【文献】
Xiaoming Peng 他,A RAKE Combining Scheme for an Energy Detection Based Noncoherent OOK Receiver in UWB Impulse Radio,2006 IEEE International Conference on Ultra-Wideband,米国,IEEE,2006年09月,P. 73-78
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記拡散PHRフィールドは、前記変調方式及びHCS(Header Check Sequence)に関する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の送信器の動作方法。
前記拡散PHRフィールドは、前記変調方式及びHCS(Header Check Sequence)に関する情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の送信器。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面で提示した同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0021】
本実施形態で用いる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いるものであって、実施形態を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0022】
異なる定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0023】
また、図面を参照して説明する際に、図面符号に関係なく同一の構成要素には同一の参照符号を付与し、それに対する重複説明を省略する。本実施形態の説明において関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0024】
図1は、一実施形態による無線通信システムを示す図である。
【0025】
図1を参照すると、無線通信システムは、コヒーレント送信器(coherent transmitter)110、非コヒーレント受信器(noncoherent receiver)(120、130)、及びコヒーレント受信器(coherent receiver)140を含む。非コヒーレント受信器は、低選択度(low selectivity)非コヒーレント受信器120及び高選択度(high selectivity)非コヒーレント受信器130に分類される。
【0026】
コヒーレント送信器110は、データをパケット単位で送信する。パケット単位は、コヒーレント送信器110と受信器(120、130、140)で受信されたペイロード(又は、コヒーレント送信器110で生成されたPSDU)を含む。ペイロードは、コヒーレント送信器110が送信しようとするデータ及びCRC(Cyclical Redundancy Check)を含む。
【0027】
コヒーレント送信器110は、コヒーレント変調方式を用いてペイロードを変調する。コヒーレント変調方式によってバイナリビットシーケンス(binary bit sequence)を受信器(120、130、140)に送信する場合、コヒーレント送信器110は、一定の長さの異なるビットシーケンスを一定の長さの異なるコードシーケンスでマッピングした後、マッピングされたコードシーケンスを送信する。ここで、コードシーケンスの長さはビットシーケンスの長さよりも大きいか、或いは要素の数若しくはコードシーケンスの文字は要素の数若しくはビットシーケンスの文字よりも大きい。また、コードシーケンスは{−1、0、+1}の要素で構成される。一実施形態における{−1、0、+1}の要素で構成されるシーケンスは、ターナリーシーケンス(ternary sequence)と表現され、{0、+1}の要素で構成されるシーケンスは、ユニポーラシーケンス(unipolar sequence)と表現され、{−1、1}の要素で構成されるシーケンスは、バイポーラシーケンス(bipolar sequence)と表現される。ここで、+1の要素に該当するキャリア信号の周波数と−1の要素に該当するキャリア信号の周波数とが異なる場合、+1の要素はキャリア信号の位相(以下、位相は角周波数(angular frequency)で表現される)値を0に設定することを意味し、0の要素はキャリア信号をオフさせることを意味し、−1の要素は、キャリア信号の位相値を180度に設定することを意味する。低選択度非コヒーレント受信器120がコヒーレント送信器110からパケットを受信する場合、低選択度非コヒーレント受信器120は、非コヒーレント復調方式を用いてペイロードを復調するため、キャリア信号の異なる位相を区別することができない。そのため、低選択度非コヒーレント受信器120は、+1の要素と−1の要素とを区別できないことから、ターナリーシーケンスをユニポーラシーケンスとして認知することがある。高選択度非コヒーレント受信器130は、高い周波数選択度を有するフィルタ(又は、高いQ−ファクターフィルタ)を用いてキャリア信号の異なる周波数を区別することができ、これにより、高選択度非コヒーレント受信器130は、ターナリーシーケンスの+1の要素と−1の要素を区別することが可能となって、ターナリーシーケンスを認識することができる。
【0028】
コヒーレント受信器140がコヒーレント送信器110からパケットを受信する場合、コヒーレント受信器140は、コヒーレント復調方式を用いてパケットのペイロードを復調してパケットを搬送する受信信号の異なる位相を区別できるため、受信信号のターナリーシーケンスを認識することができる。
【0029】
以下、非コヒーレント受信器(120、130)及びコヒーレント受信器140に適用されるターナリーシーケンスを生成する方法について説明する。
【0030】
また、生成されたターナリーシーケンスを用いてペイロードを送受信する方法について、下記の
図2〜
図15を参照して詳細に説明する。
【0032】
≪*ターナリーシーケンスを生成するシステム*≫
【0033】
ターナリーシーケンスを生成するシステムは、コヒーレント送信器110、コヒーレント受信器(120、130)、及び非コヒーレント受信器140を含む。システムでは以下の要素を用いる。
【0034】
a)ユニポーラバイナリ要素{0、1}
b)ターナリー要素{0、±1}
【0035】
ターナリー要素で構成されたシーケンス/コードワードは、ターナリーシーケンス/コードワードと表現され、ユニポーラバイナリ要素で構成されたシーケンス/コードワードは、ユニポーラバイナリシーケンス/コードワードと表現される。
【0036】
一実施形態によるコヒーレント送信器110は、m−ary要素Sからシンボルを抽出する。ここで、Sは、S={0,1,…,2
k−1}, k=log
2(m)で示される。そのため、情報レートは、k−ビット/シンボル(k−bits/symbol)である。コヒーレント送信器110が送信する前に、m−ary要素Sからの各シンボルは、所定の拡散因子(spreading code)Cから取得されたm個の波形(又は、コードワード)のうちの1つとマッピングされる。即ち、シンボルのマッピングは、m∈S⇒C
m∈C={C
0,…,C
m−1}で示される。また、nがコードワードの長さを示す場合、コードの効率(又は、拡散因子)は、r=k/nで示される。
【0037】
一実施形態において、シンボルm∈S(等価的に、C
m∈C)に対応する送信された波形は、下記数式1で示される。
【0039】
ここで、g(t)はチップ波形を示し、T
cはチップ区間を示す。
【0040】
コンスタントウェイトコード(constant weight code)(又は、等エネルギー波形(equal energy waveforms))の仮定下で、整合したフィルタリング(又は、相関関係)によって受信器で検出されるシンボルは、下記数式2で示される。数式2で、Tはシンボル区間を示し、T=N×Tcで表される。
【0042】
ここで、y(t)は受信された波形を示し、y(t)はAWGN(Additive White Gaussian Noise)によって変形される。
【0043】
は受信器で推定されたシンボルで定義される。
【0044】
受信器におけるシンボル検出は、m個の波形のそれぞれと整合するm個の相関器のバンク(bank)を用いた相関関係を行うことによって取得される。
【0046】
ターナリーシーケンス/コードワードが送信される場合、コヒーレント受信器140は、チップの極性(polarity)を認識し、これによりターナリーシーケンス/コードワードを認識する。一方、非コヒーレント受信器(120、130)(例えば、エネルギー検出に基づき動作する受信器)は、位相情報の欠如によってターナリーシーケンス/コードワードをユニポーラバイナリシーケンス/コードワードとして認識することがある。
【0047】
一実施形態による拡散コードは、以下の事項を満足しなければならない。
【0048】
1)ターナリーコードセットCにおけるシーケンスは最大に分離される。
2)バイナリセット|C|に対応するシーケンスは最大に分離される。
【0049】
≪*ULP(Ultra Low Power)のための拡散コード生成*≫
【0050】
ULPのための拡散コードの生成方法は、上述した事項と異なる態様を示す。これはコヒーレント拡散コード及び非コヒーレント拡散コードの生成方法が異なるためである。以下は効率的な拡散コードの生成方法について説明する。
