【実施例】
【0035】
LC/MS法
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定は、各方法に明記したLCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)検出器またはUV検出器およびカラムを使用して行った。必要に応じて、追加の検出器を含めた(下の方法の表を参照されたい)。
【0036】
カラムからの流れを、大気圧イオン源を装備した質量分析計(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、データ取込時間など)を設定することは当業者の知識の範囲内である。データ取得は、適切なソフトウェアを用いて行った。
【0037】
化合物は、その実測保持時間(R
t)およびイオンで表される。データの表に別に明記されていなければ、報告される分子イオンは、[M+H]
+(プロトン化分子)および/または[M−H]
−(脱プロトン化分子)に対応する。化合物が直接イオン化できなかった場合、付加体の種類を明記する(すなわち、[M+NH
4]
+、[M+HCOO]
−など)。複数の同位体パターンを有する分子(Br、Cl)について、報告される値は、最低同位体質量に関して得られた値とする。得られた結果は、すべて使用する方法に通常付随する実験上の不確実性を伴っていた。
【0038】
以下では、「SQD」はシングル四重極検出器を意味し、「MSD」は質量選択検出器を意味し、「RT」は室温を意味し、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを意味し、「DAD」はダイオードアレイ検出器を意味し、「HSS」は高強度シリカを意味する。
【0039】
【表1】
【0040】
SFC/MS法
SFC測定は、二酸化炭素(CO
2)およびモディファイアを供給するバイナリポンプ、オートサンプラー、カラムオーブン、400barまで耐用する高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器で構成される分析超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)システムを使用して行った。質量分析計(MS)が配置されている場合、カラムからの流れを(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、データ取込時間など)を設定することは当業者の知識の範囲内である。データ取得は、適切なソフトウェアを用いて行った。
【0041】
【表2】
【0042】
融点
値は、ピーク値または融解範囲のいずれかであり、この分析方法に通常付随する実験上の不確実性を伴って得られる。
【0043】
DSC823e(DSCと示す)
複数の化合物について、DSC823e(Mettler−Toledo)で融点を測定した。融点は、10℃/分の温度勾配で測定した。最高温度は300℃とした。
【0044】
旋光度:
旋光度は、ナトリウムランプを備えたPerkin−Elmer 341旋光計で測定し、次のように報告した:[α]°(λ、cg/100ml、溶媒、T℃)。
[α]
λT=(100α)/(l×c):式中、lは、経路長(単位:dm)であり、cは、温度T(℃)および波長λ(単位:nm)における試料の濃度(単位:g/100ml)である。使用した光の波長が589nm(ナトリウムD線)である場合、代わりに記号Dを使用することができる。旋光度の符号(+または−)は常に付与されるべきである。この式を使用する場合、濃度および溶媒を旋光度の後の括弧内に常に記載する。旋光度は度を使用して報告し、濃度の単位は記載されない(g/100mLであると想定する)。
【0045】
実施例1:4−(3−((1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物1)の合成、ならびにエナンチオマー1Aおよび1Bへのキラル分離
【化6】
【0046】
中間体1aの合成:
tert−ブチル4−ブロモブタノエート[CAS 110661−91−1](42.3g、0.19mol)の、機械撹拌したDMF(600mL)溶液に3−アミノ−5−メトキシフェノール[CAS 162155−27−3](26.4g、0.19mol)とCs
2CO
3(123.6g、0.379mol)との固体混合物を小分けにして添加した。反応生成物を60℃で65時間撹拌し、室温に到達させた。この混合物をH
2O(2.5L)に注ぎ入れた。生成物をEt
2Oで抽出した(2回)。まとめた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾別した。溶媒を減圧下で蒸発させ、次いでトルエンと共蒸発させた。残渣を順相HPLC(固定相:シリカゲル60A 25〜40μm(Merck)、移動相:20%EtOAc、80%ヘプタンから60%EtOAc、40%ヘプタンへの勾配)で精製して、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(27g)を得た。
【0047】
中間体1bの合成:
メチル2−ブロモ−2−(4−フルオロフェニル)アセテート[CAS 71783−54−5](0.400g、1.62mmol)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(0.547g、1.94mmol)と、トリエチルアミン(0.337mL、2.43mmol)とのCH
3CN(4mL)中混合物をマイクロ波オーブン内で100℃において20分間加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、1N HClで洗浄した。有機相をH
2Oおよびブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン中EtOAcの勾配(2%から20%へ)を使用して精製し、tert−ブチル4−(3−((1−(4−フルオロフェニル)−2−メトキシ−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1b(0.511g)を得た。
【0048】
中間体1cの合成:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−フルオロフェニル)−2−メトキシ−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1b(0.510g、1.14mmol)の、THF(3mL)と、MeOH(3mL)と、H
2O(3mL)との溶媒混合物中溶液に水酸化リチウム(0.239g、5.70mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で部分的に濃縮して、有機溶媒を除去した。残渣を1N HClで酸性化し、CH
2Cl
2で抽出した。有機相をMgSO
4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、CH
2Cl
2(酢酸2%を含有)中MeOHの勾配(0%から10%へ)を使用して精製し、2−((3−(4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブトキシ)−5−メトキシフェニル)アミノ)−2−(4−フルオロフェニル)酢酸、1c(0.326g)を得た。
【0049】
中間体1dの合成:
2−((3−(4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブトキシ)−5−メトキシフェニル)アミノ)−2−(4−フルオロフェニル)酢酸、1c(0.326g、0.75mmol)のDMF(6mL)溶液にHATU(0.286g、0.75mmol)、トリエチルアミン(0.418mL、3.01mmol)および6−(トリフルオロメチル)インドリン[CAS 181513−29−1](0.141g、0.75mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、1N HClで洗浄した。有機相をNaHCO
3の飽和水溶液およびブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン中EtOAcの勾配(5%から50%へ)を使用して精製し、tert−ブチル4−(3−((1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1d(0.134g)を得た。
【0050】
化合物1の合成、ならびにエナンチオマー1Aおよび1Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1d(0.134g、0.22mmol)のCH
2Cl
2(3mL)溶液にジオキサン(3mL、12mmol)中4M塩化水素を添加した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEt
2O/ヘプタンの混合物と混和した。固体を濾別し、真空下で乾燥して、4−(3−((1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物1、103mg)をラセミ混合物として得た。
【0051】
化合物1(1.3g)のエナンチオマーを分取SFC(固定相:Chiralcel(登録商標)Diacel OD 20×250mm、移動相:CO
2、エタノール)により分離した。生成物画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。第1の溶出エナンチオマーをフラッシュクロマトグラフィー(固定相:Grace Reveleris(登録商標)シリカ40g、移動相:ヘプタン/EtOAc/EtOH/HOAc 100/0/0/0から0/75/24.5/0.5への勾配)でさらに精製した。所望の画分をまとめ、減圧下で蒸発させ、EtOAcと共蒸発させ、次いでMeOH/H
2Oと共蒸発させた。残渣をH
2O(15mL)+MeOH(1.5mL)に入れて45分間かき混ぜ、濾別し、MeOH/H
2O(4/1)で洗浄し(4×)、真空下において45℃で乾燥して、エナンチオマー1A(475mg)を得た。第2の溶出エナンチオマーをフラッシュクロマトグラフィー(固定相:Grace Reveleris(登録商標)シリカ40g、移動相:ヘプタン/EtOAc/EtOH/HOAc 100/0/0/0から0/75/24.5/0.5への勾配)でさらに精製した。所望の画分をまとめ、減圧下で蒸発させ、EtOAcと共蒸発させ、次いでMeOH/H
2Oと共蒸発させた。残渣をH
2O(15mL)+MeOH(1.5mL)に入れて75分間かき混ぜ、濾別し、MeOH/H
2O(4/1)で洗浄し(4×)、真空下において45℃で乾燥して、エナンチオマー1B(461mg)を得た。
【0052】
化合物1:
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.80−1.94(m,2H)2.22−2.48(m,2H)3.09−3.27(m,2H)3.62(s,3H)3.85(t,J=6.2Hz,2H)3.91−4.06(m,1H)4.48−4.61(m,1H)5.57(d,J=8.7Hz,1H)5.76(s,1H)5.94(s,1H)5.96(s,1H)6.39(d,J=8.3Hz,1H)7.21(t,J=8.7Hz,2H)7.35−7.49(m,2H)7.58(dd,J=8.1,5.8Hz,2H)8.38(s,1H)12.1(br. s.,1H)
LC/MS(方法LC−C):R
t1.94分、MH
+547
【0053】
エナンチオマー1A:
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.87(quin,J=6.8Hz,2H)2.33(t,J=7.4Hz,2H)3.14−3.29(m,2H)3.62(s,3H)3.85(t,J=6.5Hz,2H)4.00(td,J=10.5,7.3Hz,1H)4.54(td,J=10.4,6.3Hz,1H)5.56(d,J=8.6Hz,1H)5.76(t,J=2.0Hz,1H)5.95(dt,J=9.1,1.8Hz,2H)6.36(d,J=8.8Hz,1H)7.20(t,J=8.9Hz,2H)7.34−7.41(m,1H)7.42−7.49(m,1H)7.52−7.62(m,2H)8.38(br s,1H)12.10(br s,1H)
LC/MS(方法LC−D):R
t0.99分、MH
+547
[α]
D20:−49.0°(c0.41,DMF)
キラルSFC(方法SFC−J):R
t2.92分、MH
+547、キラル純度100%。
【0054】
エナンチオマー1B:
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.33(t,J=7.3Hz,2H)3.12−3.29(m,2H)3.62(s,3H)3.85(t,J=6.5Hz,2H)4.00(td,J=10.4,7.2Hz,1H)4.54(td,J=10.4,6.3Hz,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.76(t,J=2.1Hz,1H)5.95(dt,J=9.1,2.0Hz,2H)6.36(d,J=8.8Hz,1H)7.20(t,J=8.2Hz,2H)7.35−7.41(m,1H)7.42−7.48(m,1H)7.53−7.62(m,2H)8.38(br s,1H)12.11(br s,1H)
LC/MS(方法LC−D):R
t1.00分、MH
+547
[α]
D20:+49.5°(c0.525,DMF)
キラルSFC(方法SFC−J):R
t2.81分、MH
+547、キラル純度100%。
【0055】
実施例2:4−(3−((1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物2)の合成、ならびにエナンチオマー2Aおよび2Bへのキラル分離。
【化7】
【0056】
中間体2aの合成:
6−(トリフルオロメトキシ)インドリン[CAS 959235−95−1](2g、9.84mmol)と、2−(4−フルオロフェニル)酢酸[CAS 405−50−5](1.67g、10.8mmol)と、HATU(5.6g、14.8mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(4.9mL、29.5mmol)とのDMF(40mL)中混合物を室温で12時間撹拌した。水を添加し、沈殿物を濾別した。残渣をEtOAcで溶かした。この有機溶液をK
2CO
3の10%水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 90/10から60/40への勾配)で精製した。純粋な画分をまとめ、溶媒を減圧下で濃縮して、2−(4−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、2a(2.5g)を得た。
【0057】
中間体2bの合成:
−78℃、N
