特許第6970174号(P6970174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6970174二酸化チタンを製造する方法、およびそれにより得られる二酸化チタン
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  • 特許6970174-二酸化チタンを製造する方法、およびそれにより得られる二酸化チタン 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6970174
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】二酸化チタンを製造する方法、およびそれにより得られる二酸化チタン
(51)【国際特許分類】
   C01G 23/053 20060101AFI20211111BHJP
   C09C 1/36 20060101ALI20211111BHJP
   C09C 3/08 20060101ALI20211111BHJP
   C09C 3/10 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   C01G23/053
   C09C1/36
   C09C3/08
   C09C3/10
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-500858(P2019-500858)
(86)(22)【出願日】2017年6月21日
(65)【公表番号】特表2019-527186(P2019-527186A)
(43)【公表日】2019年9月26日
(86)【国際出願番号】EP2017065229
(87)【国際公開番号】WO2018010924
(87)【国際公開日】20180118
【審査請求日】2020年6月16日
(31)【優先権主張番号】102016112682.9
(32)【優先日】2016年7月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518432551
【氏名又は名称】ヴェナートア・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】カストナー・ユルゲン・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ロジン・ウーヴェ
【審査官】 青木 千歌子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−225324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01G 23/053
C09C 1/36
C09C 3/08
C09C 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の特性、
− 少なくとも99質量%のTiO含量、
− 少なくとも98.5%のアナターゼ含量、
− 少なくとも200nmの一次結晶子サイズX50
− 最大100nmの一次結晶子サイズを有するTiOの個数分率が最大10%(X10)、
− 最大8m/gの比表面積(BET測定により決定される)
− TiOの量に対して1200〜2400ppmのアルカリ、特にカリウム、
− TiOの量に対してAlで表して最少1ppmかつ最大1000ppmのAlのAl含量、
− 0.17〜0.74の範囲のAl対Nbの質量比、
− TiOの量に対してリンで表して最少0.1質量%かつ最大0.3質量%のP
を有する微粒子TiO
【請求項2】
以下の特性、
− 最大100nmの一次結晶子サイズを有するTiOの個数分率が最大8%
を有する、請求項に記載の微粒子TiO
【請求項3】
以下の特性、
− 最大6m/gの比表面積(BET測定により決定される)
を有する、請求項1または2に記載の微粒子TiO
【請求項4】
以下の特性、
− 最大300nmの一次結晶子サイズX50
を有する、請求項1〜のいずれか一つに記載の微粒子TiO
【請求項5】
粒子の表面の少なくとも一部が有機化合物またはその混合物で被覆されている、請求項1〜のいずれか一つに記載の微粒子TiO
【請求項6】
