(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
制御部を備えた情報処理装置において実行させるための、債権者の債務者に対する1以上の債権から、前払い可能な債権金額を選定するための債権選定プログラムであって、
前記制御部において実行させるための、
債権者に関する債権者情報と、債務者に関する債務者情報と、債権者の債権金額又は債務者の債務金額に関する金額情報とが互いに関連付けられた債権データベースの中から、指定金額を満額で充当可能な1以上の債権を、抽出する債権抽出ステップと、
前記債権抽出ステップで抽出した前記1以上の債権に対応する債権金額の少なくとも一部を、前記前払い可能な債権金額として、前記指定金額が満額となるように予め設定された選定順序にしたがって選定する債権金額選定ステップと、
前記選定順序を設定するための選定順序設定手段と
を含み、
前記選定順序設定ステップでは、
前記債務者が債務金額を前記債権者へ実際に支払うべき支払期日までの日数に関する前払日数、
前記前払い可能な債権金額の多さに関する実行可能額、
前記債権又は当該債権に対応する債務を識別するための債権番号、及び、
前記債権に対応する債務者に設定された優先順位
から選ばれた複数の選定条件の組み合わせを受け付け可能に構成されている
ことを特徴とする債権選定プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.構成]
本実施形態に係る債権選定装置を含む債権選定システムの構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、債権選定装置を含む債権選定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
図1に示す債権選定システム1000は、情報処理装置としての債権選定装置100と、サーバ200と、債権選定装置100及びサーバ200を通信可能に接続するネットワーク300とを含んでいる。
【0020】
債権選定装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータであり、債権者の債務者に対する1以上の債権から、前払い可能な債権金額を選定するための情報処理装置である。この債権選定装置100は、例えば、会計部門といった、事業者において債権の管理を行う部署に1台設置されている。なお、債権選定装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。また、債権選定装置100は、債権選定システム1000内において複数台設置されていてもよく、複数台の債権選定装置100の間で同期をとることで1台の債権選定装置100として機能してもよい。
【0021】
債権選定装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108とを備えている。債権選定装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、債権選定装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、債権選定装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。したがって、通信インターフェース部104は、他の部署に備え付けの情報処理装置からの入力情報、債権者又は債務者からの入力情報、銀行等の金融機関からの入力情報等を、ネットワーク300又はネットワーク300及びサーバ200を介して受け付けることが可能に構成されているとともに、所定の情報処理装置や、債権者若しくは債務者、又は銀行等の金融機関に対して所定の情報を出力することが可能に構成されている。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラム(本発明のプログラムを含む)が記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。また、この記憶部106には、本発明のプログラムを実施するために用いられる各種のデータが書き出し/読み出し可能に格納されている。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0025】
制御部102は、債権選定装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0026】
さらに
図1を参照しながら、記憶部106及び制御部102の構成について詳述する。
【0027】
記憶部106は、
図1に示されるように、債権データベース記憶領域106aと、選定順序情報記憶領域106bと、金融機関情報記憶領域106cとを含む。
【0028】
債権データベース記憶領域106aは、債権データベースを記憶するための領域である。債権データベースには、債権者に関する債権者情報と、債務者に関する債務者情報と、債権者の債権金額又は債務者の債務金額に関する金額情報とを互いに関連付けるためのデータベースであり、それらの情報を含む債権に関する債権データが債権レコードとして1以上格納される。なお、債権データに代えて、債権に対応する債務に関する債務データであってもよく、この場合、本実施形態では、債務データは債権データとして扱われる。