2流下において、THF(9.82mL、14.7mmol)中LiHMDS 1.5Mを2−(4−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、2a(2.5g、7.37mmol)のTHF(40mL)中混合物に滴加した。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(1.44g、8.1mmol)のTHF(30mL)溶液を滴加した。−78℃で2時間撹拌してから、NH
4Clの飽和水溶液で反応を停止した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させ、CH
3CN/ジイソプロピルエーテルから沈殿させた後、2−ブロモ−2−(4−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、2b(3g)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0058】
中間体2cの合成:
2−ブロモ−2−(4−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、2b(1.1g、2.63mmol)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(0.74g、2.63mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(0.54mL、3.15mmol)とのCH
3CN(40mL)中混合物を70℃で4時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、1N HClおよび水で洗浄した。有機相を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。化合物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 80/20)で精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固した。残渣をジイソプロピルエーテル/石油エーテルから結晶化させて、tert−ブチル4−(3−((1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、2c(1.25g)を得た。
【0059】
化合物2の合成、ならびにエナンチオマー2Aおよび2Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、2c(1.5g、2.42mmol)をジオキサン(15mL)中4M HClに溶かした溶液を5℃で3時間および室温で3時間撹拌した。沈殿物を濾別し、乾燥して、4−(3−((1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸をHCl塩(化合物2、1.4g、0.76当量HCl、0.1当量H
2O)として得た。キラル分離する前に、化合物2(HCl塩)のEtOAcまたはCH
2Cl
2溶液を1N NaOHで処理し、有機層を減圧下で蒸発させることにより、化合物2(HCl塩)を中和した。化合物2(1.3g)のエナンチオマーを分取キラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD−H 5μm 250×30mm、移動相:50%CO
2、50%MeOH)により分離し、逆相クロマトグラフィー(固定相:YMC−actus Triart−C18 10μm 150×30mm、移動相:HCOONH
4 0.6g/L pH=3.5が60%、CH
3CNが40%からHCOONH
4 0.6g/L pH=3.5が0%、CH
3CNが100%への勾配)でさらに精製した。生成物画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。第1の溶出エナンチオマー(205mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー2A(168mg)を得た。第2の溶出エナンチオマー(259mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー2B(180mg)を得た。
【0060】
化合物2:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.34(t,J=7.3Hz,2H)3.05−3.28(m,2H)3.62(s,3H)3.85(t,J=6.5Hz,2H)4.01(td,J=10.3,7.4Hz,1H)4.53(td,J=10.2,6.6Hz,1H)5.56(s,1H)5.76(s,1H)5.96(br d,J=10.4Hz,2H)7.01(br d,J=7.9Hz,1H)7.21(t,J=8.8Hz,2H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.57(dd,J=8.5,5.7Hz,2H)8.04(s,1H)
LC/MS(方法LC−A):Rt2.80分、MH
+563
融点:136℃
【0061】
エナンチオマー2A:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.86(quin,J=6.9Hz,2H)2.33(t,J=7.3Hz,2H)3.05−3.26(m,2H)3.61(s,3H)3.84(t,J=6.3Hz,2H)3.96−4.08(m,1H)4.46−4.60(m,1H)5.55(d,J=8.8Hz,1H)5.75(s,1H)5.95(br d,J=11.0Hz,2H)6.41(br d,J=8.5Hz,1H)7.01(br d,J=8.2Hz,1H)7.21(t,J=8.8Hz,2H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.57(dd,J=8.2,5.7Hz,2H)8.04(s,1H)12.19(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.87分、MH
+563
[α]
D20:−46.3°(c0.27,DMF)
キラルSFC(方法SFC−B):R
t1.75分、MH
+563、キラル純度100%。
【0062】
エナンチオマー2B:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.86(quin,J=6.9Hz,2H)2.32(t,J=7.3Hz,2H)3.05−3.26(m,2H)3.61(s,3H)3.84(t,J=6.5Hz,2H)4.01(td,J=10.3,7.4Hz,1H)4.53(td,J=10.2,6.0Hz,1H)5.55(d,J=8.8Hz,1H)5.75(s,1H)5.95(br d,J=12.0Hz,2H)6.41(d,J=8.8Hz,1H)7.01(br d,J=7.9Hz,1H)7.20(t,J=8.7Hz,2H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.57(dd,J=8.5,5.7Hz,2H)8.04(s,1H)11.49−12.49(m,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.87分、MH
+563
[α]
D20:+47.0°(c0.27,DMF)
キラルSFC(方法SFC−B):R
t3.83分、MH
+563、キラル純度100%。
【0063】
実施例3:4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物3)の合成、ならびにエナンチオマー3Aおよび3Bへのキラル分離。
【化8】
【0064】
中間体3aの合成:
6−(トリフルオロメチル)インドリン[CAS 181513−29−1](3g、16.0mmol)と、2−(4−クロロフェニル)酢酸[CAS 1878−66−6](3.53g、20.8mmol)と、HATU(9.1g、24.0mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(7.95mL、48.1mmol)とのDMF(75mL)中混合物を室温で12時間撹拌した。水を添加し、沈殿物を濾別した。残渣をEtOAcで溶かした。この有機溶液をK
2CO
3の10%水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 90/10から60/40への勾配)で精製した。純粋な画分をまとめ、溶媒を減圧下で濃縮して、2−(4−クロロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、3a(4.5g)を得た。
【0065】
中間体3bの合成:
−78℃、N
2流下において、THF(17.7mL、26.5mmol)中LiHMDS 1.5Mを2−(4−クロロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、3a(4.5g、13.3mmol)のTHF(65mL)中混合物に滴加した。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(2.6g、14.6mmol)のTHF(35mL)溶液を滴加した。−78℃で2時間撹拌してから、NH
4Clの飽和溶液で反応を停止した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をジイソプロピルエーテルで溶かした。沈殿物を濾別し、廃棄した(残留スクシンイミド)。濾液を減圧下で濃縮して、2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、3b(5g)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0066】
中間体3cの合成:
2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、3b(5g、11.9mmol)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(3.3g、11.9mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(2.47mL、14.3mmol)とのCH
3CN(120mL)中混合物を70℃で6時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、1N HClおよび水で洗浄した。有機相を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。化合物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 90/10から60/40への勾配)で精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固して、tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、3c(1.6g)を得た。
【0067】
化合物3の合成、ならびにエナンチオマー3Aおよび3Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、3c(1.6g、2.58mmol)をジオキサン(22mL)中4M HClに溶かした溶液を5℃で3時間および室温で8時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残渣をCH
3CN/ジイソプロピルエーテルに溶かした。沈殿物を濾別し、乾燥して、4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸をHCl塩(1.15g、0.95当量HCl、0.07当量H
2O)として得た。化合物3(HCl塩)のEtOAcまたはCH
2Cl
2溶液を1N NaOHで処理し、有機層を減圧下で蒸発させることにより、化合物3(HCl塩)の少量部分を中和して、化合物3を得た。化合物3(HCl塩)の残量をキラル分離に使用した。すなわち、エナンチオマーを分取キラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD−H 5μm 250×30mm、移動相:50%CO
2、50%iPrOH)により分離した。第1の溶出エナンチオマー(470mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー3A(404mg)を得た。第2の溶出エナンチオマー(480mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー3B(433mg)を得た。
【0068】
化合物3:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.8Hz,2H)2.33(t,J=7.3Hz,2H)3.18−3.27(m,2H)3.62(s,3H)3.85(t,J=6.3Hz,2H)3.97−4.09(m,1H)4.46−4.59(m,1H)5.57(d,J=8.6Hz,1H)5.76(s,1H)5.95(br d,J=9.1Hz,2H)6.40(br d,J=8.6Hz,1H)7.34−7.49(m,4H)7.55(d,J=8.6Hz,2H)8.38(s,1H)11.90−12.25(m,1H)
LC/MS(方法LC−A):Rt2.88分、MH
+563
融点:192℃
【0069】
エナンチオマー3A:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(br t,J=6.6Hz,2H)2.34(br t,J=7.1Hz,2H)3.15−3.31(m,2H)3.62(s,3H)3.85(br t,J=6.1Hz,2H)3.97−4.09(m,1H)4.48−4.60(m,1H)5.59(br d,J=8.5Hz,1H)5.77(br s,1H)5.95(br d,J=11.3Hz,2H)6.44(br d,J=8.5Hz,1H)7.36−7.50(m,4H)7.56(br d,J=8.2Hz,2H)8.38(s,1H)12.17(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.93分、MH
+563
[α]
D20:−42.4°(c0.25,DMF)
キラルSFC(方法SFC−C):R
t2.12分、MH
+563、キラル純度100%。
【0070】
エナンチオマー3B:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.7Hz,2H)2.34(br t,J=7.1Hz,2H)3.15−3.31(m,2H)3.62(s,3H)3.85(br t,J=6.3Hz,2H)3.97−4.10(m,1H)4.49−4.61(m,1H)5.59(br d,J=8.8Hz,1H)5.77(s,1H)5.95(br d,J=11.3Hz,2H)6.44(br d,J=8.5Hz,1H)7.36−7.49(m,4H)7.56(br d,J=8.2Hz,2H)8.38(s,1H)12.17(br s,1H
LC/MS(方法LC−A):R
t2.93分、MH
+563
[α]
D20:+50.7°(c0.27,DMF)
