(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーが、シングルサイト触媒の存在下、エチレンおよびアルファオレフィンを重合することによって製造される、請求項1に記載のヒンジ付き部品。
前記ポリエチレン組成物が、少なくとも2つの重合反応器中、溶液重合条件下で、エチレンおよびα−オレフィンとシングルサイト重合触媒とを接触させることによって調製される、請求項1に記載のヒンジ付き部品。
ヒンジ付き部品を調製するための方法であって、前記方法は、少なくとも1つの圧縮成型工程または射出成型工程を含み、前記ヒンジ付き部品が、ポリエチレン組成物を含み、前記ポリエチレン組成物が、
(1)メルトインデックスI2が0.1〜10g/10分であり、分子量分布Mw/Mnが3.0未満であり、密度が0.930〜0.960g/cm3である、10〜70重量%の第1のエチレンコポリマーと、
(2)メルトインデックスI2が50〜10,000g/10分であり、分子量分布Mw/Mnが3.0未満であり、密度が、第1のエチレンコポリマーの密度より高いが、0.966g/cm3未満である、90〜30重量%の第2のエチレンコポリマーと
を含み、
第2のエチレンコポリマーの密度は、第1のエチレンコポリマーの密度よりも0.037g/cm3大きい密度未満であり;第2のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(SCB2)に対する第1のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(SCB1)の比(SCB1/SCB2)は1.0より大きく;前記ポリエチレン組成物は、分子量分布Mw/Mnが2.0〜7.0であり、密度が少なくとも0.949g/cm3であり、メルトインデックスI2が10.0g/10分より大きく、20.0g/10分までであり、Z平均分子量Mzが、300,000未満であり、メルトフロー比I21/I2が24〜38である、方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、ヒンジ付き密閉部などの成形されたヒンジ付き部品の製造に有用なポリエチレン組成物に関する。
【0011】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、少なくとも2種のエチレンコポリマー成分(すなわち第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマー)で構成される。
【0012】
本明細書に列挙された任意の数値範囲は、その中に包含される全ての部分範囲を含むことが意図されることを理解されたい。例えば、「1〜10」の範囲は、引用された最小値1と引用された最大値10との間の全ての部分範囲とこの値自体を含むことを意図している。すなわち、最小値が1以上であり、最大値が10以下である。開示された数値範囲は連続的であるため、最小値と最大値の間のあらゆる値を含む。
【0013】
「キャップ」および「密閉部」(closure)との用語は、本開示では相互に置き換え可能に使用され、両方とも、容器、ボトル、広口瓶などと組み合わせて使用される、適切に成型された開口部、適切に成型された隙間(開口部)、開放したネック構造などを密閉し、密封し、閉じ、または覆うなどのための任意の適切な成形物品を包含する。
【0014】
メタロセン触媒および他のいわゆる「シングルサイト触媒」は、一般に、アルファオレフィンとの触媒的エチレン共重合に使用される場合、従来のチーグラー・ナッタ触媒よりも均一にコモノマーを組み込むことが周知されている。この事実は、対応するエチレンコポリマーの組成分布幅指数(CDBI)を測定することによってしばしば実証される。ポリマーの組成分布は、短鎖分布指数(SCDI)または組成分布幅指数(CDBI)によって特徴づけることができる。組成分布幅指数(CDBI(50))の定義は、PCT公報WO93/03093号および米国特許第5,206,075号の中に見出すことができる。CDBI(50)は、その溶解度(したがって、そのコモノマー含有量)に基づいてポリマー画分を単離する技術を用いて簡便に決定される。例えば、Wildら、J.Poly.Sci.,Poly.Phys.Ed.Vol.20,p441,1982または米国特許第4,798,081号に記載されているような昇温溶出分別(TREF)を用いることができる。重量分率対組成分布曲線から、CDBI(50)は、中央値(median)の両側でコモノマー含有量中央値の50%以内にあるコモノマー含有量を有するコポリマーサンプルの重量パーセントを確立することによって決定される。または、CDBI(25)は、当技術分野で時々使用されるが、中央値の両側でコモノマー含有量中央値の25%以内にあるコモノマー含有量を有するコポリマーサンプルの重量パーセントを確立することによって決定される。
【0015】
第1のエチレンコポリマー
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物の第1のエチレンコポリマーは、密度が約0.930g/cm
3〜約0.960g/cm
3であり、メルトインデックスI
2が0.1g/10分より大きく、分子量分布M
w/M
nが約3.0未満であり、重量平均分子量M
wが、第2のエチレンコポリマーのM
wよりも大きい。一実施形態では、第1のエチレンコポリマーの重量平均分子量M
wは、少なくとも50,000g/mol(モル)である。
【0016】
「エチレンコポリマー」という用語は、コポリマーが、重合したエチレンと少なくとも1種類の重合したα−オレフィンコモノマーの両方を含み、重合したエチレンが過半部分の種であることを意味する。
【0017】
本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマーは、例えばホスフィンイミン触媒のようなシングルサイト触媒を用いて製造される。
【0018】
本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマー中のコモノマー(すなわち、α−オレフィン)含有量は、
13C NMR法またはFTIR法またはGPC−FTIR法によって測定される場合、あるいは反応器モデルから計算される場合(実験例の章を参照)、約0.05〜約3.0モル%である。コモノマーは、1種以上の適切なアルファオレフィンであり、限定されないが、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。一実施形態では、アルファオレフィンは、1−オクテンである。
【0019】
本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマー中の短鎖分枝は、炭素原子1000個当たりの短鎖分枝(SCB1/1000C)が約0.25〜約15個である。本開示のさらなる実施形態では、第1のエチレンコポリマー中の短鎖分枝は、炭素原子1000個当たりの短鎖分枝(SCB1/1000C)が0.25〜10、または0.25〜7.5、または0.25〜5、または0.25〜3であってもよい。短鎖分枝は、エチレンコポリマー中にαーオレフィンコモノマーが存在することに起因する分枝であり、例えば、1−ブテンコモノマーの場合には2個の炭素原子、または1−ヘキセンコモノマーの場合には4個の炭素原子、または1−オクテンコモノマーの場合には6個の炭素原子などである。コモノマーは、1種以上の適切なα−オレフィンであり、限定されないが、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。一実施形態では、アルファオレフィンは、1−オクテンである。
【0020】
本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマー中のコモノマー含有量は、第2のエチレンコポリマーのコモノマー含有量より大きい(例えば、モル%で報告される場合)。
【0021】
本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマー中の短鎖分枝の量は、第2のエチレンコポリマー中の短鎖分枝の量よりも大きい(ポリマー骨格中、炭素1000個(1000C)当たりの短鎖分枝SCBで報告される場合)。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態では、第1のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、0.1〜10g/10分であってもよく、この範囲内のさらに狭い範囲およびこれらの範囲に包含される任意の数を含む。例えば、第1のエチレン組成物のメルトインデックスI
2は、0.1/10分を超えて10g/10分未満であってもよく、または0.1/10分〜7.5g/10分であってもよく、または0.1/10分〜5.0g/10分であってもよく、または0.1/10分〜3.0g/10分であってもよく、または0.1/10分〜2.5g/10分であってもよく、または0.1/10分〜2.0g/10分であってもよく、または0.1/10分〜1.75g/10分であってもよく、または0.1/10分〜1.5g/10分であってもよく、または0.1/10分〜1.0g/10分であってもよい。
【0023】
本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマーは、さらに狭い範囲およびこれらの範囲に包含される任意の数を含め、重量平均分子量M
wが約50,000〜約225,000g/molである。例えば、本開示の別の実施形態では、第1のエチレンコポリマーは、重量平均分子量M
wが約75,000〜約200,000である。本開示のさらなる実施形態では、第1のエチレンコポリマーは、重量平均分子量M
wが約75,000〜約175,000、または約85,000〜約150,000、または約100,000〜約150,000である。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態では、第1のエチレンコポリマーの密度は、0.929〜0.960g/cm
3であり、またはこの範囲内のさらに狭い範囲およびこれらの範囲に包含される任意の数であってもよい。例えば、本開示のさらなる実施形態では、第1のエチレンコポリマーの密度は、0.930〜0.960g/cm
3であってもよく、または0.932〜0.960g/cm
3、または0.930〜0.952g/cm
3、または0.932〜0.952g/cm
3、または0.930〜0.950g/cm
3、または0.932〜0.950g/cm
3、または0.930〜0.948g/cm
3、または0.932〜0.948g/cm
3であってもよい。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態では、第1のエチレンコポリマーは、分子量分布M
w/M
nが3.0未満、または2.7以下、または2.7未満、または2.5以下、または2.5未満、または2.3以下、または1.8〜2.3である。
【0026】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物の第1のエチレンコポリマーは、シングルサイト触媒を用いて製造され、重量平均分子量M
wが少なくとも50,000g/molであり、分子量分布M
w/M
nが約3.0未満であり、密度が0.936〜0.950g/cm
3である。
【0027】
本開示の一実施形態では、単一反応器中の溶液相重合中、CDBI(50)が少なくとも65重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも85重量%のエチレンコポリマーを与えるシングルサイト触媒が、第1のエチレンコポリマーの調製に使用される。
【0028】
本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマーは、CDBI(50)が約60重量%を超え、または約65重量%を超え、または約70重量%を超え、または約75重量%を超え、または約80重量%を超え、または約85重量%を超えるエチレンコポリマーである。
【0029】
本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーの合計重量の約10〜約70重量パーセント(重量%)を構成する。本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーの合計重量の20〜約60重量パーセント(重量%)を構成する。本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーの合計重量の約25〜約60重量パーセント(重量%)を構成する。本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーの合計重量の約30〜約60重量パーセント(重量%)を構成する。本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーの合計重量の約40〜約50重量パーセント(重量%)を構成する。
【0030】
第2のエチレンコポリマー
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物の第2のエチレンコポリマーは、密度が約0.967g/cm
3未満であるが、第1のエチレンコポリマーの密度より高く、メルトインデックスI
2が約50〜10,000g/10分であり、分子量分布M
w/M
nが約3.0未満であり、重量平均分子量M
wが、第1のエチレンコポリマーのM
wよりも小さい。一実施形態では、第2のエチレンコポリマーの重量平均分子量M
wは、45,000g/mole未満であろう。
【0031】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、例えばホスフィンイミン触媒のようなシングルサイト触媒を用いて製造される。
【0032】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマー中のコモノマー含有量は、
13C NMR法またはFTIR法またはGPC−FTIR法によって測定される場合、または反応器モデルから計算される場合(実験例の章を参照)、約0.05〜約3モル%である。コモノマーは、1種以上の適切なアルファオレフィンであり、限定されないが、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。一実施形態では、アルファオレフィンは、1−オクテンである。
