特許第6969983号(P6969983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6969983
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】ダンプトラック
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/04 20060101AFI20211111BHJP
   G01S 7/03 20060101ALI20211111BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20211111BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20211111BHJP
   G01S 17/93 20200101ALI20211111BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20211111BHJP
【FI】
   B60P1/04 Z
   G01S7/03 240
   G01S7/481 Z
   G01S13/931
   G01S17/93
   G05D1/02 S
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-217265(P2017-217265)
(22)【出願日】2017年11月10日
(65)【公開番号】特開2019-85080(P2019-85080A)
(43)【公開日】2019年6月6日
【審査請求日】2020年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢部 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】油井 大地
【審査官】 塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−221641(JP,A)
【文献】 特開2014−61822(JP,A)
【文献】 特開2016−78724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/04
G01S 7/03
G01S 7/481
G01S 13/931
G01S 17/93
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行方向の一方向に排土するダンプトラックであって、
走行方向前後に設けられるタイヤを備えたシャーシと、
前記シャーシの排土側端部に設けられ、前記シャーシの排土方向の障害物を検出する障害物検出装置と、
前記障害物検出装置を、前記タイヤの排土側端部から突出させた第1位置、および前記タイヤの排土側端部よりも内側の第2位置に移動可能とする移動機構と、
を備えていることを特徴とするダンプトラック。
【請求項2】
請求項1に記載のダンプトラックにおいて、
前記移動機構は、前記シャーシの車幅方向端部のそれぞれに設けられ、それぞれの移動機構が同期して動作可能とされることを特徴とするダンプトラック。
【請求項3】
請求項2に記載のダンプトラックにおいて、
前記移動機構は、
前記シャーシの車幅方向端部に設けられ、走行方向に延びる第1レールと、
前記第1レールに沿って移動可能とされ、前記障害物検出装置が設けられる第2レールと、
前記第2レールを、前記第1レールに沿って移動させるアクチュエータと、
を備えていることを特徴とするダンプトラック。
【請求項4】
請求項3に記載のダンプトラックにおいて、
前記移動機構は、
前記第2レールを、前記第1レールと所定の間隔を保持して配置する間隔保持部と、
前記第1レールに対して前記第2レールを離間方向に付勢する付勢部と、
を備えていることを特徴とするダンプトラック。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のダンプトラックにおいて、
前記障害物検出装置は、前記第1位置において、平面視で排土方向から車幅方向に至る90度の範囲に位置する障害物が検知可能であることを特徴とするダンプトラック。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のダンプトラックにおいて、
前記移動機構は、外部の移動指示手段からの指示よって駆動することを特徴とするダンプトラック。
【請求項7】
請求項6に記載のダンプトラックにおいて、
前記ダンプトラックの現在位置情報を取得する位置情報取得装置を備え、
前記移動指示手段は、前記位置情報取得装置により取得された前記ダンプトラックの現在位置情報に基づいて、前記移動機構の駆動を指示することを特徴とするダンプトラック。
【請求項8】
請求項7に記載のダンプトラックにおいて、
前記移動指示手段は、前記ダンプトラックが排土場に存在すると判定されたときに、前記移動機構の駆動を指示することを特徴とするダンプトラック。
【請求項9】
請求項6に記載のダンプトラックにおいて、
前記移動指示手段は、前記障害物検出装置が車止めを検出したときに、前記移動機構の駆動を指示することを特徴とするダンプトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンプトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