キラルSFC(方法SFC−C):R
t4.87分、MH
+563、キラル純度100%。
【0071】
実施例4:4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)−インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物4)の合成、ならびにエナンチオマー4Aおよび4Bへのキラル分離。
【化9】
【0072】
中間体4aの合成:
6−(トリフルオロメトキシ)インドリン[CAS 959235−95−1](2g、9.84mmol)と、2−(4−クロロフェニル)酢酸[CAS 1878−66−6](1.85g、10.8mmol)と、HATU(5.6g、14.8mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(4.9mL、29.5mmol)とのDMF(40mL)中混合物を室温で12時間撹拌した。水を添加し、沈殿物を濾別した。残渣をEtOAcで溶かした。この有機溶液をK
2CO
3の10%水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 90/10から60/40への勾配)で精製した。純粋な画分をまとめ、溶媒を減圧下で濃縮して、2−(4−クロロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、4a(3g)を得た。
【0073】
中間体4bの合成:
−78℃、N
2流下において、THF(11.2mL、16.9mmol)中LiHMDS 1.5Mを2−(4−クロロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、4a(3g、8.43mmol)のTHF(50mL)中混合物に滴加した。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(1.65g、9.3mmol)のTHF(30mL)溶液を滴加した。−78℃で2時間撹拌してから、NH
4Clの飽和溶液で反応を停止した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、4b(3.6g)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0074】
中間体4cの合成:
2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、4b(3.6g、8.3mmol)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(2.3g、8.3mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(1.7mL、9.94mmol)とのCH
3CN(80mL)中混合物を70℃で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、1N HClおよび水で洗浄した。有機相を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。化合物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、120g、ヘプタン/EtOAc 80/20)で精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固し、ジイソプロピルエーテルから結晶化させた後、tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、4c(2.6g)を得た。
【0075】
化合物4の合成、ならびにエナンチオマー4Aおよび4Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、4c(2.4g、3.8mmol)をジオキサン(24mL)中4M HClに溶かした溶液を5℃で3時間および室温で3時間撹拌した。沈殿物を濾別し、乾燥して、4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸をHCl塩(化合物4、2g、0.8当量HCl、0.07当量H
2O)として得た。キラル分離する前に、化合物4(HCl塩)の酢酸エチル溶液を1N NaOHで処理し、有機層を減圧下で蒸発させることにより、化合物4(2g、HCl塩)を中和した。エナンチオマーを分取キラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD−H 5μm 250×30mm、移動相:50%CO
2、50%iPrOH(+0.3%iPrNH
2))により分離し、分取アキラルSFC(固定相:Cyano(登録商標)6μm 150×21.2mm、移動相:80%CO
2、20%MeOH(+0.3%iPrNH
2))でさらに精製した。生成物画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。両方のエナンチオマーをEtOAcで溶かし、1N HClで洗浄した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。第1の溶出エナンチオマーをエーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー4A(616mg)を得た。第2の溶出エナンチオマーをエーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー4B(715mg)を得た。
【0076】
キラル分離については同じ条件を使用し、ラセミ化合物のHCl塩から出発して、エナンチオマーを分離することも可能である。
【0077】
化合物4:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.34(t,J=7.3Hz,2H)3.07−3.28(m,2H)3.62(s,3H)3.85(t,J=6.5Hz,2H)4.04(td,J=10.5,7.1Hz,1H)4.52(td,J=10.3,6.5Hz,1H)5.57(s,1H)5.76(t,J=2.2Hz,1H)5.90−6.00(m,2H)7.01(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.41−7.48(m,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.03(s,1H)
LC/MS(方法LC−B):Rt2.70分、MH
+579
融点:150℃
【0078】
エナンチオマー4A:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.7Hz,2H)2.34(br t,J=7.3Hz,2H)3.08−3.27(m,2H)3.62(s,3H)3.85(br t,J=6.3Hz,2H)3.99−4.11(m,1H)4.47−4.57(m,1H)5.57(br s,1H)5.76(s,1H)5.95(br d,J=10.1Hz,2H)6.45(br s,1H)7.01(br d,J=7.6Hz,1H)7.34(br d,J=7.9Hz,1H)7.44(br d,J=8.5Hz,2H)7.55(br d,J=8.2Hz,2H)8.04(br s,1H)12.12(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.95分、MH
+579
[α]
D20:−48.5°(c0.27,DMF)
キラルSFC(方法SFC−A):R
t1.13分、MH
+579、キラル純度100%。
【0079】
エナンチオマー4B:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(br t,J=6.8Hz,2H)2.34(br t,J=7.3Hz,2H)3.09−3.27(m,2H)3.62(s,3H)3.85(br t,J=6.1Hz,2H)3.99−4.10(m,1H)4.46−4.59(m,1H)5.57(s,1H)5.76(br s,1H)5.95(br d,J=10.1Hz,2H)6.45(br s,1H)7.01(br d,J=7.9Hz,1H)7.34(br d,J=7.9Hz,1H)7.44(br d,J=8.2Hz,2H)7.55(br d,J=8.2Hz,2H)8.04(br s,1H)12.12(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.94分、MH
+579
[α]
D20:+42.9°(c0.28,DMF)
キラルSFC(方法SFC−A):R
t2.13分、MH
+579、キラル純度100%。
【0080】
実施例5:4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物5)の合成、ならびにエナンチオマー5Aおよび5Bへのキラル分離。
【化10】
【0081】
中間体5aの合成:
1−メトキシ−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン[CAS 654−76−2](24.5g、110.8mmol)と4−クロロフェノキシアセトニトリル[CAS 3598−13−8](20.4g、121.9mmol)とのDMF(100mL)中混合物をtBuOK(27.35g、243.7mmol)のDMF(100mL)撹拌溶液に−10℃で30分かけて滴加した。添加後、紫色溶液を−10℃で1時間維持した。500mLの氷水および500mLの6N HClを添加し、沈殿物を濾別し、水で洗浄し、減圧下で乾燥して、40.4gの2−(5−メトキシ−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトニトリル、5aを得た(次の工程にそのまま使用した)。
【0082】
中間体5bの合成:
2−(5−メトキシ−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトニトリル、5a(26g、99.9mmol)の、エタノール/水(9/1)(500mL)とAcOH(5.2mL)との溶液を、触媒として10%Pd/C(15.3g)を使用し、圧力3.5Barにおいて1時間水素付加した。反応混合物をcelite(登録商標)のパッドで濾過し、濾過ケーキをCH
2Cl
2とCH
3OHとの溶媒混合物で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカ60〜200μmを充填したガラスフィルターを通して、ヘプタン/EtOAc 80/20を溶離液として使用して濾過した。目的化合物を含有する画分をまとめ、溶媒を減圧下で濃縮して、5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール、5b(15.6g)を得た。
【0083】
中間体5cの合成:
0℃において、BH
3−ピリジン(23.5mL、232.4mmol)を5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール、5b(10g、46.5mmol)のEtOH(60mL)溶液に滴加した。温度を10℃未満に維持しながら、6N HCl(140mL)をゆっくりと添加した。この混合物を0℃で2時間撹拌した。水(200mL)を添加し、この混合物をNaOHの濃厚水溶液でpH8〜9になるまで塩基性化した(反応温度を20℃未満に保持した)。沈殿物を濾別し、水で洗浄し(2回)、減圧下でトルエンと共蒸発させて、5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン、5c(9g)を得た。
【0084】
中間体5dの合成:
5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン、5c(2g、9.21mmol)と、2−(4−クロロフェニル)酢酸[CAS 1878−66−6](1.73g、10.1mmol)と、HATU(5.25g、13.8mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(4.6mL、27.6mmol)とのDMF(40mL)中混合物を室温で12時間撹拌した。水を添加し、沈殿物を濾別した。残渣をEtOAcで溶かした。この有機溶液をK
2CO
3の10%水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 90/10から60/40への勾配)で精製した。純粋な画分をまとめ、溶媒を減圧下で濃縮して、2−(4−クロロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、5d(3g)を得た。
【0085】
中間体5eの合成:
−78℃、N
2流下において、THF(17.3mL、17.3mmol)中LiHMDS 1Mを2−(4−クロロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、5d(3.2g、8.65mmol)のTHF(45mL)中混合物に滴加した。TMSCl(1.32mL、10.4mmol)を滴加した。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(1.85g、10.4mmol)のTHF(30mL)溶液を滴加した。−78℃で2時間撹拌してから、NH
4Clの飽和溶液で反応を停止した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、5e(3.1g)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0086】
中間体5fの合成:
2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、5e(3.5g、7.8mmol)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(2.2g、7.8mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(1.6mL、9.4mmol)とのCH
3CN(80mL)中混合物を70℃で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、1N HClおよび水で洗浄した。有機相を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 80/20)で精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固し、ジイソプロピルエーテルから結晶化した後、tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、5f(2.1g)を得た。
【0087】
