特許第6970788号(P6970788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6970788
(24)【登録日】2021年11月2日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】データ伝送方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20211111BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20211111BHJP
   G16Y 10/25 20200101ALI20211111BHJP
【FI】
   G06Q50/04
   G06F13/00 353C
   G16Y10/25
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-114311(P2020-114311)
(22)【出願日】2020年7月1日
(65)【公開番号】特開2021-39732(P2021-39732A)
(43)【公開日】2021年3月11日
【審査請求日】2020年7月9日
(31)【優先権主張番号】201910817690.2
(32)【優先日】2019年8月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519300057
【氏名又は名称】深▲セン▼精匠云創科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】特許業務法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 軍旗
(72)【発明者】
【氏名】王 樹華
(72)【発明者】
【氏名】劉 慶
(72)【発明者】
【氏名】張 学琴
(72)【発明者】
【氏名】▲カク▼ 尚華
【審査官】 久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−076129(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/125989(WO,A1)
【文献】 特開2019−144716(JP,A)
【文献】 特開2018−014028(JP,A)
【文献】 Sungho Bae,Browsing Architecture with Presentation metadata for the Internet of Things,2011 IEEE 17th International Conference on Parallel and Distributed Systems,米国,IEEE,2012年01月03日,722〜728ページ,DOI: 10.1109/ICPADS.2011.36
【文献】 水谷 正大,TCP/IPプロトコル階層 と 通信モデル,<online>,日本,明治大学,2016年01月23日,1〜25ページ,[令和3年8月18日検索],インターネット<URL:https://www.isc.meiji.ac.jp/~mizutani/ict/communication.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 13/00
G16Y 10/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、予め設定されたデータヘッダに基づいて収集したデータを構造化して記述し、且つ構造化記述されたデータを予め設定された対象装置に伝送するステップを含むデータ伝送方法であって
記予め設定されたデータヘッダに基づいて収集したデータを構造化して記述することは、前記コンピュータが、
収集したデータが数値型データか又は制御型データかを判断するステップ
前記データが数値型データである場合には、数値型の第一データヘッダに基づいて前記データを構造化して記述するステップと、
前記データが制御型データである場合には、制御型の第一データヘッダに基づいて前記データを構造化して記述するステップと、
第二データヘッダに基づいて、前記制御型の第一データヘッダ又は前記数値型の第一データヘッダによって構造化記述された後のデータをさらに構造化して記述して、第一目標データを取得するステップと、
第四データヘッダに基づいて前記第一目標データを構造化して記述するステップとを含み、
前記数値型の第一データヘッダのフォーマットは、データID、データの種類、データの名称、データの説明、データが属するデータグループのID、データのタイプ、データ計量単位、データのバイト長を含み
前記制御型の第一データヘッダのフォーマットは、データID、データの種類、カスタムエニュメレート・タイプ(コマンドタイプ)、制御コマンドの名称、制御コマンドの機能説明、制御コマンド、対象装置のID、コマンドインターフェース、コマンドパラメータの数、及びコマンドパラメータを含み、