【0033】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマー中の短鎖分枝は、炭素原子1000個当たりの短鎖分枝(SCB1/1000C)が約0.10〜約15個であってもよい。本開示のさらなる実施形態では、第1のエチレンコポリマー中の短鎖分枝は、炭素原子1000個当たりの短鎖分枝(SCB1/1000C)が0.10〜10個、または0.10〜7.5個、または0.10〜5個、または0.15〜5個、または0.10〜3個、または0.15〜3個、または0.20〜5個、または0.20〜3個、または0.25〜5個、または0.25〜3個であってもよい。短鎖分枝は、エチレンコポリマー中にαーオレフィンコモノマーが存在することに起因する分枝であり、例えば、1−ブテンコモノマーの場合には2個の炭素原子、または1−ヘキセンコモノマーの場合には4個の炭素原子、または1−オクテンコモノマーの場合には6個の炭素原子などである。コモノマーは、1種以上の適切なアルファオレフィンである。アルファオレフィンの例としては、限定されないが、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。一実施形態では、アルファオレフィンは、1−オクテンである。
【0034】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマー中のコモノマー含有量は、第1のエチレンコポリマーのコモノマー含有量より少ない(例えば、モル%で報告される場合)。
【0035】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマー中の短鎖分枝の量は、第1のエチレンコポリマー中の短鎖分枝の量よりも少ない(ポリマー骨格中、炭素1000個(1000C)当たりの短鎖分枝SCBで報告される場合)。
【0036】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーの密度は、0.968g/cm
3未満である。本開示の別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーの密度は、0.967g/cm
3未満である。本開示の別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーの密度は、0.966g/cm
3未満である。本開示の別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーの密度は、0.965g/cm
3未満である。本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーの密度は、0.952〜0.967g/cm
3であり、またはこれらの範囲に包含される全ての数を含め、この範囲内のさらに狭い範囲であってもよい。さらなる実施形態では、第2のエチレンコポリマーの密度は、0.952〜0.967g/cm
3、または0.952〜0.965g/cm
3、または0.953〜0.965g/cm
3、または0.954〜0.965g/cm
3、または0.952g/cm
3から0.965g/cm
3未満、または0.954g/cm
3から0.965g/cm
3未満である。
【0037】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーよりも密度が高いが、第1のエチレンコポリマーの密度よりも約0.037g/cm
3大きい密度未満である。本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーよりも密度が高いが、第1のエチレンコポリマーの密度よりも約0.035g/cm
3大きい密度未満である。本開示の別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーよりも密度が高いが、第1のエチレンコポリマーの密度よりも約0.030g/cm
3大きい密度未満である。本開示のさらに別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーよりも密度が高いが、第1のエチレンコポリマーの密度よりも約0.027g/cm
3大きい密度未満である。本開示のさらに別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーよりも密度が高いが、第1のエチレンコポリマーの密度よりも約0.025g/cm
3大きい密度未満である。
【0038】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、重量平均分子量M
wが45,000g/mol未満である。本開示の別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、重量平均分子量M
wが約7,500〜約40,000である。本開示のさらなる実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、重量平均分子量M
wが約9,000〜約35,000、または約10,000〜約30,000、または約10,000〜25,000である。
【0039】
本開示のいくつかの実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、分子量分布(M
w/M
n)が3.0未満、または2.7以下、または2.7未満、または2.5以下、または2.5未満、または2.3以下、または1.8〜2.3である。
【0040】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、50〜10,000g/10分であってもよい。本開示の別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、50〜5,000g/10分であってもよい。本開示の別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、50〜2,500g/10分であってもよい。本開示の別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、100〜10,000g/10分であってもよい。本開示のさらに別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、100〜5,000g/10分であってもよい。本開示のさらに別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、100〜2,500g/10分であってもよい。本開示のさらに別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、100〜1,500g/10分であってもよい。本開示のさらに別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、50g/10分より大きいが、5,000g/10分より小さくてもよい。本開示のなおさらなる別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、100g/10分より大きいが、3,000g/10分より小さくてもよい。本開示のなおさらなる別の実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、100g/10分より大きいが、1,500g/10分より小さくてもよい。
【0041】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、50g/10分より大きい。本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、100g/10分より大きい。本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、300g/10分より大きい。本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、500g/10分より大きい。本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、1,000g/10分より大きい。
【0042】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物の第2のエチレンコポリマーは、シングルサイト触媒を用いて製造され、重量平均分子量M
wが最大でも45,000であり、分子量分布M
w/M
nが約3.0未満であり、密度が、第1のエチレンコポリマーの密度よりも高いが、0.967g/cm
3未満である。
【0043】
本開示の一実施形態では、単一反応器中の溶液相重合中、CDBI(50)が少なくとも65重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも85重量%のエチレンコポリマーを与えるシングルサイト触媒が、第2のエチレンコポリマーの調製に使用される。
【0044】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、CDBI(50)が約60重量%を超え、または約65重量%を超え、または約70重量%を超え、または約75重量%を超え、または約80重量%を超え、または約85重量%を超える。
【0045】
本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーの合計重量の約90〜約30重量%を構成する。本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーの合計重量の約80〜約40重量%を構成する。本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーの合計重量の約75〜約40重量%を構成する。本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーの合計重量の約70〜約40重量%を構成する。本開示の一実施形態では、第2のエチレンコポリマーは、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーの合計重量の約60〜約50重量%を構成する。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態では、第2のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2は、第1のエチレンコポリマーのメルトインデックスI
2の少なくとも50倍、または少なくとも100倍、または少なくとも1,000倍である。
【0047】
ポリエチレン組成物
一実施形態では、ポリエチレン組成物は、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマー(本明細書で定義される)を含む。
【0048】
本開示のある実施形態では、ポリエチレン組成物は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される場合、一峰性、広い一峰性、二峰性または多峰性の分子量分布を有する。
【0049】
本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマー(上記で定義される)を含むポリエチレン組成物は、第2のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(すなわち、SCB2)に対する第1のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(すなわち、SCB1)の比(SCB1/SCB2)が1.0より大きい(すなわち、SCB1/SCB2>1.0)。
【0050】
本開示のさらなる実施形態では、第2のエチレンコポリマー中の短鎖分枝(SCB2)に対する第1のエチレンコポリマー中の短鎖分枝(SCB1)の比は、少なくとも1.25である。本開示のさらに別の実施形態では、第2のエチレンコポリマー中の短鎖分枝(SCB2)に対する第1のエチレンコポリマー中の短鎖分枝(SCB1)の比は、少なくとも1.5である。
【0051】
本開示のいくつかの実施形態では、第2のエチレンコポリマー中の短鎖分枝(SCB2)に対する第1のエチレンコポリマー中の短鎖分枝(SCB1)の比(SCB1/SCB2)は、1.0より大きく約12.0まで、または1.0より大きく約10まで、または1.0より大きく約7.0まで、または1.0より大きく約5.0まで、または1.0より大きく約3.0までであろう。
【0052】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される場合、二峰性である。
【0053】
二峰性または多峰性のポリエチレン組成物は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いることによって同定することができる。GPCクロマトグラフは、2種類以上のエチレンコポリマー成分を示す場合があり、このとき、エチレンコポリマー成分の数は、識別可能なピークの数に対応する。1種類以上のエチレンコポリマー成分は、他のエチレンコポリマー成分の分子量分布に対してひとまとまりとして、ショルダー部として、またはテール部として存在していてもよい。「GPCによって決定される場合、二峰性」という句は、第1のピークに加えて、分子量がもっと高いか、またはもっと低い成分を表す第2のピークまたはショルダー部が存在することを意味する(すなわち、分子量分布が、分子量分布曲線の中で2つの極大を有すると言うことができる)。または、「GPCによって決定される場合、二峰性」という句は、ASTM D6474−99の方法に従って作成される分子量分布曲線に2個の極大が存在することを含む。
【0054】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、ASTM D792に従って測定される場合、密度が0.949g/cm
3以上であり、メルトインデックスI
2が、ASTM D1238に従って測定される場合(2.16kgの錘を用い、190℃で実施すると)、10g/10分より大きく、約20g/10分未満であり、分子量分布M
w/M
nが約2.0〜約7.0であり、メルトフロー比I
21/I
2が24〜38であり、Z平均分子量M
zが約300,000未満である。
【0055】
本開示のいくつかの実施形態では、ポリエチレン組成物は、コモノマー含有量が、FTIR法または
