(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図7は、従来の塗布ユニットにおける塗布針の状態変化を示す図である。
図7において、(a)は第1状態を示し、(b)は第2状態を示す。(c)は、液体材料Lの粘度が低いときにおける、第1状態と第2状態との切り替えを繰り返し行なった後の第1状態を示す。(d)は、液体材料Lの粘度が高いときにおける、第1状態と第2状態との切り替えを繰り返し行なった後の第1状態を示す。
【0007】
図7(b)に示されるように、塗布針117が容器118の貫通孔182から突出することにより、塗布針117の周囲に付着する液体材料Lが貫通孔182から出て、対象物140に塗布される。液体材料Lの粘度が低い場合、
図7(c)に示されるように、塗布針117の先端が容器118内に移動するのに伴い、塗布針117の周囲を付着した液体材料Lも容器118内に戻る。しかしながら、液体材料Lがたとえば金属粉を分散させた高粘度の導電性材料である場合、第1状態と第2状態との切り替えを複数回繰り返すと、
図7(d)に示されるように、容器118の外周面における貫通孔182の周囲の領域上、および貫通孔182の下方に、液体材料Lの溜り部50が形成される。当該液体材料Lの溜り部50は、塗布針117の先端が容器118内に移動しているのにかかわらず、貫通孔182から液体材料Lが突出したままになることにより形成される。金属粉を分散させた高粘度の導電性材料の場合、液体材料Lの比重が大きく、かつ流動性が低いために、上記のような溜り部50が形成される。
【0008】
液体材料Lの溜り部50が発生すると、塗布針117の先端に付着する液体材料Lの量が変化し、対象物140に塗布される液体材料Lの量がばらつくため、液体材料Lを長時間安定して塗布することができない。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、液体材料を長時間安定して塗布することが可能な塗布ユニットおよび塗布装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の塗布ユニットは、底に第1貫通孔が形成され、液体材料が注入された容器と、第1貫通孔から突出することにより、液体材料を対象物に塗布する塗布針と、容器内を負圧にするための負圧源とを備える。
【0011】
好ましくは、負圧源は、容器内の気体を吸引することにより容器内を負圧にする。塗布ユニットは、容器内の圧力を検出するための圧力センサと、圧力センサによって検出された圧力に基づいて、容器内の圧力が一定になるように負圧源の吸引力を制御するための制御部とをさらに備える。
【0012】
好ましくは、負圧源は、容器内の気体を吸引することにより容器内を負圧にする。塗布ユニットは、第1貫通孔を撮像するためのカメラと、カメラの撮像によって得られた画像に基づいて、貫通孔からの液体材料の突出量を測定し、突出量が一定になるように負圧源の吸引力を制御するための制御部とをさらに備える。
【0013】
好ましくは、容器には、負圧源によって容器内が負圧にされたときに容器内に外気を取り込むための吸入孔が形成される。
【0014】
好ましくは、容器には、負圧源によって容器内の気体を吸引するための第2貫通孔が形成される。吸入孔の径は、第2貫通孔の径の1/3以下である。
【0015】
好ましくは、塗布ユニットは、容器を支持するための支持部をさらに備える。容器は、容器本体と、容器本体の側面上に形成された鍔とを含む。容器には、負圧源によって容器内の気体を吸引するための第2貫通孔が形成される。第2貫通孔は、容器本体の内面と鍔の下面とに開口する。支持部には、容器本体が挿通可能な穴と、上面に開口した溝と、溝に連通する第3貫通孔とが形成される。支持部は、穴に容器本体が挿通された状態で鍔の下面と接することにより容器を支持する。溝は、容器が支持部に支持されたときに鍔によって覆われるとともに、第2貫通孔と連通する。
【0016】
本開示の塗布装置は、上記の塗布ユニットを用いて、対象物に液体材料を塗布する。
【発明の効果】
【0017】
本開示の塗布ユニットまたは塗布装置によれば、液体材料を長時間安定して塗布することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。また、以下で説明する変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0020】
