特許第6969991号(P6969991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6969991
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】センサ出力回路およびセンサ装置
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0175 20060101AFI20211111BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20211111BHJP
   H03F 1/22 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H03K19/0175 220
   H04L25/02 W
   H04L25/02 S
   H03F1/22
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-229802(P2017-229802)
(22)【出願日】2017年11月30日
(65)【公開番号】特開2019-102903(P2019-102903A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2020年7月31日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松本 昌大
(72)【発明者】
【氏名】中野 洋
(72)【発明者】
【氏名】小田部 晃
【審査官】 渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−158629(JP,A)
【文献】 特開2014−158184(JP,A)
【文献】 特開2007−306042(JP,A)
【文献】 特開2006−129331(JP,A)
【文献】 特開2007−214605(JP,A)
【文献】 特開2005−236395(JP,A)
【文献】 特開昭62−147815(JP,A)
【文献】 米国特許第06369620(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/0175
H04L 25/02
H03F 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス信号を出力する出力端子を有するセンサ出力回路において、
定電流駆動される第1のMOSトランジスタと、
前記第1のMOSトランジスタと前記出力端子の間に設けられる第2のMOSトランジスタと、
前記第1のMOSトランジスタと第1のカレントミラー回路を構成する第3のMOSトランジスタと、
前記第2のMOSトランジスタと第2のカレントミラー回路を構成し、前記第2のMOSトランジスタのゲート電圧を発生させる第4のMOSトランジスタと、を備え、
前記第1のMOSトランジスタのソース端子は、グランドに接地され、
前記第1のMOSトランジスタのゲート端子は、前記第3のMOSトランジスタのゲート端子に接続され、
前記第2のMOSトランジスタのソース端子は、前記第1のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第2のMOSトランジスタのドレイン端子は、前記出力端子に接続され、
前記第2のMOSトランジスタのゲート端子は、前記第4のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、
前記第2のMOSトランジスタのドレイン‐ソース間の耐圧は、前記第1のMOSトランジスタのドレイン‐ソース間の耐圧よりも高く、
前記第1のカレントミラー回路のソース側と第1の定電流源の間には、該ソース側の電流を制御する第1のスイッチ回路が存在し、
前記第2のカレントミラー回路のソース側と第2の定電流源の間には、該ソース側の電流を制御する第2のスイッチ回路が存在するセンサ出力回路。
【請求項2】
パルス信号を出力する出力端子を有するセンサ出力回路において、
定電流駆動される第1のMOSトランジスタと、
前記第1のMOSトランジスタと前記出力端子の間に設けられる第2のMOSトランジスタと、
前記第1のMOSトランジスタとカレントミラー回路を構成する第3のMOSトランジスタと、
DA変換器と、を備え、
前記第1のMOSトランジスタのソース端子は、グランドに接地され、
前記第1のMOSトランジスタのゲート端子は、前記第3のMOSトランジスタのゲート端子に接続され、
前記第2のMOSトランジスタのソース端子は、前記第1のMOSトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第2のMOSトランジスタのドレイン端子は、前記出力端子に接続され、
前記第2のMOSトランジスタのゲート端子は、前記DA変換器に接続され、
前記第2のMOSトランジスタのドレイン‐ソース間の耐圧は、前記第1のMOSトランジスタのドレイン‐ソース間の耐圧よりも高く、
前記カレントミラー回路のソース側と定電流源の間には、該ソース側の電流を制御するスイッチ回路が存在するセンサ出力回路。
【請求項3】
前記第2のMOSトランジスタのゲート電圧を一定に保つことで、前記第1のMOSトランジスタのドレイン端子の電圧を定電圧に維持する請求項1または2に記載のセンサ出力回路。