【0052】
ULPのための拡散コードは2段階の自己相関シーケンス(two−level autocorrelation sequences)を用いて取得される。2段階の自己相関シーケンスは、コヒーレントターナリーコード及び非コヒーレントバイナリコード又は光直交符号(Optical Orthogonal Code:OOC)を取得するための基礎として用いられる。
【0053】
≪*完全周期自己相関(perfect periodic autocorrelation)を有するターナリーシーケンス*≫
【0054】
完全周期自己相関を有し、長さがNであるターナリーシーケンスは下記数式3のような自己相関を有する。
【0057】
バイナリシーケンスは{x
1,x
2,…,x
N}、ここでxi∈{0,1}であり、iは1〜Nの整数で示される。バイナリシーケンスは、下記数式4の条件を満足すると、2段階の自己相関を有する。
【0059】
ここで、自己相関ファンクション
で定義される。Aが−1である場合、バイナリシーケンスは、理想的な2段階の自己相関シーケンスになる。このようなシーケンスは、コヒーレントターナリーシーケンス及び非コヒーレントバイナリシーケンスの間の架橋の役割を行う。このようなシーケンスの殆どは長さN=2
n−1(mは整数)を有するmシーケンスである。
【0060】
≪*巡回差集合(cyclic difference set)*≫
【0061】
A(n,k,λ)の差集合はD={d
1,d
2,…,d
k}で示される。ここで、kは整数を示す。集合Dの要素のソリューションペア(d
i,d
j)はλ個であり、d
iとd
j間の関係はd
i−d
j=t(modN)で示される。ここで、tは1≦t≦N−1である。
【0062】
巡回差集合は2段階の自己相関シーケンスと一対一に対応する。そのため、巡回差集合は、完全自己相関を有するターナリーシーケンスの生成に使用される。
【0064】
システムを完全に同期化(例えば、コヒーレント送信器110と受信機(120、130、140)との同期化)するための最も良い方法は、良い自己相関属性を有するシーケンスを選択し、異なるシンボルに異なる巡回シフトを割り当てることである。
【0065】
以下は、拡散因子8、16、及び32のシフト等価コード(shift equivalent codes)の生成方法について説明する。
【0066】
1.周期がN−1であるmシーケンスを選択する。ここで、Nは、ターナリーコードの目標拡散因子を示す。
2.少なくとも一つの1の要素を変換し、0の要素を維持することでmシーケンスから同じ周期のターナリーシーケンスを取得する。これは、プロシージャAである。
3.可能なシーケンスの相関関係を損傷させないようにするため、シーケンスに0の要素又は1の要素を付加する。
4.mシーケンス及びゼロパディング(zero padding)により、下記の2種類のケースが可能になる。
【0067】
i)(加重値N/2又は(N−2)/2のmシーケンスから取得される)バランスターナリーシーケンス
ii)(同じ加重値が(N−2)/2又はN/2+1であるmシーケンスから取得される)アンバランスターナリーシーケンス
【0068】
取得されたターナリーシーケンスは、良い相関関係属性によって特徴づけられる。異なるシンボルが割り当てられた拡散シーケンスの集合は、取得されたターナリーシーケンスの巡回シフトで取得される。一実施形態で、上述した8、16、及び32の拡散因子はそれぞれシンボルサイズ3、4、及び5に対応する。
【0069】
≪*加重値N/2のmシーケンスから取得されたバランスシーケンス*≫
【0070】
以下、加重値N/2のmシーケンスから加重値N/2のバランスターナリーシーケンスを取得するプロシージャを示す。
【0071】
1.加重値N/2のmシーケンスを選択する。
2.Nが完全二乗である場合、プロシージャAを用いて周期N−1のmシーケンスから周期N−1のターナリーシーケンスを取得する。
3.平均二乗自己相関(Mean Squared AutoCorrelation:MSAC)が最小になるように、取得したターナリーシーケンスに0の要素を付加する。ここで、平均二乗自己相関は、下記数式5で定義される。
【0073】
ここで、R(τ)はディレイτでシーケンスの周期で正規化された自己相関を示し、下記数式6で定義される。
【0075】
ここで、wはシーケンスのハミング重み(hamming weight)を示す。加重値がN/2である代表的なmシーケンスから取得されたバランスシーケンスを下記表1に示す。
【0077】
一実施形態による他のmシーケンスは、基本シーケンスに代替される。
【0078】
≪*加重値(N−2)/2のmシーケンスから取得されたバランスシーケンス*≫
【0079】
以下、加重値(N−2)/2のmシーケンスから加重値N/2のバランスターナリーシーケンスを取得するプロシージャを示す。
【0080】
1.mシーケンスから周期N−1のターナリーシーケンスを取得する。加重値(N−2)/2を有する完全なターナリーシーケンスは存在しないことがある。そのため、ターナリー要素で良好な相関関係属性を有するターナリーシーケンスを導き出すためにプロシージャBを用いる。
2.平均二乗自己相関(Mean Squared AutoCorrelation:MSAC)が最小になるように、取得されたターナリーシーケンスに1の要素を付加する。
3.結果シーケンスは加重値N/2によって特徴づけられる。
加重値が(N−2)/2である代表的なmシーケンスから取得されたバランスシーケンスを下記表2に示す。
【0082】
一実施形態による他のmシーケンスは基本シーケンスに代替される。
【0083】
≪*統合したリスト(consolidated list)≫
【0084】
下記表3のシーケンスを導き出すために、0の要素及び0ではない要素が均一に分布したシーケンスは表1及び表2から選択される。
【0086】
表3の基本ターナリー拡散シーケンスは、無線チャネルを用いて送信する際にデータシンボルをエンコーディングするために用いる。データシンボルをエンコーディングするための拡散シーケンスが表3の1つの基本ターナリー拡散シーケンスの巡回シフトによって取得されることから、区別される拡散シーケンスの数は拡散因子と同一になる。そのため、拡散因子mの拡散シーケンスは、大きさがk=log
2mであるデータシンボルをエンコーディングするために用いる。例えば、拡散因子m=8の拡散シーケンスは大きさk=log
28=3であるデータシンボルをエンコーディングするために用いられる。
【0087】
また、拡散因子16及び32の拡散シーケンスは、それぞれ大きさが4及び5であるデータシンボルをエンコーディングするために用いられる。表3における基本ターナリー拡散シーケンスは、それぞれ3/8−OOK(on−off keying)、4/16−OOK、及び5/32−OOKである。下記表4は、表3の基本ターナリーシーケンスを3/8−OOK、4/16−OOK、及び5/32−OOKに分類して示したものである。
【0089】
一実施形態による拡散コードは、いずれのカスタマイズロジック(例えば、グレイコーディング(grey coding))に基づいてデータシンボルが割り当てられる。下記表5は、代表的なk=3、m=8であるデータシンボルへの拡散コードの代表的な割当を示す。ここで、オリジナルシーケンスにおける巡回シフトは、バイナリデータシンボルの10進等価値である。
【0091】
≪*最大長さシフトレジスタシーケンス(mシーケンス)*≫
【0092】
mシーケンス又は最大長さシーケンスは、2段階の理想的な自己相関シーケンスの一般的な等級に属し、全てのN=2
m−1(mは整数)のために存在する。mシーケンスは、原始多項式のフィードバックを有する線形フィードバックシフトレジスタ(Linear Feedback Shift Registers:LFSR)を用いて生成される。このようなシーケンスは、与えられた長さのLFSRから取得された最大周期に対応する。
【0093】
≪*シーケンス生成でmシーケンスを用いる場合の利点*≫
【0094】
拡散シーケンスの生成で、mシーケンスの利用はコヒーレント及び非コヒーレントの両方に利点がある。
【0095】
非コヒーレントの観点におけるmシーケンスの利用の利点は以下の通りである。
【0096】
1)mシーケンスは{2
m−1,2
m−1,2
m−2}形態の巡回差集合に対応する。
2)これはユニポーラバイナリ要素{0、1}上の(N+1)/4の位相自己相関における定数を示す。
【0097】
コヒーレントの観点におけるmシーケンスの利用の利点は以下の通りである。
【0098】
1)mシーケンスが完全二乗である場合、0の要素を維持するために要素{0、−1、1}上の完全シーケンスはmシーケンス(例えば、以下で説明するプロシージャAを通して)から生成される。
2)周期7及び31の完全シーケンスが取得される。
3)このようなシーケンスはゼロパディングによって拡張されることで相関関係属性が損傷されことがある。その結果は、周期8及び32のシーケンスに示される。完全に近いターナリーシーケンスは、プロシージャBを参照して説明した方法に基づいて拡散因子15のために取得される。
【0099】
≪*プロシージャA:mシーケンスから完全ターナリーシーケンスを取得*≫
【0100】
x及びyが2個の理想的な2段階の自己相関シーケンスである場合、このようなシーケンス{θ(x,y)+1}は位相自己相関における0の要素を有する完全シーケンスである。ここで、θ(x,y)は、シーケンスx及びyの間のクロス相関関係(cross correlation)シーケンスである。2個のシーケンスがmシーケンスのうちの好まれるペア(pair)として選択される場合、その結果の{θ(x,y)+1}はターナリーである。例えば、好まれるペアが