<塗布装置の構成>
図1は、本実施の形態に係る塗布ユニットを備える塗布装置の構成を概略的に示した図である。塗布装置200は、RFIDタグなどに導電性材料をパターン描画したり、配線パターンのオープン欠陥を修正したりする。
図1に示されるように、塗布装置200は、塗布ユニット100と、観察光学系110と、観察光学系110に接続されたCCDカメラ111と、Z軸テーブル120と、X軸テーブル121と、Y軸テーブル122と、基台123と、操作パネル131と、モニタ132と、制御用コンピュータ133とを含む。
【0021】
観察光学系110は、対象物140(たとえば基板)の塗布位置を観察するために設けられる。CCDカメラ111は、観察光学系110により観察された画像を電気信号に変換する。塗布ユニット100は、液体材料を対象物140に塗布する。
【0022】
観察光学系110、CCDカメラ111および塗布ユニット100は、Z軸テーブル120の移動体に搭載される。これにより、観察光学系110、CCDカメラ111および塗布ユニット100は、Z軸テーブル120によって
図1中のZ軸方向に移動可能に支持される。Z軸テーブル120は、X軸テーブル121の移動体に搭載される。これにより、Z軸テーブル120は、X軸テーブル121によって
図1中のX軸方向に移動可能に支持される。対象物140は、Y軸テーブル122に載置される。Y軸テーブル122は、
図1中のY軸方向に移動可能に設けられる。これにより、対象物140は、Y軸テーブル122によってY軸方向に移動可能に支持される。Y軸テーブル122は、基台123の上面に設置される。なお、
図1中のZ軸方向は重力方向に沿う方向である。
【0023】
制御用コンピュータ133は、塗布ユニット100、観察光学系110、Z軸テーブル120、X軸テーブル121、およびY軸テーブル122を制御する。操作パネル131は、制御用コンピュータ133への指令を入力するために用いられる。モニタ132は、観察光学系110のCCDカメラ111で変換された画像データおよび、制御用コンピュータ133からの出力データを表示する。
【0024】
<塗布ユニットの構成>
図2〜
図5を参照して、塗布ユニット100の構成について説明する。
図2は、塗布ユニット100の正面図である。
図3は、塗布ユニット100の側面図である。
図4は、塗布ユニット100が備える容器18とその周辺構成との平面図である。
図5は、塗布ユニット100が備える容器18とその周辺構成とを示す部分断面図である。
【0025】
塗布ユニット100は、ベース台10と、サーボモータ11と、カム12と、軸受13と、カム連結板14と、可動部15と、塗布針ホルダ16と、当該塗布針ホルダ16に支持された塗布針17と、容器18と、吸引チューブ19と、真空ポンプ20と、圧力センサ21と、圧力制御弁22と、制御装置23とを主に備える。
【0026】
サーボモータ11は、
図1に示したZ軸方向に沿った方向に回転軸が延びるようにベース台10に設置されている。サーボモータ11の回転軸にはカム12が接続されている。カム12は、サーボモータ11の回転軸を中心として回転可能である。カム12の下面12bは、サーボモータ11の回転軸に垂直な平面である。カム12の上面12aは、カム12の下面に対して傾斜している。つまり、カム12の上面12aは、サーボモータ11の回転軸に垂直な平面に対して傾斜している。
【0027】
軸受13は、カム12の上面12aに接するように配置されている。軸受13は、
図2に示すようにカム12から見て特定の方向(サーボモータ11の右側)に配置される。軸受13は、サーボモータ11の回転軸が回転することでカム12が回転したとき、カム12の上面12aに接触した状態を保つ。この軸受13にカム連結板14が接続される。カム連結板14において、軸受13と接続された一方端と反対側の他方端は、可動部15に固定される。可動部15には、塗布針ホルダ固定部24および塗布針ホルダ収納部25が接続される。
【0028】