前記第二データヘッダのフォーマットは、デバイスのID、デバイスのタイプ、デバイスの名称及びデバイスの機能を含み、
前記第四データヘッダのフォーマットは、製品のタイプ、産業分野、会社の名称、会社の住所を含む、
ことを特徴とするデータ伝送方法。
【請求項2】
前記予め設定されたデータヘッダに基づいて収集したデータを構造化して記述することは、前記コンピュータが、第三データヘッダに基づいて前記第一目標データを構造化して記述して、第二目標データを取得するステップをさらに含み、
前記第三データヘッダは、生産プロセス情報を説明するために用いられることを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項3】
前記第三データヘッダのフォーマットは、
製品名、プロジェクト名、工程番号、生産ライン番号、及び
プロジェクト、部門、工程名、工程番号、及び
プロジェクト、部門、製品名、製品番号、及び
製品番号、プロジェクト、部門、生産ライン番号、及び
製品又はプロジェクト又は部門、工程名又は工程番号の中の何れか一種を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ伝送方法。
【請求項4】
コンピュータが、予め設定されたデータヘッダに基づいて収集したデータを構造化して記述し、且つ構造化記述されたデータを予め設定された対象装置に伝送するステップを含むデータ伝送方法であって、
前記予め設定されたデータヘッダに基づいて収集したデータを構造化して記述することは、前記コンピュータが、
収集したデータが数値型データか又は制御型データかを判断するステップと、
前記データが数値型データである場合には、数値型の第一データヘッダに基づいて前記データを構造化して記述するステップと、
前記データが制御型データである場合には、制御型の第一データヘッダに基づいて前記データを構造化して記述するステップと、
第二データヘッダに基づいて、前記制御型の第一データヘッダ又は前記数値型の第一データヘッダによって構造化記述された後のデータをさらに構造化して記述して、第一目標データを取得するステップと、
第三データヘッダに基づいて前記第一目標データを構造化して記述して、第二目標データを取得するステップと、
第四データヘッダに基づいて前記第二目標データを構造化して記述するステップとを含み、
前記数値型の第一データヘッダのフォーマットは、データID、データの種類、データの名称、データの説明、データが属するデータグループのID、データのタイプ、データ計量単位、データのバイト長を含み、
前記制御型の第一データヘッダのフォーマットは、データID、データの種類、カスタムエニュメレート・タイプ(コマンドタイプ)、制御コマンドの名称、制御コマンドの機能説明、制御コマンド、対象装置のID、コマンドインターフェース、コマンドパラメータの数、及びコマンドパラメータを含み、
前記第二データヘッダのフォーマットは、デバイスのID、デバイスのタイプ、デバイスの名称及びデバイスの機能を含み、
前記第三データヘッダは、生産プロセス情報を説明するために用いられ、
前記第三データヘッダのフォーマットは、
製品名、プロジェクト名、工程番号、生産ライン番号、及び
プロジェクト、部門、工程名、工程番号、及び
プロジェクト、部門、製品名、製品番号、及び
製品番号、プロジェクト、部門、生産ライン番号、及び
製品又はプロジェクト又は部門、工程名又は工程番号の中の何れか一種を含み、
前記第四データヘッダのフォーマットは、製品のタイプ、産業分野、会社の名称、会社の住所を含むことを特徴とするデータ伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術分野に関し、具体的にデータ伝送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信技術の継続的な発展により、モノのインターネット(IOT)と工業インターネットの時代が到来した。工業インターネットの本質とコアは、工業インターネットプラットフォームを介して、機器、生産ライン、工場、サプライヤー、製品及び顧客を緊密に繋がって融和することである。製造業が産業チェーンを延長し、クロスデバイス、クロスシステム、クロス工場、クロス地域の相互接続を形成するのに役立ち、それによって効率が向上し、製造サービスシステム全体のインテリジェント化が促進される。ただし、モノのインターネットと工業インターネットにおけるデバイスとデバイス、デバイスとセンサー、センサーとセンサー、デバイスと計器、デバイスとクラウドネットワークなどの間の相互接続は、データの遣り取りに基づき、異なるデバイス間のデータの自動認識と自動解析は、モノのインターネットと工業インターネットにとって最優先事項である。従って、データの相互接続を実現するソリューションを提案する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の問題に鑑みて、本発明は、モノのインターネットにおけるデータ伝送の互換性及び相互運用性を達成するためのデータ伝送方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明の第一様態が提供するデータ伝送方法は、予め設定されたデータヘッダに基づいて収集したデータを構造化して記述し、且つ構造化記述されたデータを予め設定された対象装置に伝送するステップを含み、前記予め設定されたデータヘッダに基づいて収集したデータを構造化して記述することは、
