(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0012】
<第1の実施形態>
本実施形態では、携帯用(コードレス)のヘアケア装置を例に挙げて説明する。但し、本発明のヘアケア装置はコードレスのものに限定されない。本実施形態にかかるヘアケア装置1は、ドライヤの機能とブラッシングの機能とを有する。また、本実施形態のヘアケア装置1は、毛髪をブラッシングしながら乾燥させるという用途だけではなく、毛髪および頭皮のマッサージなどの用途にも用いられる。したがって、本実施形態にかかるヘアケア装置は、ヘアドライヤの一種でもあり、かつ、頭皮ケア装置の一種でもある。
【0013】
(ヘアケア装置の外観構成)
先ず、本実施の形態にかかるヘアケア装置1の外観構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、ヘアケア装置1の斜視図である。
【0014】
図1に示すように、ヘアケア装置1は、主として、ブラシ部2と、把持部3とで構成されている。なお、ヘアケア装置1の外形は、略柱状の筐体10で構成されている(
図5参照)。本実施形態では、ブラシ部2と把持部3とは一体型の構成となっている。しかし、本発明の別の態様では、把持部3からブラシ部2を取り外し可能な構成とすることもできる。なお、ブラシ部2が取り外し可能な場合には、ブラシ部2とは異なる形状のブラシ(例えば、カールブラシ)を把持部3に取り付けることもできる。
【0015】
本明細書では、説明の便宜上、略柱状のヘアケア装置1の長手方向に沿って、ブラシ部2が設けられている側の端部をヘアケア装置1の上端部と呼び、把持部3が設けられている側の端部をヘアケア装置1の下端部と呼ぶ。
【0016】
ブラシ部2は、略直方体形状の本体部を有している。そして、本体部の一側面が植毛面(突起の立設面)となっている。ブラシ部2の植毛面には、毛状部材(棒状部材)12、第1突起形成部21、第2突起形成部31a・31b、吹き出し口41a・41bなどが設けられている。
【0017】
把持部3は、略柱状の外形を有する。本実施形態では、把持部3は略直方体の形状を有している。しかし、他の構成例では、把持部3は略円柱形状であってもよい。
【0018】
把持部3には、空気の吸い込み口(図示せず)が設けられている。吸い込み口は、例えば、把持部3の下端部に設けられている。
【0019】
把持部3の一側面には、操作部76(
図1では図示せず)が設けられている。ヘアケア装置1の使用時に、ユーザが操作部76を操作することで、ヘアケア装置1が動作を開始したり停止したりする。また、操作部が操作されることで、吹き出し口41a・41bから吹き出す風の種類(温風/冷風)および風量などが調節される。
【0020】
本実施形態にかかるヘアケア装置1は、コードレス形式のものである。そのため、把持部3の内部に電池(図示せず)を備えている。なお、有線形式のヘアケア装置の場合には、例えば、把持部3の下端部に電源コードが設けられている。
【0021】
(ブラシ部の具体的な構成)
続いて、ブラシ部2のより具体的な構成について、
図1から
図3を参照しながら説明する。
図2は、ヘアケア装置1を植毛面側から見た平面図である。
図3は、ヘアケア装置1を、ブラシ部2の上端部側から見た側面図である。
【0022】
上述したように、ブラシ部2には、毛状部材(棒状部材)12、第1突起形成部21、第2突起形成部31a・31b、吹き出し口41a・41bなどが設けられている。
【0023】
毛状部材12は、植毛面から略垂直に立設している。本実施形態では、毛状部材12は、ヘアケア装置1の長手方向に沿って列状に複数個配置されており、第1ブラシ形成部11aおよび第2ブラシ形成部11bをそれぞれ形成している(
図2参照)。また、第1ブラシ形成部11aと、第2ブラシ形成部11bとは、互いに略平行に配置されている。
【0024】
毛状部材12は、例えば、柔軟性を有する樹脂材料で形成されている。各毛状部材12は、径の細い複数本の毛で構成されていてもよいし、比較的径の大きい1本の毛で構成されていてもよい。ヘアケア装置1の使用時、毛状部材12は、毛髪をブラッシングするために主に利用される。
【0025】
第1突起形成部21には、複数個の第1突起22が配置されている。複数個の第1突起22は、ヘアケア装置1の長手方向に沿って列状に配置されている(
図2参照)。本実施形態では、第1突起22が列状に並んで形成された第1突起形成部21は、ブラシ部2の植毛面の短手方向の略中央部に位置している。