塗布針ホルダ16は、塗布針17を支持し、塗布針ホルダ収納部25に着脱可能に収納される。言い換えると、塗布針17は、塗布針ホルダ16を介して塗布針ホルダ収納部25に着脱可能である。塗布針17は、塗布針ホルダ16の下面(サーボモータ11が位置する側と反対側である下側)において塗布針ホルダ16から突出するように配置される。塗布針ホルダ16の下には容器18が配置されている。塗布針17は、容器18に挿入された状態で支持される。
【0029】
可動部15には固定ピン26が設置される。さらに、サーボモータ11を保持しているベース台10には別の固定ピン27が設置される。この固定ピン26、27の間を繋ぐようにバネ28が設置される。バネ28により、可動部15は容器18側に向けた引張り力を受けた状態になっている。バネ28による引張り力は、可動部15およびカム連結板14を介して軸受13に作用する。バネ28の引張り力によって、軸受13は、カム12の上面12aに押圧された状態を維持する。
【0030】
可動部15、塗布針ホルダ固定部24および塗布針ホルダ収納部25は、ベース台10に設置されたリニアガイド29に沿って移動する。リニアガイド29は、Z軸方向に延びるように配置される。そのため、可動部15、塗布針ホルダ固定部24および塗布針ホルダ収納部25は、Z軸方向に沿って移動可能である。
【0031】
上述したように、カム12の上面12aは、サーボモータ11の回転軸に垂直な平面に対して傾斜している。そのため、サーボモータ11の回転軸が回転することでカム12が回転すると、カム12の上面12aに押圧された軸受13は、サーボモータ11の回転軸に沿って上下移動する。軸受13の上下移動に伴なって、カム連結板14,可動部15,塗布針ホルダ固定部24,塗布針ホルダ収納部25および塗布針ホルダ16を介して軸受13に間接的に接続された塗布針17もサーボモータ11の回転軸に沿って上下移動する。すなわち、サーボモータ11の回転運動は、カム12を介して塗布針17の上下方向の直線運動に変換される。ここで、塗布針17が取り得る最も高い位置を「第1位置」といい、最も低い位置を「第2位置」という。
【0032】
容器18は、ベース台10に支持される。容器18は、たとえば図示しない磁石を含み、当該磁石とベース台10の磁石との間に生じる磁力によってベース台10に対し着脱可能に支持される。容器18の内部には、液体材料Lが注入されるための空間が形成されている。液体材料Lは、たとえば金属粉を分散させた高粘度の導電性材料である。容器18は、上端が大きく開口した容器本体18aと容器本体18aの上端の開口を閉じるための蓋18bとを含む。
【0033】
蓋18bには、塗布針17が挿通可能な貫通孔81が形成されている。塗布針17の先端は、貫通孔81を貫通して、容器18内に貯留された液体材料Lに浸漬される。
【0034】
容器本体18aの底部は、略逆円錐状である。容器本体18aの底部の下端には、容器18の内部と外部とを連通する貫通孔82が形成されている。貫通孔82は、塗布針17を貫通させて下方へ向けて塗布針17の先端を突出させることができ、かつ、容器18に貯留された液体材料Lが垂れ落ちない大きさに設定されている。貫通孔82の孔軸は、貫通孔81の孔軸と一致する。塗布針17が第1位置に位置しているときの当該塗布針17の先端位置と、塗布針17が第2位置に位置しているときの当該塗布針17の先端位置との間に貫通孔82が位置するように、容器本体18aは配置される。これにより、サーボモータ11の回転軸の回転に伴って、塗布ユニット100は、塗布針17の先端が容器18の内部の空間に位置する第1状態と、塗布針17の先端が貫通孔82から突出した第2状態とを取り得る。
【0035】
容器本体18aの側壁にも、容器18の内部と外部とを連通する貫通孔83が形成されている。貫通孔83は、容器18の内部の気体(空気)を吸引するために使用される。そのため、液体材料Lは、貫通孔83よりも液面が低くなるとともに、第1位置に位置している塗布針17の先端位置よりも液面が高くなるように、容器18の内部の空間に注入される。これにより、液体材料Lが貫通孔83から外部に吸引されることを防ぐことができる。さらに、塗布針17が第1位置に位置しているとき、塗布針17の先端を液体材料Lに浸漬させることができる。
【0036】
蓋18bには、貫通孔81とは別に、容器18の内部と外部とを連通する吸入孔84が形成されている。吸入孔84は、外部の空気を容器18の内部に吸入するために使用される。
【0037】
