(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両の製造工程において、撮像装置の取付け及び取り外しを行うためには、製造ラインにおける車両の搬送を停止する必要がある。従って、特許文献1の物標検出装置のレーダの光軸検査方法は、この光軸検査を含む製造工程において車両の搬送の停止を要するため、製造工程の所要時間が長くなるという問題点がある。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、車両に搭載される物標検出装置を効率的に製造することができる物標検出装置の製造方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る物標検出装置の製造方法は、製造ラインの搬送路にて所定の搬送速度で搬送される車両に搭載される物標検出装置の製造方法であって、前記搬送速度に関する情報を取得する工程と、前記車両が前記搬送路の横に設けられた対象物を前記搬送速度にて通過する前後にて、該物標検出装置が、送信波を複数回送信し、該対象物によって反射された反射波を複数回受信する工程と、複数回受信した反射波夫々に基づいて、前記物標検出装置と前記対象物との基準距離を導出するための基準検知点を導出する工程と、導出した前記基準検知点における物標検出装置と対象物との方位角度を導出する工程と、導出した前記方位角度に基づいて、前記物標検出装置の全体補正角度を導出する工程と、導出した前記全体補正角度に関する情報を、所定の記憶領域に記憶する工程とを含み、
前記基準検知点を導出する工程以降に、複数回受信した反射波夫々における前記物標検出装置と前記対象物との方位角度夫々を導出する工程と、前記基準検知点の反射波を受信した基準受信時刻と、複数回受信した反射波夫々を受信した受信時刻夫々との時間差夫々を導出する工程と、前記基準距離、前記取得した搬送速度、前記導出した方位角度夫々及び時間差夫々に基づいて、前記反射波夫々における個別補正角度を導出する工程と、導出した個別補正角度に関する情報を所定の記憶領域に記憶する工程とを含む。又は、物標検出装置の製造方法は、前記基準検知点を導出する工程以降に、複数回受信した反射波夫々における前記物標検出装置と前記対象物との距離夫々及び方位角度夫々を導出する工程と、前記基準距離、前記導出した距離夫々及び方位角度夫々に基づいて、前記反射波夫々における個別補正角度を導出する工程と、導出した個別補正角度に関する情報を所定の記憶領域に記憶する工程とを含む
【0008】
本態様にあたっては、物標検出装置が搭載された車両の搬送を停止することなく、物標検出装置の取付け角度に依拠した全体補正角度を導出するため、車両に搭載される物標検出装置の製造に要する時間を短縮し、効率的に物標検出装置を製造することができる。導出した全体補正角度は所定の記憶領域に記憶されるため、物標検出装置毎に、個々の全体補正角度を設定することができる。従って、車両における物標検出装置の搭載位置又は搭載角度のばらつきを個別に対応した物標検出装置を製造することができる。
【0009】
本開示の一態様に係る物標検出装置の製造方法は、前記基準検知点を導出する工程は、
複数回受信した反射波夫々において、該反射波夫々にて導出される物標検出装置と対象物との距離が、最も短い距離の反射波の検知点を基準検知点として導出する工程を含む。
【0010】
本態様にあたっては、物標検出装置と対象物との距離が、最も短い距離の反射波の検知点を基準検知点として導出するため、当該基準検知点に基づき精度よく基準距離を導出することができる。
【0011】
本開示の一態様に係る物標検出装置の製造方法は、前記基準検知点を決定する工程は、
複数回受信した反射波夫々において、連続して受信した2つの反射波夫々にて導出される物標検出装置と対象物との相対速度の正負が逆転する場合、当該2つの反射波夫々に基づき基準検知点を導出する工程を含む。
【0012】
本態様にあたっては、連続して受信した2つの反射波夫々にて導出される物標検出装置と対象物との相対速度の正負が逆転する場合、当該2つの反射波に基づいて、基準検知点を決定するため、当該基準検知点に基づき精度よく基準距離を導出することができる。
【0013】
本開示の一態様に係る物標検出装置の製造方法は、前記基準検知点を導出する工程以降に、複数回受信した反射波夫々における前記物標検出装置と前記対象物との方位角度夫々を導出する工程と、前記基準検知点の反射波を受信した基準受信時刻と、複数回受信した反射波夫々を受信した受信時刻夫々との時間差夫々を導出する工程と、前記基準距離、前記取得した搬送速度、前記導出した方位角度夫々及び時間差夫々に基づいて、前記反射波夫々における個別補正角度を導出する工程と、導出した個別補正角度に関する情報を所定の記憶領域に記憶する工程とを含む。
【0014】
本態様にあたっては、反射波夫々における個別補正角度を導出し、導出した個別補正角度に関する情報を所定の記憶領域に記憶するため、方位角度夫々に対応した個別補正角度が記憶された物標検出装置を効率的に製造することができる。
【0015】
本開示の一態様に係る物標検出装置の製造方法は、前記基準検知点を導出する工程以降に、複数回受信した反射波夫々における前記物標検出装置と前記対象物との距離夫々及び方位角度夫々を導出する工程と、前記基準距離、前記導出した距離夫々及び方位角度夫々に基づいて、前記反射波夫々における個別補正角度を導出する工程と、導出した個別補正角度に関する情報を所定の記憶領域に記憶する工程とを含む。
【0016】
