(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  内部に前記熱湯流通路及び前記湯水流通路が形成されるとともに、上流側の端部が前記本体部に接続されており、下流側の端部に前記熱湯流通路を形成する熱湯流通管部材及び前記湯水流通路を形成する湯水流通管部材が夫々接続される連結部を備えており、
  前記伝熱抑制部は樹脂製の前記連結部を有して構成されている請求項1に記載の混合水栓。
【発明を実施するための形態】
【0010】
  本発明における好ましい実施の形態を説明する。
 
【0011】
  本発明の混合水栓は、熱湯と水とを混合した混合湯又は水が流通する湯水流通路を備え得る。そして、前記伝熱抑制部は、前記熱湯流通路から前記湯水流通路への熱伝導を抑制し得る。この場合、伝熱抑制部は、熱湯流通路から湯水流通路への熱伝導を抑制するので、熱湯流通路内の熱湯の熱が湯水流通路内の混合湯又は水に伝導して混合湯又は水が加温されてしまうのを抑制することができる。
 
【0012】
  本発明の混合水栓は、内部に前記熱湯流通路、前記水流通路、及び前記湯水流通路が形成されるとともに、前記熱湯流通路からの熱湯及び前記水流通路からの水を混合して前記湯水流通路に流出する混合弁を有した本体部が設けられており、前記伝熱抑制部は樹脂製の前記本体部を有して構成され得る。この場合、金属と比較して熱伝導率の低い樹脂製の本体部としたことにより、本体部を経由した熱湯流通路から湯水流通路への熱伝導を抑制することができる。
 
【0013】
  本発明の混合水栓は、
  前記本体部に熱湯を供給する給湯部と、
  前記本体部に水を供給する給水部と、
  前記給湯部と前記給水部との間に配置された前記本体部と、が設けられており、
  前記伝熱抑制部は、前記給湯部から前記給水部への熱伝導を抑制し得る。
  この場合、伝熱抑制部は、本体部を経由した給湯部から給水部への熱伝導を抑制するので、給湯部の熱湯の熱が給水部の水に伝導して加温されてしまうのを抑制することができる。
 
【0014】
  本発明の混合水栓は、
  熱湯を供給する給湯部と、
  水を供給する給水部と、
  前記本体部を収納するとともに、前記給湯部及び前記給水部に取り付けられた金属製のケース部材と、
  前記ケース部材内に配され、前記給湯部と前記本体部とを接続して前記給湯部からの熱湯を前記本体部に供給する熱湯用接続管と、
  前記ケース部材内に配され、前記給水部と前記本体部とを接続して前記給水部からの水を前記本体部に供給する水用接続管と、が設けられており、
  前記伝熱抑制部は、樹脂製の前記熱湯用接続管及び樹脂製の前記水用接続管を有して構成され得る。
  この場合、ケース部材の材質を金属製とするとともに、熱湯流通管及び水流通管の材質を金属と比較して熱伝導率の低い樹脂としたことにより、機械的強度を確保しつつ、熱湯用接続管及び水用接続管を経由した熱湯流通路から水流通路への熱伝導を抑制することができる。
 
【0015】
  本発明の混合水栓は、内部に前記熱湯流通路及び前記湯水流通路が形成されるとともに、上流側の端部が前記本体部に接続されており、下流側の端部に前記熱湯流通路を形成する熱湯流通管部材及び前記湯水流通路を形成する湯水流通管部材が夫々接続される連結部が設けられており、前記伝熱抑制部は樹脂製の前記連結部を有して構成され得る。この場合、金属と比較して熱伝導率の低い樹脂製の連結部としたことにより、連結部を経由した熱湯流通路から湯水流通路への熱伝導を抑制することができる。
 
【0016】
  本発明の混合水栓は、前記熱湯流通路を形成する熱湯流通管部材及び前記湯水流通路を形成する湯水流通管部材が内部に配された吐出管が設けられており、
  前記伝熱抑制部は、前記熱湯流通管部材から前記湯水流通管部材への熱伝導を抑制し得る。
  この場合、伝熱抑制部は、熱湯流通管部材から湯水流通管部材への熱伝導を抑制するので、熱湯流通管部材の熱湯の熱が湯水流通管部材の混合湯又は水に伝導して加温されてしまうのを抑制することができる。これにより、1つの吐出管内を流通する熱湯や混合湯又は水の間の放熱や吸熱が抑制され、熱湯及び混合湯又は水を好適に吐出することができる。その結果、熱湯と混合湯又は水とを吐出する吐出管を別々に設けた場合と比較して小型化することができ、省スペース化を図ることができる。
 
【0017】
  次に、本発明の混合水栓を具体化した実施例1及び2について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、上下の方向については、
図2及び
図3に表れる向きをそのまま上下方向とし、左右の方向については、
図2、
図3、及び
図9に表れる向きをそのまま左右方向とし、前後の方向については、
図4に表れる左方及び
図9に表れる下方を前方、
図4に表れる右方及び
図9に表れる上方を後方として夫々説明する。
 