吸引チューブ19は、内部の空間が貫通孔83に連続するように、一方端が容器本体18aに接続される。吸引チューブ19の他方端には真空ポンプ20が接続される。真空ポンプ20を動作させることにより、容器18内の気体(空気)が吸引チューブ19を介して吸引され、容器18内が負圧状態となる。
【0038】
圧力センサ21は、吸引チューブ19に取り付けられ、吸引チューブ19内の圧力(気圧)を測定する。圧力制御弁22は、吸引チューブ19に取り付けられ、吸引チューブ19内の気体の流量を調整する。圧力制御弁22の開閉状態によって、真空ポンプ20による吸引力が制御される。
【0039】
制御装置23は、容器18内の圧力を制御する。制御装置23は、制御部231と記憶部232とを含む。記憶部232には、容器18内の圧力の目標値が予め格納されている。制御部231は、圧力センサ21による測定値と記憶部232が記憶する目標値とを比較し、比較結果に応じて圧力制御弁22の開閉状態を制御することにより、容器18内の圧力を目標値付近に安定させる。具体的には、制御部231は、圧力センサ21の測定値と目標値との差分が所定範囲内である場合には、圧力制御弁22の開閉状態を変更しない。制御部231は、圧力センサ21の測定値と目標値との差分が所定範囲外であり、かつ測定値が目標値よりも大きい場合には、圧力制御弁22の開閉状態を開方向側に制御する。これにより、真空ポンプ20の吸引力が大きくなり、容器18内の圧力が目標値に近づくように減圧される。制御部231は、圧力センサ21の測定値と目標値との差分が所定範囲外であり、かつ測定値が目標値よりも小さい場合には、圧力制御弁22の開閉状態を閉方向側に制御する。これにより、真空ポンプ20の吸引力が小さくなり、容器18内の圧力が目標値に近づくように大きくなる。なお、記憶部232が記憶する目標値は、容器18の容積、液体材料Lの粘度、および液体材料Lの残量等により適宜設定される。
【0040】
制御部231は、たとえばCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とによって構成される。なお、これらの部位は、内部バスを介して互いに接続される。CPUは、ROMに格納されているプログラムをRAMなどに展開して実行する。ROMに格納されるプログラムは、制御部231の処理方法が記されたプログラムである。記憶部232は、たとえば不揮発性メモリである。
【0041】
<利点>
以上のように、本実施の形態の塗布ユニット100は、底に貫通孔82が形成され、液体材料Lが注入された容器18と、貫通孔82から突出することにより、液体材料Lを対象物に塗布する塗布針17と、容器18内を負圧にするための真空ポンプ(負圧源)20とを備える。
【0042】
上記の構成によれば、負圧源により容器18内が負圧に保たれる。そのため、塗布針17が貫通孔82から突出することにより容器18の外部に出たものの対象物140に塗布されなかった液体材料Lは、塗布針17が容器18内に戻ったときに、容器18内に吸い込まれる。これにより、
図7(d)に示されるような液体材料Lの溜り部50が容器18の貫通孔82の外部に形成されることを抑制できる。その結果、塗布針17が貫通孔82から突出するときに塗布針17の先端に付着する液体材料Lの量が安定し、液体材料が金属粉を分散させた高粘度材料であっても、液体材料を長時間安定して塗布することができる。
【0043】
一般に、塗布針により液体材料を対象物に塗布する際には、塗布針の外周面に付着した液体材料が表面張力によって塗布針の上部に引き上がるまで待ってから、塗布針の先端の略平坦部に付着した液体材料を対象物に塗布(転写)する。上記の構成によれば、
図7(d)に示されるような液体材料Lの溜り部50の形成が抑制されるため、が塗布針17が貫通孔82から突出するときに、塗布針17の外周面に付着する余分な液体材料Lの量を抑制できる。そのため、液体材料Lが表面張力で塗布針17の上部に引き上がるまでの待ち時間が短くなり、塗布に要する時間を短縮することができる。
【0044】
真空ポンプ20は、容器18内の気体を吸引することにより容器18内を負圧にする負圧源である。塗布ユニット100は、容器18内の圧力を検出するための圧力センサ(圧力検出器)21と、圧力センサ21によって検出された圧力に基づいて、容器18内の圧力が一定になるように真空ポンプ20の吸引力を制御するための制御部231とをさらに備える。これにより、容器18内の圧力が一定に保たれ、液体材料をより安定して塗布することができる。
