特許第6971073号(P6971073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971073
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】設備装置及び設備装置の動作確認方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20211111BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20211111BHJP
【FI】
   E06B9/68 Z
   H02J50/10
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-141181(P2017-141181)
(22)【出願日】2017年7月20日
(65)【公開番号】特開2019-19631(P2019-19631A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】松田 宏
(72)【発明者】
【氏名】太田 尚久
【審査官】 秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−150619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
H02J 50/10
H01F 38/14
E04B 2/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築面材の一方の面側に設けられる給電コイルと、
前記建築面材の他方の面側に設けられ、前記給電コイルから非接触で電力を受電する受電コイルと、
前記受電コイルが給電コイルから受電した受電電力の大きさに応じて報知を行う報知部と、
操作部と、
前記操作部の操作状態に応じて、前記報知を禁止する禁止モードと前記報知を許可する報知モードとのいずれかに切り替える切替部と、
前記他方の面側に設けられ、前記受電電力により駆動される設備部材と、
を備え
前記報知部は、前記受電電力の大きさが所定値以上である場合に報知を行い、
前記報知部は、前記受電コイルから直接供給された受電電力を動作電源として報知を行い、
前記禁止モードは、前記受電コイルと前記設備部材とを電気的に接続することで前記設備部材に前記受電電力を供給するモードである、
設備装置。
【請求項2】
建築面材の一方の面側に設けられる給電コイルと、
前記建築面材の他方の面側に設けられ、前記給電コイルから非接触で電力を受電する受電コイルと、
前記受電コイルが給電コイルから受電した受電電力の大きさに応じて報知を行う報知部と、
操作部と、
前記操作部の操作状態に応じて、前記報知を禁止する禁止モードと前記報知を許可する報知モードとのいずれかに切り替える切替部と、
前記受電コイルから供給された受電電力を蓄電する蓄電部と、
を備え、
前記報知部は、前記受電電力の大きさが所定値以上である場合に報知を行い、
前記報知部は、前記受電コイルから直接供給された受電電力を動作電源として報知を行い、
前記禁止モードは、前記受電コイルと前記蓄電部とを電気的に接続することで前記蓄電部に前記受電電力を供給するモードである
設備装置。
【請求項3】
前記報知モードは、前記受電コイルと前記報知部とを電気的に接続することで前記報知部に前記受電電力を供給するモードである、請求項1または請求項2に記載の設備装置。
【請求項4】
建築面材の一方の面側に設けられる給電コイルと、
前記建築面材の他方の面側に設けられ、前記給電コイルから非接触で電力を受電する受電コイルと、
前記受電コイルが給電コイルから受電した受電電力の大きさに応じて報知を行う報知部と、
操作部と、
前記操作部の操作状態に応じて、前記報知を禁止する禁止モードと前記報知を許可する報知モードとのいずれかに切り替える切替部と、
前記他方の面側に設けられ、前記受電電力により駆動される設備部材と、
を備える設備装置の動作確認方法であって、
前記報知部は、前記受電電力の大きさが所定値以上である場合に報知を行い、
前記報知部は、前記受電コイルから直接供給された受電電力を動作電源として報知を行い、
前記禁止モードは、前記受電コイルと前記設備部材とを電気的に接続することで前記設備部材に前記受電電力を供給するモードである
設備装置の動作確認方法。
【請求項5】
建築面材の一方の面側に設けられる給電コイルと、
前記建築面材の他方の面側に設けられ、前記給電コイルから非接触で電力を受電する受電コイルと、
前記受電コイルが給電コイルから受電した受電電力の大きさに応じて報知を行う報知部と、
操作部と、
前記操作部の操作状態に応じて、前記報知を禁止する禁止モードと前記報知を許可する報知モードとのいずれかに切り替える切替部と、
前記受電コイルから供給された受電電力を蓄電する蓄電部と、
を備える設備装置の動作確認方法であって、
前記報知部は、前記受電電力の大きさが所定値以上である場合に報知を行い、
前記報知部は、前記受電コイルから直接供給された受電電力を動作電源として報知を行い、
前記禁止モードは、前記受電コイルと前記蓄電部とを電気的に接続することで前記蓄電部に前記受電電力を供給するモードである
