(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6970158
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】管路内のケーブル布設方法
(51)【国際特許分類】
H02G 1/06 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
H02G1/06
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-196015(P2019-196015)
(22)【出願日】2019年10月29日
(65)【公開番号】特開2021-72656(P2021-72656A)
(43)【公開日】2021年5月6日
【審査請求日】2020年7月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(73)【特許権者】
【識別番号】000134903
【氏名又は名称】株式会社ニシヤマ
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】北田 慎
(72)【発明者】
【氏名】松井 優文
(72)【発明者】
【氏名】藤川 哲生
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】岡田 光広
(72)【発明者】
【氏名】濱田 明良
【審査官】
木村 励
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭50−92396(JP,U)
【文献】
特開平7−123556(JP,A)
【文献】
特開平9−46840(JP,A)
【文献】
特開昭56−123714(JP,A)
【文献】
特開2000−308224(JP,A)
【文献】
特開昭56−50673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設された一定長の管路の一端のマンホール付近の地上にケーブル送り出し装置を設け、他端のマンホール付近の地上にケーブル先端に接続した牽引ワイヤを引っ張る牽引装置を設け、前記ケーブル送り出し装置から前記マンホールを通してケーブルを管路内に挿入し、予め管路に通した前記牽引ワイヤを他端のマンホールを通して前記牽引装置で引張り、牽引ワイヤに接続されたケーブルを管路に布設する工法において、
前記ケーブル送り出し装置の送り出し速度と、前記牽引装置の牽引速度を同期させて運転し、ケーブル送り出し装置側のマンホール内でケーブルのたるみを検知した際にケーブル送り出し装置の送り出し速度を一時的に減速し、たるみがなくなると、ケーブルの送り出し装置の送り出し速度を元に戻すが、前記牽引装置の牽引速度の低下率に合わせて速度を減速させた状態に戻し、ケーブルのたるみ検知毎にこれを繰り返して行うことを特徴とする、管路内のケーブル布設工法。
【請求項2】
前記ケーブルのたるみの検知は、前記ケーブル送り出し装置を設けた側のマンホール内に、一定幅離れた上下に水平なセンサを設け、当該下方のセンサにケーブルが接近した場合に検知するケーブルたるみ・張り検知センサにより検知する構成としたことを特徴とする、請求項1に記載の管路内のケーブル布設工法。
【請求項3】
前記牽引装置側に張力計を設け、かつ、同マンホール内に牽引ワイヤを撮影する監視カメラを設け、これらの測定張力値の異常又は牽引ワイヤに異常があった場合に、前記牽引装置及びケーブル送り出し装置の運転を停止することを特徴とする、請求項1又は2に記載の管路内のケーブル布設工法
【請求項4】
前記ケーブル送り出し装置及び牽引装置の運転を制御する監視制御盤を設け、当該監視制御盤によりケーブルのたるみの検知、張力計の張力値の検知、速度、条長の測定値の各検知及び監視カメラでの牽引ワイヤの張力監視を行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の管路内のケーブル布設工法。
【請求項5】
