特許第6970091号(P6970091)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許69700912,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造及び精製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6970091
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造及び精製方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 17/386 20060101AFI20211111BHJP
   C07C 21/18 20060101ALI20211111BHJP
   C07C 43/04 20060101ALI20211111BHJP
   C07C 69/14 20060101ALI20211111BHJP
   C07C 43/13 20060101ALI20211111BHJP
   C07C 47/02 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   C07C17/386
   C07C21/18
   C07C43/04 Z
   C07C69/14
   C07C43/13 Z
   C07C47/02
【請求項の数】9
【全頁数】48
(21)【出願番号】特願2018-533045(P2018-533045)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(65)【公表番号】特表2019-502703(P2019-502703A)
(43)【公表日】2019年1月31日
(86)【国際出願番号】EP2016080945
(87)【国際公開番号】WO2017108519
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年11月19日
(31)【優先権主張番号】1563165
(32)【優先日】2015年12月23日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ババ−アフマッド, アベデラティフ
(72)【発明者】
【氏名】コリエ, ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥール−ベール, ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ベンドリンガー, ローラン
【審査官】 池上 佳菜子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−521275(JP,A)
【文献】 特表2012−524026(JP,A)
【文献】 国際公開第12/105700(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0322317(US,A1)
【文献】 特表2014−511349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 21/18
C07C 19/08
C07C 17/00
C09K 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第1の組成物を用いる、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの精製方法であって、以下の工程:
a) 前記第1の組成物を少なくとも1種の有機抽出剤と接触させて、第2の組成物を形成する工程;
b) 前記第2の組成物の抽出蒸留を行って、
i) 前記有機抽出剤と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第3の組成物;並びに
ii) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れ
を形成する工程;
c) 前記第3の組成物の回収及び分離を行って、前記有機抽出剤を含む流れ、並びに、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れを形成する工程
を含み、
前記有機抽出剤は、クロロエタン、3−クロロ−1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、エチルアミン、ブロモフルオロメタン、1−ブロモ−1,2−ジフルオロエチレン1−クロロ−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、アセトアルデヒド、1−クロロ−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノン、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、トリクロロフルオロメタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル、1,1−ジクロロエチレン、フラン、ギ酸メチル、イソプロピルアミン、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル、1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロブタン、2−メトキシ−1−プロペン、ジエチルエーテル、1,2−エポキシプロパン、エタンチオール、2−クロロ−2−フルオロプロパン、エトキシエテン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン、エチルメチルアミン、ジメチルスルフィド、2−クロロプロパン、ブロモエタン、ジクロロメタン、ジメトキシメタン、2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ヨードメタン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、メチルシクロプロピルエーテル、3−クロロプロペン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、n−プロピルアミン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、2,2−ジメチルブタン、イソプロピルメチルアミン、エタンジアール、1,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−プロパンチオール、1,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、2−エトキシプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、1,1−ジクロロエタン、エチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、2−ブロモプロパン、クロロメトキシメタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ジフルオロジエチルシラン、2−ブタンアミン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、n−メチルプロピルアミン、3−メチルペンタン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、tert−ブチルチオール、イソブタナール、メタノール、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1−プロパンチオール、クロロブロモメタン、2−クロロブタン、ギ酸イソプロピル、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ヘキサン、1,3−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、3−ブロモプロペン、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2−フルオロエタン、1−ブロモプロパン、1,1−ジフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエタン、メチルグリオキサール、ヨードエタン、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1,2−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、2,2,2−トリフルオロエタノール、1−クロロ−3−フルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、1−ブチルアミン、1−クロロブタン、エタノール、ブタノン、2,4−ジメチルペンタン、シクロヘキサン、ギ酸n−プロピル、2−エトキシブタン、アセトニトリル、ペンタフルオロ−1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブタノール、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1−メトキシ−2−メチルブタン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、シクロヘキセン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1,2−ジクロロエタン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、チオフェン、2−ブタンチオール、1,1,1−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ジエトキシメタン、1,1−ジクロロプロパン、2−メチル−1−プロパンチオール、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン、酢酸イソプロピル、2−ヨードプロパン、ジ−n−ブロピルエーテル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、2−ブロモブタン、2,2−ジフルオロテトラクロロエタン、ジエチルスルフィド、1−エトキシブタン、1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1−プロペン、2−メトキシエタンアミン、2,2−ジフルオロエタノール、2−メチルブタナール、1,2−ジクロロプロパン、プロパノール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、3−クロロペンタン、トリクロロアセトアルデヒド、2−アリルオキシエタノール、ブタンチオール、塩化イソアミル、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、2−ブタノール、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1,1,1−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、メチルシクロヘキサン、1−クロロ−4−フルオロブタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、ジオキサン、1−ブロモブタン、3−ペンタノン、1,1,2−トリクロロ−2−フルオロエタン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メチル−2−ブタノール、1−ヨードプロパン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、トリメトキシメタン、シス−1,3−ジクロロプロペン、2,2−ジクロロブタン、n−ペンチルアミン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチルメチルエーテル、2,2,4−トリメチル−2−ペンテン、1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロエタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、ピペリジン、1−ブロモ−2−クロロエタン、イソブタノール、2−ブロモ−2−メチルブタン、ジプロピルアミン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、1−メチルシクロヘキセン、トルエン、トランス−1,3−ジクロロプロペン、酢酸sec−ブチル、2−フルオロトルエン、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−3−フルオロプロパン、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,3,5−トリオキサン、3,3,3−トリクロロ−1−プロペン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、ピリジン、2,3−ジメチルヘキサン、1,1,1,2−テトラクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、n−メチルモルホリン、3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチルtert−ブチルエーテル、2−ブロモペンタン、ブチロニトリル、1−ブタノール、2,3−ジクロロブタン、sec−ブチルtert−ブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,1,3,3−テトラクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、ペルフルオロブタン酸、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1,3−ジクロロ−トランス−2−ブテン、1,3−ジクロロプロパン、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、テトラヒドロチオフェン、3−メチル−3−ペンタノール、1,2−ジブロモ−1−フルオロエタン、1,1−ジエトキシプロパン、1,2,2−トリクロロプロパン、1−クロロ−2−メチル−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、1,2−ジクロロブタン、4,4,4−トリフルオロブタノール、2−エチルブチルアミン、オクタン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、1−ペンタンチオール、1,2,2,3−テトラクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、3−フルオロプロパノール、5−ヘキセン−2−オン、2,3−ジクロロ−2−メチルブタン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、1−ブロモペンタン、2−メトキシ−1−プロパノール、1,2−ジクロロ−2−ブテン、1−ヨードブタン、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、4−メチル−2−ペンタノール、1,2−ジブロモエタン、クロロベンゼン、エチルシクロヘキサン、ブロモ酢酸メチルエステル、1,1,2−トリクロロプロパン、1,2−オクタンジオール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、2−クロロ−1−プロパノール、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、1,3−ジクロロブタン、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、エチルベンゼン、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−ペンタノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、1,2−ジブロモプロパン、2−ヘプタンアミン、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、2,3−ジメチルブタノール、1−エトキシヘキサン、1−クロロ−3−ブロモプロパン、3−フルフラール、n,n−ジエチルエチレンジアミン、2,6−ジメチルピリジン、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロ
プロパン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,2−ジメチルベンゼン、1,1,2,2,3−ペンタクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、1,1,1−トリエトキシエタン、スチレン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、2−エチル−1−ブタノール、1,2−ジクロロペンタン、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、ジメチルエタノールアミン及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1の組成物が、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む共沸又は共沸様組成物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有機抽出剤が、2−メトキシ−1−プロペン、1,2−エポキシプロパン、エトキシエテン、ジメトキシメタン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、2−メチルブタナール、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、1−メチルピペラジン、バレロニトリル、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程b)で形成された、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れが回収され、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)並びに/又は3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)並びに/又はクロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含まないことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の組成物が、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物を含むことを特徴とし、工程a)の前に以下の工程:
i’) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物の使用又は提供;
ii’) 工程i’)から前記組成物の蒸留を行って、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物を塔上部で除去し、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む、蒸留塔の底部で回収された第1の流れを形成する工程;
iii’) 任意選択的に、工程ii’)において蒸留塔の底部で回収された前記第1の流れの蒸留を行って、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第2の流れを塔上部で、かつ、重質不純物を含む流れを塔底部で回収する工程;
を含み、
工程ii’)で回収された前記第1の流れ又は工程iii’)で回収された前記第2の流れは、工程a)において使用される前記第1の組成物に対応する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
