に固定され、アパーチャ35を除いて撮像素子40の被写体側L1が覆われている。更に、カバー部材30は、アパーチャ35の外周側に筒部34が設けられ、筒部34の外周面および端板部31の被写体側L1の表面は、レンズホルダ10の内側面との間にラビリンス構造を構成している。従って、基板41の反被写体側L2から、撮像素子40側へ塵埃が入り込むおそれを少なくすることができる。
【0080】
本形態の光学ユニット1をジンバル機構500によって揺動可能に支持し、揺動用磁気駆動機構600によって光軸Lと直交するX軸回りの振れ補正、およびY軸回りの振れ補正を行う3軸振れ補正機能付き光学ユニット100として用いることができる。また、3軸振れ補正機能付き光学ユニット100は、内部に組み込まれる光学ユニット1が径方向に小型化されている。また、光学ユニット1のホルダ筒部11の外周側のスペースを利用して揺動用磁気駆動機構600を配置することができる。また、揺動用磁気駆動機構600が配置される角度位置の間のスペースを利用してジンバル機構500の第1揺動支持部501および第2揺動支持部502を配置することができる。従って、3軸振れ補正機能
付き光学ユニット100の小型化を図ることができる。
【0081】
また、光学ユニット1は、ジンバル機構500を構成するホルダ300と一体に回転するレンズホルダ10を備えており、このレンズホルダ10にローリング補正のための回転支持機構60が直接固定されている。従って、光軸Lと直交するX軸方向およびY軸方向の2軸の交点と、ローリング補正の回転軸とを一致させ易い。また、光学ユニット1は、ローリング補正の回転軸52と撮像素子40の中心とを一致させ易い構造である。従って、回転軸52と撮像素子40の中心とのずれに起因するによる像の欠けを抑制できる。
【0082】
(変形例)
(1)上記形態は、回転台座50に回転軸52が設けられ、固定部材20に軸受部61が設けられていたが、回転台座50に軸受部が設けられ、固定部材20に回転軸が設けられていてもよい。また、軸受部61としてボールベアリングでなくすべり軸受を用いても良い。
【0083】
(2)上記形態は、回転台座50にコイル71が固定され、固定部材20に磁石72が固定されていたが、回転台座50に磁石が固定され、固定部材20にコイルが固定されていてもよい。この場合、姿勢復帰機構80を構成する磁性部材81は、回転台座50と固定部材20のうち、コイルが固定された側の部材(固定部材20)に固定すればよい。
【0084】
(3)上記形態は、レンズホルダ10に切り欠き部14が形成され、切り欠き部14と固定部材20との間に外部と連通する開口部7を形成し、この開口部7からフレキシブルプリント基板8、9が光学ユニット1の外部へ取り出されているが、開口部7を設けず、レンズホルダ10の反被写体側L2の端部を固定部材20によって完全に塞ぐ構造を採用しても良い。このようにすると、光学ユニット1の内部への塵埃の侵入を抑制できる。また、この場合、固定部材20に両面基板を取り付け、第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9を両面基板に対して被写体側L1から接続する部分と、両面基板の反被写体側L2から光学ユニット1の外部に引き出す部分とに分けることにより、第1フレキシブルプリント基板8および第2フレキシブルプリント基板9を外部と接続することができる。
【0085】
(4)上記形態では、回転台座50は板状の基板支持部51を備えており、撮像素子40が搭載された基板41は基板支持部51の被写体側L1に配置され、ローリング用磁気駆動機構70のコイル71は、基板支持部51の反被写体側L2に配置されている。このため、ローリング用磁気駆動機構70を駆動する際、基板41に搭載された回路や撮像素子40がコイル71側で発生する各種のノイズの影響を受けるおそれがあり、映像乱れなどの問題が発生するおそれがあった。例えば、コイル71への通電をPWM制御により行う場合には、PWM制御の制御波形に起因する電気的ノイズによって映像乱れが発生するおそれがあった。そこで、基板41および撮像素子40へのノイズの影響を低減させるため、光学ユニット1にノイズシールド構造を設けることが好ましい。
