(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
<硬質表面用液体洗浄剤組成物>
熱変性油は、熱による油の酸化により油成分の一部が極性基に変化した油成分、2量化、3量化した油成分、また酸化反応が逐次的に進んだ高分子量の油成分を含んでいると考えられるため粘性が高く、この粘性の高い熱変性油を除去するには、この熱変性油に界面活性剤が浸透するとともに、界面活性剤により油を乳化あるいは可溶化させることが必要であると考えられる。
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物が、変性油、特に熱変性油を含む油汚れの洗浄力に優れる理由は必ずしも定かではないが、本発明の(a)成分と(b)成分の両方を用いることで、熱変性油に浸透し易くなり、効果的に熱変性油を乳化等させることができるため、高い洗浄効果が得られたものと推定される。
【0013】
<界面活性剤>
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、界面活性剤として、(a)成分及び(b)成分を含有する。
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、界面活性剤を、洗浄力の観点から、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、より更に好ましくは2.5質量%以上、そして、配合安定性の観点から20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは6質量%以下、より更に好ましくは4質量%以下含有する。
【0014】
<(a)成分>
本発明の(a)成分は、炭素数7以上12以下のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1つ有するアミンオキサイド型界面活性剤である。
(a)成分は、洗浄力の観点から、炭素数7以上12以下のアルキル基又はアルケニル基を1つ有するアミンオキサイドが好ましく、炭素数7以上12以下のアルキル基を1つ有するアミンオキサイドがより好ましく、炭素数9以上12以下のアルキル基を1つ有するアミンオキサイドが更に好ましく、炭素数12のアルキル基を1つ有するアミンオキサイドがより更に好ましい。
【0015】
(a)成分は、洗浄力の観点から、下記一般式(a1)で表される化合物が好適である。
【0017】
〔式中、R
1aは炭素数7以上12以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、R
2a及びR
3aは、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。Dは−NHC(=O)−基又は−C(=O)NH−基を示し、Eは炭素数1以上5以下のアルキレン基を示す。q及びpは、q=0かつp=0又はq=1かつp=1を示す。〕
【0018】
上記一般式(a1)において、q=1かつp=1であり、Dが−C(=O)NH−基の場合、R
1aは、洗浄力の観点から、炭素数7以上11以下、より好ましくは炭素数9以上11以下のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数11のアルキル基である。
また、q=1かつp=1でありDが−NHC(=O)−基の場合、もしくはq=0かつp=0の場合、R
1aは、洗浄力の観点から、好ましくは炭素数8以上12以下のアルキル基であり、より好ましくは炭素数10以上12以下のアルキル基、更に好ましくは炭素数12のアルキル基である。
R
2a及びR
3aは、洗浄力の観点から、好ましくは炭素数1のメチル基である。
q及びpは、洗浄力の観点から、好ましくはq=0かつp=0である。
【0019】
(a)成分の好ましい具体例としては、
(1)ラウリルジメチルアミンオキサイド、デシルジメチルアミンオキサイド、オクチルジメチルアミンオキサイド等のアルキル(炭素数8以上12以下)ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイド又はアルケニル(炭素数8以上12以下)ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイド、
(2)ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド等の脂肪酸(炭素数8以上12以下)アミドプロピルジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイド
が挙げられ、洗浄力の観点から(1)アルキル(炭素数8以上12以下)ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイド又はアルケニル(炭素数8以上12以下)ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイドがより好ましい。
【0020】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(a)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、より更に好ましくは1質量%以上、より更に好ましくは1.25質量%以上、そして、配合安定性の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.5質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは4質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下含有する。