設備装置の動作確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備装置及び設備装置の動作確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、建物の開口部に設置されるシャッターカーテンを手動ではなく電動で開閉する電動シャッター装置が普及している(例えば、特許文献1参照)。この電動シャッター装置は、シャッターカーテンと、そのシャッターカーテンを昇降する制御装置とを備えて構成され、室外における開口部上部に設けられる。
【0003】
ただし、リフォーム時等で既設の建具(開口部)に従来の電動シャッター装置を後付しようとする場合、現場において施工に時間や手間がかかる。具体的には、従来の電動シャッター装置は、内壁側(室内)の電源装置から電力を得て駆動する。そのため、従来の電動シャッター装置を既設の建具に後付しようとする場合には、内壁側の電源装置から外壁側(室外)の電動シャッター装置に電力を供給するための電源ケーブルを配線する工事が必要となる。したがって、従来の電動シャッター装置を後付する場合において、電動シャッター装置の施工に時間と手間がかかるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−173334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願の発明者らは、内壁側に給電コイルを設け、外壁側に受電コイルを設け、給電コイルから非接触で受電コイルに電力伝送することで、上記電源ケーブルを配線する工事を不要とする、容易に建物に施工可能な設備装置を発明した。
【0006】
ところで、電磁誘導や磁界共鳴を利用して非接触で電力を送受電する場合には、給電コイルに対して受電コイルが適正な位置に配置されていないと効率良く電力を伝送することができない場合がある。
【0007】
しかしながら、施工業者は、受電コイルを外壁側に配置する場合において、内壁側に配置されている給電コイルの位置を視認することができない。したがって、施工業者は、給電コイルに対する受電コイルの位置決めに時間と手間がかかるという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、給電コイルが視認できない場合であっても、その給電コイルに対する受電コイルの位置を容易に位置決めできる設備装置及び設備装置の動作確認方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、建築面材の一方の面側に設けられる給電コイルと、前記建築面材の他方の面側に設けられ、前記給電コイルから非接触で電力を受電する受電コイルと、前記受電コイルが給電コイルから受電した受電電力の大きさに応じて報知を行う報知部と、操作部と、前記操作部の操作状態に応じて、前記報知を禁止する禁止モードと前記報知を許可する報知モードとのいずれかに切り替える切替部と、前記他方の面側に設けられ、前記受電電力により駆動される設備部材と、を備え、前記報知部は、前記受電電力の大きさが所定値以上である場合に報知を行い、前記報知部は、前記受電コイルから直接供給された受電電力を動作電源として報知を行い、前記禁止モードは、前記受電コイルと前記設備部材とを電気的に接続することで前記設備部材に前記受電電力を供給するモードである、設備装置である。
【0010】
本発明の一態様は、建築面材の一方の面側に設けられる給電コイルと、前記建築面材の他方の面側に設けられ、前記給電コイルから非接触で電力を受電する受電コイルと、前記受電コイルが給電コイルから受電した受電電力の大きさに応じて報知を行う報知部と、操作部と、前記操作部の操作状態に応じて、前記報知を禁止する禁止モードと前記報知を許可する報知モードとのいずれかに切り替える切替部と、前記受電コイルから供給された受電電力を蓄電する蓄電部と、を備え、前記報知部は、前記受電電力の大きさが所定値以上である場合に報知を行い、前記報知部は、前記受電コイルから直接供給された受電電力を動作電源として報知を行い、前記禁止モードは、前記受電コイルと前記蓄電部とを電気的に接続することで前記蓄電部に前記受電電力を供給するモードである設備装置である。
【0013】
本発明の一態様は、上述の設備装置であって、前記報知モードは、前記受電コイルと前記報知部とを電気的に接続することで前記報知部に前記受電電力を供給するモードである。
【0017】
本発明の一態様は、建築面材の一方の面側に設けられる給電コイルと、前記建築面材の他方の面側に設けられ、前記給電コイルから非接触で電力を受電する受電コイルと、前記受電コイルが給電コイルから受電した受電電力の大きさに応じて報知を行う報知部と、操作部と、前記操作部の操作状態に応じて、前記報知を禁止する禁止モードと前記報知を許可する報知モードとのいずれかに切り替える切替部と、前記他方の面側に設けられ、前記受電電力により駆動される設備部材と、を備える設備装置の動作確認方法であって、前記報知部は、前記受電電力の大きさが所定値以上である場合に報知を行い、前記報知部は、前記受電コイルから直接供給された受電電力を動作電源として報知を行い、前記禁止モードは、前記受電コイルと前記設備部材とを電気的に接続することで前記設備部材に前記受電電力を供給するモードである設備装置の動作確認方法である。
【0018】
