特許第6971113号(P6971113)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6971113太陽光発電装置設置支援システム、太陽光発電装置設置支援方法、および太陽光発電装置設置支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971113
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】太陽光発電装置設置支援システム、太陽光発電装置設置支援方法、および太陽光発電装置設置支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/13 20200101AFI20211111BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20211111BHJP
   E04D 13/18 20180101ALI20211111BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20211111BHJP
【FI】
   G06F30/13
   G06F30/10 100
   E04D13/18ETD
   H02S20/23 Z
【請求項の数】5
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-190518(P2017-190518)
(22)【出願日】2017年9月29日
(65)【公開番号】特開2018-173932(P2018-173932A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2020年6月15日
(31)【優先権主張番号】特願2017-69957(P2017-69957)
(32)【優先日】2017年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深谷 健也
(72)【発明者】
【氏名】常廣 一成
【審査官】 松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−185367(JP,A)
【文献】 特開2013−242683(JP,A)
【文献】 特開2003−141389(JP,A)
【文献】 特開2007−102400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 −30/398
H02S 20/23
E04D 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め、複数の建物に関し、各建物の屋根の平面形状、屋根勾配、前記建物の方位、住所を含む建物データが格納された建物データベースと、
予め、設置する太陽光発電装置の太陽電池モジュールに関するデータが格納された太陽光発電装置データベースと、
前記建物データベースに格納された前記建物データを読み込み前記建物データに基づいて、前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求める処理を実行する制御装置と、を備えた太陽光発電装置設置支援システムであって、
前記制御装置は、
前記建物データベースから、前記太陽光発電装置の設置対象となる前記建物の前記建物データを読み込む処理と、
読み込んだ前記建物データにおける前記屋根の平面形状、屋根勾配、建物の方位に基づいて、前記屋根における前記太陽電池モジュールを設置する設置面を特定する処理と、
前記特定した前記設置面に対し、前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求める処理と、
前記太陽電池モジュールの設置数および配置を出力する処理と、
を実行し、
前記建物データベースに格納された前記建物データは、建築済みの建物のデータであり、
前記太陽光発電装置データベースには、大きさおよび発電容量が異なる複数種類の前記太陽電池モジュールが設定されており、
前記制御装置における前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求める処理では、前記複数種類の太陽電池モジュールの中から特定の前記太陽電池モジュールを選択する操作に応じ、選択された前記太陽電池モジュールの前記設置数および配置を求めて、前記太陽電池モジュールの前記設置数および配置を出力する処理が割付設定画面を出力するようになっており、
該割付設定画面は、割付上のグループ分けと、接続上の系統分けとの両方を、同時に表示すると共に、画面上での、各グループおよび各系統の前記設置数の変更が可能となっていることを特徴とする太陽光発電装置設置支援システム。
【請求項2】
請求項に記載の太陽光発電装置設置支援システムにおいて、
前記太陽光発電装置データベースには、前記太陽電池モジュールの設置に伴い必要な、パワーコンディショナを含む周辺機器に関するデータも格納され、
前記制御装置は、前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求める処理に続いて、前記太陽電池モジュールの設置数に応じて必要となる周辺機器を求める処理を実行することを特徴とする太陽光発電装置設置支援システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の太陽光発電装置設置支援システムにおいて、
前記太陽光発電装置データベースには、前記太陽電池モジュールの価格データが格納され、
前記制御装置は、前記太陽電池モジュールの設置数および価格データに基づいて、前記太陽光発電装置の設置費用の見積額を算出し出力する処理を実行することを特徴とする太陽光発電装置設置支援システム。
【請求項4】
予め、複数の建物に関し、各建物の屋根の平面形状、屋根勾配、前記建物の方位、住所を含む建物データを建物データベースに格納するステップと、
予め、設置する太陽光発電装置の太陽電池モジュールに関するデータを太陽光発電装置データベースに格納するステップと、
前記格納された前記建物データの中から、前記太陽光発電装置の設置対象となる前記建物の前記建物データを読み込むステップと、
前記読み込んだ前記建物データにおける前記屋根の平面形状、屋根勾配、建物の方位に基づいて、前記屋根における前記太陽電池モジュールを設置する設置面を特定するステップと、
前記特定した前記設置面に対し、前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求めるステップと、
前記太陽電池モジュールの設置数および配置を出力するステップと、
を実行すると共に、
前記建物データベースには、前記建物データとして建築済みの建物のデータが格納され、
前記太陽光発電装置データベースには、大きさおよび発電容量が異なる複数種類の前記太陽電池モジュールが設定されて、
前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求める処理では、前記複数種類の太陽電池モジュールの中から特定の前記太陽電池モジュールを選択する操作に応じ、選択された前記太陽電池モジュールの前記設置数および配置を求めて、前記太陽電池モジュールの前記設置数および配置を出力する処理が割付設定画面を出力し、
該割付設定画面は、割付上のグループ分けと、接続上の系統分けとの両方を、同時に表示すると共に、画面上での、各グループおよび各系統の前記設置数の変更を受け付けることを特徴とする太陽光発電装置設置支援方法。
【請求項5】
請求項に記載の太陽光発電装置設置支援方法をコンピュータにより実行可能とした太陽光発電装置設置支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電装置設置支援システム、太陽光発電装置設置支援方法、および太陽光発電装置設置支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電モジュール(以下、本明細書では、この太陽光発電モジュールを単にモジュールと表記する)を設置する際に、そのレイアウトを自動的に演算する太陽光発電装置設置支援システムが知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−242187号公報
【特許文献2】特開2006−185367号公報
