(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記提示処理部は、前記待ち時間が所定時間になった場合、前記予約者の携帯端末に前記待ち時間をカウントダウン表示させ、且つ前記戻り時間を表示させることを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
前記提示処理部は、前記予約楽曲の演奏開始前には、前記演奏開始までの待ち時間をカウントダウン表示させ、前記予約楽曲の演奏開始後には、前記歌唱開始までの待ち時間をカウントダウン表示させることを特徴とする請求項2記載のカラオケ装置。
前記提示処理部は、前記待ち時間と前記戻り時間との差分が所定値になった場合、前記予約者の携帯端末に所定の警告を行わせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
前記提示処理部は、前記予約楽曲について予約順序の変更、予約の解除、または演奏停止が行われた場合、その旨のメッセージを前記予約者の携帯端末に表示させることを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜
図5Bを参照して、実施形態に係るカラオケ装置1について説明する。
【0011】
図1は、カラオケ店舗Kの例を示す図である。カラオケ店舗K内には、エントランスE、階段S、複数のカラオケルームR、化粧室L、廊下P等が設けられている。
図2に示すように、カラオケルームRには、少なくとも1台のカラオケ装置1が設置されている。利用者は、カラオケルームに入室し、カラオケ装置1を利用してカラオケ歌唱を行う。
図2の例では、カラオケルームRにおいて、カラオケ装置1を利用者U1〜利用者U3の3名で利用する。各利用者は携帯端末M1〜携帯端末M3を所有している。
【0012】
携帯端末M1〜M3は、一般的なスマートフォン、タブレット端末等である。携帯端末M1〜M3は、携帯端末を識別するための端末識別情報、及びカラオケ専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「カラオケ用アプリ」という)等を記憶している。
【0013】
カラオケ用アプリは、携帯端末からカラオケ装置1に対する各種操作を行ったり、カラオケ装置1から送信される各種情報を提示するためのソフトウェアである。これらの動作は、カラオケ用アプリを実行している携帯端末と、カラオケ装置1とをペアリングすることにより行うことができる。ペアリングとは、所定の携帯端末と所定のカラオケ装置とが通信可能となるように、関連付けを行うことをいう。
【0014】
また、携帯端末M1〜M3は、携帯端末とカラオケ装置1とを接続するためのインターフェース、利用者が各種の操作入力を行うためのボタンやGUI、及び各種の情報を表示させる表示画面を有する。たとえば、カラオケルームRに入室した各利用者が表示画面に表示された所定のアイコンを選択することにより、上述のカラオケ用アプリが実行される。更に、本実施形態に係る携帯端末M1〜M3は、GPS機能を備えている。
【0015】
==カラオケ装置==
カラオケ装置1は、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。
【0016】
[カラオケ装置のハードウェア構成]
図3に示すように、カラオケ装置1は、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0017】
スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者の音声をカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。利用者はリモコン装置50を用いてカラオケ歌唱を希望する楽曲の選曲(予約)等を行うことができる。リモコン装置50の表示画面には各種操作の指示入力を行うためのアイコン等が表示される。なお、本実施形態においては、カラオケ用アプリを実行することにより、携帯端末M1〜M3がリモコン装置50と同様の各種操作を行うことができる。