本態様にあたっては、基準距離、前記導出した距離夫々及び方位角度夫々に基づいて、前記反射波夫々における個別補正角度を導出するため、方位角度夫々に対応した個別補正角度を精度よく導出することができる。
【0017】
本開示の一態様に係る物標検出装置の製造方法は、前記所定の記憶領域に記憶する工程は、前記受信した反射波夫々における方位角度及び個別補正角度又は、該方位角度及び、前記全体補正角度と個別補正角度との合算値をテーブル形式で登録する工程を含む。
【0018】
本態様にあたっては、受信した反射波夫々における方位角度及び個別補正角度、又は、方位角度及び全体補正角度と個別補正角度の合算値を、テーブル形式で登録して、所定の記憶領域に記憶するため、効率よく個別補正角度等の記憶及び読み出しを行うことができる。
【0019】
本開示の一態様に係る物標検出装置の製造方法は、前記所定の記憶領域に記憶する工程は、任意の複数の方位角度における個別補正角度に基づいて、物標検出装置によって送信される送信波の水平方向における送信範囲の送信角度を所定角度単位で分けた定格方位角度夫々に対応する個別補正角度を導出し、該定格方位角度と導出した該定格方位角度に対応する個別補正角度とを関連づけて、所定の記憶領域に記憶する工程を含む。
【0020】
本態様にあたっては、効率的に当該定格方位角度夫々に対応する個別補正角度を登録することができる。
【0021】
本開示の一態様に係る物標検出装置の製造方法は、前記所定の記憶領域に記憶する工程は、該定格方位角度と該定格方位角度に対応する個別補正角度とを関連づけて、テーブル形式で登録する工程を含む。
【0022】
本態様にあたっては、テーブル形式で登録して、所定の記憶領域に記憶するため、効率よく定格方位角度及び個別補正角度の記憶及び読み出しを行うことができる。
【0023】
本開示の一態様に係る車両の製造方法は、前記物標検出装置が搭載され、製造ラインの搬送路にて所定の搬送速度で搬送される車両の製造方法であって、本開示の一態様に係る物標検出装置の製造方法を含む。
【0024】
本態様にあたっては、物標検出装置が搭載された車両の搬送を停止することなく、物標検出装置の取付位置又は取付角度に依拠した全体補正角度を導出するため、車両の製造に要する時間を短縮し、効率的に車両を製造することができる。導出した全体補正角度は所定の記憶領域に記憶されるため、搭載位置のばらつきを個別に対応した物標検出装置を搭載した車両を製造することができる。
【0025】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに物標検出装置が搭載された車両を搬送する製造ラインの搬送路における搬送速度を取得し、前記車両が前記搬送路の横に設けられた対象物を前記搬送速度にて通過する前後にて、該物標検出装置によって複数回送信された送信波の該対象物により反射された反射波夫々を取得し、取得した反射波夫々に基づいて、前記物標検出装置と前記対象物との基準距離を導出するための基準検知点を導出し、導出した前記基準検知点における物標検出装置と対象物との方位角度を導出し、導出した前記方位角度に基づいて、前記物標検出装置の全体補正角度を導出し、導出した前記全体補正角度に関する情報を、所定の記憶領域に記憶する処理を実行させる。
【0026】
本態様にあたっては、効率的に物標検出装置を製造することができるプログラムをコンピュータに実行させることができる。
【発明の効果】
【0027】
車両に搭載される物標検出装置を効率的に製造することができる物標検出装置の製造方法等を提供することを目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(実施形態1)
以下、実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る製造工程によって製造される物標検出装置を備える車両の一例を示す模式図である。
図2は、実施形態1に係る物標検出装置3の構成を示すブロック図である。まずは、物標検出装置3及び当該物標検出装置3を備える車両1について説明する。
【0030】
車両1は、フロントバンパー11、リアバンパー12、車体フレーム10、及びレーダ装置4とレーダECU(Electronic Control Unit)5とを含む物標検出装置3を備える。
【0031】
レーダ装置4は、車両1の前方及び後方の夫々の角部に設けられている。車両1の前方及び後方の夫々の角部は、フロントバンパー11、リアバンパー12及び車体フレーム10の夫々の角部を含む。
【0032】
レーダ装置4夫々は、フロントバンパー11及びリアバンパー12の左右の角部夫々に設けられている。レーダ装置4夫々には、対応するレーダECU5夫々が接続されており、これらレーダECU5夫々は、後述する車内LAN(Local Area Network)2によってボディECU6に接続されている。
【0033】
