(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る注出容器の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の注出容器1は、内容物が収容される有頂筒状の容器本体2と、容器本体2の口部3に装着された筒状の中栓4と、中栓4を覆うと共に容器本体2の口部3に装着された有頂筒状の装着キャップ5と、を備えている。
【0019】
容器本体2、中栓4及び装着キャップ5は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態ではこの共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿った装着キャップ5側を上側、容器本体2の図示しない底部側を下側という。
また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。さらに周方向のうち、注出容器1の上面視で容器軸Oを時計回りに周回する方向を第1回転方向M1、その反対側を第2回転方向M2という。
【0020】
容器本体2は、底部、胴部、肩部及び口部3を有する有底筒状に形成され、例えば胴部が横断面視円形状に形成された合成樹脂製のボトルとされている。なお本実施形態では、容量が2.7L(リットル)或いは4Lの大容量の容器本体2としている。さらに本実施形態では、底部、胴部及び肩部の図示を省略している。
【0021】
ただし、容器本体2の形状は特に限定されるものではなく、例えば胴部が断面視楕円状や多角形状に形成されても良く、特定の形状に限定されるものではない。合成樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)が挙げられるが、この場合に限定されるものではない。さらに容器本体2は、単層の合成樹脂層から形成されていても構わないし、複数の合成樹脂層が積層された積層構造とされていても構わない。さらに、容器本体2を、弾性変形(スクイズ変形)によって内容物を注出する容器としても構わない。
【0022】
容器本体2の口部3の外周面には、装着キャップ5が螺着される第1ねじ部10(例えば雌ねじ部)が形成されている。第1ねじ部10は、容器本体2に対して装着キャップ5を第1回転方向M1に相対的に回転させた際に、装着キャップ5が締め込まれるように螺旋状に形成されている。そのため、第2回転方向M2が装着キャップ5の緩み方向となる。第1ねじ部10は、一条ねじであっても構わないし、多条ねじであっても構わない。
【0023】
口部3の下端部には、径方向外側に向かって突出すると共に周方向の全周にわたって延びるネックリング11が形成されている。さらに口部3の外周面には、第1ねじ部10とネックリング11との間に位置する部分に、径方向外側に向けて突出した環状突起部12が形成されている。なお、環状突起部12の径方向外側へ向けた突出量は、第1ねじ部10と同等とされている。
【0024】
中栓4は、
図1〜
図4に示すように、容器本体2の口部3よりも径方向内側に配設されると共に、容器本体2の口部3の内側に嵌合され、且つ容器本体2の内側と外部とを連通する連通孔23が形成された中栓本体20と、口部3の上端開口縁上に配設されると共に中栓本体20に一体に形成され、容器本体2の口部3の周方向に延びたフランジ片21と、フランジ片21よりも径方向外側に配設されると共にフランジ片21に一体に連結された操作片22と、を備えている。
【0025】
中栓本体20は、容器本体2の口部3の内側に密に嵌合されたシール筒部25と、シール筒部25に一体に形成され、シール筒部25と協働して口部3の内側を閉塞する有頂筒状の閉塞部26と、を有している。
シール筒部25は、上端部側から下方に向かうにしたがって外径が僅かに縮径した円筒状に形成され、主に上端部側が口部3の内側に密に嵌合している。シール筒部25の下端部は、容器本体2の外周面に形成された環状突起部12よりも下方に配置されている。これにより、シール筒部25は、容器本体2の口部3の内側に深く入り込んだ状態で密に嵌合されている。ただし、シール筒部25の下端部の位置は、上述した場合に限定されるものではない。
【0026】