【0026】
第1突起22は、四角形の板(平板)状の形状を有している。そして、板状の各第1突起22は、互いに略平行に配置されている(
図2参照)。
【0027】
より具体的には、平板状の各第1突起22の長手方向が、ブラシ部2の短手方向に沿うように配置されている。そして、ブラシ部2の短手方向に沿って、第1突起22の両側には、第2突起32が配置されている。さらに、ブラシ部2の短手方向に沿って、第2突起32の配列の外側には、毛状部材12が配置されている。
【0028】
また、本実施形態では、各第1突起22は、第2突起形成部31aおよび31b上に列状に並んだ各第2突起32とは、ブラシ部2の短手方向において互いずれるような位置関係で配置されている(
図2参照)。すなわち、ヘアケア装置1をその長手方向の側面から見たときに、第2突起形成部31aまたは31bにおいて隣接して配置された2つの第2突起32の間に第1突起22が位置するように、第1突起22および第2突起32は配置されている。また、各毛状部材12は、第2突起形成部31aおよび31b上に列状に並んだ各第2突起32とは、ブラシ部2の短手方向において互いずれるような位置関係で配置されている(
図2参照)。
【0029】
但し、各第1突起22、各第2突起32、および各毛状部材12の配置位置は、上述のものに限定されない。例えば、本発明の別の態様では、各第1突起22、各第2突起32、および各毛状部材12が、ヘアケア装置1をその長手方向の側面から見たときに、全て同じ位置になるように配置されていてもよい。またあるいは、隣接する第1突起22同士の間隔、隣接する第2突起32同士の間隔、および隣接する毛状部材12同士の間隔が、全て異なっていてもよい。
【0030】
また、第1突起22の植毛面からの高さは、毛状部材12および第2突起32と比較して最も低くなっている(
図3参照)。
【0031】
このように、第1突起22の植毛面からの高さが、他の突起物と比較して最も低くなっていることで、ヘアケア装置1の使用時に、第1突起22が頭皮に接触することを回避することができる。言い換えれば、第1突起22が頭皮に接触しにくくなるように、第1突起22の植毛面からの高さが設定されていればよい。後述するように、ヘアケア装置1の使用時、毛髪のスタイリングをより行い易くするために、第1突起22は、約100℃以上の温度に加熱されることが好ましい。第1突起22の背の高さが第2突起32の背の高さよりも低くなっていることで、高温の第1突起22が頭皮に接触することを抑えることができる。
【0032】
また、第1突起22の配列のうち、長手方向の両端に位置する第1突起22は、第2突起32の配列中の長手方向の両端に位置する第2突起32よりも中央寄りに配置することが好ましい。これにより、第1突起22が頭皮により触れにくい構成とすることができる。
【0033】
第1突起22は、毛状部材12よりも熱伝導率の高い材料(例えば、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料)で形成されている。このような材料としては、例えば、鉄、ニッケル、チタン、ステンレス、銅などの金属材料(合金材料を含む)、ダイヤモンドなどの鉱石材料、セラミックスなどの陶磁器材料などが挙げられる。また、第1突起22は、熱伝導率の高いシリコン樹脂で形成されていてもよい。
【0034】
第2突起形成部31a・31bには、複数個の第2突起32が配置されている。複数個の第2突起32は、ヘアケア装置1の長手方向に沿って列状に配置され、第2突起形成部31aおよび第2突起形成部31bをそれぞれ形成している(
図2参照)。本実施形態では、一方の第2突起形成部31aは、第1突起形成部21を間に挟んで、他方の第2突起形成部31bと略平行に配置されている。
【0035】
第2突起32は、棒状の形状を有している。そして、第2突起32の植毛面からの高さは、毛状部材12および第1突起22と比較して最も高くなっている(
図3参照)。
【0036】
これにより、ヘアケア装置1の使用時に、第2突起32の先端部分を、頭皮などの施術箇所に接触しやすくすることができる。ここで、施術箇所とは、ユーザの頭部(具体的には、頭皮など)の一部分であって、ヘアケア装置1を用いて重点的にマッサージまたは刺激される場所のことを意味する。一方、第1突起22は、第2突起32よりも背の低い構造を有しているため、ヘアケア装置1の使用時に、頭皮などの施術箇所への接触を回避しやすくすることができる。また、毛状部材12は、第1突起22と第2突起32との中間の高さを有しているため、ヘアケア装置1の使用時に、頭皮への接触の可能性は低減させつつ、毛髪をブラッシング可能な距離とすることができる。