有機化合物が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはそれらのコポリマーを含むポリグリコール、カルボン酸およびそのアルカリ塩、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトールおよびネオペンチルグリコールを含む多価アルコール、シラン、シロキサンおよびシロキサン誘導体、シリコーン油、ポリリン酸のアルカリ塩、アミノアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸もしくはポリ(メタ)アクリル酸コポリマーの塩(例えばポリアクリル酸ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム)またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項に記載の微粒子TiO
【請求項7】
有機物質が、微粒子TiOの総質量に対して、0.01質量%〜8質量%、特に好ましくは0.05質量%〜4質量%、より特に好ましくは0.1質量%〜1.5質量%の量で使用されることを特徴とする、請求項またはに記載の微粒子TiO
【請求項8】
請求項1〜のいずれか一つに記載の微粒子TiOを製造する方法であって、好ましくは硫酸法を用いて得ることができ懸濁液状であるメタチタン酸に、全ての量がそれぞれTiOの量に対して、1200〜2400ppmのアルカリの量のアルカリ化合物、リンで表して最少0.1質量%かつ最大0.3質量%のPの量のリン化合物、およびAlで表して最少1ppmかつ最大1000ppmのAlの量のアルミニウム化合物を補い、好ましくは脱水および乾燥させ、次いで、TiOの個数分率X50が少なくとも200nmの一次結晶子サイズを有するまでの時間、微粒子TiOが少なくとも940℃かつ最大1020℃の一定温度で保持されるようにか焼し、冷却後に得られる微粒子TiOを粉砕処理、特に乾式粉砕する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、100nm未満のサイズを有する結晶子の分率(個数)が最大10%である二酸化チタンを製造する方法、および本方法により得られる二酸化チタンに関する。
【背景技術】
【0002】
硫酸法を用いる二酸化チタンの製造においては、二酸化チタン含有原料(スラグ、イルメナイト)を乾燥し粉砕し、次いで濃硫酸で蒸解する。原料と濃硫酸の間の反応を、ライニング反応器中でバッチで行う。蒸解反応中、硫酸と反応する原料中に存在するほとんど全ての金属酸化物が、対応する金属硫酸塩に変換される。反応後、固体塊(蒸解ケーク)が残り、これは水および/または希硫酸で溶解される。
【0003】
黒色液体として知られるこの蒸解溶液を、沈降および/またはろ過プロセスにより、溶解していない成分(蒸解残渣、脈石)から完全に分ける。このプロセスにおいて続いて、固体を含まない蒸解溶液から加水分解によりメタチタン酸の懸濁液を製造する。メタチタン酸は、洗浄、漂白、および適切ならば塩処理、ならびにろ過による下流プロセスに供給することができる。
【0004】
固液分離プロセス中に沈降物またはろ過ケークとして沈殿する蒸解残渣は、水および/または希硫酸ですりつぶし、通常は水酸化カルシウム懸濁液を用いて中和し新たにろ過した後に排出する。
【0005】
このような二酸化チタンを製造するための方法は、従来技術において知られている。種晶添加を使用して結晶の大きなアナターゼを製造する方法が、GB2247009(特許文献1)に記載されている。代替の方法は、EP0772905(特許文献2)およびEP0782971(特許文献3)に記載されている。しかしながら、これらの方法は全て制御が複雑であり、所望の色安定性を有するアナターゼを確実に製造することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】GB2247009
【特許文献2】EP0772905
【特許文献3】EP0782971
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服することであり、特に、最大100nmの寸法を有する一次結晶子の割合が低い二酸化チタンを簡単に製造できる、硫酸法を用いた二酸化チタンの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