【特許文献3】特開2013−222891号公報
【特許文献4】特開2004−94660号公報
【特許文献5】特開2008−166598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような太陽光発電装置設置支援システムでは、モジュールを、屋根の設置面に効率良く配置するには、屋根の設置面の大きさや形状などを正確に把握することが重要である。しかしながら、モジュールを設置する建物の現地に行き、屋根の大きさ、形状、勾配などを正確に測定するのは、非常に多くの手間を要する。また、設計図面から読み取ることも提案されているが、リフォームなど、建築してから時間が経過している場合、設計図面がなかったり、既に増改築が行われ、実際の屋根形状が設計図面と異なっていたりする場合もある。
【0005】
そこで、上記の特許文献2、3に記載の発明では、地図データ、衛星写真データなどを用いて、屋根の平面形状を特定し、住宅のメーカ、モデルから屋根傾斜を推定し、屋根形状を特定することが提案されている。
しかしながら、近年、同一のメーカ、モデルであっても、顧客の要望に応じ、多様なプランが選択可能となっており、それにより屋根の勾配も多様化し、屋根の大きさ、形状、勾配を正確に特定することが難しい。このため、モジュールの配置を高精度で設計することが難しい。
【0006】
そこで、本開示では、現地における測定を不要としながらも、より高精度で屋根の形状などの情報を取得し、高精度で太陽電池モジュールの配置を設定可能な太陽光発電装置設置支援システム、太陽光発電装置設置支援方法、および太陽光発電装置設置支援プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本開示の太陽光発電装置設置支援システムは、
予め、複数の建物に関し、各建物の屋根の平面形状、屋根勾配、前記建物の方位、住所を含む建物データが格納された建物データベースと、
予め、設置する太陽光発電装置の太陽電池モジュールに関するデータが格納された太陽光発電装置データベースと、
前記建物データベースに格納された前記建物データを読み込み前記建物データに基づいて、前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求める処理を実行する制御装置と、
を備えた太陽光発電装置設置支援システムであって、
前記制御装置は、
前記建物データベースから、前記太陽光発電装置の設置対象となる前記建物の前記建物データを読み込む処理と、
読み込んだ前記建物データにおける前記屋根の平面形状、屋根勾配、建物の方位に基づいて、前記屋根における前記太陽電池モジュールを設置する設置面を特定する処理と、
前記特定した前記設置面に対し、前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求める処理と、
前記太陽電池モジュールの設置数および配置を出力する処理と、
を実行することを特徴とする太陽光発電装置設置支援システムとした。
【0008】
この際、前記建物データベースに格納された前記建物データは、建築済みの建物のデータとする。
また、前記太陽光発電装置データベースには、大きさおよび発電容量が異なる複数種類の前記太陽電池モジュールが設定されており、前記制御装置における前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求める処理では、前記複数種類の太陽電池モジュールの中から特定の前記太陽電池モジュールを選択する操作に応じ、選択された前記太陽電池モジュールの前記設置数および配置を求めて、前記太陽電池モジュールの前記設置数および配置を出力する処理が割付設定画面を出力する
該割付設定画面は、割付上のグループ分けと、接続上の系統分けとの両方を、同時に表示すると共に、画面上での、各グループおよび各系統の前記設置数の変更が可能となっている
さらに、前記太陽光発電装置データベースには、前記太陽電池モジュールの設置に伴い必要な、パワーコンディショナを含む周辺機器に関するデータも格納され、前記制御装置は、前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求める処理に続いて、前記太陽電池モジュールの設置数に応じて必要となる周辺機器を求める処理を実行するようにしてもよい。
そして、前記太陽光発電装置データベースには、前記太陽電池モジュールの価格データが格納され、前記制御装置は、前記太陽電池モジュールの設置数および価格データに基づいて、前記太陽光発電装置の設置費用の見積額を算出し出力する処理を実行するようにしてもよい。
また、前記太陽光発電装置データベースには、前記太陽電池モジュールの価格に加え、パワーコンディショナを含み前記太陽電池モジュールの設置に伴い必要な周辺機器に関する価格データが格納され、前記制御装置は、前記設置費用の見積額の算出時に、必要な前記周辺機器の価格も含んで算出するようにしてもよい。
そして、前記制御装置は、前記設置費用の見積額の算出時に、前記太陽電池モジュールの複数の機種の算出要求があった場合、各機種に応じた見積額を算出するとともに、その複数の算出結果を出力するようにしてもよい。
さらに、前記太陽光発電装置データベースには、予め設定された所定単位の設置面に応じて、設置可能な前記太陽電池モジュールの設置数に関するパターンデータが予め格納され、前記制御装置は、前記設置面に対する前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求める処理では、前記設置面の大きさと所定単位との関係および前記パターンデータに基づいて前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求めるようにしてもよい。
また、前記太陽電池モジュールの設置数および配置の出力あるいは設置費用の見積額の出力は、画面表示としてもよい。
さらに、前記制御装置は、前記太陽電池モジュールの複数の機種の見積額の算出結果を出力する場合、機種および見積額を、一覧可能に並列表示するようにしてもよい。
【0009】
前記目的を達成するために、本開示の太陽光発電装置設置支援方法は、予め、複数の建物に関し、各建物の屋根の平面形状、屋根勾配、前記建物の方位、住所を含む建物データを建物データベースに格納するステップと、予め、設置する太陽光発電装置の太陽電池モジュールに関するデータを太陽光発電装置データベースに格納するステップと、前記格納された前記建物データの中から、前記太陽光発電装置の設置対象となる前記建物の前記建物データを読み込むステップと、前記読み込んだ前記建物データにおける前記屋根の平面形状、屋根勾配、建物の方位に基づいて、前記屋根における前記太陽電池モジュールを設置する設置面を特定するステップと、前記特定した前記設置面に対し、前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求めるステップと、前記太陽電池モジュールの設置数および配置を出力するステップと、を実行すると共に、前記建物データベースには、前記建物データとして建築済みの建物のデータが格納され、前記太陽光発電装置データベースには、大きさおよび発電容量が異なる複数種類の前記太陽電池モジュールが設定されて、前記太陽電池モジュールの設置数および配置を求める処理では、前記複数種類の太陽電池モジュールの中から特定の前記太陽電池モジュールを選択する操作に応じ、選択された前記太陽電池モジュールの前記設置数および配置を求めて、前記太陽電池モジュールの前記設置数および配置を出力する処理が割付設定画面を出力し、該割付設定画面は、割付上のグループ分けと、接続上の系統分けとの両方を、同時に表示すると共に、画面上での、各グループおよび各系統の前記設置数の変更を受け付けることを特徴とする。
さらに、上記太陽光発電装置設置支援方法をコンピュータにより実行可能とした太陽光発電装置設置支援プログラムとした。
【発明の効果】
【0010】
本開示の太陽光発電装置設置支援システムは、建物データベースから、建物の屋根に関する情報および住所に関する情報、すなわち、屋根の大きさ、形状、勾配、方位などを取得し、これに基づいて、建物の屋根の太陽電池モジュールの設置面を高精度で特定することができる。したがって、現地における測定を不要としながらも、高精度で屋根の形状などの情報を取得し、太陽電池モジュールの設置数および配置を高精度で求めることができる。
【0011】