収集したデータが数値型データか又は制御型データかを判断するステップを含み、
前記データが数値型データである場合には、数値型の第一データヘッダに基づいて前記データを構造化して記述し、前記数値型の第一データヘッダのフォーマットは、データID、データの種類、データの名称、データの説明、データが属するデータグループのID、データのタイプ、データ計量単位、データのバイト長を含み、
前記データが制御型データである場合には、前記制御型の第一データヘッダに基づいて前記データを構造化して記述し、前記制御型の第一データヘッダのフォーマットは、データID、データの種類、カスタムエニュメレート・タイプ(コマンドタイプ)、制御コマンドの名称、制御コマンドの機能説明、制御コマンド、対象装置のID、コマンドインターフェース、コマンドパラメータの数、及びコマンドパラメータを含み、
第二データヘッダに基づいて、前記制御型の第一データヘッダ又は前記数値型の第一データヘッダによって構造化記述された後のデータをさらに構造化記述して、第一目標データを取得し、前記第二データヘッダのフォーマットは、デバイスのID、デバイスのタイプ、デバイスの名称及びデバイスの機能を含む。
【0005】
好ましくは、前記方法は、第三データヘッダに基づいて前記第一目標データを構造化して記述して、第二目標データを取得するステップをさらに含み、前記第三データヘッダは、生産プロセス情報を説明するために用いられる。
【0006】
好ましくは、前記第三データヘッダのフォーマットは、
製品名、プロジェクト名、工芸番号、生産ライン番号、及び
プロジェクト、部門、工芸名、工芸番号、及び
プロジェクト、部門、製品名、製品番号、及び
製品番号、プロジェクト、部門、生産ライン番号、及び
製品又はプロジェクト又は部門、工芸名又は工芸番号の中の何れか一種を含む。
【0007】
好ましくは、前記方法は、第四データヘッダに基づいて前記第一目標データを構造化して記述するステップをさらに含み、前記第四データヘッダのフォーマットは、製品のタイプ、産業分野、会社の名称、会社の住所を含む。
【0008】
好ましくは、前記方法は、第四データヘッダに基づいて前記第二目標データを構造化して記述するステップをさらに含み、前記第四データヘッダのフォーマットは、製品のタイプ、産業分野、会社の名称、会社の住所を含む。
【0009】
また、本発明の第二様態が提供するデータ伝送方法は、
データを送信/受信するステップを含み、前記データは、データ内容、第一データヘッダ及び第二データヘッダを含み、前記第一データヘッダは、数値型データヘッダ又は制御型データヘッダであり、前記数値型データヘッダのフォーマットは、データのID、データの種類、データの名称、データの説明、データが属するデータグループのID、データタイプ、データ計量単位及びデータのバイト長を含み、前記制御型データヘッダのフォーマットは、データのID、データの種類、カスタムエニュメレート・タイプ、制御コマンドの名称、制御コマンドの機能説明、制御コマンド、対象装置のID、コマンドのインターフェース、コマンドパラメータの数及びコマンドパラメータを含み、前記第二データヘッダは、デバイスのID、デバイスのタイプ、デバイスの名称及びデバイスの機能を含む。
【0010】
好ましくは、前記データは、第三データヘッダをさらに含み、前記第三データヘッダのフォーマットは、
製品名、プロジェクト名、工芸番号、生産ライン番号、及び
プロジェクト、部門、工芸名、工芸番号 、及び
プロジェクト、部門、製品名、製品番号 、及び
製品番号、プロジェクト、部門、生産ライン番号、及び
製品又はプロジェクト又は部門、工芸名又は工芸番号の中の何れか一種を含む。
【0011】