13C NMR法によって測定される場合、約0.75モル%未満、または約0.70モル%未満、または約0.65モル%未満、または約0.60モル%未満、または約0.55モル%未満、または約0.50モル%未満であり、ここで、コモノマーは、1種以上の適切なアルファオレフィンであり、限定されないが、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。一実施形態では、アルファオレフィンは、1−オクテンである。
【0056】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が少なくとも0.949g/cm
3である。本開示のさらなる実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が0.950g/cm
3より大きく、または0.951g/cm
3より大きく、または0.952g/cm
3より大きく、または0.953g/cm
3より大きく、または0.955g/cm
3より大きい。
【0057】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が0.949〜0.970g/cm
3である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が0.950〜0.970g/cm
3である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が0.949〜0.965g/cm
3である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が0.950〜0.965g/cm
3である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が0.949〜0.962g/cm
3である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が0.950〜0.962g/cm
3である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が0.949〜0.960g/cm
3である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が0.950〜0.960g/cm
3である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が0.949〜0.959g/cm
3である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、密度が0.950〜0.959g/cm
3である。
【0058】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、メルトインデックスI
2が、ASTM D1238に従うと(2.16kgの錘を用い、190℃で実施すると)、さらに狭い範囲およびこれらの範囲に包含される全ての数を含め、10g/10分より大きく、約22g/10分までである。例えば、本開示のさらなる実施形態では、ポリエチレン組成物は、メルトインデックスI
2が、10g/10分を超えるが22g/10分未満、または10g/10分を超えて20.0g/10分まで、または10.5g/10分〜19.0g/10分、または10.5g/10分〜18.5g/10分、または10.5g/10分〜18.0g/10分である。
【0059】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、「高荷重」メルトインデックスI
21が、ASTM D1238に従うと(21kgの錘を用い、190℃で実施すると)、少なくとも約150g/10分である。本開示の別の実施形態では、ポリエチレン組成物は、高荷重メルトインデックスI
21が約200g/10分より大きい。本開示の別の実施形態では、ポリエチレン組成物は、高荷重メルトインデックスI
21が約250g/10分より大きい。本開示の別の実施形態では、ポリエチレン組成物は、高荷重メルトインデックスI
21が約300g/10分より大きい。
【0060】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、高荷重メルトインデックスI
21が、150〜750g/10分、または200〜750g/10分、または250〜750g/10分、または300〜800g/10分、または300〜750g/10分である。
【0061】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、数平均分子量M
nが約30,000g/mol未満である。本開示の別の実施形態では、ポリエチレン組成物は、数平均分子量M
nが約25,000g/mol未満である。本開示のさらに別の実施形態では、ポリエチレン組成物は、数平均分子量M
nが約20,000g/mol未満である。
【0062】
本開示では、ポリエチレン組成物は、さらに狭い範囲およびこれらの範囲に包含される全ての数を含め、分子量分布M
w/M
nが2.0〜7.0である。例えば、本開示のさらなる実施形態では、ポリエチレン組成物は、分子量分布M
w/M
nが2.5〜7.0、または2.0〜6.0、または2.0〜5.5、または2.0〜5.0、または2.0〜4.5、または2.0〜4.0、または2.5〜4.5、または2.5〜4.0、または2.5〜3.5、または3.0〜5.5、または3.0〜5.0、または3.0〜4.5、または3.0〜4.0である。
【0063】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、Z平均分子量M
zが約300,000g/mole(モル)未満である。本開示の別の実施形態では、ポリエチレン組成物は、Z平均分子量M
zが約250,000g/mole未満である。本開示のさらに別の実施形態では、ポリエチレン組成物は、Z平均分子量M
zが約200,000g/mole未満である。本開示のさらに別の実施形態では、ポリエチレン組成物は、Z平均分子量M
zが約150,000g/mole未満である。
【0064】
本開示のいくつかの実施形態では、ポリエチレン組成物は、重量平均分子量に対するZ平均分子量の比率M
z/M
wが2.0〜4.0、または2.0〜3.75、または2.25〜3.75、または2.0〜3.5、または2.0〜3.25、または2.0〜3.0、または2.0〜2.75である。
【0065】
本開示のいくつかの実施形態では、ポリエチレン組成物は、I
21/I
2として定義されるメルトフロー比が41未満、または40未満、または38未満、または36未満、または34未満である。
【0066】
本開示のいくつかの実施形態では、ポリエチレン組成物は、I
21/I
2として定義されるメルトフロー比が22〜約40、または約22〜38、または24〜38、または24〜40、または約24〜36、または22〜36、または24〜34、または24〜35である。
【0067】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、約10
5s
−1(240℃)での剪断粘度が約10(Pa・s)未満である。本開示のさらなる実施形態では、ポリエチレン組成物は、約10
5s
−1(240℃)での剪断粘度が約7.5(Pa・s)未満である。本開示のいくつかの実施形態では、ポリエチレン組成物は、約100s
−1(240℃)での剪断粘度が約600Pa・s未満であり、約200s
−1(240℃)での剪断粘度が約500Pa・s未満であり、約300s
−1(240℃)での剪断粘度が約400Pa・s未満である。
【0068】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種類のα−オレフィンを含み、その含有量は、
13C NMRによって決定される場合、約0.75mol%未満である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種類のα−オレフィンを含み、その含有量は、
13C NMRによって決定される場合、約0.65mol%未満である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種類のα−オレフィンを含み、その含有量は、
13C NMRによって決定される場合、約0.55mol%未満である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種類のα−オレフィンを含み、その含有量は、
13C NMRによって決定される場合、約0.50mol%未満である。本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種類のα−オレフィンを含み、その含有量は、
13C NMRによって決定される場合、約0.20mol%より多く、約0.55mol%未満である。
【0069】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物の240℃での剪断粘度比SVR(
100,100000)は、約30〜約70、または約30〜約60、または約30〜約55、または約30〜約50であってもよい。剪断粘度比SVR(
100,100000)は、定温(例えば、240℃)でキャピラリーレオメーターを用い、L/D比が20、直径0.06インチ(約3〜1000s
−1)およびL/D比が20、直径0.012インチ(約1000〜100000s
1)の2つのダイをそれぞれ用いて測定される場合、剪断速度100s
−1での剪断粘度と、剪断速度100000s
−1での剪断粘度の比率をとることによって決定される。
【0070】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物またはポリエチレン組成物から製造された成形物品は、ASTM D1693(50℃で、100% IGEPAL、条件Bを用いる)に従って測定される場合、100%での耐環境応力亀裂ESCR Condition Bが、少なくとも約1時間(hr)である。
【0071】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物またはポリエチレン組成物から製造された成形物品は、ASTM D1693(50℃で、100% IGEPAL、条件Bを用いる)に従って測定される場合、100%での耐環境応力亀裂ESCR Condition Bが、少なくとも約2時間である。
【0072】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物またはポリエチレン組成物から製造された成形物品は、ASTM D1693(50℃で、100% IGEPAL、条件Bを用いる)に従って測定される場合、100%での耐環境応力亀裂ESCR Condition Bが、約1〜約15時間である。
【0073】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物またはポリエチレン組成物から製造された成形物品は、ASTM D256に従ってされる場合、ノッチ付きIzod衝撃強度が少なくとも約30J/m、または少なくとも約35J/mである。
【0074】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、ヘキサン抽出物が約0.55%未満である。本開示のさらなる実施形態では、ポリエチレン組成物は、ヘキサン抽出物が約0.50%未満、または約0.45%未満、または約0.40%未満、または約0.35%未満である。
【0075】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、Log
10[I
6/I
2]/Log
10[6.48/2.16]として定義される応力指数が1.40以下である。本開示のさらなる実施形態では、ポリエチレン組成物は、応力指数Log
10[I
6/I
2]/Log
10[6.48/2.16]が1.22〜1.40、または1.22〜1.38、または1.24〜1.36である。
【0076】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、組成分布幅指数(CDBI(50))が、温度溶出分別(TREF)によって決定される場合、約60重量%以上である。本開示のさらなる実施形態では、ポリエチレン組成物は、CDBI(50)が約65重量%を超え、または約70重量%を超え、または約75重量%を超え、または約80重量%を超え、または約85重量%を超える。
【0077】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、組成分布幅指数(CDBI(25))が、温度溶出分別(TREF)によって決定される場合、約50重量%以上である。本開示のさらなる実施形態では、ポリエチレン組成物は、CDBI(25)が約55重量%を超え、または約60重量%を超え、または約65重量%を超え、または約55〜約75重量%、または約60〜約75重量%であろう。
【0078】
本開示のポリエチレン組成物は、例えば、限定されないが、物理的なブレンド、複数反応器システムにおける重合による系中でのブレンドなどの、任意の従来のブレンド方法を用いて製造することができる。例えば、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーとの混合を、2つの予め形成されたポリマーの溶融混合によって行うことが可能である。一実施形態は、第1のエチレンコポリマーと第2のエチレンコポリマーを少なくとも2つの連続した重合段階で調製する方法を使用するが、本開示の使用のためには、直列または並列の二重反応器プロセスが考えられる。気相、スラリー相または溶液相の反応器系を使用してもよい。一実施形態では、溶液相反応器系が使用される。
【0079】
混合触媒単一反応器系も、本開示のポリマー組成物を製造するために使用されてもよい。
【0080】
本開示の一実施形態では、二重反応器溶液重合プロセスは、例えば、本明細書に参考として組み込まれる米国特許第6,372,864号および米国特許出願公開第20060247373A1号公報に記載されているように使用される。
【0081】
一般に、本開示で使用される触媒は、少なくとも1種のシクロペンタジエニル配位子を有する第4族金属系のいわゆるシングルサイト触媒である。このような触媒の例としては、メタロセン、幾何形状拘束型触媒(constrained geometry catalyst)およびホスフィンイミン触媒が挙げられ、これらは、例えば、メチルアルミノキサン、ボランまたはイオン性ホウ酸塩から選択される活性化剤と組み合わせて使用され、さらに、米国特許第3,645,992号;第5,324,800号;第5,064,802号;第5,055,438号;第6,689,847号;第6,114,481号および第6,063,879号にさらに記載される。このようなシングルサイト触媒は、当該技術分野においても周知の従来のチーグラー・ナッタ触媒またはフィリップス触媒とは区別される。一般に、シングルサイト触媒は、分子量分布(M