【請求項4】
前記第1のMOSトランジスタのゲート端子と前記第2のMOSトランジスタのゲート端子の少なくとも一方にコンデンサが配置されている請求項1または2に記載のセンサ出力回路。
【請求項5】
前記出力端子のローレベルに振幅の小さい波形を重畳する請求項に記載のセンサ出力回路。
【請求項6】
請求項1乃至の何れか1項に記載のセンサ出力回路を備えるセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は出力信号ラインにパルス波形を出力するセンサ出力回路(センサ装置の出力回路)に係り、特に、出力信号ラインからの電波放射を低減できるセンサ出力回路に関する。
【背景技術】
【0002】
出力信号ラインにパルス波形を出力する出力回路のノイズの低減方法の例として、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1では、出力電流を定電流化し、かつ、差動信号化することでノイズの低減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−249975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では出力電流を定電流化し、かつ、差動信号化することでノイズの低減を図っている。また、特許文献1ではLSI内部の信号伝送を意図しているため、差動信号を用いることが可能である。差動信号はノイズ影響に対してもノイズ放射に対しても優れた効果を発揮する。しかし、センサ出力回路の様に出力信号ラインが数メートル以上あり、コスト制約が厳しい出力回路では差動信号を用いることが困難で、単線信号による信号伝送になる。この為、センサ出力回路では電波放射を押さえる為に出力電流の制限をより高精度に行う必要がある。つまり、上記従来技術では出力電流を高精度に制限することに対する配慮が欠けていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的は単線信号による信号伝送でも電波放射を低減するセンサ出力回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、パルス信号を出力する出力端子を設け、前記出力端子に第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタを直列に接続し、前記第1のMOSトランジスタは定電流で駆動し、前記第2のMOSトランジスタは前記第1のMOSトランジスタのドレイン端子を定電圧に維持するように働かせる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、単線信号による信号伝送でも電波放射を低減するセンサ出力回路を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施例のセンサ出力回路の構成
図2】MOSトランジスタ8の特性
図3】出力端子9の電圧電流特性
図4】出力端子9の動作波形
図5】第3の実施例のセンサ出力回路の構成
図6】第3の実施例における出力端子9の電流波形
図7】第4の実施例のセンサ出力回路の構成
図8】第5の実施例のセンサ出力回路の構成
図9】第5の実施例における出力端子9の電圧波形
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各実施例は、矛盾しない限り組み合わせ可能である。
【0010】
[第1の実施例]
まず,本発明の第1の実施例であるセンサ出力回路を図1から図4により説明する。なお,図1は第1の実施例のセンサ出力回路の構成、図2はMOSトランジスタ8の特性、図3は出力端子9の電圧電流特性、図4は出力端子9の動作波形である。
【0011】
本実施例のセンサ出力回路1は測定する物理量に応じて変化するパルス信号Vinと、パルス信号Vinに応じてオンオフ動作をするMOSトランジスタ3,5と、定電流を発生させる定電流源2と、MOSトランジスタ7のゲート電圧を発生させるMOSトランジスタ4と、カレントミラー回路を構成するMOSトランジスタ6,8と、MOSトランジスタ8のドレイン電圧を定電圧に維持するように働くMOSトランジスタ7と、直列接続されたMOSトランジスタ7,8により駆動される出力端子9から構成される。また、センサ出力回路1からの出力信号は出力信号ライン10を介して制御回路11へ伝えられる。制御回路11はプルアップ抵抗12と、コンデンサ14と、入力ゲート回路13より構成される。
【0012】
ここで、MOSトランジスタ8の特性は図2に示すように基本的には定電流駆動されるが、ドレイン端子電圧の増加と共にドレイン電流は増加する。特に、微細プロセスになるとドレイン電流の増加量は増える。近年、センサ出力回路の様なアナログ回路を主体にした回路においても、同一チップに集積化されるセンサ信号処理部のデジタル化に伴い、微細プロセス化が進んでいる。このドレイン電流が増加する特性は後述するように電波放射を増加させる。
【0013】