前記ケーブル送り出し装置の側のマンホール内の管路入り口に隣接して滑剤塗布装置を設け、当該滑剤塗布装置によりケーブルの外周に滑剤を塗布することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の管路内のケーブル布設工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中の管路に一方のマンホールから、一定距離離れた他方のマンホールまでケーブルを布設する工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の地中送電線の管路引き入れは、一定長離れたドラム側延線車と遠端側ウインチ車の操作を作業員が無線機又は有線機で連絡を取り合い、延線速度、引き入れ張力を管理しながら引き込みを実施している。
【0003】
しかしながら、従来の方法では、ドラム側延線車と遠端側ウインチ車の操作を複数の作業員で連絡を取りながら操作するため、手間のかかるものであった。そこでこのような一定長の管路にケーブルを布設するに際、より自動化したケーブル布設方法が開発されている。
【0004】
ケーブルを管路内に布設する際には、ドラムから引き出したケーブルを管路内に送り出すホーリングマシンとケーブル先端に取り付けたワイヤを引っ張るためのワイヤ巻取り用のウインチを利用している。ケーブルを引っ張る時にはケーブルと管路内面の摩擦で生じる「ケーブルの脈動」、撚り線ケーブルを引っ張る際に生じる「ケーブル若しくはワイヤの伸縮」が生じている。従って、単にホーリングマシンでの押し出す速度とウインチの速度を同じにすれば良いというわけではない。
【0005】
特許文献1のものは、先端にワイヤが接続されたケーブルを送り込むための移送装置を管路、洞道等のケーブル布設ルートの一方側に設置し、ケーブル先端のワイヤを牽引するための牽引装置をケーブル布設ルートの他方側に設置し、前記移送装置によりケーブル布設ルートの一方側から先端にワイヤが接続されたケーブルを送り込むとともに前記牽引装置により他方側からケーブル先端のワイヤを牽引するようにし、前記ケーブルと前記ケーブル布設ルートとの間の摩擦力の変動に伴い前記ワイヤの伸びが増しても前記ケーブルの脈動を防止できるケーブルの布設方法であって、前記ケーブルの送り込みで生じた前記ケーブルの摩擦力と前記牽引装置の牽引力との差を前記移送装置の負荷トルク値として検出し、その検出した負荷トルク値を前記牽引装置に伝達し、前記移送装置の負荷状況に応じて前記牽引装置のトルク調整を行うことにより、前記ワイヤの張力を常に設定値に保ちながらケーブルを布設ルートに布設するようにしたケーブルの布設方法である。
【0006】
この方法によれば、移送装置の負荷トルクを牽引装置側に伝達して、これにより牽引装置の牽引力をトルク調整するものであるから、ワイヤに加わる張力は常に安定した状態となり、従って、ワイヤの伸縮を原因として発生していたケーブルの脈動現象は抑制されるものである。
【0007】
また、特許文献2のものは、道路下等に埋設されている既設管路の管路内に、光ケーブル等の各種ケーブルを引き込むケーブル挿通工法であって、上記管路のケーブル挿入口側に、ケーブルを一定速度で管路内に挿入動作する送込み装置を設ける一方、管路のケーブル引出口側に、ケーブルの先端に接続された引込み用ワイヤを巻き取る牽引装置を設けており、上記送込み装置によるケーブルの挿入速度に対し、上記牽引装置による引込み用ワイヤの引っ張り速度をコントロールする制御手段を有し、この制御は、ケーブルの挿入速度に対してワイヤの引張り速度が等速または等速以下にならないように制御するケーブル挿通工法である。
【0008】
これによると、送込み装置を介して管路内に送込まれるケーブルの挿入速度に対し、ケーブルの先端を引っ張るワイヤの引張り速度が、等速または等速以上に制御されるから、管路内においてケーブルが座屈現象を起こす不都合が発生しなくなり、座屈現象によるケーブルの挿通不能の事態を解消することができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3795994号公報
【特許文献2】特開2001−346309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この様に、管路内にケーブルが入り、ケーブルの挿入長が長くなると、ケーブルの管路に対する摩擦力で牽引速度が落ちてくる。そこで、ケーブルの送り出し装置の速度と、牽引速度とを同調制御させることが考えられる。そこで、当該牽引装置の速度を上げてケーブルの送り出し装置の速度に合わせると、牽引装置がエンジンでキャプスタンを回転させて牽引ワイヤを巻き取るものの場合、回転速度を上げると、エンジン音が大きく、これが騒音となる。このケーブル布設工事が特に夜間に行われる場合は、近隣住民からの苦情がでる恐れがある。
【0011】