レーダ装置4夫々は、フロントバンパー11及びリアバンパー12の左右の角部夫々に設けられている。フロントバンパー11の左の角部に設けられているレーダ装置4の水平方向の送信角度(θFL)は、90°以上となるように設定してある。同様にフロントバンパー11の右の角部、及びリアバンパー12の左右の角部に設けられているレーダ装置4夫々の水平方向の送信角度(θFR、θBL、θBR)も、90°以上となるように設定してある。レーダ装置4の向きは、レーダ装置4から送信される電波の送信範囲が、レーダ装置4夫々から車両1の外側に向かって真横となる方向、すなわち車両1の進行方向に対し外側へ略垂直の方向を含むように、設定されている。従って、車両1の直進時の前進方向を90°とした場合、フロントバンパー11の右側に設けられたレーダ装置4の送信範囲は、水平方向において略335°(−25°)から略115°の方向を含む。フロントバンパー11の左側に設けられたレーダ装置4の送信範囲は、水平方向において略65°から略205°の方向を含む。リアバンパー12の左側に設けられたレーダ装置4の送信範囲は、水平方向において略155°から略295°の方向を含む。リアバンパー12の右側に設けられたレーダ装置4の送信範囲は、水平方向において略245°から略25°(385°)の方向を含む。すなわち、レーダ装置4夫々の送信角度(θFL、θFR、θBL、θBR)を140°とした場合、送信角度の半分となる中心線となる光軸(ボーサイト/boresight)を基準に、この光軸より水平方向に±70°の範囲で、レーダ装置4夫々から電波(送信波)が送信されている。車両1の進行方向に対する当該光軸の角度が、レーダ装置4の取付角度となる。レーダ装置4の設置場所は、車両1の前方及び後方の角部と記載したがこれに限定されない。レーダ装置4は、車両1の左右側面の中央部、又は前後の中央部に設置されていてもよい。
【0034】
レーダ装置4は、送信部41、送信アンテナ42、受信部43及び受信アンテナ44を含む。送信部41は、レーダECU5と後述する入出力インターフェイス54を介して接続されており、後述するレーダECU5の制御部51からの信号に基づき、電波(送信波)を送信する。送信波は、例えば、30GHzから300GHzのミリ波帯の周波数帯の電波、又は10GHzから30GHzのマイクロ波の周波数帯の電波である。
【0035】
送信アンテナ42は、送信波の送信方向、すなわち指向性を有する指向性アンテナであり、上述のごとく水平方向において送信範囲が設定されており、当該送信範囲が、後述する物標を検出するための検出範囲となる。送信アンテナ42は、送信部41と接続されており、当該送信部41から出力によって電波(送信波)を送信する。
【0036】
受信アンテナ44は、受信部43と接続されており、送信アンテナ42と略同方向に向くように配置されている。受信アンテナ44は、物標によって反射された反射波を受信し、受信部43に出力する。
【0037】
受信部43は、レーダECU5と後述する入出力インターフェイス54を介して接続されており、物標によって反射された反射波を、受信アンテナ44を介して取得する。物標は、例えば自車の周辺を走行する他の車両、道路の側縁に設けられた設備及び歩行者等を含む。受信部43は、取得した反射波を例えば、A/D変換して制御部51に出力する。
【0038】
レーダ装置4が、例えばFMCW方式(Frequency Modulated Continuous Wave)を用いている場合、送信部41は、周波数が時間に比例して変化した電波(送信波)を送信し、受信部43は、物標によって反射された反射波及び送信波が混合したビート信号を受信する。
【0039】
レーダECU5は、制御部51、記憶部52、通信部53及び入出力インターフェイス54を含む。制御部51は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、記憶部52に予め記憶された制御プログラム及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行うようにしてある。制御部51は、記憶部52に記憶されている制御プログラムを実行することによって、物標検出部、距離導出部、方位角度導出部、相対速度導出部として機能する。制御部51は、時計機能を有しており、物標検出部として機能するにあたり、反射波を受信した時刻を記憶部52に記憶する。更に制御部51は、後述する物標検出装置の製造方法において、導出した方位角度を補正するための補正角度(全体補正角度、個別補正角度)を導出し記憶する工程等の各工程を担う。レーダECU5は、方位角度導出部として機能するにあたり、反射波を解析して導出した方位角度に対し、記憶部52に記憶されている補正角度に基づいて、導出した方位角度を補正することによって、当該方位角度の精度を向上させる。
【0040】
物標検出部は、例えばFMCW方式等の既知の方式を用いることによって、周波数が時間に比例して変化した電波(送信波)を送信し、物標によって当該送信波が反射された反射波を受信することによって物標を検出する。
【0041】
距離導出部は、例えばFMCW方式の場合、送信波と反射波とが混在したビート信号を受信し、当該ビート信号をFFT解析(Fast Fourier Transform)することによってビート信号の周波数を解析し、当該周波数の解析結果に基づいて、自車と物標との距離を導出する。
【0042】
方位角度導出部は、距離導出部と同様にビート信号の周波数を解析し、当該周波数の解析結果に基づいて、自車に対する物標との方位角度を導出する。
【0043】
相対速度導出部は、距離導出部と同様にビート信号の周波数を解析し、当該周波数の解析結果に基づいて、自車に対する物標との相対速度を導出する。
【0044】
レーダ装置4の受信部43が、フーリエ変換等の演算能力を有しており、物標検出部、距離導出部、方位角度導出部、又は相対速度導出部として機能してもよい。または、レーダ装置4の受信部43とレーダECU5の制御部51とが協働して、物標検出部、距離導出部、方位角度導出部、又は相対速度導出部として機能してもよい。または、後述するボディECU6の制御部61が、制御プログラムを実行し、レーダ装置4又はレーダECU5の制御部51と通信し制御して、又は協働して物標検出部、距離導出部、方位角度導出部、又は相対速度導出部として機能してもよい。更に、ボディECU6の制御部61が、レーダ装置4又はレーダECU5の制御部51と通信し制御して、又は協働して、後述する物標検出装置の製造方法における各工程を担うものであってもよい。