閉塞部26は、シール筒部25の下端部から径方向内側に向かって突出すると共に、シール筒部25の全周に亘って環状に形成された連結壁部27と、連結壁部27の内周縁部から上方に向かって突出した周壁部28と、周壁部28の上端部を閉塞する平面視円形状の頂壁部29と、を備えた有頂筒状に形成されている。
【0027】
周壁部28は、連結壁部27との接続部分である下端部から頂壁部29との接続部分である上端部に向かうにしたがって外径が僅かに縮径した円筒状に形成されている。ただし、周壁部28の形状は、この場合に限定されるものではなく、例えば容器軸O方向の全長に亘って外径が同径とされた円筒状に形成されても構わないし、横断面視で楕円状或いは多角形状に形成された筒状であっても構わない。
周壁部28の上端部は、容器本体2の口部3の上端開口端よりも下方に位置している。これにより、閉塞部26の全体は、容器本体2の口部3の内側に配設されている。
【0028】
上述のように構成された閉塞部26には、先に述べたように連通孔23が形成されている。具体的には、連通孔23は周壁部28の下端部に周方向に間隔をあけて複数形成されている。連通孔23は、周壁部28を径方向に貫通するように形成されていると共に、下方に開口するように形成されている。
図示の例では、連通孔23は、形状の異なる第1連通孔23aと第2連通孔23bとが周方向に等間隔をあけて交互に配置されるように形成されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、同じ形状の連通孔23を複数形成しても構わないし、異なる形状の連通孔23を複数形成しても構わない。さらに連通孔23は、下方に開口している必要はないし、1つだけ形成されていても構わない。
【0029】
フランジ片21は、シール筒部25の上端部から径方向外側に向かって突出するように形成されていると共に、シール筒部25の全周に亘って環状に形成されている。図示の例では、フランジ片21は、シール筒部25の上端部からの径方向外側に向けた突出量が、口部3における上端部側の肉厚の約半分に相当する突出量とされている。そのため、フランジ片21は、容器本体2の口部3の上端開口縁のうち、その内側開口縁上に全周に亘って接触している。
【0030】
操作片22は、連結片30を介してフランジ片21に一体に連結されると共に、フランジ片21に沿って周方向に延びる操作片本体31を有している。図示の例では、操作片本体31は、フランジ片21を径方向外側から囲む環状に形成され、容器本体2の口部3の上端開口縁のうち、その外側開口縁上に全周に亘って接触している。
【0031】
連結片30は、操作片本体31の内周縁部から径方向内側に向かって突出すると共に、周方向に沿って延びる円弧状に形成され、且つフランジ片21の外周縁部に対して一体に形成されている。これにより、操作片本体31は、連結片30を介してフランジ片21に対して一体に連結された状態で、口部3の上端開口縁における外側開口縁上に全周に亘って接触している。
【0032】
操作片本体31のうち、連結片30との接続部分を除く部分は、破断可能な弱化部32を介してフランジ片21に連結されている。
弱化部32は、例えば操作片本体31及びフランジ片21よりも厚みが薄い薄肉片とされ、操作片本体31の上端部側とフランジ片21の上端部側とを周方向に沿って連続的に連結するように形成されている。
なお弱化部32は、径方向内側から径方向外側に向かう(すなわちフランジ片21側から操作片本体31側に向かう)にしたがって漸次厚みが薄くなるように形成されている。これにより、弱化部32は、フランジ片21との連結部分よりも操作片本体31との連結部分の方が破断し易く形成されている。
ただし、弱化部32としては上述した場合に限定されるものではなく、例えばブリッジ状の連結部を周方向に間隔をあけて複数形成しても構わない。
【0033】
操作片本体31のうち、容器軸Oを間にして連結片30とは径方向の反対側に位置する部分には、径方向外側に向けてさらに突出すると共に、周方向に沿って延びた平面視円弧状の鍔部33が形成されている。
鍔部33には、該鍔部33を上下に貫通するスリット状の貫通孔34が弱化部32に沿って周方向に延びるように形成されている。これにより、例えば鍔部33を指先で把持して外力を加えたときに、貫通孔34の周端部側から弱化部32を破断させ易く、この部分を基点として、破断を連結片30側に向けて進行させることが可能とされている。
【0034】