であるとき、これは
で示される。
【0101】
{θ(x,y)+1}を
で割った結果は要素{0,±1}を有するシーケンスで示される。
【0102】
≪*プロシージャB:mシーケンスから完全に近いターナリーシーケンスを取得*≫
【0103】
完全ターナリーシーケンスは、シーケンスの加重値が完全二乗である場合に存在する。そのため、周期が15のような完全ターナリーシーケンスは存在しないことがある。この場合、完全ターナリーシーケンスで−1の要素と+1の要素の比率は1/3と2/3の間である。これによって、完全に近いターナリーシーケンスはこのような比率に基づいて取得される。平均二乗自己相関(Mean Squared AutoCorrelation:MSAC)が最も少ない値を有するシーケンスが選択される。平均二乗自己相関は、下記数式7で定義される。
【0105】
ここで、R(τ)はディレイがτでシーケンスの周期的な自己相関である。
【0106】
<ターナリーシーケンス(ターナリーペイロードシーケンス)の送受信>
【0107】
図2は、一実施形態による送信フレームを示す図である。
【0108】
図2を参照すると、送信フレーム200は、プリアンブル210、SFD(Start Frame Delimiter)220、PHR(PHysical layer Header)230、PSDU(Physical Service Data Unit)240を含む。本実施形態によるパケットは、送信フレーム200と同じ意味として用いられる。
【0109】
プリアンブル210は、送信フレーム200の先に記録されるビット列である。プリアンブル210は、時間同期化のための特定のビットパターンを含む。
【0110】
SFD220は、フレームの開始を識別し、同期化の再確認を識別する。また、SFD220は、フレーム同期化を取得するためのフィールドを意味する。
【0111】
PHR230は、物理的階層(physical layer)に関する情報を含むフィールドである。例えば、情報は、長さ指示子、用いられたモジュレーション方式、及び用いられた符号化方式に関する情報である。また、PHR230は、PSDU240の形式を示すフィールド及びヘッダチェックシーケンス(Header Check Sequence:HCS)を含む。ここで、HCSは、PHR230にエラーが発生したか否かを判断するために使用される。
【0112】
PSDU240は、物理的階層の上位階層から伝えられた、ビットの形式の符号化されていないデータのユニットである。PSDU240は、物理的階層よりも上位階層で実際に送受信されるデータを含む。PSDU240は、ペイロードとして表現される。
【0113】
図3は、一実施形態による送信器を示すブロック図である。
【0114】
図3を参照すると、送信器300は、第1信号コンバータ310及び第2信号コンバータ320を含む。ここで、送信器300は、
図1を参照して説明したコヒーレント送信器110に対応する。以下、送信器がバイナリデータシーケンスを第1信号及び第2信号に変換する方式は、TASK(Ternary Amplitude Shift Keying)、TFSK(Ternary Frequency Shift Keying)、又はOn−off FSKで示される。
【0115】
第1信号コンバータ310は、−1、0、又は1の要素で構成されるターナリーシーケンスを第1信号に変換する。一実施形態で、要素はアルファベット(alphabet)の文字又はチップ(chip)として表わされる。
【0116】
第1信号コンバータ310は、ターナリーシーケンスマッパー及びコンバータを含む。ターナリーシーケンスマッパーは、バイナリデータシーケンスを予め生成されたターナリーシーケンスにマッピングしてターナリーシーケンスを生成する。一実施形態によるターナリーシーケンスマッパーは、0又は1の要素で構成されるバイナリデータシーケンスを所定の長さに分割し、分割されたバイナリデータシーケンスを予め生成されたターナリーシーケンスにマッピングしてターナリーシーケンスを生成する。ここで、予め生成されたターナリーシーケンスは、先に説明したターナリーシーケンスの生成で抽出されたターナリーシーケンスを意味する。また、予め生成されたターナリーシーケンスは、送信器300に予め格納される。例えば、予め生成されたターナリーシーケンスは、ルックアップテーブルに格納される。
【0117】
一実施形態において3/8TASK(Ternary Amplitude Shift Keying)の変調方式による場合、バイナリデータシーケンスでマッピングされるターナリーシーケンスは、下記表6のように示される。
【0119】
ここで、C
0は[0001−1011]のシーケンスを意味し、C
mはC
0がmだけ右側に巡回シフトされたシーケンスを示し、mは1〜7の整数を示す。例えば、C
1は[10001−101]のシーケンスを示し、C
2は[110001−10]のシーケンスを示す。
【0120】
また、5/32TASK(Ternary Amplitude Shift Keying)の変調方式による場合、バイナリデータシーケンスでマッピングされるターナリーシーケンスは、下記表7のように示される。
【0122】
ここで、C
0は[−100101−10−1−11−1010100010011−10000011]のシーケンスを意味し、C
mはC
0がmだけ右側に巡回シフトされたシーケンスを示し、mは1〜31の整数を示す。
【0123】
一実施形態によるターナリーシーケンスマッパーは、上述した表6又は表7でバイナリデータシーケンスに対応するターナリーシーケンスを検索し、検索されたターナリーシーケンスを予め生成されたターナリーシーケンスにより抽出し、これをバイナリデータシーケンスでマッピングする。
【0124】
第1信号コンバータ310は、ターナリーシーケンスをTASK変調方式により変調し、ターナリーシーケンス(又は、ペイロードのチップシーケンス、PPDUのチップシーケンス)を第1信号に変換する。
【0125】
一実施形態による第1信号コンバータ310は、ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式を用いてターナリーシーケンスを変調する。ここで、第1信号コンバータ310は、下記数式8のようにターナリーシーケンスをマッピングする。
【0127】
ここで、{d(n)}はターナリーシーケンスを示し、A
nはn番目の要素(又は、チップ)の大きさを示し、Aは送信電圧レベルを示す。ASK変調方式には、ガウスパルス整形を用いる。ターナリーシーケンスの各要素は、1Mchip/s for 2.4GHz band;600Kchips/s for 780MHz、863MHz、900MHz and 950MHz bands;and 250Kchips/s for 433MHz及び470MHz bandsのレートで生成される。
【0128】
また、第1信号コンバータ310はパルス整形フィルタ(例えば、
図4に示したパルス整形フィルタ412)を含む。パルス整形フィルタは、ターナリーシーケンスの各要素が順に入力されて、基底帯域の第1信号の形を時間領域で急激に変化することなく滑らかに変化させることで、第1信号の周波数帯域が広く分布しないように調整する。
【0129】
一実施形態によるパルス整形フィルタは、送信電力スペクトルを調整する。パルス整形フィルタは、区間がTであり、BT(bandwidth−symbol time product)が0.3〜0.5である理想的なガウスパルスを近似化する。パルス整形フィルタのインパルス応答は下記数式9で示される。
【0131】
また、ターナリーシーケンスで変調された第1信号は、下記数式10で示される。
【0133】
ここで、d(n)∈{−1,0,1}は、ターナリーシーケンスの要素を示し、T
chipは要素に対応する第1信号の区間を示し、N
PPDUはターナリーシーケンスの要素の個数を示す。ターナリーシーケンスの要素は、下記数式11で示される。
【0135】
ここで、{c
pre(1),…,c
pre(N
p)}はプリアンブルフィールドを構成するチップシーケンスを示し、{c
SFD(1),…,c
SFD(N
s)}は拡散SFDフィールドを構成するチップシーケンスを示し、{c
PHR(1),…,c
PHR(N
R)}は拡散PHRフィールドを構成するチップシーケンスを示し、{c(1),…,c(N
D)}はエンコーディングされたターナリーシーケンス拡散PSDUフィールドを構成するチップシーケンスを示す。
【0136】
ターナリーシーケンスで変調された第1信号の通過帯域は、下記数式12で示される。
【0138】
ここで、ω
cはキャリアの角周波数を示し、φ∈[0,2π]はランダム位相を示す。
【0139】
また、第2信号コンバータ320は、ターナリーシーケンスの要素に基づいて第1信号の各区間を変換し、第1信号を第2信号に変換する。第2信号コンバータ320は、第1信号のうちの0の要素に対応する区間を変換するゼロ値コンバータ、第1信号のうちの1の要素に対応する区間及び−1の要素に対応する区間を変換する絶対値1コンバータを含む。
【0140】
ゼロ値コンバータは、ゼロ値検出器及びオン/オフコントローラを用いて、第1信号のうちの0の要素に対応する区間を変換する。ゼロ値検出器は、第1信号のうちの0の要素に対応する区間を検出する。例えば、ゼロ値検出器は、第1信号の大きさが0に近い現在の領域内の区間を0の要素に対応する区間として検出する。オン/オフコントローラは、ゼロ値検出器で検出された0の要素に対応する区間の出力をオフする。これにより、第2信号のうちの0の要素に対応する区間の大きさは0である。