【0045】
記憶部52は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリ素子又は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してあり、制御プログラム及び処理時に参照するデータがあらかじめ記憶してある。記憶部52に記憶された制御プログラムは、物標検出装置3が読み取り可能な記録媒体521から読み出された制御プログラムを記憶したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータから制御プログラムをダウンロードし、記憶部52に記憶させたものであってもよい。詳細は後述するが、記憶部52には、方位角度夫々及び当該方位角度夫々に対応する補正角度が記憶されている。記憶部52には、車両1の進行方向に対するレーダ装置4夫々の光軸の角度、すなわちレーダ装置4夫々の取付角度が記憶されている。
【0046】
通信部53は、CAN(Control Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)又はEthernet(登録商標)等の通信プロトコルを用いた通信インターフェイスであり、車内LAN2に接続されているボディECU6等の車載機器と相互に通信する。
【0047】
入出力インターフェイス54は、シリアルケーブル等によってレーダ装置4の送信部41及び受信部43と接続し、制御部51と、送信部41及び受信部43との間でのデータの入出力を行うためのインターフェイスである。
【0048】
物標検出装置3は、レーダ装置4及びレーダECU5を別体として記載したが、これに限定されない。レーダ装置4及びレーダECU5を、例えばモジュール化し、一体化された物標検出装置3であってもよい。
【0049】
車両1には、車速検出部9、報知部8等の車載機器が設けられており、報知部8等の車載機器は、例えばボディECU6と、当該ボディECU6に含まれる入出力インターフェイス64を介して接続されている。
【0050】
ボディECU6は、レーダECU5と同様に制御部61、記憶部62、通信部63及び入出力インターフェイス64を含む。制御部61は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、記憶部62に予め記憶された制御プログラム及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行うようにしてある。
【0051】
記憶部62は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリ素子又は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してあり、制御プログラム及び処理時に参照するデータがあらかじめ記憶してある。
【0052】
通信部63は、CAN(Control Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)又はEthernet(登録商標)等の通信プロトコルを用いた通信インターフェイスであり、車内LAN2に接続されているレーダECU5等の車載機器と相互に通信する。
【0053】
入出力インターフェイス64は、シリアルケーブル等によって車速検出部9、報知部8等の車載機器と接続し、制御部61とこれら車載機器との間でのデータの入出力を行うためのインターフェイス群である。
【0054】
車速検出部9は、例えばホール素子等で構成された車速センサであり、車両1の走行速度(車速)を検出し、検出した車速に関するデータを、入出力インターフェイス64を介して、ボディECU6に出力する。
【0055】
報知部8は、例えばスピーカ又はディスプレイにより構成され、入出力インターフェイス64を介してボディECU6に接続され、ボディECU6からの出力に基づいて、車両1の周辺に位置する物標に関する注意喚起等の表示又は音声出力を行い、車両1の操作者に報知する。
【0056】
当該ボディECU6からの出力は、レーダECU5からの出力をボディECU6が取得して出力したもの、すなわちレーダECU5からの出力をボディECU6が中継することによって報知部8に出力されたものも含む。本実施形態において、車速検出部9、報知部8は、ボディECU6の入出力インターフェイス64に接続されるものとしたが、これに限定されない。車速検出部9、報知部8は、レーダECU5の入出力インターフェイス54に接続され、レーダECU5との間で直接、入出力が行われてもよい。または、車速検出部9、報知部8は、ボディECU6及びレーダECU5以外の他のECUと接続され、レーダECU5が当該他のECUと通信することによって、車速検出部9等の間での入出力が行われてもよい。
【0057】
図3は、物標検出装置3が搭載された車両1の製造ライン7に関する説明図である。製造ライン7の搬送路71によって搬送される車両1は、既に物標検出装置3が搭載された状態で、搬送されている。車両1は、車両1の前部、すなわちフロントバンパー11を前方にして、所定の搬送速度(vline[m/s])で搬送される。搬送路71の搬送方向に対し、横方向となる所定の位置には、対象物72が静止した状態で設けられている。対象物72は、物標検出装置3が送信した送信波が、強く反射するように反射率の高い材料で構成された検査用物標である。対象物72(検査用物標)で反射された反射波のエネルギー(db)は、搬送路71の周辺に設けられている生産設備等と比較し、高いものとなるため、物標検出装置3は、反射波を解析し、所定のピーク以上の反射波の物標(検知点)を対象物72(検査用物標)として特定することができる。