本発明の一態様は、建築面材の一方の面側に設けられる給電コイルと、前記建築面材の他方の面側に設けられ、前記給電コイルから非接触で電力を受電する受電コイルと、前記受電コイルが給電コイルから受電した受電電力の大きさに応じて報知を行う報知部と、操作部と、前記操作部の操作状態に応じて、前記報知を禁止する禁止モードと前記報知を許可する報知モードとのいずれかに切り替える切替部と、前記受電コイルから供給された受電電力を蓄電する蓄電部と、を備える設備装置の動作確認方法であって、前記報知部は、前記受電電力の大きさが所定値以上である場合に報知を行い、前記報知部は、前記受電コイルから直接供給された受電電力を動作電源として報知を行い、前記禁止モードは、前記受電コイルと前記蓄電部とを電気的に接続することで前記蓄電部に前記受電電力を供給するモードである設備装置の動作確認方法である。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、給電コイルが視認できない場合であっても、その給電コイルに対する受電コイルの位置を容易に位置決めできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係る電動シャッター装置1の概略構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る電源制御部32の概略構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る設備駆動装置51の概略構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る電動シャッター装置1の動作を説明する図である。
図5】本実施形態に係る電動シャッター装置1の施工方法を説明する図である。
図6】本実施形態に係る電動シャッター装置1の動作確認方法を説明する図である。
図7】本実施形態に係る設備駆動装置51の概略構成の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係る設備装置を、図面を用いて説明する。この設備装置は、リフォーム時等において建物に後付で設けられるものであって、建物の面材(建築面材)の一方の面側からの電力で、建築面材の他方の面側に設けられた設備部材を駆動するものである。本実施形態では、建築面材が壁である場合について説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、床や天井であってもよい。本実施形態では、設備部材が電動のシャッターカーテンである場合について説明するが、これに限定されるものでなく、例えば電動カーテン、オーニング、日よけ用のルーバ等においても適用可能である。この設備部材は、例えば、窓、引戸、ドア、ルーバ窓等の開口部を開閉する部材でもよい。また、この設備部材は、例えば、外灯であってもよいし、看板の表示灯であってもよい。
【0023】
図1は、本実施形態に係る電動シャッター装置1の概略構成の一例を示す図である。ここで、電動シャッター装置1は、本発明の「設備装置」の一例である。
【0024】
電動シャッター装置1は、例えば、ガラス窓等の壁2の開口部11に設けられ、ガラス窓11の室外側をシャッターカーテン6で閉鎖又は開放可能に構成されている。
電動シャッター装置1は、ユーザからの操作指令に基づいてシャッターカーテン6を開動作又は閉動作させる。例えば、電動シャッター装置1は、操作指令をリモートコントローラ(不図示)から無線で送信されることで取得してもよいし、電動シャッター装置1に設けられたスイッチ等がユーザに操作されることで操作指令を取得してもよい。
【0025】
図1に示すように、電動シャッター装置1は、給電部3、給電コイル4、シャッターボックス5及びシャッターカーテン6を備える。シャッターボックス5には、受電コイル7、設備駆動装置51、及びシャフト60を備える。
【0026】
給電部3は、壁2の内壁21側に設けられる。給電部3は、給電コイル4に接続されている。給電部3は、壁2の内壁21側に設けられた給電コイル4に電力を供給する。
【0027】
給電部3は、電源プラグ31及び電源制御部32を備える。なお、電源プラグ31と電源制御部32とは、一体に構成される形態であってもよい。
【0028】
電源プラグ31は、コンセント12に挿入されることで家庭用電源から交流電力を取得し、その取得した交流電力(AC100V又はAC200V)を電源制御部32に供給する。
【0029】
図2は、本実施形態に係る電源制御部32の概略構成の一例を示す図である。図2に示すように、電源制御部32は、電源供給部321及び共振周波数調整部322を備える。
【0030】
電源供給部321は、電源プラグ31を介して供給された交流電力を所定の直流電力に変換する。また、電源供給部321は、変換した直流電力を所定の周波数の交流電力に変換して給電コイル4に出力する。この周波数は、磁界共鳴方式により、給電コイル4から受電コイル7に電力が伝送可能な周波数であればよい。これにより、給電コイル4と受電コイル7とは所定の共振周波数で共振し、給電コイル4から受電コイル7に非接触で電力を伝送することができる。
【0031】
共振周波数調整部322は、給電コイル4と受電コイル7との磁界共鳴の共振周波数を最適な値に調整可能な機能を有する。例えば、共振周波数調整部322は、給電コイル4の共振コンデンサの容量値を可変可能な機能をする。例えば、ユーザは、共振周波数調整部322を操作することで、共振周波数を最適な値に調整することができる。ここで最適な値とは、例えば、給電コイル4が壁2の内壁21側に配置された場合において、給電コイル4による電力の伝送効率が最大となる周波数である。したがって、共振周波数調整部322は、給電コイル4による電力の伝送効率が最大となるように、給電コイル4の共振周波数を調整可能とする機能を有する。なお、給電コイル4と受電コイル7との磁界共鳴の共振周波数を最適な値に調整する方法は、手動でもよいし、自動でもよい。