【0018】
<実施例1>
  実施例1の混合水栓1は、壁取り付け型の水栓である。混合水栓1は、
図1〜
図5に示すように、給湯部10、給水部20、及び本体部30を備えている。また、混合水栓1は、吐出管40を備えている。これら各部は、大半を白色の樹脂製カバーにより夫々覆われており、全体として白色を呈する清潔感のある意匠とされている。
 
【0019】
  給湯部10は熱湯を供給する。詳細には、給湯部10は、壁面に引き出された給湯管(図示せず)からの熱湯を本体部30に供給する。給湯部10は、
図2及び
図3に示すように、給湯側取付脚11及び給湯部本体12を有している。給湯側取付脚11は真鍮製で管状に形成されている。また、給湯側取付脚11には樹脂製のカバー11Aが取り付けられている。給湯側取付脚11は、両端部において異なる方向に屈曲するいわゆるクランク状に形成されている。給湯側取付脚11は上流端が壁面に引き出された給湯管に接続されている。給湯側取付脚11は下流端が給湯部本体12に接続されている。給湯部本体12は真鍮製で前後方向に延びる管状に形成されている。給湯部本体12は後端部において給湯側取付脚11と連通している。
 
【0020】
  また、
図5に示すように、給湯部本体12の右側面には混合用熱湯流出口12A及び吐出用熱湯流出口12Bが形成されている。混合用熱湯流出口12A及び吐出用熱湯流出口12Bは、給湯部本体12の右側面に前後方向に並んで開口して形成されている。これらのうち、前方の混合用熱湯流出口12Aは後述する本体部30の混合用熱湯流通路HMに連通する。後方の吐出用熱湯流出口12Bは後述する本体部30の吐出用熱湯流通路HDに連通する。すなわち、給湯部10は、混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HDの夫々に熱湯を供給するように分岐している。
 
【0021】
  給水部20は水を供給する。詳細には、給水部20は、壁面に引き出された給水管(図示せず)からの水を本体部30に供給する。給水部20は、
図2及び
図3に示すように、給水側取付脚21及び給水部本体22を有している。給水側取付脚21は真鍮製で管状に形成されている。給水側取付脚21は、給湯側取付脚11と同様のクランク状に形成されている。給水側取付脚21は上流端が壁面に引き出された給水管に接続されている。給水側取付脚21は下流端が給水部本体22に接続されている。給水部本体22は真鍮製で前後方向に延びる管状に形成されている。また、
図5に示すように、給水部本体22は後端部において給水側取付脚21と連通している。また、給水部本体22の左側面には水流出口22Aが形成されている。水流出口22Aは後述する本体部30の水流通路Cに連通している。
 
【0022】
  本体部30は、
図2及び
図3に示すように、給湯部10及び給水部20の間に設けられている。本体部30は混合弁31とハウジング32とを有している。混合弁31は給湯部10から供給される熱湯と給水部20から供給される水とを混合した混合湯又は給水部20から供給される水を流出する。混合弁31は摺動自在に設けられたセラミックス製の複数のディスク弁体を収納したカートリッジ式である。混合弁31は後述するレバー式ハンドル50により操作される。
 
【0023】
  ハウジング32は耐熱性樹脂であるポリフェニレンスルファイド(PPS)製である。ハウジング32は上下に延びる略円筒形状をなしている。混合弁31はこのハウジング32の上部に収納されている。詳細には、
図3及び
図4に示すように、ハウジング32は上方に開口した有底の収納空間32Aが上部に形成されている。混合弁31はこの収納空間32Aに収納されている。また、ハウジング32は下方に開口した有底の連結穴32Bが下部に形成されている。連結穴32Bは底部から開口側の端部に向かって段差状に徐々に拡径して形成されている。連結穴32Bは後述する吐出管40の連結部41が挿入される。
 
【0024】
  また、ハウジング32は、
図2〜
図5に示すように、混合用熱湯流通路HM、水流通路C、湯水流通路M、及び吐出用熱湯流通路HDが下部に形成されている。すなわち、混合水栓1は、本発明に係る熱湯流通路としての混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HDと、水流通路Cと、湯水流通路Mとを備えている。混合用熱湯流通路HMは混合弁31に熱湯を供給する流通路である。混合用熱湯流通路HMは、ハウジング32の左側面前方に形成された混合用熱湯流入口32Cに給湯部10からの熱湯が導入され、その熱湯が流通する(
図5参照)。混合用熱湯流通路HMは、混合用熱湯流入口32Cから右方に延びるとともに、ハウジング32の中央部で上方に屈曲して形成されている。混合用熱湯流通路HMは下流端が収納空間32Aの底部に開口して混合弁31に接続されている。
 
