特許第6971079号(P6971079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971079
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-152678(P2017-152678)
(22)【出願日】2017年8月7日
(65)【公開番号】特開2019-30424(P2019-30424A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2020年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】工藤 祐介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 陽
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋嗣
(72)【発明者】
【氏名】虫本 允
【審査官】 後藤 孝平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−000636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に配設され、内部に発光素子を有する発光装置を備えた遊技機であって、
前記発光装置は、
前記遊技盤前方から視認可能な表面の一部が透光部として形成されたカバーと、
前記カバーの裏面と対向して配置された支持板と、
前記発光素子が搭載され、前記支持板上において互いに離間して配置された複数の基板と、
を備え、
前記カバーにおける前記透光部を除く裏面には、光の透過を防止する銀膜が施され、
前記カバーの裏面と対向する前記支持板及び前記基板の表面に沿って白色の反射領域を有する反射板が配置され、
前記複数の基板に搭載された前記発光素子の光軸同士が互いに対向し、かつ、前記反射領域と平行な方向に光を照射して、前記反射領域を面発光させることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一例としてのパチンコ機には、複数の釘や入賞部品が配設された遊技盤に液晶表示装置からなる演出表示装置や、演出表示に連動して発光可能な役物とも呼ばれる発光装置を設け、液晶表示装置上に表示される多様な演出表示や、発光装置による発光演出等によって遊技の興趣を高める工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−19824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パチンコ機に採用可能な発光装置として、特許文献1には、LEDを基板上に配置すると共に、当該LEDの光軸方向に庇状の光拡散部材を形成することによって光を反射させる構成が開示され、当該構成によって発光装置の前方に形成された例えば文字やその他のデザインが施された透光部を均一に発光させることが可能となる。
しかしながら、上記構成にあっては、光拡散部材をLEDに対して所定寸法離れた位置に形成する必要があるため、発光装置全体の奥行寸法が大となる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、透光部を輝度ムラなく発光させつつ、遊技機に対する設置スペースの省スペース化が可能な発光装置を備えた遊技機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の構成として、遊技盤に配設され、内部に発光素子を有する発光装置を備えた遊技機であって、発光装置は、遊技盤前方から視認可能な表面の一部が透光部として形成されたカバーと、カバーの裏面と対向して配置された支持板と、発光素子が搭載され、支持板上において互いに離間して配置された複数の基板とを備え、カバーにおける前記透光部を除く裏面には、光の透過を防止する銀膜が施され、カバーの裏面と対向する前記支持板及び前記基板の表面に沿って白色の反射領域を有する反射板が配置され、前記複数の基板に搭載された発光素子の光軸同士が互いに対向し、かつ、反射領域と平行な方向に光を照射して、反射領域を面発光させる構成とした。
お、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、特徴群を構成する個々の構成もまた発明となり得る。
【発明の効果】
【0007】
上記各構成に係る遊技機によれば、発光装置の省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パチンコ機の概略斜視図である。
図2】遊技盤の概略正面図である。
図3】発光装置の概略斜視図である。
図4】発光装置の概略断面図である。