そこで、本実施例では、出力端子とMOSトランジスタ8の間に、MOSトランジスタ7を配置し、MOSトランジスタ8のドレイン電圧が一定になるようにした。MOSトランジスタ7のゲート電圧は、定電流源2の電流値とダイオード接続されたMOSトランジスタ4,6により決まり、ほぼ一定に保たれる。MOSトランジスタ7のソース電圧(MOSトランジスタ8のドレイン電圧)は、MOSトランジスタ7のゲート電圧からMOSトランジスタ7のしきい値だけ低い電圧に保たれる。このことにより、図3に示すように出力端子9の電圧の増加に伴う出力端子9の電流の増加を10分の1以下に低減できる。
【0014】
次に、図4によりセンサ出力回路1の動作を説明する。パルス信号Vinがハイレベルの時、MOSトランジスタ3はオフ状態、MOSトランジスタ5はオン状態になる。この結果、MOSトランジスタ7,8のゲート電圧は0Vになるので、MOSトランジスタ7,8はオフ状態になり、プルアップ抵抗12により出力端子9の電圧はハイレベルになる。次に、パルス信号Vinがローレベルの時、MOSトランジスタ3はオン状態、MOSトランジスタ5はオフ状態になるので、定電流源2からの電流がMOSトランジスタ4,6に流れる。この結果、MOSトランジスタ6、8で構成されるカレントミラー回路のソース側であるMOSトランジスタ6のドレイン電流に比例した電流がMOSトランジスタ8のドレインに流れるようになり定電流駆動される。ここで、図2に示した様にドレイン電圧の増加と共にドレイン電流が増加する傾向がある。本実施例におけるMOSトランジスタ7は飽和領域で動作するので、MOSトランジスタ8のドレイン電圧を一定にするように働き、図3に示すように出力端子9に一定値の電流が流れる。この電流はプルアップ抵抗12を介して流れるので出力端子の電圧はローレベルになる。
【0015】
この時、出力端子9に流れる電流はMOSトランジスタ7が無い場合、図4に示すように大きなヒゲ状の電流が生じるが、MOSトランジスタ7が有る場合、ヒゲ状の電流は生じない。図4に示すヒゲ状の電流は、図3に示す出力端子9の電圧と電流の特性に勾配があると生じてしまう。本実施例のように、MOSトランジスタ7を付加することで、この特性を改善することができるため、ヒゲ状の電流を抑制する事ができる。また、図4に示したヒゲ状の電流は高周波成分が多いので、出力信号ライン10にこの電流が流れると、電波放射が生じてしまう。しかし、本実施例によればヒゲ状の電流を無くすことができるので出力信号ライン10からの電波放射を低減することができる。
【0016】
また、本実施例ではMOSトランジスタ7を付加することで出力端子9の耐圧を向上させることができる。センサ出力回路1においては出力端子9に静電気や過電圧が印加されてもセンサ出力回路1が破壊されないようにする必要あり、出力端子9の耐圧を向上させる必要がある。
【0017】
以下、本実施例おいて出力端子9の耐圧が向上する理由を説明する。まず、パルス信号VinがハイレベルでMOSトランジスタ7,8がオフ状態の場合、出力端子9の耐圧はMOSトランジスタ7とMOSトランジスタ8のソース=ドレイン耐圧の和になる。つまり、MOSトランジスタ7を付加することで出力端子9の耐圧をMOSトランジスタ7のソース=ドレイン耐圧分だけ向上させることができる。
【0018】
次に、パルス信号VinがローレベルでMOSトランジスタ7,8がオン状態の場合、出力端子9の耐圧は出力端子9に流れる電流と出力端子9の電圧の積で決まる。従って、出力端子9の電流を出力端子9の電圧に依らず一定に保てる本実施例ではより高い電圧まで破壊を防ぐことができる。つまり、より高い耐圧を得ることができる。
【0019】
次に、第1の実施例への高耐圧MOSトランジスタの適用について説明する。
【0020】
微細プロセスで使用できる高耐圧MOSトランジスタは図2で示した微細プロセスのMOSトランジスタの特性よりも更にドレイン電流のドレイン電圧依存性が悪くなる。そこで、MOSトランジスタ7のみ高耐圧MOSトランジスタに変更することが有用である。まず、出力端子9の耐圧はMOSトランジスタ7とMOSトランジスタ8の耐圧の和で決まるので、少なくともMOSトランジスタ7を高耐圧MOSトランジスタに置き換えることでより高い耐圧を得ることができる。
【0021】
次に、第1の実施例に駆動方法について説明する。本実施例の回路構成はMOSトランジスタ4,6,7,8で構成されるカレントミラー回路と見なすことができ、このカレントミラー回路のソース側の電流をMOSトランジスタ3,5を用いて制御している。この様にカレントミラー回路のソース側の電流を制御することでMOSトランジスタ7のゲートを駆動する電圧の振幅を小さくすることが可能になる。MOSトランジスタ7のゲートを駆動する信号はMOSトランジスタ7のゲート=ドレイン間の容量を介して出力端子9に漏れ出て、出力信号ライン10からの電波放射を生じさせる。つまり、MOSトランジスタ4,6,7,8で構成されるカレントミラー回路のソース側の電流をMOSトランジスタ3,5を用いて制御することで、MOSトランジスタ7のゲート=ドレイン間の容量を介して出力端子9に漏れ出て出力信号ライン10から放射される電波を低減することができる。
【0022】
[第2の実施例]
本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例と同様の呼応性については説明を省略する。
【0023】