【0037】
また、第2突起32は、毛状部材12よりも熱伝導率の高い材料(例えば、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料)で形成されている。このような材料としては、例えば、鉄、ニッケル、チタン、ステンレス、銅などの金属材料(合金材料を含む)、ダイヤモンドなどの鉱石材料、セラミックスなどの陶磁器材料などが挙げられる。第2突起32は、第1突起22と同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。なお、後述するように、第2突起32は、第1突起22よりも温度が低くなるように温度調整されている。
【0038】
吹き出し口41a・41bは、把持部3内で生成される風およびイオンを外部へ放出する。吹き出し口41a・41bは、植毛面の短手方向の両端部に沿って配置されている。
【0039】
以上のように、本実施形態では、第1突起形成部21、各第2突起形成部31aおよび31b、第1ブラシ形成部11a、第2ブラシ形成部11b、並びに各吹き出し口41aおよび41bが、ブラシ部2の植毛面の長手方向に沿って略平行にそれぞれ配置されている。そして、吹き出し口41aおよび吹き出し口41bが植毛面の短手方向の両端部に配置され、これらの間に、第1突起形成部21、各第2突起形成部31aおよび31b、第1ブラシ形成部11a、並びに第2ブラシ形成部11bが配置されている。さらに、第1ブラシ形成部11aと第2ブラシ形成部11bとの間に、第1突起形成部21、並びに、各第2突起形成部31aおよび31bが配置されている。
【0040】
なお、第1突起形成部21、各第2突起形成部31aおよび31b、第1ブラシ形成部11a、第2ブラシ形成部11b、並びに各吹き出し口41aおよび41bの配置は、上述のものに限定はされない。本発明の一態様では、以下のような構成とすることもできる。
【0041】
例えば、第1突起22が一列に並んでいる第1突起形成部21の両側に、複数列(例えば、二列)に第2突起32が並んでいる第2突起形成部31aおよび31bが配置されている構成も可能である。すなわち、植毛面に、全部で4列以上の第2突起32の列が設けられていてもよい。このような構成の場合において、毛状部材12は、本実施形態と同様に、ブラシ部2の短手方向の第2突起形成部31aおよび31bよりも外側の両脇に設けられていることが好ましい。
【0042】
さらに他の構成として、植毛面に第1突起22が複数列設けられている構成も可能である。具体的には、ブラシ部2の短手方向に沿って、第2突起32、第1突起22、第2突起32、第1突起22、第2突起32という配置順で、2列の第1突起22と3列の第2突起32が設けられている構成も可能である。すなわち、第2突起32の列が短手方向の両端に位置し、その間に第1突起22の列と第2突起32の列とが交互に配置されている構成も可能である。なお、このような構成の場合においても、毛状部材12は、本実施形態と同様に、ブラシ部2の短手方向の第2突起形成部31aおよび31bよりも外側の両脇に設けられていることが好ましい。
【0043】
また、本実施形態では、吹き出し口41aおよび吹き出し口41bが植毛面の短手方向の両端部にのみ設けられている構成を例に挙げている。しかし、本発明の一態様では、吹き出し口は、植毛面の両端部以外の場所に設けられていてもよい。
【0044】
(ブラシ部の内部構成)
続いて、ブラシ部2の内部構成について、
図4を参照しながら説明する。
図4には、
図2に示すブラシ部2のA−A線部分の断面構成を示す。
【0045】
図4に示すように、ブラシ部2の外形、および植毛面の一部は、筐体10で形成されている。筐体10は、比較的剛性を有するプラスチックなどの樹脂材料で形成されている。
【0046】
第1突起22を有する第1突起形成部21は、筐体10によって支持されている。したがって、ヘアケア装置1の使用時、第1突起22は、植毛面に対して略位置を変えない状態で固定されている。
【0047】
一方、第2突起32を有する第2突起形成部31aおよび31bは、弾性部材35で形成されている。これにより、第2突起32は、弾性部材35によって支持される。したがって、ヘアケア装置1の使用時、第2突起32は、植毛面に対してわずかに位置を変えることができる。これにより、第2突起32が頭皮などの施術箇所に当たったときの感触を和らげ、使用時の快適性を向上させることができる。弾性部材35は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などの弾性を有する樹脂材料で形成することができる。