なお、鍔部33の外周縁部は、後述する装着キャップ5におけるキャップ筒部45の内周面に対して接触或いは当接する。図示の例では、鍔部33の外周縁部はキャップ筒部45の内周面に対して接触している。
【0035】
さらに操作片本体31には、径方向外側に向けて突出すると共に、キャップ筒部45の内周面に対して接触或いは当接する突出片35が形成されている。
具体的には、突出片35は平面視で半円状に形成されていると共に、周方向に間隔をあけて2つ形成されている。2つの突出片35は、容器軸Oを中心として鍔部33から第1回転方向M1及び第2回転方向M2に略120度離れた位置に形成され、キャップ筒部45の内周面に対してそれぞれ接触している。ただし、突出片35の数や形状は、上述した場合に限定されるものではない。
【0036】
図1及び
図2に示すように、装着キャップ5は、有頂筒状に形成されたキャップ本体40と、キャップ本体40の下方に配置され、破断可能な連結弱化部42を介してキャップ本体40に連結された封印リング41と、を備えている。
【0037】
キャップ本体40は、容器本体2の口部3のうち環状突起部12よりも上方に位置する部分を径方向外側から囲むキャップ筒部45と、キャップ筒部45の上端部に連設された環状のキャップ天壁部46と、を備えている。
キャップ筒部45の内周面には、容器本体2の口部3に形成された第1ねじ部10に螺着する第2ねじ部47(例えば雄ねじ部)が形成されている。第1ねじ部10に対する第2ねじ部47の螺着によって、装着キャップ5の全体は容器本体2の口部3に離脱可能に装着されている。
【0038】
キャップ筒部45の内周面には、先に述べたように周方向に等間隔をあけて配置された鍔部33及び突出片35がそれぞれ接触している。そのため、キャップ筒部45は、がたつき少なく容器本体2の口部3に対して装着されている。
キャップ天壁部46は、フランジ片21及び操作片22に対して上方から接触している。これにより、装着キャップ5は、中栓4の全体を覆った状態で容器本体2の口部3に装着されている。
【0039】
封印リング41は、環状突起部12、及び容器本体2の口部3のうち環状突起部12とネックリング11との間に位置する部分を径方向外側から囲むリング本体50と、リング本体50の内周面から径方向内側に向かって突出すると共に、周方向に間隔をあけて複数形成された突起片51と、を備えている。
【0040】
リング本体50は、環状突起部12との間に隙間をあけた状態で容器本体2の口部3を囲んでいる。図示の例では、リング本体50は上方から下方に向かうにしたがって漸次拡径した円筒状に形成されている。
【0041】
連結弱化部42は、リング本体50の上端開口縁とキャップ筒部45の下端開口縁との間に形成され、リング本体50とキャップ筒部45とを容器軸O方向に一体に連結している。図示の例では、連結弱化部42は周方向の全周に亘って環状に形成されていると共に、封印リング41側から上方に向かうにしたがって径方向に沿った厚みが漸次薄くなるように形成されている。これにより、連結弱化部42は、連結弱化部42とキャップ本体40との接続部分が破断し易い構造とされている。
ただし、連結弱化部42の形状はこの場合に限定されるものではない。例えば、連結弱化部42を、周方向に間隔をあけて複数形成すると共に、封印リング41側から上方に向かうにしたがって径方向に沿った厚みが漸次薄くなり、且つ周方向に沿った周幅が漸次幅狭となるように形成しても良い。
【0042】
突起片51は、リング本体50の下端部側から径方向内側に向かって突出していると共に、径方向内側に向かうにしたがって漸次上方に延びるように形成されている。突起片51の上端部は、容器本体2の口部3に形成された環状突起部12に対して下方から係止している。これにより、封印リング41は、上方への抜け止めがされた状態で容器本体2の口部3を囲んでいる。
【0043】
従って、容器本体2の口部3に対して装着キャップ5を緩み方向である第2回転方向M2に回転させた場合には、封印リング41の上方移動が規制されているので、装着キャップ5の回転に伴って封印リング41に対してキャップ本体40を徐々に上方に離間させることができる。そのため、連結弱化部42に容器軸O方向に延びるような応力を作用させることができ、連結弱化部42を破断させることが可能である。
【0044】