【0018】
カラオケ本体10は、予約された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。
図3に示すように、カラオケ本体10は、制御部11、通信部12、記憶部13、音響処理部14、表示処理部15及び操作部16を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0019】
制御部11は、カラオケ装置1の各種処理を制御する。制御部11は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶された動作プログラムを実行することにより各種の制御機能を実現する。
【0020】
通信部12は、ルーター(図示なし)を介してカラオケ本体10を通信回線に接続するためのインターフェースを提供する。記憶部13は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶部13は、カラオケ装置1によりカラオケ演奏を行うための複数の楽曲データを記憶する。各楽曲データは、前奏区間、歌唱区間、後奏区間から構成されており、それぞれカラオケ演奏を行う時間(演奏時間)が設定されている。これら区間毎の演奏時間は、属性情報として楽曲データに関連付けられている。
【0021】
音響処理部14は、制御部11の制御に基づき、予約された楽曲に対するカラオケ演奏の制御およびマイク40を通じて入力された歌唱音声信号の処理を行う。表示処理部15は、制御部11の制御に基づき、表示装置30やリモコン装置50における各種表示に関する処理を行う。操作部16は、パネルスイッチおよびリモコン受信回路などからなり、リモコン装置50や携帯端末の操作に応じて選曲信号、演奏中止信号などの操作信号を制御部11に対して出力する。
【0022】
[カラオケ本体のソフトウェア構成]
図4はカラオケ本体10のソフトウェア構成例を示す図である。カラオケ本体10は、データ記憶部100、ペアリング処理部200、第1の算出部300、位置検出部400、第2の算出部500、提示処理部600、及び演奏制御部700を備える。データ記憶部100は、記憶部13の記憶領域の一部として提供される。ペアリング処理部200、第1の算出部300、位置検出部400、第2の算出部500、提示処理部600、及び演奏制御部700は、制御部11のCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより実現される。また、制御部11の備えるメモリには予約待ち行列も記憶されている。
【0023】
(データ記憶部)
データ記憶部100は、カラオケ装置1が設置されるカラオケ店舗Kの地図データ、及びカラオケ装置1の設置データを記憶する。地図データは、カラオケ店舗K内における各カラオケルーム(カラオケ装置)の位置や、化粧室L、廊下P、階段S、エントランスE等の位置が記録されたデータである。設置データは、複数あるカラオケルームのうち、カラオケ装置1がどのカラオケルームに設置されているかを示すデータである。
【0024】
(ペアリング処理部)
ペアリング処理部200は、カラオケルームRに入室した利用者の携帯端末とペアリングを行う。
【0025】
携帯端末とカラオケ装置1とのペアリングの方法は公知の手法(特開2013−037148号公報等)を用いることができる。たとえば、ペアリング処理部200は、カラオケ装置1の表示装置30に当該カラオケ装置固有の識別子(バーコード等)を表示させる。カラオケルームRに入室した利用者は、携帯端末でカラオケ用アプリを起動し、当該識別子の読み込みを行うことで、サーバ装置(図示なし)を介して携帯端末とカラオケ装置1のペアリングを完了する。
【0026】
(第1の算出部)
第1の算出部300は、現在演奏中の楽曲の後に演奏される予約楽曲の演奏開始までの待ち時間を算出する。第1の算出部300は、算出した待ち時間を提示処理部600に出力する。
【0027】