【0045】
容器18には、真空ポンプ20によって容器18内が負圧にされたときに容器18内に外気を取り込むための吸入孔84が形成される。これにより、真空ポンプ20によって容器18内の空気を吸い込むときに、吸入孔84から外気が容器18内に取り込まれる。その結果、容器18内の圧力が低下しすぎることを抑制でき、容器18内の圧力を連続して略一定に保つことができる。容器18内の圧力が低下しすぎると、貫通孔82から液体材料Lが容器18の内側に完全に吸い込まれて、塗布針17が貫通孔82から突出するときに塗布針17の先端に付着する液体材料Lの量が少なくなる。しかしながら、上記の構成によって容器18内の圧力が低下しすぎることを抑制され、塗布針17が貫通孔82から突出するときに塗布針17の先端に付着する液体材料Lの量を一層安定させることができる。
【0046】
<変形例1>
上記の説明では、圧力センサ21を用いて真空ポンプ20の吸引力を制御したが、別の方法を用いて真空ポンプ20の吸引力を制御してもよい。
図6は、変形例に係る塗布ユニットの容器とその周辺構成とを示す部分断面図である。
図6に示されるように、変形例に係る塗布ユニットは、上記の塗布ユニット100と比較して、圧力センサ21および制御装置23の代わりに、カメラ30および制御装置23aを備える点で相違する。
【0047】
カメラ30は、たとえばCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサによって構成され、容器18の貫通孔82およびその周辺とを撮像する。カメラ30は、塗布針17による1回の塗布処理が行なわれるたびに撮像する。
【0048】
制御装置23aは、カメラ30の撮像により得られた画像データに基づいて、圧力制御弁22の開閉状態を制御する。制御装置23aは、制御部233と、記憶部234とを備える。
【0049】
制御部233は、カメラ30が撮像を行なうたびに当該撮像により得られた画像データを取得する。制御部233は、画像データに対して画像処理を行ない、貫通孔82から突出する液体材料Lの貫通孔82からの突出量を算出する。たとえば、制御部233は、画像データに対してエッジ抽出処理を行ない、液体材料Lの表面を特定し、貫通孔82から当該表面までの距離を突出量として算出する。制御部233は、各画像データに対して、当該画像データの撮像順を識別する識別情報と、当該画像データから算出した突出量とを対応付けて記憶部234に格納する。識別情報は、たとえば撮像順を示す番号または撮像日時である。
【0050】
制御部233は、最新の画像データから算出した突出量が所定範囲内か否かを判断する。最新の画像データから算出した突出量が所定範囲外である場合、制御部233は、当該突出量と過去の突出量とを比較する。ここで、過去の突出量とは、前回の画像データから算出した突出量であってもよいし、過去の複数回の画像データから算出した突出量の平均値であってもよい。最新の画像データから算出した突出量が所定範囲の上限値を超え、かつ最新の突出量が過去の突出量よりも大きい場合、制御部233は、圧力制御弁22の開閉状態を開方向側に制御する。これにより、容器18内がさらに減圧され、液体材料Lの貫通孔82からの突出量が減少する。
【0051】
最新の画像データから算出した突出量が所定範囲の下限値未満であり、かつ最新の突出量が過去の突出量よりも小さい場合、制御部233は、圧力制御弁22の開閉状態を閉方向側に制御する。これにより、容器18内の圧力が小さくなりすぎることを抑制できる。
【0052】
最新の画像データから算出した突出量が所定範囲内である場合、制御部233は、圧力制御弁22の開閉状態を変更しない。最新の画像データから算出した突出量が所定範囲の上限値を超えるが、最新の突出量が過去の突出量以下の場合も、制御部233は、圧力制御弁22の開閉状態を変更しない。さらに、最新の画像データから算出した突出量が所定範囲の下限値未満であるが、最新の突出量が過去の突出量以上の場合も、制御部233は、圧力制御弁22の開閉状態を変更しない。
【0053】
これにより、貫通孔82からの液体材料Lの突出量が安定するため、塗布針17が貫通孔82から突出するときに塗布針17の先端に付着する液体材料Lの量がより安定する。その結果、液体材料Lを長時間より安定して塗布することができる。