上述のように構成された装着キャップ5のキャップ天壁部46には、下方に向けて延びると共に、シール筒部25の内側に嵌合する保持筒部(保持部)52が容器軸Oと同軸に形成されている。保持筒部52は、容器本体2の口部3に対するシール筒部25の嵌合力よりも低い嵌合力(保持力)でシール筒部25の内側に嵌合している。これにより、
図5に示すように、容器本体2の口部3に対する中栓4の装着前の段階で、装着キャップ5は保持筒部52を介して中栓本体20を離脱可能に保持することが可能とされている。
【0045】
(注出容器の作用)
次に、上述したように構成された注出容器1の作用について説明する。
はじめに、容器本体2内に内容物を充填した後、容器本体2の口部3に中栓4及び装着キャップ5を取り付けることで、
図1に示す注出容器1とする場合について簡単に説明する。
【0046】
この場合、例えば容器本体2内への内容物の充填前に、予め
図4に示す状態から
図5に示すように装着キャップ5に中栓4を予め組み合わせておく。
すなわち、キャップ天壁部46の下面にフランジ片21及び操作片22を接触させた状態で、シール筒部25の内側に保持筒部52を嵌合させる。これにより、装着キャップ5の内側に中栓4を配置させた状態で、装着キャップ5と中栓4とを一体に組み合わせることができる。このとき、中栓4における鍔部33及び突出片35がキャップ筒部45の内周面に接触しているので、装着キャップ5と中栓4とをがたつき少なく組み合わせることができる。
【0047】
次いで、容器本体2内に内容物を充填した後、中栓4が組み合わされた装着キャップ5を、例えば図示しない組付装置を利用して容器本体2の口部3に対して第1回転方向M1に回転させて、第2ねじ部47を第1ねじ部10に螺着させる。これにより、容器本体2の口部3に対して装着キャップ5及び中栓4を第1回転方向M1に相対的に回転させながら下方移動させることができ、中栓4のシール筒部25を容器本体2の内側に密に嵌合させることができる。またこれと同時に、環状突起部12を上方から乗り越えるように中栓4の突起片51を環状突起部12よりも下方に移動させることができると共に、乗り越え後に突起片51の上端部を環状突起部12に対して下方から係止させることができる。これにより、封印リング41は上方移動が規制された状態となる。
【0048】
以上により、容器本体2の口部3に中栓4及び装着キャップ5を取り付けることができ、
図1に示す注出容器1とすることができる。
特に、中栓4を移行中栓とすることができ、中栓4と一体に組み合わされた装着キャップ5を容器本体2の口部3に装着することで、装着キャップ5の取り付け(装着)と同時に、中栓4の取り付け(装着)を行うことができる。従って、容器本体2内に内容物を充填した後、中栓4が組み合わされた装着キャップ5を取り付けるだけで、容器本体2の口部3に中栓4及び装着キャップ5の両方を取り付けることができるので、内容物の充填後の中栓4及び装着キャップ5の取り付け作業(装着作業)を効率良く行うことができる。
さらに、本実施形態の注出容器1の場合であっても、従来の組付装置を利用して、中栓4が組み合わされた装着キャップ5を、容器本体2の口部3に対して組み付けることが可能である。
【0049】
次に、注出容器1を使用する場合について説明する。
この場合には、
図1に示す状態から、容器本体2の口部3に対して装着キャップ5を第2回転方向M2に回転させる。このとき、複数の突起片51は環状突起部12に対して下方から係止しているので、装着キャップ5のうち封印リング41は上方移動が規制されている。そのため、装着キャップ5のうちキャップ本体40だけが第2回転方向M2への回転に伴って上方に移動するので、徐々に封印リング41から容器軸O方向に離間する。
【0050】
これにより、
図6に示すように連結弱化部42に応力を作用させて、連結弱化部42を破断させることができる。そのため、装着キャップ5におけるキャップ本体40を容器本体2の口部3から取り外すことができる。
なお、装着キャップ5における保持筒部52が中栓4のシール筒部25を保持する保持力の方が、容器本体2の口部3に対するシール筒部25の嵌合力よりも低いので、容器本体2の口部3に中栓4を装着させた状態を維持しながらキャップ本体40だけを取り外すことができる。
【0051】
