【実施例】
【0061】
次に、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、
11の参考例1〜11および、4の実施例12〜15の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20と、9の
参考比較例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120とを作成した。また、
参考例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20及び
参考比較例1〜8の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120では、羽根部材20の羽根部材本体21を形成する液状のポリウレタン原料組成物として、ポリエーテル系ウレタンプレポリマー100質量部に、可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP)20質量部を配合し、60℃で攪拌混合した液状原料と、硬化剤として3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)10質量部を120℃で溶解した液状原料とを、攪拌混合したポリウレタン原料組成物を用いた。
参考例10、11、
実施例12の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20では、
参考例1の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20で用いた可塑剤の配合量が20質量部であるポリウレタン原料組成物に対して、可塑剤の配合量が10、5、0質量部であるポリウレタン原料組成物を用いた。実施例13、14、15の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20では、それぞれ、
参考例2、3、5の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20で用いた可塑剤の配合量が20質量部であるポリウレタン原料組成物に対して、可塑剤の配合量を含まない(0質量部)ポリウレタン原料組成物を用いた。
参考例9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120では、水素化ニトリルゴム(H-NBR)100重量部に、硫黄0.5重量部、可塑剤としてジオクチフルタレート(DOP)20質量部、及び加硫促進剤を添加してゴム練りした未加硫ゴムシートを用いた。
参考例、実施例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20と、
参考比較例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120は、芯線25の材質及び繊度、隣り合う芯線同士の間隔を変量した点を除いて、上記実施形態の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20と同じ構成である。
【0062】
また、
参考例、実施例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20及び
参考比較例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120は、二重円筒金型からなる円筒金型で製造した。
参考例、実施例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20及び
参考比較例1〜8の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120の製造工程は、以下の通りである。(1)内側円筒金型の外周面に芯線25を、隣接する芯線25との間隔が所定の間隔となるように、螺旋状に巻き付けた。隣接する芯線25の間隔を、芯線の周期とした。(2)内側円筒金型を外側円筒金型に挿入配置した。(3)金型のキャビティにポリウレタン原料組成物を注型し、115℃で25分熱硬化させた。(4)金型から脱型後、70℃で12時間エージング処理して、円筒状の羽根部材前駆体を得た。(5)円筒状の羽根部材前駆体を、芯線25に沿った方向で、3mm幅でカットした。そして、それをさらに、芯線25に直交する方向で、20mmの長さにカットして、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材を得た。(6)ポリアセタール製の円筒部材10に得られた羽根部材20、120を取り付けて紙葉類搬送用羽根車1とした。
尚、
参考比較例9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120の製造工程は、上記(1)〜(6)の工程の内の(2)〜(4)の工程を以下の工程に替えたものである。(2a)芯線の上に、未加硫ゴムシートを巻きつけた後、外側円筒金型を配置する加硫装置の円筒型ジャケット内部に配置した。(3a)加硫缶に投入して加硫装置にて加圧、加熱して加硫を行い、円筒状の羽根部材前駆体を成形した。(4a)金型から脱型後、円筒状の羽根部材前駆体を得た。
【0063】
参考例、実施例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20及び
参考比較例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120の芯線25の材質及び繊度を、以下の通り、変更させた。
参考例、実施例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20の材質及び繊度を表1にまとめた。
参考比較例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120の芯線25の材質及び繊度を表2にまとめた。
参考例1、4、5、8〜
11、実施例12、15、
参考比較例9:ポリエステル繊維(PET,60番手,150デニール)
参考例2、
実施例13:ポリエステル繊維(PET,90番手,100デニール)
参考例3、
実施例14:ポリエステル繊維(PET,40番手,300デニール)
参考例6:ポリエステル繊維(PET,100番手,90デニール)
参考例7:ポリエステル繊維(PET,30番手,450デニール)
参考比較例1:ナイロン繊維(66ナイロン,60番手,150デニール)