【0141】
また、絶対値1コンバータは、第1信号のうちの1の要素に対応する区間及び−1の要素に対応する区間を検出し、1の要素に対応する区間及び−1の要素に対応する区間を異なる変換方式に変換する。
【0142】
一実施形態による絶対値1コンバータは、絶対値検出器及び符号検出器を用いて第1信号のうちの1の要素に対応する区間、及び−1の要素に対応する区間を検出する。絶対値検出器は、第1信号のうちの絶対値1の要素に対応する区間(例えば、第1信号の大きさが予め設定された大きさ以上である区間)を絶対値1の要素に対応する区間として検出する。符号検出器は、絶対値1の要素の符号を検出して絶対値1の要素に対応する区間を1の要素に対応する区間及び−1の要素に対応する区間に分類する。例えば、符号検出器は、絶対値1の要素に対応する区間のうち、位相が0度である区間を1の要素に対応する区間として検出し、位相が180度である区間を−1の要素に対応する区間として検出する。
【0143】
また、絶対値1コンバータは、周波数シフター又は/及び位相シフターを用いて1の要素に対応する区間及び−1の要素に対応する区間を変換する。例えば、絶対値1コンバータは、非コヒーレント受信器に第2信号を送信する場合、周波数シフターを用いて1の要素に対応する区間及び−1の要素に対応する区間を変換する。コヒーレント受信器に第2信号を送信する場合、絶対値1コンバータは、周波数シフターと位相シフターを共に用いて1の要素に対応する区間及び−1の要素に対応する区間を変換する。
【0144】
周波数シフターは、第1信号のうちの1の要素に対応する区間の周波数を周波数f
1にシフトし、−1の要素に対応する区間の周波数を周波数f
2にシフトする。
【0145】
例えば、第1信号のうちの1の要素に対応する区間を変換する場合、周波数シフターはVCOによって周波数が調整されたキャリア信号の周波数を周波数f
1にシフトし、絶対値1コンバータは、周波数f
1にシフトされたキャリア信号と1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算する。また、周波数シフターは、1の要素に対応する区間の大きさの絶対値に比例する包絡線を有するキャリア信号の周波数を周波数f
1にシフトする。他の例として、第1信号のうちの−1の要素に対応する区間を変換する場合、周波数シフターはVCOによって周波数が調整されたキャリア信号の周波数を周波数f
2にシフトし、絶対値1コンバータは、周波数f
2にシフトされたキャリア信号と−1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算する。また、周波数シフターは、−1の要素に対応する区間の大きさの絶対値に比例する包絡線を有するキャリア信号の周波数を周波数f
2にシフトする。一実施形態による周波数f
1と周波数f
2は異なる周波数帯域を有する。例えば、周波数f
2の大きさは周波数f
1よりも大きい。
【0146】
また、位相シフターは、第1信号のうちの1の要素に対応する区間の位相を位相θ
1にシフトし、−1の要素に対応する区間の位相を位相θ
2にシフトする。例えば、位相シフターはキャリア信号の位相を0度にシフトし、絶対値1コンバータは、0度にシフトされたキャリア信号と1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算する。また、位相シフターは、1の要素に対応する区間の大きさの絶対値に比例する包絡線を有するキャリア信号の位相を0度にシフトする。他の例として、位相シフターは、キャリア信号の位相を180度にシフトし、絶対値1コンバータは180度にシフトされたキャリア信号と−1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算する。また、位相シフターは、−1の要素に対応する区間の大きさの絶対値に比例する包絡線を有するキャリア信号の位相を180度にシフトする。
【0147】
一実施形態による位相シフターは、周波数シフターによって周波数f
1にシフトされた1の要素に対応する区間の位相を位相θ
1にシフトし、周波数f
2にシフトされた−1の要素に対応する区間の位相を位相θ
2にシフトする。
【0148】
また、第2信号コンバータ320は増幅器を含む。増幅器は、変換された第2信号の大きさを増幅する。送信器300は、増幅された第2信号を、アンテナを介して非コヒーレント受信器又はコヒーレント受信器に送信する。
【0149】
図4〜
図6は、他の実施形態による送信器を示すブロック図である。
【0150】
図4を参照すると、送信器400は、低選択度非コヒーレント受信器、高選択度非コヒーレント受信器、又はコヒーレント受信器にデータを送信する。送信器400は、第1信号コンバータ410及び第2信号コンバータ420を含む。第1信号コンバータ410は、ターナリーシーケンスマッパー411及びパルス整形フィルタ412を含む。
【0151】
ターナリーシーケンスマッパー411は、0又は1の要素で構成されるバイナリデータシーケンスを所定の長さに分割し、分割されたバイナリデータシーケンスを予め生成されたターナリーシーケンスにマッピングしてターナリーシーケンスを生成する。例えば、ターナリーシーケンスマッパー411に[101001110]のバイナリデータシーケンスが入力された場合、ターナリーシーケンスマッパー411は、バイナリデータシーケンスを[101]、[001]、[110]に分割する。ターナリーシーケンスマッパー411は、分割されたバイナリデータシーケンスを予め生成されたターナリーシーケンスにマッピングする。例えば、分割されたバイナリデータシーケンス[101]に対応する予め生成されたターナリーシーケンスが[01−101100]である場合、ターナリーシーケンスマッパー411は、分割されたバイナリシーケンス[101]にターナリーシーケンス[01−101100]をマッピングし、ターナリーシーケンス[01−101100]を生成する。また、ターナリーシーケンスマッパー411は、ターナリーシーケンスを第1信号に変換する。
【0152】
また、ターナリーシーケンスマッパー411は、ASK変調方式を用いてターナリーシーケンスを変調する。一実施形態によるターナリーシーケンスマッパー411は、
図3を参照して説明したコンバータを含む。例えば、ターナリーシーケンス[01−101100]を第1信号に変換する場合、ターナリーシーケンスの0に対応する第1信号の区間の大きさは0であり、1に対応する第1信号の区間の大きさは正の値を有し、−1に対応する第1信号の区間の大きさは負の値を有する。
【0153】
パルス整形フィルタ412は、ターナリーシーケンスの各要素を順に入力して第1信号の周波数帯域が広く分布しないよう調整する。
【0154】
第2信号コンバータ420は、ゼロ値コンバータ430、絶対値1コンバータ440、及び増幅器450を含む。
【0155】
ゼロ値コンバータ430は、ゼロ値検出器431及びオン/オフコントローラ432を含む。ゼロ値検出器431は、第1信号の大きさが所定の閾値よりも小さい区間を0の要素に対応する区間として検出する。ここで、所定の閾値は第1信号のノイズの大きさを示す。オン/オフコントローラ432は、ゼロ値検出器で検出された0の要素に対応する区間の出力をオフする。
【0156】
絶対値1コンバータ440は、絶対値検出器441、符号検出器442、VCO443、周波数シフター444、及び演算器445を含む。
【0157】
絶対値検出器441は、第1信号の大きさが予め設定された閾値以上である区間を絶対値1の要素に対応する区間として検出する。符号検出器442は、絶対値1の要素の符号を検出して絶対値1の要素に対応する区間を1の要素に対応する区間及び−1の要素に対応する区間に分類する。例えば、符号検出器442は、絶対値1の要素に対応する区間のうち、位相が0度である区間を1の要素に対応する区間として検出し、位相が180度である区間を−1の要素に対応する区間として検出する。
【0158】
VCO443は、キャリア信号の周波数を調整する。周波数シフター444は、1の要素に対応する区間のキャリア信号を周波数f
1にシフトし、−1の要素に対応する区間のキャリア信号を周波数f
2にシフトする。
【0159】
演算器445は、周波数f
1にシフトされたキャリア信号と1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算し、周波数f
2にシフトされたキャリア信号と−1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算して第2信号を生成する。
【0160】
増幅器450は、第2信号の大きさを増幅する。送信器400は、増幅された第2信号を、アンテナを介して非コヒーレント受信器(120、130)又はコヒーレント受信器140に送信する。
【0161】
図5を参照すると、送信器500は、低選択度非コヒーレント受信器120、高選択度非コヒーレント受信器130、又はコヒーレント受信器140にデータを送信する。送信器500は、第1信号コンバータ510及び第2信号コンバータ520を含む。第1信号コンバータ510は、ターナリーシーケンスマッパー511及びパルス整形フィルタ512を含む。
【0162】
ターナリーシーケンスマッパー511は、0又は1の要素で構成されるバイナリデータシーケンスを入力して所定の長さに分割し、分割されたバイナリデータシーケンスを予め生成されたターナリーシーケンスにマッピングしてターナリーシーケンスを生成する。
【0163】