上述のように、注出容器1を使用するにあたって連結弱化部42が破断するので、連結弱化部42の破断の有無に基づいて、装着キャップ5に第2回転方向M2への回転力が作用して、開封されたか否かを容易に判別することができる。つまり、連結弱化部42が破断されずに、封印リング41がキャップ本体40と一体であることを視認することで、「封印」が適切にされていることを認識することができる。
なお、連結弱化部42が破断した場合に、封印リング41がキャップ本体40から切り離されてネックリング11側に落下するように構成することもできる。この場合には、封印リング41がネックリング11側に移動しているか否かを視認することによっても、開封されたか否かを判別することが可能である。
【0052】
上述のように容器本体2の口部3から装着キャップ5のキャップ本体40を取り外した後、
図7に示すように、容器本体2を口部3が下向きとなるように傾ける。これにより、容器本体2内の内容物を、連通孔23を通じて外部に注出することができる。なお、容器本体2を例えばスクイズ変形可能な容器とした場合には、スクイズ変形によって容器本体2をさらに減容させることで、内容物を注出させても構わない。
【0053】
なお、複数の連通孔23のうち、内容物が通過しない連通孔23を利用して、
図7に示す矢印の如く、容器本体2内に外気を導入することができるので、空気置換を適切に行いながら内容物の注出を行うことができる。従って、内容物の注出をスムーズに行うことができる。
特に本実施形態の場合には、互いに形状の異なる第1連通孔23a及び第2連通孔23bを有しているので、内容物の注出と空気置換とを容易に行うことができると共に、脈動を生じさせ難くすることができる。従って、内容物の注出をスムーズに行うことが可能である。しかも、第1連通孔23a及び第2連通孔23は、周方向に等間隔をあけて交互に配置されているので、内容物を注出する際、例えば容器本体2の周方向位置を特定の位置に位置決めするといった手間が不要であり、容器本体2の周方向位置に注意を払うことなく、注出作業を行える。
【0054】
上述のように内容物の注出を行って内容物を使い切った後、本実施形態の注出容器1によれば、容器本体2から中栓4を容易に取り外すことができる。
すなわち、フランジ片21に操作片22が一体に連結されているので、操作片22を指先等で把持しながら外力を加えることで、例えばフランジ片21を上方に引き上げる、或いは捩じりながら上方に引き上げることができる。
【0055】
具体的には、
図8に示すように、鍔部33を把持しながら操作片本体31に外力を加えることで、弱化部32を破断しながら操作片本体31を例えば上方に引き上げることができ、連結片30を介してフランジ片21及び中栓本体20に外力を伝えることができる。
特に、操作片本体31はフランジ片21に沿って延びているので、弱化部32を破断することによって、操作片本体31をリング状にした状態で連結片30を介してフランジ片21に連結させることができる。従って、弱化部32の破断後、操作片本体31自体を安定して把持することが可能となり、フランジ片21及び中栓本体20に外力を効率良く伝えることができる。そのため、中栓4の全体を容器本体2の口部3から容易に取り外すことができる。
【0056】
なお、弱化部32は操作片本体31との接続部分が破断し易くなっているので、破断した弱化部32をフランジ片21側に残すことができる。従って、弱化部32の存在を気にすることなく操作片本体31を把持することができ、中栓4の取り外し作業を行い易い。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の注出容器1によれば、容器本体2の口部3から中栓4を容易に取り外すことができるので、内容物を使い切った後の廃棄時に、容器本体2と中栓4との分別を速やかに行うことができる。そのため、リサイクルに対応した使い易い注出容器1とすることができる。
【0058】
なお、中栓4の取り外しは、内容物を使い切った後でなくても良く、使用前或いは使用中に容器本体2から中栓4を取り外しても構わない。
この場合には、容器本体2の口部3を通じて内容物を注出することができるので、連通孔23を通じた内容物の注出の場合に比べて、内容物の注出量を多くすることができる。従って、中栓4を取り外すことで、注出量の多い使用態様に速やかに移行することができる。このように、中栓4の取り外しに伴って、注出量の異なる使用態様の選択を行うことができる。
【0059】