【0048】
毛状部材12は、筐体10に埋め込まれるように配置されている。また、吹き出し口41a・41bは、筐体10に開口を形成することによって形成される。
【0049】
また、第1突起形成部21には、第1ヒータ(第1加熱部)73および熱伝導部材25が備えられている。第1ヒータ73は、第1突起22を加熱するための熱源となる。熱伝導部材25は、第1ヒータ73と第1突起22との間に配置されている。第1ヒータ73によって生成された熱は、熱伝導部材25を介して第1突起22へ伝達される。熱伝導部材25は、熱伝導率の高い材料(例えば、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料)で形成されている。なお、第1突起22と熱伝導部材25とは、異なる材料で形成されていてもよいし、同じ材料で形成されていてもよい。また、第1突起22と熱伝導部材25とは、一体成形されていてもよい。
【0050】
また、第2突起形成部31a・31bには、第2ヒータ(第2加熱部)74が備えられている。第2ヒータ74は、第2突起32を加熱するための熱源となる。
【0051】
(ヘアケア装置の内部構成および各突起の温度制御)
続いて、ヘアケア装置1の内部構成について、
図5および
図6を参照しながら説明する。
図5には、
図2に示すヘアケア装置1のB−B線部分の断面構成を示す。
図6には、ヘアケア装置1の内部構成を示す。
【0052】
図5および
図6に示すように、ヘアケア装置1は、制御部71、温風発生部72、第1ヒータ(第1加熱部)73、第2ヒータ(第2加熱部)74、イオン供給部(帯電粒子発生部)75、および操作部76などを備えている。
【0053】
制御部71は、把持部3の内部に配置されている。制御部71は、操作部76で操作された内容に応じて、温風発生部72、第1ヒータ73、第2ヒータ74、およびイオン供給部75などの動作を制御する。
【0054】
温風発生部72は、把持部3の内部に配置されている(
図5参照)。温風発生部72は、吸い込み口(図示せず)および吹き出し口41a・41bと連通している。温風発生部72は、主な構成部材として、ファン、ヒータ、およびファンを駆動するモータなどを有している。ヘアケア装置1の稼働時、モータの駆動力によってファンが回転する。これにより、吸い込み口から吹き出し口41a・41bへと向かう空気の流れが形成される。
【0055】
また、ヘアケア装置1の稼働時、温風発生部72内のヒータが稼働することで、ヘアケア装置1の内部に取り込まれた空気が加熱される。これにより、吹き出し口41a・41bからは、温風が送出される。なお、ヘアケア装置1の稼働時に、ヒータの運転を停止させることもできる。この場合には、吹き出し口41a・41bからは、冷風が送出される。
【0056】
第1ヒータ73は、第1突起22と接続されており、第1突起22を加熱する。第1ヒータ73は、制御部71によって、ON/OFFの動作が制御される。また、第1ヒータ73は、第2ヒータ74よりも高い温度での加熱が可能である。これにより、第1突起22の温度を、例えば、100℃以上に加熱することができる。また、第1ヒータ73は、第1突起22の温度を、150℃以上180℃以下に加熱することが好ましい。これにより、毛髪のスタイリングおよびセットをより行い易くすることができる。
【0057】
第2ヒータ74は、第2突起32と接続されており、第2突起32を加熱する。第2ヒータ74は、制御部71によって、ON/OFFの動作が制御される。第2ヒータ74は、第1ヒータ73よりも低い温度(例えば、35℃以上40℃以下の範囲内の温度)に加熱される。
【0058】
上述したように、第2突起32の植毛面からの高さは、毛状部材12および第1突起22と比較して最も高くなっている。そのため、ヘアケア装置1の使用時に、第2突起32は、頭皮および毛髪に最も接触しやすい。そこで、第2ヒータ74を用いて第2突起32を適度な温度に加熱することで、使用時の快適性を向上させることができる。
【0059】
また、本実施形態にかかるヘアケア装置1では、制御部71は、第1ヒータ73および第2ヒータ74のON/OFFの制御を個別に行うことができる。例えば、制御部71は、第1ヒータ73がON状態のときに、第2ヒータ74のON状態とOFF状態とを切り換えることができる。