カラオケルームRに入室した利用者U1〜利用者U3は、ペアリングが完了した自己の携帯端末を介し、歌唱したい楽曲の予約を行う。カラオケ装置1は、楽曲識別情報(楽曲ID)に楽曲を予約した利用者(以下、「予約者」)の識別情報(利用者ID)を関連付けて、予約された順に予約待ち行列に登録する。予約待ち行列に登録された楽曲は「予約楽曲」に相当する。
【0028】
第1の算出部300による待ち時間の算出は、所定のタイミングで開始することが可能である。たとえば、利用者U1が予約した楽曲X1、利用者U2が予約した楽曲X2の順で予約待ち行列に登録されているとする。この場合、楽曲X1の演奏開始と同時に楽曲X2の待ち時間の算出を開始してもよいし、楽曲X1の演奏時間の途中(たとえば、楽曲X1の演奏時間の半分が経過した時点)で楽曲X2の待ち時間の算出を開始してもよい。
【0029】
ここで、楽曲X1のカラオケ演奏が開始された時点で楽曲X2の演奏開始までの待ち時間の算出を開始するとする。この場合、第1の算出部300は、楽曲X1の楽曲データに関連付けられた属性情報から総演奏時間(前奏区間、歌唱区間、後奏区間それぞれの演奏時間を加算した時間)を求める。そして、第1の算出部300は、求めた総演奏時間に対し、楽曲X1の演奏終了から楽曲X2の演奏開始までの時間(曲間の待機時間)を加算した時間を「楽曲X2の演奏開始までの待ち時間」として算出する。これ以後、時間の経過とともに(楽曲X1のカラオケ演奏が進むにつれて)楽曲X2の演奏開始までの待ち時間は減っていく。曲間の待機時間は、カラオケ装置毎に所定の時間が一律で設定されていてもよし、カラオケ歌唱の都度、携帯端末やリモコン装置50を介して利用者が設定することでもよい。
【0030】
(位置検出部)
位置検出部400は、予約者が居る位置を検出する。予約者は、予約楽曲を予約した利用者である。位置検出部400は、取得した予約者が居る位置を第2の算出部500に出力する。
【0031】
位置検出部400による位置検出は所定のタイミングで開始し、以後所定の時間間隔で実行することが可能である。たとえば、第1の算出部300がある予約楽曲の待ち時間の算出を開始するタイミングで、予約者の携帯端末の位置の検出を開始することができる。この際、位置検出を行う携帯端末(予約者の携帯端末)の特定は、予約楽曲に関連付けられている利用者IDに基づいて行うことができる。また、予約者は必ずしも一か所に留まるとは限らない。つまり、時間の経過と共に予約者の居る位置が異なる可能性がある。そこで、位置検出部400は、所定時間毎(たとえば、10秒毎)に予約者が居る位置の検出を行うことでもよい。
【0032】
位置検出は、たとえば、GPS機能を利用した公知の手法により行うことができる。この場合、位置検出部400は、予約者の携帯端末に対し、現在位置を示す情報の提供を要求する。携帯端末は、当該要求に基づいてGPS機能を利用して位置情報を取得し、当該位置情報を位置検出部400に対して送信する。位置検出部400は、位置情報が示す位置を予約者が居る位置として検出する。
【0033】
なお、カラオケ店舗K内のような屋内におけるGPS機能の測位精度向上については、公知の技術(たとえば、特開2005−017198号公報)を利用することができる。また、携帯端末側の位置情報の取得は、GPS機能の利用に限られない。たとえば、複数基地局測位方式(AFLT)を利用して位置情報を取得したり、Wi−Fi(登録商標)のアクセスポイントを利用して位置情報を取得してもよい。或いは、携帯端末が備える近距離通信機能を利用し、位置情報を取得してもよい。
【0034】
(第2の算出部)
第2の算出部500は、検出された位置に基づいて、予約者がカラオケルームRに戻るまでに要する戻り時間を算出する。第2の算出部500は、算出した戻り時間を提示処理部600に出力する。
【0035】
第2の算出部500による戻り時間の算出は、所定のタイミングで行うことが可能である。たとえば、第1の算出部300がある予約楽曲の待ち時間を算出するタイミングで、当該予約楽曲を予約した利用者の戻り時間を算出することができる。また、上述の通り、時間の経過と共に予約者の位置が異なる場合、戻り時間も都度変化することとなる。そこで、第2の算出部500は、位置検出部400から予約者の居る位置が出力される毎に、戻り時間の算出を行ってもよい。