好ましくは、前記データは、第四データヘッダをさらに含み、前記第四データヘッダのフォーマットは、製品のタイプ、産業分野、会社の名称及び会社の住所を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によって提供されるデータ伝送方法は、モノのインターネットにおける伝送されようとするデータを、予め設定されたデータヘッダフォーマットに従って構造化して記述することにより、モノのインターネットにおける様々な種類のデータの自動識別と自動解析を可能にし、モノのインターネットにおける様々な異なるデバイスとデバイスの間、デバイスとセンサーの間、センサーとセンサーの間、デバイスと計器の間、デバイスとクラウドネットワークの間などの各方面の相互接続を実現する。さらに、データの相互接続によって、工業、農業、漁業、採鉱業、軽工業、交通管理、スマートシティなどの各分野の各種データ間の自動識別と解析が可能になり、各産業の発展を広範的に促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態が提供するデータ伝送方法のアプリケーション環境アーキテクチャの模式図である。
図2】本発明の一実施形態が提供するデータ伝送方法のフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態が提供するデータを構造化して記述する方法のフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態が提供する構造化記述されたデータの構造を示す図である。
図5】本発明のもう1つの実施形態が提供するデータ伝送方法のフローチャートを示す図である。
図6】本発明のもう1つの実施形態が提供する構造化記述されたデータの構造概略図である。
図7】本発明のさらに1つの実施形態が提供する構造化記述されたデータの構造概略図である。
図8】本発明のさらに1つの実施形態が提供する構造化記述されたデータの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の上記の目的、特徴及び利点をより明確に理解できるようにするために、本発明を、図面及び特定の実施形態を参照して以下に詳細に説明する。本願の実施形態及び実施形態における特徴を、矛盾がない場合には、互いに組み合わせることができることに留意されたい。
【0015】
以下の説明では、本発明を完全に理解するために多くの特定の詳細が述べられているが、説明される実施形態は、本発明の実施形態の一部にすぎず、全ての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づいて、創造的な努力をすることなく当業者によって得られる他の全ての実施形態も、本発明の保護範囲内に属する。
【0016】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書の説明で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
【0017】
本発明の一実施形態によるデータ伝送方法のアプリケーション環境アーキテクチャの概略図は、図1により示されている。
【0018】
本実施形態では、前記データ伝送方法が通信システム100に適用される。前記通信システム100は、データ収集ユニット11、ゲートウェイユニット12及びデータプラットフォーム13を含むが、これらに限定されない。前記通信システム100は、モノのインターネット分野の通信システムであり得るが、これに限定されない。例えば、産業用モノのインターネット、農業用モノのインターネット、漁業用モノのインターネット、採鉱用モノのインターネット、軽工業、交通管理、スマートシティなどの各分野に適用される通信システムであることができる。
【0019】
データ収集ユニット11は、複数の異なるタイプのデータ収集デバイス111を含むことができ、例えば、センサ、計器、無線周波数タグ、プログラマブルロジックコントローラシステム(Programmable Logic Controller,PLC)などの現場データ収集装置を含むことができ、データ収集と監視制御システム(Supervisory Control And Data Acquisition,SCADA)などが含まれてもよい。データ収集ユニット11は、様々なデータソースからデータを取得するために使用される。例を挙げて言うと、インダストリアルインターネットの場合、前記データソースは、原材料、生産設備、生産環境などの工業生産リソース、又は企業情報システムなどのビジネス関連のビジネス管理データを生成するためのデータソースである。前記データ収集ユニット11が収集するデータには、デバイスの運転パラメータデータ、稼働状況パラメータ、環境パラメータデータ等の各種データが含まれるが、本発明は特にこれに対して限定するものがない。
【0020】
