特許第6971024号(P6971024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971024
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】洗面器及び洗面器の設置構造
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   A47K1/00 Q
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-236863(P2016-236863)
(22)【出願日】2016年12月6日
(65)【公開番号】特開2018-89245(P2018-89245A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2019年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】三井 敦
(72)【発明者】
【氏名】大河内 優至
(72)【発明者】
【氏名】齋田 守
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−118181(JP,A)
【文献】 特開2002−263016(JP,A)
【文献】 特開2011−015750(JP,A)
【文献】 特開2009−011648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面ボウル部と、
前記洗面ボウル部の手前側及び両側方側に連設されるとともに、下端部で支持部材に載置される外側部と、
前記洗面ボウル部の奥側に設けられて前記支持部材に固定される固定部と、を備え、
前記固定部において固定具を用いて前記支持部材に支持固定され、
前記洗面ボウル部に形成された排水口の中心を含み左右方向に平行な鉛直面での断面において前記支持部材の表面の延長線と前記洗面ボウル部の内面との交点を特定点とすると、前記固定具の少なくとも一部は、前記特定点よりも内側に位置していることを特徴とする洗面器。
【請求項2】
前記固定具は、頭部と、該頭部に連結された棒部と、を備え、
前記頭部は、前記固定部の上方に形成された中空部内に配置され、
前記棒部は、前記固定部に形成された長孔を貫通して前記支持部材の下方に延びている請求項に記載の洗面器。
【請求項3】
洗面器と、
支持部材と、を備え、
前記洗面器は、
洗面ボウル部と、
前記洗面ボウル部の手前側及び両側方側に連設されるとともに、下端部で前記支持部材に載置される外側部と、
前記洗面ボウル部の奥側に設けられて前記支持部材に固定される固定部と、を備え、
最も手前側に位置する前記固定部は、前記洗面ボウル部に形成された排水口よりも奥側に設けられ、
前記支持部材は、前記洗面器を取付けるための取付開口部が形成され、
前記取付開口部は、奥側開口部と、該奥側開口部よりも幅広に形成され前記洗面ボウル部が配置される手前側開口部と、を有することを特徴とする洗面器の設置構造。
【請求項4】
洗面器と、
支持部材と、を備え、
前記洗面器は、
洗面ボウル部と、
前記洗面ボウル部の手前側及び両側方側に連設されるとともに、下端部で前記支持部材に載置される外側部と、
前記洗面ボウル部の奥側に設けられて前記支持部材に固定される固定部と、を備え、
前記固定部において固定具を用いて前記支持部材に支持固定され、
前記固定具は、頭部と、該頭部に連結された棒部と、を備え、
前記頭部は、前記固定部の上方に形成された中空部内に配置され、
前記棒部は、前記固定部に形成された長孔を貫通して前記支持部材の下方に延び、
前記支持部材は、前記洗面器を取付けるための取付開口部が形成され、
前記取付開口部は、奥側開口部と、該奥側開口部よりも幅広に形成され前記洗面ボウル部が配置される手前側開口部と、を有することを特徴とする洗面器の設置構造。
【請求項5】
請求項1または2に記載の洗面器と、前記支持部材とを備え、
前記支持部材は、前記洗面器を取付けるための取付開口部が形成され、
前記取付開口部は、奥側開口部と、該奥側開口部よりも幅広に形成され前記洗面ボウル部が配置される手前側開口部と、を有することを特徴とする洗面器の設置構造。
【請求項6】
前記固定部に対向する前記支持部材の取付面が、前記取付開口部の両側方側から内側に突出して形成されている請求項に記載の洗面器の設置構造。
【請求項7】
前記固定部において固定具を用いて前記支持部材に支持固定され、