例として、本発明による方法を、以下のように行ってもよい。二酸化チタン含有原料(スラグ、イルメナイト)を乾燥し粉砕し、次いで濃硫酸(例えば90%HSO)で蒸解する。数時間の熟成期間後、例えば、二酸化チタン原料の蒸解物から得られる固体塊を、水、例えば酸性化リターン水に溶解する。不溶性成分をクラリファイヤで分離する。クラリファイヤ排出物からの清澄化チタン含有溶液を、フィルタープレスにおける残留固体から分ける。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は結晶子のSEMまたはTEM画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
Fe2+は問題となることにメタチタン酸と共にFe(OH)として沈殿してそれに吸着されるため、溶解した3価鉄にくず鉄を加えることにより、2価型に変換する。Fe含量に応じて、冷却後にFeSO.7HOが沈殿し、系から除去される。
【0011】
続いて行われる加水分解において、メタチタン酸、二酸化チタンの前駆体は、加熱および水を加えることにより、清澄化溶液から固体として沈殿させる。有利なことに、加水分解中、本発明によれば結晶化種を加えることはなく、Blumenfeldによって種晶がその場で形成する。従来技術において、硫酸チタニルを加水分解して、種晶を加える(「Mecklenburg」法)か、または水を加えることにより溶液中で種晶を誘導する(「Blumenfeld」法)かのどちらかにより、酸化チタン水和物を沈殿させることが公知である。
【0012】
加水分解中に沈殿したメタチタン酸は、懸濁液状である。1つの実施形態において、式TiO(2−x)(OH)2x(0≦x≦1)の酸化チタン粒子の懸濁液は、式TiO(OH)のメタチタン酸であってもよい。オルトチタン酸などの他の水和型は、HOの開裂によりメタチタン酸に変換される。
【0013】
一般式TiO(2−x)(OH)2x(式中、0≦x≦1である)の酸化チタン水和物および/もしくは水和した酸化チタン粒子、またはそれらの混合物のこの懸濁液により形成されたこの「二酸化チタン懸濁液」は、好ましくは以下の特性を有する。
− 二酸化チタンとして表される、50〜400gTiO/lのTi含量、
− 20nm〜1000nm、好ましくは20nm〜500nm、特に好ましくは50nm〜200nm、より特に好ましくは50〜150nmの平均粒子サイズ、
− 200〜500m/g、好ましくは200〜400m/g、特に好ましくは300〜400m/gの粒子の比表面積(Nポロシメトリー、5点BETを使用して、105℃で少なくとも120分間の乾燥後に測定される)、
− >0.3cm/g、好ましくは>0.5cm/g、特に好ましくは>0.7cm/gの粒子の全細孔容積(Nポロシメトリー、5点BETを使用して、105℃で少なくとも120分間の乾燥後に測定される)、
− 105℃で少なくとも120分間の乾燥後、粒子の結晶相がアナターゼ相である。線形バックグラウンドを取り去った後、アナターゼ構造の最大反射強度の高さ(反射(101))対ルチル構造の最大反射強度の高さ(反射(110))の比が少なくとも20:1、好ましくは少なくとも40:1である。好ましくは、明細書において本文タイトル「方法」の節に記載されているように行われるXRD分析は、アナターゼ構造の反射のみを提供する。
【0014】
このように形成されるメタチタン酸は、結合した硫酸とともに遊離の硫酸を含んでもよく、それが含むチタン−酸素化合物の結晶部分は、上記のようにアナターゼ結晶形態であり、およそ5〜15nmの典型的な一次結晶子寸法を有する。
【0015】
メタチタン酸をろ過し、洗浄タンク中で洗浄する。ペースト状のろ過ケークをろ過し、中間処理後に再び洗浄する。
【0016】
メタチタン酸を清浄化した後、か焼前に、この中間生成物の懸濁液に補助剤を加える。これらの補助剤は、結晶の成長を制御するとともに、ルチル形成をある程度阻止する。
【0017】
本発明によれば、アルカリ成分、特に1種または複数のカリウム成分、およびリン成分、特にリン酸塩を、補助剤として加える。カリウム成分は、ナトリウム成分または2つの混合物により置き換えてもよい。
【0018】