また、第1信号コンバータ510は、ターナリーシーケンスを変換して第1信号を生成する。本実施形態によるターナリーシーケンスマッパー511は、
図3を参照して説明したコンバータ310を含む。
【0164】
パルス整形フィルタ512は、ターナリーシーケンスの各要素を順に入力して第1信号の周波数帯域が広く分布しないように調整する。
【0165】
第2信号コンバータ520は、ゼロ値コンバータ530、絶対値1コンバータ540、及び増幅器550を含む。
【0166】
ゼロ値コンバータ530は、ゼロ値検出器531及びオン/オフコントローラ532を含む。ゼロ値検出器531は、第1信号の大きさが所定の閾値よりも小さい区間を0の要素に対応する区間として検出する。ここで、所定の閾値は、第1信号のノイズの大きさを示す。オン/オフコントローラ532は、ゼロ値検出器で検出された0の要素に対応する区間の出力をオフする。
【0167】
絶対値1コンバータ540は、絶対値検出器541、符号検出器542、位相シフター543、及び演算器544を含む。
【0168】
絶対値検出器541は、第1信号の大きさが予め設定された閾値以上である区間を絶対値1の要素に対応する区間として検出する。符号検出器542は、絶対値1の要素の符号を検出し、絶対値1の要素に対応する区間を1の要素に対応する区間及び−1の要素に対応する区間に分類する。
【0169】
位相シフター543は、第1信号のうちの1の要素に対応する区間のキャリア信号の位相を第1位相にシフトし、−1の要素に対応する区間のキャリア信号の位相を第2位相にシフトする。
【0170】
演算器544は、第1位相にシフトされたキャリア信号と1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算し、第2位相にシフトされたキャリア信号と−1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算して第2信号を生成する。
【0171】
増幅器550は、第2信号の大きさを増幅する。送信器500は、増幅された第2信号を、アンテナを介して非コヒーレント受信器(120、130)又はコヒーレント受信器140に送信する。
【0172】
図6を参照すると、送信器600は、低選択度非コヒーレント受信器120、高選択度非コヒーレント受信器130、又はコヒーレント受信器140にデータを送信する。送信器600は、第1信号コンバータ610及び第2信号コンバータ620を含む。第1信号コンバータ610は、ターナリーシーケンスマッパー611及びパルス整形フィルタ612を含む。
【0173】
ターナリーシーケンスマッパー611は0又は1の要素で構成されるバイナリデータシーケンスを入力して所定の長さに分割し、分割されたバイナリデータシーケンスを予め生成されたターナリーシーケンスにマッピングしてターナリーシーケンスを生成する。
【0174】
また、第1信号コンバータ610は、ターナリーシーケンスを変換して第1信号を生成する。一実施形態によるターナリーシーケンスマッパー611は、
図3を参照して説明したコンバータ310を含む。
【0175】
パルス整形フィルタ612は、ターナリーシーケンスの各要素を順に入力して第1信号の周波数帯域が広く分布しないように調整する。
【0176】
第2信号コンバータ620は、ゼロ値コンバータ630、絶対値1コンバータ640、及び増幅器650を含む。
【0177】
ゼロ値コンバータ630は、ゼロ値検出器631及びオン/オフコントローラ632を含む。ゼロ値検出器631は、第1信号の大きさが所定の閾値よりも小さい区間を0の要素に対応する区間として検出する。ここで、所定の閾値は、第1信号のノイズの大きさを示す。オン/オフコントローラ632は、ゼロ値検出器で検出された0の要素に対応する区間の出力をオフする。
【0178】
絶対値1コンバータ640は、絶対値検出器641、符号検出器642、VCO643、周波数シフター644、位相シフター645、及び演算器646を含む。
【0179】
絶対値検出器641は、第1信号の大きさが予め設定された閾値以上である区間を絶対値1の要素に対応する区間として検出する。符号検出器642は、絶対値1の要素の符号を検出し、絶対値1の要素に対応する区間を1の要素に対応する区間及び−1の要素に対応する区間に分類する。
【0180】
VCO643は、キャリア信号の周波数を調整する。周波数シフター644は、1の要素に対応する区間のキャリア信号を周波数f
1にシフトし、−1の要素に対応する区間のキャリア信号を周波数f
2にシフトする。位相シフター645は、周波数シフター644で周波数f
1にシフトされたキャリア信号の位相を位相θ
1にシフトし、周波数f
2にシフトされたキャリア信号の位相を位相θ
2にシフトする。
【0181】
演算器646は、周波数f
1及び位相θ
1にシフトされたキャリア信号と1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算し、周波数f
2及び位相θ
2にシフトされたキャリア信号と−1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算して第2信号を生成する。
【0182】
増幅器650は、第2信号の大きさを増幅する。送信器600は、増幅された第2信号を、アンテナを介して低選択度非コヒーレント受信器120、高選択度非コヒーレント受信器130、又はコヒーレント受信器140に送信する。
【0183】
図7〜
図9は、一実施形態による送信信号を説明するための図である。
【0184】
図7を参照すると、送信器110は、バイナリデータシーケンスを変調して低選択度非コヒーレント受信器120、高選択度非コヒーレント受信器130、又はコヒーレント受信器140に送信する。送信器110がバイナリデータシーケンス710を受信した場合、送信器110は、バイナリデータシーケンス710に対応するものとして、予め設定されたターナリーシーケンス720にバイナリデータシーケンス710をマッピングし、ターナリーシーケンス720を変調する。送信器110は、変調されたターナリーシーケンス720をパルス整形フィルタに入力し、パルス整形フィルタは、変調されたターナリーシーケンス720の周波数帯域が広く分布しないように調整して第1信号を生成する。パルス整形フィルタ出力信号730で、1の要素に対応する区間の大きさは正の値を有し、−1の要素に対応する区間の大きさは負の値を有し、0の要素に対応する区間の大きさは0である。
【0185】
送信器110は、パルス整形フィルタ出力信号730で、1の要素に対応する区間のキャリア信号を周波数f
1にシフトし、−1の要素に対応する区間のキャリア信号を周波数f
2にシフトする。ここで、第2周波数の大きさは第1周波数の周波数の大きさよりも大きい。また、送信器110は、周波数f
1にシフトされたキャリア信号と1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算し、周波数f
2にシフトされたキャリア信号と−1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算して第2信号を生成する。送信器110は、第2信号を増幅器に入力して第2信号を増幅する。増幅された第2信号740で、1の要素に対応する区間の周波数は−1の要素に対応する区間の周波数と区別され、0の要素に対応する区間の出力は0である。送信器110は、増幅された第2信号740を低選択度非コヒーレント受信器及び高選択度非コヒーレント受信器に送信する。
【0186】
図8を参照すると、送信器110は、バイナリデータシーケンスを変調して低選択度非コヒーレント受信器120、高選択度非コヒーレント受信器130、又はコヒーレント受信器140に送信する。送信器110がバイナリデータシーケンス810を受信した場合、送信器110は、バイナリデータシーケンス810に対応するものとして予め設定されたターナリーシーケンス820にバイナリデータシーケンス810をマッピングし、ターナリーシーケンス820を変調する。送信器110は、変調されたターナリーシーケンス820をパルス整形フィルタに入力し、変調されたターナリーシーケンス820の周波数帯域が広く分布しないように調整して第1信号を生成する。パルス整形フィルタ出力信号830で、1の要素に対応する区間の大きさは正の値を有し、−1の要素に対応する区間の大きさは負の値を有し、0の要素に対応する区間の大きさは0である。
【0187】
送信器110は、パルス整形フィルタ出力信号830で1の要素に対応する区間のキャリア信号の位相を位相θ
1にシフトし、−1の要素に対応する区間のキャリア信号の位相を位相θ
2にシフトする。ここで、位相θ
1と位相θ
2の差は180度である。また、送信器110は、位相θ
1にシフトされたキャリア信号と1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算し、位相θ
2にシフトされたキャリア信号と−1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算して第2信号を生成する。送信器110は、第2信号を増幅器に入力して第2信号を増幅する。増幅された第2信号840で、信号841に示すように、1の要素に対応する区間の位相は−1の要素に対応する区間の位相と180度の差を有する。また、0の要素に対応する区間の出力は0である。送信器110は、増幅された第2信号840を非コヒーレント受信器(120、130)及びコヒーレント受信器140に送信する。
【0188】