【0060】
この構成によれば、例えば、夏場などの気温が比較的高いときには、第1ヒータ73をON状態として第1突起22を、例えば、約100℃以上に加熱させた状態で、第2ヒータ74をOFF状態とすることで、第2突起32を低温の状態に維持することができる。これにより、頭皮と接触する第2突起32は、ユーザに対してある程度の冷たさを感じさせつつ、第1突起22を高温に維持して、毛髪のスタイリングを行うことができる。一方、冬場などの気温が比較的低いときには、第1ヒータ73をON状態として第1突起22を、例えば、約100℃以上に加熱させた状態で、第2ヒータ74をON状態として、第2突起32を約35℃から約40℃程度に加熱させることができる。これにより、頭皮と接触する第2突起32は、ユーザに対してある程度の温かさを感じさせつつ、第1突起22を高温に維持して、毛髪のスタイリングを行うことができる。
【0061】
イオン供給部(帯電粒子発生部)75は、把持部3の内部に配置されている(
図5参照)。
【0062】
イオン供給部75は、正(+)イオン(例えば、H
+(H
2O)
m(mは任意の自然数))および負(−)イオン(例えば、O
2−(H
2O)
n(nは任意の自然数))の少なくとも何れかを発生する。ヘアケア装置1にイオン供給部75が備えられていることで、吹き出し口41a・41bから吹き出す風にイオンを含有させることができる。ヘアケア装置1から吹き出す風にイオンが含まれていることで、施術される頭皮のうるおいを保つなど、頭皮環境を整えることができる。また、施術される毛髪のうるおいをキープしたり、キューティクルを引き締めたりして毛髪のダメージを抑え、トリートメント効果を得ることができる。また、ヘアケア装置1から吹き出す風にイオンが含まれていることで、除電(静電気抑制)の効果も得られる。
【0063】
なお、本発明の一態様のヘアケア装置に備えられる帯電粒子発生部は、イオン供給部に限定されるものではなく、放電により、イオン、電子、オゾン、ラジカル、活性種などを発生させる放電装置であればよい。また、帯電粒子発生装置がイオンを発生させる場合は、正イオンと負イオンの両方を発生させる構成であっても、正イオンあるいは負イオンの何れか一方を発生させる構成であってもよい。
【0064】
操作部76は、ユーザによって操作される。操作部76における操作情報は、制御部71へ送信される。
【0065】
以上の構成により、ヘアケア装置1の吹き出し口41a・41bから風(温風または冷風)を吹き出すことができる。また、ブラシ部2に設けられた第1突起22および第2突起32を加熱することができる。これにより、ヘアケア装置1を用いて、毛髪のセット、スタイリング、ブローなど行うことができる。また、毛髪が濡れている場合には、吹き出し口41a・41bからの風を用いて毛髪を乾燥させることもできる。
【0066】
(第1の実施形態のまとめ)
以上のように、本実施形態にかかるヘアケア装置1は、ブラシ部2と把持部3とを有している。ブラシ部2には、毛状部材12、第1突起形成部21、第2突起形成部31a・31b、吹き出し口41a・41bなどが設けられている。
【0067】
第1突起形成部21は、複数の第1突起22を有している。第1突起22は、毛状部材12よりも熱伝導率の高い材料(例えば、金属材料、鉱石材料、陶磁器材料など)で形成されている。これにより、第1ヒータ73を用いて第1突起22を加熱したときに、第1突起22を比較的高温にすることができる。そのため、ヘアケア装置1を用いた毛髪のスタイリングが行い易くなる。
【0068】
第2突起形成部31a・31bは、複数の第2突起32を有している。第2突起32は、毛状部材12よりも熱伝導率の高い材料(例えば、金属材料、鉱石材料、陶磁器材料など)で形成されている。
【0069】
また、第2突起32は、第1突起22よりも背が高い。そのため、ヘアケア装置1の使用時に、第2突起32は、頭皮および毛髪により当たりやすい。
【0070】
以上のように、第2突起32は、毛状部材12よりも熱伝導率が高い。すなわち、第2突起32は、毛状部材12と比較して、熱が伝わりやすい。そのため、吹き出し口41a・41bから温かい風が吹き出された場合には、第2突起32は毛状部材12よりも温度が高くなる傾向にある。一方、吹き出し口41a・41bから冷たい風が吹き出された場合には、第2突起32は毛状部材12よりも温度が低くなる傾向にある。第2突起32は、頭皮などの施術箇所に接触するため、ヘアケア装置1を使用するユーザは、温冷(温かさまたは冷たさ)をより感じやすい。そのため、第2ヒータ74のON/OFFを適宜切り換えて第2突起32を温めたり冷やしたりすることで、使用時の快適性を向上させることができる。