【0032】
給電コイル4は、壁2の内壁21側に設けられる。例えば、給電コイル4は、固定板41に固定され、その固定板41を介して壁2の内壁21に取り付けられる。本実施形態では、給電コイル4は、壁2において、ガラス窓11の上部にある内壁21に取り付けられる。
【0033】
給電コイル4は、受電コイル7と磁界共鳴することにより、給電部3から出力された電力を受電コイル7に給電する。すなわち、給電コイル4は、給電部3から供給された電力を、壁2の外壁22側に設けられた受電コイル7に非接触で伝送する。
【0034】
受電コイル7は、壁2の外壁22側に設けられ、給電コイル4から磁界共鳴により非接触で電力を受電する。例えば、受電コイル7は、固定板71に固定され、その固定板71を介して壁2の外壁22に取り付けられる。本実施形態では、受電コイル7は、壁2において、ガラス窓11の上部にある外壁22に取り付けられている。
【0035】
シャフト60は、シャッターカーテン6の上端部と設備駆動装置51とに連結されおり、シャッターカーテン6を巻き取る巻取り部である。シャフト60は、設備駆動装置51によって正逆方向に回転駆動される。このシャフト60の回転に応じて、シャッターカーテン6の巻き出し(シャッターカーテン6の閉動作時)、又は、巻き取り(シャッターカーテン6の開動作時)が行われる。シャフト60に巻き取られたシャッターカーテン6は、シャッターボックス5内に収容されるようになっている。
【0036】
以下に、本実施形態に係る設備駆動装置51について、説明する。図3は、本実施形態に係る設備駆動装置51の概略構成の一例を示す図である。
図3に示すように、設備駆動装置51は、第1電力変換部52、モータ部53、切替部54、操作部55、報知制御部56、報知部57、及び制御部58を備える。
【0037】
第1電力変換部52は、受電コイル7が給電コイル4から非接触で受電した電力(以下、「受電電力」という。)を、その受電コイル7から取得する。ここで、受電コイル7から取得した受電電力は交流である。したがって、第1電力変換部52は、受電コイル7から取得した交流の受電電力を所定の直流の受電電力に変換する。例えば、第1電力変換部52は、受電コイル7から取得した交流電圧を所定の直流電圧に変換する。
【0038】
モータ部53は、シャフト60を回転駆動させる駆動部であり、例えば直流モータ等から構成されている。モータ部53は、制御部58からの駆動信号に基づいて正回転、逆回転、又は回転停止する。ここで、モータ部53は、制御部58からの駆動信号に基づいて、第1電力変換部52から供給された受電電力を動作電源(駆動源)として回転駆動する。これにより、設備駆動装置51は、シャッターカーテン6を電動で開閉することができる。
【0039】
切替部54は、操作部55の操作状態に応じて、第1電力変換部52からの受電電力の供給先を、モータ部53又は報知制御部56に切り替える。例えば、切替部54は、操作部55の操作状態に応じて、第1電力変換部52からの受電電力をモータ部53に供給する第1供給経路と、第1電力変換部52からの受電電力を報知制御部56に供給する第2供給経路と、のうちいずれかの経路に切り替える。
【0040】
具体的には例えば、切替部54は、コモン端子C、第1端子T1及び第2端子T2を備える。コモン端子Cは、第1電力変換部52の出力に接続される。第1端子T1は、モータ部53に接続される。第2端子T2は、報知制御部56に接続される。そして、切替部54は、操作部55が操作されていない場合にはコモン端子Cと第1端子T1とを接続する。これにより、上記第1供給経路が形成され、モータ部53に受電電力が供給される。一方、切替部54は、操作部55が操作された場合にはコモン端子Cと第2端子T2とを接続する。これにより、上記第2供給経路が形成され、報知制御部56に受電電力が供給される。
【0041】
操作部55は、切替部54よる受電電力の供給先の切り替えを制御する。この操作部55は、ユーザ(施工業者を含む)に操作されるものである。なお、切替部54及び操作部55は、1つのスイッチとして構成されてもよい。例えば、このスイッチとは、押しボタン、押しスイッチ、ディップスイッチ、スライドスイッチ、ダイヤル等である。
【0042】
報知制御部56は、報知部57の報知動作を制御する。以下に、報知制御部56の概略構成について説明する。
報知制御部56は、判定部561及び第2電力変換部562を備える。
【0043】
判定部561は、切替部54を介して第1電力変換部52から供給された受電電力の大きさが所定値以上か否かを判定する。例えば、判定部561は、第1電力変換部52から供給された受電電力に係る電圧(以下、「受電電圧」という。)の大きさが所定値以上か否かを判定する。この所定値とは、給電コイル4に対して受電コイル7が適正な位置であることを示す電力又は電圧の大きさであって、例えば、モータ部53を駆動することでシャッタカーテンを全閉状態又は全開状態に駆動可能な電力又は電圧の大きさである。
判定部561は、切替部54を介して第1電力変換部52から供給された受電電力の大きさが所定値以上か否かの判定結果を第2電力変換部562に出力する。