【0029】
選定順序情報記憶領域106bは、後述する選定順序に関する情報を記憶するための領域であり、選定順序に関する情報は、債権選定装置100によって読み出し可能に保持される。金融機関情報記憶領域106cは、後述する金融機関情報を記憶するための領域であり、金融機関情報は、債権選定装置100によって読み出し可能に保持される。金融機関情報は、少なくとも、後述する被仕向金融機関情報と、後述する仕向金融機関情報を含む。
【0030】
制御部102は、
図1に示されるように、複数のモジュールを備えている。
図1に示す例では、制御部102は、選定順序設定部102aと、債権抽出部102bと、債権金額選定部102cと、利息算出部102dと、手数料算出部102eとを備えている。
【0031】
選定順序設定部102aは、選定順序を設定するための選定順序設定手段として機能するモジュールである。選定順序設定部102aは、本実施形態では、債務者が債務金額を債権者へ実際に支払うべき支払期日までの日数に関する前払日数、前払い可能な債権金額の多さに関する実行可能額、債権又は当該債権に対応する債務を識別するための債権番号、及び、債権に対応する債務者に設定された優先順位から任意に選ばれる1以上の選定条件を用いて選定順序の設定を行う機能も有する。
【0032】
債権抽出部102bは、上記債権データベースの中から、指定金額を満額で充当可能な1以上の債権を、抽出する債権抽出手段として機能するモジュールである。債権抽出部102bは、本実施形態では、債権データベースの中から、指定金額を満額で充当可能な債権を債権金額又はそれに対応する債務金額が多い順に抽出する機能も有する。
【0033】
債権金額選定部102cは、債権抽出部102bで抽出した1以上の債権に対応する債権金額の少なくとも一部を、前払い可能な債権金額として、指定金額が満額となるように予め設定された選定順序にしたがって選定する債権金額選定手段として機能するモジュールである。
【0034】
利息算出部102dは、債務者が債務金額を債権者へ実際に支払うべき支払期日と譲渡債権の債権期日とに基づいて、ファクタリング事業者の未経過利息を算出する利息算出手段として機能するモジュールである。手数料算出部102eは、債務者が用いる被仕向金融機関に関する被仕向金融機関情報と、前記ファクタリング事業者が用いる仕向金融機関に関する仕向金融機関情報とを用いて、前記前払い可能な債権金額を前記ファクタリング事業者が前記被仕向金融機関へ実際に振込を行うときに必要となる振込手数料を算出する手数料算出手段として機能するモジュールである。
【0035】
[2.処理]
次に、
図1に示す債権選定システム1000において実行される債権選定方法を例示的に説明する。
【0036】
図2は、
図1の債権選定システム1000において、債権選定装置100が実行する債権選定方法の処理手順を示すフローチャートである。この
図2に示す処理は、概略的には、債権者の債務者に対する1以上の債権から、前払い可能な債権金額を選定するに際し、指定金額を満額で充当可能な1以上の債権を抽出し、抽出した1以上の債権に対応する債権金額の少なくとも一部を、前払い可能な債権金額として、指定金額が満額となるように予め設定された選定順序にしたがって選定するというものであり、本処理の大部分は、債権選定装置100の制御部102において実行される。以下では、
図15に示した形態のようにファクタリング事業者が介在する場合において、4つの債権の中から、指定金額が満額となるように債権及びその債権金額が順次選定される場合を例に挙げて説明する。
【0037】
図2において、まず、ステップS220では、債権データを取得する。債権データの取得は、債権データベースの中から、指定された条件(例えば、債権者、債務者、日時等)を満たす債権データを読み出すことによって行われる。ここで、債権データとは、債権に関するデータである。債権は、ファクタリング事業者が介在する場合、一般的には売掛債権であって債権者及び債務者間のファクタリング契約に係る売掛債権のファクタリング事業者への譲渡債権であるが、債権金額の一部又は全部を前払い可能な債権であれば、売掛債権に限られない。
【0038】
図3は、
図2のステップS220で取得される債権データの一例を模式的に示す図である。債権データは、
図3に示すように、通常、債権者を特定する情報(例えば納入企業コード)、債務者を特定する情報(例えば支払企業コード)、債権金額を示す情報、及び、支払期日を示す情報を含む債権レコードで構成されている。支払期日とは、債務者が債務金額を債権者へ実際に支払うべき支払期日をいい、債権が売掛債権の場合、納入企業が支払企業に対して行った商品の販売又はサービスの提供に係る債権に対応する債務の弁済を行うべき期間の末日である。
【0039】
続いて、ステップS220では、選定順序の設定を行う。具体的には、ユーザ選択可能な選定条件の候補を複数種類用意しておき、選定条件についてユーザの選択を受け付け、受け付けた1以上の選定条件を用いて選定順序の設定が行われる。この際、新たな選定条件が登録されてもよいし、また、設定済みの選定順序が変更されてもよい。
【0040】
図4は、