【0071】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、イオン供給部75を備えているヘアケア装置1を例に挙げて説明した。しかし、本発明の一態様では、イオン供給部は備えられていなくてもよい。そこで、以下では、イオン供給部を備えていないヘアケア装置101を例に挙げて説明する。
【0072】
図7には、第2の実施形態にかかるヘアケア装置101の内部構成を示す。ヘアケア装置101は、主として、ブラシ部2と、把持部3とで構成されている。
【0073】
ブラシ部2には、毛状部材(棒状部材)12、第1突起形成部21(図示せず)、第2突起形成部31a・31b(図示せず)、吹き出し口41a・41b(図示せず)などが設けられている。第1突起形成部21は、第1突起22などを有している。第2突起形成部31a・31bは、第2突起32などを有している。第1突起22は、第1ヒータ(第1加熱部)73によって加熱される。第2突起32は、第2ヒータ(第2加熱部)74によって加熱される。ブラシ部2の構成は、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0074】
把持部3には、制御部71(図示せず)、温風発生部72、および操作部76などが備えられている。イオン供給部を備えていないこと以外は、把持部3の構成は、第1の実施形態の把持部3と同様である。
【0075】
また、第1の実施形態と同様に、第2突起32は、毛状部材12よりも熱伝導率が高い。すなわち、第2突起32は、毛状部材12と比較して、熱が伝わりやすい。そのため、吹き出し口41a・41bから温かい風が吹き出された場合には、第2突起32は毛状部材12よりも温度が高くなる傾向にある。一方、吹き出し口41a・41bから冷たい風が吹き出された場合には、第2突起32は毛状部材12よりも温度が低くなる傾向にある。第2突起32は、頭皮などの施術箇所に接触するため、ヘアケア装置1を使用するユーザは、温冷(温かさまたは冷たさ)をより感じやすい。そのため、第2ヒータ74のON/OFFを適宜切り換えて第2突起32を温めたり冷やしたりすることで、使用時の快適性を向上させることができる。
【0076】
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態にかかるヘアケア装置201では、ブラシ部202の構成が第1の実施形態とは異なっている。そこで、以下では、ブラシ部202の構成を中心に説明する。
【0077】
図8には、第3の実施形態にかかるヘアケア装置201の内部構成を示す。ヘアケア装置201は、主として、ブラシ部202と、把持部3とで構成されている。ヘアケア装置201の外形は、略柱状の筐体10で構成されている。
【0078】
ブラシ部202は、略直方体形状の本体部を有している。そして、本体部の一側面が植毛面(突起の立設面)となっている。ブラシ部202の植毛面には、毛状部材(棒状部材)12、第1突起形成部21、第2突起形成部231a・231b、吹き出し口41a・41bなどが設けられている。毛状部材(棒状部材)12、第1突起形成部21、および吹き出し口41a・41bについては、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0079】
第2突起形成部231a・231bは、弾性部材235および第2突起232を有している。弾性部材235は、第2突起232の土台となる部材である。第2突起232は、弾性部材235によって支持されている。これにより、ヘアケア装置201の使用時、第2突起232が頭皮などの施術箇所に当たったときの感触を和らげ、使用時の快適性を向上させることができる。
【0080】
なお、第1の実施形態では、第2突起形成部31a・31bには、第2突起32を加熱するための熱源として第2ヒータ74が備えられている。これに対して、本実施形態にかかるヘアケア装置201では、第2突起232に熱源は設けられていない。
【0081】
第2突起232は、第1の実施形態と同様に、毛状部材12よりも熱伝導率の高い材料(例えば、金属材料、鉱石材料、陶磁器材料など)で形成されている。
【0082】
また、第2突起232は、第1突起22よりも背が高い。そのため、ヘアケア装置1の使用時に、第2突起32は、頭皮および毛髪により当たりやすい。
【0083】