特許文献1のものは、移送装置の負荷トルクを牽引装置側に伝達して、これにより牽引装置の牽引力をトルク調整するものであるが、牽引装置がエンジンでキャプスタンを回転させて牽引ワイヤを巻き取るものの場合、回転速度を上げると、エンジン音が上がり、これが騒音となる。
【0012】
また、これは特許文献2においても同じである。この場合も、送込み装置を介して管路内に送込まれるケーブルの挿入速度に対し、ケーブルの先端を引っ張るワイヤの引張り速度(牽引速度)が等速または等速以上に制御されるため、牽引速度を上げる場合、これが騒音につながる。
【0013】
また、一方、上述のように、ケーブルの送り出し装置の送り出し速度に対し、牽引装置の牽引速度が低下してくると、ケーブルにたるみが生じ、ケーブルを必要以上に傷つけるおそれがある。そこで、ケーブルのたるみセンサがたるみを検知した際、ケーブルの送り出し装置の速度を急速に減速し、たるみセンサの検知解除後、ケーブルの送り出し装置の速度を元(設定速度)に戻して運転した。しかしながら、この場合、頻繁にゆるみセンサがケーブルのゆるみを検知し、ケーブルの送り出し装置の速度の低減操作をしなければ成らず、その頻度が高くなる。この様なケーブルの送り出し装置の速度の一時的低減を何回も繰り返すと、布設するケーブルに負荷がかかり、好ましくない。
【0014】
そこで、この発明は上述の課題を解決するため、ケーブルの送り出し装置の送り出し速度の一時的低減後、速度を元に戻さず、牽引装置の速度の低下率にあわせて速度を調整することで、不必要な騒音を発生させずに、かつ、ケーブルに負荷をかけずに、スムーズなケーブル布設が可能であり、少ない作業員で布設可能な管路内のケーブル布設工法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の発明は、地中に埋設された一定長の管路の一端のマンホール付近の地上にケーブル送り出し装置を設け、他端のマンホール付近の地上にケーブル先端に接続した牽引ワイヤを引っ張る牽引装置を設け、前記ケーブル送り出し装置から前記マンホールを通してケーブルを管路内に挿入し、予め管路に通した前記牽引ワイヤを他端のマンホールを通して前記牽引装置で引張り、牽引ワイヤに接続されたケーブルを管路に布設する工法において、前記ケーブル送り出し装置の送り出し速度と前記牽引装置の牽引速度を同期させて運転し、ケーブル送り出し装置側のマンホール内でケーブルのたるみを検知した際にケーブル送り出し装置の送り出し速度を一時的に減速し、ケーブルのたるみがなくなると、ケーブルの送り出し装置の送り出し速度を元に戻すが、前記牽引装置の牽引速度の低下率に合わせて速度を減速させた状態に戻し、ケーブルのたるみの検知毎にこれを繰り返して行う管路内のケーブル布設工法とした。
【0016】
また、請求項2の発明は、前記ケーブルのたるみの検知は、前記ケーブル送り出し装置を設けた側のマンホール内に、一定幅離れた上下に水平なセンサを設け、当該下方のセンサにケーブルが接近した場合に検知するケーブルたるみ・張り検知センサにより検知する構成とした、請求項1に記載の管路内のケーブル布設工法とした。
【0017】
また、請求項3の発明は、前記牽引装置側に張力計を設け、かつ、同マンホール内に牽引ワイヤを撮影する監視カメラを設け、これらの測定張力値の異常又は牽引ワイヤに異常があった場合に、前記牽引装置及びケーブル送り出し装置の運転を停止する、請求項1又は2に記載の管路内のケーブル布設工法とした。
【0018】
また、請求項4の発明は、前記ケーブル送り出し装置及び牽引装置の運転を制御する監視制御盤を設け、当該監視制御盤によりケーブルのたるみの検知、
張力計の張力値の検知、速度、条長(長さ)の測定値の各検知及び監視カメラでの牽引ワイヤの張力監視を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の管路内のケーブル布設工法とした。
【0019】
また、請求項5の発明は、前記ケーブル送り出し装置の側のマンホール内の管路入り口に隣接して滑剤塗布装置を設け、当該滑剤塗布装置によりケーブルの外周に滑剤を塗布する、請求項1〜4のいずれかに記載の管路内のケーブル布設工法とした。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、ケーブルの管路内への布設距離が長くなるにつれて、ケーブルに負荷がかかり、それにより牽引装置の牽引速度が低下するが、この低下に応じてケーブル送り出し装置の送り出し速度をたるみ検出毎に低下させていくため、これらの速度の相違度合いが広がらず、ケーブルのたるみ検出の回数頻度が少なくなる。従って、ケーブルに負荷をかけないでスムーズに管路内にケーブルを布設することができる。その上、牽引装置の速度を必要以上に上げないため、大きな騒音を生ずることなく布設工事ができる。