そして、建物データベースに建築済みの建物の建物データ格納することで、建築済みの建物を、後に、リフォームなどにより太陽光発電装置を設置する際に、その建物データを有効活用でき、その際に、作業性に優れ、かつ、太陽電池モジュールの設置数および配置を、高精度で求めることができる。
また、制御装置が、複数種類の太陽電池モジュールの中から選択された特定の太陽電池モジュールの設置数および配置を求めて割付設定画面を出力することで、単一の太陽電池モジュールを設置する場合と比較して、種々の建物に対する太陽電池モジュールの設置自由度が向上する。そして、割付設定画面は、割付上のグループ分けと、接続上の系統分けとの両方を、同時に表示できると共に、画面上で、各グループおよび各系統の設置数を変更できる。
さらに、制御装置が太陽電池モジュールの設置数に応じて必要となる周辺機器を求める処理を実行するものでは、太陽電池モジュールのみならず、太陽電池モジュールの設置に必要な周辺機器まで正確に求めることができる。
そして、制御装置が、太陽光発電装置の設置費用の見積額を算出し出力する処理を実行するものでは、高精度の太陽電池モジュールの設置数に基づいて、設置費用も高精度で求めることができる。
また、制御装置が、必要な前記周辺機器の価格も含んで算出するものでは、実際に太陽光発電装置の設置にかかる費用を高精度で算出することができる。
そして、太陽電池モジュールの複数の機種の算出要求があった場合に、各機種に応じた見積額を算出するとともに、その複数の算出結果を出力するものでは、複数の機種の見積額を同時に知ることができる。
さらに、制御装置が、パターンデータに基づいて太陽電池モジュールの設置数および配置を求めるものでは、種々の設置面に応じて高精度で太陽電池モジュールの設置数および配置を求めることができる。
また、前記太陽電池モジュールの設置数および配置あるいは設置費用の見積額を画面表示するものでは、利用者は、画面を見て、太陽電池モジュールの設置数および配置や、設置費用の見積額を知ることができる。
さらに、太陽電池モジュールの複数の機種の見積額を、一覧可能に並列表示するものでは、複数の機種の見積額の比較検討を容易に行うことができる。
【0012】
また、本開示の太陽光発電装置設置支援方法およびこれをコンピュータにより実行可能なプログラムにあっても、上記構成により、現地における測定を不要としながらも、高精度で屋根の形状などの情報を取得し、太陽電池モジュールの設置数および配置を高精度で求めることや、種々の建物に対する太陽電池モジュールの設置自由度を向上することができ、また、割付設定画面では、割付上のグループ分けと、接続上の系統分けとの両方を、同時に表示することや、画面上で、各グループおよび各系統の設置数を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムの全体構成を模式的に示す全体システム図である。
図2】太陽光発電装置を設置する邸の屋根における太陽電池モジュールを設置可能な屋上ブロックパターンを示す模式図である。
図3A】実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムにより、陸屋根の邸に太陽電池モジュールの配置を割り付けた割付パターンの一例を示す模式図である。
図3B】他の陸屋根の形状の邸に太陽電池モジュールの配置を割り付けた割付パターンの例を示す模式図である。
図3C】他の陸屋根の形状の邸に太陽電池モジュールの配置を割り付けた割付パターンの例を示す模式図である。
図3D】他の陸屋根の形状の邸に太陽電池モジュールの配置を割り付けた割付パターンの例を示す模式図である。
図4A】実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムにより、切妻屋根の邸に太陽電池モジュールの配置を割り付けた割付パターンの一例を示す模式図である。
図4B】他の切妻屋根の形状の邸に太陽電池モジュールの配置を割り付けた割付パターンの一例を示す模式図である。
図5】実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムにより、寄棟屋根の邸に太陽電池モジュールの配置を割り付けた割付パターンの一例を示す模式図である。
図6A】寄棟屋根に太陽電池モジュールを割り付ける際に用いるパターンデータの一例を示す模式図である。
図6B】前記パターンデータの他の例を示す模式図である。
図7】本発明の実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムにおいて太陽電池モジュールの設置数、配置を求め、設置費用を積算する処理の流れを示すフローチャートである。
図8】本発明の実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムにおいて複数のメーカの入力があった場合に、設置プラン表示画面にて設置プランを表示した例を示す図である。
図9A】本発明の実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムにおける割付設定画面の一例を示す図である。
図9B】本発明の実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムにおける割付設定画面の他の例を示す図である。
図10】本発明の実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムにおいて太割付図面データを保存するフォルダの表示例を示す図である。
図11】本発明の実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムにおいて表示画面に表示された割付図面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
(太陽光発電装置設置支援システムの構成)
実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムA(図2参照)の構成について説明する。
この太陽光発電装置設置支援システムAは、図1に示す複数の建物としての住宅H(H1・・・HX)に太陽光発電装置10を設置するのにあたり、住宅Hの屋根RFに応じて後述の太陽電池モジュール(以下、モジュールという)11の最適の配置を設定するとともに、それに要する費用を積算するシステムである。
ここで、図示の複数の住宅H1〜HXのうち、特定のものを指さない場合、および、全ての住宅を指す場合、以下、単に住宅Hと表記する。
【0015】
住宅Hは、それぞれ既に建築済みのものであり、各住宅Hは、複数の建物ユニットUを水平方向および上下方向に結合したユニット建物である。また、各住宅Hは、図では、建物ユニットUを上下に2段重ねた2階建てのものを示しているが、その階数は、2階建に限らず、平屋や3階以上のものも含む。同様に、図では、住宅Hの屋根RFは、切妻屋根のものを示しているが、その屋根形状も、切妻に限らずフラットな陸屋根や寄棟屋根などの他の形状の屋根RFのものも含む。
また、太陽光発電装置10は、複数のモジュール11と、このモジュール11によって発電された直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ12と、を備える。
【0016】
そして、本実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAは、既設の住宅Hに対し、その建築後に、リフォームなどで新たに太陽光発電装置10を設置する際に、そのモジュール11の数および配置を決定し、それを設置するのに要する工事費用を積算するのに用いることができる。なお、この太陽光発電装置設置支援システムAは、新規に建築する住宅Hの工事費用を前もって積算する場合にも用いることができる。
【0017】
太陽光発電装置設置支援システムAは、管理サーバ20と、この管理サーバ20とインターネットなどの外部の通信ネットワークNを介して接続可能な制御装置としてのコンピュータ30と、を含んで構成されている。なお、コンピュータ30は、本開示の太陽光発電装置設置支援方法を実行可能とした太陽光発電装置設置支援プログラムが搭載されている。また、コンピュータ30は、表示画面31を備える。
【0018】
管理サーバ20は、太陽光発電装置10に関する情報が入力された太陽光発電装置データベース21と、顧客の住宅Hに関する情報が入力された住宅情報データベース22と、を備える。