W/M
n)が約3.0未満であり、組成分布幅指数CDBI(50)が約65%を超えるエチレンコポリマーを生成する。
【0082】
本開示の一実施形態では、第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーをそれぞれ調製するために、単一反応器中の溶液相重合中、CDBI(50)が少なくとも65重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも85重量%のエチレンコポリマーを製造するために、シングルサイト触媒が使用される。
【0083】
本開示の一実施形態では、均一に分枝したエチレンコポリマーは、ホスフィンイミン配位子を有することでさらに特徴づけられる第3、4、5族金属の有機金属錯体を用いて調製される。このような錯体は、オレフィン重合に対して活性である場合、一般にホスフィンイミン(重合)触媒として知られている。ホスフィンイミン触媒のいくつかの非限定的な例は、米国特許第6,342,463号;第6,235,672号;第6,372,864号;第6,984,695号;第6,063,879号;第6,777,509号および第6,277,931号に見出すことができ、これらは全て本明細書に参考として組み込まれる。
【0084】
メタロセン触媒のいくつかの非限定的な例は、米国特許第4,808,561号;第4,701,432号;第4,937,301号;第5,324,800号;第5,633,394号;第4,935,397号;第6,002,033号および第6,489,413号の中に見出すことができ、これらは本明細書に参考として組み込まれる。幾何形状拘束型触媒のいくつかの非限定的な例は、米国特許第5,057,475号;第5,096,867号;第5,064,802号;第5,132,380号;第5,703,187号および第6,034,021号の中に見出すことができ、これらは全て、本明細書に全体的に参考として組み込まれる。
【0085】
本開示の一実施形態では、長鎖分枝(LCB)を生成しないシングルサイト触媒の使用が利用される。NMRにより検出されるヘキシル(C6)分枝は、本開示では、長鎖分枝の定義から除外される。
【0086】
任意の単一の理論に縛られることを望まないが、長鎖分枝は、低い剪断速度では粘度を増加させる可能性があり、これによって、キャップおよび密閉部を製造している間(例えば、圧縮成型プロセスの間)にサイクル時間に悪影響を与える。長鎖分枝は、
13C NMR法を用いて決定されてもよく、RandallのRev.Macromol.Chem.Phys.C29(2および3)、p.285に開示された方法を用いて定量的に評価されてもよい。
【0087】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、炭素原子1000個当たり0.3個未満の長鎖分枝を含む。本開示の別の実施形態では、ポリエチレン組成物は、炭素原子1000個当たり0.01個未満の長鎖分枝を含む。
【0088】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、少なくとも2つの重合反応器中、溶液相重合条件下、エチレンおよび少なくとも1種類のα−オレフィンと重合触媒とを接触させることによって調製される(溶液相重合条件の例としては、例えば、本明細書に参考として組み込まれる米国特許第6,372,864号および第6,984,695号および米国特許出願公開第20060247373A1号公報を参照されたい)。
【0089】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物は、少なくとも2つの重合反応器中、溶液重合条件下、少なくとも1種類のシングルサイト重合触媒系(少なくとも1種類のシングルサイト触媒および少なくとも1種類の活性化剤を含む)と、エチレンおよび少なくとも1種類のコモノマー(例えば、C3−C8 α−オレフィン)とを接触させることによって調製される。
【0090】
本開示の一実施形態では、シングルサイト触媒と活性化剤とを含む第4族のシングルサイト触媒系を、溶液相二重反応器システムに用い、α−オレフィンコモノマー存在下、エチレンを重合させることによって、ポリエチレン組成物を調製する。
【0091】
本開示の一実施形態では、シングルサイト触媒と活性化剤とを含む第4族のシングルサイト触媒系を、溶液相二重反応器システムに用い、1−オクテン存在下、エチレンを重合させることによって、ポリエチレン組成物を調製する。
【0092】
本開示の一実施形態では、ホスフィンイミン触媒と活性化剤とを含む第4族のホスフィンイミン触媒系を、溶液相二重反応器システムに用い、α−オレフィンコモノマー存在下、エチレンを重合させることによって、ポリエチレン組成物を調製する。
【0093】
本開示の一実施形態では、ホスフィンイミン触媒と活性化剤とを含む第4族のホスフィンイミン触媒系を、溶液相二重反応器システムに用い、1−オクテン存在下、エチレンを重合させることによって、ポリエチレン組成物を調製する。
【0094】
本開示の一実施形態では、溶液相二重反応器システムは、直列に接続された2つの溶液相反応器を含む。
【0095】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物を調製するための重合方法は、少なくとも2つの重合反応器中、溶液重合条件下、少なくとも1種類のシングルサイト重合触媒系(少なくとも1種類のシングルサイト触媒および少なくとも1種類の活性化剤を含む)と、エチレンおよび少なくともα−オレフィンコモノマーとを接触させることを含む。
【0096】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物を調製するための重合方法は、直列になるように構成された第1の反応器と第2の反応器中、溶液重合条件下、少なくとも1種類のシングルサイト重合触媒系と、エチレンおよび少なくとも1種類のα−オレフィンコモノマーとを接触させることを含む。
【0097】
本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物を調製するための重合方法は、直列になるように構成された第1の反応器と第2の反応器中、溶液重合条件下、少なくとも1種類のシングルサイト重合触媒系と、エチレンおよび少なくとも1種類のα−オレフィンコモノマーとを接触させることを含み、ここで、少なくとも1種類のα−オレフィンコモノマーは、第1の反応器に排他的に供給される。
【0098】
本開示の一実施形態では、均一に分枝したエチレンコポリマーは、ホスフィンイミン配位子を有することでさらに特徴づけられる第3、4、5族金属の有機金属錯体を用いて調製される。このような錯体は、オレフィン重合に対して活性である場合、一般にホスフィンイミン(重合)触媒として知られている。
【0099】
一実施形態では、本開示のポリエチレン組成物の製造は、押出工程または配合(コンパウンド)工程を含んでいてもよい。このような工程は、当技術分野において周知である。
【0100】
一実施形態では、ポリエチレン組成物は、第1のエチレンポリマーおよび第2のエチレンポリマーに加えて、さらなるポリマー成分を含むことができる。このようなポリマー成分は、系中で作られたポリマー、または押出工程もしくは配合工程の間にポリマー組成物に添加されたポリマーを含む。
【0101】
任意選択で、ポリエチレン組成物に添加剤を添加することができる。添加剤は、押出工程または配合工程の間にポリエチレン組成物に添加することができるが、他の適切な公知の方法が当業者には明らかであろう。添加剤は、そのまま添加されてもよく、または別個のポリマー成分の一部(すなわち、上述の第1または第2のエチレンポリマーではない)として、押出工程または配合工程の間に添加されてもよい。適切な添加剤は、技術分野で公知であり、限定されないが、酸化防止剤、ホスファイトおよびホスホナイト、ニトロン、制酸剤、UV光安定剤、UV吸収剤、金属不活性化剤、染料、充填剤および補強剤、ナノスケールの有機または無機材料、帯電防止剤、ステアリン酸カルシウムのような潤滑剤、エルシミドまたはベヘンアミドのようなすべり添加剤(slip additives)、核形成剤(核剤、顔料またはポリエチレン組成物に核形成効果を与えることができる他の化学物質を含む)が挙げられる。任意選択で添加することができる添加剤は、約20重量パーセント(重量%)までの量で添加することができる。
【0102】
ポリマー混合物を通常は粉末またはペレットの形態で核形成剤と混練することによって、1種以上の核形成剤が、ポリエチレン組成物に導入されてもよく、核形成剤は、単独で利用されてもよく、または安定化剤、顔料、帯電防止剤、UV安定化剤およびフィラーなどのさらなる添加剤を含む濃縮物の形態で利用されてもよい。本開示の一実施形態では、核形成剤は、ポリマーによって湿らされるか、または吸収され、ポリマーに不溶性であり、ポリマーの融点より高い融点を有し、ポリマー溶融物中に可能な限り微細な形態(約1〜約10μm)で均一に分散可能な材料である。ポリオレフィンについて核形成能を有することが知られている化合物としては、脂肪族の一塩基酸または二塩基酸またはアリールアルキル酸の塩、例えば、コハク酸ナトリウムまたはフェニル酢酸アルミニウム;芳香族または脂環式カルボン酸のアルカリ金属塩またはアルミニウム塩、例えば、β−ナフトエ酸ナトリウムが挙げられる。核生成能を有することが知られている別の化合物は、安息香酸ナトリウムである。結晶が凝集した球晶の大きさの縮小度を観察することにより、核形成の有効性を微視的に監視してもよい。
【0103】
市販されており、ポリエチレン組成物に添加し得る核形成剤の例としては、ジベンジリデンソルビタールエステル(例えば、Milliken Chemicalによって商標名MILLAD(登録商標)3988で販売されている製品、またはCiba Specialty ChemicalsによってIRGACLEARで販売されている製品)がある。ポリエチレン組成物に添加し得る核形成剤のさらなる例としては、米国特許第5,981,636号に開示される環状有機構造(およびその塩、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプテンジカルボン酸二ナトリウム);米国特許第5,981,636号に開示される構造の飽和態様(米国特許第6,465,551号;Zhaoら、Millikenに開示されている通り);米国特許第6,599,971号明細書(Dotsonら、Milliken)に開示されているようなヘキサヒドロフタル酸構造(すなわち「HHPA」構造)を有する特定の環状ジカルボン酸塩;リン酸エステル、例えば、米国特許第5,342,868号明細書に開示されているもの、Asahi Denka KogyoによってNA−11およびNA−21の商品名で販売されているもの、環状ジカルボキシラートおよびその塩、例えば、米国特許第6,599,971号に開示されるHHPA構造の二価金属塩またはメタロイド塩(特にカルシウム塩)が挙げられる。明確にするために、HHPA構造は、一般に、環に6個の炭素原子を含む環構造と、環構造の隣接原子上の置換基である2個のカルボン酸基とを含む。米国特許第6,599,971号に開示されているように、環の中の他の4個の炭素原子が置換されていてもよい。一例は、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸カルシウム塩(CAS登録番号491589−22−1)である。ポリエチレン組成物に添加し得る核形成剤のさらに別の例には、WO2015042561号、WO2015042563号、WO2015042562号およびWO2011050042号に開示されているものが含まれる。
【0104】
上述の核形成剤の多くは、核形成されるポリエチレン組成物と混合するのが困難であり、この問題を軽減するために、例えばステアリン酸亜鉛のような分散助剤を使用することが知られている。
【0105】
本開示の一実施形態では、核形成剤は、ポリエチレン組成物中に良好に分散されている。
【0106】
本開示の一実施形態では、使用される核形成剤の量は、比較的少量(重量で100〜3000パーツパーミリオン(ポリエチレン組成物の重量を基準とする)であるので、当業者であれば、核形成剤が十分に分散していることを確実にするように注意しなければならないことを理解するだろう。本開示の一実施形態では、混合を容易にするために、核形成剤をポリエチレン組成物に微細に分割した形態(50ミクロン未満、特に10ミクロン未満)で添加する。この種の「物理的なブレンド」(すなわち、固体形態での核形成剤と樹脂の混合)は、一般に、核剤の「マスターバッチ」を使用することが好ましい(ここで、「マスターバッチ」との用語は、添加剤(この場合には核剤)と少量のポリエチレン組成物樹脂との最初の溶融混合の実施を指し、次いで、「マスターバッチ」と残りのポリエチレン組成物樹脂の塊とを溶融混合する)。
【0107】
本開示の一実施形態では、核形成剤などの添加剤を「マスターバッチ」によってポリエチレン組成物に添加してもよい(ここで、「マスターバッチ」との用語は、添加剤(例えば核剤)と少量のポリエチレン組成物との最初の溶融混合の実施を指し、次いで、「マスターバッチ」と残りのポリエチレン組成物樹脂の塊とを溶融混合する)。
【0108】
本開示の一実施形態では、ポリマー組成物は、核形成剤または核形成剤の混合物をさらに含む。
【0109】
本開示の一実施形態では、上述のポリエチレン組成物は、ヒンジを有する成形物品(いわゆる「ヒンジ付き部品」(“hinged components”))の形成に使用される。例えば、連続圧縮成型および射出成型によって形成された物品が考えられる。このような物品は、ボトル、容器などのためのキャップおよび密閉部などのヒンジ付き部品を含む。しかしながら、当業者は、上述の組成物が、限定されないが、フィルム、射出ブロー成型、ブロー成型およびシート押出用途などの他の用途にも使用可能であることを容易に理解するであろう。
【0110】
本開示の一実施形態では、上述のポリエチレン組成物は、ボトル、容器などのヒンジ付き密閉部の形成に使用される。例えば、圧縮成型または射出成型によって形成された、ボトルのためのヒンジ付き密閉部が考えられる。ヒンジ付き部品は、例えば、ヒンジ付きキャップ、ヒンジ付きスクリューキャップ、ヒンジ付きスナップトップキャップ、ならびに、ボトルおよび容器などのためのヒンジ付き密閉部を含む。
【0111】
本開示の一実施形態では、密閉部(またはキャップ)は、密閉部(またはキャップ)の残りの部分と同じ材料で作られたヒンジを備えている。
【0112】