さらに本実施形態の場合には、閉塞部26における周壁部28に複数の連通孔23が形成されているので、これら複数の連通孔23の開口サイズや個数等を利用して注出量の調整を行うことができ、注出量を少量に抑制することができる。これにより、中栓4を取り外し、容器本体2の口部3から直接内容物を注出する場合の注出量との差異をより顕著にすることができ、注出量が大きく異なる使用態様を任意に選択することができる注出容器1とすることができる。
特に、容器本体2内に大容量の内容物が収容されている場合には、中栓4を取り外したときに容器本体2の口部3から内容物が多量に注出され易い。しかしながら、容器本体2内に大容量の内容物が収容されている場合であっても、中栓4を取り付けておくことで、容器本体2の口部3の内側を閉塞している閉塞部26を利用して、内容物の注出量を抑制することができるので、連通孔23を通じて少量の内容物を注出することができる。このように、中栓4の有無で内容物の注出量を大きく異ならせることができるので、状況に応じた使い方を選択することができる。
【0060】
なお、上記実施形態では、容量が2.7L或いは4Lの容器本体2としたが、この場合に限定されるものではない。ただし、本実施形態の注出容器1は、1.5L以上の容量の大きな容器に適用することが好適である。特に、2L以上の大容量容器では、内容物の適切な注出が困難になり易いので、内容物を少量で注出することができる中栓4を備えた本実施形態の注出容器1を適用することがより好ましい。
【0061】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る注出容器の第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0062】
図9〜
図11に示すように、本実施形態の注出容器60は、容器本体2の口部3の上端部61が、口部3のうち上端部61以外の部分よりも外径が小さく形成されている。そして、外径が小さい口部3の上端部61の上端開口縁上に中栓4のフランジ片21が全周に亘って接触している。さらに口部3の上端部61の外周面には、径方向外側に向けて突出すると共に、口部3の全周に亘って延びた環状の第1係止突起(被係止部)62が形成されている。
【0063】
中栓4における操作片本体31は、フランジ片21及び口部3の上端部61の径方向外側に配設されると共に、周方向に沿って延びる平面視C形状に形成されている。
操作片本体31における一方の周端部には、操作片本体31の内周縁部から径方向内側に向かって突出すると共に、周方向に沿って延びる円弧状に形成され、且つフランジ片21の外周縁部に対して一体に形成された連結片30が形成されている。これにより、操作片本体31は、連結片30を介して操作片本体31に対して一体に連結された状態で、口部3の上端部61を径方向外側からほぼ囲むように配置されている。
【0064】
本実施形態の場合も第1実施形態と同様に、操作片本体31のうち連結片30を除く部分は、破断可能な弱化部32を介してフランジ片21に連結されている。さらに、操作片本体31における他方の周端部には鍔部33が形成されている。鍔部33は、操作片本体31における他方の周端部から一方の周端部側に向けて延びていると共に、連結片30に対して補助弱化部63を介して破断可能に連結されている。
これにより、例えば鍔部33を指先で把持して外力を加え、補助弱化部63を破断した後に、鍔部33を介して操作片本体31に外力を加えることで、弱化部32を鍔部33側から連結片30側に向けて徐々に破断させることが可能とされている。
【0065】
さらに、操作片本体31の下端部には、径方向内側に向けて突出すると共に口部3の上端部61に形成された第1係止突起62に対して下方から離脱可能に係止する第2係止突起64(係止部)が形成されている。第2係止突起64は、操作片本体31のうち連結片30を除く部分のほぼ全長に亘って形成されている。ただし、第2係止突起64は、周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
【0066】
(注出容器の作用)
上述のように構成された注出容器60によれば、
図9及び
図11に示すように、操作片本体31に形成された第2係止突起64が口部3の上端部61に形成された第1係止突起62に対して下方から離脱可能に係止しているので、操作片本体31が容器本体2の口部3に対して不意に上方に移動してしまうことを防止することができる。従って、容器本体2から中栓4が意図せずに外れてしまうことを防止することができる。