土木作業現場または鉱山の採石現場では、ダンプトラック、油圧ショベル等といった様々な作業車両が稼働する。このような作業車両のうち、ダンプトラックは、油圧ショベル等で掘削した土砂等の積荷を積載して走行し、走行中の衝突等を防止するために、ダンプトラックの走行方向端部、側面部に、レーダー等の障害物検出センサを搭載したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このような障害物検出センサは、ダンプトラックが前後方向に走行する際に周囲の物体等との衝突を防止するために、前後双方向の物体(以下、障害物という)を検出できることが要望される。
特許文献1に記載の技術では、ダンプトラックの車両側面に回転可能な雲台を設け、この雲台上にレーザースキャンレーダーを取り付け、ダンプトラックの走行方向に応じて、雲台を回転させることにより、前後双方向の障害物を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−230551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ダンプトラックが排土を行う場合に、障害物検出センサの検出機能を維持するとともに、ダンプトラックが排土を行わない場合、例えば、排土方向に走行する場合においても障害物や走行路側面の路肩などを的確に検出し、検出機能を維持できるような位置に障害物検出センサが配置される必要がある。さらに、排土中の場合や排土を行わない場合のいずれの場合においても、ダンプトラック自身を障害物として誤検出しないような位置に障害物検出センサを配置する必要もある。また、障害物検出センサの検出機能を維持するために、排土中の場合においては、排土方向に存在する車止め等の構造物に障害物検出センサが干渉しないような位置に障害物検出センサを配置し、障害物検出センサの損傷を防止することについても考慮する必要がある。
【0006】
本発明の目的は、ダンプトラックの排土方向における障害物の検出範囲を十分に確保して、排土中の場合や排土を行わない場合のいずれの場合においても障害物を的確に検出するとともに検出機能を維持することのできるダンプトラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のダンプトラックは、
走行方向の一方向に排土するダンプトラックであって、
走行方向前後に設けられるタイヤを備えたシャーシと、
前記シャーシの排土側端部に設けられ、前記シャーシの排土方向の障害物を検出する障害物検出装置と、
前記障害物装置を、前記タイヤの排土側端部から突出させた第1位置、および前記タイヤの排土側端部よりも内側の第2位置に移動可能とする移動機構と、
を備えていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係るダンプトラックを示す側面図。
図2】前記実施形態におけるダンプトラックの背面図。
図3】前記実施形態における障害物検出装置の構造を示す背面図。
図4】前記実施形態における障害物検出装置の検知範囲を示す平面図。
図5】前記実施形態における障害物検出装置および移動機構の構造を示す斜視図。
図6】前記実施形態における障害物検出装置および移動機構の構造を示す分解斜視図。
図7】前記実施形態における移動機構の構造を示す斜視図。
図8】前記実施形態における移動指示手段の構成を示すブロック図。
図9】前記実施形態の作用を説明するための側面図。
図10】本発明の第2実施形態に係る障害物検出装置の構造を示す背面図。
図11】前記実施形態における障害物検出装置、移動機構、および格納機構の構造を示す底面図。
図12】前記実施形態における障害物検出装置、移動機構、および格納機構の構造を示す底面図。
図13】前記実施形態における障害物検出装置、移動機構、および格納機構の構造を示す斜視図。
図14】前記実施形態における格納時の障害物検出装置を示す背面図。
図15】本発明の第3実施形態に係る障害物検出装置および移動機構を示す底面図。
図16】実施形態の変形となる障害物検出装置および移動機構を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[1]ダンプトラック1の全体説明
図1および図2には、本発明の第1実施形態に係るダンプトラック1が示されている。図1は、走行方向に直交する車幅方向から見た側面図、図2は、走行方向排土側から見た背面図である。
【0010】
なお、各図に示す本実施形態でのX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にある。さらに、説明の便宜上本実施形態では、図1を基準として、ダンプトラック1の走行方向の一方がX軸の矢印方向で、走行方向の他方がその逆方向で、車幅方向の一方がY軸の矢印方向で、車幅方向の他方がその逆方向で、鉛直方向の一方がZ軸の矢印方向で、鉛直方向の他方がその逆方向とする。また、シャーシ2およびダンプボディ3が前進と左右で矩形状に作られているため、便宜上、以下の実施形態では、走行方向の一方を「前」、他方を「後」、車幅方向の一方を「右」、他方を「左」と呼ぶことがある。
【0011】
ダンプトラック1は、前後双方向に走行し、一方向に排土する。ダンプトラック1は、遠隔操作にて無人で走行するオフロードダンプトラックであり、例えば、鉱山開発での採掘現場にて稼働する車両として構成される。遠隔操作は、管理センターおよびダンプトラック1に設けられた通信手段やGlobal Positioning System;全地球測位網(GPS)を用いる等、情報通信技術を駆使して行われる。