前記ゲートウェイユニット12は、前記データ収集ユニット11とデータプラットフォーム13との間の通信接続を確立するために使用される。前記ゲートウェイユニット12は、複数の階層のサブゲートウェイを含み、各階層のサブゲートウェイには、複数のゲートウェイデバイス12aが含まれている。第一階層のサブゲートウェイ中のゲートウェイデバイス12aは、前記データ収集ユニット11に接続され、前の階層のサブゲートウェイ中の複数のゲートウェイデバイス12aは、後の階層のサブゲートウェイ中の1つのゲートウェイデバイス12aに接続される。例えば、図1に示すように、前記ゲートウェイユニット12は、第一層のサブゲートウェイと第2層のサブゲートウェイを含み、第一層のサブゲートウェイ中の各ゲートウェイデバイス12aは、データ収集ユニット11に接続されている。 また、前記第一層のサブゲートウェイ中の複数のゲートウェイデバイス12aは、第二層のサブゲートウェイ中の1つのゲートウェイデバイス12aに接続され、前記第二層のサブゲートウェイ中の全てのゲートウェイデバイス12aは、データプラットフォーム13に接続される。
【0021】
前記データ収集ユニット11によって収集されたデータがゲートウェイユニット12を介して前記データプラットフォーム13に送信される過程において、構造化記述が予め設定された規則に従って実行される。構造化記述されたデータは、前記データプラットフォーム13に集まり、データ取引、交換、共有、製品情報トレースなどの様々なアプリケーションに使用される。
【0022】
前記通信システム100によるデータの送信中に、予め設定された規則に従って構造化記述されたデータは、モノのインターネットにおける様々なタイプのデータの自動識別と解析、並びにモノのインターネットにおける様々なデバイスとデバイスの間、デバイスとセンサーの間、センターとセンサーの間、デバイスと計器の間、デバイスとクラウドネットワークの間などの各方面の相互接続を実現することができる。ひいては、データの相互接続により、工業、農業、漁業、採鉱業、軽工業、交通管理、スマートシティなどの各分野における様々なデータ間の自動識別と解析を広範的に実現して、各産業の発展を促進することができる。
【0023】
以下、図2を参照して、本発明のデータ伝送方法について具体的に説明する。 図2は、本発明の一実施形態によるデータ伝送方法のフローチャートである。異なるニーズに応じて、当該フローチャートのステップの順序を変更したり、一部のステップを省略したりすることができる。説明を簡単にするために、本発明の実施形態に関連する部分のみが示されている。
【0024】
図2に示すように、前記データ伝送方法は、以下のステップを含む。
【0025】
ステップS1では、データを収集する。
【0026】
前記データは、システムプラットフォーム、センサー、デバイス、計器、機器などのデータ収集ユニット11によって収集されたものであるのが可能である。また、前記データは、数値型のデータ又は制御型データであり得る。
【0027】
数値型データとは、採取したデータが数値、例えば温度センサーが採取した温度値などである。
【0028】
制御型データとは、他のデバイスを制御するための関連データを指す。例えば、他のプラットフォーム、センサー、計器、機器、デバイスなどを制御するための制御コマンド、制御コマンドパラメータ、対象装置のID番号、対象装置のインターフェイスなどを指す。
【0029】
幾つかの好適な実施形態では、収集されたデータには不完全なデータ、重複データ、デフォルトデータ、冗長データなどの問題があり得るので、これらのデータに基づく分析はエラーの結果を生じる可能性がある。従って、前記方法は、収集されたデータを洗浄及び/又はコンプライアンスチェックすることをさらに含む。
【0030】
一実施形態では、収集されたデータを洗浄することは、予め設定された洗浄規則アルゴリズムに基づいて収集したデータに対して冗長除去、障害除去、ノイズ除去処理を行うことを含む。前記予め設定された洗浄規則アルゴリズムは、欠落値を削除する方法、平均値補填法又はホットカード補填法であってもよい。前記欠落値を削除する方法は、データに欠落値が出るサンプルを直接廃棄することであり、前記平均値補填法は、収集したデータの中で欠落値の属性関連係数が一番大きい属性に基づいてデータを幾つかのグループに分けて、それぞれのグループの平均値を計算し、且つこれらの平均値を欠落値の数値の中に入れる。前記ホットカード補填法は、データベースの中で欠落値と似たオブジェクトを見つけて、このオブジェクトの値を欠落値の数値の中に塗りつぶす。本実施形態では、データ洗浄は、予め定義された分類規則及び処理後の前記データの特徴に基づいて、処理後の前記データを分類して集約して、1つのグループ又は複数のグループの同じクラスの特徴を持つデータセットを得ることをさらに含む。
【0031】
一実施形態では、前記データに対してコンプライアンスチェックすることは、数値範囲チェックとフィールド長チェックとを含むことができる。もし、チェックにおいて不正なデータがあると確認されたら、今回のデータを破棄する。
【0032】
ステップS2では、予め設定されたデータヘッダに基づいて、前記収集したデータを構造化して記述し、且つ構造化記述されたデータを予め設定された対象装置に伝送する。
【0033】