前記洗面ボウル部に形成された排水口の中心を含み左右方向に平行な鉛直面での断面において前記支持部材の表面の延長線と前記洗面ボウル部の内面との交点を特定点とすると、前記固定具の少なくとも一部は、前記特定点よりも内側に位置している請求項に記載の洗面器の設置構造
【請求項8】
前記固定部において固定具を用いて前記支持部材に支持固定され、
前記固定具は、頭部と、該頭部に連結された棒部と、を備え、
前記頭部は、前記固定部の上方に形成された中空部内に配置され、
前記棒部は、前記固定部に形成された長孔を貫通して前記支持部材の下方に延びている請求項に記載の洗面器の設置構造
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面器及び洗面器の設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種のキャビネットやカウンター等の支持部材に洗面器が取り付けられた洗面器の設置構造は種々存在する(例えば、特許文献1参照)。近年、支持部材の上面に洗面器を載置したような外観が得られるベッセル式の陶器製洗面器を用いた設置構造も採用されている。
【0003】
例えば、図7図8に示すように、従来のベッセル式の洗面器110は、支持部材120の略矩形状に形成された取付開口部121に洗面ボウル部111を対向配置するように取り付けられている。
洗面ボウル部111の手前側及び両側方側には洗面器110の縁部に相当するリム112が形成されている。リム112の下端には洗面器110を支持部材120上に載置させるための載置部112bが形成されている。また、載置部112bに隣接する位置において、洗面器110と支持部材120とが固定具115aを用いて固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−58402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のベッセル式の洗面器110では、両側方側において支持部材120と固定する固定部115を形成していたため、リム112の幅が広く設けられていた。そのため、洗面ボウル部111の内側面111cの周縁近傍が穏やかな勾配で形成されているなど、洗面ボウル部111の周縁部が厚肉に形成されていた。一方、近年ではデザイン性を重視するために、洗面ボウル部の周縁部が薄肉で、よりスタイリッシュなデザインにしたいとの要望がある。
ところが、洗面器110は陶器製であり、リム112の下方には載置部112bや固定具115aを取り付けるための固定部115等を形成する必要があったため、周縁部の形状の変更は容易でなく、デザインの自由度に制限があった。
【0006】
そこで本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、洗面ボウル部およびその周縁のデザインの自由度を向上することが可能な洗面器及び洗面器の設置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の洗面器は、洗面ボウル部と、前記洗面ボウル部の手前側及び両側方側に連設されるとともに、下端部で支持部材に載置される外側部と、前記洗面ボウル部の奥側に設けられて前記支持部材に固定される固定部と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明の洗面器によれば、洗面ボウル部の手前側及び両側方側に形成された外側部が下端部で支持部材に載置され、洗面ボウル部の奥側に設けられた固定部が支持部材に固定されている。そのため、洗面ボウル部の手前側や両側方側には固定部等の幅広のスペースを要する部位が不要となる。これにより、外側部(リム)の厚みを大幅に薄肉にすることができる。また、外側部の厚みを薄肉にすることができるため、洗面ボウル部の内面における周縁部の傾斜角度を大きくすることができる。
したがって、洗面ボウル部の周縁が薄肉に形成されたデザインを容易に実現でき、洗面ボウル部およびその周縁のデザインの自由度を向上することが可能な洗面器を提供することができる。
【0009】
上記課題を解決する本発明の洗面器の設置構造は、上述の洗面器と、前記支持部材とを備え、前記支持部材は、前記洗面器を取付けるための取付開口部が形成され、前記取付開口部は、奥側開口部と、該奥側開口部よりも幅広に形成され前記洗面ボウル部が配置される手前側開口部と、を有することを特徴としている。
【0010】
このような洗面器の設置構造によれば、上述した手前側および両側方側の外側部が薄肉で形成された洗面器を用いるため、従来と外形寸法が同じ洗面器と比較した場合、外側部における支持部材に支持される箇所が外側に位置することになる。そのため、手前側開口部の開口幅を大きく確保しても洗面器を支持部材に載置することが可能となる。その結果、手前側開口部の面積を大きく形成することができるため、従来に比べて容積の大きい洗面ボウル部を形成することが可能となる。