【0036】
たとえば、楽曲X2を予約した利用者U2が化粧室Lにいるとする。この場合、位置検出部400は、利用者U2が居る位置として化粧室Lの座標値を取得する。第2の算出部500は、データ記憶部100から地図データを読み出し、位置検出部400から出力された利用者U2が居る位置(化粧室Lの座標値)を当てはめることで、化粧室LからカラオケルームRまでの移動距離を求める。第2の算出部500は、求めた移動距離を所定の速度(たとえば、人間の平均的な歩行速度)で除算することで、利用者U2が化粧室LからカラオケルームRに戻るまでに要する戻り時間を算出する。
【0037】
(提示処理部)
提示処理部600は、算出された待ち時間及び戻り時間に基づく案内情報を予約者の携帯端末に提示させる。案内情報は、予約者が自分の歌唱順までにカラオケルームに戻れるかどうかを判断するための情報である。案内情報の提示は、携帯端末の表示画面へ表示することや、携帯端末が備えるスピーカから放音することにより行う。
【0038】
提示処理部600による案内情報の提示は所定のタイミングで行うことが可能である。たとえば、上記例において、提示処理部600は、利用者U2の携帯端末M2に対し、待ち時間が所定時間T1(たとえば、60秒)になったタイミングで、待ち時間及び戻り時間を提示させる。このように所定時間T1は、待ち時間及び戻り時間を提示させるタイミングを判断するための時間である。或いは、提示処理部600は、第1の算出部300による待ち時間の算出、及び第2の算出部500による戻り時間の算出が開始された直後に(所定時間T1の経過を待たずに)、待ち時間及び戻り時間を提示させてもよい。
【0039】
利用者U2は、提示された待ち時間を確認することで、楽曲X2の演奏開始までの残り時間を把握できる。また、利用者U2は、提示された戻り時間を確認することで、今自分が居る場所(化粧室L)からどれくらいの時間でカラオケルームRまで戻ることができるかを把握できる。従って、利用者U2は、演奏開始までにカラオケルームRに戻れるかどうか、或いは、演奏開始までにカラオケルームRに戻るためには化粧室Lをいつまでに出ればよいかを判断できる。
【0040】
また、所定のタイミングとして、現在演奏中の楽曲の演奏開始時点で算出された戻り時間に基づいたタイミングを用いてもよい。たとえば、楽曲X1の演奏開始時点で戻り時間が70秒と算出された場合、+10秒した80秒を所定時間T1とし、待ち時間が所定時間T1になったタイミングで待ち時間及び戻り時間を提示させてもよい。この場合、待ち時間に余裕を持たせることができるため、利用者がより確実にカラオケルームに戻ることが可能となる。また、所定時間T1は、カラオケ店舗K内の一番遠い地点から利用者が入室したカラオケルームRに戻るのに必要な時間、すなわち戻り時間の最大値としてもよい。この場合、利用者はカラオケ店舗K内のどこにいても、楽曲X2の演奏開始までにカラオケルームに戻ることができる。なお、この様な所定時間T1は、カラオケルームRによって異なるので、カラオケ装置毎に、記憶されたカラオケ店舗Kの地図データに基づいて予め取得しておいてもよい。
【0041】
提示処理部600による案内情報の提示は様々な態様が可能である。たとえば、提示処理部600は、待ち時間が所定時間になった場合、予約者の携帯端末に待ち時間をカウントダウン表示させ、且つ戻り時間を表示させることが可能である。カウントダウン表示は、1秒単位で行ってもよいし、数秒単位でまとめておこなってもよい。
【0042】
上記例において、提示処理部600は、待ち時間が所定時間T1になったタイミングで、待ち時間及び戻り時間を表示させたとする。その後、更に時間が経過し、待ち時間が所定時間T2となった場合、提示処理部600は、携帯端末M2に表示された待ち時間をカウントダウン表示させる。このように所定時間T2は、待ち時間のカウントダウン表示を開始させるタイミングを判断するための時間である。なお、待ち時間が所定時間T1になり待ち時間と戻り時間を提示させる際に(所定時間T2の経過を待たずに)カウントダウン表示を開始させてもよい。
【0043】