【0021】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、(a)成分以外のアミンオキサイド型界面活性剤を含有してもよい。
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(a)成分の含有量は、炭素数が8以上24以下であるアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1つ有するアミンオキサイド中、洗浄力の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、また100質量%であってもよい。ここで、前記炭素数が8以上24以下であるアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1つ有するアミンオキサイドは、前述の一般式(a1)において、R
1aが炭素数8以上24以下のアルキル基又はアルケニル基であることを除いて、同じ構造であることが好ましい。
【0022】
<(b)成分>
本発明の(b)成分は、脂肪酸残基の炭素数が10以上18以下であるグリセリン脂肪酸エステルである。
本発明において、脂肪酸残基は、原料脂肪酸のカルボキシル基のOHを除いたものをいう。
【0023】
(b)成分において、グリセリンと脂肪酸のエステル構造体は、トリエステル構造体、ジエステル構造体、及びモノエステル構造体から選ばれる1種以上が挙げられ、モノエステル構造体が好ましい。
【0024】
(b)成分において、脂肪酸残基の炭素数は、洗浄力の観点から、10以上、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、そして、18以下であり、また18が特に好ましい。
脂肪酸残基の原料脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、及びカプリン酸から選ばれる1種以上が挙げられ、洗浄力の観点から、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸及びカプリン酸から選ばれる1種以上が好ましく、オレイン酸、パルミチン酸及びミリスチン酸から選ばれる1種以上がより好ましく、オレイン酸及びパルミチン酸から選ばれる1種以上が更に好ましく、オレイン酸がより更に好ましい。また脂肪酸残基の原料脂肪酸は、パーム油、オリーブ油などの植物油、牛脂、豚脂などの動物油由来の混合脂肪酸であっても差し支えない。
【0025】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(b)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、より更に好ましくは1質量%以上、より更に好ましくは1.25質量%以上、そして、配合安定性の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.5質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは4質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下含有する。
【0026】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、(b)成分以外のグリセリン脂肪酸エステルを含有してもよい。
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、脂肪酸残基の炭素数が8以上24以下であるグリセリン脂肪酸エステル中、(b)成分の含有量は、洗浄力の観点から、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、また100質量%であってもよい。
【0027】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)は、洗浄力の観点から、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.7以上、更に好ましくは1以上、そして、同様の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、より更に好ましくは7以下、より更に好ましくは5以下、より更に好ましくは2以下である。
【0028】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との合計含有量は、洗浄力の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、より更に好ましくは1.5質量%以上、より更に好ましくは2質量%以上、より更に好ましくは2.5質量%以上、そして、配合安定性の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは6質量%以下、より更に好ましくは4質量%以下である。
【0029】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物中、(a)成分及び(b)成分以外の界面活性剤の含有量は、洗浄力の観点から、好ましくは60質量%未満、より好ましくは50質量%未満、更に好ましくは40質量%未満、より更に好ましくは20質量%未満、より更に好ましくは10質量%未満、そして、特に好ましくは5質量%未満であり、また0質量%であってもよい。
【0030】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、界面活性剤中、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との合計含有量[((a)+(b))/界面活性剤]は、洗浄力の観点から、40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、また100質量%であってもよい。