【0044】
第2電力変換部562は、切替部54を介して第1電力変換部52から供給された受電電力を所定の受電電力に変換して報知部57に供給する。例えば、第2電力変換部562は、第1電力変換部52から切替部54を介して取得した受電電圧を所定の受電電圧に変換して報知部57に供給する。ただし、判定部561の判定結果に応じて、第2電力変換部562により変換された受電電力の供給が制御される。すなわち、第2電力変換部562は、変換した受電電力を、判定部561の判定結果に応じて、報知部57に供給する。
【0045】
例えば、第2電力変換部562は、第1電力変換部52から供給された受電電力の大きさが所定値以上であると判定されている場合には、変換した受電電力を報知部57に供給する。一方、第2電力変換部562は、第1電力変換部52から供給された受電電力の大きさが所定値未満であると判定されている場合には、変換した受電電力を報知部57に供給しない。
【0046】
報知部57は、第2電力変換部562から供給された受電電力を動作電源として報知を行う。報知部57は、壁2の外壁22側には配置されている。例えば、報知部57は、固定板71に固定されに固定されてもよい。これにより、施工業者は、受電コイル7を移動させながら、報知部57における報知の有無を容易に確認することができる。
報知部57の報知とは、音声でもよいし、表示でもよいし、音声及び表示の組み合わせでもよい。例えば、表示とは、表示灯を点灯させることである。
【0047】
例えば、報知部57は、所定の色で発光するLED(Light Emitting Diode)で構成され、第2電力変換部562から受電電力が供給された場合には、その受電電力を動作電源として点灯又は点滅する。また、例えば、報知部57は、所定の音で出力するブザーで構成され、第2電力変換部562から受電電力が供給された場合には、その受電電力を動作電源として所定の音を出力する。なお、報知部57は、LCD等の表示装置であってもよい。
【0048】
ここで、上記第2電力変換部562は、受電コイル7から供給された受電電力を、報知部57が動作可能な範囲の電力に変換する。そのため、受電コイル7から直接供給された受電電力が、報知部57の動作可能な範囲内であれば、第2電力変換部562による電力変換は省略可能である。したがって、報知部57は、切替部54を介して第1電力変換部52から供給された受電電力の大きさが所定値以上である場合には、受電コイル7から直接供給された受電電力を動作電源として報知を行う。ここで、「直接供給された受電電力」とは、蓄電池等により蓄電された受電電力ではないことを意味する。すなわち、受電コイル7で受電された受電電力が一旦蓄電池等で蓄電され、その蓄電された電力で報知部57が動作するのではなく、受電コイル7から蓄電池等を介さずに供給された受電電力で報知部57が動作する。
【0049】
制御部58は、操作指令に応じてモータ部53の駆動を制御することで、シャッターカーテン6の開閉を制御する。
【0050】
以下に、本実施形態に係る電動シャッター装置1の動作を、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る電動シャッター装置1の動作を説明する図である。
【0051】
まず、例えば、電動シャッター装置1の施工時において、施工業者は、給電コイル4に対する受電コイル7の位置決めを行う場合や電動シャッター装置1の動作確認を行う場合には、操作部55を操作する。例えば、操作部55が押ボタンを構成する場合には、施工業者は操作部55を押下する。これにより、切替部54は、報知部57の報知を禁止する禁止モードからその報知を許可する報知モードに切り替える。
【0052】
ここで、禁止モードとは、切替部54がコモン端子Cと第1端子T1とを接続することで受電コイル7とモータ部53とを電気的に接続し、モータ部53に受電電力を供給するモードである。一方、報知モードとは、切替部54がコモン端子Cと第2端子T2とを接続することで受電コイル7と報知制御部56及び報知部57とを電気的に接続し、報知制御部56に受電電力を供給するモードである。
【0053】
次に、施工業者が電動シャッター装置1の電源スイッチ(不図示)をオンに操作することで、電源供給部321は、電源プラグ31を介して供給された交流電力を所定の直流電力に変換する。そして、電源供給部321は、変換した直流電力を所定の周波数の交流電力に変換して給電コイル4に出力する(ステップS101)。これにより、給電コイル4から受電コイル7への非接触の電力伝送が開始される(ステップS102)。
【0054】
給電コイル4から受電コイル7への非接触の電力伝送が開始されると、受電コイル7で受電した交流の受電電力は、第1電力変換部52で直流の受電電力に変換される(ステップS103)。
ここで、上述したように、切替部54により、報知部57の報知を許可する報知モードに既に切り替えられているため、コモン端子Cと第2端子T2とが接続されている。したがって、第1電力変換部52で直流に変換された受電電力は、報知制御部56に直接供給される。
【0055】