或いは、提示処理部600は、待ち時間と戻り時間との差分が所定値になった場合、予約者の携帯端末に所定の警告を行わせることも可能である。所定値は、所定の警告を行う基準となる値である。
【0044】
所定の警告は、様々な方法で行うことができる。たとえば、提示処理部600は、待ち時間と戻り時間との差分が所定値になった場合、予約者U2の携帯端末M2の表示画面にアラートを表示させる。また、提示処理部600は、待ち時間と戻り時間との差分が所定値になった場合、予約者U2の携帯端末M2のスピーカから警告音を発生させたり、携帯端末M2が備えるバイブレーション機能を駆動させ、振動により警告を行ってもよい。更に、提示処理部600は、待ち時間をカウントダウン表示させつつ、待ち時間と戻り時間との差分が所定値になった場合には、カウントダウン表示の態様を変化させる(表示画面の色を変える、カウントダウンする数字の色を変える等)ことで警告を行ってもよい。たとえば、本実施形態では所定値を5秒とする。これは、まだ楽曲X2の演奏開始までに利用者U2(予約者)がカラオケルームRに戻って来られるタイミングではあるが、あまり猶予はないというタイミングである。
【0045】
(演奏制御部)
演奏制御部700は、カラオケ装置1における楽曲のカラオケ演奏に関する制御を行う。たとえば、演奏制御部700は、予約待ち行列に登録された順に記憶部13から楽曲データを読み出し、音響処理部14を制御することでカラオケ演奏を行う。
【0046】
本実施形態に係る演奏制御部700は、戻り時間よりも待ち時間が短く、且つ当該戻り時間が0で無い場合に、予約楽曲の演奏開始前であれば、予約楽曲の予約順序を変更するまたは予約の解除を行う。
【0047】
戻り時間よりも待ち時間が短くなった場合、予約者は、現在居る場所から演奏開始までにカラオケルームRに戻ることができない。従って、予約楽曲の演奏を開始したとしてもカラオケ歌唱を行う利用者が居ないこととなる。一方、戻り時間が0の場合とは、利用者がカラオケルームR内に居ることを示す。そこで、演奏制御部700は、待ち時間の経過と戻り時間の変動を監視し、戻り時間よりも待ち時間が短くなった場合、且つ戻り時間が0でない場合には、予約楽曲の楽曲IDを予約待ち行列の後ろに移動させ、当該予約楽曲よりも後に予約された楽曲のカラオケ演奏を優先させる処理(予約順序の変更)、或いは、予約楽曲の楽曲IDを予約待ち行列から削除する処理(予約の解除)を行う。なお、予約順序の変更や予約の解除を行い、新たな予約曲のカラオケ演奏を行う際には、新たな予約曲の予約者がカラオケルームR内に居ることを予め確認してからカラオケ演奏を開始してもよい。
【0048】
なお、提示処理部600は、予約楽曲について予約順序の変更または予約の解除が行われた場合、その旨のメッセージを予約者の携帯端末に表示させることも可能である。たとえば、演奏制御部700は、予約楽曲の予約順序を変更した旨を提示処理部600に出力する。提示処理部600は、その旨を携帯端末の表示画面に表示させる。この際、第1の算出部300は、新たな待ち時間を算出し、提示処理部600は、当該新たな待ち時間を携帯端末の表示画面に表示させることも可能である。
【0049】
==カラオケ装置における処理について==
次に、
図5A及び
図5Bを参照して本実施形態に係るカラオケ装置1における処理の具体例について述べる。
図5A及び
図5Bは、カラオケ装置1における処理例を示すフローチャートである。この例では、カラオケルームRに2名の利用者(第1の利用者、第2の利用者)が入室し、カラオケ装置1を利用してカラオケ歌唱を行うとする。また、各利用者の携帯端末には、それぞれカラオケ用アプリがインストールされている。
【0050】
各利用者は、カラオケルームRに入室後、カラオケ用アプリを起動し、ペアリングの操作を行う。ペアリング処理部200は、当該操作に基づいて、各利用者の携帯端末とペアリングを行う(携帯端末とのペアリング。ステップ10)。
【0051】
各利用者は、携帯端末を介して楽曲の予約を行う。この例では、第1の利用者が予約した楽曲X4、第2の利用者が予約した楽曲X5の順で予約待ち行列に登録されているとする。
【0052】