ダンプトラック1は、シャーシ2およびダンプボディ3を備え、ダンプボディ3内に土砂等の積載物を積載して前後双方向に走行し、図1における走行方向のX軸のマイナス方向を一方向として排土する。なお、前進走行とは、前後で区別がないため、双方向前進として同じ動きをすることができることをいう。
【0012】
シャーシ2は、走行方向の一方で車幅方向の両側に設けられた左右一対のタイヤ4、および、走行方向の他方で車幅方向の両側に設けられたタイヤ5によって走行可能に支持されている。シャーシ2は、走行方向に延びるフレーム6を備え、フレーム6には、走行方向前後に設けられるタイヤ4、5が、懸架装置を介して取り付けられる。
フレーム6は、シャーシ2の両側端部に走行方向に延出する一対のアッパーサイドメンバ6Aと、一対のロアーサイドメンバ6Bとを備える。図示を略したが、上下に離間して配置されるアッパーサイドメンバ6Aおよびロアーサイドメンバ6Bは、先端および後端で複数のバーチカルメンバ6Cによって連結されている。また、車幅方向に配置される一対のアッパーサイドメンバ6A同士は、車幅方向に延びる複数のアッパークロスメンバによって連結され、一対のロアーサイドメンバ6B同士は、車幅方向に延びる複数のロアークロスメンバ6D(図3参照)によって連結されている。すなわちフレーム6は、シャーシ2の走行方向から見て直方体状の骨組を有している。
【0013】
このようなフレーム6には、エンジン7、ラジエータ8、制御装置9、ホイストシリンダ10、および後述する障害物検出センサ30(図2参照)が設けられている。なお、ダンプトラック1は、遠隔操作にて無人で走行する車両であり、従来のダンプトラックに設けられている運転操作のためのキャブは存在しない。
エンジン7は、フレーム6のアッパーサイドメンバ6Aおよびロアーサイドメンバ6Bの間に設けられ、上部がアッパーサイドメンバ6Aから突出している。
また、エンジン7は、タイヤ4の後方側に設けられ、タイヤ4およびタイヤ5の回転中心で規定されるホイールベースW内に配置されており、ダンプトラック1の重心が、シャーシ2の略中央となっている。
【0014】
ラジエータ8は、シャーシ2の略中央車幅方向両側に一対設けられ、エンジン7の冷却水を放冷する。
制御装置9は、ダンプトラック1の走行を制御し、シャーシ2の排土側端部に設けられる障害物検出センサ30(図2参照)や、エンジン7に設けられる温度センサ、タイヤ4、5に設けられた回転センサ等のセンサ情報に基づいて、ダンプトラック1の走行制御を行う。
ホイストシリンダ10は、制御装置9の後方に、車幅方向に2つ設けられ、その基部はフレーム6に回転可能に設けられ、先端はダンプボディ3の排土側端部とは反対側の端部下面に回転可能に設けられている。
ホイストシリンダ10は、図示を略したが、フレーム6内に設けられた油圧ポンプから作動油を受けて動作し、油圧ポンプは、エンジン7によって駆動される。
また、タイヤ4、5は、図示を略したが、ロアークロスメンバ6D(図5参照)内に収容された電動モータによって駆動され、電動モータは、エンジン7を駆動源とする発電機(図示略)から供給される電気エネルギによって駆動する。つまり、ダンプトラック1は、全輪駆動式のダンプトラックである。
【0015】
[2]ダンプボディ3の構造
ダンプボディ3は、平面視でシャーシ2の走行方向の全長および車幅方向の全幅を覆っており、ダンプボディ3の排土側端部は、シャーシ2の端部から後方に延出している。ダンプボディ3は、平面視矩形状の箱状体として構成されている。なお、ダンプボディ3が矩形状で、シャーシ2も前後方向に同じ矩形状に作られているため、前後方向には区別されていない。このため、双方向に前進できる(便宜上前後として説明する。)。また、ダンプボディ3は、図示を略したが、バーチカルメンバ6C上端に設けられたボディマウント上に載置される。
ボディマウントは、フレーム6の上面に設けられ、ダンプボディ3の荷重を支持する。
ダンプボディ3は、フレーム6の排土側の走行方向の端部にヒンジ12を介して起伏可能(回動可能)に装着されている。ダンプボディ3は、前述したホイストシリンダ10が伸長することにより、フレーム6のヒンジ12を回転軸として起伏する。
【0016】
ダンプボディ3は、図1および図2に示されるように、平面視矩形状の箱状体から構成され、一対の側板部13と、底面部14と、第1傾斜面部15と、第2傾斜面部16と、前面部17とを備える。第1傾斜面部15は、底面部14の後部から上方に立ち上がり、第2傾斜面部16は第1傾斜面部15の上端から下方に傾斜する。前面部17は底面部14の前部から上方に立ち上がる。前面部17の上端には、突出部18が設けられている。
【0017】
[4]障害物検出センサ30の構造
障害物検出装置としての障害物検出センサ30は、図2に示すように、ダンプトラック1の背面側、すなわち排土側端部の下方位置に設けられている。
障害物検出センサ30は、図3に示すように、第1センサユニット31および第2センサユニット32を備える。
第1センサユニット31は、図3に示すように、ダンプトラック1の車幅方向中央に配置され、ダンプトラック1のフレーム6を構成するロアークロスメンバ6Dに固定されている。
【0018】
第1センサユニット31は、図3に示すように、ダンプトラック1の車幅方向に配置される3つのミリ波レーダー31A、31Bを備える。
ミリ波レーダー31A、31Bは、電波を出射して、障害物により反射した電波を検出することにより、障害物を検出するセンサであり、本実施形態では、長距離検出レンジと中距離検出レンジの2つのレンジに設定することができる。