図3及び図4を合わせて、データヘッダに基づいて前記データを構造化して記述する方法について具体的に説明する。図3に示すように、本実施形態では、予め設定されたデータヘッダに基づいて前記データを構造化処理することは、以下のステップを含む。
【0034】
ステップS201では、収集したデータが数値型データか又は制御型データかを判断し、前記データが数値型データである場合には、ステップS202を実行し、前記データが制御型データである場合には、ステップS203を実行する。
【0035】
システムプラットフォーム、センサー、デバイス、計器及び機器などのデータ収集ユニット11から採取したデータは、一般的に2つの種類がある。1つは、数値型のデータであり、データの内容は具体的な数値である。例えば、温度センサーが採取した温度値、湿度センサーが採取した湿度値などの数値データである。もう1つは、制御型データであり、他のデバイス(プラットフォーム、センサー、計器、デバイスなどを含むが、これらに限定されず)に対する制御指令を指す。数値型データと制御型データの内容が異なるため、数値型データと制御型データには異なるフォーマットのデータヘッダ0を採用する。
【0036】
ステップS202では、数値型データヘッダ0に基づいて、前記データを構造化して記述する。そのうち、数値型データヘッダ0のフォーマットは、データID、データの種類、データの名称、データの説明、データが属するデータグループのID、データのタイプ(数値型)、データ計量単位、データのバイト長を含むが、これらに限定されない。
【0037】
ここで、データIDは、データの唯一の識別子であり、前記データが属するデータグループのIDは、前記データが属するデータグループの唯一の識別子であり、1つのデータグループには、1つ又は複数のデータが含まれてもよい。
【0038】
他の実施形態では、前記数値型データヘッダ0のフォーマットは、データ値の上限、データ値の下限、データの中心値、収集データの欠落識別情報、データオーバーランのマーク、データのデフォルトのアクセス属性(R:読み取り専用、W:書き込みのみ、RW:読み書き)、データの生成時間、及びカスタム属性などをさらに含むことができる。
【0039】
例えば、1つの番号が20190828Tsensоrである湿度センサに対して、1つ又は一日間の複数のデータを収集した後、前記データをデータヘッド0に従って構造化して記述した後、前記データに対して、データID、データの種類、データの名称、データの説明、データが属するデータグループのID、データのタイプ(数値型)、データ計量単位、データのバイト長などの属性を追加する。
【0040】
本実施形態では、同じデバイスで採集した一連のデータに対して、データの異なる属性に応じて、データヘッダ0中の属性の内容は同じであっても良いし、異なっていても良い。例えば、前記データヘッダ0が温度センサーが採取したある地域の温度データの説明に使う場合、昼間の温度上限値/下限値と夜の温度上限値/下限値が異なると、昼間に伝送されるデータに対応するデータヘッダ0中のデータ値上限と、夜に伝送時に対応するデータヘッダ0中のデータ値上限が異なる。
【0041】
ステップS203では、制御型データヘッダ0に基づいて、前記データを構造化して記述する。ここで、前記制御型データヘッダ0のフォーマットは、データID、データの種類、カスタムエニュメレート・タイプ(コマンドタイプ)、制御コマンドの名称、制御コマンドの機能説明、制御コマンド、対象装置のID、コマンドインターフェース、コマンドパラメータの数、及びコマンドパラメータを含むが、これらに限定されない。例えば、前記コマンドパラメータの数がnであると、前記コマンドパラメータは、コマンドパラメータ1、……コマンドパラメータnを含む。また、前記コマンドパラメータの数nは、1より大きいか又は1に等しい正の整数である。
【0042】
前記数値型データヘッダ0と前記制御型データヘッダ0は、コアデータの構造的記述である。
【0043】
ステップS204では、前記データヘッド0により構造化記述されたデータの前にデータヘッダ1を追加して、第一目標データを得る。ここで、前記データヘッダ1のフォーマットは、デバイスのID、デバイスのタイプ、デバイスの名称及びデバイスの機能を含む。
【0044】
一実施形態では、データヘッド1は、データグループに対する記述であり、1つのデータグループの中には複数のデータが含まれてもよい。
【0045】
同じデバイスで採集した一連のデータを第一層ゲートウェイを介して送信する前に、前記データヘッダ1を追加する。同じデバイスに対して、デバイスによって生成される全てのデータに追加したデータヘッダ1は同じであり、前記データを生成するデバイスの関連情報を表すことに用いられる。
【0046】
幾つかの実施形態では、前記構造化記述されたデータは、収集されたデータ、前記データヘッダ0及びデータヘッダ1のみを含むことができる。ここで、前記データヘッダ0は、コアデータに対する記述であり、前記データヘッダ1は、データが属するデータグループに対する記述である。