化合物5の合成、ならびにエナンチオマー5Aおよび5Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、5f(3.1g、4.77mmol)をジオキサン(42.2mL)中4M HClに溶かした溶液を5℃で3時間および室温で8時間撹拌した。沈殿物を濾別し、乾燥して、4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸をHCl塩(化合物5、2g)として得た。エナンチオマーを分取キラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)IA 5μm 250×20mm、移動相:50%CO
2、50%iPrOH(+0.3%iPrNH
2+10%CH
2Cl
2))により分離した。生成物画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。両方のエナンチオマーをEtOAcで溶かし、1N HClで洗浄した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。第1の溶出エナンチオマー(847mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー5A(772mg)を得た。第2の溶出エナンチオマー(840mg)をエーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー5B(724mg)を得た。
【0088】
化合物5:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.34(t,J=7.3Hz,2H)3.14−3.35(m,2H)3.61(s,3H)3.80−3.89(m,5H)3.94−4.04(m,1H)4.51(td,J=10.2,6.3Hz,1H)5.55(s,1H)5.76(s,1H)5.95(br d,J=11.7Hz,2H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.2Hz,2H)7.55(d,J=8.2Hz,2H)8.34(s,1H)
LC/MS(方法LC−A):Rt2.86分、MH
+593
融点:130℃
【0089】
エナンチオマー5A:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.34(t,J=7.3Hz,2H)3.12−3.31(m,2H)3.62(s,3H)3.81−3.89(m,5H)3.94−4.05(m,1H)4.45−4.56(m,1H)5.55(br s,1H)5.76(s,1H)5.95(br d,J=11.0Hz,2H)6.40(br s,1H)7.23(s,1H)7.44(d,J=8.2Hz,2H)7.56(d,J=8.5Hz,2H)8.34(s,1H)12.14(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.85分、MH
+593
[α]
D20:−43.2°(c0.25,DMF)
キラルSFC(方法SFC−D):R
t2.16分、MH
+593、キラル純度100%。
【0090】
エナンチオマー5B:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.8Hz,2H)2.34(t,J=7.3Hz,2H)3.13−3.33(m,2H)3.62(s,3H)3.79−3.88(m,5H)3.94−4.03(m,1H)4.51(td,J=10.3,6.1Hz,1H)5.54(br s,1H)5.75(s,1H)5.95(br d,J=11.3Hz,2H)6.40(br s,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.2Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.34(s,1H)12.14(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.85分、MH
+593
[α]
D20:+41.4°(c0.28,DMF)
キラルSFC(方法SFC−D):R
t3.75分、MH
+593、キラル純度99.37%。
【0091】
実施例6:4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物6)の合成、ならびにエナンチオマー6Aおよび6Bへのキラル分離。
【化11】
【0092】
中間体6aの合成:
6−(トリフルオロメチル)インドリン[CAS 181513−29−1](2g、10.7mmol)と、2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)酢酸[CAS 170737−95−8](2.36g、11.8mmol)と、HATU(6.1g、16mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(5.3mL、32mmol)とのDMF(50mL)中混合物を室温で12時間撹拌した。水を添加し、沈殿物を濾別した。残渣をEtOAcで溶かした。この有機溶液をK
2CO
3の10%水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 90/10から60/40への勾配)で精製した。純粋な画分をまとめ、溶媒を減圧下で濃縮して、2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、6a(3.9g)を得た。
【0093】
中間体6bの合成:
−78℃、N
2流下において、THF(13.5mL、13.5mmol)中LiHMDS 1Mを2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、6a(2.5g、6.76mmol)のTHF(40mL)中混合物に滴加した。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(1.32g、7.44mmol)のTHF(20mL)溶液を滴加した。−78℃で2時間撹拌してから、NH
4Clの飽和溶液で反応を停止した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、6b(3g)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0094】
中間体6cの合成:
2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、6b(3g、6.69mmol)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(1.88g、6.69mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(1.4mL、8mmol)とのCH
3CN(100mL)中混合物を70℃で6時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、1N HClおよび水で洗浄した。有機相を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。化合物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 80/20)で精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固して、tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、6c(1.6g)を得た。
【0095】
化合物6の合成、ならびにエナンチオマー6Aおよび6Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、6c(1.53g、2.36mmol)をジオキサン(20mL)中4M HClに溶かした溶液を5℃で3時間および室温で8時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残渣をCH
3CN/ジイソプロピルエーテルに溶かした。沈殿物を濾別し、乾燥して、4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物6)をHCl塩(1.35g、0.67当量HCl、0.28当量H
2O)として得た。エナンチオマーを分取キラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD−H 5μm 250×30mm、移動相:65%CO
2、35%EtOH)により分離した。生成物画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。第1の溶出エナンチオマーを逆相クロマトグラフィー(固定相:YMC−actus Triart−C18 10μm 150×30mm、移動相:0.1%ギ酸が55%、CH
3CNが45%から0.1%ギ酸が0%、CH
3CNが100%への勾配でさらに精製した。純粋な画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。残渣(417mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー6A(370mg)を得た。第2の溶出エナンチオマーを逆相クロマトグラフィー(固定相:YMC−actus Triart−C18 10μm 150×30mm、移動相:0.1%ギ酸が55%、CH
3CNが45%から0.1%ギ酸が0%、CH
3CNが100%への勾配でさらに精製した。純粋な画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。次いで、残渣(400mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー6B(363mg)を得た。
【0096】
化合物6:
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(br t,J=6.6Hz,2H)2.33(br t,J=7.3Hz,2H)3.18−3.32(m,2H)3.61(s,3H)3.80−3.87(m,2H)3.90(s,3H)3.96−4.07(m,1H)4.31−4.45(m,1H)5.61(s,1H)5.76(s,1H)5.87(br d,J=7.6Hz,2H)7.02(br d,J=8.1Hz,1H)7.14(s,1H)7.32(d,J=8.1Hz,1H)7.35−7.41(m,1H)7.43−7.50(m,1H)8.37(s,1H)
LC/MS(方法LC−A):Rt2.90分、MH
+593
融点:130℃
【0097】
エナンチオマー6A:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.33(t,J=7.3Hz,2H)3.24(br dd,J=18.6,11.7Hz,2H)3.61(s,3H)3.80−3.87(m,2H)3.90(s,3H)3.97−4.06(m,1H)4.33−4.43(m,1H)5.61(d,J=8.8Hz,1H)5.76(s,1H)5.87(br d,J=10.4Hz,2H)6.43(d,J=8.5Hz,1H)7.03(dd,J=8.2,1.9Hz,1H)7.15(d,J=1.6Hz,1H)7.32(d,J=8.2Hz,1H)7.39(d,J=7.9Hz,1H)7.46(d,J=7.9Hz,1H)8.37(s,1H)12.16(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.99分、MH
+593
[α]
D20:−28.6°(c0.29,DMF)
キラルSFC(方法SFC−E):R
t2.17分、MH
+593、キラル純度100%。
融点:178℃
【0098】
エナンチオマー6B:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.33(t,J=7.3Hz,2H)3.24(br dd,J=18.8,11.5Hz,2H)3.61(s,3H)3.83(q,J=6.2Hz,2H)3.90(s,3H)3.96−4.08(m,1H)4.32−4.43(m,1H)5.61(d,J=8.5Hz,1H)5.76(s,1H)5.87(br d,J=10.1Hz,2H)6.43(br d,J=8.5Hz,1H)7.03(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.15(d,J=1.6Hz,1H)7.32(d,J=8.2Hz,1H)7.39(d,J=7.6Hz,1H)7.46(d,J=7.9Hz,1H)8.37(s,1H)12.16(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t3.00分、MH
+593
[α]
D20:+32.1°(c0.28,DMF)
キラルSFC(方法SFC−E):R
t4.04分、MH
+593、キラル純度100%。
【0099】
実施例7:4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物7)の合成、ならびにエナンチオマー7Aおよび7Bへのキラル分離。
【化12】
【0100】
中間体7aの合成:
5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン、5c(1.5g、6.9mmol)と、2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)酢酸[CAS 170737−95−8](1.4g、6.9mmol)と、HATU(3.94g、10.4mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(3.4mL、20.7mmol)とのDMF(40mL)中混合物を室温で12時間撹拌した。氷/水を添加し、沈殿物を濾別した。残渣をCH
2Cl
2で溶かした。この有機溶液をK
2CO
3の10%水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をジイソプロピルエーテルから結晶化させて、2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、7a(2.48g)を得た。
【0101】
中間体7bの合成:
−78℃、N
2流下において、THF(16.5mL、16.5mmol)中LiHMDS 1Mを2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、7a(3.3g、8.25mmol)のTHF(45mL)中混合物に滴加した。TMSCl(1.26mL、9.91mmol)を滴加した。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(1.76g、9.91mmol)のTHF(30mL)溶液を滴加した。−78℃で2時間撹拌してから、NH
4Clの飽和溶液で反応を停止した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、7b(3.5g)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0102】