【0021】
また、請求項2の発明によれば、下方のセンサでケーブルを検知した場合はケーブルが弛んでいることが分かり、ケーブルの送り出し速度を低減できる。また、上方のセンサでケーブルを検知した場合は、ケーブルが緊張していることが分かり、ケーブル送り出し速度を速めることができ、双方の場合にケーブルの送り出しを制御可能である。
【0022】
また、請求項3の発明によれば、牽引装置側に張力計を設け、かつ、同マンホール内に牽引ワイヤを撮影する監視カメラを設けたため、前記たるみ検知のデータとともにこれらのデータを一か所に集めて、ケーブル送り出し装置及び牽引装置を制御できる。
【0023】
また、請求項4の発明によれば、請求項3のデータをすべて監視制御盤に送り、これらのデータに応じてケーブル送り出し装置及び牽引装置を当該監視制御盤により一元的に制御できるため、一人の作業員で運転制御が容易且つ確実に行える。
【0024】
また、請求項5の発明によれば、管路内に送るケーブルの外周に滑剤を塗布してケーブルを管路内に送り込むため、管路内壁とケーブル外周の摩擦抵抗が低減し、スムーズはケーブル布設が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】この発明の実施の形態例1の管路内のケーブル布設工法に使用する装置全体の概略構成図である。
【
図2】この発明の実施の形態例1の管路内のケーブル布設工法に使用するケーブルたるみ・張り検出器を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は正面図、(c)図は側面図である。
【
図3】この発明の実施の形態例1の管路内のケーブル布設工法に使用するホーリングマシン、ウインチの自動制御のフロー図である。
【
図4】この発明の実施の形態例1の管路内のケーブル布設工法に使用するウインチのフィードバック制御を示す図で、(a)図は概要図、(b)図はウインチの速度低下と出力電圧との関係を示すグラフ図である。
【
図5】この発明の実施の形態例1の管路内のケーブル布設工法に使用するウインチとホーリングマシンの速度制御の関係を示す図であり、(a)図は従来の制御を示すグラフ図、(b)図はこの発明による制御を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施の形態例1)
この発明の実施の形態例1の管路内のケーブル布設工法に使用する装置全体の概略構成を
図1に基づいて説明する。
【0027】
地中に埋設された一定長の管路1の一端のマンホール2付近の地上にケーブル送り出し装置となるホーリングマシン3を設け、前記管路1の他端のマンホール4付近の地上に、ケーブル5の先端に接続した牽引ワイヤ6を引っ張る牽引装置としてのウインチ7を設けている。当該ウインチ7は電動機を駆動源としたものであり、当該ウインチ7の制御はウインチ制御盤19により行われる。また、図示は省略したが、ウインチ7には牽引ワイヤ6の終端条長検知センサが設けられている。
【0028】
前記ホーリングマシン3には、ドラム8から前記ケーブル5が繰り出される。このドラム8には回転を制御するドラムブレーキ9が設けられている。また、前記マンホール2内にはケーブルたるみ・張り検知センサ10及び滑剤塗布装置11が設けられている。また、図示は省略したが、前記ホーリングマシン3にはケーブル5の送り出し条長を検知するセンサが設けられている。
【0029】
また、前記マンホール4内には、前記牽引ワイヤ6を掛けて地上方向に導出するための金車12が設けられ、当該金車12を経由して牽引ワイヤ6は前記ウインチ7に巻き取られる。そして牽引側にある張力計により、測定張力が許容範囲の80%以上となれば、前記ウインチ7の運転を停止させるようになっている。また、管路1の出口付近の牽引ワイヤ6を撮影するカメラ13が設けられ、牽引状況を撮影する。このカメラ13により撮影された牽引ワイヤ6の異常があれば、前記ウインチ7の運転を停止させる。
【0030】
前記ウインチ7の運転状況データや前記張力計の測定データやカメラ13の撮影データ等はウインチ7の近くに設けたウインチ制御盤19に集められ、通信ユニット14及び画像伝送アンテナ15を介してマンホール2側に送られる。