演奏制御部700は、予約待ち行列に登録された順に記憶部13から楽曲データを読み出し、カラオケ演奏を行う。この例では、まず楽曲X4のカラオケ演奏が開始される。
【0053】
第1の算出部300は、現在演奏中の楽曲X4の次に演奏される予約楽曲(楽曲X5)の演奏開始までの待ち時間の算出を開始する(待ち時間の算出を開始。ステップ11)。
【0054】
また、位置検出部400は、予約楽曲(楽曲X5)を予約した第2の利用者(予約者)が居る位置の検出を開始する(予約者の居る位置の検出を開始。ステップ12)。
【0055】
ここで、第2の利用者は、楽曲X5を予約した後、化粧室Lに行くために離席しており、楽曲X4の演奏開始時にはカラオケルームRに居ないとする。この場合、位置検出部400は、第2の利用者の居る位置として化粧室Lの位置を検出する。なお、この例において、第2の利用者は、化粧室Lに留まっている(化粧室Lから移動しない)ものとする。
【0056】
第2の算出部500は、ステップ12で検出された位置に基づいて、第2の利用者がカラオケルームRに戻るまでに要する戻り時間の算出を開始する(戻り時間の算出を開始。ステップ13)。
【0057】
提示処理部600は、ステップ11で算出された待ち時間及びステップ13で算出された戻り時間に基づく案内情報を第2の利用者の携帯端末に提示させる。この例では、提示処理部600は、ステップ11で算出された待ち時間及びステップ13で算出された戻り時間を携帯端末の表示画面に表示させたとする(待ち時間及び戻り時間を表示させる。ステップ14)。
【0058】
その後、提示処理部600は、待ち時間が所定時間になった場合(ステップ15でYの場合)、第2の利用者の携帯端末に表示された待ち時間をカウントダウン表示させる(待ち時間のカウントダウン。ステップ16)。
【0059】
更に、提示処理部600は、待ち時間と戻り時間との差分が所定値になった場合、第2の利用者の携帯端末に所定の警告を行わせる(予約者に対する警告。ステップ17)。
【0060】
そして、戻り時間よりも待ち時間が短くなり(ステップ18でYの場合)、且つ戻り時間が0で無い場合(ステップ19でYの場合)、演奏制御部700は、楽曲X5の予約順序を変更するか、または予約の解除を行う(予約の変更または解除。ステップ20)。
【0061】
この場合、提示処理部600は、予約を変更または解除した旨のメッセージを第2の利用者の携帯端末に表示させる(予約の変更または解除の旨を表示させる。ステップ21)。なお、戻り時間よりも待ち時間が短くなり(ステップ18でYの場合)、且つ戻り時間が0の場合(ステップ19でNの場合)には、予約楽曲(楽曲X5)の演奏は開始されており処理は終了となる。
【0062】
==待ち時間について==
上記実施形態では、待ち時間として、現在演奏中の楽曲の後に演奏される予約楽曲の演奏開始までの時間を例に説明した。一方、予約楽曲の歌唱開始までの時間を待ち時間とすることも可能である。通常、楽曲の前奏区間は歌詞が無いため、実際にカラオケ歌唱を行うのは歌唱区間となる。従って、利用者は、予約楽曲の歌唱区間が開始されるまでにカラオケルームに戻ることができれば、自己の予約した楽曲のカラオケ歌唱を行うことが可能となる。
【0063】
この場合、第1の算出部300は、現在演奏中の楽曲の後に演奏される予約楽曲の歌唱開始までの待ち時間を算出する。
【0064】
たとえば、現在、利用者U1が予約した楽曲X1のカラオケ演奏が開始された時点で、予約待ち行列に、利用者U2が予約した楽曲X2が登録されているとする。この場合、第1の算出部300は、楽曲X2の歌唱開始までの待ち時間を算出する。具体的に、第1の算出部300は、楽曲X1の属性情報から総演奏時間を求めると共に、楽曲X2の属性情報から楽曲X2の前奏区間の演奏時間を求める。第1の算出部300は、楽曲X1の総演奏時間、楽曲X2の前奏区間の演奏時間、及び楽曲X1の演奏終了から楽曲X2の演奏開始までの時間(曲間の待機時間)を加算した時間を「楽曲X2の歌唱開始までの待ち時間」として算出する。
【0065】
また、演奏制御部700は、戻り時間よりも待ち時間が短く、且つ当該戻り時間が0で無い場合に、予約楽曲の演奏開始後であれば、演奏停止を行う。