【0019】
中央に配置されるミリ波レーダー31Aは、図4に示すように、センサの検出面がダンプトラック1の排土方向に向けられている。ミリ波レーダー31Aは、センサの検出面を始点とする2本の一点鎖線で挟まれた範囲を検知範囲とする。
ミリ波レーダー31Aに隣接して配置される一対のミリ波レーダー31Bは、センサの検出面がダンプトラック1の排土方向の斜め後方に向けられている。ミリ波レーダー31Bは、センサの検出面を始点とする2本の一点鎖線で挟まれた範囲を検知範囲とする。
【0020】
第2センサユニット32は、ダンプトラック1の車幅方向においてタイヤ5の間にあって、ロアークロスメンバ6Dの車幅方向端部のそれぞれに、車幅方向の中心に対して対称に配置され、詳しくは後述するが、ロアークロスメンバ6Dの端部に設けられた移動機構40に取り付けられる。
第2センサユニット32は、レーザースキャンレーダー32Aおよびミリ波レーダー32Bを備える。
【0021】
レーザースキャンレーダー32Aは、レーザー光を照射して、障害物にあたった反射光を検出するセンサであり、光を反射する障害物を検知することが可能である。レーザースキャンレーダー32Aは、図4に示すように、移動機構40によりタイヤ5の排土側端部から後方に突出させた状態で、レーザーの受光面を始点とする2本の実線で挟まれた範囲を検知範囲とする。レーザースキャンレーダー32Aは、タイヤ5の排土方向端部から左右それぞれの側方にわたった範囲を検知範囲として障害物や路肩の検出をカバーする。
【0022】
レーザースキャンレーダー32Aは、左右のタイヤ5の後方の側方からタイヤ5の排土側端部の後方までの範囲にある物体を検出可能である。したがってレーザースキャンレーダー32Aは、障害物だけでなく、走行路上に設けられた路肩を検出したり、走行路のセンターライン位置を検出することができるため、ダンプトラック1を無人走行させる際の車線維持センサとしても機能する。
【0023】
ミリ波レーダー32Bは、第1センサユニット31に使用されているものと同じものが使用され、センサの検出面がダンプトラック1の排土方向の斜め後方に向けられている。ミリ波レーダー32Bは、センサの検出面を始点とする2本の一点鎖線で挟まれた範囲を検知範囲とする。ミリ波レーダー32Bの検知範囲の一部は、第1センサユニット31のミリ波レーダー31A、31Bの検知範囲と重なっている。
図4に示すように、ミリ波レーダー31A、31Bと、ミリ波レーダー32Bのそれぞれがカバーする検知範囲を合わせることによって、ダンプトラック1の後方であって、平面視でダンプトラック1の排土方向から車幅方向に至る左右90度の範囲が検知範囲となり、この範囲に位置する障害物が検知可能である。したがって、ミリ波レーダー31A、31B、およびミリ波レーダー32Bにより広範囲にわたって障害物を検知することができる。
なお、本実施形態では、電波やレーザーを用いたセンサを使用していたが、本発明はこれに限られず、たとえば、CCDカメラやCMOSセンサ等を障害物や路肩の検出に用いてもよい。
【0024】
[5]移動機構40の構造
移動機構40は、図3に示すように、ロアークロスメンバ6Dの下面にアーム40Aを介して取り付けられている。
具体的には、図5から図7に、移動機構40の構造が示されており、図5は、第2センサユニット32が取り付けられた状態の斜視図であり、図6および図7は、分解斜視図である。なお、図5から図7は、ダンプトラック1を排土方向から見たときに、車幅方向の中心から左側に取り付けられる移動機構40を示している。車幅方向の中心から右側に取り付けられる移動機構40も同様な構造であり、右側の移動機構40についての説明は省略する。
【0025】
移動機構40は、第2センサユニット32を、タイヤ4の排土側端部から突出させた第1位置、およびタイヤ4の排土側端部よりも内側(前方)の第2位置に移動可能とする機構である。
移動機構40は、第2センサユニット32をレール上で移動させることにより、第1位置および第2位置に移動可能としている。移動機構40は、図5に示すように、固定レール41、可動レール42、電動アクチュエータ43、固定レール側係合部44、可動レール側係合部45、および付勢部46(図7参照)を備える。
【0026】
第1レールとしての固定レール41は、図5および図6に示すように、断面台形状をなし、上面が開口された鋼製の箱状体のレール本体411と、レール本体411の箱状の開口面を塞ぐ鋼製のプレート412とを備える。プレート412の幅方向端部は、レール本体411の幅方向端部から突出し、フランジ部413を形成している。
第2レールとしての可動レール42は、断面矩形状をなし、下面が開口された鋼製の箱状体のレール本体421と、開口面を塞ぐ鋼製のプレート422を備える。プレート422の幅方向端部は、レール本体421の幅方向端部から突出し、フランジ部423を形成している。
【0027】
固定レール41の上面前方には、電動アクチュエータ43が設けられている。電動アクチュエータ43は、電気を駆動源としてピストンを進退させ、ピストンの進退により可動レール42を第1位置および第2位置に移動可能とする。なお、本実施形態では、電動アクチュエータ43を使用しているが、これに限らず、ダンプトラック1の油圧回路中の油圧を用いた油圧アクチュエータを駆動源として採用してもよい。