以上のように、第2突起232は、毛状部材12よりも熱伝導率が高い。すなわち、第2突起232は、毛状部材12と比較して、熱が伝わりやすい。そのため、吹き出し口41a・41bから温かい風が吹き出された場合には、第2突起232は毛状部材12よりも温度が高くなる傾向にある。一方、吹き出し口41a・41bから冷たい風が吹き出された場合には、第2突起32は毛状部材12よりも温度が低くなる傾向にある。第2突起232は、頭皮などの施術箇所に接触するため、ヘアケア装置201を使用するユーザは、温冷(温かさまたは冷たさ)をより感じやすい。そのため、ヘアケア装置201の使用時の快適性を向上させることができる。
【0084】
なお、第1突起形成部21には、第1突起22を加熱するための第1ヒータ73が備えられている。これにより、第1ヒータ73を用いて第1突起22を加熱したときに、第1突起22を比較的高温にすることができる。そのため、ヘアケア装置1を用いた毛髪のスタイリングが行い易くなる。
【0085】
(まとめ)
本発明の一局面にかかるヘアケア装置は、ブラシ部を備えている。ブラシ部は、複数の棒状部材(例えば、毛状部材12)と、複数の第1突起を有する第1突起形成部と、前記棒状部材よりも熱伝導率が高く、かつ、前記第1突起よりも背の高い複数の第2突起を有する第2突起形成部とを有している。
【0086】
上記の構成によれば、第2突起の熱伝導率が、棒状部材(例えば、毛状部材12)の熱伝導率よりも高いため、周囲温度や吹き出す風の温度の影響をより受けやすくなる。また、第2突起の背の高さが第1突起よりも高くなっていることで、第2突起がより頭皮などの施術箇所に接触しやすくなる。そのため、ヘアケア装置の使用者は、第2突起の温冷(温かさまたは冷たさ)をより感じやすくなり、使用時に快適性をより向上させることができる。
【0087】
上記の本発明の一局面にかかるヘアケア装置は、前記第1突起を加熱するための第1加熱部(例えば、第1ヒータ73)をさらに備えていてもよい。そして、前記第2突起は、前記第1突起よりも温度が低いことが好ましい。この構成によれば、より背の高い第2突起を比較的低温にし、より背の低い第2突起を比較的高温にすることができる。これにより、頭皮などの施術箇所により近接する第2突起はユーザにとって快適な温度とすることができる一方、より高温の第1突起を用いて毛髪のスタイリングを行うことができる。
【0088】
上記の本発明の一局面にかかるヘアケア装置は、前記第2突起を加熱するための第2加熱部(例えば、第2ヒータ74)と、前記第1加熱部および前記第2加熱部を制御する制御部とをさらに備えていてもよい。そして、前記制御部は、前記第1加熱部がON状態のときに、前記第2加熱部のON状態とOFF状態とを切り換え可能に構成してもよい。
【0089】
上記の本発明の一局面にかかるヘアケア装置において、前記第2突起は、弾性部材によって支持されていてもよい。
【0090】
上記の本発明の一局面にかかるヘアケア装置において、前記第1突起は、固定されていてもよい。
【0091】
上記の本発明の一局面にかかるヘアケア装置において、前記ブラシ部は、前記複数の棒状部材が配列されている第1ブラシ形成部と、第1ブラシ形成部に略平行に配置され、前記複数の棒状部材が配列されている第2ブラシ形成部とを有しており、前記第1ブラシ形成部と前記第2ブラシ形成部との間に、前記第1突起形成部および前記第2突起形成部が配置されていてもよい。
【0092】
上記の構成によれば、第1ブラシ形成部および第2ブラシ形成部を植毛面の外側に配置させることで、第1ブラシ形成部および第2ブラシ形成部に形成されている棒状部材を用いて毛髪のブローやカールなどをより行い易くすることができる。
【0093】
上記の本発明の一局面にかかるヘアケア装置は、帯電粒子発生部(例えば、イオン供給部75)をさらに備えていてもよい。また、前記ブラシ部には、前記帯電粒子発生部で生成された帯電粒子が放出される吹き出し口が設けられており、前記吹き出し口は、前記第1ブラシ形成部および前記第2ブラシ形成部の外側に配置されていてもよい。
【0094】
上記の構成によれば、帯電粒子を含む風を、第1ブラシ形成部および第2ブラシ形成部の外側から吹き出すことができる。これにより、第1ブラシ形成部および第2ブラシ形成部に設けられた棒状部材と毛髪とが接触することによって発生し得る静電気を、帯電粒子を含む風によって、ある程度抑制することができる。
【0095】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。