【0058】
図4は、対象物72を通過する前後において受信した反射波の反射点に関する説明図である。物標検出装置3が搭載された車両1が搬送路71にて搬送され対象物72に近づいた場合、例えば、製造ライン7の全体制御を行う制御システム(図示せず)から、物標検出装置3のレーダECU5に対し、搬送路71における搬送速度を含む信号が出力される。レーダECU5は、当該搬送速度を含む信号を取得することによって、送信波を送信する等、後述する物標検出装置3を製造する工程を担うための機能を発揮する。
【0059】
レーダECU5は、所定の周期によって送信波を複数回送信し、対象物72によって送信波が反射された反射波を複数回受信する。送信波の複数回送信は、物標検出装置3が搭載された車両1が対象物72を通過する前後に亘って、行われる。例えば、レーダ装置4の送信範囲の送信角が140°の場合、レーダ装置4と対象物72との方位角度を1°単位での分解能とする場合、141回の送信波を送信する。そして、所定の周期にて送信される141回の送信波と対象物72との方位角度が、1°単位で変化していくように、搬送速度(vline[m/s])、及び送信波の送信を開始するにあたっての車両1に搭載された物標検出装置3との距離が設定される。
【0060】
図4の説明における対象物72と物標検出装置3のレーダ装置4との方位角度は、搬送方向、すなわち車両1が走行する際の進行方向を基準に導出するものとしている。従って、後述するように、対象物72と物標検出装置3との相対速度は、vline×cosθ(θは、例えばθA、θB、θC)となる。
【0061】
図4Aは、物標検出装置3が対象物72を通過する前の時点に受信した反射波に基づき導出される方位角度(θA)及び距離(lA)を示したものである。物標検出装置3と対象物72との相対速度は、vline×cosθAで算出される。
【0062】
図4Bは、物標検出装置3が対象物72を通過する際、すなわち、物標検出装置3に対し、対象物72が搬送方向に対し略垂直方向に位置する時点に受信した反射波に基づき導出される方位角度(θB)及び距離(lB)を示したものである。従って、この時点における方位角度(θB)は、搬送方向に対し略90°となる。この時点における距離(lB)は、物標検出装置3と対象物72との最短距離となり、他の反射波において導出された対象物72との距離における搬送方向に対し略垂直方向成分となる。物標検出装置3と対象物72との相対速度は、vline×cosθB(θB=略90°)であり、略0m/sとなる。従って、この時点におけるドップラー効果は無くなり、送信波と反射波との周波数は略同じとなる。
【0063】
図4Cは、物標検出装置3が対象物72を通過する後の時点に受信した反射波に基づき導出される方位角度(θC)及び距離(lC)を示したものである。物標検出装置3と対象物72との相対速度は、vline×cosθCで算出される。
【0064】
図4に示すごとく、車両1が搬送されて、物標検出装置3が対象物72を通過する前後において、物標検出装置3は送信波を複数回送信することで、物標検出装置3と対象物72との相対位置が異なる状態夫々において、当該対象物72によって反射された反射波を複数回受信する。
【0065】
レーダ装置4は、上述のごとく光軸(ボーサイト)の角度(取付角度)が、車両1の進行方向に対し定められている。従って、レーダECU5は、レーダ装置4の光軸(ボーサイト)の角度(取付角度)を加味し、レーダ装置4の光軸(ボーサイト)を例えば0°とする基準角度によって、対象物72との方位角度を決定してもよい。
【0066】
図5は、受信した反射波の反射点における相対速度と方位角度に関する説明図である。
図5の横軸は、物標検出装置3と対象物72との方位角度である。
図5の左側縦軸は、物標検出装置3と対象物72との距離である。
図5の右側縦軸は、物標検出装置3と対象物72との相対速度である。実線は、物標検出装置3と対象物72との距離である。破線は、物標検出装置3と対象物72との相対速度である。物標検出装置3と対象物72との搬送方向に対する垂直方向の距離(基準距離Ydist)は、例えば1mに設定してある。搬送速度(vline)は、例えば1m/sに設定してある。
【0067】
レーダECU5の制御部51は、受信した複数の反射波を解析することにより、物標検出装置3と対象物72との距離、方位角度及び相対速度を導出することができる。レーダECU5の制御部51は、時計機能を有しているため、受信した複数の反射波夫々の受信時刻を取得する。すなわち、制御部は、反射波の解析結果に基づき、当該反射波の検知点を導出する。この検知点に関する情報は、当該反射波における反射点と物標検出装置3との距離、相対速度、方位角度、電波強度及び静止点であるか否を含む。
【0068】
図5に示すごとく、物標検出装置3と対象物72との相対速度は、最初は負の値となり物標検出装置3が対象物72に近づいており、相対速度が0[m/s]を越えると正の値となり、物標検出装置3が対象物72から遠ざかっていることを表している。相対速度が0[m/s]となる方位角度は、例えば0°になるとしている。
【0069】