【0011】
また、本発明の洗面器の設置構造では、前記固定部に対向する前記支持部材の取付面が、前記取付開口部の両側方側から内側に突出して形成されていてもよい。
このような洗面器の設置構造によれば、洗面器の固定部に対向する取付面が取付開口部の両側方側から内側に突出して設けられているため、水栓を挟んで両側方側で洗面器を支持部材に固定することができる。そのため、洗面器を安定して支持部材に支持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、洗面器を支持部材に固定する固定部を洗面ボウル部の奥側に設けたため、洗面ボウル部およびその周縁のデザインの自由度を向上することが可能な洗面器及び洗面器の設置構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る洗面器の設置構造を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る洗面器の設置構造を示す平面図である。
図3】本発明の実施形態に係る洗面器の底面を示す斜視図である。
図4図2のA−A断面図である。
図5図2のB−B断面図である。
図6図2のC−C断面図である。
図7】従来のベッセル式洗面器の設置構造を示す平面図である。
図8図7のD−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る洗面器の設置構造を示す斜視図であり、図2はその平面図であり、図3は洗面器の底面を示す斜視図であり、図4図2のA−A断面を示し、図5図2のB−B断面を示し、図6図2のC−C断面図を示す。
図1及び図2に示すように、本実施形態の洗面器10の設置構造は、洗面器10がカウンターなどからなる支持部材20に支持されて構成されている。
なお、本実施形態においては、使用者が洗面器10の前に位置した際に使用者に近い側を手前側とし、反対側の遠い側を奥側とする。また、洗面器10の手前側と奥側との間に連なる部分を側方とする。
【0015】
洗面器10は、洗面ボウル部11と、洗面ボウル部11の手前側及び両側方側に連設された外側部12と、洗面ボウル部11の奥側、即ち、鏡やキャビネットなどが配される壁13側に設けられて支持部材20との固定部15(詳細は後述する)が形成された奥部14と、を有している。洗面器10は陶器製であり、洗面ボウル部11、外側部12、奥部14は一体に形成されている。
【0016】
洗面ボウル部11は、平面視で略四角形状に形成されている。また、図4に示すように、底面部11a及び周縁部11bが連続して形成され、洗面ボウル部11の内側面11cが連続した凹形状に形成されている。周縁部11bは四方に急勾配に立ち上がるように形成され、周縁部11bの頂部11dが略一定高さに、かつ、環状に連続形成されている。底面部11aには、排水口11eが形成され、周縁部11bから排水口11eまでが下り勾配に形成されている。
【0017】
外側部12は、洗面ボウル部11の手前側及び両側方側に連続して設けられており、洗面器10の縁部を構成している。外側部12の頂部12dは、洗面ボウル部11の周縁部11bの頂部11dと同じ位置として構成されているとともに、外側部12の内側面12eは、洗面ボウル部11の周縁部11b(内側面11c)と同じ位置として構成されている。外側部12の外周面12cは、洗面器10を支持部材20に設置したときに略鉛直面となるように形成されている。外側部12の内側面12eと外周面12cとの間には、中空部12fが形成されている。なお、外側部12の外周面12cは鉛直方向に形成されていても、鉛直方向に対して正負何れかに勾配を有していてもよい。
ここで、洗面ボウル部11の周縁であって、洗面ボウル部11の頂部11d(12d)、周縁部11bの上部、および外側部12の外周面12cの上部で構成される箇所がリム30に相当する。
【0018】
図3図4に示すように、外側部12の下端には、洗面ボウル部11の外側面11fと連結一体化された連結部12aが形成されている。連結部12aには、支持部材20に載置される載置部12bが形成されている。載置部12bは、連結部12aから若干下方に突出した平坦面として形成されている。載置部12bは、支持部材20に直接当接して載置されてもよく、パッキンやコーキング剤等を介して載置されてもよい。なお、支持部材20の上面における載置部12bに対向する位置に凹部を形成し、該凹部に載置部12bを嵌合するようにして載置してもよい。