図5】パチンコ機の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
[遊技機の全体構成について]
遊技機の一例としてのパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2の一側部においてヒンジ機構により開閉自在に取り付けられた本体枠3と、本体枠3内に収容された遊技盤と、本体枠3の前方において開閉可能に軸着され、中央部に配設されたガラス窓4A、及びガラス窓4Aの下方に設けられた上皿6A及び下皿6Bを有するパネル枠4と、パネル枠4の下部一側部より前方に突設されたハンドルユニット7を主たる構成として備える。パネル枠4が本体枠3側に閉じられた状態において、パチンコ機1の前方に着座する遊技者からは、パネル枠4に配設されたガラス窓4Aを介して本体枠3内に収容された遊技盤30の遊技領域31を視認することが可能である。
【0011】
上皿6Aの中央部には、遊技者の任意によって操作可能な操作手段としての操作機構9が配設される。操作機構9は、遊技者による押下操作が可能な円形のプッシュボタン9Aと、当該プッシュボタン9Aの周囲において遊技者による回動操作が可能なダイアル9Bとにより構成される。操作機構9は、後述する演出制御回路200と接続されており、プッシュボタン9A、及びダイアル9Bから出力される信号は、演出制御回路200側に入力する。演出制御回路200は、例えばプッシュボタン9Aの入力タイミングに応じて演出表示装置300の表示及び動作を制御する。上皿6Aには、この他、球貸ボタンや返却ボタン等が配設されており、これらのボタン操作によって図外のCRユニットに投入されたICカード等の記録媒体に記録された貸し球可能数に対応する遊技球の貸し出し動作、或いは記録媒体の返却動作が実行される。
【0012】
[遊技盤の構成について]
図2に示すように、本体枠3内に収容された遊技盤30には、外ガイドレール27及び内ガイドレール28によって略円形状に区画された遊技領域31が形成される。遊技領域31は、遊技盤30の前面とガラス窓4Aの後面との間に形成される空間であり、図外の発射機構により打ち出された遊技球が流下可能な領域である。遊技盤30上には、この他、多数の釘が配設されており、遊技者のハンドルユニット7の操作によって図外の発射機構により発射された遊技球は、多数の釘や風車によって不規則に誘導されつつ遊技領域31内を流下する。遊技領域31は、概ね左打ち領域と右打ち領域とに分けられており、遊技球を打ち出す強度をハンドルユニット7の操作によって調整することにより、遊技球をいずれの領域上に流下させるかを選択することができる。
【0013】
遊技盤30の盤面には、第1始動入賞部品60、第2始動入賞部品62、大入賞部品64、通過ゲート68、及び一般入賞部品59が配設されており、これらの入賞部品に遊技球が入球し、各部品内に内蔵されたスイッチ(第1始動口検出スイッチSW1,第2始動口検出スイッチSW2,大入賞口検出スイッチSW3,一般入賞口検出スイッチSW5)により検出されると、各入賞部品に対応した所定数の賞球が上皿6Aに払出される。また、遊技球が第1始動入賞部品60、又は第2始動入賞部品62に入球すると、上記賞球の払出しの他、大入賞部品64を開放動作させ、所定の確率によって、遊技者にとって有利な状態を醸成する特別遊技(大当り遊技)の実行可否に関する抽選や、当該特別遊技の態様、或いは特別遊技後の遊技状態を決定するための抽選を始めとする各種の抽選が主制御回路100により実行される。即ち、第1始動入賞部品60、又は第2始動入賞部品62への遊技球の入球は、上記各種の抽選を受けるための契機となるものである。
【0014】
第1始動入賞部品60は、遊技領域31の左右方向中央に配設される入賞部品であって、上方開口の入球口60aを有している。第2始動入賞部品62は、第1始動入賞部品60の直下に配設される入賞部品であって、上方開口の入球口62aと、当該入賞口を閉鎖又は開放する開閉体62bとを備える。開閉体62bは、閉鎖状態と開放状態を取り得る一対の羽根状部材よりなり、当該羽根状部材が上下方向に直立した閉鎖状態にあっては、直上に位置する第1始動入賞部品60との位置関係により、入球口62aに入球することが阻止される。一方、羽根状部材が左右方向に倒伏した開放状態にあっては、遊技球の流下可能なスペースが生じ、入球口62aへの入球が許容される。なお、開閉体62bの上記開閉動作は、後述するソレノイドSOL1の駆動によって実現される。
また、開閉体62bの開放動作は、遊技領域31の左側部に配設された通過ゲート68への遊技球の通過を契機として、主制御回路100により実行される開放動作の可否に関する抽選の結果が当りとなった場合に実行される。通過ゲート68は、上下開口の門型の遊技部品であって、遊技領域31の左側を流下する遊技球のみが通過可能となっている。