図2のステップS220において選定順序の設定に際し選択可能な選定条件の例を説明するために用いられる図である。選定条件の例としては、前払日数、実行可能額、債権番号、及び、優先順位等を挙げることができる。ここで、前払日数とは、債務者が債務金額を債権者へ実際に支払うべき支払期日までの日数に関する情報である。また、実行可能額とは、前払い可能な債権金額の多さに関する情報である。債権番号とは、債権又は当該債権に対応する債務を識別するための情報である。優先順位とは、債権に対応する債務者に設定された順位である。さらに、選定順序としては、選択された選定条件に基づき、複数の債権データを昇順に並べるか又は降順に並べるかが設定される。ここで、昇順及び降順の一方はデフォルト(初期値)で規定されている。複数の選定条件が選択された場合には、優先すべき選定条件が確実に反映されるよう選定順序が設定される。そのため、複数の選定条件が選択される際には、選定条件の優先順位に関する指定を受け付けるように構成されていることが好ましい。
【0041】
次に、ステップS230では、指定金額の入力を待機する。指定金額は、通常は、債権者が債務者又はファクタリング事業者に対して前払い(繰上げ弁済)を希望する金額である。ただし、指定金額としては、任意の金額を指定可能であり、これにより、シミュレーション等も可能となる。また、このとき、前払いを希望する期日又は期限の末日として支払日も入力される。そして、指定金額の入力がなされたと判別した場合には(ステップS230でYes)、ステップS240に進む。
図5には、ステップS230の判別に際し、入力がなされた指定金額とその支払日の一例が模式的に示されている。
【0042】
続いて、ステップS240では、債権金額選定処理が行われる。債権金額選定処理の詳細は、
図6を用いて説明する。
【0043】
図6は、
図2のステップS240で実行される債権金額選定処理のサブルーチンにおける処理手順を示すフローチャートである。
【0044】
図6において、まず、ステップS241では、債権の特定を行う。具体的には、ステップS230の判別の結果入力がなされた指定金額の対象となる債権に係る債権データを特定する。このために、債権者特定情報(例えば、納入企業コード)が用いられ、これにより、ステップS210で取得した債権データの中から、債権者特定情報に対応する債権者の債権が特定される。また、予め設定されている場合には、債務者特定情報(例えば、支払企業コード)も用いられる。これにより、ステップS210で取得した債権データの中から、債権者と債務者の組み合わせが一致する債権が特定される。
【0045】
続いて、ステップS242では、選定順序の設定があるかどうかを判別する。ステップS242の判別の結果、選定順序の設定がある場合には(ステップS242でYes)、設定されている選定順序に関する情報を取得する(ステップS243)。
図7は、
図6のステップS243で取得される選定順序の設定のために用いられる選定条件の組み合わせの例が示されており、
図7(a)は、選定条件の組み合わせの第1の例を、
図7(b)は選定条件の組み合わせの第2の例を、
図7(c)は選定条件の組み合わせの第3の例を示す。そして、ステップS243で選定順序に関する情報を取得したら、ステップS244に進む。一方、選定順序の設定がない場合には(ステップS242でNo)、デフォルトの選定順序に関する情報を取得し(ステップS248)、ステップS244に進む。
【0046】
その後、ステップS244では、債権レコードの抽出とソートを行う。具体的には、ステップS241で特定した債権に対応する債権データに含まれる1以上の債権レコードを、ステップS243又はステップS248で取得した選定順序でソートし、かつ、ソートされた債権レコードのうちの上位の債権レコードから、債権金額の総額がステップS230の判別の結果入力がなされた指定金額を上回る数の債権レコードを抽出する。この際、指定金額を満額で充当可能な債権を債権金額が多い順に抽出されることが好ましい。債権レコードが抽出された後にも必要に応じてステップS243又はステップS248で取得した選定順序に基づき更なるソートが行われる。
【0047】
図8は、
図6のステップS244の処理の結果得られる1群の債権レコードの例を模式的に示す図である。
図8に示す1群の債権レコードの例は、
図3に示した債権データの中から抽出された支払企業コードと納入企業コードの組み合わせが同じ債権レコードの集合であり、譲渡債権(1)〜(4)に係る4つの債権レコードからなる。
【0048】
続いて、ステップS245では、ステップS244の処理の結果得られた1群の債権レコードにつき、ステップS243又はステップS248で取得した選定順序に基づき上位のレコードから、ステップS230の判別の結果入力がなされた指定金額の充当を行う。このために、必要に応じて、ステップS243又はステップS248で取得した選定順序に基づき更なるソートが行われる。続くステップS246では、ステップS245の充当処理の結果として、各債権レコードにつき残債(債権残高)を算出する。
【0049】
図9は、
図6のステップS245における充当処理に先立って、
図8に示す1群の債権レコードに対してソートが施された状態を模式的に示す図である。
図9に示す例では、支払期日の順にソートされた結果、譲渡債権(2)に係る債権レコードが最上位に並べ替えられている。
図10は、