【0019】
本実施形態では、載置部12bが外側部12に沿って洗面ボウル部11の手前側及び両側方側に連続して幅細に形成されている。ここで、載置部12bの幅は例えば10mm以下に設定されている。
外側部12は、載置部12bが支持部材20に載置された状態で、支持部材20上に配置された洗面ボウル部11の外側面11fを外部から視認不能に覆うように形成されている。
【0020】
図6に示すように、奥部14は、洗面ボウル部11の周縁部11bの頂部11dから連設するように一体に形成され、頂部11dの高さで奥側、即ち壁13側に延びる上面部14aと、上面部14aの奥側端部から下方に延びる背面部14bと、背面部14bの下端から略水平方向に延びる連結部14dと、を有している。
【0021】
図1図2に示すように、奥部14の上面部14aには、幅方向の略中間部分に各種の水栓や排水弁操作部などが配置される水栓設置部14cが設けられている。水栓設置部14cは後述する両側方側の固定部15,15間に設けられている。
【0022】
背面部14bは、図5図6に示すように、洗面ボウル部11の両側方側にそれぞれ形成されている。各背面部14bの下端には、洗面ボウル部11の外側面11fと連結一体化された連結部14dが連設されている。
【0023】
連結部14dは、略水平方向に延出した板状に形成されている。連結部14dには、支持部材20に載置される載置部14eと、載置部14eより上方に位置し固定具15aが装着される固定部15と、が形成されている。載置部14e及び固定部15は洗面ボウル部11の外側面11fよりも奥側に設けられている。載置部14eは、外側部12の載置部12bと面一になるように形成されている。また、奥部14の両側方側の端面14fは、外側部12の外周面12cと面一に形成されている。
【0024】
固定部15は、載置部14eを支持部材20に載置させた状態で支持部材20の上面と若干離間した位置に平板状に形成されており、この平面の略中心に長孔15bが形成されている。
固定具15aは、平板長方形状の頭部15cと、頭部15cに連結されネジ溝が形成された棒部15dと、を備えている。固定具15aの頭部15cを長孔15bから奥部14の中空部内に挿入するとともに、頭部15cを回動させて固定部15に固定具15aを係止する。その状態で、固定具15aの棒部15dにナット15eを締結することで、固定具15aを固定部15に支持固定する。そして、洗面器10を支持部材20に支持固定する際、固定具15aの棒部15dを支持部材20に形成された貫通孔20aに挿入して設置する。そして、支持部材20の裏面側からナット15fで締結することで洗面器10を支持部材20に支持固定することができる。なお、図5では固定具15aを用いて洗面器10と支持部材20とを支持固定した状態を示している。
【0025】
図2に戻り、支持部材20には、洗面器10を設置するための取付開口部21が形成されている。取付開口部21は、所定位置に装着された洗面器10により上方から覆われる大きさの形状を有している。取付開口部21は、水栓設置部14cに配置される水栓の配管などが挿通される奥側開口部21aと、奥側開口部21aよりも幅広に形成されて洗面ボウル部11が配置される手前側開口部21bと、を有している。
【0026】
支持部材20の上面における手前側開口部21bの手前側及び両側方側の周縁には、洗面器10の外側部12の下端に設けられた載置部12bを載置する設置面22aが設けられている。設置面22aは平坦に連続して設けられている。
さらに、支持部材20における洗面器10の固定部15に対向する位置には、取付面22bが形成されている。取付面22bは、取付開口部21の両側方側から互いの方向に向かって突出する略平坦面に形成されている。換言すれば、取付面22bは、手前側開口部21bの両側方側の端部よりも内側に突出するように形成されている。
【0027】
このような支持部材20を用いて洗面器10を設置するには、取付開口部21に対して上側から洗面器10を配置し、手前側開口部21bに洗面ボウル部11を対向配置(一部挿入)すると共に、奥側開口部21a上に奥部14の水栓設置部14cを配置する。洗面ボウル部11の手前側及び両側方側の外側部12の下端に設けられた載置部12bを、手前側開口部21bの周縁の設置面22aに載置する。また、洗面ボウル部11の奥側における幅方向両側に設けられた固定部15が、取付面22bに対向するように載置する。そして、固定具15aを用いて洗面器10と支持部材20とを強固に支持固定することで、洗面器10を支持部材20に支持した設置構造を構築することができる。
【0028】