本開示の一実施形態では、密閉部(またはキャップ)はヒンジ付き密閉部である。
【0113】
本開示の一実施形態では、密閉部(またはキャップ)は、ボトル、容器などのヒンジ付き密閉部である。
【0114】
本開示の一実施形態では、密閉部(またはキャップ)は、フリップトップヒンジ密閉部、例えば、プラスチックケチャップボトルまたは食料品を入れる同様の容器に使用するためのフリップトップヒンジ密閉部である。
【0115】
密閉部がヒンジ付き密閉部である場合、密閉部は、ヒンジ付き部品を含み、一般に、ヒンジとして作用する薄くなった部分によって接続した少なくとも2つの本体からなり、これにより、これらの少なくとも2つの本体を初期の成型した位置から曲げることができる。薄くなった部分は、連続的であってもよく、ウェブ状であってもよく、幅広くてもよく、または狭くてもよい。
【0116】
有用な密閉部(ボトル、容器などの場合)は、ヒンジ付き密閉部であり、少なくとも1つの薄くなった屈曲可能な部分によって互いに接続された2つの本体からなっていてもよい(例えば、この2つの本体は、単一の架橋部分、または1個より多い架橋部分、またはウェブ化部分などによって接続していてもよい)。第1の本体は、分配穴を有していてもよく、容器の開口部(例えば、ボトルの開口部)を覆うように容器の上にはめ込まれてもよく、またはねじ込まれてもよく、一方、第2の本体は、第1の本体と噛み合わせることが可能な蓋のはめ込みとして機能してもよい。
【0117】
ヒンジ付きキャップおよび密閉部がサブセットであるキャップおよび密閉部は、例えば、当業者に周知の射出成型技術および連続的な圧縮成形技術を含む、任意の既知の方法に従って製造することができる。したがって、本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物(上に定義される)を含む密閉部(またはキャップ)が、少なくとも1つの圧縮成型工程および/または少なくとも1つの射出成型工程含む方法によって調製される。
【0118】
ヒンジ付き密閉部およびキャップは、ボトル、容器など、例えば、限定されないが、非加圧液体を含め、飲料水、他の食品を含有し得るボトルを密封するのに十分に適している。ヒンジ付き密閉部およびキャップは、飲用水または非炭酸飲料(例えば、ジュース)の入ったボトルを密封するためにも使用され得る。他の用途には、ケチャップボトルなどのような食品を入れるボトルおよび容器のためのヒンジ付きキャップおよび密閉部が含まれる。
【0119】
ヒンジ付き部品
本開示の一実施形態では、上述のポリエチレン組成物は、ヒンジ付き部品の形成に使用される。
【0120】
ヒンジ付き部品は、キャップまたは密閉部の一部であってもよく、またはそれ自体がキャップまたは密閉部であってもよい。
【0121】
ヒンジ付き部品は、例えば、当業者に周知の射出成型技術および圧縮成形技術を含む、任意の既知の方法に従って製造することができる。したがって、本開示の一実施形態では、本明細書に定義されるポリエチレン組成物を含むヒンジ付き部品が、少なくとも1つの圧縮成型工程および/または少なくとも1つの射出成型工程含む方法によって調製される。
【0122】
本開示の一実施形態では、本明細書に記載のポリエチレン組成物は、ヒンジ付き部品を製造する方法に使用される。そのような方法としては、例えば、圧縮成型(または連続圧縮成型)および射出成型が挙げられる。
【0123】
ヒンジ付き部品は、可撓性ヒンジを介して互いに連結された少なくとも2つの本体からなる構成要素である。可撓性ヒンジは、2つ以上の本体が屈曲し得る支点または旋回点として働くように、連続的、部分的またはセグメント化された部分(典型的には2つ以上の本体より薄い)であってもよい。例えば、2つ以上の本体は、可撓性ヒンジの周りで成型位置から屈曲位置に曲がることができる。
【0124】
ヒンジ付き部品の例には、単一のストラップ、デュアルストラップ、マルチストラップまたはバタフライストラップ設計を有するキャップまたは密閉部、例えば、米国特許出願公開第2013/0343808号公報(例えば、その
図3〜
図13を参照)に示されるものが含まれる。
【0125】
ヒンジ付き部品の別の例は、米国特許出願公開第2014/0275426号公報に与えられている。
【0126】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、ボトル、容器などのためのヒンジ付きキャップまたは密閉部などである。
【0127】
キャップおよび密閉部は、連続圧縮成型または射出成型によって形成されてもよい。このような密閉部としては、例えば、ボトル、容器などのためのヒンジ付きキャップ、ヒンジ付きスクリューキャップ、ヒンジ付きスナップトップキャップ、およびヒンジ付き密閉部を含む。
【0128】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、密閉部(またはキャップ)の残りの部分と同じ材料で作られたヒンジを備えた密閉部(またはキャップ)である。
【0129】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、ヒンジ付き密閉部(またはキャップ)である。
【0130】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、ボトル、容器などのヒンジ付き密閉部(またはキャップ)である。
【0131】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、フリップトップヒンジ密閉部、例えば、プラスチックケチャップボトルまたは食料品を入れる同様の容器に使用するためのフリップトップヒンジ密閉部である。
【0132】
密閉部がヒンジ付き密閉部である場合、密閉部は、ヒンジ付き部品を含んでいてもよく、一般に、ヒンジとして作用する薄くなった部分によって接続した少なくとも2つの本体からなり、これにより、少なくとも2つの本体を初期の成型した位置から曲げることができる。薄くなった部分は、連続的であってもよく、ウェブ状であってもよく、幅広くてもよく、または狭くてもよい。
【0133】
有用なヒンジ付き部品は、ヒンジ付き密閉部であり(例えば、ボトル、容器などのための)、少なくとも1つの薄くなった屈曲可能な部分によって互いに接続された2つの本体からなっていてもよい(例えば、この2つの本体は、単一の架橋部分、または1個より多い架橋部分、またはウェブ化部分などによって接続していてもよい)。第1の本体は、分配穴を有していてもよく、容器の開口部(例えば、ボトルの開口部)を覆うように容器の上にはめ込まれてもよく、またはねじ込まれてもよく、一方、第2の本体は、第1の本体と噛み合わせることが可能な蓋のはめ込みとして機能してもよい。
【0134】
ヒンジ付きキャップおよび密閉部は、例えば、当業者に周知の射出成型技術および圧縮成型技術を含む、任意の既知の方法に従って製造することができる。したがって、本開示の一実施形態では、ポリエチレン組成物を含む密閉部(またはキャップ)が、少なくとも1つの連続圧縮成型工程および/または少なくとも1つの射出成型工程を含む方法によって調製される。
【0135】
本開示のヒンジ付き密閉部およびキャップは、例えば、限定されないが、非加圧液体を含め、飲料水、他の食品を含有し得るボトルのような、ボトル、容器などを密封するために使用されてもよい。ヒンジ付き密閉部およびキャップは、飲用水または非炭酸飲料(例えば、ジュース)の入ったボトルを密封するためにも使用され得る。他の用途には、例えば、ケチャップボトルなどのような食品を入れるボトルおよび容器のためのヒンジ付きキャップおよび密閉部が含まれる。
【0136】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が少なくとも4100サイクルである。
【0137】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が少なくとも4200サイクルである。
【0138】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が少なくとも4500サイクルである。
【0139】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が少なくとも4800サイクルである。
【0140】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が少なくとも5000サイクルである。
【0141】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が少なくとも約4200サイクル〜約15,000サイクルである。
【0142】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が少なくとも約4200サイクル〜約10,000サイクルである。
【0143】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が少なくとも約4500サイクル〜約15,000サイクルである。
【0144】
本開示の一実施形態では、ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が少なくとも約4500サイクル〜約10,000サイクルである。
【0145】
本開示は、以下の非限定的な例によってさらに説明される。
【0146】
例
ポリエチレン組成物のメルトインデックスI
2、I
5、I
6およびI
21は、ASTM D1238に従って測定された(190℃で実施する場合、それぞれ2.16kg、5kg、6.48kg、21kgの錘を使用)。
【0147】
M
n、M
wおよびM
z(g/mol)は、ユニバーサル較正を用いた示差屈折率検出を用いた高温ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定された(例えば、ASTM−D6474−99)。商品名「Waters 150c」で販売される装置を用い、140℃で移動相として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いてGPCデータを得た。この溶媒にポリマーを溶解することによってサンプルを調製し、濾過せずに運転した。分子量は、数平均分子量(「Mn」)については2.9%、重量平均分子量(「Mw」)については5.0%の相対標準偏差を有するポリエチレン当量として表される。分子量分布(MWD)は、重量平均分子量を数平均分子量で割ったもの(M
w/M
n)である。Z平均分子量分布は、M
z/M
nである。ポリマーを1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)中で加熱し、オーブン中、150℃で4時間、ホイール上で回転させることによって、ポリマーサンプル溶液(1〜2mg/mL)を調製した。ポリマーを酸化分解に対して安定化するために、この混合物に、酸化防止剤である2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を添加した。BHT濃度は、250ppmであった。サンプル溶液を、4つのSHODEX(登録商標)カラム(HT803、HT804、HT805およびHT806)を取り付け、移動相としてTCBを用い、流速1.0mL/分、濃度検出器として示差屈折率(DRI)を用いるPL 220高温クロマトグラフィーユニットで、140℃でクロマトグラフィーにかけた。カラムを酸化分解から保護するために、BHTを移動相に250ppmの濃度で添加した。試料の注入容積は200mLであった。生データをCIRRUS(登録商標)GPCソフトウェアで処理した。カラムを、狭い分布のポリスチレン標準で較正した。ASTM標準試験法D6474に記載されるようなMark−Houwink式を用い、ポリスチレン分子量をポリエチレン分子量に変換した。
【0148】
主な溶融ピーク(℃)、融解熱(溶融熱)(J/g)および結晶性(%)を、以下のように、示差走査熱量測定(DSC)を用いて決定した。まず、装置をインジウムで較正し、較正後、ポリマー試験片を0℃で平衡化し、その後、10℃/分の加熱速度で200℃まで温度を上昇させた。次いで溶融物を200℃で5分間、等温に保持した。次いで、溶融物を10℃/分の冷却速度で0℃まで冷却し、0℃で5分間保持した。次いで、試験片を10℃/分の加熱速度で200℃まで加熱した。DSC Tm、融解熱および結晶性は、2回目の加熱サイクルから報告する。
【0149】
ポリエチレン組成物の短鎖分枝頻度(1000炭素原子当たりのSCB)は、ASTM D6645−01法に従って、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)によって測定した。OMNIC(登録商標)バージョン7.2aソフトウェアを備えるThermo−Nicolet 750 Magna−IR Spectrophotometerを測定に使用した。ポリエチレン組成物中の不飽和度も、ASTM D3124−98に従うフーリエ変換赤外分光法(FTIR)によって決定した。コモノマー含有量も、Randall,Rev.Macromol.Chem.Phys.,C29(2&3),p 285;米国特許第5,292,845号およびWO2005/121239号に記載されるような
13C NMR技法を用いて測定することができる。
【0150】
ポリエチレン組成物の密度(g/cm
3)をASTM D792に従って測定した。
【0151】
ヘキサン抽出物をASTM D5227に従って測定した。
【0152】
剪断粘度は、Kayeness WinKARS Capillary Rheometer(型番D5052M−115)を用いることによって測定した。低い方の剪断速度での剪断粘度について、ダイ直径が0.06インチ、L/D比が20、入射角180度を有するダイを使用した。高い方の剪断速度での剪断粘度について、ダイ直径が0.012インチ、L/D比が20を有するダイを使用した。
【0153】
CDBI(50)を決定するために、まず、ポリエチレン組成物について溶解度分布曲線を作成する。溶解度分布曲線の作成は、TREF技法から得られたデータを使用して達成される。この溶解度分布曲線は、温度の関数として、溶解したコポリマーの重量分率のプロットである。これは、コモノマー含有量に対する重量分率の累積分布曲線に変換され、この曲線から、CDBI(50)は、中央値(median)の両側にあるコモノマー含有量中央値の50%以内にあるコモノマー含有量を有するコポリマーサンプルの重量パーセントを確立することによって決定される(WO93/03093号および米国特許第5,376,439号を参照)。CDBI(25)は、中央値の両側にあるコモノマー含有量中央値の25%以内にあるコモノマー含有量を有するコポリマーサンプルの重量パーセントを確立することによって決定される。