リン成分は、リン酸の形態、または水溶性リン酸塩化合物の形態、例えばリン酸二水素カリウムで加えてもよい。これは、本発明に従って、最終生成物中のTiOの量として表してリンで表して、最少0.1質量%、特に最少0.12質量%かつ最大0.3質量%、特に最大0.2質量%、より特に好ましくは0.12質量%〜0.2質量%の範囲の量のPで使用される。発明者は、0.1質量%の最少量以下ではルチル形成が増加し、最大量を超えるとか焼温度に応じて結晶成長が阻害されることを示した。
【0019】
カリウム成分は特に、水溶性カリウム化合物の形態で、例えば硫酸カリウムとしてまたは水酸化カリウムとして加えられる。カリウムはリン酸塩基に対する対イオンとしても使用することができ、したがって最終生成物のpHも調節できる(pH7.0〜8.5)。これに関しては、本発明によれば、加えられたリンの量に応じて、TiOの量に対して1200〜1400ppmのカリウムが使用される。
【0020】
上記した早い段階で洗浄され、アルカリおよびリン成分で処理されたメタチタン酸は、次いでろ過装置を使用して脱水し、か焼炉に供給する。か焼中、供給されたTiOろ過ケーク由来の水を蒸発させ、蒸解から引き続き付着している硫酸を分解し追い出す。
【0021】
通常は周囲温度である出発材料のか焼は、一定温度、少なくとも940℃、特に少なくとも960℃かつ1020℃未満、特に1010℃未満、特に970℃〜990℃の範囲の温度に到達するまで行う。か焼は、一定温度で、か焼温度に応じた時間、一次結晶子が少なくとも160nm、特に少なくとも200nm、かつ好ましくは300nm未満のX50(平均値X50より50%が小さく50%が大きい平均一次結晶子サイズ)の望ましいサイズに到達し、TiOが含有するルチルの割合が粒子の質量に対して1.5質量%未満になるまで続ける。か焼の時間は通常、上記の一定温度範囲において40〜300分である。
【0022】
発明者は、流し落とすことができない原料中の不純物、特にニオブによって、か焼温度の上昇とともにアナターゼ生成物がますます青くなることを示したが、これは5価のニオブを補うためにTi4+の還元が起こり青いTi3+を形成するからである。色を補うため、本発明によれば、アルミニウム成分を加える。添加物は硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムの形態であってもよく、添加量は、TiOの量に対してAlで表して、最少1ppm、特に最少10ppmかつ最大1000ppm、特に最大500ppmのAlである。1000ppmを超える量では結晶の成長を阻害し、そうなると同じ温度で所望の特性をもはや提供しない。0.17から0.74の間のAl対Nbの質量比が有利であると示された。
【0023】
か焼温度と添加された補助剤を組み合わせて、一次結晶子サイズに関して要求される特性、特に比表面積、最大10%の100nm未満の寸法を有する結晶子の割合(個数)(ナノ分率)および色を有する製品を提供する。
【0024】
したがって、本発明により、以下の特性、
・少なくとも99質量%のTiO含量、
・98%超、特に98.5%超のアナターゼ含量、
・少なくとも200nm、かつ特に最大300nmの一次結晶子サイズX50(個数分布から決定される)、
・最大100nmの一次結晶子サイズを有するTiOの個数分率が最大10%(X10)(TEMまたはSEM画像においてこれらの結晶子を数える、フェレ法により決定される)、
・最大8m/g、特に<6m/gの比表面積(BET測定により決定される)
・TiOの量に対して1200〜2400ppmのアルカリ、特にカリウム、
・TiOの量に対してAlで表して最少1ppmかつ最大1000ppmのAlのAl含量、
・0.17〜0.74の範囲のAl対Nbの質量比、
・最終生成物中のTiOの量に対してリンで表して0.1質量%および最大0.3質量%のP、
・粒子の質量に対して1.5質量%未満、特に1質量%未満の割合のルチル
を有し得る微粒子TiOを得ることができる。
【0025】
したがって、本発明は、以下の特性、
− 少なくとも99質量%のTiO含量、
− 少なくとも98%のアナターゼ含量、
− 少なくとも200nmの一次結晶子サイズX50(個数分布から決定される)、
− 最大100nmの一次結晶子サイズを有するTiOの個数分率が最大10%(X10)、
− 最大8m/gの比表面積(BET測定により決定される)
− TiOの量に対して1200〜2400ppmのアルカリ、特にカリウム、
− TiOの量に対してAlで表して最少1ppmかつ最大1000ppmのAlのAl含量、