【0031】
一方、前記ホーリングマシン3及びドラムブレーキ9の制御は、マンホール2側に設けた監視制御盤16で行われる。また、前記ケーブルたるみ・張り検知センサ10からの出力データも監視制御盤16に送られる。さらに前記マンホール4側の画像伝送アンテナ15から送られたデータはマンホール2側に設けた画像伝送アンテナ17で受信し、これを監視制御盤16に集められる。また、監視制御盤17に集められたデータ等をモニター18で表示することができる。
【0032】
前記ケーブルたるみ・張り検知センサ10の詳細を
図2に示す。一定間隔で垂直に立てた2本の垂直パイプ10a、10aの上下に2本の水平パイプ10b、10bを井桁状に組んで固定し、上方の水平パイプ10bの両端下面に光源センサ10cを夫々設け、また、下方の水平パイプ10bの両端上面に光源センサ10dを夫々設け、これらの対の光源センサ10c又は10d間に前記ケーブル5が介在すると光が変化してこれを検知する構成である。なお、各光源センサ10c、10dにはカバー10eがかけられている。そして、前記上方の一対の光源センサ10cがケーブル5の張りを検知し、下方の一対の光源センサ10dはケーブル5のたるみを検知する。
【0033】
この発明の管路内のケーブル布設工法に用いる装置は以上の構成であり、以下にこの装置を用いたケーブル布設工法について説明する。
【0034】
図3はホーリングマシン3の運転制御を含む装置全体の自動制御についての動作フローを示す。
【0035】
まず、前記監視制御盤16で起動ボタンを押す(S−1)。そして、エラーがないかどうか確認する(S−2)。エラーがある場合は起動無効となる(S−3)。エラーがない場合は、前記ケーブルたるみ・張り検知センサ10によるケーブルのたるみ張りの検知出力があるか否かを確認する(S−4)。ある場合はエラー発生となり起動無効となる(S−5)。
【0036】
前記検知出力のない場合は起動命令発行となる(S−6)。これによりホーリングマシン3は起動し(S−7)、ウインチ制御盤19はこれを無線を介して受信(S−8)し、ウインチ7を起動させる(S−9)。ウインチ7では初期安定速度まで徐々に加速し、初期安定速度到達後一定時間保持した(S−10)のち、徐々に再加速し設定速度に到達する(S−11)。ウインチ制御盤19では前記起動命令受信後、エラーがあるか否かのチェックを行い(S−12)、エラーがある場合は停止命令を発行し(S−13)、ウインチ7を停止させる(S−14)。
【0037】
一方、エラーがない場合はウインチ速度が超過していないか、不足していないかをチェックする(S−15)。これらの速度の超過又は不足の場合は、ウインチ制御盤19に速度(出力電圧)をフィードバックする(S−16)。そしてウインチ7の運転速度を設定速度に制御する。
【0038】
また、起動したホーリングマシン3は初期安定速度を維持し(S−17)、その後徐々に加速して設定速度に到達する(S−18)。監視制御盤16では、前記起動命令受信後、エラーがあるか否かのチェックを行い(S−19)、エラーがある場合は停止命令を発行し(S−20)、一定時間後にホーリングマシン3を停止させる(S−21)。また、これと同時にウインチ制御盤19に停止命令を送り、ウインチ制御盤19では停止命令を受信する(S−22)と、ウインチ7を停止させる(S−14)。
【0039】
また、前記エラーチェック(S−19)でエラーがない場合は、前記ケーブルたるみ・張り検知センサ10によるケーブルのたるみ張りの検知出力があるか否かを確認する(S−23)。そして当該検知出力がある場合は、ホーリングマシン3の速度を瞬時加速又は減速させる。その後、設定速度を後述の様に減速するオフセットを行う(S−24)。
【0040】
また、前記ケーブルたるみ・張り検知センサ10によるケーブルのたるみ張りの検知出力がない場合は、前記送り出し条長を検知するセンサ等によりケーブルが設定条長に到達するか否かをチェックする(S−25)。到達していない場合は、前記エラーチェック(S−19)に戻る。また、ケーブルが設定条長に到達した場合は、ホーリングマシン3及びウインチ7の停止命令を発行する(S−20)。これによりウインチ7は停止し(S−14、ホーリングマシン3も停止する(S−21)。
【0041】
この様にしてホーリングマシン3によりケーブル5を一方のマンホール2から管路1内に送り出し、当該ケーブル5の先端に接続した牽引ワイヤ6を他方のマンホール4から金車12を通して地上のウインチ7により引っ張るが、ケーブル5の管路1内への布設が進むとケーブル5と管路1との摩擦により、張力が増加し、ウインチ7の巻き取り速度が低下してしまう。