【0154】
本明細書で使用する昇温溶出分別(TREF)法は、以下の通りである。ポリマーサンプル(50〜150mg)を結晶化−TREFユニット(Polymer Char)の反応容器に入れた。この反応容器を、20〜40mlの1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)で満たし、所望の溶解温度(例えば、150℃)まで1〜3時間かけて加熱した。次いで、この溶液(0.5〜1.5ml)を、ステンレススチールビーズを充填したTREFカラムに投入した。所与の安定化温度(例えば、110℃)で30〜45分間平衡化した後、ポリマー溶液を、この安定化温度から30℃まで温度を下げつつ(0.1〜0.2℃/分)、結晶化させた。30℃で30分間平衡化した後、結晶化したサンプルをTCB(0.5mL/分または0.75mL/分)で、30℃から安定化温度までの温度勾配(0.25℃/分または1.0℃/分)で溶出した。試行終了時に、この溶出温度で30分間、TREFカラムを洗浄した。データを、Polymer Charソフトウェア、Excelスプレッドシート、社内で開発されたTREFソフトウェアを使用して処理した。
【0155】
オンラインFTIR検出器(GPC−FTIR)を備えた高温GPCを使用して、コモノマー含有量を分子量の関数として測定した。
【0156】
ポリエチレン組成物から成形された成形板を、以下のASTM法に従って試験した。Condition B、100% IGEPAL、50℃でのベントストリップ耐環境応力亀裂(ESCR)、ASTM D1693;ノッチ付きIzod衝撃特性、ASTM D256;屈曲特性、ASTM D 790;引張特性、ASTM D 638;Vicat軟化点、ASTM D 1525;熱変形温度、ASTM D 648。
【0157】
動的機械分析は、圧縮成型したサンプルに対し、レオメーター(すなわち、Rheometrics Dynamic Spectrometer(RDS−II)またはRheometrics SR5またはATS Stresstech)を用い、窒素雰囲気下、190℃で、直径25mmの円錐と平板の幾何形状を用いて行われた。振動剪断実験は、0.05〜100ラジアン/秒の頻度での線形粘弾性歪み(10%歪み)内で行った。貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、複素弾性率(G
*)および複素粘度(η
*)の値を頻度の関数として得た。同じレオロジーデータは、窒素雰囲気下、190℃で直径25mmの平行プレート形状を使用することによっても得ることができる。
【0158】
ポリエチレン組成物の例は、第1の反応器の内容物が第2の反応器に流入する二重反応器溶液重合法で製造された。この直列の「二重反応器」法は、「その場で」(“in−situ”で)ポリエチレンブレンド(すなわち、ポリエチレン組成物)を生成する。なお、直列の反応器構成が使用される場合、第1の反応器中に存在する未反応エチレンモノマーおよび未反応α−オレフィンコモノマーが、さらなる重合のために下流の第2の反応器に流れる。
【0159】
本発明の例では、コモノマーは下流の第2の反応器に直接供給されないが、それでも、第1の反応器からエチレンと共重合する第2の反応器へと流れる未反応の1−オクテンのかなりの量の存在のために、第2の反応器中でエチレンコポリマーが生成する。成分が十分に混合される条件を与えるために、各反応器を十分に攪拌する。第1の反応器の容積は12リットルであり、第2の反応器の容積は22リットルであった。これらの反応器は、パイロットプラントスケールである。第1の反応器を圧力10500〜35000kPaで操作し、第1の反応器から第2の反応器への連続的な流れを容易にするために、第2の反応器をこれより低い圧力で操作した。用いた溶媒はメチルペンタンであった。このプロセスは、連続供給流を用いて動作する。二重反応器溶液法の実験で使用される触媒は、ホスフィンイミン触媒であり、この触媒は、ホスフィンイミン配位子(例えば、(tert−ブチル)
3P=N)、シクロペンタジエン配位子(例えばCp)および2つの活性化可能な配位子(限定されないが、例えば塩素配位子)を有するチタン錯体であった。(注:「活性化可能な配位子」は、例えば、助触媒または活性化剤を用いた求電子性の抜き取りによって除去され、活性な金属中心が生成する)。ホウ素系助触媒(例えば、Ph
3CB(C
6F
5)
4)を、チタン錯体に対してほぼ化学量論量で使用した。市販のメチルアルミノキサン(MAO)は、Al:Tiが約40:1で、捕捉剤として含まれていた。さらに、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキシ−4−エチルベンゼンを添加し、MAO内の遊離トリメチルアルミニウムを約0.5:1のAl:OH比で捕捉した。
【0160】
本発明の例1〜6のポリエチレン組成物は、上述の二重反応器溶液法において、シングルサイトホスフィンイミン触媒を用いて製造される。それぞれ、メルトインデックスI
2が10g/10分より大きく、SCB1/SCB2比が1.0より大きく、Mz値が300,000未満である。また、例1〜6も、24〜38の範囲内にある最適メルトフロー比I
21/I
2を有する。
【0161】
例7、8および9のポリエチレン組成物は比較例であり、それぞれ、メルトインデックスI
2が10g/10分より大きく、SCB1/SCB2が1.0より大きく、Mz値が300,000未満である。しかしながら、例1〜6とは対照的に、例7〜9は、メルトフロー比I
21/I
2が41より大きい。例7〜9のポリエチレン組成物も、上述の二重反応器溶液法において、シングルサイトホスフィンイミン触媒を用いて製造される。
【0162】
ポリエチレン組成物を製造するために使用される重合条件を表1に示す。
【0163】
表2は、ポリマー組成物の特性およびプレス加工されたポリマー成形板のデータを示す。
【0164】
ポリエチレン組成物についての第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーの計算された特性は、表3に与えられている(方法については、以下の「共重合反応器モデリング」を参照のこと)。
【0165】
共重合反応器モデリング
コモノマー含有量が非常に少ない多成分(または二峰性樹脂)ポリエチレンポリマーの場合、例えば、米国特許第8,022,143号においてなされたように、各ポリマー成分の短鎖分枝(と、その後、他の情報を組み合わせることによってポリエチレン樹脂密度)を、GPC−FTIRデータの数学的なデコンヴォルーションによって信頼性高く概算するのは困難な場合がある。その代わりに、反応器モデルシミュレーションを用い、実際のパイロットスケールでの試行条件に使用した入力条件を用い、第1のコポリマーおよび第2のコポリマーのM
w、M
n、M
z、M
w/M
nおよび炭素1000個当たりの短鎖分枝(SCB/1000C)が本明細書で計算された(関連する反応器モデリング法の参考文献として、「Copolymerization」、A.Hamielec,J.MacGregorおよびA.Penlidis in Comprehensive Polymer Science and Supplements,volume 3,Chapter 2,page 17,Elsevier, 1996および「Copolymerization of Olefins in a Series of Continuous Stirred−Tank Slurry−Reactors using Heterogeneous Ziegler−Natta and Metallocene Catalysts.I.General Dynamic Mathematical Model」、J.B.P Soares and A.E Hamielec in Polymer Reaction Engineering, 4(2&3)、p153、1996を参照)。この種のモデルは、エチレン転化率、エチレン入力流およびコモノマー入力流を実験条件から直接的に得ることができるため、本開示で使用される触媒系について反応比(以下を参照)を信頼性高く概算することができるため、低いコモノマー組み込みレベルであっても、コモノマー(例えば1−オクテン)含有量を概算する際の信頼性が高いと考えられる。明確にするために、「モノマー」または「モノマー1」はエチレンを表し、一方、「コモノマー」または「モノマー2」との用語は1−オクテンを表す。
【0166】
このモデルは、直列に接続された連続攪拌されるタンク反応器(CSTR)のための末端反応速度論モデルを用いて、各反応器に向かういくつかの反応種(例えば触媒、エチレンなどのモノマー、1−オクテンなどのコモノマー、水素および溶媒)の流れ、温度(各反応器内)、モノマーの転化率(各反応器内)の入力を得て、(各反応器中で製造されたポリマー、すなわち、第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーの)ポリマー特性を計算する。「末端反応速度論モデル」は、反応速度論が、活性触媒サイトが位置しているポリマー鎖内のモノマー単位に依存すると仮定する(「Copolymerization」、A.Hamielec,J.MacGregorおよびA.Penlidis in Comprehensive Polymer Science and Supplements,Volume 3,Chapter 2,page 17,Elsevier,1996を参照)。このモデルでは、活性触媒中心でのモノマー/コモノマー単位挿入の統計値が有効であり、成長以外の経路で消費されるモノマー/コモノマーを無視することができることを確実にするため、コポリマー鎖は、合理的に大きな分子量を有すると仮定される。これは「長鎖」近似として知られている。
【0167】
重合の末端速度論モデルには、活性化、開始、成長、連鎖移動および不活性化経路の反応速度式が含まれる。このモデルは、上に定義した反応種を含む反応性流体について、定常状態保存式(例えば、総物質収支および熱収支)を解く。
【0168】
所与の数の入口および出口を有する一般的なCSTRの総物質収支は、
【数1】
によって与えられ、
ここで、
【数2】
は、個々の流れの質量流量を表し、指数iは、入口および出口の流れを示す。
【0169】
式(1)は、個々の種および反応を示すためにさらに拡張することができる。
【数3】
ここで、M
iは、入口または出口の流体(i)の平均モル重量であり、x
ijは、流れi中の種jの質量分率であり、ρ
mixは、反応混合物のモル密度であり、Vは反応容積であり、R
jは、種jの反応速度であり、単位はkmol/m
3sである。
【0170】
総熱収支は、断熱反応器について解かれ、
【数4】
によって与えられ、
ここで、
【数5】
は、流れi(入口または出口)の質量流量であり、
【数6】
は、参照状態に対する流れiのエンタルピーの差であり、
【数7】
は、反応(単数または複数)によって放出される熱であり、Vは反応容積であり、
【数8】
は、入力仕事量(すなわち、アジテーター)であり、
【数9】
は、熱量の入力/損失量である。
【0171】
各反応器に対する触媒濃度の入力は、この速度論モデルの式(例えば、成長速度、熱収支および物質収支)を解くために、実験的に決定されたエチレン転化率および反応器温度の値に適合するように調節される。
【0172】
各反応器に対するH
2濃度の入力は、同様に、両反応器で製造されるポリマーの分子量分布の計算値(したがって、各反応器で製造されるポリマーの分子量)が、実験的に観察される値と適合するように調節されてもよい。
【0173】
重合反応の重合度(DPN)は、連鎖移動/停止反応速度に対する鎖成長反応速度の比率によって与えられ、
【数10】
ここで、
【数11】
は、末端にモノマー1が付いている成長中のポリマー鎖にモノマー2を添加する場合の成長速度定数であり、
【数12】
は、反応器中のモノマー1(エチレン)のモル濃度であり、
【数13】
は、反応器中のモノマー2(1−オクテン)のモル濃度であり、
【数14】
は、末端にモノマー1が付いている成長中のポリマー鎖について、モノマー2への連鎖移動の停止速度定数であり、
【数15】
は、端にモノマー1が付いている鎖について自然連鎖停止の速度定数であり、
【数16】
は、端にモノマー1が付いている鎖について水素による連鎖停止の速度定数であり、
【数17】
および
【数18】
は、それぞれ、端にモノマー1またはモノマー2が付いている鎖によって占められる触媒のサイトの割合である。
【0174】
ポリマーの数平均分子量(Mn)は、重合度およびモノマー単位の分子量から得られる。各反応器中のポリマーの数平均分子量から、シングルサイト触媒についてのFlory分布を仮定すると、各反応器中で生成するポリマーについて、分子量分布が決定される。
【数19】
ここで、
【数20】
および
【数21】
は、ある鎖長
【数22】
を有するポリマーの重量分率である。
【0175】
Flory分布は、以下を適用することによって、共通のlogスケールのGPCトレースに変換することができる。
【数23】
ここで、
【数24】
は、鎖長
【数25】
を有するポリマーの重量分率の微分であり(
【数26】
ここで、28は、C
2H
4単位に対応するポリマーセグメントの分子量である)、DPNは、式(4)によって計算された重合度である。Floryモデルから、各反応器中で製造されたポリマーのM
wおよびM
zは、M
w=2×M
nおよびM
z=1.5×M
wである。
【0176】
両方の反応器全体の全分子量分布は、単純に、各反応器中で製造されたポリマーの分子量分布の合計であり、ここで、各Flory分布に、各反応器中で製造されたポリマーの重量分率を掛け算する。
【数27】
ここで、
【数28】
は、全体的な分子量分布関数であり、
【数29】
および
【数30】
は、各反応器中で作られたポリマーの重量分率であり、
【数31】
および
【数32】
は、各反応器中で作られたポリマーの平均鎖長である(すなわち、
【数33】
)。
【0177】
各反応器中で製造される物質の重量分率は、各反応器内のモノマーおよびコモノマーの転化率を知ることとともに、各反応器中へのモノマーおよびコモノマーの質量流量を知ることから決定される。
【0178】
全体的な分子量分布(または各反応器中で製造されるポリマーの分子量分布)のモーメントは、式8a、8bおよび8cを用いて決定することができる(上のFloryモデルを仮定するが、以下の一般的な式を他のモデル分布に同様に適用する)。
【数34】
【数35】
【数36】
【0179】