【0047】
他の実施形態では、収集されたデータをデータヘッダ0とデータヘッダ1によって構造化記述した後、一階層のサブゲートウェイを介して伝送する毎に、前記構造化記述されたデータの中に当該階層のサブゲートウェイに対応するデータヘッダを追加する。例えば、同じワークショップの異なるデバイスで生成されたデータは、サブゲートウェイを介して会社全体の対応する総ゲートウェイに集まる前に、ワークショップ、生産ラインなどのフローデータ情報を記述するためのデータヘッダを追加することによって、データを再度に構造化記述する。会社全体のあらゆるデータを総ゲートウェイを通じてデータプラットフォーム13に送信して、まとめて、データの取引と共有を実現する前に、産業タイプ、産業分野、社名、会社の住所などのデータソース情報を記述するためのデータヘッダを追加する。
【0048】
具体的には、本実施形態では、予め設定されたデータヘッダに従って前記データを構造化記述することは、さらに以下のステップを含む。
【0049】
ステップS205では、第一層サブゲートウェイを介して前記第一目標データを伝送する場合、データヘッド2に基づいて前記第一目標データを構造化して記述し、第二目標データを得る。ここで、前記データヘッダ2は、生産プロセス情報を記述するために使用される。
【0050】
一実施形態では、前記データヘッド2は、製品名、プロジェクト名、工芸番号、生産ライン番号を含む。
【0051】
一実施形態では、前記データヘッド2は、プロジェクト、部門、工芸名、工芸番号を含む。
【0052】
一実施形態では、データヘッダ2は、プロジェクト、部門、製品名、製品番号を含む。
【0053】
他の実施形態では、前記データヘッド2は、製品番号、プロジェクト、部門、生産ライン番号を含む。
【0054】
さらに他の実施形態では、前記データヘッド2は、製品/プロジェクト/部門、工芸名/工芸番号を含む。
【0055】
同じ工場、同じワークショップ、同じ部門の異なるデバイスで生成されたデータは、第一層サブゲートウェイを介して次の階層のサブゲートウェイに送信される前に、前記データヘッド2によってデータを構造化して記述し、前記データに対応する製品名、プロジェクト名、プロセス情報、生産ライン情報などを説明するために用いられる。
【0056】
例を挙げて言えば、携帯電話の加工工場に対して、ファーウェイ携帯電話HUAWEI Mate20の加工過程は、ハウジング加工、電子部品の組立テスト、製品包装との3つの部分に分けられる。ハウジング加工データ、電子部品の組立テストデータ及び包装データは、それぞれハウジング加工デバイス、組立テストデバイス、製品包装デバイスによって取得できる。すると、各装置が取得したデータがそれぞれデータヘッド0とデータヘッド1によって構造化記述された後に、ハウジング加工データの前に追加されたデータヘッド2のフォーマットは、「HUAWEI Mate20_ハウジング加工_生産ライン5」であり、電子部品の組立テストデータの前に追加されたデータヘッド2のフォーマットは、「HUAWEI Mate20_電子部品組立テスト_生産ライン2」であり、包装データの前に追加されたデータヘッド2のフォーマットは、「HUAWEI Mate20_包装_生産ライン1」である。
【0057】
本実施形態では、前記方法はさらに以下のステップを含む。
【0058】
ステップS206では、第二層サブゲートウェイを介して前記第二目標データを伝送した後、データヘッド3に基づいて前記第二目標データを構造化して記述する。ここで、前記データヘッダ3は、製品のタイプ、産業分野、会社の名称、会社の住所を含むが、これらに限定されない。
【0059】
例えば、中国深センのある3D金属印刷材料会社の生産加工データとテストデータにとって、第二層サブゲートウェイを介して前記第二目標データを伝送した後、前記第二目標データの中に追加されるデータヘッド3の内容は、「金属材料_生産_xxx材料会社_中国深セン」などの属性情報である。
【0060】
前記データは、前記データヘッド0、前記データヘッド1、前記データヘッド2及び前記データヘッド3によって構造化記述された後に、対象装置に送信され、例えば、様々なデータを集めて、交換、共有及び取引するためのデータプラットフォーム13に送信される。図4は、本発明の一実施形態における構造化記述されたデータの構造概略図である。
【0061】
また、幾つかの実施形態では、データヘッド0及びデータヘッド1に基づいてデータを構造化して記述した後、直接に前記データヘッド3に基づいて構造化して記述し、前記データヘッド2を追加しなくてもよい。幾つかの実施形態では、データヘッド0及びデータヘッド1に基づいてデータを構造化して記述した後、さらにデータヘッド2によって構造化記述された後、前記データヘッド3の構造的記述を経ずに対象装置に直接に送信しても良い。
【0062】