図6のステップS245の充当処理の結果、
図9に示す1群の債権レコードのうち最上位の債権レコードに対して充当がなされた例を模式的に示す図である。また、この
図10には、ステップS246で算出された各債権レコードの債権残高も示されている。
【0050】
その後、ステップS247では、他の充当可能な債権レコードがあるかどうかを判別する。具体的には、ステップS246で算出された各債権レコードの債権残高と指定金額の残額とを比較し、各レコードに指定金額の残額を充当可能であるかどうかを判別する。
【0051】
ステップS247の判別の結果、他の充当可能な債権レコードがある場合には(ステップS247でYes)、ステップS245に戻り、ステップS245〜S246の一連の処理を繰り返す。
図10に示した1群の債権レコードの例では、まだ指摘金額の残額を充当可能であるので、ステップS244に戻り、充当可能な債権レコードがなくなるまで、すなわち指定金額が満額で充当されるまで、ステップS245〜S246の一連の処理が繰り返される。
【0052】
図11は、
図10に示す1群の債権レコードに対して、ステップS245〜S246の一連の処理が施された結果の例を模式的に示す図である。
図11に示す例では、選定順序の2番目にあった譲渡債権(1)に係る債権レコードに対して充当処理が施されている。
図12は、
図11に示す1群の債権レコードに対して、ステップS245〜S246の一連の処理が施された結果の例を模式的に示す図である。
図12に示す例では、選定順序の3番目にあった譲渡債権(3)に係る債権レコードに対して充当処理が施されている。ただし、指定金額を超える充当を行う必要はないので、選定順序の3番目にあった譲渡債権(3)に係る債権レコードに対しては一部充当がなされている。これにより、指定金額が満額で充当されたことになる。
【0053】
そして、他の充当可能な債権レコードがない場合には(ステップS247でNo)、
図6に示すサブルーチンを完了し、
図2に示す処理に戻って、ステップS250に進む。
【0054】
ステップS250では、未経過利息の算出を行う。未経過利息とは、債務者が債務金額を債権者へ実際に支払うべき支払期日とファクタリング事業者の譲渡債権の債権期日とに基づいて定まる期間に応じた利息をいう。
図13は、
図2のステップS250において算出される未経過利息を説明するために用いられる図である。
図13に示されるように期間を算出し、算出した期間に応じた割合を、前払いした金額に対して所定の割引率を適用した金額に乗じることにより、未経過利息は算出される。なお、ステップS250の処理は、債権者と債務者の間にファクタリング事業者が介在しない場合には、スキップ又は省略される。
【0055】
続いて、ステップS260では、振込手数料の算出を行う。振込手数料とは、銀行等の金融機関を介して振込を行うときに必要となる手数料である。債権者と債務者の間にファクタリング事業者が介在する場合、ファクタリング事業者は、自社が用いる仕向金融機関を介して、債権者である納入企業が用いる被仕向け金融機関へと指定金額の振込を行う。このため、振込手数料の算出に際しては、銀行等の金融機関に関する金融機関情報が読み出される。この金融機関情報には、仕向金融機関に関する仕向金融機関情報と、被仕向金融機関に関する被仕向金融機関情報とが少なくとも含まれ、さらに、振込手数料の取引区分(同行取引、他行取引)に関する情報も含まれることが好ましい。これらの情報を用いることにより、前払い可能な債権金額をファクタリング事業者が被仕向金融機関へ実際に振込を行うときに必要となる振込手数料を算出することができることとなる。
【0056】
図14は、
図2のステップS260において振込手数料が算出するまでに必要となるデータ又はマスタの例を模式的に示す図であり、
図14(a)は、取引データを、
図14(b)は、金融機関口座区分マスタを、
図14(c)は、金融機関情報としての仕向被仕向金融機関組合せマスタを、
図14(d)は、振込手数料マスタを示す。振込手数料の算出に際しては、まず、
図14(a)に示されるような取引データから金融機関コードを取得し、かつ、
図14(b)に示されるような金融機関口座区分マスタから金融機関区分を取得する。続いて、取得したこれらの情報で
図14(c)に示されるような仕向被仕向金融機関組合せマスタを参照することで、振込手数料の取引区分を取得する。そして、振込手数料の取引区分で
図14(d)に示されるような振込手数料マスタを参照することにより、振込手数料の金額に関する情報を取得することができる。
図14に示すようなマスタを用意しておくことで、各銀行等の金融機関が振込手数料を変更してもマスタの更新(メンテナンス)を容易に行うことができる。なお、ステップS250の処理は、債権者と債務者の間にファクタリング事業者が介在しない場合には、スキップ若しくは省略してもよく、又は、ファクタリング事業者が介在しない場合には、ステップS260において債務者が必要となる振込手数料として算出してもよい。
【0057】
上述したようにして指定金額の充当及び手数料等の算出が完了することにより、前払いすべき金額と前払いに要する金額が明らかとなる。そして、本処理を完了する。
【0058】
以上詳細に説明したように、
図2及び