【0015】
遊技領域31の右下部には、大入賞部品64が配設される。大入賞部品64は、上方開口の横長矩形状の入球口64aと、当該入球口64aを閉鎖又は開放する開閉体65とを有する。開閉体65は、後述するソレノイドSOL2の駆動によって、遊技盤30の前後方向に開閉動作可能な部材であって、遊技盤30の前方に倒伏した状態において入球口64aを開放状態とし、遊技盤30と並行に直立した状態において入球口64aを閉鎖状態とする。開閉体65の開放動作は、第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62への遊技球の入球を契機として実行される特別遊技の実行可否に関する所定の抽選結果が当りとなった場合に実行される。複数の一般入賞部品59は、遊技領域31の左下部に配設される部材であって、上方開口の入球口59aを有する。
【0016】
次に、遊技盤30に搭載された各種の表示装置について説明する。図2に示すように、遊技盤30の中央の開口部32の後方には、演出表示装置300が配置される。演出表示装置300は、例えば液晶ディスプレイからなる表示画面D1を備えた表示装置であって、例えば数字とキャラクターとが組み合わされた演出図柄に関する画像や、当該演出図柄の変動表示に伴って表示される予告演出やリーチ演出等を表現する静止画や動画等の画像や特別遊技中において表示される画像等、多様な種類の画像が表示される。そして、遊技者は主に表示画面D1に表示される演出図柄や予告演出やリーチ演出と言った変動演出を視認しながら遊技を楽しむこととなる。なお、当該演出表示装置300に対する画像の表示制御は、後述の演出制御回路200によって実行される。
【0017】
遊技盤30の開口部32の上部には、役物装置とも呼ばれる発光装置70が配設される。発光装置70は、開口部32内において表示画面D1よりも前方に位置する装置であって、上記表示画面D1上における画像表示と併せて発光することによって演出効果が高められる。同図に示すように、発光装置70の前面には、例えば文字や所定の造形によって縁取りされた透光部80が形成されており、内部に配設された後述の複数のLED1;LED2が発光することにより、当該透光部80が輝度ムラなく均一に発光し、遊技盤30の前方に着座する遊技者から見た場合、透光部80を構成する文字や所定の造形を明確に視認することが可能となる。なお、発光装置70の構成については後述する。
【0018】
開口部32の周囲には意匠部702;704;706が形成される。意匠部702は、開口部32の上方に位置する領域であって、乱立するビル群をモチーフとした立体的な凹凸形状が左右方向に沿って形成されている。意匠部704は、開口部32の右側部に位置する領域であって、上記意匠部702と同様に、乱立するビル群をモチーフとした立体的な凹凸形状が上下方向に沿って形成されている。意匠部706は、開口部32の左側部に位置する領域であって、上部には所定のキャラクターの顔をモチーフとした立体的な凹凸形状が形成され、下部にはビル群をモチーフとした立体的な凹凸形状が形成されている。意匠部704;706は、光透過性を有するアクリル等によって形成されており、後方に位置する図外のLED基板上に配設された複数のLEDから前方に向けて照射される光によって多様なパターンにより発光可能とされる。各意匠部702;704;706は、遊技盤30の盤面から前方に突出した状態とされ、遊技領域31内に打ち出された遊技球が、各意匠部の前方を通過することは不可能とされる。
【0019】
遊技盤30の遊技領域31の外方には、第1特別図柄表示装置35a、第2特別図柄表示装置35b、第1特別図柄保留表示装置36a、第2特別図柄保留表示装置36b、普通図柄表示装置37、及び普通図柄保留表示装置38が設けられている。各表示装置は、遊技の進行状況に応じて主制御回路100によって制御され、その表示の変化によって遊技状況を遊技者に報知する。
【0020】
以下、図3図4を参照して発光装置70の内部構造について説明する。なお、以下の説明においては、図1,2に示す発光装置70の取り付け状態を基準としてその方向を説明するが、取り付け状態に応じてその方向が変わり得ることは言うまでもない。図3は発光装置70の主要部を表わす概略斜視図であり、図4は同じく主要部を表わす概略断面図である。同図に示すように、発光装置70は、前方から後方に向かって、前面に透光部80が形成されたカバー体700と、カバー体700の内部に収容される一対のLED基板750;760と、当該一対のLED基板750;760を支持する支持板770と、カバー体700の開口部を閉塞する蓋体780とを備える。
【0021】