判定部561は、第1電力変換部52から供給された受電電力に係る受電電圧の大きさが所定値以上か否かを判定する(ステップS104)。判定部561は、第1電力変換部52から供給された受電電力に係る受電電圧の大きさが所定値以上であると判定している場合には、第2電力変換部562に制御信号を出力する。ここで、判定部561により、第1電力変換部52から供給された受電電力に係る受電電圧の大きさが所定値以上であると判定された場合とは、給電コイル4に対して受電コイル7が適正な位置に配置されていることを示し、シャッターカーテン6を駆動するのに十分な電力が伝送されていることを意味する。
【0056】
一方、判定部561は、第1電力変換部52から供給された受電電力に係る受電電圧の大きさが所定値未満であると判定している場合には、第2電力変換部562への制御信号を出力を停止する。ここで、判定部561により、第1電力変換部52から供給された受電電力に係る受電電圧の大きさが所定値未満であると判定された場合とは、給電コイル4に対して受電コイル7が適正な位置に配置されていないことを示し、シャッターカーテン6を駆動するのに十分な電力が伝送されていないことを意味する。
【0057】
第2電力変換部562は、判定部561から制御信号を取得している場合にのみ、第1電力変換部52から供給された受電電力を所定の受電電力に変換して報知部57に供給する(ステップS105)。したがって、報知部57は、第2電力変換部562から供給された受電電力を動作電源として報知する(ステップS106)。
【0058】
これにより、施工業者は、外壁22側において受電コイル7を移動させながら、報知部57における報知の有無を確認し、その報知を確認した位置を受電コイル7の位置とする。すなわち、施工業者は、給電コイル4に対する受電コイル7の位置を容易に位置決めできる。以下に、電動シャッター装置1の施工方法について、具体的に説明する。
【0059】
図5は、本実施形態に係る電動シャッター装置1の施工方法を説明する図である。例えば、以下に説明する電動シャッター装置1の施工方法とは、リフォーム時において、施工業者が電動シャッター装置1を壁2に後付する場合における、給電コイル4と受電コイル7とを壁2に取り付ける施工方法である。
【0060】
電動シャッター装置1の施工方法は、給電コイル配置工程及び受電コイル配置工程を含む。受電コイル配置工程は、切替工程及び調整工程を含む。
【0061】
まず、施工業者は、給電コイル配置工程として、給電コイル4を壁2の内壁21側に配置する(ステップS201)。
次に、施工業者は、受電コイル配置工程として、受電コイル7を壁2の外壁22側に配置する。
【0062】
具体的には、施工業者は、操作部55を操作することで切替部54により禁止モードから報知モードに切り換える切替工程を実行する(ステップS202)。これにより、報知部57は、受電コイル7から直接供給された受電電力により動作可能となる。
【0063】
施工業者は、切替工程を実行した後に、壁2の外壁22側において、受電コイル7の位置を移動させながら、報知部57からの報知の有無を確認する。そして、施工業者は、壁2の外壁22側において、報知部57から報知が行われる位置に、受電コイル7の位置を調整する調整工程を実行する(ステップS203)。これにより、受電コイル7は、壁2の外壁22側において、報知部57から報知が行われる位置に配置されることになる。
【0064】
なお、給電コイル配置工程及び受電コイル配置工程は、どちらが先に行われてもよい。これより、施工業者は、受電コイル7を外壁22側に配置する場合において、内壁21側に配置されている給電コイル4の位置を視認することができない場合であっても、給電コイル4に対する受電コイル7の位置決めを容易に行うことができる。
【0065】
次に、本実施形態に係る電動シャッター装置1の動作を確認する方法(以下、「動作確認方法」という。)について、図6を用いて説明する。この動作確認方法とは、給電コイル4から受電コイル7に十分な電力が給電されているかを確認する方法である。
図6は、本実施形態に係る電動シャッター装置1の動作確認方法を説明する図である。
【0066】
施工業者が電動シャッター装置1の動作を確認する場合には、施工業者は、報知部57が報知可能な状態になるように操作部55を操作する。例えば、操作部55が押ボタン等のスイッチを構成する場合には、施工業者は操作部55に対してスイッチをオンさせる操作(例えば、押下など)する。
【0067】
切替部54は、操作部55が操作されることにより、禁止モードから報知モードに切り替える切替工程を実行する(ステップS301)。
【0068】
切替部54により禁止モードから報知モードに切り替えられると、報知部57は、受電コイル7が給電コイル4から受電した受電電力の大きさに応じて報知する報知工程を実行する。例えば、報知部57は、その受電電力の大きさが所定値以上である場合には、受電コイル7から直接供給された受電電力を動作電源として報知する(ステップS302)。
【0069】
これにより、施工業者は、操作部55を操作した後に報知部57の報知の有無を確認することで、電動シャッター装置1の動作を確認することができる。例えば、施工業者は、操作部55を操作した後に報知部57からの報知を確認できた場合には、給電コイル4から受電コイル7に十分な電力が給電されているかと判定することができる。一方、施工業者は、操作部55を操作した後に報知部57からの報知を確認できない場合には、給電コイル4から受電コイル7に十分な電力が給電されていないと判定することができる。
【0070】
次に、本実施形態に係る効果について、説明する。