図9を参照すると、送信器110は、バイナリデータシーケンスを変調して低選択度非コヒーレント受信器120、高選択度非コヒーレント受信器130、又はコヒーレント受信器140に送信する。送信器110がバイナリデータシーケンス910を受信した場合、送信器110は、バイナリデータシーケンス910に対応するものとして予め設定されたターナリーシーケンス920にバイナリデータシーケンス910をマッピングし、ターナリーシーケンス920を変調する。送信器110は、変調されたターナリーシーケンス920をパルス整形フィルタに入力し、変調されたターナリーシーケンス920の周波数帯域が広く分布しないように調整して第1信号を生成する。パルス整形フィルタ出力信号930で、1の要素に対応する区間の大きさは正の値を有し、−1の要素に対応する区間の大きさは負の値を有し、0の要素に対応する区間の大きさは0である。
【0189】
送信器110は、パルス整形フィルタ出力信号930で、1の要素に対応する区間のキャリア信号を周波数f
1にシフトし、−1の要素に対応する区間のキャリア信号を周波数f
2にシフトする。また、送信器110は、周波数f
1にシフトされたキャリア信号の位相を位相θ
1にシフトし、周波数f
2にシフトされたキャリア信号の位相を位相θ
2にシフトする。ここで、周波数f
2の大きさは周波数f
1の周波数の大きさよりも大きく、位相θ
1と位相θ
2の差は180度である。また、送信器110は、周波数f
1及び位相θ
1にシフトされたキャリア信号と1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算し、周波数f
2及び位相θ
2にシフトされたキャリア信号と−1の要素に対応する区間の大きさの絶対値を乗算して第2信号を生成する。送信器110は、第2信号を増幅器に入力して第2信号を増幅する。増幅された第2信号940で、信号941に示すように、1の要素に対応する区間の位相は−1の要素に対応する区間の位相と180度の差を有する。また、0の要素に対応する区間の出力は0である。送信器110は、増幅された第2信号940を低選択度非コヒーレント受信器120、高選択度非コヒーレント受信器130、又はコヒーレント受信器140に送信する。
【0190】
図10〜
図12は、一実施形態による受信器を示すブロック図である。
【0191】
図10を参照すると、受信器1000は、フィルタ1010、包絡線検出器1020、及びバイナリデータシーケンス検出器1030を含む。本実施形態による受信器1000は、
図1に示した低選択度非コヒーレント受信器120に対応する。
【0192】
受信器1000は、
図3を参照して説明した送信器300から信号を受信する。そのため、受信信号は、−1、0、又は1の要素で構成されるターナリーシーケンスで変調された信号である。
【0193】
フィルタ1010は、受信信号を周波数f
0にフィルタリングする。ここで、周波数f
0は、ターナリーシーケンスのうちの1の要素で変調された受信信号の区間の周波数を示す周波数f
1と、ターナリーシーケンスのうちの−1の要素で変調された受信信号の区間の周波数を示す周波数f
2との間の周波数を示す。例えば、周波数f
0は周波数f
1と周波数f
2の算術平均値である。一例として、周波数f
2の大きさは周波数f
1よりも大きい。低選択度非コヒーレント受信器の場合、周波数f
1と周波数f
2とを正確に区別することが難しいため、周波数f
1と周波数f
2を全てカバーできるように、フィルタは周波数f
1と周波数f
2との間の周波数f
0に受信信号をフィルタリングし、受信信号を広い帯域幅で受信する。
【0194】
包絡線検出器1020は、フィルタリングされた受信信号の包絡線の大きさの値を検出する。受信信号のうちの周波数f
1〜周波数f
2で大きさが0でない区間の場合、包絡線検出器1020は当該区間の大きさが0でない包絡線を検出し、受信信号のうちの周波数f
1〜周波数f
2で大きさが0である区間の場合、包絡線検出器1020は当該区間の大きさが0であり、ノイズのみを含む信号を検出する。そのため、信号対雑音比(Signal To Noise Rate:SNR)の値が予め設定された値以上である場合、包絡線上で周波数f
1と周波数f
2とは区別され難く、受信器1000は、ターナリーシーケンスの1の要素及び−1の要素を区別できないこともある。
【0195】
バイナリデータシーケンス検出器1030は、包絡線検出器1020で検出された包絡線の大きさの値と所定のバイナリシーケンスとの相関関係に基づいて、ターナリーシーケンスに対応するバイナリデータシーケンスを検出する。バイナリデータシーケンス検出器1030は、相関器1031及びデータデコーダ1032を含む。
【0196】
相関器1031は、検出された包絡線の大きさの値と所定のバイナリシーケンスの間の相関関係を演算する。例えば、相関器1031は、包絡線検出器1020で検出された包絡線の各区間の大きさの値と所定のバイナリシーケンスとの間の相関関係を演算する。
【0197】
バイナリデータシーケンス検出器1030は、所定のバイナリシーケンスのうちの検出された包絡線の大きさの値との相関関係が最も高いバイナリシーケンスに対応するビットシーケンスをバイナリデータシーケンスとして検出する。
【0198】
本実施形態によるバイナリデータシーケンス検出器1030は上述した表6又は表7に関する情報を含む。バイナリデータシーケンス検出器1030は表6又は表7に記載したターナリーシーケンスで、−1の要素を絶対値に変換して所定のバイナリシーケンスを抽出する。バイナリデータシーケンス検出器1030は、所定のバイナリシーケンスと検出された包絡線の大きさの値の相関関係を演算して、表6又は表7から相関関係が最も高いバイナリシーケンスに対応するビットシーケンスを検索し、検索されたビットシーケンスをバイナリデータシーケンスとして検出する。
【0199】
例えば、相関器1031は、所定のバイナリシーケンス[00011011]、[10001101]、[11000110]、[00110110]で検出された包絡線の各区間の大きさの値の間の相関関係を演算する。所定のバイナリシーケンスのうちの[10001101]の相関関係が最も高い場合、バイナリデータシーケンス検出器1030は、バイナリシーケンス[10001101]に対応するビットシーケンス(例えば、[100])をバイナリデータシーケンスとして抽出する。
【0200】
データデコーダ1032は、バイナリデータシーケンスを復号化する。
【0201】
図11を参照すると、受信器1100は、全体包絡線検出器1110及びバイナリデータシーケンス検出器1120を含む。本実施形態による受信器1100は、
図1に示した高選択度非コヒーレント受信器130に対応する。
【0202】
受信器1100は、
図3及び
図5を参照して説明した送信器(300、400、500)から信号を受信する。そのため、受信信号は、−1、0、又は1の要素で構成されるターナリーシーケンスで変調された信号である。全体包絡線検出器1110は、受信信号の包絡線の大きさの値を検出する。
【0203】
全体包絡線検出器1110は、第1フィルタ1111、第1包絡線検出器1112、第2フィルタ1113、第2包絡線検出器1114、及び演算器1115を含む。
【0204】
第1フィルタ1111は受信信号を周波数f
1にフィルタリングし、第2フィルタ1113は受信信号を周波数f
2にフィルタリングする。ここで、周波数f
1はターナリーシーケンスのうちの1の要素で変調された受信信号の区間の周波数を示し、周波数f
2はターナリーシーケンスのうちの−1の要素で変調された受信信号の区間の周波数を示す。一例として、周波数f
2の大きさは周波数f
1よりも大きい。
【0205】
第1包絡線検出器1112は、周波数f
1を基準にしてフィルタリングされた受信信号の包絡線を示す第1包絡線を検出する。周波数f
1で受信信号の大きさが0でない区間の場合、第1包絡線検出器1112は当該区間の大きさが0でない包絡線を検出し、周波数f
1で受信信号の大きさが0である区間の場合、第1包絡線検出器1112は当該区間の大きさが0であり、ノイズのみを含む信号を検出する。また、周波数f
2で受信信号の大きさが0でない区間の場合、第1包絡線検出器1112は当該区間の大きさが0であり、ノイズのみを含む信号を検出する。
【0206】
第2包絡線検出器1114は、周波数f
2を基準にしてフィルタリングされた受信信号の包絡線を示す第2包絡線を検出する。周波数f
2で受信信号の大きさが0でない区間の場合、第2包絡線検出器1114は当該区間の大きさが0でない包絡線を検出し、周波数f
2で受信信号の大きさが0である区間の場合、第2包絡線検出器1114は当該区間の大きさが0であり、ノイズのみを含む信号を検出する。また、周波数f
1で受信信号の大きさが0でない区間の場合、第2包絡線検出器1114は当該区間の大きさが0であり、ノイズのみを含む信号を検出する。
【0207】
演算器1115は、第1包絡線検出器1112で出力された包絡線から、第2包絡線検出器1114で出力された包絡線を除外する。そのため、周波数f
1で受信信号の大きさが0でない区間の場合、演算器1115は当該区間の大きさの値が正数である包絡線を出力し、周波数f
2で受信信号の大きさが0でない区間の場合、演算器1115は当該区間の大きさの値が負数の包絡線を出力する。また、周波数f
1及び周波数f
2で受信信号の大きさが0である区間の場合、演算器1115は当該区間の大きさの値が0である包絡線を出力する。
【0208】
バイナリデータシーケンス検出器1120は、全体包絡線検出器1110で検出された包絡線の大きさの値と所定のターナリーシーケンスとの相関関係に基づいて、ターナリーシーケンスに対応するバイナリデータシーケンスを検出する。バイナリデータシーケンス検出器1120は、相関器1121及びデータデコーダ1122を含む。