【0031】
<その他成分>
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、(a)成分、(b)成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、アクリル酸−マレイン酸共重合体又はその塩、メタクリル酸−マレイン酸共重合体又はその塩、及びジイソブチレン−マレイン酸共重合体又はその塩等の汚れの再付着防止剤;EDTA,MGDA、クエン酸等のキレート剤;溶剤、ハイドロトロープ剤、分散剤、pH調整剤、増粘剤、粘度調整剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、漂白剤、漂白活性化剤などの他の成分を配合することができる。
【0032】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、水を含有する。すなわち、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物において、(a)成分、(b)成分及び任意成分以外の残部が水である。本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、水を、ハンドリング性の観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、そして、洗浄力の観点から、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下、更に好ましくは99質量%以下含有する。水は、イオン交換水、滅菌イオン交換水等を使用することが好ましい。
【0033】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物のガラス電極法による25℃におけるpHは、中性領域が好ましく、取扱い性を容易とする観点から、好ましくは5以上、より好ましくは5.5以上、更に好ましくは6以上、そして、好ましくは9以下、より好ましくは8.5以下、更に好ましくは8以下である。
【0034】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、硬質物品の硬質表面用、更に食品加工設備又は調理設備の硬質表面用であることが好ましい。
「食品加工設備及び/又は調理設備」とは、食品加工工場において、食品を加工する際及び/又は調理する際に用いられる機器及び設備を意味する。かかる機器としては、例えば、パイプ、部品、コンベアベルトやフライヤー、フリーザー、スライサー、精米機等の食品製造又は調理機器が挙げられる。また、かかる設備としては、例えば、床、壁、作業台などが挙げられる。
具体的には、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、好ましくは硬質物品の硬質表面への塗布用洗浄剤、より好ましくは食品加工設備又は調理設備の硬質表面への塗布用洗浄剤である。
また、具体的には、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、好ましくは硬質物品の硬質表面への噴霧用洗浄剤、より好ましくは食品加工設備又は調理設備の硬質表面への噴霧用洗浄剤である。
【0035】
硬質物品としては、パイプ、部品等の食品製造機器、台所周りの硬質物品が挙げられる。
台所周りの硬質物品は、台所の周辺で使用される物品であり、具体的には、
(1)冷蔵庫、食器棚などの食品、食器、調理器具の保存場所、
(2)排水溝、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所、及び
(3)その周辺の床や壁、及び食堂、ダイニング周辺の食卓、床、壁、畳、柱、スリッパ等
である。本発明では、これらを便宜上「台所周りの硬質物品」とする。
また、本発明の洗浄対象である硬質表面、更に台所周りの硬質表面は、プラスチック(シリコーン樹脂などを含む)、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0036】
<硬質表面の洗浄方法>
本発明の硬質表面の洗浄方法は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いて、該組成物を硬質表面に接触させて洗浄する、硬質表面の洗浄方法である。
該組成物の好ましい態様は、前記した本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物と同じである。
【0037】
本発明の硬質表面の洗浄方法は、前記本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、変性油、特に熱変性油を含む油汚れが付着した硬質表面に接触させる、硬質表面の洗浄方法として好適に実施できる。これらの方法は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に付着した変性油、特に熱変性油を含む油汚れに接触させる、硬質表面の洗浄方法である。
【0038】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に接触させる。
具体的には、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、原液で、硬質表面に接触させる、又は前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、原液で、希釈せずに硬質表面に接触させる、つまり、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、希釈することなく、硬質表面に接触させる洗浄方法が好ましく挙げられる。更に、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、希釈することなく、変性油、特に熱変性油を含む油汚れが付着した硬質表面に接触させる洗浄方法が挙げられる。