【0086】
図8は変形例の光学ユニット1におけるノイズシールド構造の説明図であり、回転部材50、放熱部材54、基板41、撮像素子40、および第2フレキシブルプリント基板9の断面図(図1のA−A線の位置における断面図)である。図8の形態では、第2フレキシブルプリント基板9は、コイル71と接続される給電用パターンが形成されたコイル接続部9Cと、放熱部材54と接続されるグランドパターンが形成されたシールド部9Dを備える。コイル接続部9Cは、上記形態と同様に、基板支持部51の反被写体側L2の面に形成された固定溝513(図3参照)に配置されて、コイル71の位置へ引き回される。一方、シールド部9Dは、基板支持部51に形成された凹部53の底面に配置される。
【0087】
コイル接続部9Cおよびシールド部9Dは、第2フレキシブルプリント基板9の可撓性基板9Aから分岐して延びている。つまり、シールド部9Dは、第2フレキシブルプリント基板9の一部を構成している。シールド部9Dにはグランドパターンが形成されている。シールド部9Dに形成されたグランドパターンは、可撓性基板9Aに形成されたパターンを経由して、光学ユニット1を制御する上位装置のグランド電位に接続されている。グランドパターンは、シールド部9D全体に形成されていてもよいし、一部に形成されていてもよい。例えば、シールド部9Dに網目状のグランドパターンが形成されていてもよい。グランドパターンは、金属製の板材である放熱部材54と電気的に接続される。つまり、シールド部9Dを介して、放熱部材54がグランド電位となるように構成されている。
【0088】
図8の例では、放熱部材54が配置される凹部53は、第2フレキシブルプリント基板9が引き回される側(すなわち、回転台座50において突出部58が形成された側)では基板支持部51の外周縁まで延びている。従って、シールド部9Dは、基板支持部51の外周側から凹部53に引き込まれ、凹部53に配置された放熱部材54と凹部53の底面の間に配置されている。また、放熱部材54と基板41との間には熱伝導性シート55などの熱伝導層が介在している。放熱部材54は、光軸L方向から見た場合に撮像素子40と重なるように配置されている。図8の例では、放熱部材54は、光軸L方向から見た面積が撮像素子40より大きく、撮像素子40全体を包含する範囲に放熱部材54が配置されている。言い換えれば、撮像素子40は、その全体が光軸L方向から見て放熱部材54と重なっている。
【0089】
このように、図8の例では、撮像素子40および基板41と、回転部材50の基板支持部51との間にグランド電位のシールド部9Dが配置されている。従って、基板支持部51の反被写体側L2に取り付けられたコイル71と、撮像素子40および基板41との間にシールド部9Dが配置されることになるので、コイル71で発生するノイズから撮像素子40および基板41を遮蔽することができる。よって、コイル71で発生するノイズの影響を低減させることができ、映像乱れなどの問題が発生するおそれを少なくすることができる。
【0090】
また、図8の例では、金属製の放熱部材54がグランドパターンと接続され、放熱部材54もグランド電位となっている。従って、放熱部材54もシールドとして機能するので、コイル71で発生するノイズの影響をさらに低減させることができる。また、放熱部材54は、光軸L方向から見た場合に撮像素子40と重なっており、撮像素子40全体を包含する範囲に配置されている。従って、コイル71で発生するノイズから撮像素子40を効果的に遮蔽することができ、ノイズの影響を効果的に低減させることができる。また、放熱部材54にノイズ遮蔽と放熱性改善の両方の機能を持たせることができるので、部品点数の増大を抑制できる。
【0091】
なお、図8の例では、シールド部9Dが放熱部材54と同じ範囲に配置されており、グランドパターンも撮像素子40全体を包含する範囲に設けられているが、グランドパターンは撮像素子40よりも小さくてもよい。また、放熱部材54についても、撮像素子40よりも小さくてもよい。すなわち、シールド部9Dに形成されたグランドパターンおよび放熱部材54が、光軸L方向から見て撮像素子40の一部と重なっている構成を採用することもできる。このような構成では、図8の例よりはノイズの遮蔽効果が小さいものの、コイル71で発生するノイズの影響を低減させることができる。