− 0.17〜0.74の範囲のAl対Nbの質量比、
− TiOの量に対してリンで表して最少0.1質量%かつ最大0.3質量%のP
を有する微粒子TiOに関する。
【0026】
少なくとも98.5質量%のアナターゼ含量を有する、上記の微粒子TiO
最大100nmの一次結晶子サイズを有するTiOの個数分率が最大8%である、上記の微粒子TiO
最大6m/gの比表面積(BET測定により決定される)を有する、上記の微粒子TiO
最大300nmの一次結晶子サイズX50を有する、上記の微粒子TiO;ならびに
上記の微粒子TiOを製造する方法であって、好ましくは硫酸法を用いて得ることができ懸濁液状であるメタチタン酸に、全ての量がそれぞれTiOの量に対して、1200〜2400ppmのアルカリの量のアルカリ化合物、リンで表して最少0.1質量%かつ最大0.3質量%のPの量のリン化合物、およびAlで表して最少1ppmかつ最大1000ppmのAlの量のアルミニウム化合物を補い、好ましくは脱水および乾燥させ、次いで、TiOの個数分率X50が少なくとも200nmの一次結晶子サイズを有するまでの時間、微粒子TiOが少なくとも940℃かつ最大1020℃の一定温度で保持されるようにか焼し、冷却後に得られる微粒子TiOを粉砕処理、特に乾式粉砕する、方法。
【0027】
本発明によるTiO材料は、ナノメートル範囲の粒子サイズの量が少ないため、このような粒子サイズのこのような割合が安全でないと考えられる用途、例えば食糧、医薬品、化粧品および人体のケア製品、ならびに食糧用の包装材として、または繊維として使用されるポリマーの分野などに適している。後者の用途において、有利には、本発明によるTiO材料は、有機化合物で後続の処理を受ける。したがって、本発明は、
− 粒子の表面の少なくとも一部が有機化合物またはその混合物で被覆されている、上記の微粒子TiO
− 有機化合物が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはそれらのコポリマーを含むポリグリコール、カルボン酸およびそのアルカリ塩、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトールおよびネオペンチルグリコールを含む多価アルコール、シラン、シロキサンおよびシロキサン誘導体、シリコーン油、ポリリン酸のアルカリ塩、アミノアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸もしくはポリ(メタ)アクリル酸コポリマーの塩(例えばポリアクリル酸ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム)またはそれらの混合物から選択される、上記の微粒子TiO、ならびに
− 有機物質が、微粒子TiOの総質量に対して、0.01質量%〜8質量%、特に好ましくは0.05質量%〜4質量%、より特に好ましくは0.1質量%〜1.5質量%の量で使用される、上記の微粒子TiO
にも関する。
【実施例】
【0028】
実験項
使用される測定方法の説明
平均粒子サイズの決定
一般式TiO(2−x)(OH)2x(式中、0<x≦1である)の酸化チタンの平均粒子サイズを決定するため、水性「酸化チタン懸濁液」をまず1gのカルゴン/lの脱イオン水溶液中に希釈して、60mlの溶液中のおよそ0.4gのTiOの濃縮物を製造した。このように希釈した「酸化チタン」懸濁液を、5分間超音波浴(例えばBandelinのSonorex Super RK106)中で撹拌してまず分散させ、次いで5分間超音波フィンガー(振幅を増幅するためのゴールドブースターおよび3/4インチホーンを持つBransonのSonifier W−450)で分散させた。Zetasizer Advanced Software、例えばMalvernのZetasizer 1000HSaを使用した光子相関分光器により、粒子サイズ分布を決定した。測定を、マルチモード取得で25℃の測定温度で行った。得られた平均粒子サイズd50は、密度を考慮した質量分布に対応する体積分布に対するd50値であった。
【0029】
Scherrerに従った相および結晶子サイズの決定
結晶相を決定するために(相同定)、X線回折を記録した。X線回折において、結晶の格子面により偏向したX線のブラッグの関係による強度を偏向角2θに対して測定した。相は、典型的なX線回折図を有する。