【0019】
太陽光発電装置データベース21には、太陽光発電装置10のメーカ別のモジュール11の大きさ、性能、設置に要する付属品に関する情報などが格納されている。また、パワーコンディショナ12に関しても、メーカ別、機種別の容量、設置形式(室内設置、室外設置など)、設置に要する付属品に関する情報などの情報が格納されている。
【0020】
さらに、太陽光発電装置データベース21は、太陽光発電装置10のメーカ、およびそのメーカのモジュール11と、所定単位の建物ユニットUに対する設置数との関係が予め設定され格納されている。すなわち、建物ユニットUは、桁方向寸法、妻方向寸法が異なる仕様のものが複数設定されている。また、屋根RFの形状、屋根勾配により、1つの建物ユニットUに設置可能なモジュール11の枚数も異なる場合がある。
【0021】
また、モジュール11も、メーカの違いや、同一メーカであっても発電容量の違いなどにより大きさが異なる。
【0022】
そこで、サイズが異なるモジュール11毎に、上記の建物ユニットUの仕様の違いにより、所定単位の建物ユニットUに、何枚のモジュール11をどのように配置可能か、予め設定され、格納されている。なお、所定単位とは、例えば、1つの建物ユニットUを1単位とするものに限られず、1.5の建物ユニットU、あるいは2つの建物ユニットUを1単位とすることができる。
【0023】
同様に、屋根RFの勾配によっても、適正に設置可能なモジュール11の数、配置が異なることから、上記の関係は、さらに、屋根形状および勾配に関連付けられて、格納されている。
【0024】
住宅情報データベース22には、各住宅Hについて、それが建てられた住所や方位、地域に関連する情報、建物ユニットUの仕様に関する情報、屋根RFに関する情報が、各住宅Hに関連付けられて入力されている。
【0025】
なお、方位に関する情報として、住宅Hの屋根RFと方位との関係、すなわち屋根RFの向きを特定可能な情報が入力されている。また、地域に関する情報として、例えば、地域に応じた降雪や風速や日照に関する情報が含まれる。
【0026】
ここで、建物ユニットUに関する情報としては、住宅Hを構成する建物ユニットUの桁方向、妻方向の寸法やその配置が含まれる。
また、建物ユニットUの配置としては、平面図上における桁方向、妻方向の配置や、側面、正面、背面など上下方向での配置が含まれる。
そして、屋根RFに関する情報としては、平面図における桁方向、妻方向寸法や、屋根形状(陸屋根、切妻屋根、寄棟屋根など)、屋根勾配、屋根材などの情報が含まれる。
【0027】
以上のように、ユニット建物としての住宅Hを建築する際には、その住宅Hを建てた住所を含む情報や、住宅Hおよびそれを構成する建物ユニットUおよび屋根RFに関する情報が、建築会社の図示を省略したコンピュータから管理サーバ20に送られ、格納される。したがって、建築後に、複数の住宅Hの中から、特定の住宅Hを選択し、その住宅Hを構成する建物ユニットUの寸法、配置に関する情報、屋根RFの形状(陸屋根、切妻屋根、寄棟屋根など)、方位、屋根勾配、屋根材の材質などを取り出すことが可能となっている。
【0028】
(太陽光発電装置設置支援システムによる積算処理)
次に、既設の住宅Hに対し、太陽光発電装置10を設置する際に、太陽光発電装置設置支援システムAにより設置するモジュール11の数および配置を求め、さらに、それに要する工事費用を積算する処理について説明する。
【0029】
すなわち、太陽光発電装置10を設置する場合、設置する太陽光発電装置10に関する情報、および、設置対象となる住宅Hに関する情報に基づいて、管理サーバ20およびコンピュータ30から成る制御部におけるデータ処理により、モジュール11の数および配置を求め、さらに、これに基づいて工事費用の積算を行う。なお、以下の説明において、太陽光発電装置10の設置対象となる特定の住宅Hを、邸Tと称する。また、上記のデータ処理は、コンピュータ30において実行してもよい。あるいは、通信ネットワークNを介したコンピュータ30と管理サーバ20とによるクラウドコンピューティングなどにより実行し、管理サーバ20側で演算処理を行い、演算結果をコンピュータ30に出力して表示させるようにしてもよい。そこで、以下では、管理サーバ20とコンピュータ30とを合わせて制御システムと称する。
【0030】
図7のフローチャートは、上記のモジュール11の設置数および配置を求める処理、これに基づいて工事費用の積算を行う処理の流れを示す。この処理は、操作者がコンピュータ30を操作しながら実行されるもので、操作に基づいて受け取る信号の入力と、それに基づく処理とがあるが、説明の簡略化のため、操作に応じた信号入力に代えて操作者が行う処理を表示する。なお、フローチャートにおいて、操作者が行う処理は点線により囲んで表示し、コンピュータ30が行う処理は実線により囲んで表示することにより両者を区別する。
【0031】
最初のステップS101aでは、操作者が、設置対象である邸Tを特定する処理および邸Tの階数、居住地区の入力(選択)を行う。なお、邸Tの特定は、例えば、邸Tに与えられたコード番号の入力者、住所、氏名の入力により行うことができる。また、階数および居住地区は、邸T(コード番号)に基づいて格納されている住宅情報から読み込むようにしてもよい。
【0032】
次のステップS101bでは、ステップS101aでの入力に基づく制御システムの処理により、階数、居住地区を読み込んで、居住地区に応じた地区情報を求め表示する。この地区情報として、居住地区の基準風速が含まれる。
【0033】
次のステップS102aでは、操作者の処理により、邸Tにおける垂直積雪量、積雪屋根の選択を行う。
そして、ステップS102aに入力に応じステップS102bでは、制御システムは、邸Tが積算対象内の仕様であるか否かの判定を行い、邸Tが積算対象でない場合は、処理を終了し、積算対象であれば、次のステップS103に進む。ここで、積算対象仕様内でない場合というのは、積雪条件により太陽光発電装置10(モジュール11)の設置が困難である場合や、例えば、邸Tが古すぎて管理サーバ20の住宅情報データベース22に、必要な住宅情報の入力が無い場合などが含まれる。
【0034】
続くステップS103では、制御システムは、上記ステップS102bまでの処理により入力された情報に基づいて特定した邸Tの情報を住宅情報データベース22から読み込む。この邸Tの情報としては、邸Tの平面図など邸Tおよび屋根RFの平面形状に関する情報、側面図など屋根勾配に関する情報、方位に関する情報が含まれる。
そして、この読み込んだ情報に応じ、管理サーバ20の住宅情報データベース22から対象となる邸Tの屋上ブロックパターンおよび方位を読み込み、表示画面31に表示する。
ここで、屋上ブロックパターンとは、邸Tにおける屋根RFを備える建物ユニットUのブロック状の並びのことをいう。
【0035】
図2は、邸Tの平面図および屋上ブロックパターンおよび方位の表示の一例を示している。図において1単位の長方形が建物ユニットUの配置を示し、その中で、バツ印を付けたものが、屋根RFにおいてモジュール11の設置が可能な部分の配置であるブロックパターンを示している。
なお、邸Tの建物ユニットUにおいて、バツ印のブロックパターンに含まれない建物ユニットUおよび建物ユニットUの一部は、バルコニーなど、屋根RFが設置されている部分を示す。また、建物ユニットUに、天窓などのモジュール11が設置できない部分が存在する場合も、屋上ブロックパターンから外す。
【0036】
ステップS103に続くステップS104aでは、ステップS103において表示画面31上に表示した屋上ブロックパターンにおいて、諸条件の変更を可能としている。さらに、本実施の形態では、屋根形状、屋根材、屋根勾配、庇形状、方角、雪止めの必要の有無などを、操作者の手作業により入力可能としている。
また、屋根形状としては、陸屋根(フラット)、切妻屋根、寄棟屋根などの違いを入力する。また、これらの情報は、予め、住宅情報データベース22に入力しておくこともできる。
【0037】
そして、ステップS104bでは、上記の変更や詳細入力に応じて最終的に決定された屋上ブロックパターン、すなわち、邸Tにおいてモジュール11を設置可能な屋根RFの領域の表示を行う。
【0038】
次のステップS105aでは、操作者が、邸Tの屋上ブロックパターンに設置するモジュール11を特定する操作を行うもので、具体的には、モジュール11のメーカの入力を行う。ここで、入力するメーカは、複数入力可能とする。なお、メーカに加え、その機種も入力可能としてもよい。