以下の工程:
A) 触媒の存在下での、式(I) CX(Y)−CX(Y)−CHXY(式中、X及びYは独立に、水素、フッ素又は塩素原子を表し、m=0又は1である)の化合物のフッ素化、及び/又は触媒の存在下での、式(CX3−n)CH1−pCH2−m (II)(式中、Xは、互いに独立にCl、F、I又はBrであり、Yは、互いに独立にH、Cl、F、I又はBrであり;nは、1、2又は3であり;mは、0、1又は2であり;pは、0又は1である)の化合物のフッ素化;
B) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れの回収;
C) 工程B)で回収された流れを使用する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法の実施
を含む、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造及び精製方法。
【請求項7】
2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、有機抽出剤を含む組成物であって、
前記有機抽出剤は、クロロエタン、3−クロロ−1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、エチルアミン、ブロモフルオロメタン、1−ブロモ−1,2−ジフルオロエチレン1−クロロ−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、アセトアルデヒド、1−クロロ−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノン、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、トリクロロフルオロメタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル、1,1−ジクロロエチレン、フラン、ギ酸メチル、イソプロピルアミン、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル、1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロブタン、2−メトキシ−1−プロペン、ジエチルエーテル、1,2−エポキシプロパン、エタンチオール、2−クロロ−2−フルオロプロパン、エトキシエテン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン、エチルメチルアミン、ジメチルスルフィド、2−クロロプロパン、ブロモエタン、ジクロロメタン、ジメトキシメタン、2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ヨードメタン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、メチルシクロプロピルエーテル、3−クロロプロペン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、n−プロピルアミン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、2,2−ジメチルブタン、イソプロピルメチルアミン、エタンジアール、1,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−プロパンチオール、1,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、2−エトキシプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、1,1−ジクロロエタン、エチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、2−ブロモプロパン、クロロメトキシメタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ジフルオロジエチルシラン、2−ブタンアミン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、n−メチルプロピルアミン、3−メチルペンタン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、tert−ブチルチオール、イソブタナール、メタノール、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1−プロパンチオール、クロロブロモメタン、2−クロロブタン、ギ酸イソプロピル、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ヘキサン、1,3−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、3−ブロモプロペン、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2−フルオロエタン、1−ブロモプロパン、1,1−ジフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエタン、メチルグリオキサール、ヨードエタン、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1,2−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、2,2,2−トリフルオロエタノール、1−クロロ−3−フルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、1−ブチルアミン、1−クロロブタン、エタノール、ブタノン、2,4−ジメチルペンタン、シクロヘキサン、ギ酸n−プロピル、2−エトキシブタン、アセトニトリル、ペンタフルオロ−1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブタノール、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1−メトキシ−2−メチルブタン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、シクロヘキセン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1,2−ジクロロエタン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、チオフェン、2−ブタンチオール、1,1,1−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ジエトキシメタン、1,1−ジクロロプロパン、2−メチル−1−プロパンチオール、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン、酢酸イソプロピル、2−ヨードプロパン、ジ−n−ブロピルエーテル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、2−ブロモブタン、2,2−ジフルオロテトラクロロエタン、ジエチルスルフィド、1−エトキシブタン、1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1−プロペン、2−メトキシエタンアミン、2,2−ジフルオロエタノール、2−メチルブタナール、1,2−ジクロロプロパン、プロパノール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、3−クロロペンタン、トリクロロアセトアルデヒド、2−アリルオキシエタノール、ブタンチオール、塩化イソアミル、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、2−ブタノール、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1,1,1−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、メチルシクロヘキサン、1−クロロ−4−フルオロブタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、ジオキサン、1−ブロモブタン、3−ペンタノン、1,1,2−トリクロロ−2−フルオロエタン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メチル−2−ブタノール、1−ヨードプロパン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、トリメトキシメタン、シス−1,3−ジクロロプロペン、2,2−ジクロロブタン、n−ペンチルアミン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチルメチルエーテル、2,2,4−トリメチル−2−ペンテン、1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロエタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、ピペリジン、1−ブロモ−2−クロロエタン、イソブタノール、2−ブロモ−2−メチルブタン、ジプロピルアミン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、1−メチルシクロヘキセン、トルエン、トランス−1,3−ジクロロプロペン、酢酸sec−ブチル、2−フルオロトルエン、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−3−フルオロプロパン、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,3,5−トリオキサン、3,3,3−トリクロロ−1−プロペン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、ピリジン、2,3−ジメチルヘキサン、1,1,1,2−テトラクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、n−メチルモルホリン、3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチルtert−ブチルエーテル、2−ブロモペンタン、ブチロニトリル、1−ブタノール、2,3−ジクロロブタン、sec−ブチルtert−ブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,1,3,3−テトラクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、ペルフルオロブタン酸、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1,3−ジクロロ−トランス−2−ブテン、1,3−ジクロロプロパン、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、テトラヒドロチオフェン、3−メチル−3−ペンタノール、1,2−ジブロモ−1−フルオロエタン、1,1−ジエトキシプロパン、1,2,2−トリクロロプロパン、1−クロロ−2−メチル−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、1,2−ジクロロブタン、4,4,4−トリフルオロブタノール、2−エチルブチルアミン、オクタン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、1−ペンタンチオール、1,2,2,3−テトラクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、3−フルオロプロパノール、5−ヘキセン−2−オン、2,3−ジクロロ−2−メチルブタン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、1−ブロモペンタン、2−メトキシ−1−プロパノール、1,2−ジクロロ−2−ブテン、1−ヨードブタン、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、4−メチル−2−ペンタノール、1,2−ジブロモエタン、クロロベンゼン、エチルシクロヘキサン、ブロモ酢酸メチルエステル、1,1,2−トリクロロプロパン、1,2−オクタンジオール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、2−クロロ−1−プロパノール、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、1,3−ジクロロブタン、 シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、エチルベンゼン、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−ペンタノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、1,2−ジブロモプロパン、2−ヘプタンアミン、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、2,3−ジメチルブタノール、1−エトキシヘキサン、1−クロロ−3−ブロモプロパン、3−フルフラール、n,n−ジエチルエチレンジアミン、2,6−ジメチルピリジン、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオ
ロプロパン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,2−ジメチルベンゼン、1,1,2,2,3−ペンタクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、1,1,1−トリエトキシエタン、スチレン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、2−エチル−1−ブタノール、1,2−ジクロロペンタン、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、ジメチルエタノールアミン及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択されることを特徴とする、組成物。
【請求項8】
有機抽出剤が、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、2−メトキシ−1−プロペン、1,2−エポキシプロパン、エトキシエテン、ジメトキシメタン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、エタンジアール、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、プロパノン、酢酸メチル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、ジフルオロジエチルシラン、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、メチルグリオキサール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、酢酸イソプロピル、ジエチルスルフィド、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2−メチルブタナール、2−アリルオキシエタノール、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、ピリジン、n−メチルモルホリン、4−メチル−2−ペンタノン、ブチロニトリル、1−メトキシ2−プロパノール、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン、2−メトキシ1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、バレロニトリル、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択されることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記有機抽出剤が、2−メトキシ−1−プロペン、1,2−エポキシプロパン、エトキシエテン、ジメトキシメタン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、2−メチルブタナール、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、1−メチルピペラジン、バレロニトリル、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択され得ることを特徴とする、請求項7又は8に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの精製方法に関する。本発明はまた、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造及び精製方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
ハイドロフルオロカーボン(HFC)、特に、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)などのハイドロフルオロオレフィン(HFO)は、冷却剤、伝熱流体、消火器、噴射剤、発泡剤、膨張剤、ガス誘電体、重合媒体又はモノマー、担体流体、研磨剤、乾燥剤、及び発電装置用流体としての特性が知られている化合物である。HFOは、その低いODP(オゾン層破壊係数)及びGWP(地球温暖化係数)値のために、HCFCの望ましい代替物とみなされている。
【0003】
ハイドロフルオロオレフィンを製造するための方法の大半は、フッ素化及び/又は脱ハロゲン化水素反応を伴う。これらの反応は気相中で実施され、不純物を生成する。そのため、目的の用途に十分な程度の純度で所望の化合物を得るために、これを除去する必要がある。
【0004】
例えば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)を製造する状況では、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zd)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)といった不純物の存在が観察される。このような不純物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造する方法を経て得られることが望ましい主な化合物の異性体であって、上記の他には、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233xf)及び1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)である。1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zd)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)のそれぞれの沸点を考慮すると、これらの化合物は反応器内に蓄積し、ゆえに目的の生成物の形成を妨げ得る。
【0005】
この種の反応混合物の精製は、先行技術から知られている種々の技術、例えば蒸留により実施され得る。しかし、精製する化合物の沸点が近すぎるか、又はこれらの化合物が共沸又は共沸様組成物を形成する場合、蒸留は効率的な方法ではない。したがって、抽出蒸留法が記載されている。
【0006】
EP第0864554号には、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)と1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−トランス−1−プロペン(1233zd)とを含む混合物を、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−トランス−1−プロペンの沸点よりも高い沸点を有する溶媒の存在下で、蒸留により精製するための方法が開示されている。