【0030】
測定および分析
調べる材料を、対象キャリアにより調製担体上に塗布した。粉末回折データをJCPDS粉末回折データベースにより分析した。測定された回折ダイヤグラムが記録されたスポットのパターンと一致するとき、相を同定した。
【0031】
典型的な測定条件は、2θ=10°〜70°、2θ=0.02°のステップで測定、ステップ毎の測定時間:1.2sであった。
【0032】
結晶子サイズは、Scherrer法を用いて、2θ 25.3°におけるアナターゼ反射の半値幅から以下の式を用いて決定した。
D結晶子=K*l/(S*cos(θ)
[式中、
D結晶子:結晶子サイズ[nm]
K:形状定数=0.9
θ:測定される反射角 2θ/2
S:測定される反射の半値幅
l:使用されるX線ビームの波長]
【0033】
比表面積の決定(多点法)および窒素ガス吸収法(Nポロシメトリー)を使用した細孔構造の分析
比表面積および細孔構造(細孔容積および細孔直径)を、Quantachrome GmbHのAutosorb 6または6B装置を使用してNポロシメトリーにより決定した。BET(Brunnauer、EmmetおよびTeller)比表面積を、DIN ISO9277に従って決定し、細孔分布をDIN66134に従って測定した。
【0034】
試料調製(Nポロシメトリー)
測定セルに秤り入れた試料を、まず加熱ステーションで16時間真空下で乾燥した。次に、真空下で180℃までおよそ30分にわたって加熱した。次いで、依然として真空下で、この温度を1時間維持した。デガッサー中で20〜30ミリトルの圧力を設定し、真空ポンプの解放後に真空ゲージ上の針がおよそ2分間安定したままならば、試料は十分に脱気したものと考えた。
【0035】
測定/分析(Nポロシメトリー)
全体のN等温線を、20吸着点および25脱着点を使用して測定した。測定値を以下のように分析した。
比表面積(多点BET):
0.1〜0.3 p/p0の分析範囲において、5測定点
全細孔容量分析:
Gurvich則に従って細孔容積を決定した(最後の吸着点から決定)
全細孔容積を、Gurvich則を適用してDIN66134に従って決定した。Gurvich則として知られるものに従って、吸着測定における最終圧力点から試料の全細孔容積を決定する。
p. 吸着質の圧力
p0. 吸着質の飽和蒸気圧
Vp. 測定から得られる準最終吸着圧力点により到達する、Gurvich則に従う特定の細孔容積(p/Po=0.99での全細孔容積)
【0036】
平均細孔直径(水圧細孔直径)の決定:
計算には関係4Vp/ABETを使用し、これは「平均細孔直径」に対応する。ISO9277に従うABET比表面積。
【0037】
か焼TiO試料の結晶子サイズ決定
この方法は、顔料結晶子の寸法データ、例えば個数および体積分布、ナノ分率、形状情報ならびにX10、X50、およびX90などの典型的なパラメータを決定するものである。電子顕微鏡画像により、タッチセンス・スクリーンを使用して結晶の外縁の輪郭を描いた。このようにして得られた対象データを合わせて、全体の分布を得る。
【0038】
顔料を溶媒で分散し、懸濁液を担体上で乾燥した。担体の異なる4か所で、SEMおよび/またはTEM画像を得た。ナノ分類をEU規則に従って行ったならば、拡大は少なくともV=50000でなければならない。
【0039】
SEMまたはTEM画像は、マクロを用いてImage Pro Plusソフトウェアを使用して分析した。ここで、個々の結晶子の外縁を、測定手順および直径のタイプを示す図1で見られるようにスタイラスで描く。
【0040】
全体で少なくとも500個の粒子を、全ての画像で評価しなければならない。このようにして得られた寸法データを、Excelスプレッドシートを使用して分析した。
【0041】
分析は、
・平均(一次)結晶子直径(ECD)の体積および個数分布
・最小(一次)結晶子直径(最小フェレ径)の個数分布
・EC規則に従うナノ分率
・X10、X50、X90分布データ
を含む。
【0042】
ナノ分率を決定するため、最小径側面(最小フェレ径)および結晶サイズデータからの平均直径(ECD:相当)を決定した。各個々の画像のスケールバーから較正を行った。
【0043】
TiOとして表されるチタンの決定
蛍光X線元素分析法(XRFA)を使用した、圧縮粉末ペレットにおけるTiO含量の決定