中間体7cの合成:
2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、7b(3.5g、7.31mmol)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(2g、7.31mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(1.5mL、8.8mmol)とのCH
3CN(80mL)中混合物を70℃で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、1N HClおよび水で洗浄した。有機相を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。化合物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 80/20)で精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固して、tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、7c(2.2g)を得た。
【0103】
化合物7の合成、ならびにエナンチオマー7Aおよび7Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、7c(2.1g、3.1mmol)をジオキサン(27.4mL)中4M HClに溶かした溶液を5℃で3時間および室温で8時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残渣をCH
3CN/ジイソプロピルエーテルに溶かした。沈殿物を濾別し、乾燥して、4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物7)をHCl塩(1.5g、0.74当量HCl、0.29当量H
2O)として得た。エナンチオマーを分取キラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD−H 5μm 250×30mm、移動相:55%CO
2、45%iPrOH)により分離した。生成物画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。第1の溶出エナンチオマー(671mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー7A(606mg)を得た。第2の溶出エナンチオマー(647mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー6B(580mg)を得た。
【0104】
化合物7:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.7Hz,2H)2.34(t,J=7.3Hz,2H)3.17−3.30(m,2H)3.61(s,3H)3.79−3.87(m,5H)3.90(s,3H)3.93−4.02(m,1H)4.29−4.40(m,1H)5.59(s,1H)5.75(s,1H)5.87(br d,J=10.7Hz,2H)7.02(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.14(d,J=1.3Hz,1H)7.24(s,1H)7.32(d,J=8.5Hz,1H)8.32(s,1H)
LC/MS(方法LC−A):Rt2.89分、MH
+623
融点:160℃
【0105】
エナンチオマー7A:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(br t,J=6.8Hz,2H)2.34(br t,J=7.1Hz,2H)3.18−3.28(m,2H)3.61(s,3H)3.79−3.87(m,5H)3.91(s,3H)3.94−4.05(m,1H)4.31−4.42(m,1H)5.59(br d,J=8.2Hz,1H)5.76(br s,1H)5.87(br d,J=10.4Hz,2H)6.40(br d,J=8.5Hz,1H)7.02(br d,J=7.9Hz,1H)7.14(s,1H)7.24(s,1H)7.33(br d,J=8.2Hz,1H)8.33(s,1H)12.18(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.87分、MH
+623
[α]
D20:−23.9°(c0.28,DMF)
キラルSFC(方法SFC−C):R
t1.76分、MH
+623、キラル純度100%。
【0106】
エナンチオマー7B:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.5Hz,2H)2.34(br t,J=7.1Hz,2H)3.18−3.28(m,2H)3.61(s,3H)3.80−3.87(m,5H)3.91(s,3H)3.94−4.02(m,1H)4.28−4.41(m,1H)5.59(br d,J=8.2Hz,1H)5.75(br s,1H)5.87(br d,J=10.4Hz,2H)6.40(br d,J=8.5Hz,1H)7.02(br d,J=7.9Hz,1H)7.14(s,1H)7.24(s,1H)7.33(br d,J=8.2Hz,1H)8.33(s,1H)12.17(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.87分、MH
+623
[α]
D20:+28.5°(c0.26,DMF)
キラルSFC(方法SFC−C):R
t3.52分、MH
+623、キラル純度100%。
【0107】
実施例8:4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物8)の合成、ならびにエナンチオマー8Aおよび8Bへのキラル分離。
【化13】
【0108】
中間体8aの合成:
6−(トリフルオロメトキシ)インドリン[CAS 959235−95−1](2.5g、12.3mmol)と、2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)酢酸[CAS 170737−95−8](2.47g、12.3mmol)と、HATU(7g、18.5mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(6.1mL、36.9mmol)とのDMF(40−mL)中混合物を室温で4時間撹拌した。水およびEtOAcを添加した。有機層を分離し、水で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 85/15)で精製した。純粋な画分をまとめ、溶媒を減圧下で濃縮し、CH
3CN/ヘプタンから結晶化させた後、2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、8a(4.3g)を得た。
【0109】
中間体8bの合成:
−78℃、N
2流下において、THF(19.7mL、19.7mmol)中LiHMDS 1Mを2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、8a(3.8g、9.8mmol)のTHF(50mL)中混合物に滴加した。TMSCl(1.5mL、11.8mmol)を滴加した。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(1.9g、10.8mmol)のTHF(35mL)溶液を滴加した。−78℃で2時間撹拌してから、NH
4Clの飽和溶液で反応を停止した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、8b(4.5g)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0110】
中間体8cの合成:
2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、8b(4.5g、9.68mmol)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(2.7g、9.68mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(2mL、11.6mmol)とのCH
3CN(100mL)中混合物を70℃で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、1N HClおよび水で洗浄した。有機相を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、120g、ヘプタン/EtOAc 80/20)で精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固し、CH
3CNから結晶化させた後、tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、8c(2.3g)を得た。
【0111】
化合物8の合成、ならびにエナンチオマー8Aおよび8Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、8c(2.3g、3.46mmol)をジオキサン(30mL)中4M HClに溶かした溶液を5℃で3時間および室温で12時間撹拌した。沈殿物を濾別し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥して、4−(3−((1−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物8)をHCl塩(1.79g、0.86当量HCl、0.22当量H
2O)として得た。エナンチオマーを分取キラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD−H 5μm 250×30mm、移動相:65%CO
2、35%iPrOH)により分離した。生成物画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。第1の溶出エナンチオマー(726mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー8A(612mg)を得た。第2の溶出エナンチオマー(712mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー8B(643mg)を得た。
【0112】
化合物8:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.34(br t,J=7.3Hz,2H)3.08−3.26(m,2H)3.61(s,3H)3.83(q,J=6.5Hz,2H)3.90(s,3H)3.98−4.09(m,1H)4.31−4.42(m,1H)5.60(s,1H)5.76(s,1H)5.87(br d,J=9.5Hz,2H)6.98−7.05(m,2H)7.14(d,J=1.9Hz,1H)7.31(d,J=8.2Hz,1H)7.34(d,J=8.2Hz,1H)8.02(s,1H)
LC/MS(方法LC−A):Rt3.04分、MH
+609
融点:139℃
【0113】
エナンチオマー8A:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.33(t,J=7.4Hz,2H)3.09−3.25(m,2H)3.61(s,3H)3.78−3.87(m,2H)3.90(s,3H)3.98−4.07(m,1H)4.32−4.42(m,1H)5.59(d,J=8.5Hz,1H)5.76(s,1H)5.86(s,1H)5.88(s,1H)6.45(d,J=8.8Hz,1H)6.97−7.06(m,2H)7.14(d,J=1.3Hz,1H)7.31(d,J=8.5Hz,1H)7.34(d,J=8.2Hz,1H)8.02(s,1H)12.14(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t3.03分、MH
+609
[α]
D20:−39.3°(c0.28,DMF)
キラルSFC(方法SFC−F):R
t2.32分、MH
+609、キラル純度100%。
【0114】
エナンチオマー8B:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.8Hz,2H)2.34(t,J=7.3Hz,2H)3.09−3.25(m,2H)3.61(s,3H)3.79−3.88(m,2H)3.90(s,3H)4.02(td,J=10.2,6.9Hz,1H)4.33−4.41(m,1H)5.60(s,1H)5.76(s,1H)5.86(s,1H)5.88(s,1H)6.45(br s,1H)6.99−7.05(m,2H)7.14(d,J=1.6Hz,1H)7.31(d,J=8.5Hz,1H)7.34(d,J=8.2Hz,1H)8.02(s,1H)12.12(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t3.03分、MH
+609
[α]
D20:+34.5°(c0.29,DMF)
キラルSFC(方法SFC−F):R
t3.51分、MH
+609、キラル純度100%。
【0115】
実施例9:4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物9)の合成、ならびにエナンチオマー9Aおよび9Bへのキラル分離。
【化14】
【0116】
中間体9aの合成:
2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)酢酸[CAS 194240−75−0](2.52g、13.4mmol)と、6−(トリフルオロメチル)インドリン[CAS 181513−29−1](2.5g、13.4mmol)と、ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.7g、20.04mmol)と、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(3.84g、20.04mmol)と、トリメチルアミン(3.71mL、26.7mmol)とのCH
2Cl
2(30mL)中混合物を室温で12時間撹拌した。水を添加し、層を分離した。有機層を水で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させ、CH
3CN/ジイソプロピルエーテルから結晶化させた後、2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、9a(3.9g)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0117】
中間体9bの合成:
−78℃、N