【0209】
相関器1121は、検出された包絡線の大きさの値と所定のターナリーシーケンスの間の相関関係を演算する。例えば、相関器1121は、演算器から出力された第3包絡線の各区間の大きさの値と所定のターナリーシーケンスの間の相関関係を演算する。
【0210】
バイナリデータシーケンス検出器1120は、所定のターナリーシーケンスのうちの検出された包絡線の大きさの値との相関関係が最も高いターナリーシーケンスに対応するビットシーケンスをバイナリデータシーケンスとして検出する。
【0211】
本実施形態によるバイナリデータシーケンス検出器1120は、上述した表6又は表7に関する情報を含む。バイナリデータシーケンス検出器1120は、表6又は表7に記載したターナリーシーケンスと検出された包絡線の大きさの値の相関関係を演算し、表6又は表7から相関関係が最も高いターナリーシーケンスに対応するビットシーケンスを検索し、検索されたビットシーケンスをバイナリデータシーケンスとして検出する。
【0212】
例えば、相関器1121は、所定のバイナリシーケンス[0001−1011]、[10001−101]、[110001−10]、[001−10110]で検出された包絡線の各区間の大きさの値の間の相関関係を演算する。所定のバイナリシーケンスのうちの[10001−101]の相関関係が最も高い場合、バイナリデータシーケンス検出器1120は、バイナリシーケンス[10001−101]に対応するビットシーケンス(例えば、[100])をバイナリデータシーケンスとして抽出する。
【0213】
データデコーダ1122は、バイナリデータシーケンスを復号化する。
【0214】
図12を参照すると、受信器1200は、相関関係検出器1210及びバイナリデータシーケンス検出器1220を含む。本実施形態による受信器1200は、
図1に示したコヒーレント受信器140に対応する。
【0215】
受信器1200は、
図3及び
図6を参照して説明した送信器から信号を受信する。そのため、受信信号は−1、0、又は1の要素で構成されるターナリーシーケンスで変調された信号である。相関関係検出器1210は、受信信号とキャリア信号との相関関係を検出する。相関関係検出器1210は、RF/アナログプロセッサ1211及び第1相関器1212を含む。
【0216】
RF/アナログプロセッサ1211は、アンテナを介して受信した受信信号を第1相関器1212で処理できるように変換する。第1相関器1212は、所定の基準信号と受信信号との相関関係を検出する。例えば、位相検出器は、所定のサイン波形のキャリア信号(sinusoidal carrier signal)と受信信号の相関関係を演算する。
【0217】
バイナリデータシーケンス検出器1220は、相関関係の結果値と所定のターナリーシーケンスとの相関関係に基づいて、受信信号のバイナリデータシーケンスを検出する。バイナリデータシーケンス検出器1220は、第2相関器1221及びデータデコーダ1222を含む。
【0218】
第2相関器1221は、第1相関器1212で演算された相関関係の結果値と所定のターナリーシーケンスの間の相関関係を演算する。バイナリデータシーケンス検出器1220は、所定のターナリーシーケンスのうちの第1相関器1212で演算された相関関係の結果値との相関関係が最も高いターナリーシーケンスに対応するビットシーケンスをバイナリデータシーケンスとして検出する。
【0219】
本実施形態によるバイナリデータシーケンス検出器1220は、上述した表6又は表7に関する情報を含む。バイナリデータシーケンス検出器1220は、表6又は表7に記載したターナリーシーケンスと検出された包絡線の大きさの値の相関関係を演算し、表6又は表7から相関関係が最も高いターナリーシーケンスに対応するビットシーケンスを検索し、検索されたビットシーケンスをバイナリデータシーケンスとして検出する。
【0220】
データデコーダ1222は、バイナリデータシーケンスを復号化する。
【0221】
図13〜
図15は、一実施形態によるバイナリデータシーケンスの検出を説明するための図である。
【0222】
図13を参照すると、グラフは、送信器が送信する送信信号のスペクトル1311及び低選択度非コヒーレント受信器におけるフィルタ周波数応答1312を示す。グラフの横軸は周波数を示し、縦軸はスペクトルの大きさを示す。
【0223】
送信器は、スペクトル1311を有する送信信号を低選択度非コヒーレント受信器に送信する。
【0224】
スペクトル1311の周波数f
1は、ターナリーシーケンスのうちの1の要素で変調された送信信号の区間の周波数を示し、周波数f
2は、ターナリーシーケンスのうちの−1の要素で変調された送信信号の区間の周波数を示す。本実施形態による周波数f
0は、周波数f
1と周波数f
2の算術平均値である。
【0225】
低選択度非コヒーレント受信器の場合、周波数f
1と周波数f
2を正確に区別することが難しいことがある。そのため、低選択度非コヒーレント受信器は、周波数f
1と周波数f
2を全てカバーできるように、フィルタ周波数応答1312を用いて周波数f
1と周波数f
2との間の周波数f
0を基準にして受信信号をフィルタリングする。
【0226】
低選択度非コヒーレント受信器は、フィルタリングされた受信信号の包絡線を検出する。低選択度非コヒーレント受信器は、検出された包絡線の大きさの値と所定のバイナリシーケンスとの相関関係に基づいて、ターナリーシーケンスに対応するバイナリデータシーケンスを検出する。
【0227】
図14を参照すると、グラフは、送信器が送信する送信信号のスペクトル1411及び高選択度非コヒーレント受信器におけるフィルタ周波数応答1412、1413を示す。グラフの横軸は周波数を示し、縦軸はスペクトルの大きさを示す。
【0228】
送信器は、スペクトル1411を有する送信信号を高選択度非コヒーレント受信器に送信する。
【0229】
スペクトル1411の周波数f
1は、ターナリーシーケンスのうちの1の要素で変調された送信信号の区間の周波数を示し、周波数f
2は、ターナリーシーケンスのうちの−1の要素で変調された送信信号の区間の周波数を示す。一実施形態による周波数f
0は周波数f
1と周波数f
2の算術平均値である。
【0230】
高選択度非コヒーレント受信器の場合、周波数f
1が中心周波数として設定された第1フィルタ及び周波数f
2が中心周波数として設定された第2フィルタを用いて受信信号をフィルタリングする。第1フィルタは、フィルタ周波数応答1412を用いて周波数f
1を基準にして受信信号をフィルタリングし、第2フィルタは、フィルタ周波数応答1413を用いて周波数f
2を基準にして受信信号をフィルタリングする。
【0231】
高選択度非コヒーレント受信器は、周波数f
1を基準にしてフィルタリングされた受信信号の包絡線及び周波数f
2を基準にしてフィルタリングされた受信信号の包絡線を検出し、周波数f
1を基準にしてフィルタリングされた受信信号の包絡線から、周波数f
2を基準にしてフィルタリングされた受信信号の包絡線を除外する。そのため、周波数f
1で受信信号の大きさが0でない区間は大きさの値が正数である包絡線で示され、周波数f
2で受信信号の大きさが0でない区間は大きさの値が負数である包絡線で示され、周波数f
1及び周波数f
2で受信信号の大きさが0である区間は大きさの値が0である包絡線で示される。
【0232】
高選択度非コヒーレント受信器は、検出された包絡線の大きさの値と所定のターナリーシーケンスとの相関関係に基づいて、ターナリーシーケンスに対応するバイナリデータシーケンスを検出する。
【0233】
図15を参照すると、座標は、コヒーレント受信器が受信する受信信号のうちのターナリーシーケンスの1の要素に対応する区間の位相θ
11511及び−1の要素に対応する区間の位相θ
21512を示す。ここで、位相θ
11511は0度を示し、位相θ
21512は180度を示す。
【0234】
コヒーレント受信器は、サイン波形のキャリア信号と受信信号との相関関係を検出する。
【0235】
また、コヒーレント受信器は、相関関係の結果値と所定のターナリーシーケンスとの相関関係に基づいて、ターナリーシーケンスに対応するバイナリデータシーケンスを検出する。
【0236】
図16は、他の実施形態による送信器を示すブロック図である。
【0237】
図16を参照すると、送信器1600は、ターナリーシーケンスマッパー1610及びコンバータ1620を含む。本実施形態による送信器1600は、
図3を参照して説明した第1信号コンバータ310を示す。
【0238】
ターナリーシーケンスマッパー1610は、バイナリデータシーケンスを予め生成されたターナリーシーケンスにマッピングし、−1、0、又は1の要素で構成されるターナリーシーケンスを生成する。
【0239】
本実施形態によるターナリーシーケンスマッパー1610は、下記表6から、バイナリデータシーケンスに対応するターナリーシーケンスを予め生成されたターナリーシーケンスとして抽出する。表6で、C
0は[0001−1011]のシーケンスを示し、C
mはC
0がmだけ右側に巡回シフトされたシーケンスを示し、mは1〜7の整数を示す。
【0241】
他の実施形態によるターナリーシーケンスマッパー1610は、下記表7から、バイナリデータシーケンスに対応するターナリーシーケンスを予め生成されたターナリーシーケンスとして抽出する。表7で、C
0は[−100101−10−1−11−1010100010011−10000011]のシーケンスを示し、C
mはC
0がmだけ右側に巡回シフトされたシーケンスを示し、mは1〜31の整数を示す。