【0025】
  水流通路Cは混合弁31に水を供給する流通路である。水流通路Cは、ハウジング32の右側面前方に形成された水流入口32Dに給水部20からの水が導入され、その水が流通する。水流通路Cは、水流入口32Dから左方に延びるとともに、ハウジング32の中央部で上方に屈曲して形成されている。水流通路Cは下流端が収納空間32Aの底部に開口して混合弁31に接続されている。
 
【0026】
  湯水流通路Mは、混合弁31により混合された混合湯又は水が流通する流通路である。湯水流通路Mは、上流端が収納空間32Aの底部に開口しているとともに、下流端が連結穴32Bの底部に開口している。すなわち、湯水流通路Mは、収納空間32Aと連結穴32Bとを連通する形態で上下に延びている。湯水流通路Mを流通した混合湯又は水は、吐出管40を経由して、吐出管40の先端部に形成された湯水吐出口45Aから吐出される。
 
【0027】
  吐出用熱湯流通路HDは、吐出される熱湯が流通する流通路である。吐出用熱湯流通路HDは混合用熱湯流通路HMとは別系統の熱湯流通路である。吐出用熱湯流通路HDは混合弁31の下方に形成されている。吐出用熱湯流通路HDは、ハウジング32の左側面であり、混合用熱湯流入口32Cの後方に形成された吐出用熱湯流入口32Eから右方に向かって延びて形成されている。吐出用熱湯流通路HDは下流端が連結穴32Bの側部に開口して連結部41に接続されている。吐出用熱湯流通路HDを流通した熱湯は、吐出管40を経由して、吐出管40の先端部に形成された熱湯吐出口43Dから吐出される。
 
【0028】
  実施例1における本体部30は本発明に係る伝熱抑制部として機能する。すなわち、伝熱抑制部としての本体部30はハウジング32を有しており、このハウジング32は、熱湯流通路としての混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HDと、水流通路Cとを内部に形成しており、混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HDから水流通路Cへの熱伝導を抑制する。また、ハウジング32は、湯水流通路Mを内部に形成しており、混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HDから湯水流通路Mへの熱伝導を抑制する。すなわち、実施例1において、伝熱抑制部は、樹脂製のハウジング32を有する本体部30を有して構成されているといえる。また、このような本体部30を有して構成された伝熱抑制部は、給湯部10から給水部20への熱伝導を抑制しているといえる。
 
【0029】
  図3〜
図5に示すように、給湯部10、給水部20、及び本体部30は、夫々の背面(壁面と対向する面)において、ブラケット2に固定されている。ブラケット2は、正面視において左右方向に長い略長方形状をなしている。ブラケット2は、左側から給湯部10、本体部30、給水部20の順に並ぶ形態で夫々を固定している。このように給湯部10、給水部20、及び本体部30の夫々がブラケット2に固定された状態で、給湯部10、給水部20、及び本体部30は、ブラケット2とともにカバー部材3により覆われている。
 
【0030】
  また、
図2及び
図5に示すように、本体部30及び給湯部10と、本体部30及び給水部20とは、夫々接続管13,14,23を介して接続されている。接続管13,14,23は夫々真鍮製である。これらの接続管13,14,23のうち、接続管13は、上流端が給湯部本体12の混合用熱湯流出口12Aに接続され、下流端が本体部30のハウジング32の混合用熱湯流入口32Cに接続されている。接続管14は、上流端が給湯部本体12の吐出用熱湯流出口12Bに接続され、下流端が本体部30のハウジング32の吐出用熱湯流入口32Eに接続されている。接続管23は、上流端が給水部本体22の水流出口22Aに接続され、下流端が本体部30のハウジング32の水流入口32Dに接続されている。
 
【0031】
  吐出管40は本体部30に回動自在に接続されている。吐出管40は、本体部30から回動軸に沿って下方に延びる第1管部40Aと、この第1管部40Aの下端部から回動軸に交差する方向に直線状に延びる第2管部40Bとを有しており、全体として略L字状に形成されている。吐出管40は、本体部30の正面前方を中心として、水平面内で約180°の範囲で回動自在とされている。吐出管40には、第1管部40Aの上端部から第2管部40Bの先端部に渡って、吐出管側熱湯流通路HP及び吐出管側湯水流通路MPが形成されている。
 
【0032】
  吐出管40は、
図6〜
図8に示すように、連結部41、熱湯流通管部材42、熱湯吐出部43、湯水流通管部材44、湯水吐出部45、及び吐出管カバー部材46を有している。このような吐出管40において、吐出管側熱湯流通路HPは、連結部41、熱湯流通管部材42、及び熱湯吐出部43に渡って形成されており、吐出管側湯水流通路MPは、連結部41、湯水流通管部材44、及び湯水吐出部45に渡って形成されている。これら連結部41、熱湯流通管部材42、熱湯吐出部43、湯水流通管部材44、及び湯水吐出部45は、吐出管カバー部材46に収容されている。
 