以上のような本実施形態の洗面器10によれば、洗面ボウル部11の手前側及び両側方側の外側部12が下端部で支持部材20に載置され、洗面ボウル部11の奥側に設けられた固定部15において支持部材20に固定されている。そのため、洗面ボウル部11の手前側や両側方側には固定部15等の幅広のスペースを要する部位が無くなり、リム30の厚みを大幅に薄くできる。
【0029】
洗面ボウル部11の周縁(リム30)が大幅に薄肉に形成されることで軽量化を図れたり、洗面ボウル部11の手前側及び両側方側における支持部材20の載置幅を狭くしたりすることができる。また、外側部12(リム30)に固定部を設けなくても、洗面ボウル部11の奥側に設けられた固定部15において支持部材20に固定することで、洗面器10は安定して支持部材20に支持固定できる。
【0030】
これにより支持部材20上に洗面器10の略全体が載置されたベッセル式洗面器において、洗面ボウル部11の内側面11cと外側部12の外周面12cとの間の厚み(リム30の厚み)を大幅に薄肉にしたり、洗面ボウル部11の内側面11cの周縁部11bの傾斜角度を大きくしたりすることが可能となる。
したがって、洗面ボウル部11の周縁が薄肉に形成されたよりスタイリッシュなデザインであっても容易に実現でき、デザインの自由度を向上することが可能となる。
【0031】
また、本実施形態の洗面器10では、洗面ボウル部11に外側部12を近接配置できるため、洗面器10の横幅をコンパクトすることもできる。また、固定部15が水栓設置部14cとともに奥部14に設けられるため、洗面ボウル部11と壁13との間に固定部15を配置できる。そのため、洗面ボウル部11の両側方に余分なスペースを設ける必要がなく、洗面器10の横幅をコンパクト化することもできる。
【0032】
本実施形態における洗面器10の設置構造によれば、洗面器10を取付けるための支持部材20の取付開口部21において、洗面ボウル部11が配置される手前側開口部21bを奥側開口部21aよりも幅広に形成している。
このように、手前側開口部21bの開口幅を広く確保することで、同じ外形形状の場合、従来に比べて容積の大きい洗面ボウル部11を設けることが可能である。
【0033】
即ち、例えば図7及び図8に示すような従来の設置構造では、洗面器110を支持部材120に載置する部位や固定する部位の制約のため、取付開口部121が奥側から手前側まで同じ幅で形成されていた。そのため取付開口部121に応じた横幅の洗面ボウル部111を有する洗面器しか設置できなかった。
しかし、本実施形態のように、洗面器10の固定部15を洗面ボウル部11の奥側に設けることで、洗面器10を支持部材20に固定する部位の制約をなくすことができ、手前側開口部21bを大きく確保することが可能となる。その結果、手前側開口部21bに配置される洗面ボウル部11の平面寸法を大きくして、その容積を大きく確保することができる。
【0034】
また、本実施形態の設置構造によれば、支持部材20における固定部15に対向する取付面22bが、取付開口部21の両側方側から内側に突出するように形成されている。そのため水栓(水栓設置部14c)を挟んで両側方側で洗面器10を支持部材20に固定することができ、洗面器10を安定して支持部材20に支持することができる。
【0035】
以上、本発明に係る包装部材の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では洗面ボウル部11を平面視略四角形状の例について説明したが、特に限定されるものではなく、例えば平面視で円形、半円形状、多角形形状などであっても本発明を同様に適用可能である。
また、上記実施形態では陶器製の洗面器10の場合で説明をしたが、洗面器は陶器製以外のものであってもよい。
さらに、上記実施形態では奥部14の幅方向略中央に水栓設置部14cが形成され、その両側に固定部15が設けられた構成を有していたが、それに限らず、例えば、幅方向のいずれか一方側に水栓設置部および固定部を設け、他方側は洗面ボウル部が奥側まで張り出すように形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0036】
10…洗面器
11…洗面ボウル部
11b…周縁部
11c…内側面
11f…外側面
12…外側部
12a…連結部
12b…載置部
14…奥部
14c…水栓設置部
14d…連結部
14e…載置部
15…固定部
15a…固定具
20…支持部材
21…取付開口部
21a…奥側開口部
21b…手前側開口部
22a…設置面
22b…取付面
30…リム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8