このステップS105aの入力に応じてステップS105bでは、屋上ブロックパターンにおいて特定されたモジュール11の割付パターンおよび設置可能モジュール数を決定し、その設置プランを作成し表示する。
【0039】
この設置プランは、ステップS105aにおいて複数のメーカの入力があった場合、それらのメーカの機種毎に設置プランを作成し、各機種についての設置プランを並列表記する。例えば、機種としては、1のメーカに少なくとも1機種有し、複数の機種を有する場合もある。したがって、入力されたメーカが1つであっても複数の機種を有している場合には、そのメーカの複数機種に応じた設置プランを作成し、並列表記する。また、複数のメーカの入力があった場合は、各メーカが有する機種の数の設置プランを作成し、各設定プランを並列表記する。
【0040】
なお、設置プランとして、設置するモジュール11の最大設置数、その設置による出力合計値、およびそのモジュール設置金額を求め、これを表示する。なお、この表示の詳細については後述する。
また、この場合、モジュール11の設置の態様は、最大設置数の表示のみならず、屋上ブロックパターン上にモジュール11を配置した状態(これを割付パターンと称する)を、視覚的に表示可能とする(図3A図3D図9A図9Bなど参照)。
なお、このように、複数の設置プランを設定する場合、邸T(ユニット建物)のタイプにより、その構造上、屋根RFに設置可能な面積や重量が異なることから、モジュール11の設置可能な最大数も異なる。なお、この邸T(ユニット建物)のタイプに応じた建物ユニットUにおけるモジュール11の設置可能数も予め設定され、太陽光発電装置データベース21に格納されている。
【0041】
さらに、このモジュール11の最大設置数は、屋根RFの勾配の有無により異なる。すなわち、屋根RFが平らな陸屋根などの場合は、屋上ブロックパターンの全面にモジュール11を設置可能であるが、切妻屋根や寄棟屋根の場合、屋根RFにおいて北向きの傾斜面は、設置面から外した上で、最大設置数を求める(図4A図4B図5参照)。
この屋根形状に応じたモジュール11の最大設置数および配置(割付パターン)の詳細については、後述する。
【0042】
以上のように、このステップS105bの処理により、表示画面31には、ステップS103において表示された屋上ブロックパターンにおいて、各メーカの各機種に対応したモジュール11の設置可能な仕様である設置プランを1または複数表示する。
すなわちメーカに応じ、モジュール11の大きさや重量などが異なると、共通の屋上モジュールパターンにおいて設置可能なモジュール数も異なる。そこで、入力されたメーカに対応して、それぞれ、モジュール11の最大設置数および配置(割付パターン)を求める。さらに、この割付パターンとして表示されたモジュール11の数や配置は、操作者の操作により、任意に変更可能としてもよい。
【0043】
ここで、上述のステップS105aにおいて複数のメーカおよび機種の入力があった場合の設定プランの表示と、割付パターンの表示および変更について、具体例を例示して説明する。
【0044】
図8は、複数のメーカの入力があった場合の設置プランを表示する設置プラン表示画面100を示している。
この設置プラン表示画面100における表示例では、3つのメーカの選択に基づいて、これらのメーカのもので、選択された屋根に設置可能な6種類の機種の設置プランを作成し、それを表示している。
【0045】
設置プラン表示画面100は、選択操作部101、メーカ表示領域102、仕様表示領域103、モジュール容量表示領域104、最大設置数表示領域105、合計出力表示領域106、機種名表示領域107、設置見積金額表示領域108、kW当たり価格表示領域109、割付数確認表示領域110、次画面選択操作部111が設定されている。
【0046】
選択操作部101は、この設置プラン表示画面100に表示された複数の設置プランの中から、設置費用の積算を行う対象となる設置プランの選択を行う部位である。この選択操作部101において選択対象となる設置プランにチェックを入れることにより選択することができる。また、選択操作部101にチェックを入れた後に、次画面選択操作部111のクリック操作を行うことで、選択された設置プランの設置費用の積算の実行を開始する。
【0047】
メーカ表示領域102は、ステップS105aにおいて選択されたメーカを表示する領域である。すなわち、選択されたメーカに複数の機種がある場合、選択されたメーカの機種ごとの、最大設置数、出力合計値、設置金額などの表示を並列表記する。図8では、メーカとして、AAA、BBB、CCCの3つのメーカを選択した場合を例示している。
【0048】
この3つのメーカAAA,BBB,CCCの選択に応じて、この3つのメーカAAA,BBB,CCCにおいて選択可能な6種類の機種ごとの設置プランを並列表示している。
すなわち、選択された3つのメーカにおいて、それぞれ2通りの選択可能な機種a001,a002,b001,b002,c001,c002を有している。
【0049】
仕様表示領域103は、機種ごとの仕様を表示する領域である。
モジュール容量表示領域104は、モジュール単位の容量を表示する領域である。
最大設置数表示領域105は、設置対象となる屋根における最大設置数を表示する領域である。
【0050】
合計出力表示領域106は、その機種のモジュールを最大設置数だけ設置した場合の容量を表示する領域である。
機種名表示領域107は、前述した各機種名(a001,a002、b001,b002,c001,c002)を表示する領域である。
【0051】
設置見積金額表示領域108、各モジュールを、最大設置数だけ設置した場合の見積金額を表示する領域である。
kW当たり価格表示領域109は、単位容量当たりの価格を表示する領域である。
【0052】
割付数確認表示領域110は、モジュールの割付数の確認と変更を行うための割付設定画面を開く操作を行う領域であり、タップ操作用の操作部を有する。なの、この操作部のタップ操作を行うと、画面表示を図9A図9Bに示す割付設定画面200,300に切り替える。
【0053】
すなわち、図8に表示された設定プランは、モジュール11を設置可能な最大数設置した場合の各値を示している。この設置するモジュール11の数は、最大数の範囲内であれば、変更可能であり、その容量に応じて、パワーコンディショナについても、変更することができる。
【0054】
図9A図9Bには、それぞれモジュール11の設置可能な最大数を設置するための設置範囲と、系統別のモジュール11の設置数を表示するとともに、その設置数を変更することが可能な割付設定画面200,300を示す。
なお、割付設定画面200,300は、それぞれ割り付け設定を行う画面の表示例を示す。
【0055】
図9Aに示す割付設定画面200は、最大割付表示領域210、割付パターン設定領域220、割付領域表示部230を備える。
最大割付表示領域210は、モジュールの設置対象の屋根における最大設置数を表示するもので、メーカ表示部211、モジュール性能表示部212、最大設置枚数表示部213、系統別設置枚表示部214、出力表示部215を備える。
【0056】
メーカ表示部211は、割付対象となるモジュール11のメーカ名を表示する。
モジュール性能表示部212は、モジュール11の容量などを表示する。
最大設置枚数表示部213は、設置対象となる屋根におけるモジュールの設置可能な最大枚数を表示する。
【0057】
系統別設置枚表示部214は、系統別の最大設置枚数を表示する。図示の例では、第1系統設置枚数表示部214aと第2系統設置枚数表示部214bとを備え、割付領域表示部230において表示する第1系統231と第2系統232におけるモジュールの設置可能な最大数を表示する。なお、系統とは、後述するがパワーコンディショナ12に接続する場合のモジュール11のグループ分けであり、図示の例では、2系統に分けてモジュールを接続する。
出力表示部215は、設置可能な最大数のモジュール11を設置した場合の容量を表示する。
【0058】
割付パターン設定領域220は、モジュール11の割付数を設置可能最大数の範囲内で任意に設定する領域であり、メーカ表示部221、モジュール性能表示部222、最大設置枚数表示部223、系統別設置枚設定部224、出力表示部225を備える。
【0059】
メーカ表示部221は、割付対象となるモジュール11のメーカ名を表示する。