固定レール41および可動レール42は、それぞれのフランジ部413、423が形成された面が対向するように配置され、固定レール側係合部44および可動レール側係合部45は、固定レール41および可動レール42を、所定の間隔を保持して配置する間隔保持部として機能する。
【0028】
固定レール側係合部44は、固定レール41に固定され、可動レール42の上下方向および左右方向の移動を規制する。
固定レール側係合部44は、ベースプレート441、下側ローラ442、上側ローラ443、およびサイドローラ444を備える。
ベースプレート441は、固定レール41の左右の両側面を挟み込むように設けられる一対の鋼製板状体から構成され、それぞれのベースプレート441の下部が固定レール41のレール本体411の側面にボルトにより固定されている。
【0029】
下側ローラ442および上側ローラ443は、それぞれのベースプレート441の内側側面に、固定レール41の幅方向に平行な軸を回転軸として回転可能に取り付けられ、可動レール42のフランジ部を上下で挟み込むように保持する。
サイドローラ444は、それぞれのベースプレート441にブラケットを介して、垂直方向を回転軸として回転可能に取り付けられ、可動レール42のフランジ部の幅方向の端面を両側から挟み込む。
【0030】
可動レール側係合部45も固定レール側係合部44と同様の構造とされ、ベースプレート451、上側ローラ452、下側ローラ453、およびサイドローラ454を備える。
ベースプレート451は、可動レール42の左右の両側面を挟み込むように設けられる一対の鋼製板状体から構成され、それぞれのベースプレート451の下部が可動レール42のレール本体421の側面にボルトにより固定されている。
【0031】
上側ローラ452および下側ローラ453は、それぞれのベースプレート451の内側側面に、可動レール42の幅方向に平行な軸を回転軸として回転可能に取り付けられ、固定レール41のフランジ部を上下で挟み込むように保持する。
サイドローラ454は、それぞれのベースプレート451にブラケットを介して、垂直方向を回転軸として回転可能に取り付けられ、固定レール41のフランジ部の幅方向の端面を両側から挟み込む。
【0032】
図7に、前方からみた移動機構40の構造を示す斜視図を示す。図7に示すように、固定レール41のプレート412の上面には、固定レール側係合部44の後方に付勢部46が設けられている。付勢部46は、可動レール42が後方に突出すると、可動レール42の下面を付勢する部材であり、トーションバー461、第1バー固定部462、および第2バー固定部463を備える。
トーションバー461は、クランク状に折り曲げられた中実の鋼製棒状体から構成される。クランクの中央部461aは、固定レール41のプレート412の上面に配置され、第1バー固定部462に挿入され、プレート412上を移動することを規制されている。
【0033】
クランクの一方の端部461bは、プレート412の法線方向下方に折り曲げられ、固定レール41のレール本体411の側面に取り付けられる第2バー固定部463に挿入されて固定される。
クランクの他方の端部461cは、一方の端部と同様にL字状に折り曲げられるが、先端に向かうにしたがって、プレート412の面から次第に離間する斜め上方に傾斜して折り曲げられている。
【0034】
可動レール42が固定レール41上に装着された際、電動アクチュエータ43を駆動して、可動レール42を後方に突出させると、トーションバー461の斜め上方の先端部461dが可動レール42を下面側から、すなわち離間方向に可動レール42を付勢する。そのときの付勢力は、突出量が増加しても所定の力で可動レール42を下面から上方に押し上げる。つまり、可動レール42が後方に突出し、トーションバー461と接触すると、トーションバー461の先端部461dに下方方向の力が与えられ、トーションバー461には、元の形状に戻ろうとする弾性力(付勢力)が発生し、可動レール42を下方から上方に付勢する。
これにより、可動レール42が後方に突出されても、付勢部46の下方から押し上げる付勢力が可動レール42に作用しながら、可動レール42は突出する。したがって、可動レール42が後方に突出しても、タイヤ4からの振動等が第2センサユニット32に作用しても、がたつきが生じることを防止することができ、安定して障害物の検出を行うことができる。
【0035】
なお、本実施形態では、上下に配置された固定レール41および可動レール42を移動させていたが、本発明はこれに限られない。たとえば、固定レールを内側筒状体により構成し、可動レールを外側筒状体として構成し、固定レールを可動レールの内部に収容し、可動レールに第2センサユニット32を取り付けて、第2センサユニット32を第1位置および第2位置に移動可能とするように構成してもよい。
【0036】
[6]移動指示手段50の構造
前述した移動機構40は、外部となる制御装置9内のコントローラ9Aの移動指示手段50の指示によって、駆動する。
制御装置9のコントローラ9Aは、図8に示すように、移動指示手段50を備え、移動指示手段50は、排土場判定部51、車止め判定部52、および駆動指令出力部53を備える。
【0037】
排土場判定部51は、位置情報取得装置としてのGPSユニット9Bにより取得されたダンプトラック1の現在位置における緯度情報、経度情報と、図示しない記憶装置に記憶された地図情報とに基づいて、ダンプトラック1が、積載物を排土する鉱山等の排土場に位置するか否かを判定する。なお、GPSユニット9Bは、GPSアンテナで、複数のGPS衛星からの電波を受信することにより、ダンプトラック1の緯度情報、経度情報を取得する位置情報取得装置として機能する。