本実施例では、MOSトランジスタ8を低耐圧MOSトランジスタに、MOSトランジスタ7を高耐圧MOSトランジスタにする。MOSトランジスタ8のドレイン電流のドレイン電圧依存性を小さくし、MOSトランジスタ8のドレイン電圧をMOSトランジスタ7で一定に保つことができるので、出力端子9の電流の出力端子9の電圧依存性に関して、良好な特性を得ることができる。
【0024】
これは、MOSトランジスタのドレイン電流のドレイン電圧依存性が高耐圧MOSトランジスタに比べて低耐圧MOSの方が良好であること、MOSトランジスタ8のドレイン電圧を一定に保つMOSトランジスタ7の効果が高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタとで差が無いことから説明できる。また、チップサイズに関しても同じドレイン電流を流すための高耐圧MOSトランジスタのサイズは低耐圧MOSトランジスタが必要とするサイズに比べて大きくなる。このことから、MOSトランジスタ7を高耐圧MOSトランジスタにMOSトランジスタ8を低耐圧MOSトランジスタにした方がチップサイズを小さくできる。つまり、MOSトランジスタ8のドレイン‐ソース間の耐圧より、MOSトランジスタ7のドレイン‐ソース間の耐圧を高くすることで、出力端子9の耐圧を向上でき、出力端子9の電流の出力端子9の電圧依存性を小さくでき、チップサイズも小さくできる。
【0025】
[第3の実施例]
次に,本発明の第3の実施例であるセンサ出力回路を図5、6により説明する。なお,図5は第2の実施例のセンサ出力回路の構成、図6は出力端子9の電流波形である。
【0026】
本実施例のセンサ出力回路1は基本的には第1の実施例のセンサ出力回路1と同じであるが、コンデンサ15を付加した。コンデンサ15を付加することでMOSトランジスタ7、8のゲート電圧の変化は緩やかになる。これは定電流源2によってコンデンサ15を充電するので、このコンデンサ15の容量値と定電流源2の電流によって、MOSトランジスタ4,6を流れる電流の変化速度が遅くなる為である。この結果、図6に示すように出力端子9の電流変化が緩やかになる。そして、出力端子9の電流変化を緩やかにすることで図9に示す電流波形の高調波成分を減らすことができるので出力信号ライン10からの電波放射を低減することができる。
【0027】
[第4の実施例]
次に,本発明の第4の実施例であるセンサ出力回路を図7により説明する。なお,図7は第4の実施例のセンサ出力回路の構成である。
【0028】
本実施例のセンサ出力回路1は基本的には第1の実施例のセンサ出力回路1と同じであるが、MOSトランジスタ7とMOSトランジスタ8の駆動回路を別々に設けた。MOSトランジスタ7の駆動回路はパルス信号Vinに応じてオンオフ動作をするMOSトランジスタ17,18と、定電流を発生させる定電流源16と、MOSトランジスタ7のゲート電圧を発生させるMOSトランジスタ19から構成される。MOSトランジスタ8の駆動回路はパルス信号Vinに応じてオンオフ動作をするMOSトランジスタ21,22と、定電流を発生させる定電流源20と、MOSトランジスタ8とカレントミラー回路を構成するMOSトランジスタ23から構成される。
【0029】
第3の実施例の構成はMOSトランジスタ7のゲート電圧を第1の実施例に比べて低くできる。この為、出力端子9のローレベルをより低電圧にできる。
【0030】
[第5の実施例]
次に,本発明の第5の実施例であるセンサ出力回路を図8,9により説明する。なお,図8は第5の実施例のセンサ出力回路の構成、図9は出力端子9の電圧波形である。
【0031】
本実施例のセンサ出力回路1は基本的には第4の実施例のセンサ出力回路1と同じであるが、MOSトランジスタ7の駆動回路をDA変換器24に変更し、信号DinによりDA変換器24の出力電圧を制御してMOSトランジスタ7のゲート電圧を制御できるようにした。第3の実施例の構成ではMOSトランジスタ7のゲート電圧を制御できるようしたので出力端子9のローレベルを制御できる。この結果、図9に示すように出力信号のローレベルの信号を変化させて低振幅の波形を重畳できるようにした。
【0032】
図9に示すような電圧波形を単線信号ラインに印加した場合、高周波信号に関しては単線信号の電流に応じた電波が放出されるが、低周波信号に関しては電圧に応じた電波が放出される。この低周波の電波放射の周波数成分は図4に示した電圧波形の周波数成分と概ね一致する。ここで、図4に示した電圧波形の高調波成分を打ち消すために図9に示すようにローレベルに振幅の小さい波形を重畳させた。つまり、出力端子9のローレベルに振幅の小さい波形を重畳させることで、図4に示した電圧波形の高調波成分の電波放射を低減できるようにした。
【符号の説明】
【0033】
1‥センサ出力回路、2‥定電流源、3‥MOSトランジスタ、4‥MOSトランジスタ、
5‥MOSトランジスタ、6‥MOSトランジスタ、7‥MOSトランジスタ、
8‥MOSトランジスタ、9‥出力端子、10‥出力信号ライン、11‥制御回路、
12‥プルアップ抵抗、13‥入力ゲート回路、14‥コンデンサ、15‥コンデンサ、
16‥定電流源、17‥MOSトランジスタ、18‥MOSトランジスタ、
19‥MOSトランジスタ、20‥定電流源、21‥MOSトランジスタ、
22‥MOSトランジスタ、23‥MOSトランジスタ、24‥DA変換器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9