物標検出装置3と対象物72との距離においても、最初は当該距離が小さくなるように変化し、距離が最小値となる時点以降は、当該距離が大きくなるように変化している。この、距離が最小値となる時点は、相対速度が0[m/s]となる時点と一致している。そして、この距離の最小値は、物標検出装置3のレーダ装置4と対象物72とにおける、搬送方向に対する垂直成分(基準距離)とみなすことができる。従って、レーダECU5は、受信した複数の反射波を解析することにより、物標検出装置3のレーダ装置4と対象物72とにおける、搬送方向に対する垂直成分(基準距離)を導出することができる。
【0070】
図6は、方位角度及び個別補正角度との対応(テーブル)に関する説明図である。物標検出装置3の記憶部52には、例えば
図6に示されるようなテーブル形式で、送信波の送信範囲における送信角度を所定の単位で分けた方位角度(定格方位角度)に対する補正角度が、記憶部52に記憶される。定格方位角度は、例えばレーダ装置4からの送信波の送信角度を140°とした場合、1°単位で分けた方位角度である。補正角度は、全体補正角度及び個別補正角度を含む。全体補正角度は、レーダ装置4の取付角度又は取付位置に依拠した光軸(ボーサイト)のずれを補正するものである。個別補正角度は、反射波において導出された方位角度夫々に対し、検出誤差等によるずれを補正するものである。また、テーブルには、全体補正角度及び個別補正角度の合算値が登録されるものであってもよい。または、テーブルには、全体補正角度又は個別補正角度のいずれかの補正角度が登録されるものであってもよい。
【0071】
本実施形態における物標検出装置3の製造方法は、例えば当該テーブルにて定められている個々の方位角度(定格方位角度)に対し、レーダ装置4の取付け状態に依拠する全体補正角度及び、個々の方位角度毎に異なる個別補正角度を導出し、これら補正角度(全体補正角度及び個別補正角度)を登録する工程を含むものである。
【0072】
物標検出装置3が車両1に搭載されるにあたり、公差等によって、取付角度又は取付位置のばらつきが個々の物標検出装置3において発生する場合がある。これに対し、製造工程において、個々の物標検出装置3に応じた補正角度が例えばテーブル形式で登録されて記憶されている物標検出装置3、又は物標検出装置3が搭載されている車両1を製造することによって、当該ばらつきを解消することができる。
【0073】
図7は、実施形態1(最短距離、搬送速度)に係る製造工程(制御部51の処理)を示すフローチャートである。物標検出装置3のレーダECU5の制御部51は、車両1の製造ライン7の搬送路71にて、既に当該物標検出装置3が車両1に搭載された状態で搬送される際に以下の処理を行い、物標検出装置3の製造工程を担う。
【0074】
レーダECU5の制御部51は、例えば、製造ライン7の全体制御を行う制御システムからの制御信号を取得することによって、当該制御信号に含まれる搬送路71の搬送速度を取得する(S101)。制御部51は、搬送速度を含む制御信号を、例えばボディECU6を介して、取得するものであってもよい。または、制御部51は、車両1に搭載された検査用機器からの出力によって、搬送速度を含む制御信号を取得するものであってもよい。
【0075】
制御部51は、レーダ装置4の送信部41を介し、所定周期にて送信波を複数回送信する(S102)。物標検出装置3は車両1に搭載され、当該車両1は、搬送路71にて所定の搬送速度で搬送されているので、制御部51は、物標検出装置3が搬送、すなわち移動している状態にて、送信波を複数回送信する。すなわち、車両1の搬送を停止することなく、制御部51は、送信波を複数回送信する。
【0076】
制御部51は、レーダ装置4の受信部43を介し、対象物72(検査用物標)によって反射された反射波を複数回受信する(S103)。フローチャートの説明上、送信波の送信と反射波の受信を別個に記載しているが、実際は、送信及び受信を所定周期にて複数回行うものであることは、言うまでもない。
【0077】
制御部51は、受信した複数の反射波を解析する(S104)。反射波を解析は、例えばFFT解析によって行われ、制御部51は、当該解析を行うことによって、反射波夫々における対象物72とレーダ装置4との距離、方位角度及び相対速度を導出する。制御部51は、時計機能を有しており、反射波夫々における受信時刻を取得する。制御部51は、これら導出した反射波夫々の受信時刻、距離、方位角度及び相対速度を関連づけ、反射波夫々の検知点夫々として記憶部52に記憶する。
【0078】
制御部51は、対象物72との距離に基づき、基準検知点を導出する(S105)。制御部51は、受信した複数の反射波において、対象物72との距離が最も短い反射波の検知点を基準検知点として導出する。対象物72との距離が最も短い検知点となる反射波を受信した時点において、レーダ装置4は、対象物72の真横、すなわち搬送方向に対し略垂直方向の位置(
図4B参照)に存在しているとみなすことができる。
【0079】
制御部51は、対象物72との基準距離を導出する(S106)。この基準距離とは、レーダ装置4と対象物72との距離における搬送方向に対する垂直成分に相当する。S105で導出した基準検知点は、対象物72との距離が最も短い検知点であり、制御部51は、この対象物72との最も短い距離を、基準距離として導出する。
【0080】
制御部51は、全体補正角度を導出し記憶する(S107)。基準検知点における対象物72との方位角度は、搬送方向に対し垂直、すなわち90°となるべきところ、基準検知点によって導出された方位角度が90°でない場合、これら角度の差異が、レーダ装置4の取付位置又は取付角度に依拠する全体補正角度に相当する。制御部51は、基準検知点によって導出された方位角度と、90°との差異に基づき、全体補正角度を導出し、不揮発性の記憶部52に当該全体補正角度を記憶する。制御部51は、例えばテーブル(