【0033】
  図4及び
図7に示すように、連結部41は、第1管部40Aの上端部に配置されている。連結部41はPPS樹脂製であり、内部に吐出管側熱湯流通路HP及び吐出管側湯水流通路MPを形成している。連結部41は上端部が上端に向かうに連れて段差状に縮径する円筒状である。吐出管40は、この連結部41の上端部が、本体部30のハウジング32に形成された連結穴32Bに回動自在に差し込まれることで、全体として、第1管部40Aの中心軸を回動軸とした本体部30に対する回動が可能とされている。連結部41は下端部外周が固定ナット47により覆われている。固定ナット47は真鍮製である。固定ナット47は連結部41に作用するモーメント荷重等を受けて連結部41の破損を防止する。
 
【0034】
  連結部41は、
図7に示すように、上端部の側面に熱湯流入口41Aが形成されている。熱湯流入口41Aは、連結部41がハウジング32の連結穴32Bに差し込まれた状態で、ハウジング32との間に形成される環状空間32Fに連通する。熱湯流入口41Aは、環状空間32Fを介して、本体部30側の吐出用熱湯流通路HDに連通する。熱湯流入口41Aは、吐出管40の第2管部40Bの延伸方向に開口して形成されているが、環状空間32Fに連通しているため、連結部41の回動に伴う周方向の位置変化に関わらず、本体部30側の吐出用熱湯流通路HDと常時連通した状態とされる。
 
【0035】
  また、連結部41は上端面に湯水流入口41Bが形成されている。湯水流入口41Bは、連結部41がハウジング32の連結穴32Bに差し込まれた状態で、本体部30側の湯水流通路Mに連通する。湯水流入口41Bは、連結部41の軸心に同軸に開口して形成されている。このため、湯水流入口41Bは、連結部41の回動に伴う周方向の位置の変化が生じず、本体部30側の湯水流通路Mと常時連通した状態とされる。
 
【0036】
  連結部41は下端面に熱湯流出口41C及び湯水流出口41Dが形成されている。熱湯流出口41Cは、上端部の熱湯流入口41Aから流入した熱湯を流出する。湯水流出口41Dは、上端面に開口する湯水流入口41Bから流入した混合湯又は水を流出する。熱湯流出口41C及び湯水流出口41Dは、吐出管40の第2管部40Bの延伸方向に沿って並んで配されている。
 
【0037】
  熱湯流通管部材42は、その内部が吐出管側熱湯流通路HPとされている。熱湯流通管部材42は、
図6に示すように、真鍮製の接続エルボ42Aと、銅製の直管42Bとを具備している。接続エルボ42Aは略L字形状をなす管継手である。接続エルボ42Aは、その上流側端部が連結部41の熱湯流出口41Cに下方から差し込まれている。接続エルボ42Aは、その下流側端部が吐出管40の第2管部40Bの延伸方向を向いて側方に開口している。接続エルボ42Aは下流側端部に直管42Bの上流側端部が差し込まれている。直管42Bは吐出管40の第2管部40B内に、第2管部40Bの延伸方向に沿って配置されている。直管42Bは、
図6及び
図8に示すように、下流側端部が熱湯吐出部43に接続されている。熱湯吐出部43は熱湯吐出弁43Aを内蔵している。熱湯吐出弁43Aは、流量調整機能付き開閉弁であり、後述する回動式ハンドル60を回動操作することにより開閉され、熱湯の吐出量を調節することができる。また、熱湯吐出部43は、この熱湯吐出弁43Aを収納する弁収納部43Bと、熱湯吐出弁43Aから流出する熱湯を整流するストレーナ部43Cとを具備している。弁収納部43B及びストレーナ部43Cはともに金属製である。熱湯吐出部43を通過した熱湯はストレーナ部43Cの下流端に形成された熱湯吐出口43Dから吐出される。
 
【0038】
  湯水流通管部材44は、その内部が吐出管側湯水流通路MPとされている。湯水流通管部材44は、
図6に示すように、真鍮製の接続ソケット44Aと、略L字形状に形成された銅製のL字管44Bとを具備している。接続ソケット44Aは、直管形状をなす管継手である。接続ソケット44Aは、その上流側端部が連結部41の湯水流出口41Dに下方から差し込まれている。接続ソケット44Aは、その下流側端部にL字管44Bの上流側端部が下方から差し込まれている。L字管44Bは、
図7に示すように、上流側の端部が第1管部40A内で上下に延びている。L字管44Bは、第2管部40Bにおいて、下流側が熱湯流通管部材42の直管42Bと略平行に延びる形態で、直管42Bの下方に離間して配置されている。L字管44Bは下流側端部が湯水吐出部45に接続されている。湯水吐出部45はPPS樹脂製であり、その内部にL字形状の吐出管側湯水流通路MPが形成されている。湯水吐出部45を通過した混合湯又は水は、湯水吐出口45Aから吐出される。
図8に示すように、湯水吐出部45は、熱湯吐出部43の弁収納部43B及びストレーナ部43Cに隣接して配されているが、PPS樹脂製としたことにより、吐出管側熱湯流通路HPからの熱伝導を抑制して吐出管側湯水流通路MP内の混合湯又は水が温められるのを防止している。すなわち、実施例1において、樹脂により形成されたこの湯水吐出部45は伝熱抑制部を構成しているといえる。
 