【0038】
車止め判定部52は、第2センサユニット32のミリ波レーダー32Bにより車止めの有無を検出し、近傍に車止めが存在するか否かを判定する。
駆動指令出力部53は、排土場判定部51により、ダンプトラック1が排土場に位置すると判定されたか、車止め判定部52により、近傍に車止めが存在すると判定された場合、第2センサユニット32を格納する方向に駆動させる駆動指令を、電動アクチュエータ43に出力する。
【0039】
排土場判定部51、車止め判定部52において、いずれでもないと判定された場合は、第2センサユニット32を突出させる方向に駆動させる駆動指令を、電動アクチュエータ43に出力する。なお、移動機構40が同期して動作可能とするように、左右の電動アクチュエータ43を同期させて同時に駆動させ、左右の第2センサユニット32の突出あるいは収容の動作を同期させた移動ができるようにしてもよい。あるいは、左右の電動アクチュエータ43を独立して駆動させ、一方の第2センサユニット32の突出方向に、車止めが存在しないと判定したら、当該一方の電動アクチュエータ43は駆動させず、他方の電動アクチュエータ43のみを駆動させ、他方の第2センサユニット32のみを収納することができるようにしてもよい。
【0040】
[7]実施形態の効果
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
移動機構40を備えていることにより、図9に示すように、第2センサユニット32をタイヤ5の内側、すなわち、タイヤ5の排土側端部TEよりも前方に格納することができる。したがって、ダンプトラック1の排土時、第2センサユニット32を格納してタイヤ5の排土側端部TEを先に車止めKDに当接させることができ、第2センサユニット32の破損を防止することができる。
【0041】
また、排土方向への走行時には、第2センサユニット32をタイヤ5の排土側端部TEから突出させることにより、複数のミリ波レーダー31A、31B、32B、複数のレーザースキャンレーダー32Aによって広範囲に障害物や路肩を検知することができる。したがって、視野を広くして、障害物の検出精度を確保するとともに検出機能を維持することができる。
移動機構40が、第2センサユニット32をダンプトラック1の前後方向に直線的に移動させることができるため、第2センサユニット32の格納動作中であっても、第2センサユニット32の検知範囲が変わることがなく、障害物の検出機能を維持することができる。
【0042】
ダンプトラック1が移動指示手段50を備えていることにより、現在位置情報、車止めの検出によって、移動指示手段50が、移動機構40の駆動を指示するので、ダンプトラック1の操縦者、この場合は、遠隔で操縦する操縦者が意識しなくても、第2センサユニット32の破損を未然に防止することができる。
移動機構40が、電動アクチュエータ43を備え、可動レール42を駆動させているので、小型化が容易であり、狭いスペースでも第2センサユニット32を格納することができる。
【0043】
[8]第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
前述した第1実施形態では、移動機構40によって平行移動させることにより、第2センサユニット32が、タイヤ5の排土側端部から突出させた第1位置や、タイヤ5の内側となる第2位置に移動可能としていた。
【0044】
これに対して、本実施形態の障害物検出センサ60は、図10に示すように、ダンプトラック1の背面側の下方位置に設けられている。障害物検出センサ60は、第1センサユニット61および第2センサユニット62から構成されている。
第1センサユニット61は、フレーム6に固定されるバンパー6E上に設けられ、固定されている。
【0045】
第1センサユニット61は、シャーシ2の後方側面が、多角形形状に形成され、車幅方向に沿った側面611、右後方を法線方向とする側面612、および左後方を法線方向とする側面613を備える。各側面611、612、613には、遠方の障害物を検出するミリ波レーダー61Aがそれぞれ設けられ、車幅方向に沿った側面611には、さらに近接の障害物を検出するショートレンジレーダー61Bが設けられている。
【0046】
複数のセンサが設けられた第2センサユニット62は、フレーム6の下面に移動可能に設けられている。第2センサユニット62は、シャーシ2の後方側が−Z軸方向から見た底面視で多角形状に形成される。第2センサユニット62は、車幅方向に沿った車幅方向側面621、車幅方向側面621に対して第1の角度をなす左後方を法線方向とする側面622、車幅方向側面621に対して第2の角度をなす左後方を法線方向とする側面623、車幅方向側面621に対して第1の角度をなす右後方を法線方向とする側面624、および車幅方向側面621に対して第2の角度をなす右後方を法線方向とする側面625を備える。
車幅方向側面621に対して第1の角度をなす側面622、624には、遠方の障害物を検出するレーザースキャンレーダー61Cが設けられ、車幅方向側面621に対して第2の角度をなす側面623、625には、近接の障害物を検出するショートレンジレーダー61Bが設けられている。
【0047】
第2センサユニット62は、図11に示すように、フレーム6の下面に移動機構63Aにより移動可能に設けられている。
第2センサユニット62は、走行時にタイヤ5の排土側端部TEよりも後方側に突出し、シャーシ2の後方の障害物を精度よく検出できるようになっている。