モジュール性能表示部212は、モジュール11の容量などを表示する。
最大設置枚数表示部223は、設置対象となる屋根におけるモジュール11の設置可能な最大枚数を表示する。
【0060】
系統別設置枚設定部224は、第1系統設置枚数設定部224aと第2系統設置枚数設定部224bを備え、第1系統231と第2系統232におけるモジュールの設置枚数を任意に設定可能としている。そして、モジュール11の設置数を変更する場合は、第1系統設置枚数設定部224a、第2系統設置枚数設定部224bに表示される数を変更するもので、初期設定では、設置可能な最大数が表示される。また、これらの数字を変更した場合には、出力表示部225に表示する数値をモジュール11の設置数に応じて変更する。
【0061】
割付領域表示部230は、モジュール11の設置対象の屋根における系統別のモジュール11の割付領域を表示する。図示の例では、前述のように第1系統231と第2系統232との2系統を有している。
【0062】
図9Bに示す割付設定画面300は、図9Aに示す例と同様に、最大割付表示領域310、割付パターン設定領域320、割付領域表示部330を備えるもので、割付パターン設定領域320の構成が、図9Aに示した割付設定領域220と若干異なる。
最大割付表示領域310は、モジュールの設置対象の屋根における最大設置数を表示するもので、メーカ表示部311、モジュール性能表示部312、最大設置枚数表示部313、系統別設置枚表示部314、出力表示部315を備える。なお、メーカ表示部311、モジュール性能表示部312、最大設置枚数表示部313、系統別設置枚表示部314、出力表示部315は、それぞれ、前述した図9Aに示す最大割付表示領域210のメーカ表示部211、モジュール性能表示部212、最大設置枚数表示部213、系統別設置枚表示部214、出力表示部215と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
割付パターン設定領域320は、モジュール11の割付数を設置可能最大数の範囲内で任意に設定する領域であり、第1系統別設定枚数設定部324aと第2系統別設定枚数設定部324bとを備える。そして、モジュール11の設置数を変更する場合は、第1系統別設定枚数設定部324a、第2系統別設定枚数設定部324bに表示される数を変更するもので、初期設定では、設置可能な最大数が表示される。
【0064】
第1系統別設定枚数設定部324aは、第1系統331におけるモジュールの割付枚数を設定する部分である。第2系統別設定枚数設定部324bは、第2系統332におけるモジュールの割付枚数を設定する部分である。そして、モジュール11の設置数を変更する場合は、第1系統別設定枚数設定部324a、第2系統別設定枚数設定部324bに表示される数を変更するもので、初期設定では、設置可能な最大数が表示される。また、これらの数字を変更した場合には、出力表示部315に表示する値をモジュール11の設置数に応じて変更する。
【0065】
割付領域表示部330は、モジュールの設置対象の屋根における系統別のモジュール11の割付領域を表示する。図示の例では、前述のように第1系統331と第2系統332との2系統の割付領域を有している。
【0066】
次に、図7に戻りステップS106aでは、操作者は、表示画面31に表示された1または複数のモジュール11の配置である設置プランの中から、設置費用の積算を行う対象として採用する任意の設置プランの選択操作を行う。すなわち、図8に示す設置プラン表示画面100に表示された複数の設置プランのうちから選択するものの選択操作領域にチェックマークを入れる操作を行い、決定操作を行う。この決定操作は、次画面選択操作部111のクリック操作である。
【0067】
続くステップS106bでは、選択した設置プランに応じた周辺機器を求め、この周辺機器を設定するための入力画面を、表示画面31に表示する。
この周辺機器としては、設置するモジュール数(発電容量)に応じたパワーコンディショナ12や、屋根RFの形状や傾斜に応じた設置のために必要なフレーなどの部材、雪止めなどが含まれる。
【0068】
次のステップS107aでは、操作者は、表示画面31に表示された周辺機器の中から、設置を検討する機器を設定する操作を行う。すなわち、1つの割付パターンであっても、複数のモジュール11を、どのようにパワーコンディショナ12に接続するか、複数の選択肢がある。そして、1つのパワーコンディショナ12に接続するモジュール11の数(グループ)の設定も複数の選択肢があり、また、それに応じて、必要な周辺機器も変わって来る。したがって、これら周辺機器の複数の選択肢の中から、積算する対象を絞り込む操作を行う。
さらに、ステップS107aの操作による入力によりステップS107bでは、モジュール11および選択した周辺機器の設置に必要な工事項目を表示画面31に表示する処理を行う。
【0069】
続くステップS108aでは、操作者は、表示された工事項目の中から、工事項目およびその数量の選択操作を行う。
そして、次のステップS108bでは、制御システムは、選択された工事項目、数量を含む全費用の積算を行う。さらに、最終的に決定されたモジュール11の割付パターンや、パワーコンディショナ12を表示した割付図面の出力を行う。なお、この割付図面の出力先は、表示画面31としてもよいし、これを記録するコンピュータ30内の記憶部のフォルダや、コンピュータ30の外部の記憶媒体など適宜決定することができる。
【0070】
ここで、例えば、クラウドコンピューティングなどを用い管理サーバ20において作成した割付図面を、通信ネットワークNを介してコンピュータ30にダウンロードして表示させる場合を説明する。この場合、コンピュータ30では、割付図面の圧縮データをダウンロードし、これを解凍し、コンピュータ30が内蔵する一般的なプログラムを用いて表示画面31において表示させる。
【0071】
図10は、圧縮データを保存したフォルダをブラウザ上で表示した例を示す。この割付図面データを保存するフォルダの表示部400をクリック操作し、保存した割付図面データのファイル名を表示させ(不図示)、このファイル名をクリック操作することにより、割付図面を表示画面31に表示させる。
【0072】
図11は、表示画面31に表示された割付図面500の一例を示す。
この割付図面500は、割付図表示部501、系統・枚数表示部501、仕様表示部503を備える。
割付図表示部501には、モジュール11の割付状態が平面図として表示される。
【0073】
系統・枚数表示部502は、系統の数、系統ごとのモジュール11の枚数を表示する。図示の例は、系統として2系統であることを表示し、また、各系統に8枚のモジュール11を割りつけていることを表示している。
仕様表示部503は、モジュール11のメーカ名、機種名、容量(ワット数)、設置仕様などを詳細に表示する。
このようにして、割付図面およびその仕様を、コンピュータ30の表示画面31において確認することができる。
【0074】
(モジュールの割付パターンの特定処理)
次に、ステップS103において求めた屋上ブロックパターンに対してステップS105bにおいてモジュール11の配置である割付パターンを決定する処理について説明する。
【0075】
まず、屋上ブロックパターンが平らな陸屋根である場合の一例を、図3A図3Dに基づいて説明する。
この場合、ステップS105aにおいて入力されたメーカのモジュール11が、予め設定された単位の建物ユニットU(設置面)に対する設置枚数が予めパターンデータとして設定されている。
【0076】
図3Aは、その一例を示しており、この図に示す邸T3aでは、最上階の建物ユニットUを妻方向と桁方向とに3つずつ並べて結合した例を示している。
また、建物ユニットUと、モジュール11との関係は、妻方向(矢印y方向)では、1.5の建物ユニットUを1単位として、2つのモジュール11を設置するよう設定されている。また、桁方向(矢印x方向)では、3つの建物ユニットUを1単位として、10のモジュール11を設置するようパターンデータが設定されている。
また、図では、こられのモジュール11を、妻方向(矢印y方向)で2つのグループGaa、Gabに分けた例を示している。
【0077】