一般に、電磁誘導や磁界共鳴を利用して非接触で電力を送受電する場合には、給電コイルに対して受電コイルが適正な位置に配置されていないと効率良く電力を伝送することができない場合がある。この適正な位置とは、通常、給電コイル4と受電コイル7とを互いに対向するような位置である。ただし、本実施形態のように、給電コイル4が壁2の内壁21側に配置され、受電コイル7が外壁22側に配置される場合においては、施工業者は、給電コイル4と受電コイル7のうち、どちらか一方のコイルを配置する場合には、他方のコイルが配置されている位置を視認することができない。例えば、施工業者は、給電コイル4を内壁21側の所定の位置に配置した後で、受電コイル7を外壁22側に配置する場合において、内壁21側に配置されている給電コイル4の位置を視認することができない。そのため、施工業者は、給電コイル4に対する受電コイル7の位置決めに時間と手間がかかるという問題がある。
【0071】
そこで、本実施形態に係る電動シャッター装置1は、受電コイル7が給電コイル4から受電した受電電力の大きさに応じて報知を行う報知部57を備える。例えば、電動シャッター装置1は、受電コイル7が給電コイル4から受電した受電電力の大きさが所定値以上になった場合には報知する報知部57を備える。したがって、施工業者は、外壁22側に設けられている報知部57の報知の有無を確認しながら受電コイル7を移動させ、その報知を確認した位置に受電コイル7を配置する。これにより、施工業者は、給電コイル4に対する受電コイル7の位置を容易に位置決めできる。
【0072】
ここで、上述したように、通常、給電コイル4と受電コイル7とを互いに対向するように設置することで、給電コイル4から受電コイル7に効率よく電力伝送することができる。ただし、壁2を挟んで内壁21側に給電コイル4を配置し、外壁22側に受電コイル7を設ける場合において、この壁2の内部などには、給電コイル4又は受電コイル7の周辺に配管、配線、サッシなどの金属材料が設置されている場合がある。したがって、この金属材料の影響で、受電コイル7又は給電コイル4のインダクタンスが変化してしまう場合がある。そのため、受電コイル7と給電コイル4との結合係数が変化し、共振周波数がシフトしてしまう。すなわち、給電コイル4と受電コイル7との近傍に金属部材が有ると、単純に給電コイル4と受電コイル7とを対向するように配置しただけでは、十分な電力を給電することができない場合がある。
【0073】
これに対して、本実施形態では、壁2の内部などに金属材料が設置されている場合であっても、施工業者は、報知部57の報知を確認した位置に受電コイル7を配置することで、十分な電力を給電コイル4から受電コイル7に非接触で電力伝送できる、給電コイル4に対する受電コイル7の位置を容易に位置決めできる。
【0074】
ところで、報知部57による報知を行う場合には、電動シャッター装置1内に設けられた蓄電池に受電電力を一旦蓄電池等で充電し、その充電した電力で報知部57を動作させる方法が考えられる。しかしながら、この方法では、報知部57は、蓄電池の出力が所定の電圧以上でないと報知することができない。そのため、施工業者は、蓄電池が充電されてから所定の電圧になるまで待機する必要があり、給電コイル4に対する受電コイル7の位置決めに時間を要する。
【0075】
一方、本実施形態に係る電動シャッター装置1では、報知部57は、受電コイル7からの受電電力を、蓄電池を介さずに直接取得し、その取得した受電電力を動作電源として報知を行う。これにより、施工業者は、蓄電池の電圧にかかわらず、即座に報知部57の報知を確認することができ、蓄電池が充電されてから所定の電圧になるまで待機する必要がない。そのため、施工業者は、給電コイル4に対する受電コイル7の位置決めの時間を削減することができる。
【0076】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0077】
(変形例1)上記実施形態では、電動シャッター装置1に蓄電池を含まない構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図7に示すように、電動シャッター装置1は、蓄電部70(蓄電池やコンデンサ)を含む構成としてもよい。この場合には、蓄電部70は、モータ部53と受電コイル7とのそれぞれと並列に接続される。そして、蓄電部70の出力端子は、モータ部53に接続されるとともに、第1端子T1に接続される。したがって、切替部54は、コモン端子Cと第1端子T1とを接続する禁止モードに切り替えた場合には、受電コイル7と蓄電部70とが電気的に接続されることで蓄電部70に受電電力を供給する。これにより、蓄電部70は、受電電力を充電することができる。そして、モータ部53は、制御部58からの駆動信号に基づいて、蓄電部70に蓄電された受電電力を動作電源として正回転又は逆回転する。
一方、切替部54は、コモン端子Cと第2端子T2とを接続する報知モードに切り替えた場合には、受電コイル7と報知制御部56とが電気的に接続されることで、受電コイル7で受電した受電電力を蓄電部70を介さずに直接、報知制御部56に供給する。
また、図7に示すように、蓄電部70は、報知制御部56や報知部57と並列に接続されている。したがって、切替部54がコモン端子Cと第2端子T1とを接続する禁止モードに切り替えた場合には、第1端子T1と第2端子T2とは接続されない。そのため、蓄電部70に受電電力を充電する場合や蓄電部70に蓄電された電力をモータ部53に供給する場合(禁止モード)には、蓄電部70から報知制御部56や報知部57にリーク電流が流れることがない。