(各反応器中の)ポリマー生成物中のコモノマー含有量も、上述の末端速度論モデルおよび長鎖近似を用いて計算することができる(A.Hamielec,J.MacGregorおよびA.Penlidis.Comprehensive Polymer Science and Supplements,volume 3,chapter Copolymerization,page 17,Elsevier,1996を参照)。
【0180】
所定の触媒系については、コモノマー(例えば、1−オクテン)の取り込みは、モノマー(例えば、エチレン)転化率、反応器中のモノマーに対するコモノマーの比(
【数37】
)、モノマー2(例えば、1−オクテン)に対するモノマー1(例えばエチレン)の反応性の比
【数38】
の関数である。
【0181】
CSTRの場合、ポリマー(Y)のコモノマーに対するエチレンのモル比は、触媒系の反応性の比
【数39】
と反応器中のエチレン転化率(
【数40】
)を知ることで推定することができる。即時コモノマー組み込みのためのMayおよびLewisの式を用い、二次式を誘導することができ(「Copolymerization」、A.Hamielec,J.MacGregorおよびA.Penlidis、Comprehensive Polymer Science and Supplements,Volume 3,Chapter 2,page 17,Elsevier,1996)、この反応周りの物質収支を解く。ポリマー中の1−オクテンに対するエチレンのモル比は、以下の二次式の負の根である。
【数41】
ここで、Yは、ポリマー中の1−オクテンに対するエチレンのモル比であり、
【数42】
は、反応器に向かうエチレンに対する1−オクテンの質量流量比であり、
【数43】
は、触媒系についてのモノマー2に対するモノマー1の反応性比(
【数44】
)であり、
【数45】
は、エチレンモノマーの転化分率である。
【0182】
次いで、ポリマー中のモノマー2に対するモノマー1のモル比を知ることで、分枝頻度を計算することができる。
【数46】
ここで、Yは、ポリマー中のモノマー2(1−オクテン)に対するモノマー1(エチレン)のモル比であり、BFは、分枝頻度(炭素原子1000個当たりの分枝)である。
【0183】
エチレン組成物の全体的な分枝頻度分布(BFD)は、各反応器中で製造されたポリマーの分子量分布および重量分率と、各反応器中で製造されたエチレンコポリマーの平均分枝頻度(BF)を知ることによって計算することができる。各反応器中で製造されたポリマーの分率は、質量流量の実験値と、各反応器中のモノマーおよびコモノマーの転化率から計算することができる。分枝頻度分布関数は、2つのFlory分布から作られた全体的な分子量分布関数のそれぞれの分子量値について平均分枝含有量を計算することによって得られる。
【数47】
ここで、
【数48】
は、分子量(MW)での分枝であり、
【数49】
および
【数50】
は、反応器1および反応器2で製造されたポリマーの重量分率であり、
【数51】
および
【数52】
は、R1およびR2で製造されたポリマーの平均分枝頻度であり(式9および10から)、
【数53】
および
【数54】
は、反応器1および反応器2からのFlory分布関数である。
【0184】
ポリエチレン組成物の全体的な分枝頻度は、各反応器中で製造されるポリマーの分枝頻度の加重平均によって与えられる。
【数55】
ここで、
【数56】
は、全ポリマー(例えばポリエチレン組成物)の平均分枝頻度であり、
【数57】
および
【数58】
は、各反応器中で製造された物質の重量分率であり、
【数59】
および
【数60】
は、各反応器中で製造された物質の分枝頻度(例えば、第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーの分枝頻度)である。
【0185】
各反応器中で得られたポリマーについて、上述の動力学モデルから得られる重要な樹脂パラメータは、分子量Mn、MwおよびMz、分子量分布M
W/M
nおよびMz/Mw、分枝頻度(SCB/1000C)である。この情報を手に入れて、経験的に決定された以下の式に従って、成分(または組成物)密度モデルおよび成分(または組成物)メルトインデックスI
2モデルを使用し、第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーそれぞれの密度およびメルトインデックスI
2を計算した。
密度:
【数61】
ここで、BFは、分枝頻度である。
【数62】
メルトインデックスI
2(MI):
【数63】
【0186】
したがって、上述のモデルを使用し、ポリエチレン組成物成分の分枝頻度、重量分率(または重量パーセント)、メルトインデックスI
2および密度を概算し、これを反応器1および2(すなわち、第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマー)それぞれで作成した。
【0191】
表3
ポリエチレン成分の特性
【表5】
【0192】
表4の続き
ポリエチレン成分の特性
【表6】
【0193】
例1〜9のポリマー組成物を、以下にさらに記載するように、射出成型してヒンジ部品にした。
【0194】
ヒンジ部品
4種類のヒンジ付き部品を製造することができる4キャビティのヒンジ部品用の金型を使用した。これら4種類のヒンジ付き部品は、典型的なヒンジ付きキャップおよび密閉部のヒンジ部分を模倣するように設計された異なる幾何形状および寸法を有していてもよい。この4種類のヒンジ付き部品の中で、ヒンジ部品「ヒンジ4番」を今回の分析で使用した。ヒンジ4番の設計と寸法を
図1〜
図3に示す。
【0195】
射出成型条件
上述した4キャビティのヒンジ部品用金型を、Sumitomo射出成型機(型番SE75EV C250M、スクリュー直径28mm)で使用する。射出成型の処理条件を表5に示す。
【0197】
表5の続き
射出成型パラメータ
【表8】
【0198】
ヒンジ寿命試験
射出成型し、室温で少なくとも72時間かけて平衡状態にした後、ヒンジ4番を型から分離し、いわゆる「ヒンジ部品寿命試験」に直接使用した。ヒンジの寸法は、
図1〜
図3に示す通りであった。一般に、この試験は、ヒンジ付き部品を、応力のかかっていない、曲げられていない位置からそのヒンジ軸に沿って約130°の角度で曲げ、次いで、このヒンジ付き部品を応力のかからない位置まで戻すことを含む。この試験を実施するために使用したデバイスを
図4および
図5に示す。
【0199】
デバイス1は、一対の回転端部ディスク2を備えており、その間に平らなプレート領域3を含んでいる。このプレートは、縁またはヘリが丸められている。このプレート領域の上部には、プレートの縁に隣接して配置された一連のクランプ5が固定されている。このクランプは、プレート表面にヒンジ付き部品の片方の端を固定し、この部品のヒンジ軸(または所望の曲げ位置)は、プレートの縁と整列している(注:
図1および
図5を参照すると、クランプは、
図4および
図5の要素6として示される、ヒンジ部品であるヒンジ4番の短い側の長手方向の中点に配置されている)。したがって、
図4および
図5に示すように、ヒンジ付き部品がデバイスの片側にクランプ止めされ、そのヒンジ軸は、曲げられるプレートの縁と整列している。ヒンジ付き部品のもう片方の端は、ヒンジ軸を超えて配置されている2つの側方バー4および7の間に延びており、ヒンジ付き部品のクランプ止めされていない端より上(バー7)および下(バー4)にある。第2のバーのセット(8および9)は、このデバイスに構造的剛性を与えるのに役立つ。このバーは、回転端部ディスクに取り付けられ、これが回転するとき、上側バー7は、ヒンジ付き部品のクランプ止めされていない端に下向きに力を加え、ヒンジ付き部品をそのヒンジ軸に沿って約130°の角度で曲げる。この下向きの曲げ操作の後、曲げ応力の除去までが1サイクルとみなされる(注:1回目の曲げの後、ヒンジ部品は、元々の曲げられていない位置には完全には戻らない)。ヒンジ付き部品は、曲げられた後緩和されるというサイクルを繰り返し受ける。ヒンジ部品の試験デバイスを、45サイクル/分の曲げ頻度で操作した。ヒンジ付き部品が破損するまでサイクルを繰り返した。電子カウンター(例えば、端部ディスクの外側表面にある隆起部と接触するアクチュエータを備えているもの)をこのデバイスと組み合わせて使用してもよい。このデバイス付近にビデオカメラを取り付け、ヒンジ部品の破壊が起こる実際のサイクル数を記録してもよい。このデバイスは、横並びの試験のためにヒンジ付き部品をクランプ止めするためのいくつかの領域を有しているので、同じポリマー組成物から製造される10個のヒンジ付き部品を同時に試験した(
図4および
図5を参照)。一般に、所与のポリマー組成物について合計20〜30のヒンジ部品試験片を試験した。次いで、所与のポリマー組成物について、ヒンジが破損するまでの平均サイクル数と、ヒンジ寿命の標準偏差を計算し、報告した。次いで、ヒンジ部品の寿命試験は、所与のポリマー組成物から製造したヒンジ付き部品が破損するまでに耐えられる平均サイクル数を報告する。回転端部ディスクを手動で回転させてもよく、または
図5に示すように、油圧ピストン10によって駆動させてもよい。このような試験の結果を表6に示す。例1〜9のポリエチレン組成物から製造されたヒンジ付き部品のヒンジ寿命サイクルデータを表6に示す。
【0200】
表6
サイクル数におけるヒンジ寿命
【表9】
【0201】
例1〜6のポリエチレン組成物から製造されるヒンジ付き部品間の比較(それぞれメルトフロー比I
21/I
2が41未満である)は、これらのヒンジ付き部品が、メルトフロー比I
21/I
2が41より大きい例7〜9のポリエチレン組成物を用いて製造されたヒンジ付き部品について観測された値よりもかなり良好なヒンジ寿命サイクル値を有することを示す。使用するポリマーが、もっと高いメルトフロー比を有する場合にヒンジ寿命サイクル性能が低下するという事実は、驚くべきことである。したがって、メルトインデックス(I
2)が10g/10分より大きいが20g/10分未満である本明細書に記載するポリエチレン組成物を用いて最大ヒンジ寿命性能を得るために、約24〜約38の範囲のメルトフロー比(I
21/I
2)が理想的なようである。
【0202】
本開示の非限定的な実施形態は、以下を含む。
【0203】
実施形態A。ポリエチレン組成物を含むヒンジ付き部品であって、ポリエチレン組成物が、
(1)メルトインデックスI
2が0.1〜10g/10分であり、分子量分布M
w/M
nが3.0未満であり、密度が0.930〜0.960g/cm
3である、約10〜約70重量%の第1のエチレンコポリマーと、
(2)メルトインデックスI
2が50〜10,000g/10分であり、分子量分布M
w/M
nが3.0未満であり、密度が、第1のエチレンコポリマーの密度より高いが、0.966g/cm
3未満である、約90〜約30重量%の第2のエチレンコポリマーと
を含み、
第2のエチレンコポリマーの密度は、第1のエチレンコポリマーの密度よりも0.037g/cm
3大きい密度未満であり;第2のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(SCB2)に対する第1のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(SCB1)の比(SCB1/SCB2)は1.0より大きく;ポリエチレン組成物は、分子量分布M
w/M
nが2.0〜7.0であり、密度が少なくとも0.949g/cm
3であり、メルトインデックスI
2が10.0g/10分より大きく、20.0g/10分までであり、Z平均分子量M
zが、300,000未満であり、メルトフロー比I
21/I
2が24〜38である、ヒンジ付き部品。
【0204】
実施形態B。ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が4200サイクルを超える、実施形態Aに記載のヒンジ部品。
【0205】
実施形態C。ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が少なくとも4800サイクルである、実施形態Aに記載のヒンジ部品。
【0206】
実施形態D。ポリエチレン組成物は、Z平均分子量M
zが250,000未満である、実施形態A、BまたはCに記載のヒンジ付き部品。
【0207】
実施形態E。ポリエチレン組成物は、応力指数が1.40未満である、実施形態A、B、CまたはDに記載のヒンジ付き部品。
【0208】
実施形態F。第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーが、シングルサイト触媒の存在下、エチレンおよびアルファオレフィンを重合することによって製造される、実施形態A、B、C、DまたはEに記載のヒンジ付き部品。
【0209】
実施形態G。第2のエチレンコポリマーの密度が、第1のエチレンコポリマーの密度よりも約0.030g/cm
3大きい密度未満である、実施形態A、B、C、D、EまたはFに記載のヒンジ付き部品。
【0210】
実施形態H。第1のエチレンコポリマーは、メルトインデックスI
2が0.1〜3.0g/10分である、実施形態A、B、C、D、E、FまたはGに記載のヒンジ付き部品。
【0211】
実施形態I。第2のエチレンコポリマーは、メルトインデックスI
2が100〜5000g/10分である、実施形態A、B、C、D、E、F、GまたはHに記載のヒンジ付き部品。
【0212】
実施形態J。ポリエチレン組成物は、メルトインデックスI
2が10.5〜18.0g/10分である、実施形態A、B、C、D、E、F、G、HまたはIに記載のヒンジ付き部品。
【0213】
実施形態K。ポリエチレン組成物が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される場合、二峰性の分子量分布を有する、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、IまたはJに記載のヒンジ付き部品。
【0214】
実施形態L。ポリエチレン組成物は、分子量分布M
w/M
nが2.5〜4.5である、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、JまたはKに記載のヒンジ付き部品。
【0215】
実施形態M。第1のエチレンコポリマーは、密度が0.936〜0.952g/cm
3である、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、KまたはLに記載のヒンジ付き部品。
【0216】
実施形態N。ポリエチレン組成物は、密度が0.950〜0.960g/cm
3である、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、LまたはMに記載のヒンジ付き部品。
【0217】