【0039】
  連結部41は、上述のような構成により、本発明に係る伝熱抑制部として機能する。すなわち、連結部41は、樹脂製であり、本発明に係る熱湯流通路としての吐出管側熱湯流通路HP及び本発明に係る湯水流通路としての吐出管側湯水流通路MPが形成されるとともに、上流側の端部が本体部30に接続されており、下流側の端部から吐出管側熱湯流通路HPを形成する熱湯流通管部材42及び吐出管側湯水流通路MPを形成する湯水流通管部材44が夫々延びている。そして、連結部41は、吐出管側熱湯流通路HPから吐出管側湯水流通路MPへの熱伝導を抑制する。すなわち、実施例1において、伝熱抑制部は樹脂製の連結部41を有して構成されている。
 
【0040】
  また、上述のような構成により、熱湯流通管部材42及び湯水流通管部材44は、本発明に係る伝熱抑制部として機能する。すなわち、伝熱抑制部は、熱湯流通管部材42から湯水流通管部材44への熱伝導を抑制する。詳細には、吐出管40は、吐出管側熱湯流通路HPを形成する熱湯流通管部材42及び吐出管側湯水流通路MPを形成する湯水流通管部材44が内部に配されている。熱湯流通管部材42及び湯水流通管部材44は、離間して並んだ形態で、吐出管40内を下流側に向かって延伸している。すなわち、実施例1において、伝熱抑制部は、離間して並んだ形態で下流側に向かって延伸する熱湯流通管部材42及び湯水流通管部材44を有して構成されているといえる。
 
【0041】
  吐出管カバー部材46は第1管部40A及び第2管部40Bの外殻を構成している。つまり、吐出管カバー部材46は、熱湯流通管部材42、熱湯吐出部43、湯水流通管部材44、及び湯水吐出部45を収納している。また、吐出管カバー部材46は第1管部40Aの外殻を構成した部分における上端部に連結部41及び固定ナット47の下端部を収納している。吐出管カバー部材46が外殻を構成した第1管部40A及び第2管部40Bの夫々は、外観視が略円柱状であり、第1管部40Aが第2管部40Bよりも太く形成されている。また、第1管部40Aは、混合水栓1が設置状態において、上下方向に延びており、第2管部40Bは第1管部40Aの側面から突出するように形成され、横方向に直線上に延びている。
 
【0042】
  レバー式ハンドル50は、本体部30の混合弁31による混合湯の混合割合及び吐出量を調節する操作ハンドルである。レバー式ハンドル50は、水平方向に延びる軸及び鉛直方向に延びる軸の2軸周りに回動自在に本体部30の上部に設けられている。レバー式ハンドル50は、水平軸周りの回動、すなわち、レバー式ハンドル50の先端が上下に移動する回動操作により、止水状態も含む混合湯の吐出量を調節する。また、レバー式ハンドル50は、鉛直軸周りの回動、すなわち、レバー式ハンドル50の先端が水平に移動する回動操作により、水のみの吐出も含む混合湯の混合割合を調節する。
 
【0043】
  回動式ハンドル60は、熱湯吐出口43Dから吐出される熱湯の吐出量を調節する(止水状態も含む)操作ハンドルである。回動式ハンドル60は吐出管40の先端部に設けられている。回動式ハンドル60は、吐出管40の第2管部40Bの軸心周りに回動自在に設けられている。回動式ハンドル60は、吐出管40の外径と略同径の略円柱形状をなしており、その中心軸が吐出管40の第2管部40Bの中心軸と同軸に吐出管40の先端に配置されている。
 
【0044】
  次に、上記のように構成された実施例1の混合水栓1の作用について説明する。
  この混合水栓1は、熱湯を吐出する場合、回動式ハンドル60を操作する。これにより、給湯部10から供給された熱湯が、接続管14を介して、本体部30のハウジング32の吐出用熱湯流入口32Eから流入する。流入した熱湯は、吐出用熱湯流通路HD、吐出管側熱湯流通路HPを流通して、熱湯吐出口43Dから吐出される。一方、この混合水栓1は、混合湯又は水を吐出する場合、レバー式ハンドル50を操作する。このレバー式ハンドル50によって混合弁31が操作される。混合弁31には、混合用熱湯流通路HM、及び水流通路Cが接続されており、これらを流通して供給された熱湯及び水を混合した混合湯又は水を流出する。混合弁31から流出した混合湯又は水は、湯水流通路M、及び吐出管側湯水流通路MPを経て湯水吐出口45Aから吐出される。
 