各図に示すように、カバー体700は、後方開口の箱型形状であって、正面視した場合、概ね横長台形状に形成されている。上記の通り、カバー体700の前面700Aには透光部80が形成されている。透光部80は、光透過性を有する部位であって、当該透光部80と対応する裏面700Bにはレンズ加工が施されている。また、透光部80を除く部位と対応する裏面700Bには、蒸着等の手法によって銀膜加工が施されており、透光部80以外から光が透過することを防止すると共に、LED1;LED2からの光を反射する。カバー体700の前面700Aの四方には、側壁部702A〜702Dが形成されており、LED基板750;760及び支持板770を収容可能な内部空間が形成される。また、カバー体700と対向する蓋体780は、カバー体700の外形形状と対応する浅箱型であって、図外の締結手段を介してカバー体700と組み合わされることにより、後方の開口部を閉塞する。つまり、LED基板750;760及び支持板770は、カバー体700と蓋体780とによって形成される内部空間内に収容される。
【0022】
LED基板750;760は、それぞれカバー体700の前面700Aの上辺及び下辺と対応するように延長する横長の板体であって、上下方向に離間した状態で支持板770上に固定的に載置される。LED基板750の表面752には、上縁部750A近傍に沿って複数のLED1が配置される。複数のLED1は、LED基板750の表面752と平行な方向に光を照射する所謂サイド型のLEDであって、図4の矢印X1示すように、LED基板750の幅方向と直交する下方、かつ、基板の表面752と平行な方向に光を照射する照射部Kを有する。LED基板760の表面762には、下縁部760A近傍に沿って複数のLED2が配置される。複数のLED2は、LED1と同様にサイド型のLEDであって、矢印X2示すように、LED基板760の幅方向と直交する上方、かつ、基板の表面762と平行な方向に光を照射する照射部Kを有する。つまり、複数のLED1によって構成されるLED群L1と、複数のLED2によって構成されるLED群L2から照射される光の向きは互いに上下に対向しており、各LED群L1;L2から照射された光は、LED基板750;760及び支持板770に渡って形成された反射領域R1によって反射し、透光部80の裏面700Bから入射して透光部80の前方へと透過する。
【0023】
各LED基板750;760の裏面には、図外のプリント配線及び当該配線と導通するコネクタ等が配設されており、当該コネクタ及びケーブルを介して演出制御回路200側と接続されることにより、各LED1;LED2が所定の点灯パターンや発光色によって発光制御される。
【0024】
支持板770は、カバー体700の外形形状と略対応する横長台形状の板体であって、その上辺及び下辺に沿って前述のLED基板750;760がそれぞれ図外の止めネジ等の固定手段によって載置される。支持板770の上辺及び下辺には、切欠き部774A;774Bが形成されており、当該切欠き部774A;774Bを介してLED基板750;760に接続されるケーブルが外部に引き出される。
【0025】
図3に示すように、LED基板750;760が搭載された支持板770は、蓋体780の周縁に沿って形成された側壁部782によって固定的に位置決めされて保持される。
なお、本例においては、略台形状の支持板770上において、上下方向に離間するようにLED基板750;760を一対として配設する構成としたが、横長矩形状、或いは横長台形状の単一のLED基板を採用し、当該単一のLED基板上に複数のLED1;LED2を配設する構成としてもよく、この場合支持板770を省略することができる。
【0026】
各図に示すように、LED基板750におけるLED1が配設された部位を除く表面と、LED基板760におけるLED2が配設された部位を除く表面、及び支持板770の表面には、反射領域R1が形成される。反射領域R1は、例えば複数層のポリカーボネートからなる柔軟性を有する板状体Pにより構成され、当該板状体Pが、LED基板750;760の表面、及び支持板770の表面に渡って貼着される。板状体Pにおける透光部80に面する最も上層の面は、白色の着色が施され、LED1;LED2からの光を前方に位置する透光部80へ向けて反射する。また、反射領域R1を例えば単層のPETから構成しても良く、この場合も透光部80に面する表面は白色の着色が施される。
【0027】
図4に示すように、LED基板750;760及び支持板770の表面に沿って形成される反射領域R1の白色の表面の位置(厚さ)は、複数のLED1;LED2の照射部Kの位置よりも後方(薄く)となるように形成される。即ち、反射領域R1は、照射部Kから照射される光の光軸L1よりも後方に設定される。このような構成によって、照射部Kから照射される光は、反射領域R1によって妨げられることなく反射領域R1とカバー体700との間の空間内において広がると共に、透光部80が形成された前面700Aと対向する略全域に形成された反射領域R1によって前方(透光部80側)に向けて反射するため、反射領域R1の全域が所謂面発光の状態となり、透光部80からは、輝度ムラのない均一な光が外部に向けて出力されることとなる。