【0039】
但し、本発明の(a)成分と(b)成分を含む濃厚組成物を調製しておき、該濃厚組成物を水で希釈して本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を調製し、硬質表面に接触させてもよい。すなわち、本発明の(a)成分と(b)成分、を含有する濃厚組成物を水で希釈して本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物に調製し、該硬質表面用液体洗浄剤組成物を希釈せずに硬質表面に接触させる、硬質表面の洗浄方法であってもよい。
【0040】
また、本発明の硬質表面の洗浄方法は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に接触させた後、機械力をかけず(付与せず)に放置する洗浄方法が挙げられる。つまり、スポンジ等の可撓性材料や手指等を用いることなく接触させ、機械力をかけずにそのまま放置する洗浄方法が挙げられる。これにより、手や道具の届かない部位や届きにくい細部の洗浄に好適である。
機械力をかけずに放置するとは、例えば、組成物の接触以外に、洗浄のための意図的な操作を行わないことである。例えば、接触させた組成物が硬質表面を自然に流下することや、洗浄を意図しない振動が硬質表面に伝わることなどは、機械力をかけずに放置すると理解できる。
放置した後は、通常、水ですすぐ。すすぐ際は、手などで機械力(物理的力)を掛けてもよく、単に水流ですすいでもよい。
【0041】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、対象物である硬質表面の面積100cm
2に対して、好ましくは0.1g以上、より好ましくは0.3g以上、更に好ましくは0.4g以上、そして、好ましくは5g以下、より好ましくは3g以下、更に好ましくは2g以下の割合で接触させる、更に、塗布又は噴霧することが好ましい。
【0042】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、洗浄力を高める観点から、硬質表面用液体洗浄剤組成物を硬質表面に接触後、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、更に好ましくは30秒以上、より更に好ましくは40秒以上、そして、同様の観点から、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、更に好ましくは20分以下、より更に好ましくは10分以下、より更に好ましくは5分以下、放置する。この場合、最初に前記組成物が硬質表面に接触した時点を放置の開始としてよい。
なお、放置する際の温度は、室温でよく、例えば、10℃以上30℃以下が挙げられる。
【0043】
また、本発明の硬質表面の洗浄方法では、洗浄力を高める観点から、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、更に好ましくは30秒以上、より更に好ましくは40秒以上、そして、同様の観点から、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、更に好ましくは20分以下、より更に好ましくは10分以下、より更に好ましくは5分以下、前記液体洗浄剤組成物と洗浄対象である硬質表面とを接触させる。
【0044】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、変性油、特に熱変性油を含む油汚れ等が付着した硬質表面を該組成物中に浸漬させて接触させてもよいが、効率的に洗浄力を高める観点から、噴霧又は塗布して、変性油、特に熱変性油を含む油汚れ等が付着した硬質表面に接触させる方法が好ましい。
前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を、油汚れ等が付着した硬質表面に接触させる方法は、噴霧又は塗布が好ましく、液滴状にして噴霧する又は泡状にして塗布する方法が好ましい。具体的には、スプレー手段を用いる。すなわち本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる硬質表面用洗浄剤物品を用いるのが好ましい。本発明は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる、スプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品を提供する。
【0045】
本発明のスプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品における本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を充填するスプレイヤーを具備する容器は、トリガー式スプレー容器、ポンプ式スプレー容器等の噴射剤を使用しない手動式スプレー装置、噴射剤を用いるエアゾール等が挙げられる。前記スプレイヤーを具備する容器は、内容物を液滴状又は泡状にして噴霧又は塗布することができるトリガー式スプレーが好ましく、内容物を液滴状に噴霧する機構を備えたトリガー式スプレー又は泡を形成する機構(泡形成機構)を備えたトリガー式スプレーがより好ましい。
【0046】