2流下において、THF(13.98mL、13.98mmol)中LiHMDS 1Mを2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、9a(2.5g、6.99mmol)のTHF(20mL)中混合物に滴加した。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(1.37g、7.69mmol)のTHF(15mL)溶液を滴加した。−78℃で2時間撹拌してから、NH
4Clの飽和溶液で反応を停止した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、9b(2.8g)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0118】
中間体9cの合成:
2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、9b(2.8g、6.41mmol)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(1.8g、6.41mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(1.33mL、7.7mmol)とのCH
3CN(90mL)中混合物を70℃で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、1N HClおよび水で洗浄した。有機相を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 80/20)で精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固し、CH
3CN/ジイソプロピルエーテルから結晶化させた後、tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、9c(1.75g)を得た。
【0119】
化合物9の合成、ならびにエナンチオマー9Aおよび9Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、9c(1.75g、2.75mmol)をジオキサン(24.3mL)中4M HClに溶かした溶液を5℃で3時間および室温で8時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をCH
3CN/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物9)をHCl塩(1.4g、0.8当量HCl、0.78当量H
2O)として得た。エナンチオマーを分取キラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)AD−H 5μm 250×30mm、移動相:70%CO
2、30%iPrOH)により分離した。生成物画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。第1の溶出エナンチオマー(618mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー9A(505mg)を得た。第2の溶出エナンチオマー(548mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー9B(495mg)を得た。
【0120】
化合物9:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.34(t,J=7.3Hz,2H)3.18−3.34(m,2H)3.63(s,3H)3.80−3.90(m,2H)4.02−4.14(m,1H)4.40−4.49(m,1H)5.72(s,1H)5.80(s,1H)5.94(br d,J=10.1Hz,2H)7.33(dd,J=8.5,1.6Hz,1H)7.39−7.43(m,1H)7.43−7.50(m,3H)8.36(s,1H)
LC/MS(方法LC−A):Rt2.99分、MH
+581
融点:110℃
【0121】
エナンチオマー9A:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.7Hz,2H)2.33(br t,J=7.1Hz,2H)3.22−3.28(m,2H)3.62(s,3H)3.80−3.90(m,2H)4.03−4.13(m,1H)4.39−4.48(m,1H)5.72(br d,J=8.8Hz,1H)5.80(s,1H)5.93(br d,J=10.7Hz,2H)6.60(br d,J=8.8Hz,1H)7.33(br d,J=7.9Hz,1H)7.39−7.43(m,1H)7.43−7.51(m,3H)8.36(s,1H)12.19(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.98分、MH
+581
[α]
D20:−30.0°(c0.29,DMF)
キラルSFC(方法SFC−G):R
t1.97分、MH
+581、キラル純度100%。
【0122】
エナンチオマー9B:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.33(t,J=7.3Hz,2H)3.21−3.28(m,2H)3.63(s,3H)3.80−3.91(m,2H)4.02−4.12(m,1H)4.40−4.49(m,1H)5.72(d,J=9.1Hz,1H)5.80(s,1H)5.94(br d,J=11.0Hz,2H)6.60(br d,J=8.8Hz,1H)7.33(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.38−7.43(m,1H)7.43−7.50(m,3H)8.36(s,1H)11.04−12.93(m,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.98分、MH
+581
[α]
D20:+27.9°(c0.28,DMF)
キラルSFC(方法SFC−G):R
t3.19分、MH
+581、キラル純度99.35%。
【0123】
実施例10:4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物10)の合成、ならびにエナンチオマー10Aおよび10Bへのキラル分離。
【化15】
【0124】
中間体10aの合成:
HATU(7.02g、18.46mmol)を6−(トリフルオロメトキシ)インドリン[CAS 959235−95−1](2.5g、12.3mmol)と、2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)酢酸[CAS 194240−75−0](2.32g、12.3mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(6.1mL、36.9mmol)とのDMF(100mL)中混合物に添加した。得られた混合物を室温で12時間撹拌した。混合物を水で希釈し、沈殿物を濾別し、水で洗浄した。残渣をEtOAcで溶かし、この有機溶液をK
2CO
3の10%水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をジイソプロピルエーテルから結晶化させて、2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、10a(4g)を得た。
【0125】
中間体10bの合成:
−78℃、N
2流下において、THF(21.4mL、21.4mmol)中LiHMDS 1Mを2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、10a(4g、10.7mmol)のTHF(60mL)中混合物に滴加した。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(2.1g、11.8mmol)のTHF(40mL)溶液を滴加した。−78℃で2時間撹拌してから、NH
4Clの飽和溶液で反応を停止した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、10b(4.8g)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0126】
中間体10cの合成:
2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、10b(3g、6.63mmol)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(1.86g、6.63mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(1.37mL、7.95mmol)とのCH
3CN(60mL)中混合物を70℃で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、1N HCl 1Nおよび水で洗浄した。有機相を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、120g、ヘプタン/EtOAc 80/20)で精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固して、tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、10c(835mg)を得た。
【0127】
化合物10の合成、ならびにエナンチオマー10Aおよび10Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、10c(835mg、1.28mmol)をジオキサン(11.3mL)中4M HClに溶かした溶液を5℃で3時間および室温で8時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルから凝固させて、4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物10)(620mg)を得た。エナンチオマーを分取キラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)IC 5μm 250×30mm、移動相:70%CO
2、30%iPrOH(+0.3%iPrNH
2)により分離した。生成物画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。第1の溶出エナンチオマー(249mg)をEtOAcで溶かし、1N HClで洗浄した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー10A(183mg)を得た。第2の溶出エナンチオマー(274mg)をEtOAcで溶かし、1N HClで洗浄した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー10B(186mg)を得た。
【0128】
化合物10:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.8Hz,2H)2.33(br t,J=7.3Hz,2H)3.09−3.24(m,2H)3.62(s,3H)3.81−3.89(m,2H)4.05−4.13(m,1H)4.38−4.47(m,1H)5.70(br d,J=9.1Hz,1H)5.79(s,1H)5.93(br d,J=9.8Hz,2H)6.62(br d,J=8.8Hz,1H)7.03(br d,J=8.2Hz,1H)7.31−7.37(m,2H)7.41−7.50(m,2H)8.02(s,1H)12.15(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):Rt3.07分、MH
+597
【0129】
エナンチオマー10A:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.9Hz,2H)2.34(t,J=7.3Hz,2H)3.12−3.22(m,2H)3.62(s,3H)3.79−3.90(m,2H)4.04−4.13(m,1H)4.38−4.48(m,1H)5.70(d,J=8.8Hz,1H)5.79(s,1H)5.93(br d,J=9.8Hz,2H)6.62(d,J=8.8Hz,1H)7.03(br d,J=9.5Hz,1H)7.30−7.38(m,2H)7.41−7.51(m,2H)8.02(s,1H)12.10(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t3.04分、MH
+597
[α]
D20:+23.1°(c0.26,DMF)
キラルSFC(方法SFC−H):R
t3.22分、MH
+597、キラル純度100%。
【0130】
エナンチオマー10B:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(br t,J=6.8Hz,2H)2.34(br t,J=7.3Hz,2H)3.12−3.25(m,2H)3.63(s,3H)3.80−3.90(m,2H)4.05−4.14(m,1H)4.38−4.49(m,1H)5.71(br d,J=9.1Hz,1H)5.80(br s,1H)5.94(br d,J=9.5Hz,2H)6.62(br d,J=8.8Hz,1H)7.03(br d,J=7.9Hz,1H)7.30−7.38(m,2H)7.41−7.52(m,2H)8.02(br s,1H)12.12(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t3.04分、MH
+597
[α]
D20:−23.0°(c0.3,DMF)
キラルSFC(方法SFC−H):R
t4.05分、MH
+597、キラル純度100%。
【0131】
実施例11:4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物11)の合成、ならびにエナンチオマー11Aおよび11Bへのキラル分離。
【化16】
【0132】
中間体11aの合成:
HATU(5.25g、13.81mmol)を5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン、5c(2g、9.21mmol)と、2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)酢酸[CAS 194240−75−0](1.74g、9.21mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(4.57mL、27.6mmol)とのDMF(50mL)中混合物に添加した。得られた混合物を室温で12時間撹拌した。混合物を氷/水で希釈した。沈殿物を濾別し、水で洗浄した。残渣をCH
2Cl
2で溶かし、この有機溶液をK
2CO
3の10%水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をジイソプロピルエーテルから結晶化させて、2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、11a(3.4g)を得た。
【0133】
中間体11bの合成:
−78℃、N