【0007】
国際公開第03/068716号には、ペンタフルオロエタンとクロロペンタフルオロエタンとを含む混合物から、ヘキサフルオロプロペンの存在下、蒸留によってペンタフルオロエタンを回収するための方法が開示されている。
【0008】
国際公開第98/19982号にはまた、1,1−ジフルオロエタンを抽出蒸留によって精製するための方法が開示されている。この方法は、抽出剤を1,1−ジフルオロエタンと塩化ビニルとの混合物と接触させることにある。抽出剤は、10℃から120℃の間の沸点を有する炭化水素、アルコール、及びクロロカーボンから選択される。
【0009】
国際公開第98/19982号に記載されているように、分離すべき生成物次第では、抽出剤の選択は複雑であることが判る。したがって、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための特定の方法を開発する必要性が依然とし存在する。
【発明の概要】
【0010】
2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法において、特定の操作条件の選択が、特定の不純物又はその異性体の存在を助長し得る。1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)などの不純物の存在が、例えば1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zd)及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)のように、観察され得る。これらの不純物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造中に生成する中間化合物によって誘発される副反応から生じ得、それらの除去が複雑であることを証明するような物性を有し得る。本発明は、改善された純度の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造を可能にする。
【0011】
第1の態様によると、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第1の組成物を用いる、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの精製方法であって、以下の工程:
a) 前記第1の組成物を少なくとも1種の有機抽出剤と接触させて、第2の組成物を形成する工程;
b) 前記第2の組成物の抽出蒸留を行って、
i) 前記有機抽出剤と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第3の組成物;並びに
ii) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れ
を形成する工程;
c) 前記第3の組成物の回収及び分離を行って、前記有機抽出剤を含む流れ、並びに、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れを形成する工程であって、好ましくは前記有機抽出剤を含む流れが工程a)へリサイクルされる、工程
を含む、方法を提供する。
【0012】
好ましくは、工程b)で形成された、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れが回収される。この流れは、任意選択的に、特定の商用仕様に適した純度を達成するために精製することができる。
【0013】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、炭化水素、ハロ炭化水素(halohydrocarbon)、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、ニトリル、カーボネート、チオアルキル、アミド及び複素環からなる群より選択される溶媒であるか、又は前記有機抽出剤は、ジフルオロエチルシラン、トリエチルフルオロシラン若しくはペルフルオロブタン酸であり、好ましくは前記有機抽出剤は、ケトン、エステル、アルデヒド、エーテル、カーボネート及び複素環からなる群より選択される溶媒である。
【0014】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、10から150℃の間の沸点を有する。
【0015】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、
γ1,Sは、前記有機抽出剤中2,3,3,3,−テトラフルオロ−1−プロペンの無限希釈の活量係数を表し、
P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し、
γ2,Sは、前記有機抽出剤中3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の無限希釈の活量係数を表し、
P2は、3,3,3−トリフルオロフロペン(1243zf)又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表す)により計算され、
分離係数は、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8,以上、より具体的には2.0以上である。
【0016】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は、式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、吸収容量C2,Sは、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0以上である。
【0017】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの無限希釈の活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の飽和蒸気圧を表す)により計算され、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの無限希釈の活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表す)により計算され、前記有機抽出剤は、1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上の分離係数を有する。
【0018】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は、式,C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、吸収容量C2,Sは、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0以上である。
【0019】
好ましい実施態様によれば、前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)、並びに、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む共沸又は共沸様組成物である。
【0020】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、2−メトキシ−1−プロペン、1,2−エポキシプロパン、エトキシエテン、ジメトキシメタン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、2−メチルブタナール、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、1−メチルピペラジン、バレロニトリル、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択され、有利には、前記有機抽出剤は、エトキシエテン、ジメトキシメタン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択され、好ましくは、前記有機抽出剤は、ジメトキシメタン、ブタノン、酢酸イソプロピル、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、酢酸n−ブチル、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択され、特に、前記有機抽出剤は、ジメトキシメタン、酢酸イソプロピル、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、酢酸n−ブチル、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択される。
【0021】
好ましい実施態様によれば、工程b)で形成された、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れは、回収され、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)並びに/又は3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)並びに/又は、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含まない。
【0022】
好ましい実施態様によれば、前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物、場合によって重質不純物を含み、本方法は、工程a)の前に以下の工程:
i’) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、場合によって重質不純物とを含む組成物の使用又は提供;
ii’) 工程i)から前記組成物の蒸留を行って、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物を塔上部で除去し、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、場合によって重質不純物とを含む、蒸留塔の底部で回収された第1の流れを形成する工程;
iii’) 任意選択的に、工程ii’)において蒸留塔の底部で回収された前記第1の流れの蒸留を行って、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む第2の流れを塔上部で、かつ、重質不純物を含む流れを塔底部で回収する工程;
を含み、
工程ii’)で回収された前記第1の流れ又は工程iii’)で回収された前記第2の流れは、工程a)において使用される前記第1の組成物に対応する。
【0023】
重質不純物は、例えば1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236ea)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(227ca)、シス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−Z)、及び対象の組成物又は流れ中に存在する1種の化合物、例えば、ヘキサフルオロブテン(1336)、ヘプタフルオロブテン(1327)、オクタフルオロブタン(338)、ノナフルオロペンテン(1429)又はヘプタフルオロペンテン(1447)などのC4又はC5炭化水素から誘導された二量体又は三量体を含有し得る。
【0024】
本発明の第2の態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法が提供される。前記方法は、以下の工程:
A) 触媒の存在下での、式CX(Y)2−CX(Y)m−CHmXY (I)(式中、X及びYは独立に、H、F又はClを表し、m=0又は1である)の化合物のフッ素化;及び/又は触媒の存在下での、式(CXnY3−n)CHpX1−pCHmX2−m (II)(式中、Xは、互いに独立にCl、F、I又はBrであり、Yは、互いに独立にH、Cl、F、I又はBrであり;nは、1、2又は3であり;mは、0、1又は2であり;pは、0又は1である)の化合物のフッ素化;
B) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れの回収;
C) 工程B)で回収された流れを使用する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法の実施
を含む。
【0025】
別の態様によれば、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、並びに以下を有する有機抽出剤:
− 1.40以上の分離係数S1,2であって、式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの無限希釈の活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の飽和蒸気圧を表す)により計算される分離係数S1,2及び
− 1.40以上の分離係数S1,2であって、式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの無限希釈の活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表す)により計算される分離係数S1,2
を含む組成物を提供し、
好ましくは、前記有機抽出剤は、
0.60以上の吸収容量C2,Sであって、式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の無限希釈の活量係数を表す)により計算される吸収容量C2,S、及び0.60以上の吸収容量C2,Sであって、式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の無限希釈の活量係数を表す)により計算される吸収容量C2,S
を有する。
【0026】
好ましくは、有機抽出剤は、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、2−メトキシ−1−プロペン、1,2−エポキシプロパン、エトキシエテン、ジメトキシメタン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、エタンジアール、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、プロパノン、酢酸メチル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、ジフルオロジエチルシラン、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、メチルグリオキサール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、酢酸イソプロピル、ジエチルスルフィド、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2−メチルブタナール、2−アリルオキシエタノール、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、ピリジン、n−メチルモルホリン、4−メチル−2−ペンタノン、ブチロニトリル、1−メトキシ2−プロパノール、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン、2−メトキシ1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、バレロニトリル、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1a-c】本発明の特定の実施態様に従って2−3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製する方法を実施するための装置を概略的に示す。
図2】本発明の特定の実施態様に従って2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法を実施するための装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書で使用される用語「炭化水素」は、直鎖状又は分岐状のC−C20アルカン、C−C20シクロアルカン、C−C20アルケン、C−C20シクロアルケン又はC−C18アレーン化合物を指す。例えば、用語「アルカン」は、式C2n+2(式中、nは1〜20の間である)の化合物を指す。用語「C−C20アルカン」は、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、及びデカン又はそれらの異性体を含む。用語「C−C20アルケン」は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含み、かつ、5〜20個の炭素原子を含む炭化水素系化合物を指す。用語「C−C20シクロアルカン」は、3〜20個の炭素原子を含む飽和炭化水素系環を指す。用語「C−C18アリール」は、6〜18個の炭素原子を含む芳香族炭化水素系化合物を指す。用語「C−C20シクロアルケン」は、5〜20個の炭素原子を含み、かつ、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含む環状炭化水素系化合物を指す。
【0029】
用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を含む、直鎖状又は分岐状のアルカンから誘導される一価の基をいう。用語「シクロアルキル」は、3〜20個の炭素原子を含む、シクロアルカンから誘導される一価の基をいう。用語「アリール」は、6〜18個の炭素原子を含む、アレーンから誘導される一価の基をいう。用語「アルケニル」は、2〜20個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合からなる一価の基をいう。用語「アルキニル」は、2〜20個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素−炭素三重結合からなる一価の基をいう。用語「ハロゲン」は、−F、−Cl、−Br又は−I基を指す。用語「シクロアルケニル」は、3〜20個の炭素原子を含む、シクロアルケンから誘導される一価の基を指す。C−C20アルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、C−C20シクロアルキル、C−C20シクロアルケニル、及びC−C18アリール置換基を、1つ以上の−OH、ハロゲン、−NRC(O)R、−C(O)NR、−CN、−NO、−NR、−OR、−SR、−CO、−OC(O)OR、−OC(O)R、−C(O)H又は−C(O)R置換基で任意選択的に置換することができ、ここで、R及びRは、互いに独立に水素、無置換C−C20アルキル、無置換C−C20アルケニル、無置換C−C20アルキニル、無置換C−C20シクロアルキル、無置換C−C20シクロアルケニル又は無置換C−C18アリールである。置換基−NRにおいて、R及びRは、それらが結合している窒素原子と共に、飽和又は不飽和、芳香族又は非芳香族の5〜10員複素環を形成し得る。
【0030】
用語「ハロ炭化水素」は、式RX(式中、Rは、C−C20アルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、C−C20シクロアルキル、C−C20シクロアルケニル、及びC−C18アリールから選択され、Xは、塩素、フッ素、臭素又はヨウ素原子である)の化合物を指す。C−C20アルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、C−C20シクロアルキル、C−C20シクロアルケニル、及びC−C18アリール置換基を、1つ以上の−OH、ハロゲン、−NRC(O)R、−C(O)NR、−CN、−NO、−NR、−OR、−SR、−CO、−OC(O)OR、−OC(O)R、−C(O)H又は−C(O)R置換基(ここで、R及びRは、上で定義した通りである)で任意選択的に置換することができる。
【0031】
用語「アルコール」は、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基−OHで置き換えられている、上で定義した炭化水素又はハロ炭化水素を指す。