【0067】
中栓4を取り外す場合には、例えば鍔部33を指先で把持して外力を加え、補助弱化部63を破断した後に、鍔部33を介して操作片本体31に外力を加えることで、
図12に示すように弱化部32を鍔部33側から連結片30側に向けて徐々に破断させることができる。従って、第1係止突起62から第2係止突起64を離脱させながら操作片本体31をフランジ片21から離間させることができるので、操作片本体31を例えば上方に引き上げて中栓4の全体を取り外すことが可能となる。従って、容器本体2の口部3から中栓4の全体をスムーズに取り外すことができる。
なお、本実施形態では、弱化部32の破断によって操作片本体31を帯状にした状態で連結片30を介してフランジ片21に連結させることができる。
【0068】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る注出容器の第3実施形態について説明する。なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0069】
図13〜
図15に示すように、本実施形態の注出容器70は、フランジ片21が容器本体2の口部3の上端部61よりも径方向外側に向けて突出している。操作片本体31は、その全長に亘って厚みが均一の帯状に形成され、フランジ片21における外周縁部の下方に配置されている。そして、フランジ片21における外周縁部側の下面と操作片本体31の上端開口端とが弱化部32を介して連結されている。
【0070】
弱化部32は、操作片本体31のうち他方の周端部を除く部分に形成されている。操作片本体31における他方の周端部と連結片30との間には、下方に開口すると共に容器軸O方向に延びる縦長の第1スリット71が形成されている。さらに、操作片本体31における他方の周端部とフランジ片21との間には、第1スリット71に連通すると共に周方向に延びる横長の第2スリット72が形成されている。
【0071】
これにより、第1スリット71及び第2スリット72を利用して、操作片本体31の他方の周端部を例えば指先で把持することができ、操作片本体31に外力を加えて、弱化部32を連結片30側に向けて徐々に破断させることが可能とされている。
【0072】
なお、フランジ片21のうち、操作片本体31の他方の周端部の上方に位置する部分には、径方向外側に向けて突出片35が形成されている。これにより、本実施形態の注出容器1では、3つの突出片35が周方向に等間隔をあけて配置されている。
【0073】
(注出容器の作用)
上述のように構成された注出容器70によれば、第2実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。それに加え、操作片本体31がフランジ片21における外周縁部の下方に配置されているので、フランジ片21の上面すなわちフランジ面を、
図14に示すように、容器軸O方向に凹凸のない平坦面とすることができる。従って、例えば凹凸に内容物が付着する等といった懸念がなく、汚れ難い注出容器70とすることができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
【0075】
例えば上記各実施形態では、装着キャップ5が封印リング41を備えていたが、封印リング41は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
【0076】
さらに上記各実施形態では、操作片22がフランジ片21と弱化部32を介して連結した操作片本体31を備える構成としたが、弱化部32を介して連結された操作片本体31は必須な構成ではなく、具備しなくても構わない。例えば、フランジ片21から径方向外側に向けて突出するように操作片22を形成し、操作片22を例えば指先で把持しながら外力を加えることで、中栓4の全体を容器本体2の口部3から取り外しても構わない。
ただし、上記各実施形態のように、操作片22がフランジ片21と弱化部32を介して連結した操作片本体31を備える構成とすることで、弱化部32の破断によって操作片本体31を帯状或いはリング状にできるので、操作片本体31を介して外力を加え易くなる。従って、中栓4を取り外し易くなるので、より好ましい。