【0028】
以上説明した通り、本実施形態に係る発光装置70によれば、透光部80が形成されたカバー体700の前面700Aと対向する範囲の略全域に少なくとも白色の表面を有する反射領域R1を形成し、当該反射領域R1とカバー体700の裏面700Bとの間に位置するサイド型のLED1;LED2から反射領域R1と平行な方向に光を照射することにより、反射領域R1を実質上、面発光した状態とすることができ、対向側に位置する透光部80を輝度ムラなく鮮明に発光させることができる。また、LED1;LED2の照射部Kの位置が反射領域R1とカバー体700の裏面700Bとの間でありさえすれば反射領域R1を面発光させることができるため、発光装置70の前後方向の寸法(奥行寸法)を大幅に低減させることができる。また、反射領域R1が均一に面発光するため、他の遊技機への採用に伴ってカバー体700の前面700Aの形状や透光部80の形状を変更する場合であっても、カバー体700以外の構成を流用でき、省資源化を図ることができる。
なお、上述の実施形態にあっては、サイド型のLED1;LED2を用いて反射領域R1とカバー体700の裏面700Bとの間に光を照射する構成としたが、例えば、トップ型のLEDが搭載されたLED基板750;760を支持板770の面に対して垂直に立てた状態とすることによって、当該トップ型のLEDからの光を反射領域R1とカバー体700の裏面700Bとの間に照射する構成であってもよい。
【0029】
[パチンコ機の内部構成について]
図5は、パチンコ機1の制御を担う制御手段の構成を示すブロック図である。同図に示すように、パチンコ機1は、主として遊技全般に係る基本動作を制御する主制御回路100と、主として払出動作を制御する払出制御回路150と、主として遊技球の発射動作を制御する発射制御回路160及び、演出制御回路200とを備える。
【0030】
主制御回路100は、(メイン)CPU100a、(メイン)ROM100b、及び(メイン)RAM100cを備えてなり、CPU100aが後述する各検出スイッチやタイマからの入力に対応してROM100bに予め格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従った演算処理を行い、主制御回路100に接続された上述の各装置を直接的に制御したり、他の制御回路に多様なコマンドを送信する。また、このときRAM100cは、CPU100aの演算処理時におけるワークエリアとして機能し、演算に必要な各種のデータや、コマンドを一時的に保持する。
【0031】
同図に示すように、主制御回路100には、第1始動入賞部品60への遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチSW1、第2始動入賞部品62への遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチSW2、大入賞部品64への遊技球の入球を検出する大入賞口検出スイッチSW3、通過ゲート68への遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチSW4及び一般入賞部品59への遊技球の入球を検出する一般入賞口検出スイッチSW5が接続されており、各検出スイッチから出力された検出信号が主制御回路100側に入力する。
【0032】
また、主制御回路100には、前述の第2始動入賞部品62に設けられた開閉体62bを開閉動作させるためのソレノイドSOL1、及び大入賞部品64に設けられた開閉体65を開閉動作させるためのソレノイドSOL2が接続され、これらのソレノイドが主制御回路100によって直接的に制御される。また、主制御回路100には、第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36B、普通図柄表示装置37、及び普通図柄保留表示装置38が接続されており、これらの表示装置が主制御回路100によって直接的に制御される。
【0033】
主制御回路100には、払出制御回路150、及び演出制御回路200が接続されている。払出制御回路150は、主制御回路100と同様に不図示のCPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータであって、主制御回路100と通信可能に接続されている。また、主制御回路100と払出制御回路150とには、外部情報出力端子板151が接続されている。外部情報出力端子板151は、主制御回路100(CPU100a)及び払出制御回路150(払出CPU)から出力された遊技の進行に関する種々の情報をパチンコ機1の設置店等に設けられたホストコンピュータ側に送信する。