【0032】
用語「ケトン」は、少なくとも1つ以上のカルボニル官能基R−C(O)−R(ここで、R及びRは、互いに独立にC−C20アルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、C−C20シクロアルキル、C−C20シクロアルケニル又はC−C18アリールであり、1つ以上の−OH、ハロゲン、−NRC(O)R、−C(O)NR、−CN、−NO、−NR、−OR、−SR、−CO、−OC(O)OR、−OC(O)R、−C(O)H又は−C(O)R置換基で任意選択的に置換され得、ここでR及びRは上で定義されており、R及びRは場合により結合して、それらが結合しているカルボニル基と共に、4〜10員、好ましくは4〜7員の環状ケトンを形成することができる)を含む炭化水素を指す。環状ケトンは、1つ以上の炭素−炭素二重結合も含むことができる。環状ケトンを、上で定義した1つ以上の置換基で任意選択的に置換することができる。
【0033】
「アミン」という用語は、少なくとも1つ以上のアミン官能基−NR(ここで、R及びRは、上で定義した通りであり、R及びRは場合により結合して、それらが結合している窒素原子と共に、4〜10員の芳香族又は非芳香族複素環を形成する)を含む炭化水素を指す。
【0034】
用語「エステル」は、式R−C(O)−O−R(式中、R及びRは、上で定義した通りであり、R及びRは場合により結合して、エステル基と共に、4〜20個の炭素原子を含む環を形成する)の化合物を指す。
【0035】
用語「エーテル」は、式R−O−R(式中、R及びRは、上で定義した通りであり、R及びRは場合により結合して、それらが結合している酸素原子と共に、4〜20個の炭素原子を含む複素環を形成する)の化合物を指す。
【0036】
用語「アルデヒド」は、少なくとも1つ以上の−C(O)−H官能基を含む化合物を指す。
【0037】
用語「ニトリル」は、少なくとも1つ以上の−CN官能基を含む化合物を指す。
【0038】
用語「カーボネート」は、式R−O−C(O)−O−R(式中、R及びRは、上で定義した通りである)の化合物を指す。
【0039】
用語「チオアルキル」は、式RSR(式中、R及びRは、上で定義した通りである)の化合物を指す。
【0040】
用語「アミド」は、式RC(O)NR(式中、R及びRは、上で定義した通りであり、Rは、Rと同じ置換基で定義され、R及びRは場合により結合して、それらが結合しているアミド基−C(O)N−と共に、4〜10員、好ましくは4〜7員の環状アミドを形成する)の化合物を指す。環状アミドは、1つ以上の炭素−炭素二重結合も含むことができる。また、環状アミドを、1つ以上の上で定義した置換基で任意選択的に置換してもよい。
【0041】
用語「複素環」は、4〜10員炭素系環であり、その少なくとも1つの環員がO、S、P及びN.からなる群より選択されるヘテロ原子であるものをいう。環は、1つ以上の炭素−炭素二重結合又は1つ以上の炭素−ヘテロ原子二重結合又は1つ以上のヘテロ原子−ヘテロ原子二重結合を含み得る。好ましくは、複素環は、上で定義した1、2、3、4又は5個のヘテロ原子を含む。特に、複素環は、酸素、窒素及び硫黄から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含んでいてもよい。好ましくは、複素環は、4〜6員炭素系環であり、その1、2又は3つの環員がO及びN.から選択されるヘテロ原子である。複素環を、−OH、ハロゲン、−NRC(O)R、−C(O)NR、−CN、−NO、−NR、−OR、−SR、−CO、−OC(O)OR、−OC(O)R、−C(O)H、及び−C(O)R(ここで、R及びRは、上で定義した通りである)から選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換してもよい。
【0042】
用語「共沸組成物」とは、単一の物質のような挙動を示し、液相と気相が同じ組成を維持して一定温度で沸騰する、2種以上の化合物の液体混合物をいう。用語「共沸様組成物」とは、一定の沸点を有するか又は沸騰若しくは蒸発に供された場合に分画しない傾向を有する、2種以上の化合物の液体混合物をいう。
【0043】
用語「有機抽出剤」は、少なくとも1つの炭素原子を含む化合物を指す。
【0044】
第1の態様によれば、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)を精製するための方法に関する。この精製方法は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第1の組成物を用いて実施される。
【0045】
前記方法は、以下の工程:
a) 前記第1の組成物を少なくとも1種の有機抽出剤と接触させて、第2の組成物を形成する工程;
b) 前記第2の組成物の抽出蒸留を行って、
i) 前記有機抽出剤と、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第3の組成物;並びに
ii) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れ
を形成する工程;
c) 前記第3の組成物の回収及び分離を行って、前記有機抽出剤を含む流れと、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物を含む流れとを形成する工程
を含み得る。
【0046】
好ましくは、前記有機抽出剤を含む流れは、工程a)へリサイクルされる。
【0047】
有利には、前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種又は全種の化合物とを含み得、前記第3の組成物は、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf).からなる群より選択される少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種又は全種の化合物とを含み得る。
【0048】
好ましくは、前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含み得、したがって前記第3の組成物は、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含み得る。
【0049】
特に、前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択的にクロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含み得、前記第3の組成物は、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択的にクロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含み得る。
【0050】
したがって、前記方法は、以下の工程:
a) 前記第1の組成物を少なくとも1種の有機抽出剤と接触させて、第2の組成物を形成する工程;
b) 前記第2の組成物の抽出蒸留を行って、
i) 前記有機抽出剤と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第3の組成物;並びに
ii) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れ
を形成する工程;
c) 前記第3の組成物を、前記有機抽出剤を含む流れ、並びに、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れのために回収及び分離する工程
を含む。
【0051】
前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して75重量%から99.99重量%の間の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、有利には該第1の組成物の総重量に対して80重量%から99.9重量%の間、好ましくは85重量%から99.8重量%の間、特に90重量%から99.5重量%の間の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含み得る。
【0052】
同じものを含有する場合、前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して0から2000重量ppmの間1,1−ジフルオロエタン(152a)、有利には第1の組成物の総重量に対して0から1000重量ppmの間、好ましくは0から500重量ppmの間、特に0から250重量ppmの間の1,1−ジフルオロエタン(152a)を有し得る。
【0053】
同じものを含有する場合、前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して0.01重量%から25重量%の間のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、有利には該第1の組成物の総重量に対して0.1重量%から20重量%の間、好ましくは0.2重量%から15重量%の間、特に0.5重量%から10重量%の間、より具体的には3重量%から10重量%の間のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含み得る。
【0054】
同じものを含有する場合、前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して2000重量ppm未満の1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、有利には該第1の組成物の総重量に対して1から1000重量ppmの間、好ましくは1から500重量ppmの間、特に1から250重量ppmの間の1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)を含み得る。
【0055】
同じものを含有する場合、前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して1重量%未満のクロロメタン(40)、有利には該第1の組成物の総重量に対して1から5000重量ppmの間、好ましくは1から2000重量ppmの間、特に10から1500重量ppmの間のクロロメタン(40)を含み得る。
【0056】
同じものを含有する場合、前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して2000重量ppm未満のクロロペンタフルオロエタン(115)、有利には該第1の組成物の総重量に対して1から1000重量ppmの間、好ましくは1から500重量ppmの間、特に1から250重量ppmの間のクロロペンタフルオロエタン(115)を有し得る。
【0057】
同じものを含有する場合、前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して2000重量ppm未満のシス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye)、有利には該第1の組成物の総重量に対して1から1000重量ppmの間、好ましくは1から500重量ppmの間、特に1から250重量ppmの間のシス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−Z)を含み得る。
【0058】
同じものを含有する場合、前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して1重量%未満の1,1,1−トリフルオロプロペン(1243zf)、有利には該第1の組成物の総重量に対して0から5000重量ppmの間、好ましくは1から2000重量ppmの間、特に1から1500重量ppmの間の1,1,1−トリフルオロプロペン(1243zf)を含み得る。
【0059】
特定の実施態様によれば、前記有機抽出剤は、炭化水素、ハロ炭化水素、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、ニトリル、カーボネート、スルホキシド、硫酸塩、チオアルキル、アミド、及び複素環からなる群より選択される溶媒であり、又は前記有機抽出剤は、ジフルオロエチルシラン、トリエチルフルオロシラン、若しくはペルフルオロブタン酸である。好ましくは、前記有機抽出剤は、ケトン、エステル、アルデヒド、エーテル、カーボネート及び複素環からなる群より選択される溶媒である。好ましくは、複素環は、4〜6員炭素系環であり、その1、2又は3つの環員がO及びNから選択されるヘテロ原子である。
【0060】
好ましくは、炭化水素は、2,2−ジメチルブタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、2,4−ジメチルペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、2,2,4−トリメチル−2−ペンテン、1−メチルシクロヘキセン、トルエン、2,3−ジメチルヘキサン、オクタン、エチルシクロヘキサン、エチルベンゼン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルベンゼン及びスチレンからなる群より選択される。
【0061】
好ましくは、炭化水素は、クロロエタン、3−クロロ−1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、ブロモフルオロメタン、1−ブロモ−1,2−ジフルオロエチレン、1−クロロ−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、トリクロロフルオロメタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロブタン、2−クロロ−2−フルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン、2−クロロプロパン、ブロモエタン、ジクロロメタン、2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ヨードメタン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、3−クロロプロペン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、1,1−ジクロロエタン、2−ブロモプロパン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、トリクロロメタン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロパン、クロロブロモメタン、2−クロロブタン、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、3−ブロモプロペン、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2−フルオロエタン、1−ブロモプロパン、1,1−ジフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエタン、ヨードエタン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1,2−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1−クロロ−3−フルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、テトラクロロメタン、1−クロロブタン、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、トリクロロエテン、1,1−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン、2−ヨードプロパン、ジクロロブロモメタン、2−ブロモブタン、2,2−ジフルオロテトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1−フルオロヘキサン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1−プロペン、1,2−ジクロロプロパン、3−クロロペンタン、トリクロロアセトアルデヒド、塩化イソアミル、1,1,1−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−クロロ−4−フルオロブタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、1−ブロモブタン、1,1,2−トリクロロ−2−フルオロエタン、1−ヨードプロパン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、シス−1,3−ジクロロプロペン、2,2−ジクロロブタン、ブロモトリクロロメタン、1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、2−ブロモ−2−メチルブタン、トランス−1,3−ジクロロプロペン、2−フルオロトルエン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロ−3−フルオロプロパン、3,3,3−トリクロロ−1−プロペン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、1,1,1,2−テトラクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、2−ブロモペンタン、トリクロロアセチルクロリド、2,3−ジクロロブタン、1,1,3,3−テトラクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1,3−ジクロロ−トランス−2−ブテン、1,3−ジクロロプロパン、テトラクロロエタン、1,2−ジブロモ−1−フルオロエタン、1,2,2−トリクロロプロパン、1,2−ジクロロブタン、1,2,2,3−テトラクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−2−メチルブタン、1−ブロモペンタン、1,2−ジクロロ−2−ブテン、1−ヨードブタン、1,2−ジブロモエタン、クロロベンゼン、1,1,2−トリクロロプロパン、1,3−ジクロロブタン、ペンタクロロフルオロエタン、1,2−ジブロモプロパン、1,2,3−トリクロロプロペン、1−クロロ−3−ブロモプロパン、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタクロロ(pentchloro)−3,3−ジフルオロプロパン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2−ジクロロペンタン及びトリブロモメタンからなる群より選択される。
【0062】
好ましくは、アルコールは、メタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、エタノール、ペンタフルオロ−1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブタノール、2,2−ジフルオロエタノール、プロパノール、2−アリルオキシエタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、イソブタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、3−ペンタノール、1−ブタノール、1−メトキシ2−プロパノール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−メチル−3−ペンタノール、1−クロロ−2−メチル−2−プロパノール、4,4,4−トリフルオロブタノール、3−フルオロプロパノール、2−クロロエタノール、2−メトキシ1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール、1,2−オクタンジオール、2−クロロ−1−プロパノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−エトキシ−1−プロパノール、1−ペンタノール、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、2,3−ジメチルブタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール及び2−アミンフェノールからなる群より選択される。