参考比較例2:ナイロン繊維(66ナイロン,50番手,210デニール)
参考比較例3:ナイロン繊維(66ナイロン,40番手,300デニール)
参考比較例4:アラミド繊維(66ナイロン,30番手,450デニール)
参考比較例5:アラミド繊維(パラ系アラミド,60番手,150デニール)
参考比較例6、8:アラミド繊維(パラ系アラミド,45番手,200デニール)
参考比較例7:アラミド繊維(パラ系アラミド,30番手,450デニール)
【0064】
参考例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20及び
参考比較例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120の芯線25の周期を、以下の通り、変更させた。
参考例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20の芯線25の周期を表1にまとめた。
参考比較例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120の芯線25の周期を表2にまとめた。尚、芯線25の周期とは、上述のとおり、隣り合う芯線25の間隔である。
参考例1〜3、6、
参考比較例1〜3、5、6、9:0.3mm
参考例4:0.25mm
参考例5、7、
参考比較例4、7:0.5mm
参考例8、
参考比較例8:0.2mm
参考例9:0.7mm
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
表1、2に示すように、
参考例1〜9は、本体の材質と芯線の材質の組み合わせが、「ポリウレタン+ポリエステル」の組み合わせである。
参考比較例1〜4は、本体の材質と芯線の材質の組み合わせが、「ポリウレタン+ナイロン」の組み合わせである。
参考比較例5〜8は、本体の材質と芯線の材質の組み合わせが、「ポリウレタン+アラミド」の組み合わせである。
参考比較例9は、本体の材質と芯線の材質の組み合わせが、「水素化ニトリルゴム+ポリエステル」である。
【0068】
そして、
参考例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20及び
参考比較例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120に対して、屈曲耐久性試験及び復元性試験を行った。
【0069】
屈曲耐久性試験は、
参考例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20及び
参考比較例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120に対して行った。屈曲耐久性試験では、
図4に示すような試験装置30を用いた。屈曲耐久性試験の試験装置30は、バー33を介して、モータ31とステンレス鋼板のスライドベース32が接続されている。屈曲耐久性試験の試験装置30は、モータ31の回転により、バー33に取り付けられたスライドベース32が
図4(a)及び
図4(b)の矢印方向の順番に往復運動するように構成されている。そして、固定部材35に
参考例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20及び
参考比較例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120が取り付けられる。
参考例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20及び
参考比較例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120は、スライドベース32に接触して、スライドベース32の往復運動により
図4(a)及び
図4(b)の矢印方向の順に屈曲するように取り付けられる。この試験装置30を使用して、
参考例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20及び
参考比較例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120に対して、1往復を1屈曲として、300屈曲/分のスピードで往復運動を行った。そして、約7万回屈曲時、及び、約170万回屈曲後の
参考例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20及び
参考比較例の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120の破損、塑性変形の有無を判定した。
【0070】
参考例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20の屈曲耐久性試験の試験結果を表1に示す。
参考比較例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120の屈曲耐久性試験の試験結果を表2に示す。尚、屈曲耐久性試験において、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の長さの減少の比率、および、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の塑性変形の状態が屈曲または屈折に基づいて、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の塑性変形の有無を判定した。屈曲耐久性試験では、屈曲耐久性試験前の円筒部材10の回転軸11の軸方向Gと直交する径方向における円筒部材10の中心から羽根部材20の先端までの長さL11と、屈曲耐久性試験後の円筒部材10の回転軸11の軸方向と直交する径方向における円筒部材10の中心から羽根部材20の先端までの見かけ長さL12を計測する。そして、L11とL12の長さの差の比率を羽根部材の長さの減少の比率として測定した。そして、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の長さの減少がない場合は、塑性変形は無と判定した。紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の長さの減少が2%未満であり、塑性変形の状態が屈曲である場合は、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の塑性変形の程度をAと判定した。紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の長さの減少が2%未満であり、塑性変形の状態が屈折である場合は、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の塑性変形の程度をBと判定した。紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の長さの減少が2%以上であり、塑性変形の状態が屈曲または屈折である場合は、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の塑性変形の程度をCと判定した。そして、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の屈曲耐久性に対する総合評価を次のように判定した。紙葉類搬送用羽根車の羽根部材が破損および塑性変形していない場合は、◎とした。紙葉類搬送用羽根車の羽根部材が破損していないが、僅かに塑性変形がある場合は、○とした。紙葉類搬送用羽根車の羽根部材が破損しているが、実用上使用に問題ない程度である場合は、△とした。紙葉類搬送用羽根車の羽根部材が破損しており、実用上使用できない破損である場合は、×とした。
【0071】
表1、2に示す通り、本体の材質と芯線の材質の組み合わせが、「ポリウレタン+ポリエステル」の組み合わせである
参考例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20は、総合評価が◎、○、△であった。また、本体の材質と芯線の材質の組み合わせが、「ポリウレタン+ポリエステル」以外の組み合わせである
参考比較例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120は、総合評価が×であった。つまり、本体の材質と芯線の材質の組み合わせが、「ポリウレタン+ポリエステル」の組み合わせである
参考例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20は、その他の組み合わせである
参考比較例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材120と比較して、屈曲耐久性に優れることが確認できた。
【0072】
また、
参考例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20の中で、芯線の繊度を変量して優劣を比較した。芯線の繊度を変量した
参考例1、2、3、6、7の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20を比べると、繊度が100〜300デニールの範囲にある
参考例1、2、3の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20の総合評価が◎か○であり、
参考例6、7の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20より屈曲耐久性に優れていることが確認できた。
参考例6の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20は、芯線が繊度90デニールで極細となるため、羽根部材20の剛性を保てず、破損しやすくなり、若干の先端割れが生じたものと考えられる。
参考例7の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20は、芯線が繊度450デニールで太いため、屈曲時の芯線内部の変形力が大きく芯線の座屈が生じたものと考えられる。尚、
参考例7の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20は、芯線が太く、芯線を0.3mm周期で配置できないため、芯線を0.5mm周期とした。つまり、羽根部材の芯線の繊度を小さくすると、さらに破損、塑性変形が抑制されることが確認できた。
【0073】
また、
参考例1〜9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20の中で、芯線の周期を変量して優劣を比較した。芯線の周期を変量した
参考例1、4、5、8、9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20を比べると、周期が0.25〜0.50mmの範囲にある
参考例1、4、5の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20の総合評価が◎か○であり、
参考例8、9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20より屈曲耐久性に優れていることが確認できた。
参考例8の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20は、芯線の周期が0.2mmと密になり、羽根部材の屈曲性が低減したため、芯線の座屈が生じたものと考えられる。
参考例9の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20は、芯線の周期が0.7mmと広がったため、羽根部材の剛性を保てず、破損しやすくなり、若干の先端割れが生じたものと考えられる。つまり、羽根部材の芯線の周期を小さくすると、さらに破損、塑性変形が抑制されることが確認できた。
【0074】
復元性試験では、可塑剤の添加量を変量して、復元性の違いを確認した。復元性試験は、
参考例1、2、3、5、10
、11、実施例12〜15それぞれの紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20に対して行った。復元性試験では、
図5(a)に示すような試験装置40を用いた。復元性試験の試験装置40は、モータ(図示せず)を有するように構成されている。復元性試験の試験装置40は、モータに回転可能に取り付けられた円筒部材10に、
参考例1及び
参考例3の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20が4枚装着される。復元性試験では、
参考例1、2、3、5、10
、11、実施例12〜15それぞれの紙葉類搬送用羽根車1を1000rpmで回転させ、
参考例1、2、3、5、10
、11、実施例12〜15それぞれの紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20を普通紙41に連続して接触させた。