2流下において、THF(17.5mL、17.5mmol)中LiHMDS 1Mを2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、11a(3.4g、8.77mmol)のTHF(45mL)中混合物に滴加した。TMSCl(1.34mL、10.5mmol)を滴加した。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(1.87g、10.52mmol)のTHF(30mL)溶液を滴加した。−78℃で2時間撹拌してから、NH
4Clの飽和溶液で反応を停止した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、11b(4g)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0134】
中間体11cの合成:
2−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)エタノン、11b(4g、8.57mmol)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(2.4g、8.57mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(1.77mL、10.3mmol)とのCH
3CN(100mL)中混合物を70℃で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、1N HClおよび水で洗浄した。有機相を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。化合物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 80/20)で精製した。化合物をアキラルSFC(固定相:2−エチルピリジン 5μm 150×30mm、移動相:85%CO
2、15%MeOH)でさらに精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固して、tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、11c(2.6g)を得た。
【0135】
化合物11の合成、ならびにエナンチオマー11Aおよび11Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、11c(2.2g、3.3mmol)をジオキサン(29.2mL)中4M HClに溶かした溶液を5℃で3時間および室温で8時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残渣をCH
3CN/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、4−(3−((1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物11)をHCl塩(800mg、0.85当量HCl、0.36当量H
2O)として得た。この画分を別のバッチと合わせて(総量:1.8g)キラル分離を行った。エナンチオマーを分取キラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD−H 5μm 250×30mm、移動相:55%CO
2、45%iPrOH)により分離した。生成物画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。第1の溶出エナンチオマー(788mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー11A(693mg)を得た。第2の溶出エナンチオマー(771mg)を石油エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー11B(695mg)を得た。
【0136】
化合物11:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.87(quin,J=6.8Hz,2H)2.34(br t,J=7.4Hz,2H)3.18−3.31(m,2H)3.63(s,3H)3.85(s,5H)3.98−4.09(m,1H)4.37−4.48(m,1H)5.69(s,1H)5.79(s,1H)5.93(br d,J=11.0Hz,2H)7.26(s,1H)7.32(br d,J=8.5Hz,1H)7.44−7.52(m,2H)8.32(s,1H)
LC/MS(方法LC−A):Rt2.90分、MH
+611
融点:121℃
【0137】
エナンチオマー11A:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.88(quin,J=6.8Hz,2H)2.34(t,J=7.3Hz,2H)3.18−3.29(m,2H)3.63(s,3H)3.86(s,5H)3.99−4.07(m,1H)4.38−4.47(m,1H)5.69(br s,1H)5.79(s,1H)5.93(br d,J=10.7Hz,2H)6.55(br s,1H)7.25(s,1H)7.32(dd,J=8.5,1.3Hz,1H)7.43−7.51(m,2H)8.33(s,1H)12.13(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.90分、MH
+611
[α]
D20:−23.9°(c0.26,DMF)
キラルSFC(方法SFC−C):R
t1.70分、MH
+611、キラル純度100%。
【0138】
エナンチオマー11B:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.88(quin,J=6.8Hz,2H)2.34(br t,J=7.3Hz,2H)3.18−3.31(m,2H)3.63(s,3H)3.85(s,5H)3.99−4.07(m,1H)4.37−4.47(m,1H)5.69(br s,1H)5.79(s,1H)5.93(br d,J=11.0Hz,2H)6.56(br s,1H)7.25(s,1H)7.32(br d,J=8.2Hz,1H)7.43−7.50(m,2H)8.33(s,1H)12.13(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.89分、MH
+611
[α]
D20:+24.0°(c0.25,DMF)
キラルSFC(方法SFC−C):R
t2.96分、MH
+611、キラル純度100%。
【0139】
実施例12:4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物12)の合成、ならびにエナンチオマー12Aおよび12Bへのキラル分離。
【化17】
【0140】
中間体12aの合成:
4−メトキシ−3−(トリフルオロメトキシ)アニリン[CAS 647855−21−8](3.1g、15.0mmol)のトルエン(50mL)溶液を5℃においてN−ブロモスクシンイミド(2.8g、15.7mmol)で処理し、得られた混合物を5〜10℃で2時間撹拌した。混合物を水で反応停止し、EtOAcで抽出した。まとめた抽出物をMgSO
4で脱水し、濾過し、減圧下で蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、24g、ヘプタン/EtOAc 95/5から90/10への勾配)により精製を行った。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固して、2−ブロモ−4−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)アニリン12a(2.5g)を得た。
【0141】
中間体12bの合成:
2−ブロモ−4−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)アニリン12a(2.72g、9.51mmol)のDMF(30mL)溶液をN
2で15分間脱気した。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(667mg、0.95mmol)、ヨウ化銅(I)(362mg、1.90mmol)、トリエチルアミン(3.96mL、28.5mmol)およびトリメチルシリルアセチレン(3.95mL、28.53mmol)を添加した。反応混合物をN
2流下において70℃で12時間加熱した。室温まで冷却してから、反応混合物をH
2Oで希釈し、EtOAcで抽出した。有機相をまとめ、MgSO
4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 85/15)で精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固して、4−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)−2−((トリメチルシリル)エチニル)アニリン12b(1.4g)を得た。
【0142】
中間体12cの合成:
4−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)−2−((トリメチルシリル)エチニル)アニリン12b(1.2g、3.96mmol)のNMP(11mL)溶液に、tBuOK(1.33g、11.9mmol)をN
2流下において一度に添加した。反応混合物を80℃に4時間加熱し、室温まで冷却してから、混合物を氷/水に注ぎ入れ、3N HClでpH4〜5になるまで酸性化した。反応混合物をEtOAcで抽出した。有機相をまとめ、H
2Oで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、40g、ヘプタン/EtOAc 85/15)で精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固して、5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール、12c(490mg)を得た。
【0143】
中間体12dの合成:
0℃において、BH
3−ピリジン(10.5mL、103.8mmol)を5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール、12c(8g、34.6mmol)のEtOH(45mL)溶液に滴加した。温度を10℃未満に維持しながら、6N HCl(6mL)をゆっくりと添加した。この混合物を0℃で3時間撹拌した。水(210mL)を添加し、この混合物をpH8〜9になるまでNaOHの濃厚水溶液で塩基性化した(添加中、反応温度を20℃未満に保持した)。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。トルエンを添加し、溶液を減圧下で濃縮して、7.5gの5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)インドリン、12dを得た。
【0144】
中間体12eの合成:
5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)インドリン、12d(1g、4.29mmol)と、2−(4−クロロフェニル)酢酸[CAS 1878−66−6](805mg、4.72mmol)と、HATU(2.44g、6.43mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(2.13mL、12.87mmol)とのDMF(20mL)中混合物を室温で12時間撹拌した。氷/水を添加し、沈殿物を濾別した。残渣をCH
2Cl
2で溶かした。この有機溶液を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2−(4−クロロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、12e(1.68g)を得た。
【0145】
中間体12fの合成:
−78℃、N
2流下において、THF(8.3mL、8.3mmol)中LiHMDS 1Mを2−(4−クロロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、12e(1.6g、4.15mmol)のTHF(25mL)中混合物に滴加した。TMSCl(0.63mL、4.98mmol)を滴加した。この混合物を−78℃で15分間撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(0.89g、4.98mmol)のTHF(15mL)溶液を滴加した。−78℃で2時間撹拌してから、NH
4Clの飽和溶液で反応を停止した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、12f(2.3g、純度(LCによる):50%)を得た。この化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0146】
中間体12gの合成:
2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−1−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)エタノン、12f(2.3g、2.48mmol、純度(LCによる):50%)と、tert−ブチル4−(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、1a(0.696g、2.48mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(0.512mL、2.97mmol)とのCH
3CN(25mL)中混合物を70℃で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、1N HClおよび水で洗浄した。有機相を分離し、MgSO
4で脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 80/20)で精製した。生成物を含有する画分をまとめ、減圧下で蒸発させ、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15〜40μm、40g、CH
2Cl
2)で再度精製した。純粋な画分をまとめ、蒸発乾固して、tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、12g(920mg)を得た。
【0147】
化合物12の合成、ならびにエナンチオマー12Aおよび12Bへのキラル分離:
tert−ブチル4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタノエート、12g(920mg、1.38mmol)をジオキサン(15mL)中4M HClに溶かした溶液を5℃で3時間および室温で12時間撹拌した。沈殿物を濾別し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥して、4−(3−((1−(4−クロロフェニル)−2−(5−メトキシ−6−(トリフルオロメトキシ)インドリン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−メトキシフェノキシ)ブタン酸(化合物12、802mg、0.2当量H