【0078】
(変形例2)上記実施形態において、施工業者等により操作部55が操作されている場合においてのみ切替部54が報知モードに切り替えるように構成されてもよい。すなわち、切替部54及び操作部55は、操作部55が押下されている間だけオン状態になる自動復帰型(モーメンタリ)のスイッチでもよいし、操作部55が押下された後もオン状態を保持する位置保持型(オルタネイト)のスイッチでもよい。
また、切替部54及び操作部55は、操作部55が押下されてから一定時間の間のみ、切替部54が報知モードに切り替えるように構成されてもよい。この場合には、切替部54は、タイマーを備え、操作部55が操作されたことをトリガーとしてコモン端子Cと第2端子T2とを接続するとともにタイマーの計時を開始する。そして、タイマーの計時が所定時間に到達した場合には、切替部54は、コモン端子Cと第2端子T2との接続を開放して、コモン端子Cと第1端子T1とを接続する。これにより、シャッターカーテン6を駆動可能とする場合に、施工業者等による報知モードから禁止モードへの切り替え忘れを防止することができる。また、受電コイル7で受電した受電電力を蓄電部70する場合には、施工業者等による報知部57の報知の有無の確認時間を短縮化し、蓄電部70への充電ロスを最小化することができる。
【0079】
(変形例3)上記実施形態では、報知部57は、壁2の外壁22側には配置されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、報知部57は、壁2の内壁21側には配置されていてもよい。この場合には、報知制御部56と電源制御部32とは、互いに無線通信する機能を備え、報知制御部56は、第1電力変換部52から供給された受電電力の大きさが所定値以上であると判定した場合には、その判定結果を無線で電源制御部32に送信する。そして、電源制御部32は、報知制御部56から上記判定結果を受け取った場合には、報知部57に電力を供給する。これにより、報知部57は報知を行うことができる。
【0080】
(変形例4)上記実施形態では、商用電源から電源制御部32に電力が供給される場合について説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、室内にある蓄電池から電力が電源制御部32に供給されてもよい。また、電源プラグ31において、商用電源からの交流電力を所定の電力に変換する機能を備えてもよい。ここで、電源制御部32から給電コイル4に供給される電圧は、電気工事士などの公的な資格を必要とする電圧よりも低い電圧であってもよい。
【0081】
(変形例5)上記実施形態において、受電コイル7と壁2の外壁22側に設けられた金属部材(例えば、シャッターカーテン6)との間に電磁遮蔽体が介装されてもよい。例えば、電磁遮蔽体は、フェライトシートである。この電磁遮蔽体は、外壁22側に配置された金属製のシャッターカーテン6が給電コイル4と受電コイル7との結合係数に与える影響を抑制することができる。すなわち、受電コイル7とシャッターカーテン6との間に電磁遮蔽体が介装されることで、結合磁界がシャッターカーテン6に漏れることを抑制することができる。これにより、給電コイル4から受電コイル7への高効率な電力伝送を実現することができる。
【0082】
(変形例6)上記実施形態では、切替部54は、リレーなどのメカスイッチである場合について説明したが、これに限定されず、MOSFETなどの半導体スイッチでもよい。
【0083】
(変形例7)上記実施形態において、報知部57は、受電コイルが給電コイルから受電した受電電力の大きさに応じた報知態様で報知を行ってもよい。例えば、報知部57は、複数のLED(例えば、黄色のLEDと緑色のLED)を備え、受電コイルからの受電電力の大きさが第1の閾値以上であり第2の閾値(>第1の閾値)未満である場合には、黄色のLEDを点灯又は点滅させる。一方、報知部57は、受電コイルからの受電電力の大きさが第2の閾値以上である場合には、緑色のLEDを点灯又は点滅させせる。ここで、第2の閾値とは、本実施形態の「所定値」に相当する。
この黄色のLEDが点灯又は点滅している場合には、現在の受電コイル7の位置が、給電コイル4からその受電コイル7に効率良く電力を伝送できる位置に近いことを示す。したがって、施工業者は、報知部57からの報知態様を確認することで、給電コイル4からその受電コイル7に効率良く電力を伝送できる受電コイル7の位置を短時間に探し当てることができる。
【0084】
上述したように、本実施形態に係る電動シャッター装置1は、壁2の内壁21側に設けられた給電コイル4と、壁2の外壁22側に設けられ、給電コイル4から非接触で電力を受電する受電コイル7と、受電コイル7が給電コイル4から受電した受電電力の大きさに応じて報知を行う報知部57と、を備える。これにより、施工業者等は、給電コイルが視認できない場合であっても、その給電コイル4に対する受電コイル7の位置を容易に位置決めできる。
【符号の説明】
【0085】
1 電動シャッター装置(設備装置)
3 給電部
4 給電コイル
5 シャッターボックス
6 シャッターカーテン
7 受電コイル
51 設備駆動装置
53 モータ部(設備部材)
54 切替部
55 操作部
57 報知部
70 蓄電部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7