また、モジュール11は、その発電容量に応じ、接続するパワーコンディショナ12の数が設定され、それに応じて系統分けされる。例えば、モジュール11は、各グループGaa、Gab毎に、異なるパワーコンディショナ12に接続するようにしてもよい。あるいは、図3Aに示すモジュール11の発電容量では、3以上のパワーコンディショナ12が必要な場合は、3つのパワーコンディショナ12に接続する系統分けを、グループ分けとは異なる基準で分けることも可能である。
【0078】
図3Bに示す邸T3bが、上記と異なる屋上ブロックパターンの有した例を示し、図3Aに示す建物ユニットUのうち、図において右下の1つ分の建物ユニットUの屋上ブロックを減らした例である。この場合、モジュール11のうち点線により表示するものが、屋上ブロックパターンからはみ出るため、可能な設置数が減ることになる。また、図3Bでは、モジュール11のグループ分けは、図3Aに示すものと同様に、矢印y方向である妻方向でグループGba、Gbbに2分した例を示す。
【0079】
図3Cに示す邸T3cが、さらに上記と異なる屋上ブロックパターンの有した例を示し、図3Bに示す建物ユニットUのうち、図において左下の1つ分の建物ユニットUの屋上ブロックを減らした例である。この場合、モジュール11のうち、図3Bにおいて点線により示す部分と対称に配置されたものも設置できなくなり、設置数がさらに減る。また、図3Cでは、モジュール11のグループ分けは、矢印x方向である桁方向でグループGca、Gcbに2分した例を示す。
【0080】
図3Dに示す邸T3dが、さらに上記と異なる屋上ブロックパターンの有した例を示し、図3Aに示す建物ユニットUのうち、図において右上の1つ分の建物ユニットUの屋上ブロックと、図において下側の建物ユニットUのうち、中央と右下の建物ユニットUの屋上ブロックとを減らした例である。この場合、設置可能なモジュール11の数がさらに減る。また、図3Dでは、モジュール11のグループ分けは、矢印y方向である妻方向でグループGda、Gdbに2分した例を示す。
【0081】
次に、図4A図4Bに基づき、切妻屋根の場合を割付パターンを説明する。
切妻屋根の場合も屋根RFにおける設置面は、陸屋根と同様に四角形状であることから、屋根RFの傾斜に応じて、陸屋根と同様に、予め、所定単位の建物ユニットUに対応して設置可能なモジュールの数が設定されており、これを屋上ブロックパターンに当てはめることで、モジュール11の設置数および配置を決定することができる。
ただし、切妻屋根は、傾斜しているため、北向きに傾斜した屋根面にはモジュール11を設置できない。また、棟を跨いでモジュールを設置することができない。
したがって、切妻屋根の場合、まず、屋上ブロックパターン上で、方位および棟の位置に基づいて、モジュール11の設置面を設定する必要がある。
【0082】
図4Aに示す邸T4aは、屋根RFにおいて棟M4aを挟んで図において下側の屋根面を設置面とする。この例の場合、1つの建物ユニットUの屋上ブロックを1単位とし、桁方向に3つのモジュール11、妻方向に2つのモジュールを設置するようにパターンデータが設定されている例を示している。
【0083】
また、図4Bに示す邸T4bは、上記とは異なる切妻屋根の屋上ブロックパターンの他の例を示している。
邸T4bは、平面形状がL字形状に形成されており、邸T4bの東側と西側とでは、妻寸法が異なっており、東側の棟M4baの位置と西側の棟M4bbの位置とが妻方向で異なる位置に配置されている。このような場合には、屋根RFにおけるモジュール11の設置面が南北方向に異なって配置されるとともに、その面積も異なる。
【0084】
また、この場合も、モジュール11の発電容量により、モジュール11を1つのパワーコンディショナ12に接続する場合は、全てのモジュール11が同一系統となるが、複数のパワーコンディショナ12に接続する場合は、その発電容量に応じて、複数の系統に分ける。なお、この場合、モジュール11は、配置によるグループ分けと、接続するパワーコンディショナ12に対応する系統分けとは、それぞれ分ける基準が異なるため、グループと系統とが異なる分け方になる場合もある。
【0085】
次に、寄棟屋根の場合を説明する。
図5は、寄棟屋根の一例である邸T5を示している。この例では、寄棟屋根は、棟M5a,M5b,M5c,M5d,M5eを境に4面に区画され、各屋根面の平面形状が、三角形状あるいは台形状に形成されている。そこで、寄棟屋根に設置するモジュールも、図6A図6Bに示すように、平面形状がこれまで説明してきた長方形のモジュールに加え、台形状のモジュール11bが設定されている。
【0086】
さらに、その組み合わせも、種々の寄棟屋根の屋根面形状に対応可能なように、複数のパターン、すなわち、図6Aに示す第1のパターンデータP61、図6Bに示す第2のパターンデータP62を含み、種々の大きさの三角形状、台形状の設置面に対応可能なように複数のパターンデータが予め設定されている。
【0087】
また、この場合も、屋根RFのうち、北向きの屋根面は、モジュール11の設置面とはしない。
例えば、図5に示す例では、北向きの屋根面以外の屋根面を設置面として、モジュール11,11bは、各設置面に設置し、それぞれ、グループ分け(G51、G52,G53)されている。
【0088】
この場合も、モジュール11,11bは、その発電容量に応じ、接続するパワーコンディショナ12に応じて系統分けするが、この系統分けは、グループ分け(G51、G52,G53)に一致させてもよいし、配置以外を基準として分けてもよい。
また、図5に示す例は、最大設置可能数のモジュール11,11bを示すが、積算時には、南向きの屋根面のみに設置するように設定するなど、設置面を任意に設定することができる。
【0089】
(実施の形態1の効果)
以下に、実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAの効果を列挙する。
1)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAは、
予め、複数の建物としての住宅Hに関し、各住宅Hの屋根RFの平面形状、屋根勾配、住宅Hの方位、住所を含む建物データが格納された建物データベースとしての住宅情報データベース22と、
予め、設置する太陽光発電装置10のモジュール(太陽電池モジュール)11に関するデータが格納された太陽光発電装置データベース21と、
住宅情報データベース22に格納された建物データを読み込み建物データに基づいて、モジュール11の設置数および配置を求める処理を実行する制御システム(管理サーバ20およびコンピュータ30)と、
を備えた太陽光発電装置設置支援システムであって、
制御システムは、
住宅情報データベース22から、太陽光発電装置10の設置対象となる住宅Hの情報(建
物データ)を読み込む処理(ステップS103)と、
読み込んだ情報(建物データ)における屋根RFの平面形状、屋根勾配、住宅Hの方位に基づいて、屋根RFにおけるモジュール11を設置する設置面として屋上ブロックパターンを決定する処理(ステップS104b)と、
特定した屋上ブロックパターンに対し、モジュール11の設置数および配置を求める処理(ステップS105b)と、
モジュール11の設置数および配置を出力する処理(S108b)と、
を実行することを特徴とする。
したがって、既設の住宅Hの情報に基づいてモジュール11を設置する屋上ブロックパターンおよび割付パターン(配置)を求めるため、現地での屋根RFの寸法の計測の手間が不要であり、かつ、衛星写真や単にメーカ、モデルなどから屋根勾配を特定する場合よりも、正確に屋根勾配を求めることができる。
これによって、モジュール11の設置数および割付パターン(配置)を、高精度で求めることができる。
【0090】
2)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAは、
住宅情報データベース22に格納された情報(建物データ)は、建築済みの住宅H(建物)のデータであることを特徴とする。
すなわち、顧客の建築済みの全ての住宅Hの情報を予め格納しておくことで、後に、リフォームなどにより太陽光発電装置を設置する際に、上記1)のように、計測の手間が不要であり、作業性に優れ、かつ、正確にモジュール11の設置数および割付パターン(配置)を、高精度で求めることができる。
【0091】
3)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAは、
モジュール11は、大きさおよび発電容量が異なる複数種類のものが設定されており、