【0054】
なお、上記の説明では、制御部233は、最新の画像データから算出した突出量と所定範囲との比較結果および最新の画像データから算出した突出量と過去の突出量との比較結果の両方に基づいて、圧力制御弁22の開閉状態を制御した。しかしながら、制御部233は、最新の画像データから算出した突出量と所定範囲との比較結果および最新の画像データから算出した突出量と過去の突出量との比較結果のいずれか一方に基づいて、圧力制御弁22の開閉状態を制御してもよい。
【0055】
制御部233は、制御部231と同様に、たとえばCPUと、ROMと、RAMとによって構成される。記憶部234は、記憶部232と同様に、たとえば不揮発性メモリである。
【0056】
<変形例2>
上記の説明では、容器18内の負圧状態にするための貫通孔83を容器本体18aの側壁に形成するものとしたが、貫通孔83は蓋18bに形成されてもよい。逆に、吸入孔84を蓋18bに形成するものとしたが、吸入孔84は容器本体18aの側壁に形成されてもよい。
【0057】
<変形例3>
上記の説明では、容器18内を負圧にするための負圧源として真空ポンプ20を用いるものとした。しかしながら、負圧源は、真空ポンプ20に限定されるものではなく、他の装置であってもよい。たとえば、既存の圧縮空気設備を利用した真空エジェクタを用いてもよい。これにより、コンパクトな塗布ユニットを安価に製造することができる。
【0058】
真空エジェクタにより得られる最高負圧圧力は、一般的に−80kPa程度であり、真空ポンプに比べて絶対値が小さい。そのため、吸入孔84の径が貫通孔83の径よりも大きい場合には、吸入孔84から容器18内への外気の流量が貫通孔83から吸引される気体の流量と同程度となり、容器18内を十分に負圧状態にすることができない。したがって、負圧源として最高負圧圧力が−80kPa程度の真空エジェクタを用いる場合、吸入孔84の径は、負圧源によって容器18内の気体を吸引するための貫通孔83の径の1/3以下であることが好ましい。ここで、貫通孔83の径とは、貫通孔83のうちの最小径を意味する。真空エジェクタを動作させたときの貫通孔83の気体の流量は、貫通孔83の最も狭い箇所で決定されるからである。
【0059】
図8は、吸入孔84の径と貫通孔83の径との比率γ(=(吸入孔84の径)/(貫通孔83の径))を変化させたときの、負圧源の設定負圧と容器18の貫通孔82からの液体材料Lの突出量(mm)との関係を示す図である。
図8には、容器18の貫通孔82から突出量1mmだけ突出した液体材料Lの溜まり部を形成した状態から設定負圧の絶対値を上昇させたときの突出量の変化が示される。負圧源として、最高負圧圧力が−80kPaの真空エジェクタを用いている。
【0060】
図8に示されるように、比率γ=0.5以下では、真空エジェクタの設定負圧を最高値まで上げたとしても、液体材料Lの突出量に変化が見られなかった。これに対し、比率γ=0.33以下では、設定負圧を上げることにより突出量が減少した。この結果から、吸入孔84の径を貫通孔83の径の1/3以下にすることが好ましい。
【0061】
<変形例4>
上記の説明では、容器18は、磁力によってベース台10に対し着脱可能に支持されるものとした。しかしながら、ベース台10による容器の支持方法はこれに限定されない。
【0062】
図9〜
図12を参照して、変形例4に係る塗布ユニット100aを説明する。
図9は、変形例4に係る塗布ユニット100aを示す部分断面図である。
図9には、塗布針17が最も高い位置に位置しているときの塗布ユニット100aが示される。
図10は、塗布針17を下降させたときの変形例4に係る塗布ユニット100aを示す部分断面図である。
図11は、
図9に示される容器68の底面図である。
図12は、
図9に示される支持部61の平面図である。
【0063】
図9および
図10に示されるように、塗布ユニット100aは、上記の塗布ユニット100と比較して、容器18の代わりに容器68を備えるとともに、容器68を支持するための支持部61を備える点でのみ相違する。これらの点以外の構成については、塗布ユニット100と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0064】