【0063】
好ましくは、ケトンは、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノン、プロパノン、ブタノン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン及び4−メチル−2−ヘキサノンからなる群より選択される。
【0064】
好ましくは、アミンは、エチルアミン、イソプロピルアミン、エチルメチルアミン、2−アミノ−2−メチルプロパン、n−プロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジエチルアミン、2−ブタンアミン、n−メチルプロピルアミン、1−ブチルアミン、ジイソプロピルアミン、3−メチル−2−ブタンアミン、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、n−ペンチルアミン、n−メチルヒドロキシルアミン、ジプロピルアミン、2−エトキシエタンアミン、n−メチル−1,2−エタンジアミン、ピリジン、1,2−ジアミノエタン、1,2−プロパンジアミン、2−エチルブチルアミン、n−エチルエチレンジアミン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、1,3−プロパンジアミン、2−ヘプタンアミン、n,n−ジエチルエチレンジアミン、2,6−ジメチルピリジン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン及びジメチルエタノールアミンからなる群より選択される。
【0065】
好ましくは、エステルは、ギ酸メチル、酢酸メチル、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ギ酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸エチル、酢酸sec−ブチル、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、ブロモ酢酸メチルエステル及びヘキサン酸メチルからなる群より選択される。
【0066】
好ましくは、エーテルは、2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル、2−メトキシ−1−プロペン、ジエチルエーテル、エトキシエテン、ジメトキシメタン、メチルシクロプロピルエーテル、2−エトキシプロパン、メチルt−ブチルエーテル、エチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、クロロメトキシメタン、ジイソプロピルエーテル、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−エトキシブタン、1−メトキシ−2−メチルブタン、2,2−ジメトキシプロパン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、ジ−n−プロピルエーテル、1−エトキシブタン、1−メトキシペンタン、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1,1−ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチルメチルエーテル、2,2−ジエトキシプロパン、イソブチルtert−ブチルエーテル、sec−ブチルtert−ブチルエーテル、1,1−ジエトキシプロパン、2−メトキシエタノール、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、メトキシシクロヘキサン、エトキシエタノール、ジ−n−ブチルエーテル、1−エトキシヘキサン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン及び1,1,1−トリエトキシエタンからなる群より選択される。
【0067】
好ましくは、アルデヒドは、アセトアルデヒド、エタンジアール、イソブタナール、メチルグリオキサール、2−メチルブタナール、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール及びヘキサナールからなる群より選択される。
【0068】
好ましくは、ニトリルは、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル及び(メチレンアミノ)アセトニトリルからなる群より選択される。
【0069】
好ましくは、カーボネートは、ジエチルカーボネートである。
【0070】
好ましくは、アミドは、エタンチオアミドである。
【0071】
好ましくは、 チオアルキルは、エタンチオール、ジメチルスルフィド、2−プロパンチオール、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、tert−ブチルチオール、1−プロパンチオール、チオフェン、2−ブタンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、ジエチルスルフィド、ブタンチオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、テトラヒドロチオフェン及び1−ペンタンチオールからなる群より選択される。
【0072】
好ましくは、複素環は、フラン、1,2−エポキシプロパン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、1,3,5−トリオキサン、n−メチルモルホリン、2−メチルピラジン、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、2,6−ジメチルモルホリン及び3−フルフラールからなる群より選択される。
【0073】
前記有機抽出剤は、クロロエタン、3−クロロ−1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、エチルアミン、ブロモフルオロメタン、1−ブロモ−1,2−ジフルオロエチレン1−クロロ−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、アセトアルデヒド、1−クロロ−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノン、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、トリクロロフルオロメタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル、1,1−ジクロロエチレン、フラン、ギ酸メチル、イソプロピルアミン、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル、1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロブタン、2−メトキシ−1−プロペン、ジエチルエーテル、1,2−エポキシプロパン、エタンチオール、2−クロロ−2−フルオロプロパン、エトキシエテン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン、エチルメチルアミン、ジメチルスルフィド、2−クロロプロパン、ブロモエタン、ジクロロメタン、ジメトキシメタン、2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ヨードメタン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、メチルシクロプロピルエーテル、3−クロロプロペン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、n−プロピルアミン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、2,2−ジメチルブタン、イソプロピルメチルアミン、エタンジアール、1,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−プロパンチオール、1,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、2−エトキシプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、1,1−ジクロロエタン、エチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、4−メトキシ−2−メチル−2、ブタンチオール、2−ブロモプロパン、クロロメトキシメタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ジフルオロジエチルシラン、2−ブタンアミン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、n−メチルプロピルアミン、3−メチルペンタン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、tert−ブチルチオール、イソブタナール、メタノール、テトラヒドロフラン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1−プロパンチオール、クロロブロモメタン、2−クロロブタン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ヘキサン、1,3−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、3−ブロモプロペン、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2−フルオロエタン、1−ブロモプロパン、1,1−ジフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエタン、メチルグリオキサール、ヨードエタン、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1,2−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、2,2,2−トリフルオロエタノール、1−クロロ−3−フルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、1−ブチルアミン、1−クロロブタン、エタノール、ブタノン、2,4−ジメチルペンタン、シクロヘキサン、ギ酸n−プロピル、2−エトキシブタン、アセトニトリル、ペンタフルオロ−1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブタノール、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1−メトキシ−2−メチルブタン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、シクロヘキセン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1,2−ジクロロエタン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、チオフェン、2−ブタンチオール、1,1,1−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ジエトキシメタン、1,1−ジクロロプロパン、2−メチル−1−プロパンチオール、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン、酢酸イソプロピル、2−ヨードプロパン、ジ−n−ブロピルエーテル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、2−ブロモブタン、2,2−ジフルオロテトラクロロエタン、ジエチルスルフィド、1−エトキシブタン、1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1−プロペン、2−メトキシエタンアミン、2,2−ジフルオロエタノール、2−メチルブタナール、1,2−ジクロロプロパン、プロパノール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、3−クロロペンタン、トリクロロアセトアルデヒド、2−アリルオキシエタノール、ブタンチオール、塩化イソアミル、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、2−ブタノール、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1,1,1−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、メチルシクロヘキサン、1−クロロ−4−フルオロブタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、ジオキサン、1−ブロモブタン、3−ペンタノン、1,1,2−トリクロロ−2−フルオロエタン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メチル−2−ブタノール、1−ヨードプロパン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、 1,1,3−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、トリメトキシメタン、シス−1,3−ジクロロプロペン、2,2−ジクロロブタン、n−ペンチルアミン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチルメチルエーテル、2,2,4−トリメチル−2−ペンテン、1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロエタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2、ブタノン、ピペリジン、1−ブロモ−2−クロロエタン、イソブタノール、2−ブロモ−2−メチルブタン、ジプロピルアミン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、1−メチルシクロヘキセン、トルエン、トランス−1,3−ジクロロプロペン、酢酸sec−ブチル、2−フルオロトルエン、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−3−フルオロプロパン、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,3,5−トリオキサン、3,3,3−トリクロロ−1−プロペン、1−クロロ−3,3− ジメチルブタン、ピリジン、2,3−ジメチルヘキサン、1,1,1,2−テトラクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、n−メチルモルホリン、3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチルtert−ブチルエーテル、2−ブロモペンタン、ブチロニトリル、1−ブタノール、2,3−ジクロロブタン、sec−ブチルtert−ブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,1,3,3−テトラクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、ペルフルオロブタン酸、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1,3−ジクロロ−トランス−2−ブテン、1,3−ジクロロプロパン、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、テトラヒドロヒオフェン、3−メチル−3−ペンタノール、1,2−ジブロモ−1−フルオロエタン、1,1−ジエトキシプロパン、1,2,2−トリクロロプロパン、1−クロロ−2−メチル−2、プロパノール、2−メトキシエタノール、1,2−ジクロロブタン、4,4,4−トリフルオロブタノール、2−エチルブチルアミン、オクタン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、1−ペンタンチオール、1,2,2,3−テトラクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、3−フルオロプロパノール、5−ヘキセン−2−オン、2,3−ジクロロ−2−メチルブタン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルエタンアミン、2−メチルピリジン、1−ブロモペンタン、2−メトキシ−1−プロパノール、1,2−ジクロロ−2−ブテン、1−ヨードブタン、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、4−メチル−2−ペンタノール、1,2−ジブロモエタン、クロロベンゼン、エチルシクロヘキサン、ブロモ酢酸メチルエステル、1,1,2−トリクロロプロパン、1,2−オクタンジオール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、2−クロロ−1−プロパノール、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、1,3−ジクロロブタン、
シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、エチルベンゼン、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−ペンタノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、1,2−ジブロモプロパン、2−ヘプタンアミン、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、2,3−ジメチルブタノール、1−エトキシヘキサン、1−クロロ−3−ブロモプロパン、3−フルフラール、n,n−ジエチルエチレンジアミン、2,6−ジメチルピリジン、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロパン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,2−ジメチルベンゼン、1,1,2,2,3−ペンタクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、1,1,1−トリエトキシエタン、スチレン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、2−エチル−1−ブタノール、1,2−ジクロロペンタン、 2−メチル−1−ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、ジメチルエタノールアミン又は1−プロポキシ−2−プロパノールとすることができる。
【0074】