【0044】
Alの決定
圧縮粉末ペレットのAl含量を、蛍光X線元素分析法(XRFA)を使用して決定した。
【0045】
Pの決定
圧縮粉末ペレットのP含量を、蛍光X線元素分析法(XRFA)を使用して決定した。
【0046】
Nbの決定
圧縮粉末ペレットのNb含量を、蛍光X線元素分析法(XRFA)を使用して決定した。
【0047】
Kの決定
圧縮粉末ペレットのK含量を、蛍光X線元素分析法(XRFA)を使用して決定した。
【0048】
比色測定値bの決定(CIELAB、DIN6174またはISO7724/2に従う)
Color Eye 7000A測定システムを使用して圧縮粉末ペレットの標準色値X、Y、Zの測定からCIELAB系を使用した比色測定値L、a、bを決定する(ペレットはDIN5033T9に従って製造した)。
測定プロトコル:C光源、2°標準観測者、測定配列:45/0
【0049】
本発明を、以下の比較例および例により詳細に説明する。
【0050】
比較例A
230g/lのTiOを含む硫酸チタニル溶液は、濃硫酸中のチタンスラグを蒸解し、次いで得られた蒸解ケークを水中に溶解し、蒸解していない残渣を分離することによる、二酸化チタンを製造する公知の硫酸法を用いて得た。続いて行うBlumenfeld加水分解において、二酸化チタンの前駆体であるメタチタン酸を、98℃に熱し熱湯を加えることにより固体として硫酸チタニル溶液から沈殿させた。加水分解中に沈殿したメタチタン酸を、吸引ろ過器上で80℃の温度で、TiO1kg当たり8lの脱イオン水により洗浄し、次いで、吸着した重金属を除去するために、Ti(III)溶液により1時間80℃で処理し、次いで、吸引ろ過器上でTiO1kg当たり8lの脱イオン水により再び洗浄した。次に、ろ過ケークを300g/lのTiO(洗浄したメタチタン酸)に水で水簸した。
【0051】
硫酸カリウム粉末(TiOとして表される1650ppmのカリウム)および85%リン酸(TiOとして表される0.14質量%のリン)を、プロペラ撹拌機を備える混合タンク中で、6kgのこの洗浄したメタチタン酸に加えて撹拌し、撹拌をさらに1時間続け、乾燥を乾燥キャビネット中で、105℃で行い、次いでか焼をバッチで、90分間930℃で、実験室マッフル炉で行った。か焼した材料をスパイラルジェットミル中で粉砕した。
【0052】
比較例B
洗浄したメタチタン酸を比較例Aに記載のように製造し、水で300g/lのTiOに調節した。
【0053】
硫酸カリウム粉末(TiOとして表される1650ppmのカリウム)、85%リン酸(TiOとして表される0.14質量%のリン)および水酸化アルミニウム粉末(TiOとして表される110ppmのアルミニウム)を、プロペラ撹拌機を備える混合タンク中で、6kgのこの洗浄したメタチタン酸に加えて撹拌し、撹拌をさらに1時間続け、乾燥を乾燥キャビネット中で、105℃で行い、次いでか焼をバッチで、90分間930℃で、実験室マッフル炉で行った。か焼した材料をスパイラルジェットミル中で粉砕した。
【0054】
比較例C
洗浄したメタチタン酸を比較例Aに記載のように製造し、水で300g/lのTiOに調節した。
【0055】
25%水酸化カリウム(TiOとして表される1650ppmのカリウム)、85%リン酸(TiOとして表される0.14質量%のリン)および水酸化アルミニウム粉末(TiOとして表される110ppmのアルミニウム)を、プロペラ撹拌機を備える混合タンク中で、6kgのこの洗浄したメタチタン酸に加えて撹拌し、撹拌をさらに1時間続け、乾燥を乾燥キャビネット中で、105℃で行い、次いでか焼をバッチで、90分間930℃で、実験室マッフル炉で行った。か焼した材料をスパイラルジェットミル中で粉砕した。
【0056】
比較例D
洗浄したメタチタン酸を比較例Aに記載のように製造し、水で300g/lのTiOに調節した。
【0057】
硫酸カリウム粉末(TiOとして表される1650ppmのカリウム)および85%リン酸(TiOとして表される0.14質量%のリン)を、プロペラ撹拌機を備える混合タンク中で、6kgのこの洗浄したメタチタン酸に加えて撹拌し、撹拌をさらに1時間続け、乾燥を乾燥キャビネット中で、105℃で行い、次いでか焼をバッチで、90分間980℃で、実験室マッフル炉で行った。か焼した材料をスパイラルジェットミル中で粉砕した。
【0058】
比較例E
洗浄したメタチタン酸を比較例Aに記載のように製造し、水で300g/lのTiOに調節した。