図6参照)に登録することよって、全体補正角度を記憶してもよい。全体補正角度が記憶される記憶領域は、レーダECU5の記憶部52に限定されず、ボディECU6の記憶部62等、レーダECU5が例えば車内LAN2を介して参照することができる全ての記憶領域を含む。
【0081】
制御部51は、複数回受信した反射波夫々の受信時刻に基づき、対象物72との距離の進行方向成分を導出する(S108)。制御部51は、基準検知点の反射波の受信時刻と、複数回受信した反射波夫々の受信時刻との差異を算出する。例えば、当該差異(dt[s])を、反射波夫々の受信時刻から、基準検知点の反射波の受信時刻を減算(差異=反射波の受信時刻−基準検知点の反射波の受信時刻)とする。この場合、差異が負の値となる反射波は、対象物72を通過する前に受信したものであり、差異が正の値となる反射波は、対象物72を通過した後に受信したものである。車両1は、搬送路71において所定の搬送速度(vline[m/s])で搬送されているため、搬送速度に差異を乗算(vline[m/s]×dt[s])することによって、反射波夫々を受信した時点におけるレーダ装置4及び対象物72の距離における搬送方向との平行成分、すなわち進行方向成分(Xdist)及び前後方向を導出することができる。
【0082】
制御部51は、複数回受信した反射波夫々において、個別補正角度を導出する(S109)。制御部51は、S108で導出したレーダ装置4と対象物72との距離の進行方向成分(Xdist)と、S106で導出した基準距離(Ydist)に基づいて、レーダ装置4と対象物72とによる想定方位角度を導出する。想定方位角度は、例えば三角関数を用い、arctan(基準距離(Ydist)/進行方向成分(Xdist))によって算出される。
【0083】
制御部51は、複数回受信した反射波夫々において、導出した想定角度と、S104の処理にて導出した方位角度との差異を個別補正角度として導出する。制御部51は、導出した反射波夫々の個別補正角度を、S104の処理と同様に、記憶部52に記憶する。従って、この工程において、反射波夫々の受信時刻、距離、方位角度、相対速度及び個別補正角度が、関連づけられて記憶部52に記憶されている状態となる。
【0084】
制御部51は、個別補正角度に基づき定格方位角度の個別補正角度を導出し、記憶部52に記憶する(S110)。
図6に示すごとく、個別補正角度夫々は、送信波の送信範囲での送信角度を例えば1°単位で分けた定格方位角度に対応するものとして記憶されている。しかしながら、S104の処理によって導出された反射波夫々の方位角度は、このような定格方位角度に一致しない場合がある。そこで、制御部51は、例えば、任意の複数の方位角度に対し内挿法を用いることによって定格方位角度を算出し、これら任意の複数の方位角度に対応する個別補正角度に基づいて、当該定格方位角度に対応する個別補正角度を導出する。
【0085】
例えば、定格方位角度68°に対し、方位角度が67.5°となる第1反射波と、68.5°となる第2反射波があり、第1反射波の補正角度が0.02°、第2反射波の補正角度が0.04°であれば、定格方位角度68°の個別補正角度は、0.03°として導出することができる。定格方位角度に対し増減する複数の方位角度となる反射波を特定し、当該方位角度夫々と定格方位角度との偏倚に基づく重みづけを夫々の補正角度に乗算した加重平均によって、定格方位角度に対応する個別補正角度を導出してもよい。
【0086】
制御部51は、導出した定格方位角度に対応する個別補正角度を、当該定格方位角度と関連づけて記憶部52に記憶する。制御部51は、例えばテーブル(
図6参照)に登録することよって、個別補正角度を記憶してもよい。なお、定格方位角度は、車両1の通常走行時において、物標検出装置3が検出した物標と車両1との方位角度に対応するものである。
【0087】
製造ライン7において、車両1の搬送を停止することなく、物標検出装置3又は物標検出装置3が搭載された車両1を製造することができるため、製造工程に要する時間を短縮することができる。
【0088】
車両1が搬送される際において、製造ライン7の搬送路71の横に設置された対象物72(検査用物標)と、レーダ装置4との最短距離を、基準距離、すなわち対象物72とレーダ装置4との距離の搬送方向に対する垂直成分とすることで、精度よくレーダ装置4の取付位置等に依拠する全体補正角度を導出することができる。
【0089】
この基準距離、及び搬送速度によって導出される対象物72とレーダ装置4との距離の搬送方向に対する並行成分(進行方向成分)によって、反射波夫々にて導出される方位角度夫々に対応した個別補正角度を導出することができる。
【0090】
これら個別補正角度に基づき、予め定められている定格方位角度に対応する個別補正角度を導出し、当該定格方位角度と個別補正角度とを関連づけて記憶することで、車両1が走行時に導出した方位角度の補正を簡易な処理で行うことができ、処理時間を低減することができる。
【0091】
(実施形態2)
図8は、実施形態2(相対速度、距離)に係る製造工程(制御部51の処理)を示すフローチャートである。実施形態2に係る製造工程は、対象物72との相対速度に基づき基準検知点を導出する点等で、実施形態1と異なる。S201からS204までの処理は、実施形態1のS101からS104までの処理と同様である。
【0092】