【0066】
歌唱開始までの待ち時間を用いる場合、予約楽曲の演奏開始時には予約者がカラオケルームR内にいるかどうかに関わらずカラオケ演奏が開始される。一方、戻り時間が待ち時間を越えた場合には、予約者が不在であるためカラオケ演奏を継続することは好ましくない。そこで、演奏制御部700は、予約楽曲の演奏開始後に、戻り時間よりも待ち時間が短く、且つ当該戻り時間が0で無いと判断した場合には、演奏停止を行う。演奏停止を行った場合、提示処理部600は、その旨のメッセージを予約者の携帯端末に表示させることができる。
【0067】
更には、第1の算出部300は、予約楽曲の演奏開始までの時間及び歌唱開始までの時間の双方を、待ち時間として算出することも可能である。
【0068】
この場合、提示処理部600は、予約楽曲の演奏開始前には、演奏開始までの待ち時間をカウントダウン表示させ、予約楽曲の演奏開始後には、歌唱開始までの待ち時間をカウントダウン表示させることが可能となる。
【0069】
たとえば、利用者U1が予約した楽曲X1のカラオケ演奏が開始された時点で、予約待ち行列に、利用者U2が予約した楽曲X2が登録されているとする。この場合、第1の算出部300は、楽曲X2の演奏開始までの待ち時間Tp、及び楽曲X2の歌唱開始までの待ち時間Tsを算出する。
【0070】
提示処理部600は、楽曲X2の演奏開始前には、演奏開始までの待ち時間Tpをカウントダウン表示させる。そして、提示処理部600は、待ち時間Tpのカウントダウンが0になった場合(楽曲X2のカラオケ演奏が開始された場合)、待ち時間Tsから待ち時間Tpを減算した残り時間をカウントダウン表示させる。
【0071】
==予約待ち行列に複数の楽曲が登録されている場合について==
上記実施形態では、現在演奏中の次に予約されている楽曲について待ち時間を算出したが、2曲以上後に予約されている楽曲の待ち時間を算出してもよい。たとえば、現在、利用者U1が予約した楽曲X1のカラオケ演奏が開始された時点で、利用者U2が予約した楽曲X2、利用者U3が予約した楽曲X3の順で予約待ち行列に登録されているとする。この場合、第1の算出部300は、楽曲X3の演奏開始までの待ち時間を算出することも可能である。具体的に、第1の算出部300は、楽曲X1及び楽曲X2の属性情報からそれぞれの楽曲の総演奏時間を求める。第1の算出部300は、求めた楽曲X1の総演奏時間及び楽曲X2の総演奏時間に対し、楽曲X1と楽曲X2との曲間の待機時間及び楽曲X2と楽曲X3との曲間の待機時間を加算することにより、「楽曲X3の演奏開始までの待ち時間」を算出する。
【0072】
この場合、位置検出部400は、利用者U3が居る位置を検出し、第2の算出部500に出力する。第2の算出部500は、検出された利用者U3が居る位置に基づいて、利用者U3がカラオケルームRに戻るまでに要する戻り時間を算出する。第2の算出部500は、算出した戻り時間を提示処理部600に出力する。提示処理部600は、算出された待ち時間及び戻り時間に基づく案内情報を利用者U3の携帯端末M3に提示させる。
【0073】
==実施形態の作用効果==
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケルームRに設置されたカラオケ装置1は、カラオケルームRに入室した利用者の携帯端末とペアリングを行うペアリング処理部200と、現在演奏中の楽曲の後に演奏される予約楽曲の演奏開始及び/または歌唱開始までの待ち時間を算出する第1の算出部300と、予約楽曲を予約した利用者である予約者が居る位置を検出する位置検出部400と、検出された位置に基づいて、予約者がカラオケルームRに戻るまでに要する戻り時間を算出する第2の算出部500と、算出された待ち時間及び戻り時間に基づく案内情報を予約者の携帯端末に提示させる提示処理部600と、を有する。
【0074】