本発明のスプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品において、液滴状に本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を噴霧する機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、前記組成物を入れるスプレー容器の噴射ノズルの噴口径は、スプレーのし易さや、噴射された液滴が荒くなく、直線状にスプレーされず、スプレーできる面積が極端に狭くならないために、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の範囲である。
液滴状に噴霧する機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、本発明のスプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品は、1回の操作で、好ましくは0.1mL以上、より好ましくは0.3mL以上、そして、好ましくは5mL以下、より好ましくは2mL以下の組成物を噴霧する。
【0047】
泡形成機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、本発明のスプレー容器入り硬質表面用洗浄剤物品は、1回の操作で、好ましくは0.5mL以上、より好ましくは1mL以上、そして、好ましくは30mL以下、より好ましくは15mL以下、更に好ましくは5mL以下の組成物を噴霧する。
【0048】
本発明の硬質表面の洗浄方法は、硬質物品の硬質表面、更に食品加工設備及び/又は調理設備の硬質表面の洗浄方法として好ましい。また、硬質物品の硬質表面の手洗い洗浄方法、更に食品加工設備及び/又は調理設備の硬質表面の手洗い洗浄方法として好ましい。
【0049】
本発明の硬質表面の洗浄方法は、硬質物品の硬質表面、好ましくは食品加工設備及び/又は調理設備の硬質表面を洗浄対象とする。
硬質物品、及び食品加工設備及び/又は調理設備は、前述のものが挙げられる。
本発明の硬質表面の洗浄方法の対象とする硬質表面の材質は、プラスチック(シリコーン樹脂などを含む)、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
そして、本発明の硬質表面の洗浄方法は、これら硬質表面に付着した変性油、特に熱変性油を含む油汚れを効果的に洗浄することができる。
【0050】
本発明の硬質表面の洗浄方法では、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を直接硬質表面に接触させることが好ましい。そして、前記組成物が接触した状態で放置すればよいため、洗浄時において、スポンジ等の可撓性材料による擦り洗いのような機械力をかける作業を必要としない。
本発明の硬質表面の洗浄方法は、前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を接触させた硬質表面を、水で濯ぐ工程、好ましくは前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を接触させた硬質表面を、放置後、水で濯ぐ工程を含むことができる。
【実施例】
【0051】
下記配合成分を用いて、表1に示す硬質表面用液体洗浄剤組成物を調製し、以下の項目について評価を行った。結果を表1に示す。表1の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、常法により調製した。即ち、適量のイオン交換水に(a)成分、(a’)成分、(b)成分,その他の界面活性剤を添加し、60℃で加温溶解後、室温(25℃)に戻し、水酸化ナトリウム及び/又は塩酸を添加してpH(25℃)を7に調整した。なお、表1中の配合成分の質量%は、全て有効分に基づく数値である。
【0052】
<配合成分>
(a)成分
・ラウリルジメチルアミンオキサイド:アンヒトール20N(花王(株)製)、一般式(a1)において、R
1aがラウリル基、R
2a、R
3aがメチル基、q=0かつp=0の化合物
【0053】
(a’)成分((a)成分の比較成分)
・ミリスチルジメチルアミンオキシド:アンヒトール40N(花王(株)製)、一般式(a1)において、R
1aがミリスチル基、R
2a、R
3aがメチル基、q=0かつp=0の化合物
【0054】
(B)成分
・モノオレイン酸グリセライド:エキセル O−95R(花王(株)製)
・モノパルミチン酸グリセライド:和光純薬(株)製、試薬
・モノラウリン酸グリセライド:和光純薬(株)製、試薬
・モノカプリン酸グリセライド:和光純薬(株)製、試薬
・モノステアリン酸グリセライド:和光純薬(株)製、試薬
【0055】
その他の界面活性剤
・アルキルグリコシド:マイドール12(花王(株)製)
・ポリオキシエチレン(12)ラウリルエーテル:( )内は、オキシエチレン基の平均付加モル数
・ポリオキシエチレン(3)ラウリル硫酸ナトリウム:( )内は、オキシエチレン基の平均付加モル数
【0056】
〔熱変性油の洗浄力評価〕
ナタネ油(和光純薬工業(株)製)を180℃で8時間静置して加熱することにより熱変性油を調製した。各熱変性油を、予め下4桁の電子天秤を用いて秤量したテストピース(エンジニアリングテストサービス社製、SUS304、1mm×25mm×70mm)(x)に約1mg/cm
2塗布した後、下4桁天秤を用いて秤量した(y)。
【0057】
油塗布後のテストピースに硬質表面用液体洗浄剤組成物をポンプフォーマー(ビオレハンドウォッシュ用、花王(株)製)を用いて泡状で2ml噴霧し20分間平置きで静置した。20分間洗浄後のテストピースを、リーナッツ試験器を用いて、25℃の水道水にて1分間すすいだ(水量700ml、回転翼の回転数は300rpm)。すすぎ後、一昼夜風乾し、洗浄後のテストピースの質量を下4桁の電子天秤にて秤量した(z)。
以下の式で洗浄率を求めた。8時間加熱した熱変性油を塗布した場合の洗浄率の結果を表1に示す。
洗浄率(%)={(y)−(z)}/{(y)−(x)}×100
【0058】
【表1】