容器68は、容器本体68aと、蓋68bと、鍔68cとを含む。容器本体68aは、たとえば上端が開口した有底円筒形状である。容器本体68aの底部は、略逆円錐形である。容器本体68aの底部の下端には、容器本体18aと同様に、容器68の内部と外部とを連通する貫通孔82aが形成されている。貫通孔82aは、塗布針17を貫通させて下方へ向けて塗布針17の先端を突出させることができ、かつ、容器68に貯留された液体材料Lが垂れ落ちない大きさに設定されている。
【0065】
蓋68bは、容器本体68aの上端の開口を閉じるための部材である。蓋68bには、上記の蓋18bと同様に、塗布針17が挿通可能な貫通孔81aと、真空ポンプ20を動作させたときに外気を容器68の内部に吸入するための吸入孔84aとが形成される。鍔68cは、容器本体68aの側面上に水平方向に沿って形成される。
【0066】
容器68には、真空ポンプ20によって容器68内の気体(空気)を吸引するための貫通孔83aが形成されている。貫通孔83aは、容器本体68aの内面68dから鍔68cの外周面まで水平方向に貫通する上側貫通孔183aと、上側貫通孔183aの途中から鉛直方向下向きに延び、鍔68cの下面68eに開口する下側貫通孔183bとから構成される。上側貫通孔183aにおける鍔68cの外周面の開口は、ねじ69によって閉じられている。そのため、貫通孔83aは、容器本体68aの内面68dと、鍔68cの下面68eとに開口するL字状の通路を構成する。
【0067】
支持部61は、ベース台10に取り付けられる。もしくは、支持部61は、ベース台10と一体に形成されてもよい。支持部61は、板状であり、水平方向に沿って配置される。支持部61には、容器本体68aにおける鍔68cよりも下方の部分が挿通可能な穴61aが形成されている。支持部61の穴61aの周囲には、上面61dに開口した溝61bが環状に形成されている。さらに支持部61には、溝61bと接続し、水平方向に延びる貫通孔61cが形成されている。貫通孔61cに連通するように、支持部61に吸引チューブ19が接続される。なお、上記と同様に、吸引チューブ19には、真空ポンプ20、圧力センサ21、圧力制御弁22が取り付けられている。
【0068】
支持部61は、穴61aに容器本体68aの下部が挿通された状態で鍔68cの下面68eと接することにより、容器68を支持する。このとき、溝61bは、鍔68cによって覆われるとともに、容器68に形成された貫通孔83aの下側貫通孔183bと連通する。これにより、上側貫通孔183a、下側貫通孔183b、溝61bおよび貫通孔61cは、容器68の内部から吸引される気体の流路を構成する。本変形例によれば、容器68の脱着を容易に行なうことができるとともに、容器本体68aを支持部61の穴61aに挿入することにより、容器68の内部から吸引される気体の流路が容易に形成される。
【0069】
容器68が支持部61によって支持されるとき、容器本体68aの外周面と支持部61の穴61aの内周面との間に隙間を設けることが好ましい。これにより、容器本体68aを支持部61の穴61aに挿入しやすくなる。さらに、塗布針17の取り付け位置がずれた場合であっても、塗布針17の位置ずれに応じて、容器68を水平方向に隙間分の範囲内で移動することができる。その結果、塗布針17と貫通孔81a,82aとを適切な相対位置に位置させ、容器68からの液体材料Lの塗布量を安定化することができる。容器68を水平方向に隙間分だけ移動させたとしても、鍔68cに形成された下側貫通孔183bが溝61bと連通するように、溝61bの幅は、下側貫通孔183bの径よりも大きく設定されている。
【0070】
本変形例4においても、変形例3と同様に、真空ポンプ20の代わりに、最高負圧圧力がー80kPa程度の真空エジェクタを用いてもよい。この場合、吸入孔84aの径を貫通孔83aの径の1/3以下にすることが好ましい。上側貫通孔183aを形成した後に下側貫通孔183bを形成する場合、上側貫通孔183aに対する下側貫通孔183bの位置ずれを考慮して、下側貫通孔183bの径を上側貫通孔183aの径よりも小さく設定してもよい。この場合、吸入孔84aの径は、上側貫通孔183aおよび下側貫通孔183bのうち径が小さい方の下側貫通孔183bの径の1/3以下にすることが好ましい。
【0071】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。