【0092】
(5)図9は、ノイズシールド構造の変形例の説明図である。以下、図8の例と異なる点のみ説明する。図9の例では、放熱部材54とシールド部9Dとの間に電磁波吸収シート9Eが配置されている。このように、電磁波吸収シート9Eを追加することにより、電磁波吸収シート9Eによってノイズを遮蔽できる。従って、ノイズの遮蔽効果を高めること
ができる。なお、図9の例では、電磁波吸収シート9Eは放熱部材54と同一形状であり、撮像素子40全体を包含する範囲に設けられているが、電磁波吸収シート9Eが撮像素子40より小さく、一部が撮像素子40と重なる構成であってもよい。また、電磁波吸収シート9Eとシールド部9Dの配置は逆であってもよい。
【0093】
(6)図8図9の形態において、シールド部9Dは、第2フレキシブルプリント基板9でなく第1フレキシブルプリント基板8に設けられていてもよい。また、シールド部9Dは、第2フレキシブルプリント基板9および第1フレキシブルプリント基板8とは別体の部材であってもよい。例えば、第2フレキシブルプリント基板9および第1フレキシブルプリント基板8とは別体の基板にグランドパターンを設けて凹部53に配置し、第2フレキシブルプリント基板9もしくは第1フレキシブルプリント基板8に形成されたパターンを介して、凹部53に配置した基板のグランドパターンを上位装置のグランド電位と接続することができる。
【符号の説明】
【0094】
1…光学ユニット、1A…回転体、1B…固定体、2…レンズユニット、3…レンズ、4…鏡筒、5…キャップ、6…カバーガラス、7…開口部、8…第1フレキシブルプリント基板、8A、8B…可撓性基板、8C…幅広部、9…第2フレキシブルプリント基板、9A…可撓性基板、9B…幅広部、9C…コイル接続部、9D…シールド部、9E…電磁波吸収シート、10…レンズホルダ(ホルダ部材)、11…ホルダ筒部、12…段部、13…側板部、14…切り欠き部、15…ボス部、16…端面、20…固定部材、21…突出部、22…軸受保持部、23…保持孔、24…環状突出部、25…回転規制用凹部、30…カバー部材、31…端板部、32…側板部、33…フランジ部、34…筒部、35…アパーチャ、36…隙間、37…位置決め穴、40…撮像素子、41…基板、42…位置決め穴、50…回転台座(回転部材)、51…基板支持部、52…回転軸、53…凹部、54…放熱部材、55…熱伝導性シート、56…位置決めピン、57…凹部、58…突出部、59…固定面、60…回転支持機構、61…軸受部、62…外輪、63…内輪、64…ボール、65…回転支持部、66…固定部材側環状溝、67…回転部材側環状溝、68…転動体、69…リテーナ、70…ローリング用磁気駆動機構、71…コイル、72…磁石、73…着磁分極線、74…ホール素子、80…姿勢復帰機構、81…磁性部材、82…磁性部材の中心、90…磁性部材弾性部材、91…ねじ部材、100…3軸振れ補正機能付き光学ユニット、300…ホルダ、301、302、303、304…壁部、310…ホルダ本体部、312…ストッパー、313…固定用凸部、400…固定体、401、402、403、404…側板、410…第1ケース、411…胴部、412…端板部、413…窓、420…第2ケース、421…第1部材、422…第2部材、500…ジンバル機構、501…第1揺動支持部、502…第2揺動支持部、503…可動枠、504…支点部、505…連結部、511…接点ばね、512…回転規制用凸部、513…固定溝、591…溝、592…凹部、593…凸部、594…フック部、595…突き当て部、596…押さえ部、597…係合穴、598…係合穴、599…引っ掛け部、600…揺動用磁気駆動機構、601…磁気駆動機構、602…磁石、603…コイル、700…バネ部材、701…固定体側連結部、702…可動体側連結部、703…アーム部、L…光軸、L1…被写体側、L2…反被写体側、R1…第1軸線、R2…第2軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9