図6に示す債権選定方法の処理によれば、債権者の債務者に対する1以上の債権から、前払い可能な債権金額を選定するに際し、債権者に関する債権者情報と、債務者に関する債務者情報と、債権者の債権金額に関する金額情報とが互いに関連付けられた債権データベースの中から、指定金額を満額で充当可能な1以上の債権が抽出され(ステップS244)、抽出された1以上の債権に対応する債権金額の少なくとも一部が、前払い可能な債権金額として、指定金額が満額となるように予め設定された選定順序にしたがって自動的に選定される(ステップS245)。これにより、債権者の債務者に対する1以上の債権から、前払い可能な債権及びその債権金額を、手間をかけることなく、速やかに選定することができる。
【0059】
また、
図2の処理によれば、選定順序の設定が行われ(ステップS220)、この際、債務者が債務金額を債権者へ実際に支払うべき支払期日までの日数に関する前払日数、前払い可能な債権金額の多さに関する実行可能額、債権又は当該債権に対応する債務を識別するための債権番号、及び、債権に対応する債務者に設定された優先順位から任意に選ばれる1以上の選定条件が用いられる。これにより、選定すべき債権に、選定条件に基づいた優先順位を設定することができる。このため、例えば、支払期日までの期間が短い債権から順次処理するように設定することができ、また、例えばファクタリング事業者は、前払いで獲得可能な所定の手数料が多くなるように優先順位を設定することもできるようになる。また、
図2の処理によれば、債権データベースの中から、指定金額を満額で充当可能な債権を債権金額又はそれに対応する債務金額が多い順に抽出することも可能である。
【0060】
また、
図2の処理によれば、ファクタリング事業者が介在する場合、債務者が債務金額を債権者へ実際に支払うべき支払期日とファクタリング事業者の譲渡債権の債権期日とに基づいて、ファクタリング事業者の未経過利息が自動的に算出される(ステップS250)。これにより、ファクタリング事業者は、必要経費の算出に要する手間を軽減することができる。
【0061】
さらに、
図2の処理によれば、債務者が用いる被仕向金融機関に関する被仕向金融機関情報と、ファクタリング事業者が用いる仕向金融機関に関する仕向金融機関情報とを用いて、前払い可能な債権金額をファクタリング事業者が被仕向金融機関へ実際に振込を行うときに必要となる振込手数料が自動的に算出される。これにより、ファクタリング事業者は、必要経費の算出に要する手間をさらに軽減することができる。
【0062】
なお、上述した実施形態では、債権金額に指定金額を充当する場合について説明したが、債権金額に対応する債務金額に指定金額を充当してもよい。また、上述した実施形態では、債権として、債権者及び債務者間のファクタリング契約に係る売掛債権のファクタリング事業者への譲渡債権を例に挙げて説明したが、債権は、この例に限られることはなく、例えば、与信取引に係る与信取引枠であってもよい。また、上述した実施形態では、債権者と債務者の間にファクタリング事業者が介在する場合を例に挙げて説明したが、ファクタリング事業者が介在しなくてもよく、この場合には、債権者の保有する債権について上述した処理が行われる。
【0063】
[3.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0064】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0065】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0066】
また、債権選定装置100及び債権選定システム1000に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0067】
例えば、債権選定装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて債権選定装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0068】
また、このコンピュータプログラムは、債権選定装置100に対して任意のネットワーク(例えばネットワーク300)を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0069】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明した処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0070】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0071】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0072】
また、債権選定装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、債権選定装置100は、当該装置に本明細書で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0073】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。