本発明の一実施形態では、前記データを構造化して記述する第一方法は、次の通りである。データヘッドの構造化記述内容をデータの前に設定し、且つ設定された対象装置に同時に伝送することである。従来の通信プロトコルにおけるデータフォーマットと同様に、データを伝送するとともに、これらのデータに関連するデータ構造化記述属性も提供される。前記データを使用する場合は、まず構造化記述ファイルに基づいてデータを受信して説明する。このような方式によるデータの伝送量が比較的に小さいが、前記データを使用する場合に、データヘッダに基づいてデータを解析する必要がある。
【0063】
本発明の他の実施形態では、前記データを構造化して記述する第二方法は、次の通りである。データを直接にデータヘッダのフォーマットに従って変換し、各データには、データ構造化記述属性が含まれており、即ち、直接にデータベースでデータ及び構造化記述属性を記憶して伝送することである。ユーザーが使用する時に、データの構造化記述に従って直接使用することができ、余分なデータ解析を必要としない。しかし、このような方式によるデータの伝送量は、わりに大きい。
【0064】
本発明のさらに他の実施形態では、前記第一種及び第二種のデータ構造化記述方法を組み合わせても良い。
【0065】
本発明の実施形態では、Jason又はXMLを構造化記述のプログラム言語とすることにより、データの構造化定義及び記述に汎用性と使い易さを持たせる。
【0066】
本発明の他の実施形態においては、他のプログラム言語を構造化記述の言語としても良い。
【0067】
図5に示すように、本発明の他の実施形態が提供するデータ伝送方法のフローチャートは、以下のステップを含む。
【0068】
ステップS501では、データを送信/受信する。前記データは、データ内容、データヘッダ0及びデータヘッダ1を含み、前記データヘッダ0は、数値型データヘッダ0又は制御型データヘッダ0であり、前記数値型データヘッダ0のフォーマットは、データのID、データの種類、データの名称、データの説明、データが属するデータグループのID、データのタイプ(数値タイプ)、データ計量単位、データのバイト長を含む。前記制御型データヘッダ0のフォーマットは、データのID、データの種類、カスタムエニュメレート・タイプ(コマンドタイプ)、制御コマンドの名称、制御コマンドの機能説明、制御コマンド、対象装置のID、コマンドのインターフェース、コマンドパラメータの数及びコマンドパラメータを含む。前記データヘッダ1は、デバイスのID、デバイスのタイプ、デバイスの名称及びデバイスの機能を含む。前記データフォーマットは、図6に示す通りである。
【0069】
一実施形態では、前記データは、図7に示すように、前記データヘッダ0及び前記データヘッダ1を含むことに加えて、データヘッダ2をさらに含む。ここで、前記データヘッダ2は、以下の何れか一種を含むが、これらに限定されない。
【0070】
製品名、プロジェクト名、工芸番号、生産ライン番号。
プロジェクト、部門、工芸名、工芸番号。
プロジェクト、部門、製品名、製品番号。
製品番号、プロジェクト、部門、生産ライン番号。
製品又はプロジェクト又は部門、工芸名又は工芸番号。
【0071】
一実施形態では、前記データは、図8に示すように、前記データヘッダ0及び前記データヘッダ1を含む以外に、データヘッダ3をさらに含む。ここで、前記データヘッダ3は、製品のタイプ、産業分野、会社の名称、会社の住所を含むが、これらに限定されない。
【0072】
一実施形態において、前記データは、図4に示すように、前記データヘッダ0と、前記データヘッダ1と、前記データヘッダ2と、前記データヘッダ3と、を含む。
【0073】
本発明によって提供されるデータ伝送方法は、モノのインターネットにおける伝送されようとするデータを、予め設定されたデータヘッダフォーマットに従って構造化して記述することにより、モノのインターネットにおける様々な種類のデータの自動識別と自動解析を可能にし、モノのインターネットにおける様々な異なるデバイスとデバイスの間、デバイスとセンサーの間、センサーとセンサーの間、デバイスと計器の間、デバイスとクラウドネットワークの間などの各方面の相互接続を実現する。さらに、データの相互接続によって、工業、農業、漁業、採鉱業、軽工業、交通管理、スマートシティなどの各分野の各種データ間の自動識別と解析が可能になり、各産業の発展を広範的に促進することができる。
【0074】
最後に、以上の実施形態は、本発明の技術的な態様を説明するためにのみ使用され、本発明を限定するものではなく、より良い実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、本発明の技術的な態様を修正又は同等に置換して得られた態様も、本発明の技術的な態様の精神的及び範囲から逸脱しないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8