このようなカラオケ装置1によれば、各利用者の携帯端末に対して、自己が予約した楽曲の演奏開始までの待ち時間(或いは歌唱開始までの待ち時間)と、各利用者がカラオケルームRに戻るまでに要する戻り時間を提示することができる。従って、利用者はカラオケ店舗K内のどこに居る場合であっても、自己の予約した楽曲の演奏開始(歌唱開始)が近づいたこと、及び演奏開始(歌唱開始)に間に合うかどうかを把握できる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置1によれば、自分の歌唱順までにカラオケルームに戻れるかどうかを判断するための情報を、利用者の携帯端末に提示させることができる。
【0075】
また、提示処理部600は、待ち時間が所定時間になった場合、予約者の携帯端末に待ち時間をカウントダウン表示させ、且つ戻り時間を表示させることが可能である。このように待ち時間及び戻り時間を表示させることにより、利用者は、自己の予約した楽曲の演奏開始(歌唱開始)までの具体的な時間、及び演奏開始(歌唱開始)に間に合うかどうかを容易に把握できる。
【0076】
また、提示処理部600は、予約楽曲の演奏開始前には、演奏開始までの待ち時間をカウントダウン表示させ、予約楽曲の演奏開始後には、歌唱開始までの待ち時間をカウントダウン表示させることが可能である。このように、予約楽曲の演奏開始前後の2段階でカウントダウン表示を行うことにより、利用者は、自分の歌唱順までにカラオケルームに戻れるかどうかをより正確に判断できる。
【0077】
また、提示処理部600は、待ち時間と戻り時間との差分が所定値になった場合、予約者の携帯端末に所定の警告を行わせることが可能である。このように、予約者の携帯端末に所定の警告を行わせることで、予約者は自己の予約した楽曲の演奏開始が近づいたことを確実に把握できる。
【0078】
また、カラオケ装置1は、戻り時間よりも待ち時間が短く、且つ当該戻り時間が0で無い場合に、予約楽曲の演奏開始前であれば、予約楽曲の予約順序の変更または予約の解除を行い、予約楽曲の演奏開始後であれば、演奏停止を行う演奏制御部700を有してもよい。このように、予約楽曲の予約順の変更や予約の解除、或いは演奏停止を行うことにより、他の利用者のカラオケ歌唱の機会を妨げることが無い。また、予約楽曲の予約順を変更した場合には、予約者が改めて当該楽曲を歌唱する機会を提供できる。
【0079】
また、提示処理部600は、予約楽曲について予約順序の変更、予約の解除、または演奏停止が行われた場合、その旨のメッセージを予約者の携帯端末に表示させることが可能である。このようなメッセージを表示させることにより、予約者は、自分の歌唱順までにカラオケルームに戻れなかった場合に、自己の予約した楽曲がどうなったかを把握できる。
【0080】
<その他>
上記実施形態で述べた予約者に対する案内情報の提示は、当該予約者がどこにいる場合であっても可能である。すなわち、カラオケルームR内に居る予約者に対しても案内情報の提示が可能である。案内情報を見た予約者は、少なくとも自己の歌唱順までの待ち時間を把握できるため、たとえば、待ち時間が長い場合には化粧室に行く等の判断ができる。
【0081】
一方、カラオケルームR内に居る予約者に対しては、必ずしも案内情報の提示を行う必要は無い。そこで、第2の算出部500は、位置検出部400により検出された位置と、カラオケ装置1が設置されているカラオケルームRの位置が一致する場合、戻り時間の算出を行わなくてもよい。この場合、提示処理部600は、予約者の携帯端末に待ち時間及び戻り時間を提示させない。このようなカラオケ装置1によれば、自分の歌唱順までにカラオケルームに戻れるかどうかを判断する必要が無い利用者(カラオケルーム内に居る利用者)に対して不要な情報を提供することが無い。
【0082】
また、位置検出は、携帯端末から送信される位置情報に限られない。たとえば、カラオケ店舗K内に死角がない様に監視カメラを設置し、LAN等によりカラオケ装置と通信可能に接続しておく。各監視カメラの位置は、地図データに含まれているとする。この場合、位置検出部400は、監視カメラからの映像に含まれる利用者について顔認証を行うことで予約者を特定し、当該映像を撮影した監視カメラが設置された位置を予約者が居る位置として検出してもよい。
【0083】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。