【0243】
コンバータ1620は、ターナリーシーケンスを信号に変換する。
【0244】
図16に示す他の実施形態による送信器は、
図1〜
図15を参照して説明した内容がそのまま適用されるため、より詳細な説明を省略する。
【0245】
図17は、他の実施形態による受信器を示すブロック図である。
【0246】
図17を参照すると、受信器1700は、信号受信器1710及び検出器1720を含む。本実施形態において、受信器1700は、
図10〜
図12を参照して説明した受信器1200、1300、1400を示す。
【0247】
信号受信器1710は、バイナリデータシーケンスで予め生成されたターナリーシーケンスがマッピングされ、−1、0、又は1の要素で構成されるターナリーシーケンスで変調された信号を受信する。
【0248】
検出器1720は、予め生成されたターナリーシーケンス及びバイナリデータシーケンスを検出する。
【0249】
本実施形態における検出器1720は、下記表6を用いて予め生成されたターナリーシーケンス及びバイナリデータシーケンスを検出する。表6で、C
0は[0001−1011]のシーケンスを示し、C
mはC
0がmだけ右側に巡回シフトされたシーケンスを示し、mは1〜7の整数を示す。
【0251】
他の実施形態による検出器1720は、下記表7を用いて予め生成されたターナリーシーケンス及びバイナリデータシーケンスを検出する。表7で、C
0は[−100101−10−1−11−1010100010011−10000011]のシーケンスを示し、C
mはC
0がmだけ右側に巡回シフトされたシーケンスを示し、mは1〜31の整数を示す。
【0253】
図17に示す他の実施形態による受信器は、
図1〜
図15を参照して説明した内容がそのまま適用されるため、より詳細な説明を省略する。
【0254】
図18は、一実施形態による送信方法を示した動作フローチャートである。
【0255】
図18を参照すると、送信器は、バイナリデータシーケンスを予め生成されたターナリーシーケンスにマッピングしてターナリーシーケンスを生成する(ステップ1810)。
【0256】
また、送信器は、ターナリーシーケンスを第1信号に変換する(ステップ1820)。
【0257】
図18に示す本実施形態による送信方法は、
図1〜
図15を参照して説明した内容がそのまま適用されるため、より詳細な説明を省略する。
【0258】
図19は、他の実施形態による送信方法を示した動作フローチャートである。
【0259】
図19を参照すると、送信器は、−1、0、又は1の要素で構成されるターナリーシーケンスを第1信号に変換する(ステップ1910)。
【0260】
また、送信器は、要素により第1信号の各区間に異なる変換方式を適用して第1信号を第2信号に変換する(ステップ1920)。
【0261】
図19に示す他の実施形態による送信方法は、
図1〜
図15を参照して説明した内容がそのまま適用されるため、より詳細な説明を省略する。
【0262】
図20〜
図23は、一実施形態による受信方法を示した動作フローチャートである。
【0263】
図20を参照すると、受信器は、−1、0、又は1の要素で構成されるターナリーシーケンスで変調された受信信号の包絡線の大きさの値を検出する(ステップ2010)。
【0264】
また、受信器は、検出された包絡線の大きさの値と所定のバイナリシーケンスとの相関関係に基づいて、ターナリーシーケンスに対応するバイナリデータシーケンスを検出する(ステップ2020)。
【0265】
図20に示す本実施形態による受信方法は、
図1〜
図15を参照して説明した内容がそのまま適用されるため、より詳細な説明を省略する。
【0266】
図21を参照すると、受信器は、−1、0、又は1の要素で構成されるターナリーシーケンスで変調された受信信号の包絡線の大きさの値を検出する(ステップ2110)。
【0267】
また、受信器は、検出された包絡線の大きさの値と所定のターナリーシーケンスとの相関関係に基づいて、ターナリーシーケンスに対応するバイナリデータシーケンスを検出する(ステップ2120)。
【0268】
図21に示す本実施形態による受信方法は、
図1〜
図15を参照して説明した内容がそのまま適用されるため、より詳細な説明を省略する。
【0269】
図22を参照すると、受信器は、−1、0、又は1の要素で構成されるターナリーシーケンスで変調された受信信号と所定の基準信号との相関関係を検出する(ステップ2210)。
【0270】
また、受信器は、相関関係の結果値と所定のターナリーシーケンスとの相関関係に基づいてターナリーシーケンスに対応するバイナリデータシーケンスを検出する(ステップ2220)。
【0271】
図22に示す本実施形態による受信方法は、
図1〜
図15を参照して説明した内容がそのまま適用されるため、より詳細な説明を省略する。
【0272】
図23を参照すると、受信器は、バイナリデータシーケンスで予め生成されたターナリーシーケンスがマッピングされ、−1、0、又は1の要素で構成されるターナリーシーケンスで変調された信号を受信する(ステップ2310)。
【0273】
また、受信器は、予め生成されたターナリーシーケンス及びバイナリデータシーケンスを検出する。ここで、受信器は、上述した表6及び表7を用いて予め生成されたターナリーシーケンス及びバイナリデータシーケンスを検出する(ステップ2320)。
【0274】
上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、又はハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組合せで具現される。例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサー、或いは命令(instruction)を実行して応答する異なる装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的のコンピュータを用いて具現される。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及びオペレーティングシステム上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行する。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答してデータをアクセス、格納、操作、処理、及び生成する。理解の便宜のために、処理装置は1つ使用されるものと説明する場合もあるが、当該技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素(processing element)及び/又は複数類型の処理要素を含むことが分かる。例えば、処理装置は、複数のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含む。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成も可能である。
【0275】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又はこれらのうちの1つ以上の組合せを含み、希望通りに動作するよう処理装置を構成するか又は独立的若しくは結合的に処理装置に命令する。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈されるか又は処理装置に命令若しくはデータを提供するために全ての類型の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体又は装置、送信される信号波を介して永久的又は一時的に具現化される。ソフトウェアは、ネットワークに接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された方法で格納されるか又は実行される。ソフトウェア及びデータは1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納される。
【0276】
本実施形態による方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行するプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読に取り可能な記録媒体に記録される。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうちの1つ又はその組合せを含む。記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、光ディスクのような光磁気媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例としては、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードが含まれる。ハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアモジュールとして動作するように構成されてもよく、その逆も同様である。
【0277】
上述したように、本発明を限定した実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
【0278】
従って、本発明の範囲は、開示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められる。