【0034】
払出制御回路150には、遊技者に対して賞球を払い出すための払出モータ152、及び賞球数計数スイッチ153が接続されている。払出制御回路150は、主制御回路100から送信される払出コマンドに含まれる賞球数情報に基づいて所定の賞球数が払い出されるように払出モータ152を制御する。当該払出モータ152の駆動により払い出された賞球は、賞球数計数スイッチ153により検出され、払出制御回路150側において、適正な賞球数が払い出されたかが把握される。なお、払出制御回路150には、この他、上皿6Aに許容数以上の遊技球が貯留されていることを検知する皿満タン検出スイッチ154や、パネル枠4や本体枠3の扉が開放していることを検知する扉開放検出スイッチ155等の各種のスイッチが接続される。
【0035】
また、発射制御回路160には、ハンドルユニット7内に搭載されたタッチセンサ161、発射ボリューム162、図外の発射機構内に上皿6Aに貯留された遊技球を送り込む球送りモータ163、及び発射機構内に格納された球発射モータ164が接続されている。発射制御回路160は、払出制御回路150からの発射許可およびタッチセンサ161からの入力を条件として、遊技者によるハンドルユニット7の操作量に応じて変化する発射ボリューム162からの入力信号に基づいて球発射モータ164を制御し、上皿6Aに貯留された遊技球を所定の発射力により遊技領域31内に打ち出す。
【0036】
演出制御回路200は、遊技進行中や待機中における各種の演出表示や演出動作を制御する。演出制御回路200は、(サブ)CPU200a、(サブ)ROM200b、(サブ)RAM200cを備えてなり、主制御回路100に対して主制御回路100から演出制御回路200に対してのみ通信(一方向通信)が可能なように接続されている。当該演出制御回路200は、主制御回路100から送信される演出に関する各種のコマンドや内部タイマからの入力信号に基づいて、ROM200bに予め格納されたプログラムを読み出して当該プログラムに従った演算処理を行い、演出制御回路200に接続された図外の演出表示装置に表示される画像の表示制御、LED基板750;760に搭載された各LED1;LFD2の発光制御、遊技進行中における楽曲や効果音などの音声をスピーカユニット8から出力させる音声出力制御等を実行する。なお、このときRAM200cは、CPU200aの演算処理時におけるワークエリアとして機能し、演算に必要な各種のデータや、コマンド等を一時的に保持する。
また、演出制御回路200は、CPU200aと接続され、当該CPU200aより送信される画像表示に係る各種のコマンドを受信して演出表示装置に多様な画像を表示するためのVDP、及び上記画像表示処理中に必要な各種のデータ等を一時的に保存するVRAM、音声制御のための音声合成LSI等、各種制御に必要なハードウェアを備えている。また、演出制御回路200には、遊技者の任意に操作可能な前述の操作機構9が接続されており、例えば当該操作機構9の操作タイミングに合せて前述の各制御を実行し、操作機構9の操作タイミングに従った所定の演出を表現することが可能である。
【0037】
また、図示は省略するが、上述の各制御回路には電源供給回路が接続されており、当該電源供給回路に設けられた電源スイッチの操作により、遊技設置店側の外部電源から電源が供給され、該外部電源を各制御回路の動作に必要な電源として生成し、各制御回路に生成した電源を供給することで各制御回路が起動する。また、電源供給回路には、コンデンサ等のバックアップ用電源が搭載されており、断電時においては当該バックアップ用電源から主制御回路100及び払出制御回路150に対して電力が供給され、これら2つの制御回路のRAMに格納された各種のデータやコマンドが保持される。また、電源供給回路には、演出制御回路200に対する専用のバックアップ用電源も搭載されており、断電時においては当該専用のバックアップ用電源からの電力供給によりRAMに格納された各種のデータやコマンドの一部が別途搭載されたバックアップ用RAMに格納される。
【0038】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0039】
1 パチンコ機, 30 遊技盤,32 開口部,70 発光装置,80 透光部,
700 カバー体,700A 表面,750;760 LED基板,770 支持板,
780 蓋体,R1 反射領域,K 照射部,P 板状体
図1
図2
図3
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図5