【0045】
  以上のように、実施例1の混合水栓1は、熱湯が流通する熱湯流通路としての混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HDと、水が流通する水流通路Cと、混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HDから水流通路Cへの熱伝導を抑制する伝熱抑制部としての樹脂製の本体部30とを備えている。
 
【0046】
  混合水栓1は、伝熱抑制部としての本体部30を備えていることにより、混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HDから水流通路Cへの熱伝導が抑制される。このため、混合水栓1は、混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HD内の熱湯の熱が水流通路C内の水に伝導して水が加温されてしまうのを抑制することができる。
 
【0047】
  したがって、実施例1の混合水栓1は、混合水栓1は、熱湯からの熱伝導を好適に抑制することができる。
 
【0048】
  また、混合水栓1は、熱湯と水とを混合した混合湯又は水が流通する湯水流通路Mを備えている。そして、伝熱抑制部としての樹脂製の本体部30は、混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HDから湯水流通路Mへの熱伝導を抑制する。このように、伝熱抑制部としての本体部30は、混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HDから湯水流通路Mへの熱伝導を抑制するので、混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HD内の熱湯の熱が湯水流通路M内の混合湯又は水に伝導して加温されてしまうのを抑制することができる。
 
【0049】
  また、混合水栓1は、内部に混合用熱湯流通路HM、吐出用熱湯流通路HD、水流通路C、及び湯水流通路Mが形成されるとともに、混合用熱湯流通路HMからの熱湯及び水流通路Cからの水を混合して湯水流通路Mに流出する混合弁31を有した樹脂製の本体部30を備えており、伝熱抑制部はこの本体部30を有して構成されている。このように、金属と比較して熱伝導率の低い樹脂製の本体部としたことにより、本体部を経由した熱湯流通路から湯水流通路への熱伝導を抑制することができる。
 
【0050】
  また、混合水栓1は、本体部30に熱湯を供給する給湯部10と、本体部30に水を供給する給水部20と、が設けられており、本体部30は、給湯部10と給水部20との間に配置されている。そして、伝熱抑制部としての本体部30は、給湯部10から給水部20への熱伝導を抑制している。このように、伝熱抑制部としての本体部30は、本体部30を経由した給湯部10から給水部20への熱伝導を抑制するので、給湯部10の熱湯の熱が給水部20の水に伝導して加温されてしまうのを抑制することができる。
 
【0051】
  また、混合水栓1は、内部に熱湯流通路としての吐出管側熱湯流通路HP及び湯水流通路としての吐出管側湯水流通路MPが形成されるとともに、上流側の端部が本体部30に接続されており、下流側の端部に熱湯流通路を形成する熱湯流通管部材42及び湯水流通路を形成する湯水流通管部材44が夫々接続された樹脂製の連結部41が設けられており、伝熱抑制部は、この連結部41を有して構成されている。このように、金属と比較して熱伝導率の低い樹脂製の連結部としたことにより、連結部を経由した熱湯流通路から湯水流通路への熱伝導を抑制することができる。
 
【0052】
  また、混合水栓1は、熱湯流通路としての吐出管側熱湯流通路HPを形成する熱湯流通管部材42及び湯水流通路としての吐出管側湯水流通路MPを形成する湯水流通管部材44が内部に配された吐出管40が設けられている。そして、伝熱抑制部は、熱湯流通管部材42から湯水流通管部材44への熱伝導を抑制する。このように、伝熱抑制部は、本体部30を経由した熱湯流通管部材から湯水流通管部材への熱伝導を抑制するので、熱湯流通管部材の熱湯の熱が湯水流通管部材の混合湯又は水に伝導して加温されてしまうのを抑制することができる。これにより、1つの吐出管40内を流通する熱湯や混合湯又は水の間の放熱や吸熱が抑制されるので、熱湯及び混合湯又は水を好適に吐出することができる。その結果、熱湯と、混合湯又は水とを吐出する吐出管を別々に設けた場合と比較して小型化することができ、省スペース化を図ることができる。
 
【0053】
  また、混合水栓1は、伝熱抑制部としての樹脂製の本体部30を備えたので、熱湯流通路としての混合用熱湯流通路HM及び吐出用熱湯流通路HD内の熱湯からの放熱が抑制され、熱湯の温度低下を抑制することができる。
 
【0054】
<実施例2>
  次に、
図9等を参照して、実施例2に係る混合水栓201について説明する。混合水栓201は、給湯部と本体部、及び給水部と本体部の接続形態の点において実施例1と相違する。実施例2の以下の説明において、実施例1と同様の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
 