制御部51は、対象物72との相対速度に基づき基準検知点を導出する(S205)。S204の処理によって、複数の反射波夫々における対象物72とレーダ装置4との相対速度は導出され、記憶部52に記憶されている。対象物72とレーダ装置4との相対速度は、搬送路71における対象物72とレーダ装置4との前後の位置関係によって、正負が逆転する。すなわち、連続して受信した2つの反射波において、これら反射波の一方の相対速度が正であり、他方の相対速度が負の場合、レーダ装置4は、当該2つの反射波を受信する間に、対象物72を通過したものとなる。制御部51は、このような一方の相対速度が正となり他方の相対速度が負となる連続して受信した2つの反射波を特定し、当該2つの反射波、又は当該2つの反射波を含む複数の反射波に基づいて、例えば内挿法を用いて、相対速度が0m/sとなる仮想の基準検知点を導出する。そして、制御部51は、当該2つの反射波夫々のレーダ装置4と対象物72との相対速度、距離に基づき、相対速度が0m/sとなる当該仮想の基準検知点のレーダ装置4と対象物72との距離を導出する。仮想の基準検知点を導出する処理は、例えば内挿法等により、当該2つの反射波に基づき、相対速度が0m/sとなると想定される受信時刻、当該受信時刻におけるレーダ装置4と対象物72との距離及び相対距離を導出する処理を含む。または、制御部51は、対象物72との相対速度の絶対値が最も小さい反射波を基準検知点として決定してもよい。
【0093】
制御部51は、対象物72との基準距離を導出する(S206)。制御部51は、S205で導出した仮想の基準検知点における距離を、対象物72との基準距離として導出する。207の処理は、実施形態1のS107と処理と同様である。
【0094】
制御部51は、反射波夫々における対象物72と距離を導出する(S208)。S204の処理である反射波の解析結果に基づき、制御部51は、反射波(検知点)夫々における対象物72と距離を導出する。
【0095】
制御部51は、反射波夫々における個別補正角度を導出する(S209)。制御部51は、S208で導出した反射波(検知点)夫々におけるレーダ装置4と対象物72との距離(R)と、S206で導出した基準距離に基づき、反射波(検知点)夫々において想定されるレーダ装置4と対象物72との想定方位角度を導出する。制御部51は、例えば、三角関数を用い、arcsin(基準距離/レーダ装置4と対象物72との距離(R))によって、想定方位角度を導出する。制御部51は、反射波(検知点)夫々の方位角度と想定方位角度との差異を、個別補正角度として導出する。S210の処理は、実施形態1のS110と処理と同様である。
【0096】
一方の相対速度が正となり他方の相対速度が負となる連続して受信した2つの反射波に基づき、相対速度が0m/sとなる仮想の基準検知点におけるレーダ装置4と対象物72との距離(基準距離)を導出するため、精度よく基準距離を導出することができる。当該基準距離に基づき、全体補正角度及び個別補正角度を精度よく導出することができる。
【0097】
(変形例1)
図9は、変形例1に係る製造工程による方位角度及び個別補正角度との対応(テーブル)に関する説明図である。変形例1に係る製造工程は、検出した方位角度自体と、当該方位角度に対応する個別補正角度を記憶部52に記憶する点で、実施形態1,2と異なる。
【0098】
実施形態1,2において、検出した方位角度に基づき、例えばテーブル形式で予め定められている定格方位角度に対応する個別補正角度を導出し、これら定格方位角度と個別補正角度とを関連づけて記憶部52に記憶するとしたが、これに限定されない。レーダECU5の制御部51は、
図9に示すごとく、例えばテーブルに登録することによって、検出した方位角度自体と、当該方位角度に対応する個別補正角度とを関連づけて記憶部52に記憶してもよい。
【0099】
検出した方位角度自体と、当該方位角度に対応する個別補正角度とを関連づけて記憶することにより、製造工程を簡易化することができる。
【0100】
(変形例2)
図10は、変形例2に係る製造工程における製造ライン7に関する説明図である。変形例1に係る製造工程は、車両1の前後、すなわちフロントバンパー11等及びリアバンパー12等に設けられたレーダ装置4夫々から送信波を送信等する点で、実施形態1と異なる。
【0101】
実施形態1の説明において、フロントバンパー11の左側に搭載されたレーダ装置4から送信波を送信し、受信した反射波に基づき、方位角度夫々に対応する補正角度を導出し、記憶するものとしたが、これに限定されない。レーダ装置4は、車両1の前後、すなわちフロントバンパー11及びリアバンパー12の夫々に設けられており、車両1の搬送状態に応じて、夫々のレーダ装置4から送信波を送信し、対象物72によって反射された反射波を受信する工程を開始してもよい。
【0102】
同じ対象物72によって、車両1の前後に設けられたレーダ装置4の製造工程の少なくとも一部を平行に行うことによって、製造工程における所要時間を短縮することができる。
【0103】
対象物72は、搬送路71に対し左側に設置しているが、これに限定されない。対象物72は、搬送路71に対し右側に設置されてあってもよく、また搬送路71の左右夫々に対象物72が設置されていてもよい。
【0104】
対象物72を搬送路71の左右夫々に設置することにより、レーダ装置4が車両1の前後左右、すなわちフロントバンパー11の左右及びリアバンパー12の左右に設けられている場合であっても、これら4つのレーダ装置4の製造工程の少なくとも一部を平行に行うことによって、製造工程における所要時間を短縮することができる。
【0105】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。