コンピュータ30におけるモジュール11の設置数および配置を求める処理(S105b)では、複数種類のモジュール11の中から特定のモジュール11を選択(メーカの特定)する操作(S105a)に応じ、選択されたモジュール11の設置数および配置(割付パターン)を求めることを特徴とする。
複数種類のモジュール11の中から任意のモジュール11の設置が可能であり、単一のモジュール11を設置する場合と比較して、種々の住宅Hに対するモジュール11の設置自由度が向上する。そして、このような多様なモジュール11に対して、上記のように高精度で設置数および割付パターン(配置)を求めることができる。
【0092】
4)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAは、
太陽光発電装置データベース21には、モジュール11の設置に伴い必要な、パワーコンディショナ12を含む周辺機器に関するデータも格納され、
コンピュータ30は、モジュール11の設置数および割付パターン(配置)を求める処理(ステップS105b)に続いて、モジュール11の設置数に応じて必要となる周辺機器を求める処理(S106b)を実行することを特徴とする。
したがって、モジュール11のみならず、モジュール11の設置に必要な周辺機器まで正確に求めることができる。
【0093】
5)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAは、
太陽光発電装置データベース21には、モジュール11の価格データが格納され、
コンピュータ30は、モジュール11の設置数および価格データに基づいて、太陽光発電装置10の設置費用の見積額を算出する処理(S108b)を実行することを特徴とする。
したがって、高精度のモジュール11の設置数に基づいて、設置費用も高精度で求めることができる。
【0094】
6)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAは、
太陽光発電装置データベース21には、モジュール11の価格に加え、パワーコンディショナ12を含みモジュール11の設置に伴い必要な周辺機器に関する価格データが格納され、
制御システムは、設置費用の見積額の算出時に、必要な周辺機器の価格も含んで算出することを特徴とする。
したがって、実際に太陽光発電装置10の設置にかかる費用を高精度で算出することができる。
【0095】
7)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAは、
制御システムは、設置費用の見積額の算出時に、
モジュール11の複数の機種の算出要求があった場合、各機種に応じた見積額を算出するとともに、その複数の算出結果を出力する(図8)ことを特徴とする。
したがって、複数の機種の設置費用の見積額を知ることができる。
【0096】
8)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAは、
太陽光発電装置データベース21には、予め設定された所定単位の設置面に応じて、設置可能なモジュール11の設置数に関するパターンデータが予め格納され、
コンピュータ30は、設置面(屋上ブロックパターン)に対するモジュール11の設置数および配置を求める処理では、設置面の大きさと所定単位との関係およびパターンデータに基づいてモジュール11の設置数および配置を求めることを特徴とする。
したがって、種々の設置面に応じて高精度でモジュール11の設置数および配置を求めることができる。
【0097】
9)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAは、
モジュール11の設置数および配置の出力と見積額の算出結果とのいずれかあるいは両方の出力は、コンピュータ30の表示画面31での画面表示であることを特徴とする。
したがって、邸Tにモジュール11を設置する際に、その設置数、配置、見積額などを即時に、コンピュータ30の表示画面31で確認することができる。
【0098】
10)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援システムAは、
制御システムは、モジュール11の複数の機種の見積額の算出結果を出力する場合、機種および見積額を、一覧可能に並列表示することを特徴とする。
したがって、複数の機種の見積額を、一覧し比較検討することができる。
【0099】
11)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援方法は、
予め、複数の建物としての住宅Hに関し、各住宅Hの屋根RFの平面形状、屋根勾配、住宅Hの方位、住所を含む建物データを格納するステップと、
予め、設置する太陽光発電装置10のモジュール11に関するデータを格納するステップと、
格納された住宅情報の中から、太陽光発電装置10の設置対象となる住宅H(邸T)の住宅情報を読み込むステップ(S103)と、
読み込んだ住宅情報における屋根RFの平面形状、屋根勾配、方位に基づいて、屋根RFにおけるモジュール11を設置する設置面(屋上ブロックパターン)を特定するステップ(S104b)と、
特定した設置面(屋上ブロックパターン)に対し、モジュール11の設置数および配置(割付パターン)を決定するステップ(S105b)と、
モジュール11の設置数および配置(割付パターン)を出力するステップ(S108b)と、
を実行することを特徴とする。
したがって、既設の住宅Hの情報に基づいてモジュール11を設置する屋上ブロックパターンおよび割付パターン(配置)を求めるため、現地での屋根RFの寸法の計測の手間が不要であり、かつ、衛星写真や単にメーカ、モデルなどから屋根勾配を特定する場合よりも、正確に屋根勾配を求めることができる。
これによって、モジュール11の設置数および割付パターン(配置)を、高精度で求めることができる。
【0100】
12)実施の形態1の太陽光発電装置設置支援プログラムは、
請求項8に記載の太陽光発電装置設置支援方法をコンピュータ30および管理サーバ20により実行可能とした太陽光発電装置設置支援プログラムとした。
したがって、この太陽光発電装置設置支援プログラムにより、既設の住宅Hの情報に基づいてモジュール11を設置する屋上ブロックパターンおよび割付パターン(配置)を求めるため、現地での屋根RFの寸法の計測の手間が不要であり、かつ、衛星写真や単にメーカ、モデルなどから屋根勾配を特定する場合よりも、正確に屋根勾配を求めることができる。
これによって、モジュール11の設置数および割付パターン(配置)を、高精度で求めることができる。
【0101】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0102】
例えば、実施の形態では、本発明を適用する建物として住宅を例に挙げたが、住宅以外の建物に適用することも可能である。
また、ステップS105bにおけるモジュールの設置数、設置プランを決定する具体的な処理は、実施の形態で説明した例以外の処理も適宜適用することができる。要は、予め複数の建物に関し、各建物の屋根の平面形状、屋根勾配、前記建物の方位、住所を含む建物データを建物データベースに格納するとともに、太陽電池モジュールに関するデータ太陽光発電装置データベースに格納し、これら格納したデータに基づいてモジュールの設置数および配置を求めるものであれば、本発明に含まれる。
また、実施の形態では、建築済みの住宅のリフォームの場合に、本開示の太陽光発電装置設置支援システム、太陽光発電装置設置支援方法、および太陽光発電装置設置支援プログラムを適用する例を示したが、これに限定されず、建物データとして、新規に建設する建物のデータを用いることにより、新築の建物にも適用することができる。また、建物としても、ユニット建物以外の建物にも適用することができる。すなわち、建物に関する設計図面などがあれば、単位面積あたりのモジュールの配置を予め設定しておくことで、適用可能である。
【符号の説明】
【0103】
10 太陽光発電装置
11 モジュール(太陽電池モジュール)
11b モジュール(太陽電池モジュール)
12 パワーコンディショナ
20 管理サーバ(制御装置)
21 太陽光発電装置データベース
22 住宅情報データベース
30 コンピュータ(制御装置)
A 太陽光発電装置設置支援システム
H 住宅(建物)
RF 屋根
U 建物ユニット
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11