このため、土砂等の積載物を排土する際、タイヤ5を車止め等に当接させて排土しようとしても、第2センサユニット62が先に車止めに当たってしまい、第2センサユニット62が破損してしまう可能性がある。
【0048】
そこで、本実施形態では、図12および図13に示すように、第2センサユニット62を移動機構63Aによって格納機構63Bを回動させ、土砂等の積載物の排土時にフレーム6の内側、タイヤ5の排土側端部TEよりも前方側に移動させることとした。
格納機構63Bは、アーム64、第1ストッパ66、および第2ストッパ67を備える。
アーム64は、中央部が曲折した角形鋼管から構成され、フレーム6の車幅方向の一端部であるロアーサイドメンバ6Bに取り付けられる基端部64Aと、基端部64Aの先端から折れ曲がる曲折部64Bと、曲折部64Bの先端から前方側に斜めに突出する係合部64Cとを備える
【0049】
基端部64Aは、フレーム6の端部から所定寸法オフセットしたロアーサイドメンバ6Bの回動点Oに回動自在に取り付けられている。
曲折部64Bは、基端部64Aに対して鈍角で曲折し、図12に示すように、第2センサユニット62を後方側に突出させた状態で、第2センサユニット62を車幅方向に沿った位置に配置する。
係合部64Cは、曲折部64Bの先端から鈍角で突出し、第1ストッパ66および第2ストッパ67と係合する。
【0050】
移動機構63Aとしてのアクチュエータ65は、基端がロアーサイドメンバ6Bに回動自在に設けられ、先端がアーム64の基端部64Aの先端に回動自在に接続されている。
アクチュエータ65は、内部に収容された図示しない電動モータを駆動するラックアンドピニオン形式のアクチュエータであり、電動モータへの電力は、ケーブル65Aから供給される。アクチュエータ65は、電動モータが駆動すると、ピニオンが回転し、これによりラックが伸縮することで、伸縮し、アクチュエータ65の伸縮に伴い、アーム64が回動する。なお、本実施形態では、電動モータ型のアクチュエータを用いているが、これに限らず、第1実施形態と同様に、ダンプトラック1の作動油を供給した油圧シリンダをアクチュエータとしてもよい。
【0051】
第1ストッパ66は、図13に示すように、第2センサユニット62がタイヤ5から突出する方向に、アーム64が回動した際、回動範囲の終端近傍に設けられ、バンパー6Eの下面にブラケット66Aを介して取り付けられている。第1ストッパ66は、鋼製片から構成され、第1ストッパ66の側面中央には、断面V字状の凹部66Bが形成されている。なお、図示を略したが、凹部66Bの内周面には、ゴムシートが貼られている。
第2ストッパ67は、第2センサユニット62をタイヤ5の前方に格納する方向に、アーム64が回動した際、回動範囲の終端近傍に設けられ、フレーム6のロアークロスメンバ6Dに、ブラケット67Aを介して取り付けられている。第2ストッパ67も第1ストッパ66と同様に、断面V字状の凹部67Bが形成され、凹部67Bの内面には、ゴムシートが貼られている。
このような構成の第1ストッパ66および第2ストッパ67は、回動端においてもアクチュエータ65の伸長または収縮による付勢力を作用させ、凹部67Bの内面のゴムの反発力を利用してアーム64の回動を規制している。
【0052】
アーム64の回動中は、第2センサユニット62は、片持ち状態で支持された状態となるが、第2センサユニット62が突出した状態や、完全に格納された状態では、係合部64Cが第1ストッパ66および第2ストッパ67と係合するので、第2センサユニット62を両端で支持する構造となるため、第2センサユニット62は、フレーム6にしっかり固定されることとなる。
【0053】
移動機構63Aおよび格納機構63Bによって、第2センサユニット62をフレーム6内に格納した状態では、図14に示されるように、右側のショートレンジレーダー61Bおよびレーザースキャンレーダー61Cはタイヤ5の側面を向いてしまい、使用できないが、左側のショートレンジレーダー61Bおよびレーザースキャンレーダー61Cは、シャーシ2の後方を向くこととなり、遠方の障害物、および近接の障害物が検出可能となる。
【0054】
このような本実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果に加え、以下のような効果がある。
移動機構63Aが、アクチュエータ65を備え、格納機構63Bが、アーム64、第1ストッパ66、および第2ストッパ67を備えて構成されているので、小型化が容易であり、狭いスペースでも第2センサユニット62を格納することができる。
第2センサユニット62が平面視で多角形状に形成され、複数の側面にショートレンジレーダー61B、レーザースキャンレーダー61Cを設けているので、第2センサユニット62が格納された状態であっても、シャーシ2の後方を向くショートレンジレーダー61B、レーザースキャンレーダー61Cによって、シャーシ2の後方の障害物を検出することができ、障害物を確実に回避することができる。
【0055】
[9]第3実施形態
前述した第2実施形態では、格納機構63Bは、第2センサユニット62を、回動点Oを中心として回動させることにより、タイヤ5の排土側端部TEよりも前方側に格納していた。
図15は、本実施形態における移動機構70Aおよび格納機構70Bが、第2センサユニット62をタイヤ5の排土側端部TEよりも前方側により格納させた状態を示している。本実施形態では、図15に示されるように、移動機構70Aおよび格納機構70Bが、第2センサユニット62を、フレーム6の走行方向に沿って直線的に移動させることにより、第2センサユニット62をタイヤ5の排土側端部TEよりも後方側により突出させ、あるいは、第2センサユニット62をタイヤ5の排土側端部TEよりも前方側に格納することが可能な点が第2実施形態と相違する。