実施形態O。ポリエチレン組成物は、長鎖分枝を有さない、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、MまたはNに記載のヒンジ付き部品。
【0218】
実施形態P。第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーは、M
w/M
nが2.5未満である、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、NまたはOに記載のヒンジ付き部品。
【0219】
実施形態Q。ポリエチレン組成物は、組成分布幅指数(CDBI(50))が約65重量%より大きい、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、OまたはPに記載のヒンジ付き部品。
【0220】
実施形態R。第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーは、それぞれ、組成分布幅指数(CDBI(50))が約65重量%より大きい、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、PまたはQに記載のヒンジ付き部品。
【0221】
実施形態S。ポリエチレン組成物が、約25〜約60重量%の第1のエチレンコポリマーと、約75〜約40重量%の第2のエチレンコポリマーとを含む、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、QまたはRに記載のヒンジ付き部品。
【0222】
実施形態T。ポリエチレン組成物は、
13C NMRによって決定される場合、コモノマー含有量が約0.5モル%未満である、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、RまたはSに記載のヒンジ付き部品。
【0223】
実施形態U。ポリエチレン組成物が、核形成剤または核形成剤の組み合わせをさらに含む、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、SまたはTに記載のヒンジ付き部品。
【0224】
実施形態V。第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーが、エチレンと1−オクテンのコポリマーである、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、TまたはUに記載のヒンジ付き部品。
【0225】
実施形態W。ヒンジ付き部品が、圧縮成型または射出成型によって製造される、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、UまたはVに記載のヒンジ付き部品。
【0226】
実施形態X。ヒンジ付き部品が密閉部である、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、VまたはWに記載のヒンジ付き部品。
【0227】
実施形態Y。ポリエチレン組成物が、少なくとも2つの重合反応器中、溶液重合条件下で、エチレンおよびα−オレフィンとシングルサイト重合触媒とを接触させることによって調製される、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、WまたはXに記載のヒンジ付き部品。
【0228】
実施形態Z。第2のエチレンコポリマーは、密度が0.965g/cm
3未満である、実施形態A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、XまたはYに記載のヒンジ付き部品。
【0229】
実施形態AA。ヒンジ付き部品を調製するための方法であって、方法は、少なくとも1つの圧縮成型工程または射出成型工程を含み、ヒンジ付き部品が、ポリエチレン組成物を含み、ポリエチレン組成物が、
(1)メルトインデックスI
2が0.1〜10g/10分であり、分子量分布M
w/M
nが3.0未満であり、密度が0.930〜0.960g/cm
3である、約10〜約70重量%の第1のエチレンコポリマーと、
(2)メルトインデックスI
2が50〜10,000g/10分であり、分子量分布M
w/M
nが3.0未満であり、密度が、第1のエチレンコポリマーの密度より高いが、0.966g/cm
3未満である、約90〜約30重量%の第2のエチレンコポリマーと
を含み、
第2のエチレンコポリマーの密度は、第1のエチレンコポリマーの密度よりも0.037g/cm
3大きい密度未満であり;第2のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(SCB2)に対する第1のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(SCB1)の比(SCB1/SCB2)は1.0より大きく;ポリエチレン組成物は、分子量分布M
w/M
nが2.0〜7.0であり、密度が少なくとも0.949g/cm
3であり、メルトインデックスI
2が10.0g/10分より大きく、20.0g/10分までであり、Z平均分子量M
zが、300,000未満であり、メルトフロー比I
21/I
2が24〜38である、方法。
【0230】
実施形態BB。ヒンジ部品は、平均ヒンジ寿命が4200サイクルを超える、実施形態AAに記載の方法。
【0231】
本開示を、その特定の実施形態の特定の詳細を参照して説明してきた。このような詳細は、それらが添付の特許請求の範囲に包含されるものであるという意味を超えて、開示の範囲に対する限定としてみなされることを意図するものではない。
なお、本発明に包含され得る諸態様は以下のように要約される。
[態様1]
ポリエチレン組成物を含むヒンジ付き部品であって、前記ポリエチレン組成物が、
(1)メルトインデックスI2が0.1〜10g/10分であり、分子量分布Mw/Mnが3.0未満であり、密度が0.930〜0.960g/cm3である、約10〜約70重量%の第1のエチレンコポリマーと、
(2)メルトインデックスI2が50〜10,000g/10分であり、分子量分布Mw/Mnが3.0未満であり、密度が、第1のエチレンコポリマーの密度より高いが、0.966g/cm3未満である、約90〜約30重量%の第2のエチレンコポリマーと
を含み、
第2のエチレンコポリマーの密度は、第1のエチレンコポリマーの密度よりも約0.037g/cm3大きい密度未満であり;第2のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(SCB2)に対する第1のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(SCB1)の比(SCB1/SCB2)は1.0より大きく;前記ポリエチレン組成物は、分子量分布Mw/Mnが2.0〜7.0であり、密度が少なくとも0.949g/cm3であり、メルトインデックスI2が10.0g/10分より大きく、20.0g/10分までであり、Z平均分子量Mzが、300,000未満であり、メルトフロー比I21/I2が24〜38である、ヒンジ付き部品。
[態様2]
前記ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が4200サイクルを超える、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様3]
前記ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が少なくとも4800サイクルである、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様4]
前記ポリエチレン組成物は、Z平均分子量Mzが250,000未満である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様5]
前記ポリエチレン組成物は、応力指数が1.40未満である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様6]
前記第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーが、シングルサイト触媒の存在下、エチレンおよびアルファオレフィンを重合することによって製造される、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様7]
前記第2のエチレンコポリマーの密度は、第1のエチレンコポリマーの密度よりも約0.030g/cm3大きい密度未満である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様8]
前記第1のエチレンコポリマーは、メルトインデックスI2が0.1〜3.0g/10分である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様9]
前記第2のエチレンコポリマーは、メルトインデックスI2が100〜5000g/10分である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様10]
前記ポリエチレン組成物は、メルトインデックスI2が10.5〜18.0g/10分である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様11]
前記ポリエチレン組成物が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される場合、二峰性の分子量分布を有する、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様12]
前記ポリエチレン組成物は、分子量分布Mw/Mnが2.5〜4.5である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様13]
前記第1のエチレンコポリマーは、密度が0.936〜0.952g/cm3である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様14]
前記ポリエチレン組成物は、密度が0.950〜0.960g/cm3である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様15]
前記ポリエチレン組成物は、長鎖分枝を有さない、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様16]
前記第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーは、Mw/Mnが2.5未満である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様17]
前記ポリエチレン組成物は、組成分布幅指数(CDBI(50))が約65重量%より大きい、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様18]
前記第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーは、それぞれ、組成分布幅指数(CDBI(50))が約65重量%より大きい、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様19]
前記ポリエチレン組成物が、
約25〜約60重量%の第1のエチレンコポリマーと、
約75〜約40重量%の第2のエチレンコポリマーと
を含む、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様20]
前記ポリエチレン組成物は、13C NMRによって決定される場合、コモノマー含有量が約0.5モル%未満である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様21]
前記ポリエチレン組成物が、核形成剤または核形成剤の組み合わせをさらに含む、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様22]
前記第1のエチレンコポリマーおよび第2のエチレンコポリマーが、エチレンと1−オクテンのコポリマーである、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様23]
前記ヒンジ付き部品が、圧縮成型または射出成型によって製造される、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様24]
前記ヒンジ付き部品が密閉部である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様25]
前記ポリエチレン組成物が、少なくとも2つの重合反応器中、溶液重合条件下で、エチレンおよびα−オレフィンとシングルサイト重合触媒とを接触させることによって調製される、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様26]
前記第2のエチレンコポリマーは、密度が0.965g/cm3未満である、上記態様1に記載のヒンジ付き部品。
[態様27]
ヒンジ付き部品を調製するための方法であって、前記方法は、少なくとも1つの圧縮成型工程または射出成型工程を含み、前記ヒンジ付き部品が、ポリエチレン組成物を含み、前記ポリエチレン組成物が、
(1)メルトインデックスI2が0.1〜10g/10分であり、分子量分布Mw/Mnが3.0未満であり、密度が0.930〜0.960g/cm3である、約10〜約70重量%の第1のエチレンコポリマーと、
(2)メルトインデックスI2が50〜10,000g/10分であり、分子量分布Mw/Mnが3.0未満であり、密度が、第1のエチレンコポリマーの密度より高いが、0.966g/cm3未満である、約90〜約30重量%の第2のエチレンコポリマーと
を含み、
第2のエチレンコポリマーの密度は、第1のエチレンコポリマーの密度よりも約0.037g/cm3大きい密度未満であり;第2のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(SCB2)に対する第1のエチレンコポリマー中の炭素原子1000個当たりの短鎖分枝の数(SCB1)の比(SCB1/SCB2)は1.0より大きく;前記ポリエチレン組成物は、分子量分布Mw/Mnが2.0〜7.0であり、密度が少なくとも0.949g/cm3であり、メルトインデックスI2が10.0g/10分より大きく、20.0g/10分までであり、Z平均分子量Mzが、300,000未満であり、メルトフロー比I21/I2が24〜38である、方法。
[態様28]
前記ヒンジ付き部品は、平均ヒンジ寿命が4200サイクルを超える、上記態様27に記載の方法。