有利には、前記有機抽出剤は、クロロエタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、ブロモフルオロメタン、1−ブロモ−1,2−ジフルオロエチレン、1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、アセトアルデヒド、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノン、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,1−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル、フラン、ギ酸メチル、イソプロピルアミン、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル、2−メトキシ−1−プロペン、ジエチルエーテル、1,2−エポキシプロパン、エタンチオール、2−クロロ−2−フルオロプロパン、エトキシエテン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン、エチルメチルアミン、ジメチルスルフィド、2−クロロプロパン、ブロモエタン、ジメトキシメタン、2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、メチルシクロプロピルエーテル、3−クロロプロペン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、イソプロピルメチルアミン、エタンジアール、1,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−プロパンチオール、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、2−エトキシプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、エチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、2−ブロモプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ジフルオロジエチルシラン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、tert−フチルチオール、イソブタナール、テトラヒドロフラン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1−プロパンチオール、2−クロロブタン, ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、1,3−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−ブロモプロパン、1,1−ジフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエタン、メチルグリオキサール、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1−クロロ−3−フルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、1−クロロブタン、ブタノン、ギ酸n−プロピル、2−エトキシブタン、ペンタフルオロ−1−プロパノール、tert−ブタノール、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1−メトキシ−2−メチルブタン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、シクロヘキセン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、2−ブタンチオール、1,1,1−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ジエトキシメタン、2−メチル−1−プロパンチオール、酢酸イソプロピル、2−ヨードプロパン、ジ−n−ブロピルエーテル、2−ブロモブタン、ジエチルスルフィド、1−エトキシブタン、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2−メトキシエタンアミン、2−メチルブタナール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、3−クロロペンタン、2−アリルオキシエタノール、ブタンチオール、塩化イソアミル、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、2−ブタノール、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1,1,1−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−クロロ−4−フルオロブタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、ジオキサン、1−ブロモブタン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メチル−2−ブタノール、2−メトキシ−1−プロパンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、トリメトキシメタン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチルメチルエーテル、2,2,4−トリメチル−2−ペンテン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、ピペリジン、2−ブロモ−2−メチルブタン、ジプロピルアミン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、1−メチルシクロヘキセン、トルエン、酢酸sec−ブチル、2−フルオロトルエン、2,2−ジメチル−1−プロパノール、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,3,5−トリオキサン、1−クロロ−3,3− ジメチルブタン、ピリジン、1,1,1,2−テトラクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、n−メチルモルホリン、3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチルtert−ブチルエーテル、2−ブロモペンタン、ブチロニトリル、1−ブタノール、sec−ブチルtert−ブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,1,3,3−テトラクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、テトラヒドロチオフェン、3−メチル−3−ペンタノール、1,1−ジエトキシプロパン、2−メトキシエタノール、4,4,4−トリフルオロブタノール、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、1−ペンタンチオール、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、5−ヘキセン−2−オン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、1−ブロモペンタン、2−メトキシ1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、4−メチル−2−ペンタノール、1,2−オクタンジオール、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、エチルベンゼン、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−ペンタノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、2,3−ジメチルブタノール、1−エトキシヘキサン、3−フルフラール、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,2−ジメチルベンゼン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、1,1,1−トリエトキシエタン、スチレン, 4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、ジメチルエタノールアミン又は1−プロポキシ−2−プロパノールとすることができる。
【0075】
好ましくは、前記有機抽出剤は、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、2−メトキシ−1−プロペン、1,2−エポキシプロパン、エトキシエテン、ジメトキシメタン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、エタンジアール、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、プロパノン、酢酸メチル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、ジフルオロジエチルシラン、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、メチルグリオキサール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、酢酸イソプロピル、ジエチルスルフィド、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2−メチルブタナール、2−アリルオキシエタノール、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、ピリジン、n−メチルモルホリン、4−メチル−2−ペンタノン、ブチロニトリル、1−メトキシ−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、バレロニトリル、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール又は1−プロポキシ−2−プロパノールとすることができる。
【0076】
特に、前記有機抽出剤は、2−メトキシ−1−プロペン、1,2−エポキシプロパン、エトキシエテン、ジメトキシメタン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、2−メチルブタナール、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、1−メチルピペラジン、バレロニトリル、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル又は1−プロポキシ−2−プロパノールとすることができる。
【0077】
用いる有機抽出剤は、前記第1の組成物中に存在する化合物に応じて選択することができる。したがって、有機抽出剤は、特定の組成物について確立された分離係数及び吸収容量に応じて選択することができる。これらの2つの基準に加えて、有機抽出剤の選択は、有機抽出剤のコスト、市場での入手可能性、及びその毒性又は可燃性特性などの他の商業上又は環境上の基準に任意選択的に基づいてもよい。さらに、特定の実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための本発明の方法の工程b)及びc)で用いる蒸留塔の機能を最適化するためには、有機抽出剤の沸点10℃〜200℃、有利には10℃〜190℃、好ましくは10℃〜180℃、特に10℃〜170℃、優先的には10℃〜160℃、さらに優先的には10℃〜150℃であり得る。
【0078】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、
γ1,Sは、前記有機抽出剤中2,3,3,3,−テトラフルオロ−1−プロペンの無限希釈の活量係数を表し、
P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し、
γ2,Sは、前記有機抽出剤中の、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる化合物のうちの1種の無限希釈の活量係数、有利には3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表し、
P2は、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる化合物のうちの1種の飽和蒸気圧、有利には3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表す)により計算される。
【0079】
分離係数S1,2は、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8,以上、より具体的には2.0以上である。
【0080】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中の、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる化合物のうちの1種の無限希釈の活量係数、有利には3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表す)により計算される。
【0081】
吸収容量C2,Sは、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0,以上である。
【0082】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上の分離係数S1,2;及び0.20以上、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0以上の吸収容量C2,Sを有し得る。
【0083】
前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む共沸又は共沸様組成物であり得る。有利には、前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種又は全種の化合物とを含む共沸又は共沸様組成物であり得る。
好ましくは、前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む共沸又は共沸様組成物であり得る。
【0084】
前記第1の組成物中の除去すべき化合物(単数又は複数)に応じて、前記分離係数及び前記吸収容量は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される化合物のうち1種とからなる特定のバイナリーカップル(binary couple)について計算され得る。したがって、抽出蒸留工程b)における使用に適した前記有機抽出剤を選択するには、例えば、前記第1の組成物が2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)を含むのであれば、これらの2種の化合物バイナリーカップルについて分離係数及び吸収容量を計算する。分離係数S1,2は、2種以上の化合物を分離する有機抽出剤の能力を決定することを可能にする。吸収容量C2,Sは、対象としている化合物間の分離を得るのに使用される溶媒の量を決定することを可能にする。さらに、第1の組成物の分離を最適化することが望ましい場合、分離係数及び吸収容量をいくつかのバイナリーカップルについて計算してもよく、したがって有機抽出剤は、対象としているバイナリーカップルのすべて又は一部について得られた値に基づいて選択される。
【0085】
特に、前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む共沸又は共沸様組成物であってもよい。この特定の組成物中の各化合物の含有量は、各化合物の個々の含有量に関して上に示した通りである。したがって、第2の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、及び前記有機抽出剤を含み得る。
【0086】
前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し得、前記分離係数は、式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの無限希釈の活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の飽和蒸気圧を表す)によって計算され、前記有機抽出剤は、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上位の分離係数S1,2を有し得、また、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有してもよく、前記分離係数は、式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの無限希釈の活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表す)により計算され、前記有機抽出剤は、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0の分離係数を有し得る。
【0087】
前記有機抽出剤の分離係数は、対象としているバイナリーカップルに応じて異なり得る。したがって、有機抽出剤は、(1234yf/1243zf)バイナリーカップルに基づいて1.4以上の分離係数を有するように選択することができ、(1234yf/1234zeE)バイナリーカップルに基づいて1.6以上の分離係数を有し得る。これは、吸収容量の場合も同様である。
【0088】
前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有し得、前記吸収容量は、式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、吸収容量C2,Sは、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0以上であってもよく、かつ、前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有し得、前記吸収容量は、式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、吸収容量C2,Sは、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0以上である。
【0089】
したがって、前記有機抽出剤は、
− 1.1以上の分離係数S1,2であって、前記分離係数が式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの無限希釈の活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の飽和蒸気圧を表す)によって計算され、前記有機抽出剤が有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上の分離係数を有し得る、分離係数S1,2
− 0.20以上の吸収容量C2,Sであって、前記吸収容量が式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、吸収容量C2,Sが有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0以上であり得る、吸収容量C2,S
− 1.1以上の分離係数S1,2であって、前記分離係数が式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの無限希釈の活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表す)によって計算され、前記有機抽出剤が有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上の分離係数を有し得る、分離係数S1,2
− 0.20以上の吸収容量C2,Sであって、前記吸収容量が式,C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、吸収容量C2,Sが有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0以上であり得る吸収容量C2,S
を有し得る。
【0090】