【0056】
移動機構70Aは、アクチュエータ73を備える。格納機構70Bは、フレーム6のロアーサイドメンバ6Bに設けられるレール71と、レール71とスライド可能に係合し、第2センサユニット62を支持する支持部材72とを備える。
一対のレール71は、車幅方向に対向配置される一対のロアーサイドメンバ6Bのそれぞれの下面に固定されている。
【0057】
支持部材72は、一対のレール71のそれぞれに係合する一対の係合部72Aと、一対の係合部72A間に架設され、第2センサユニット62が取り付けられる架設部材72Bとを備える。
アクチュエータ73は、第2実施形態と同様に、電動モータ式のアクチュエータであり、基端がロアーサイドメンバ6Bの下面に固定され、先端が支持部材72に固定され、アクチュエータ73を駆動させると、先端が伸縮し、これに伴い支持部材72が、レール71上を摺動しながら移動する。
このような本実施形態によっても、前述した実施形態と同様の作用および効果を享受することができる。特に、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、排土あるいは走行の際、第2センサユニット62を格納あるいは突出させるにあたり、第2センサユニット62が直線的に移動するため、その移動中であっても障害物の検出機能を維持することができる。
【0058】
[10]実施形態の変形
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、前記第2実施形態では、移動機構63Aおよび格納機構63Bは、アーム64を水平方向に回動することにより第2センサユニット62を格納し、前記第3実施形態では、移動機構70Aおよび格納機構70Bは、レール71上を支持部材72が摺動しながら移動することにより第2センサユニット32を格納していたが、本発明はこれに限られない。
【0059】
すなわち、図16の模式図に示されるように、第2センサユニット62の側面を、水平方向を軸として回動可能なアーム81で支持し、第2センサユニット62の前端に引張部材82を取り付け、アクチュエータ83を伸長させることにより、第2センサユニット32を格納する移動機構80Aおよび格納機構80Bを採用してもよい。
また、前記の第1実施形態から第3実施形態では、障害物検出センサのうち、第2センサユニットのみを移動機構や格納機構により格納していたが、これに限らず、障害物検出センサを一体化し、障害物検出センサをすべて移動機構により格納してもよい。
その他、本発明の具体的な構造および形状は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…ダンプトラック、2…シャーシ、3…ダンプボディ、4…タイヤ、5…タイヤ、6…フレーム、6A…アッパーサイドメンバ、6B…ロアーサイドメンバ、6C…バーチカルメンバ、6D…ロアークロスメンバ、6E…バンパー、7…エンジン、8…ラジエータ、9…制御装置、9A…コントローラ、9B…GPSユニット、10…ホイストシリンダ、12…ヒンジ、13…側板部、14…底面部、15…第1傾斜面部、16…第2傾斜面部、17…前面部、18…突出部、30…障害物検出センサ、31…第1センサユニット、31A…ミリ波レーダー、31B…ミリ波レーダー、32…第2センサユニット、32A…レーザースキャンレーダー、32B…ミリ波レーダー、40…移動機構、40A…アーム、41…固定レール、42…可動レール、43…電動アクチュエータ、44…固定レール側係合部、45…可動レール側係合部、46…付勢部、50…移動指示手段、51…排土場判定部、52…車止め判定部、53…駆動指令出力部、60…障害物検出センサ、61…第1センサユニット、61A…ミリ波レーダー、61B…ショートレンジレーダー、61C…レーザースキャンレーダー、62…第2センサユニット、63A…移動機構、63B…格納機構、64…アーム、64A…基端部、64B…曲折部、64C…係合部、65…アクチュエータ、65A…ケーブル、66…第1ストッパ、66A…ブラケット、66B…凹部、67…第2ストッパ、67A…ブラケット、67B…凹部、70A…移動機構、70B…格納機構、71…レール、72…支持部材、72A…係合部、72B…架設部材、73…アクチュエータ、80A…移動機構、80B…格納機構、81…アーム、82…引張部材、83…アクチュエータ、411…レール本体、412…プレート、413…フランジ部、421…レール本体、422…プレート、423…フランジ部、441…ベースプレート、442…下側ローラ、443…上側ローラ、444…サイドローラ、451…ベースプレート、452…上側ローラ、453…下側ローラ、454…サイドローラ、461…トーションバー、461a…クランクの中央部、461b…クランクの一方の端部、461c…クランクの他方の端部、462…第1バー固定部、463…第2バー固定部、611…側面、612…側面、613…側面、621…車幅方向側面、622…側面、623…側面、624…側面、625…側面、KD…車止め、O…回動点、TE…排土側端部、W…ホイールベース。
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
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図16