【0042】
ウインチ7の速度が低下するとホーリングマシン3との速度差が生じ、ケーブル5が前記マンホール2内のケーブルたるみ・張り検知センサ10のたるみセンサに繰り返し接触してしまう。また、ケーブル5の条長が長くなるほどウインチ7の速度が低下していくため設定速度通りの速度が出せなくなる。
【0043】
この問題を解決するため、ウインチ7への出力電圧を一定ではなく、徐々に上げていく制御が必要とされた。そこで、ウインチ7の制御はウインチ7から巻き取り速度の情報をアナログ入力信号として取り込み、
図4に示すように、その速度情報を一定間隔で監視し、常に設定速度に近づけるように出力電圧にフィードバックをかける機能を設けた。これは上記
図3のステップ(S−16)で示す。これによりウインチ7の速度低下を最大限に抑えることが可能となった。
【0044】
この様にウインチ7への出力電圧フィードバックにより、ウインチ7の速度低下を抑えることはできるが、ウインチ7への出力電圧はいずれ最大値となり、電圧値が最大値に到達するとそれ以上はフィードバックを掛けることができず、ウインチ7の速度が低下してしまう。そのため、ウインチ7側の速度制御だけではなく、ホーリングマシン3側の速度制御も行う必要がある。
【0045】
そこで、
図5の(a)図に示すように、前記ケーブルたるみ・張り検知器10のたるみセンサに接触すると、ホーリングマシン3によるケーブルの送り出し速度を一時的に(約2秒間)減速した後、元の設定速度に戻していたが、図に示すように、ウインチ7側の巻き取り速度が徐々に減速していくため、上記送り出し速度との差がどんどん広がり、ケーブル5がたるみセンサに接触して送り出し速度を一時的に減速する回数が増していく。これによりケーブル5に負荷が頻繁にかかり好ましくない。
【0046】
従って、
図5の(b)図に示すように、前記ケーブルたるみ・張り検知センサ10のたるみセンサに接触すると、ホーリングマシン3によるケーブルの送り出し速度を一時的に(約2秒間)減速した後、元の速度に戻すのではなく、元の速度に一定値のオフセットをかけた速度に戻すようにした。これは
図3のステップ(S−24)で示す。すなわち、ウインチ7の巻き取り速度の低下に応じてケーブルの送り出し速度を設定速度より下げて戻す。
【0047】
これによりウインチ7の速度とホーリングマシン3の速度の差が大きく開かず、その結果前記たるみセンサの検知回数が減り、ケーブル5への速度変化による負荷をできるだけ少なくしてケーブル5の布設が可能となった。
【0048】
前記実施の形態例1では、ケーブルの弛み検出時にウインチ7の速度をみて、ホーリングマシン3の速度をウインチ7の速度低下に合わせて落としている(オフセットしている)が、ウインチ7の速度ではなく、張力値の上昇に相応して、ホーリングマシンの速度を段階的に落としていって(オフセットして)もよい。この場合も、前記ケーブルたるみ・張り検知センサ10において、ケーブルの弛みを検知した際、ホーリングマシン3を一時的に減速させ、元の速度に戻す際、オフセットして元に戻す。
【0049】
また、前記実施の形態例1では、ホーリングマシン3によりケーブル5を管路1内に送り出しているが、これの限らずケーブル送り出し装置であればよく、また、ウインチ7につきてもウインチに限らず、牽引装置であればよい。
【0050】
また、前記実施の形態例1では、牽引装置側でケーブル等の張力を測っているが、張力計はマンホールの中や地上のウインチ7の付近に設けて測定できる。また、ケーブル5の送り出し条長を測るセンサを送り出し側のホーリングマシン3に設けているが、当該条長検知センサをウインチ7等の牽引側に設けても良い。
【0051】
また、前記実施の形態例1では監視制御盤16で装置を一元管理しているが、当該監視制御盤16を設けずにこの発明の方法を実施することも可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 管路 2 マンホール
3 ホーリングマシン 4 マンホール
5 ケーブル 6 牽引ワイヤ
7 ウインチ 8 ドラム
9 ドラムブレーキ 10 ケーブルたるみ・張り検知センサ
11 滑剤塗布装置 12 金車
13 カメラ 14 通信ユニット
15 画像伝送アンテナ 16 監視制御盤
17 画像伝送アンテナ 18 モニター
19 ウインチ制御盤