例えば、前記有機抽出剤は、2組のバイナリーカップル、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)について、1.2以上の分離係数を有するように、かつ、0.4以上の吸収容量を有するように選択することができる。したがって、前記有機抽出剤は、クロロエタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、ブロモフルオロメタン、1−ブロモ−1,2−ジフルオロエチレン、1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、アセトアルデヒド、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノン、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,1−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル、フラン、ギ酸メチル、イソプロピルアミン、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル、2−メトキシ−1−プロペン、ジエチルエーテル、1,2−エポキシプロパン、エタンチオール、2−クロロ−2−フルオロプロパン、エトキシエテン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン、エチルメチルアミン、ジメチルスルフィド、2−クロロプロパン、ブロモエタン、ジメトキシメタン、2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、メチルシクロプロピルエーテル、3−クロロプロペン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、イソプロピルメチルアミン、エタンジアール、1,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−プロパンチオール、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、2−エトキシプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、エチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、2−ブロモプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ジフルオロジエチルシラン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、tert−フチルチオール、イソブタナール、テトラヒドロフラン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1−プロパンチオール、2−クロロブタン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、1,3−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−ブロモプロパン、1,1−ジフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエタン、メチルグリオキサール、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1−クロロ−3−フルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、1−クロロブタン、ブタノン、ギ酸n−プロピル、2−エトキシブタン、ペンタフルオロ−1−プロパノール、tert−ブタノール、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1−メトキシ−2−メチルブタン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、シクロヘキセン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、2−ブタンチオール、1,1,1−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ジエトキシメタン、2−メチル−1−プロパンチオール、酢酸イソプロピル、2−ヨードプロパン、ジ−n−プロピルエーテル、2−ブロモブタン、ジエチルスルフィド、1−エトキシブタン、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2−メトキシエタンアミン、2−メチルブタナール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、3−クロロペンタン、2−アリルオキシエタノール、ブタンチオール、塩化イソアミル、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、2−ブタノール、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1,1,1−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−クロロ−4−フルオロブタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、ジオキサン、1−ブロモブタン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メチル−2−ブタノール、2−メトキシ−1プロパンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、トリメトキシメタン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチルメチルエーテル、2,2,4−トリメチル−2−ペンテン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、ピペリジン、2−ブロモ−2−メチルブタン、ジプロピルアミン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、1−メチルシクロヘキセン、トルエン、酢酸sec−ブチル、2−フルオロトルエン、2,2−ジメチル−1−プロパノール、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,3,5−トリオキサン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、ピリジン、1,1,1,2−テトラクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、n−メチルモルホリン、3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチルtert−ブチルエーテル、2−ブロモペンタン、ブチロニトリル、1−ブタノール、sec−ブチルtert−ブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,1,3,3−テトラクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、テトラヒドロヒオフェン、3−メチル−3−ペンタノール、1,1−ジエトキシプロパン、2−メトキシエタノール、4,4,4−トリフルオロブタノール、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、1−ペンタンチオール、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、5−ヘキセン−2−オン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、1−ブロモペンタン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、4−メチル−2−ペンタノール、1,2−オクタンジオール、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、エチルベンゼン、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−ペンタノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、2,3−ジメチルブタノール、1−エトキシヘキサン、3−フルフラール、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,2−ジメチルベンゼン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、1,1,1−トリエトキシエタン、スチレン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、ジメチルエタノールアミン及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択され得る。
【0091】
前記有機抽出剤はまた、2組のバイナリーカップル、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)について、1.4以上の分離係数を有するように、かつ、0.6以上の吸収容量を有するように選択することができる。したがって、前記有機抽出剤は、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、2−メトキシ−1−プロペン、1,2−エポキシプロパン、エトキシエテン、ジメトキシメタン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、エタンジアール、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、プロパノン、酢酸メチル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、ジフルオロジエチルシラン、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、メチルグリオキサール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、酢酸イソプロピル、ジエチルスルフィド、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2−メチルブタナール、2−アリルオキシエタノール、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、ピリジン、n−メチルモルホリン、4−メチル−2−ペンタノン、ブチロニトリル、1−メトキシ−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、n−エチル−モルホリン、バレロニトリル、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール及び1−プロポキシ−2−プロパノール.からなる群より選択され得る。
【0092】
特に、前記選択された有機抽出剤は、1234yf/1243zfバイナリーカップルについて計算される場合、1.4以上の分離係数S1,2及び0.8以上の吸収容量C2,Sを、また、1234yf/1234zeEバイナリーカップルについて計算される場合、1.6以上の分離係数S1,2及び0.8以上の吸収容量C2,Sを有し得る。この場合、前記有機抽出剤は、2−メトキシ−1−プロペン、1,2−エポキシプロパン、エトキシエテン、ジメトキシメタン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、2−メチルブタナール、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、1−メチルピペラジン、バレロニトリル、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択することができる。好ましくは、前記有機抽出剤は、エトキシエテン、ジメトキシメタン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択することができる。特に、前記有機抽出剤は、ジメトキシメタン、ブタノン、酢酸イソプロリル、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、酢酸n−ブチル、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択することができる。より具体的には、前記有機抽出剤は、ジメトキシメタン、酢酸イソプロピル、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、酢酸n−ブチル、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択することができる。
【0093】
好ましい実施態様によれば、前記第3の組成物を蒸留し、一方は有機抽出剤、もう一方は、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物とに分離することができる。有利には、前記第3の組成物を蒸留し、一方は有機抽出剤、もう一方は3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、並びに任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とに分離することができる。
【0094】
特定の実施態様によれば、本発明の方法の工程b)で分離された、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む流れはその後、精製又は液化され、貯蔵される。本実施態様において、微量の有機抽出剤が2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む流れ中に存在する。前記流れ中の微量の有機抽出剤は、10ppm未満、好ましくは1ppm未満、特に500ppb未満、より具体的には100ppb未満である。
【0095】
したがって、本発明の方法は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製することを可能にする。有利には、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む、本発明の精製方法の工程b)で得られた流れ中の、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の含有量は、前記第1の組成物中の含有量より少ない。例えば、いずれか1種の化合物の含有量を、50%、有利には75%、好ましくは90%、特に95%、より具体的には98%減らすことができる。有利には、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種又は全種の化合物の含有量は、50%、有利には75%、好ましくは90%、特に95%、より具体的には98%減らすことができる。好ましくは、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)並びに/又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)並びに/又は、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の含有量は、50%、有利には75%、好ましくは90%、特に95%、より具体的には98%減らすことができる。
【0096】
含有量は、重量パーセントで表される。
【0097】
好ましくは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む、本発明の精製方法の工程b)で得られた流れは、クロロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種又は全種の化合物を、この(又はこれらの)化合物が前記第1の組成物中に存在している場合、含まない。特に、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む、本発明の精製方法の工程b)で得られた流れは、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)並びに/又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、並びに/又は、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含まなくてもよい。用語「含まない」とは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れが、対象としている化合物を該流れの総重量に基づいて50ppm未満、有利には20ppm未満、好ましくは10ppm未満含むことを意味する。
【0098】
好ましい実施態様によれば、本発明の方法の工程a)で使用される前記第1の組成物は、使用前に精製されてもよい。具体的には、前記第1の組成物が2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物、場合によって重質不純物を含む場合、本方法は、工程a)の前に以下の工程:
i’) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物と、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、場合によって重質不純物;好ましくは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、場合によって重質不純物とを含む組成物を実現又は提供する工程;
ii’) 工程i)からの前記組成物を蒸留して、塔上部で、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物を除去し、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、場合により重質不純物とを含む、蒸留塔の底部で回収された第1の流れを形成する工程であって、有利には、第1の流れが、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む、工程。
iii’) 任意選択的に、工程ii’)において蒸留塔の底部で回収された前記第1の流れを蒸留して、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第2の流れを塔の上部で、かつ、重質不純物を含む流れを蒸留塔の底部で回収する工程であって、第2の流れは有利には、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む、工程
を含んでもよく;
工程ii’)で回収された前記第1の流れ又は工程iii’)で回収された前記第2の流れは、工程a)で使用される前記第1の組成物に対応する。
【0099】
2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する前記不純物は、トリフルオロメタン(F23)、モノフルオロメタン(F41)、ジフルオロメタン(F32)、ペンタフルオロエタン(F125)、1,1,1−トリフルオロエタン(F143a)、トリフルオロプロピン又は1−クロロ−ペンタフルオロエタン(F115)であり得る。重質不純物は、例えば1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236ea)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(227ca)、シス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−Z)、及び対象の組成物又は流れ中に存在する1種の化合物、例えば、ヘキサフルオロブテン(1336)、ヘプタフルオロブテン(1327)、オクタフルオロブタン(338)、ノナフルオロペンテン(1429)又はヘプタフルオロペンテン(1447)などのC4又はC5炭化水素から誘導された二量体又は三量体を含有し得る。
【0100】
第2の態様によれば、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法を提供する。さらに、本方法は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの精製方法も含み得る。したがって、本発明は、以下の工程:
A) 触媒の存在下での、式CX(Y)−CX(Y)−CHXY (I)(式中、X及びYは独立に、H、F又はClを表し、m=0又は1である)の化合物のフッ素化;及び/又は触媒の存在下での、式(CX3−n)CH1−pCH2−m (II)(式中、Xは、互いに独立にCl、F、I又はBrであり、Yは、互いに独立にH、Cl、F、I又はBrであり;nは、1、2又は3であり;mは、0、1又は2であり;pは、0又は1である)の化合物のフッ素化;
B) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れ、有利には、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れを回収する工程;
C) 工程B)において回収された流れを用いる、2,3,3,3,−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための本発明による方法の実施
を含む、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法を提供する。
【0101】
好ましい実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法は、以下の工程:
A) 触媒の存在下での、式CX(Y)−CX(Y)−CHXY (I)(式中、X及びYは独立に、H、F又はClを表し、m=0又は1である)の化合物のフッ素化;並びに/又は触媒の存在下での、式(CX3−n)CH1−pCH2−m (II)(式中、Xは、互いに独立にCl、F、I又はBrであり、Yは、互いに独立にH、Cl、F、I又はBrであり;nは、1、2又は3であり;mは、0、1又は2であり;pは、0又は1である)の化合物のフッ素化;
B) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れ;好ましくは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れの回収;
C) 工程B)において回収された流れを用いる、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための方法であって、以下の工程:
a) 前記第1の組成物を少なくとも1種の有機抽出剤と接触させて、第2の組成物を形成する工程;
b) 前記第2の組成物の抽出蒸留を行って、
i) 前記有機抽出剤と、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第3の組成物;好ましくは、前記有機抽出剤と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第3の組成物を形成する工程;並びに
ii) 2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れ
を形成する工程;
c) 前記第3の組成物の回収及び分離を行って、前記有機抽出剤を含む流れ、並びに、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物を含む流れ;好ましくは、前記有機抽出剤を含む流れ、並びに、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れ
を形成する工程
を含む方法の実施
を含む。
【0102】
好ましくは、前記有機抽出剤を含む流れは、工程a)へリサイクルされる。
【0103】
特定の実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法の工程B)で回収された流れは、フッ化水素酸を含み得る。この場合、工程C)の前に、工程B)で回収された流れを予備蒸留B1’)に供して、蒸留塔の底部でHFを除去することができる。2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れが蒸留塔上部で回収され、好ましくは、流れは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む。その後、蒸留塔の上部で回収された上記流れは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法の工程C)に供される。
【0104】
特定の実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法の工程B)で回収された流れは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物も含み得る。この場合、工程C)の前に、工程B)において回収された流れを、任意選択的に工程B1’)の後に、予備蒸留B2’)に供し、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する前記不純物を蒸留塔の上部で除去し、蒸留塔の底部で回収された、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第1の流れを形成することができ、好ましくは、流れは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む。その後、蒸留塔の底部で回収された上記の流れを2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法の工程C)に供する。
【0105】
特定の実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法の工程B)で回収された流れは、重質不純物を含み得る。この場合、工程C)の前に、工程B)において回収された流れを、任意選択的に工程B1’)及び/又はB2’)の後に、予備蒸留B3’)に供し、蒸留塔の底部で前記重質不純物を除去し、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、蒸留塔の上部で回収された、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)及び3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第1の流れを回収することができ、好ましくは、第1の流れは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む。その後、蒸留塔の上部で回収された前記流れは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法の工程C)に供される。
【0106】
特定の実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法の工程B)で回収された流れは、HClも含み得る。塩酸は、本発明の方法の他の工程とは無関係に、工程B1’の前又は後に蒸留によって回収することができる。
【0107】
より具体的には、工程A)は、1,1,2,3−テトラクロロプロペン、2,3,3,3,−テトラクロロプロペン、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、1,3,3,3−テトラクロロプロペン、1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタクロロプロパン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを用いて、好ましくは1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン、1,1,2,3,テトラクロロプロペン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン及び/又は2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンを用いて、特に1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン(240db)を用いて実施される。
【0108】
図1aは、本発明の特定の実施態様に従って2,3,3,3,−1−テトラフルオロ−1−プロペンの精製方法を実施するための装置の単純化した構成を概略的に表す。式(CX3−n)CHXCHm+12−m (I)の化合物の触媒の存在下でのフッ素化反応及び/又は式(CX3−n)CH1−p=CH2−m (II)の化合物の触媒の存在下でのフッ素化により得られる混合物が、1で得られる。この特定の実施態様において、該混合物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択的に、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E),からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物と、重質不純物とを含む。この混合物は、パイプ3を通って蒸留塔2に移される。不純物は、蒸留塔2の上部で回収され、パイプ5を通って焼却炉又は精製装置15に運ばれる。蒸留塔の底部で得られ、混合物の他の成分を含む残留物は、パイプ4を通って第2の蒸留塔6に運ばれる。6で行われる蒸留は、混合物の他の成分から重質不純物を分離するために行われる。したがって、蒸留操作条件は、この目的に適している。重質不純物は、蒸留塔8の底部で回収され、他の成分は、蒸留塔の上部で回収され、パイプ7を通って抽出蒸留塔9に運ばれる。9で行われる抽出蒸留は、上記の混合物の他の成分から2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを分離するために行われる。抽出蒸留装置9には、本特許出願に記載の方法に従って選択された有機抽出剤17が供給される。2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンは、抽出蒸留塔9の上部で回収され、パイプ11を通って10で貯蔵又は精製される。抽出蒸留装置9の底部で回収された混合物は特に、有機抽出剤17と、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と、任意選択的に、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)及びトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)のうちの少なくとも1種の化合物とを含む。抽出蒸留装置9の底部で回収された混合物は、12のパイプを通って、存在する他の化合物から有機抽出剤を分離するための蒸留装置13に運ばれる。有機抽出剤は、蒸留装置の底部で回収され、パイプ16を通って抽出蒸留装置9にリサイクルされる。蒸留装置13の上部で回収された化合物は、パイプ14を通ってパイプ5に運ばれ、15で焼却又は精製される。
【0109】
1で提供される混合物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物を含まない。この場合、図1bに示すように、混合物1は、パイプ3を通って蒸留塔6に運ばれ、図1aに関連して上述したように処理される。図1cに示す別の特定の実施態様において、混合物1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物も、重質不純物も含まない。この場合、該混合物は、抽出蒸留塔9に直接運ばれ、そこで図1aに関連して上述したように処理される。
【0110】
図2は、本発明の特定の実施態様に従って2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法を実施するための装置を概略的に示す。フッ化水素酸21は、反応器23内で1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン(240db)22と接触させる。得られた混合物は、HF、HCl、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)並びに、任意選択か否かに関わらず、クロメタン(40)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、クロロペンタフルオロエタン(115)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(134a)、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye−E)のうちの少なくとも1種の化合物及び、任意選択か否かに関わらず、重質不純物又は2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点を下回る沸点を有する不純物を含む。混合物は、反応器出口で回収され、パイプ24を通って蒸留塔25に運ばれる。HFと、場合によって重質不純物とを含む、蒸留塔の底部で得られた流れは、パイプ26を通って、HFを精製するために精製装置27に運ばれ、任意選択的に23においてリサイクルされる。混合物の他の成分は、パイプ28を通って2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための精製装置29に運ばれる。精製装置29は、図1a〜1bに示した装置のいずれであってもよい。
【0111】
2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するための本発明の方法で使用される触媒は、例えば遷移金属酸化物又はそのような金属の誘導体、すなわちハロゲン化物若しくはオキシハロゲン化物を含む金属ベースとすることができる。例えば、FeCl、オキシフッ化クロム、酸化クロム(任意選択的にフッ素化処理を施す)及びフッ化クロム、並びにこれらの混合物を挙げることができる。他の可能な触媒は、炭素担持触媒、アンチモン系触媒及びアルミニウム系触媒(例えばAlF及びAl、オキシフッ化アルミニウム及びフッ化アルミニウム)である。
【0112】
一般に、オキシフッ化クロム、フッ化アルミニウム又はオキシフッ化アルミニウム又は、任意選択的に、Cr、Ni、Fe、Zn、Ti、V、Zr、Mo、Ge、Sn、Pb、Mg若しくはSbなどの金属を含有する担持触媒を使用することができる。
【0113】
この点に関して、参照が明示的になされている国際公開第2007/079431号(第7頁、第1〜5行及び第28〜32行)及びEP第939071号(第0022段落)、国際公開第2008/054781号(第9頁、第22行〜第10頁、第34行)及び国際公開第2008/040969号(請求項1)を参照することができる。
【0114】
触媒は、さらに特に好ましくはクロム系であり、より具体的にはクロムを含む混合触媒である。
【0115】
一実施態様によれば、クロムとニッケルとを含む混合触媒が使用される。Cr/Niのモル比(金属元素に基づく)は通常、0.5〜5、例えば0.7〜2、例えば約1である。触媒は、0.5重量%〜20重量%のニッケルを含有し得る。
【0116】
金属は、金属形態で、又は、例えば酸化、ハロゲン化若しくはオキシハロゲン化誘導体といった誘導体の形態で存在してもよい。このような誘導体は好ましくは、触媒金属の活性化により得られる。
【0117】
担体は、アルミニウム、例えばアルミナ、活性化アルミナ若しくは、例えば米国特許第4902838号に記載される、ハロゲン化アルミニウム及びオキシハロゲン化アルミニウムなどのアルミニウム誘導体で、好ましくは構成されるか又は上述の活性化方法により得られる。
【0118】
触媒は、任意選択的に活性化に供された、活性化又は非活性化形態のクロム及びニッケルを担体上に含むことができる。
【0119】
本明細書において参照が明示的になされている、国際公開第2009/118628号(特に第4頁、第30行〜第7頁、第16行)を参照することができる。
【0120】
別の好ましい実施態様は、クロムと、Mg及びZnから選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する混合触媒に基づいている。Mg又はZn/Crの原子比率は、好ましくは0.01〜5である。
【0121】
触媒は好ましくは、使用前に空気、酸素若しくは塩素で、及び/又はHFで活性化される。
【0122】
好ましくは、触媒は、100〜500℃、好ましくは250〜500℃、より具体的には300〜400℃の温度で空気又は酸素及びHFで活性化される。活性化時間は、好ましくは1〜200時間、より具体的には1〜50時間である。
【0123】
このような活性化に、酸化剤、HF及び有機化合物の存在下での最終フッ素化活性化工程が続いてもよい。
【0124】
HF/有機化合物のモル比は、好ましくは2〜40であり、酸化剤/有機化合物のモル比は、好ましくは0.04〜25である。最終活性化の温度は、好ましくは300〜400℃であり、その継続時間は、好ましくは6〜100時間である。
【0125】
気相フッ素化反応を、
- 3:1〜150:1、好ましくは4:1〜125:1、さらに特に好ましくは5:1〜100:1のHF/式(I)及び/又は(II)の化合物モル比で;
- 3〜100秒、好ましくは4〜75秒、より具体的には5〜50秒の接触時間(触媒の体積を流入流全体で除し、運転温度及び圧力に合せて調整したもの)で;
- 大気圧〜20bar、好ましくは2〜18bar、より具体的には3〜15barの範囲の圧力で;
- 200〜450℃、好ましくは250〜400℃、より具体的には280〜380℃の温度(触媒床の温度)で
実施することができる。
【0126】
反応工程の継続時間は、典型的には10〜8000時間、好ましくは50〜5000時間、さらに特に好ましくは70〜1000時間である。
【0127】
酸化剤、好ましくは酸素は、フッ素化反応中に任意選択的に添加されてもよい。酸素/有機化合物モル比は、0.005〜2、好ましくは0.01〜1.5であり得る。酸素は、純粋な形態で、又は空気の形態で、又は酸素/窒素混合物の形態で導入してもよい。酸素はまた、塩素で置き換えてもよい。
【0128】
有機抽出剤の選択方法
有機抽出剤の選択は、COSMOTHERMソフトウェアに実装されたCosmo−RSモデルを用いて決定される。この選択されたバイナリーカップルに対して、以下の式によって、研究された各溶媒について、分離係数が計計算される。
1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、
γ1,Sは、対象としている有機抽出剤中の第1の化合物1の無限希釈の活性係数を表し、
P1は、第1の化合物1の飽和蒸気圧を表し、
γ2,Sは、対象としている有機抽出剤中のバイナリーカップルの第2の化合物2の無限希釈の活量係数を表し、
P2は、第2の化合物の飽和蒸気圧を表す。)
【0129】
吸収容量は、各試験溶媒及び対象としているバイナリーカップル(1,2)についても計算される。吸収容量は、式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、試験された前記有機抽出剤中の対象としているバイナリ―カップルの第2の化合物の無限希釈の活量係数を表す)によって計算される。試験有機抽出剤ごとに計算を繰り返す。対象としているバイナリーカップル(1,2)の第1の化合物と第2の化合物との間の十分な分離を可能にするために、最小分離係数及び吸収容量値が特定される。25℃の温度での飽和蒸気圧が念頭に置かれている。
【実施例】
【0130】
2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するために、バイナリーカップル2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)及びバイナリーカップル2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)が、有機抽出剤を選択するために検討された。Cosmo−RSモデルにより得られる情報に基づいて、以下の表1に示す溶媒を、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む混合物の抽出蒸留について試験した。
表1−有機抽出剤の吸収容量及び分離係数
【0131】
結果は、これら3種の化合物の混合物の総重量に対して92.0重量%の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、7.5重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び0.5重量%の3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)の使用が確認された。組成物の残りは、試験有機抽出剤によって形成される。
図1a
図1b
図1c
図2