【0055】
  図9に示すように、混合水栓201は、給湯部210、給水部220、及び実施例1と同様の本体部30を備えている。また、混合水栓201は、ケース部材204、熱湯用接続管205、及び水用接続管206を備えている。給湯部210は給湯側取付脚11を備えている。しかし、実施例2の給湯部210では実施例1の給湯部本体12に相当する部材を備えておらず、給湯側取付脚11はその上流側がケース部材204に直接取り付けられている。同様に、給水部220は給水側取付脚21を備えているが、実施例1の給水部本体22に相当する部材を備えていない。給水側取付脚21は、給湯側取付脚11と同様、その上流側がケース部材204に直接取り付けられている。
 
【0056】
  ケース部材204は真鍮製である。ケース部材204は左右方向に長い形態で形成されている。また、ケース部材204は本体部30を収納している。詳細には、ケース部材204は左右方向に貫通した収納空間204Aを形成している。ケース部材204は、左右の端部の夫々に蓋部材204B,204Cを螺合により着脱自在に取り付けて各開口を封止している。ケース部材204は、この収納空間204Aの左右方向の中央部に本体部30を収納している。ケース部材204は、背面(壁面と対向する面)の左右方向の両端部において給湯部210及び給水部220に夫々取着されている。なお、ケース部材204は、左右方向の中央部の上下面の夫々に図示しない開口が形成されている。これらの開口のうち、上面の開口は、本体部30レバー式ハンドル50を本体部30に接続するための開口であるとともに、本体部30をケース部材204に収納する際にも利用される。下面の開口は吐出管40を本体部30に接続するための開口である。
 
【0057】
  熱湯用接続管205はケース部材204内に配されている。熱湯用接続管205は、給湯部210と本体部30とを接続して給湯部210からの熱湯を本体部30に供給する。詳細には、熱湯用接続管205は、給湯側取付脚11の上流端と、本体部30のハウジング32の吐出用熱湯流入口32E及び混合用熱湯流入口32Cとを連通する形態で、ケース部材204の収納空間204Aにおいて本体部30の左方に配されている。熱湯用接続管205は、給湯部210から本体部30に熱湯を流通する熱湯流通路として機能する。
 
【0058】
  熱湯用接続管205は、第1熱湯用接続管205A、第2熱湯用接続管205B、及び第3熱湯用接続管205Cの3つの管部材を組み合わせて形成されている。これら第1熱湯用接続管205A、第2熱湯用接続管205B、及び第3熱湯用接続管205CはいずれもPPS樹脂製である。すなわち、熱湯用接続管205は本発明に係る伝熱抑制部である。第1熱湯用接続管205Aは、上流側端部が給湯部210の給湯側取付脚11に接続されて前方に延びる形態で配されている。第2熱湯用接続管205Bは、左右方向に延びる形態で形成されている。第2熱湯用接続管205Bは、上流端となる左方背面の開口において第1熱湯用接続管205Aが接続されている。また、第2熱湯用接続管205Bは、下流側の端部となる右方端部において2つの開口が形成される形態で分岐して形成されている。第2熱湯用接続管205Bは、分岐した下流端の一方が本体部30のハウジング32の吐出用熱湯流入口32Eに接続され、他方が本体部30のハウジング32の混合用熱湯流入口32Cに第3熱湯用接続管205Cを介して接続されている。
 
【0059】
  熱湯用接続管205をケース部材204に収納する際には、最初に、第3熱湯用接続管205Cを組み付けた状態の第2熱湯用接続管205Bをケース部材204の左側端部の開口から挿入して本体部30のハウジング32に接続する。第2熱湯用接続管205Bを挿入したら蓋部材204Bを取り付けてケース部材204の開口を封止する。そして、第1熱湯用接続管205Aを背面の開口から挿入して第2熱湯用接続管205Bに接続する。この状態でケース部材204の背面の開口に給湯側取付脚11を取り付けると、給湯側取付脚11とハウジング32とが連通され、給湯部210から本体部30への熱湯の供給が可能となる。
 
【0060】
  水用接続管206はケース部材204内に配されている。水用接続管206は、給水部220と本体部30とを接続して給水部220からの水を本体部30に供給する。詳細には、水用接続管206は、給水側取付脚21の上流端と、本体部30のハウジング32の水流入口32Dとを連通する形態で、ケース部材204の収納空間204Aにおいて本体部30の右方に配されている。水用接続管206は、給水部220から本体部30に水を流通する水流通路として機能する。
 
【0061】
  水用接続管206は第1水用接続管206A及び第2水用接続管206Bの2つの管部材を組み合わせて形成されている。これら第1水用接続管206A及び第2水用接続管206BもまたPPS樹脂製である。すなわち、水用接続管206は本発明に係る伝熱抑制部である。第1水用接続管206Aは、上流側端部が給水部220の給水側取付脚21に接続されて前方に延びる形態で配されている。第2水用接続管206Bは、左右方向に延びる形態で形成されている。第2水用接続管206Bは、上流端となる右方背面の開口において第1水用接続管206Aが接続されているとともに、下流端となる左方端部の開口において本体部30のハウジング32の水流入口32Dに接続されている。
 