【0059】
硫酸カリウム粉末(TiOとして表される1650ppmのカリウム)、85%リン酸(TiOとして表される0.14質量%のリン)および水酸化アルミニウム粉末(TiOとして表される110ppmのアルミニウム)を、プロペラ撹拌機を備える混合タンク中で、6kgのこの洗浄したメタチタン酸に加えて撹拌し、撹拌をさらに1時間続け、乾燥を乾燥キャビネット中で、105℃で行い、次いでか焼をバッチで、90分間1040℃で、実験室マッフル炉で行った。か焼した材料をスパイラルジェットミル中で粉砕した。
【0060】
比較例F
洗浄したメタチタン酸を比較例Aに記載のように製造し、水で300g/lのTiOに調節した。
【0061】
硫酸カリウム粉末(TiOとして表される1650ppmのカリウム)、85%リン酸(TiOとして表される0.14質量%のリン)および水酸化アルミニウム粉末(TiOとして表される1000ppmのアルミニウム)を、プロペラ撹拌機を備える混合タンク中で、6kgのこの洗浄したメタチタン酸に加えて撹拌し、撹拌をさらに1時間続け、乾燥を乾燥キャビネット中で、105℃で行い、次いでか焼をバッチで、90分間980℃で、実験室マッフル炉で行った。か焼した材料をスパイラルジェットミル中で粉砕した。
【0062】
比較例G
洗浄したメタチタン酸を比較例Aに記載のように製造し、水で300g/lのTiOに調節した。
【0063】
硫酸カリウム粉末(TiOとして表される1100ppmのカリウム)、85%リン酸(TiOとして表される0.09質量%のリン)および水酸化アルミニウム粉末(TiOとして表される110ppmのアルミニウム)を、プロペラ撹拌機を備える混合タンク中で、6kgのこの洗浄したメタチタン酸に加えて撹拌し、撹拌をさらに1時間続け、乾燥を乾燥キャビネット中で、105℃で行い、次いでか焼をバッチで、90分間930℃で、実験室マッフル炉で行った。か焼した材料をスパイラルジェットミル中で粉砕した。
【0064】
例1
洗浄したメタチタン酸を比較例Aに記載のように製造し、水で300g/lのTiOに調節した。
【0065】
硫酸カリウム粉末(TiOとして表される1650ppmのカリウム)、85%リン酸(TiOとして表される0.14質量%のリン)および水酸化アルミニウム粉末(TiOとして表される110ppmのアルミニウム)を、プロペラ撹拌機を備える混合タンク中で、6kgのこの洗浄したメタチタン酸に加えて撹拌し、撹拌をさらに1時間続け、乾燥を乾燥キャビネット中で、105℃で行い、次いでか焼をバッチで、90分間980℃で、実験室マッフル炉で行った。か焼した材料をスパイラルジェットミル中で粉砕した。
【0066】
例2
洗浄したメタチタン酸を比較例Aに記載のように製造し、水で300g/lのTiOに調節した。
【0067】
25%水酸化カリウム(TiOとして表される1650ppmのカリウム)、85%リン酸(TiOとして表される0.14質量%のリン)および水酸化アルミニウム粉末(TiOとして表される110ppmのアルミニウム)を、プロペラ撹拌機を備える混合タンク中で、6kgのこの洗浄したメタチタン酸に加えて撹拌し、撹拌をさらに1時間続け、乾燥を乾燥キャビネット中で、105℃で行い、次いでか焼をバッチで、90分間980℃で、実験室マッフル炉で行った。か焼した材料をスパイラルジェットミル中で粉砕した。
【0068】
例3
洗浄したメタチタン酸を比較例Aに記載のように製造し、水で300g/lのTiOに調節した。
【0069】
硫酸カリウム粉末(TiOとして表される1650ppmのカリウム)、85%リン酸(TiOとして表される0.14質量%のリン)および水酸化アルミニウム粉末(TiOとして表される60ppmのアルミニウム)を、プロペラ撹拌機を備える混合タンク中で、6kgのこの洗浄したメタチタン酸に加えて撹拌し、撹拌をさらに1時間続け、乾燥を乾燥キャビネット中で、105℃で行い、次いでか焼をバッチで、90分間980℃で、実験室マッフル炉で行った。か焼した材料をスパイラルジェットミル中で粉砕した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
本発明による製品は、最大100nmの結晶子の個数分率が低くて最大10%である結晶子サイズにより区別され、これは暖かな色合いを有するものであり、特に化粧用製品で有利である。
図1