図5(b)は、復元性試験前の羽根部材20の形状を示す模式図であり、
図5(c)は、復元性試験後の羽根部材20の形状を示す模式図である。復元性試験では、復元性試験前の円筒部材10の回転軸11の軸方向Gと直交する径方向における円筒部材10の中心から羽根部材20の先端までの長さL1と、復元性試験後の円筒部材10の回転軸11の軸方向と直交する径方向における円筒部材10の中心から羽根部材20の先端までの見かけ長さL2を計測する。そして、L1とL2の長さの差の比率を羽根部材の先端の減少率(以下、「羽根部材先端減少率」と称する)として測定した。
参考例1、2、3、5、10
、11、実施例12〜15についてそれぞれ行った復元性試験での羽根部材先端減少率を表3に示す。尚、表3では、屈曲耐久性試験および復元性試験の試験結果を示している。
【0075】
【表3】
【0076】
また、
参考例1および実施例12の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20についての復元性試験の試験結果を
図6に示す。ここで、
図6に示すパス数とは、羽根部材20が普通紙に接触する回数である。
図6では、羽根部材4枚の平均値を羽根部材先端減少率としてプロットした。
図6に示す通り、パス数が増すに従い、羽根部材先端減少率は大きくなっていく。これは、羽根部材20の先端の摩耗により、最初まっすぐであった羽根部材20が一方向に曲がってアーチ状に塑性変形(屈曲変形)し、その屈曲変形が徐々に大きくなっていくことからである。ここで、復元力の向上とは、屈曲変形した後に元のまっすぐな形状に戻ろうとする力が大きくなることである。つまり、復元性試験前と試験後の羽根部材20の長さの差が小さくなることである。よって、
図6に示す復元性試験の試験結果から、実施例12の可塑剤を添加していない羽根部材20の方が、
参考例1の可塑剤を添加した羽根部材20の先端減少率が小さくなっていることが分かる。以上から、実施例12の可塑剤を添加していない羽根部材20の方が
参考例1の羽根部材20よりも復元力が向上したということが確認できた。
【0077】
表3に示すように、測定した各実施例の5000万回パス時の羽根部材先端減少率は、
参考例1の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20は2.3%であるのに対し、
参考例10の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20は1.9%、
参考例11の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20は1.7%、実施例12の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20は1.4%であった。これにより、可塑剤を減量するにつれ、先端減少率が低下し、屈曲耐久性を維持したまま、復元性が向上することがわかる。同様に、芯線の繊度や周期が異なる
参考例2、3、5の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20に対して、それぞれ可塑剤を含まない実施例13、14、15の紙葉類搬送用羽根車の羽根部材20を比較すると、いずれも先端減少率が低下し、復元性が向上することがわかる。
【0078】
以上から、本発明の
参考例及び
参考比較例によれば、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の羽根部材本体は、水素化ニトリルゴム(H-NBR)より熱硬化性ポリウレタンエラストマーの方が、塑性変形しにくく、屈曲耐久性を高めることができることが分かった。また、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材の羽根部材本体が熱硬化性ポリウレタンエラストマーからなる場合、以下のことがわかった。羽根部材の芯線は、ナイロン繊維やアラミド繊維ではなく、ポリエステル繊維であれば、屈曲耐久性を高めることができることがわかった。また、羽根部材の芯線の周期は、0.2mmまたは0.7mmより、0.25mm、0.3mmまたは0.5mmの方が、塑性変形しにくく、屈曲耐久性を高めることができることが分かった。更に、羽根部材の芯線の周期は、0.5mmより0.25mmまたは0.3mmの方が、塑性変形しにくく、屈曲耐久性を高めることができることが分かった。また、羽根部材の芯線の繊度は、90デニールまたは450デニールより、100デニール、150デニール、300デニールの方が、塑性変形しにくく、屈曲耐久性を高めることができることが分かった。更に、羽根部材の芯線の繊度は、100デニールまたは300デニールより、150デニールの方が、塑性変形しにくく、屈曲耐久性を高めることができることが分かった。また、羽根部材本体は、熱硬化性ポリウレタンエラストマーに可塑剤を含んでいてもよいが、その上限値は、熱硬化性ポリウレタンエラストマー100重量部に対して、20質量部が好ましいことがわかった。更に、羽根部材本体は、熱硬化性ポリウレタンエラストマーに可塑剤を含まない方が、復元力が向上することがわかった。
【0079】
従って、表1,2の参考例と参考比較例との対比により、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材は、羽根部材本体が可塑剤を20重量部含む熱硬化性ポリウレタンエラストマーであり、羽根部材の芯線がポリエステル繊維であれば、塑性変形を抑制して、屈曲耐久性を高めることができることがわかった。さらに、参考例1〜5と参考例6〜9との対比に、より屈曲耐久性を高めるためには、芯線の繊度が100〜300デニールの範囲(より好ましくは120〜180デニールの範囲)であり、芯線の周期が0.25〜0.50mmの範囲(より好ましくは0.25〜0.30mmの範囲)であればよいことがわかった。
つぎに、表3の参考例1(可塑剤20重量部)、参考例10(可塑剤10重量部)、参考例11(可塑剤5重量部)、実施例12(可塑剤含まず)のように可塑剤を減量するにつれ、屈曲耐久性を維持したまま、先端減少率が低下し、復元性が向上することがわかる。
結局、紙葉類搬送用羽根車の羽根部材は、羽根部材本体が可塑剤を含まない熱硬化性ポリウレタンエラストマーであり、羽根部材の芯線がポリエステル繊維であり、芯線の繊度が100〜300デニールの範囲であり、芯線の周期が0.25〜0.50mmの範囲であれば、優れた屈曲耐久性を維持したまま、復元性を最大値まで高めることができることがわかった。