【0062】
  水用接続管206をケース部材204に収納する際には、最初に、第2水用接続管206Bをケース部材204の右側端部の開口から挿入して本体部30のハウジング32に接続する。第2水用接続管206Bを挿入したら蓋部材204Cを取り付けてケース部材204の開口を封止する。そして、第1水用接続管206Aを背面の開口から挿入して第2水用接続管206Bに接続する。この状態でケース部材204の背面の開口に給水側取付脚21を取り付けると、給水側取付脚21とハウジング32とが連通され、給水部220から本体部30への水の供給が可能となる。
 
【0063】
  以上のような構成の混合水栓201は、実施例1と同様の作用効果を奏する。また、混合水栓201は、熱湯を供給する給湯部210と、水を供給する給水部220と、本体部30を収納するとともに、給湯部210及び給水部220に取り付けられた金属製のケース部材204と、ケース部材204内に配され、給湯部210と本体部30とを接続して給湯部210からの熱湯を本体部30に供給する樹脂製の熱湯用接続管205と、ケース部材204内に配され、給水部220と本体部30とを接続して給水部220からの水を本体部30に供給する樹脂製の水用接続管206と、が設けられている。そして、伝熱抑制部は、これら樹脂製の熱湯用接続管205及び樹脂製の水用接続管206を有して構成されている。このように、ケース部材204の材質を金属製とするとともに、熱湯流通管205及び水流通管206の材質を金属と比較して熱伝導率の低い樹脂としたことにより、機械的強度を確保しつつ、熱湯用接続管及び水用接続管を経由した熱湯流通路から水流通路への熱伝導を抑制することができる。また、金属製のケース部材204内に、伝熱抑制部としての樹脂製の接続管205,206により熱湯流通路及び水流通路を形成することで、本体部30の上流側における伝熱も抑制することができる。
 
【0064】
  本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1及び2に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1及び2では、L字状に屈曲した吐出管を備える形態を例示したが、吐出管の形状等は特に限定されない。吐出管は、例えば、いわゆるグースネックのように、曲線状に構成されていてもよい。
(2)上記実施例1及び2では、1つの吐出管内に熱湯流通路及び湯水流通路が形成され、この1つの吐出管から熱湯と、混合湯又は水とを吐出する形態を例示したが、熱湯流通路と湯水流通路とを異なる吐出管に別々に形成する形態であってもよい。
(3)上記実施例1及び2では、伝熱抑制部としてのPPS樹脂製の本体部を備える形態を例示したが、本体部を備える場合には、本体部が伝熱抑制部であることは必須ではない。また、伝熱抑制部としての本体部を備える場合、その材質は熱伝導率の比較的小さい材質であることが好ましく、且つ耐熱性に優れた材質であることが更に好ましい。
(4)上記実施例1及び2では、伝熱抑制部としてのPPS樹脂製の連結部を備える形態を例示したが、連結部を備える場合には、連結部が伝熱抑制部であることは必須ではない。また、伝熱抑制部としての連結部を備える場合、その材質は熱伝導率の比較的小さい材質であることが好ましく、且つ耐熱性に優れた材質であることが更に好ましい。
(5)上記実施例2では、伝熱抑制部としてのPPS製の熱湯用接続管及び水用接続管を備える形態を例示したが、熱湯用接続管及び水用接続管を備える場合には、これらが伝熱抑制部であることは必須ではない。また、伝熱抑制部としての熱湯用接続管及び水用接続管を備える場合、その材質は熱伝導率の比較的小さい材質であることが好ましい。
(6)上記実施例1では、本体部と給湯部及び給水部とを接続する金属製の各接続管を備える形態を例示したが、これは必須ではなく、本体部と給湯部及び給水部とを直接接続する形態としてもよい。また、接続管を備える場合、それらの材質は特に限定されないが、例えば、PPS樹脂等の熱伝導率の比較的小さい材質を用いることで伝熱抑制効果を向上させることができる。
(7)上記実施例1及び2では、内部に金属製の熱湯流通管部材及び湯水流通管部材が配された特定構成の吐出管を備える形態を例示したが、これは必須ではない。熱湯流通管部材及び湯水流通管部材を備える場合、それらの材質は樹脂等の他の材質であることができる。また、熱湯流通管部材及び湯水流通管部材の材質として熱伝導率の比較的小さいPPS樹脂等の材質を用いると、伝熱抑制効果を向上させることができて好ましい。
(8)上記実施例1では、夫々2部材で構成された給湯部及び給水部を備える形態を例示したが、これは必須ではない。給湯部及び給水部を備える場合には、それらを1つ又は3つ以上の部材で夫々構成する形態としてもよい。