2O)を得た。エナンチオマーを分取キラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)AD−H 5μm 250×20mm、移動相:50%CO
2、50%iPrOH)により分離した。生成物画分をまとめ、減圧下で蒸発させた。第1の溶出エナンチオマー(260mg)をヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー12A(165mg)を得た。第2の溶出エナンチオマー(241mg)をヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、エナンチオマー12B(184mg)を得た。
【0148】
化合物12:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.86(quin,J=6.9Hz,2H)2.33(t,J=7.3Hz,2H)3.08−3.28(m,2H)3.61(s,3H)3.81(s,3H)3.84(br t,J=6.5Hz,2H)3.97−4.06(m,1H)4.48(td,J=10.4,6.3Hz,1H)5.53(s,1H)5.75(s,1H)5.94(br d,J=10.1Hz,2H)7.20(s,1H)7.43(d,J=8.5Hz,2H)7.54(d,J=8.5Hz,2H)8.06(s,1H)
LC/MS(方法LC−A):Rt2.89分、MH
+609
【0149】
エナンチオマー12A:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.86(quin,J=6.8Hz,2H)2.33(t,J=7.3Hz,2H)3.09−3.26(m,2H)3.61(s,3H)3.81(s,3H)3.84(br t,J=6.5Hz,2H)4.02(td,J=10.3,7.1Hz,1H)4.48(td,J=10.4,6.3Hz,1H)5.53(d,J=8.5Hz,1H)5.75(s,1H)5.93(s,1H)5.95(s,1H)6.43(d,J=8.8Hz,1H)7.20(s,1H)7.43(d,J=8.2Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.06(s,1H)12.12(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.92分、MH
+609
[α]
D20:−44.2°(c0.197,DMF)
キラルSFC(方法SFC−I):R
t0.99分、MH
+609、キラル純度100%。
【0150】
エナンチオマー12B:
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.86(quin,J=6.9Hz,2H)2.33(t,J=7.3Hz,2H)3.09−3.27(m,2H)3.61(s,3H)3.81(s,3H)3.84(br t,J=6.5Hz,2H)3.98−4.06(m,1H)4.48(td,J=10.5,6.1Hz,1H)5.53(d,J=8.8Hz,1H)5.75(s,1H)5.93(s,1H)5.95(s,1H)6.43(d,J=8.8Hz,1H)7.20(s,1H)7.43(d,J=8.5Hz,2H)7.54(d,J=8.5Hz,2H)8.06(s,1H)12.16(br s,1H)
LC/MS(方法LC−A):R
t2.91分、MH
+609
[α]
D20:+40.7°(c0.189,DMF)
キラルSFC(方法SFC−I):R
t1.45分、MH
+609、キラル純度98.53%。
【0151】
【表3】
【0152】
【表4】
【0153】
【表5】
【0154】
【表6】
【0155】
【表7】
【0156】
【表8】
【0157】
本発明の化合物の抗ウイルス活性
DENV−2抗ウイルスアッセイ
本発明のすべての化合物について、高感度緑色蛍光タンパク質(eGPF)で標識したDENV−2 16681株に対する抗ウイルス活性を試験した。培養培地は、2%の熱失活ウシ胎仔血清、0.04%のゲンタマイシン(50mg/mL)および2mMのL−グルタミンを添加した最小必須培地からなる。ECACCから得たベロ細胞を培養培地に懸濁し、25μLを、既に抗ウイルス化合物を含有している384ウェルプレートに添加した(2500細胞/ウェル)。通常、これらのプレートは、9回の希釈工程で5倍に段階希釈した、100%DMSO中の最終濃度の200倍の試験化合物を含有する(200nL)。さらに、各化合物濃度について4回試験する(最終濃度範囲:最も活性な化合物について25μM〜0.000064μMまたは2.5μM〜0.0000064μM)。最終的に、各プレートは、ウイルス対照(細胞およびウイルスを含有、化合物を不含)、細胞対照(細胞を含有、ウイルスおよび化合物を不含)および培地対照(培地を含有、細胞、ウイルスおよび化合物を不含)として割り当てられたウェルを含有する。培地対照として割り当てられたウェルには、ベロ細胞ではなく培養培地25μLを添加した。細胞をプレートに添加してから、プレートを室温で30分間インキュベートして、細胞をウェル内に均一に分布させた。次に、プレートを、十分に加湿したインキュベータ(37℃、5%CO
2)内で翌日までインキュベートした。次いで、eGFPで標識したDENV−2株16681を感染多重度(MOI)0.5で添加した。したがって、15μLのウイルス懸濁液を、試験化合物を含有するすべてのウェルと、ウイルス対照として割り当てられたウェルとに添加した。並行して、15μLの培養培地を培地対照および細胞対照に添加した。次に、プレートを、十分に加湿したインキュベータ(37℃、5%CO
2)内で3日間インキュベートした。読み出し日に自動蛍光顕微鏡を488nm(青レーザー)で使用して、eGFP蛍光を測定した。社内LIMSシステムを使用して、各化合物の阻害用量反応曲線を計算し、半数効果濃度(EC
50)を決定した。したがって、試験濃度毎のパーセント阻害(I)を、以下の式を使用して計算する。I=100×(S
T−S
CC)/(S
VC−S
CC);S
T、S
CCおよびS
VCは、それぞれ試験化合物、細胞対照およびウイルス対照の各ウェル中のeGFPシグナル量である。EC
50は、ウイルスの複製が50%阻害される化合物の濃度を表し、これは、eGFP蛍光強度がウイルス対照と比較して50%低下したことによって測定される。EC
50は、線形補間を使用して計算される(表1)。
【0158】
並行して、化合物の毒性を同じ各プレートで評価した。eGFPシグナルの読み出しが終わった時点で、生存細胞染色剤ATPlite 40μLを384ウェルプレートの全ウェルに添加した。ATPは、代謝活性のあるすべての細胞に存在し、その濃度は、細胞がネクローシスまたはアポトーシスを起こしたときにきわめて急速に減少する。ATPLiteアッセイシステムは、添加されたルシフェラーゼおよびD−ルシフェリンとATPとの反応に起因する光の発生に基づいている。プレートを室温で10分間インキュベートした。次に、プレートをViewLuxで測定した。半数細胞毒性濃度(CC
50)も決定した。これは、蛍光シグナルを細胞対照ウェルと比較して50%低下させるのに必要な濃度と定義される。最後に、化合物の選択指数(SI)を次のように計算して求めた:SI=CC
50/EC
50。
【0159】
【表9】
【0160】
四価逆転写酵素定量PCR(RT−qPCR)アッセイ
本発明の化合物について、DENV−1株TC974♯666(NCPV)、DENV−2株16681、DENV−3株H87(NCPV)およびDENV−4株H241(NCPV)に対する抗ウイルス活性をRT−qPCRアッセイで試験した。したがって、試験化合物の存在下または非存在下でベロ細胞にDENV−1、DENV−2、DENV−3またはDENV−4を感染させた。感染3日後、細胞を溶解し、細胞溶解物をウイルスの標的(DENVの3’UTR;表2)および細胞の参照遺伝子(β−アクチン、表2)の両方のcDNAの調製に使用した。その後、デュプレックスリアルタイムPCRをLightcycler480インスツルメントで行った。生成されたCp値は、これらの標的のRNA発現量に反比例する。試験化合物によりDENV複製が阻害されると、3’UTR遺伝子のCp値がシフトする。他方、試験化合物が細胞に毒性である場合、β−アクチン発現に同様の影響が観察されるであろう。比較ΔΔCp法を使用してEC
50を計算し、これは、細胞のハウスキーピング遺伝子(β−アクチン)で正規化した標的遺伝子(3’UTR)の相対的遺伝子発現に基づいている。さらに、CC
50値を、ハウスキーピング遺伝子β−アクチンについて取得したC
p値に基づいて決定する。
【0161】
【表10】
【0162】
培養培地は、2%の熱失活ウシ胎仔血清、0.04%のゲンタマイシン(50mg/mL)および2mMのL−グルタミンを添加した最小必須培地からなるものとした。ECACCから得たベロ細胞を培養培地に懸濁し、75μL/ウェルを、既に抗ウイルス化合物を含有している96ウェルプレートに添加した(10000細胞/ウェル)。通常、これらのプレートは、9回の希釈工程で5倍に段階希釈した、100%DMSO中の最終濃度の200倍の試験化合物を含有する(500nL;最終濃度範囲:最も活性な化合物について25μM〜0.000064μMまたは2.5μM〜0.0000064μM)。さらに、各プレートは、ウイルス対照(細胞およびウイルスを含有、化合物を不含)および細胞対照(細胞を含有、ウイルスおよび化合物を不含)として割り当てられたウェルを含有する。細胞をプレートに添加してから、プレートを、十分に加湿したインキュベータ(37℃、5%CO
2)内で翌日までインキュベートした。アッセイで約22〜24のCp値を得るために、デングウイルス血清型の1型、2型、3型および4型を希釈した。したがって、25μLのウイルス懸濁液を、試験化合物を含有するすべてのウェルと、ウイルス対照として割り当てられたウェルとに添加した。並行して、25μLの培養培地を細胞対照に添加した。次に、プレートを、十分に加湿したインキュベータ(37℃、5%CO
2)内で3日間インキュベートした。3日後、上清をウェルから除去し、細胞を氷冷PBS(約100μL)で2回洗浄した。96ウェルプレート内の細胞ペレットを−80℃で少なくとも1日保管した。次に、Cells−to−CT(商標)溶解キットを使用して、製造会社のガイドライン(Life Technologies)に従ってRNAを抽出した。細胞溶解物は−80℃で保管することも、逆転写工程に直ちに使用することもできる。
【0163】
逆転写工程の準備として、ミックスA(表3A)を調製し、96ウェルプレートに7.57μL/ウェルで分注した。細胞溶解物5μLを添加した後、75℃で5分間の変性工程を行った(表3B)。その後、ミックスBを7.43μL添加し(表3C)、逆転写工程を開始して(表3D)、cDNAを生成した。
【0164】
最後に、RT−qPCRミックスであるミックスC(表4A)を調製し、96ウェルLightCycler qPCRプレートに22.02μL/ウェルで分注し、それに3μLのcDNAを添加し、表4Bの条件に従ってLightCycler 480でqPCRを行った。
【0165】
LightCyclerソフトウェアおよび社内LIMSシステムを使用して、各化合物の用量反応曲線を計算し、半数効果濃度(EC
50)および半数細胞毒性濃度(CC
50)を決定した(表5〜8)。
【0166】
【表11】
【0167】
【表12】
【0168】
【表13】
【0169】
【表14】
【0170】
【表15】
【0171】
【表16】
【0172】
従来技術の例
国際公開第2013/045516号パンフレットに開示されている化合物(56)および(170)は、本発明の化合物と類似のDENV−2抗ウイルスアッセイで試験されており、報告されたそれらの活性を以下に示す。
【0173】
【化18】
【0174】
【表17】
【0175】
【表18】
以下の態様が包含され得る。
[1] 式(I)
【化19-1】
を有する化合物、その立体異性体型、薬学的に許容される塩、溶媒和物または多形体であって、前記化合物は、
【化19-2】
【化19-3】
を含む群から選択される、化合物、その立体異性体型、薬学的に許容される塩、溶媒和物または多形体。
[2] 上記[1]に記載の化合物またはその立体異性体型、その薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは多形体を、1種以上の薬学的に許容される添加剤、希釈剤または担体とともに含む医薬組成物。
[3] 医薬として使用するための、上記[1]に記載の化合物またはその立体異性体型、その薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは多形体あるいは上記[2]に記載の医薬組成物。
[4] デング熱の治療に使用するための、上記[1]に記載の化合物またはその立体異性体型、その薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは多形体あるいは上記[2]に記載の医薬組成物。
[5] 生体試料または患者におけるデングウイルスの複製を阻害するための、一置換または二置換インドール基を含む、上記[1]に記載の構造式のいずれかによって表される化合物、その立体異性体型、薬学的に許容される塩、溶媒和物または多形体の使用。
[6] 追加の治療剤を併用投与する工程をさらに含む、上記[5]に記載の化合物の使用。
[7] 前記追加の治療剤は、抗ウイルス剤もしくはデング熱ワクチンまたはその両方から選択される、上記[6]に記載の使用。
[8]
【化19-4】
である、上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは多形体。
[9] 上記[8]に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、溶媒和物または多形体を、1種以上の薬学的に許容される添加剤、希釈剤または担体とともに含む医薬組成物。
[10] 医薬として使用するための、上記[8]に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは多形体または上記[9]に記載の医薬組成物。
[11] デング熱の治療に使用するための、上記[8]に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは多形体または上記[9]に記載の医薬組成物。
[12] 生体試料または患者におけるデングウイルスの複製を阻害するための、一置換または二置換インドール基を含む、上記[8]に記載の構造式のいずれかによって表される化合物、その薬学的に許容される塩、溶媒和物または多形体の使用。
[13] 追加の治療剤を併用投与する工程をさらに含む、上記[12]に記載の使用。
[14] 前記追加の治療剤は、抗ウイルス剤もしくはデング熱ワクチンまたはその両方から選択される、上記[13]に記載の使用。