(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、多数の回答者(モニタ)に質問を送ってアンケートを行う調査が行われている。アンケートにより得られた回答を集計、解析することで、マーケティングや商品開発などを行う際の意思決定支援、統計資料の作成、学術研究等に有益な情報を得ることができる。
【0003】
特に近年、インターネット経由でアンケートを実施する、ネットリサーチと呼ばれる調査方法が盛んに利用されるようになっている。調査結果を必要とする企業等が自らアンケートを実施する場合もあれば、リサーチ業者が調査を行う場合もあり、これらのアンケート実施運営者をまとめて「運営者」とも呼ぶ。ネットリサーチの運営者は、属性情報を把握済みの多数の回答者による、会員組織を形成していることが多い。これにより、回答者の募集時間を短縮できる。また、ネットリサーチには、回答者の負担が比較的軽い、回答結果の集計が容易であるなどのメリットがある。
【0004】
アンケートの種類を分類する方法の一つに、選択式の質問か、それとも自由回答式の質問か、という分け方がある。選択式の質問とは、事前に用意された選択肢の中から回答者が回答を選択するものである。選択式の中には、「YesかNoか」で回答を求める、ある事柄を5段階評価する、居住地を全都道府県から選択する、などの択一選択方式もあれば、複数の選択肢を選択可能な場合もある。一方、自由回答式とは、自由記述式やフリーアンサー(FA)式とも呼ばれる方式であり、回答者が質問への回答を自由に記述する方式である。自由回答式の質問には、数値や単語などを記入するだけの比較的単純な場合あれば、文章による記入を求める場合もある。また、選択式の質問で「その他」の選択肢を選択した場合のみ回答記述を要求するように、選択式と自由回答式を組み合わせてもよい。
【0005】
自由回答式の質問には、選択式の質問と比べて以下のような特徴がある。まず、選択式では既存の選択肢に含まれる回答しか得られないのに比べて、自由回答式では、運営者も想定していなかった自由な発想に基づく回答が得られることがある。また、文章による詳細な回答が得られる利点もある。一方、選択式は自動的な集計に適しているのに比べて、自由回答式では定量的な分析が困難であり、回答の内容を人手またはツールによって分類する必要がある。さらに、選択式と比べて自由回答式の質問は、回答者にかかる負担が大きい。特に、回答者に対して文章形式での入力を求める場合、回答者の労力や心理的負荷が大きくなり、詳細な回答が得られなかったり、回答自体を回避したり、といった事態を招くおそれもある。例えば、無回答、単語のみの回答、ごく短い文章による回答、あるいは「特になし」などの内容のない回答、などである。
【0006】
従来、自由回答式の質問を含むアンケートに対する技術開発が進められている。例えば、特許文献1(特開2004−102814号公報)には、選択式と自由回答式を組み合わせた質問において、自由回答の中から人気のある回答を自動的に選択肢に取り込むことにより、その後の投票を簡易かつ精度の高いものとするアンケート実施装置が開示されている。
また、特許文献2(特開2001−266060号公報)には、テキスト分類エンジンを用いて自由回答を自動的に分析し、ルール形式の知識として要求者に出力するアンケー
ト分析システムが開示されている。
また、特許文献3(特開2011−022874号公報)には、変換ワードデータベースを用いて自由回答式の回答データ中の語句を置換することで、定量的な分析を容易にするデータ処理装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術は自由回答の内容を選択肢として用いるものであるため、選択式と自由回答式が組み合わされた質問が前提となる。また、文章による詳細な回答を期待する質問には適用できない。さらに、特許文献2や特許文献3の技術は、取得済みの自由回答の内容を分析する際に利用できるものの、自由回答式の質問が回答者に与える負担の大きさを解消するものではない。そのため、分析の前提となる自由回答を充実させることはできない。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、自由回答式の質問に対して充実した回答を得るための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明は以下のような構成を採用する。すなわち、
回答者が用いる端末の画像表示手段に、自由回答式の質問と、前記質問に対する回答欄を表示させる表示制御手段と、
前記回答者が前記回答欄に入力した回答の分量を示す情報を取得する回答取得手段と、
前記回答者に対する報酬を、前記回答取得手段が取得した前記回答の分量に応じて決定する報酬決定手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記回答者が前記質問に対する回答を入力している間、前記画像表示手段に、前記報酬決定手段が決定した前記報酬を表示させる
ことを特徴とする調査システムである。
【0011】
かかる構成によれば、回答者が比較的負担の大きい自由回答型の質問に答えるときに、現在の回答の分量に応じた報酬の大きさを知ることができる。その結果、回答へのモチベーションを維持されるため、詳細な回答を得ることができる。
【0012】
上記構成において、前記報酬決定手段は、前記回答者が入力した前記回答の分量が多いほど、前記報酬を多くするとよい。
また、前記報酬決定手段は、前記回答者が前記質問に対する回答を入力している間、所定の時間間隔で前記報酬を決定するとよい。
また、前記表示制御手段は、前記回答者による回答の分量の変化に応じて、リアルタイムで前記画像表示手段に表示される前記報酬の大きさを変化させるとよい。
また、前記表示制御手段は、前記画像表示手段に、前記報酬の大きさを、数字およびグラフィックの少なくともいずれかで表示させるとよい。
また、前記回答取得手段は、回答者が前記回答欄に入力した回答の文字数を取得するとよい。
かかる構成によれば、回答の分量に応じて報酬が随時増加する様子を回答者が理解しや
すくなるため、より詳細な回答を得ることができる。
【0013】
また、上記構成において、前記報酬決定手段は、前記回答者が入力した前記回答の内容の品質や、前記回答の内容における不備の有無に応じて、前記報酬の大きさを決定するとよい。
かかる構成によれば、報酬を増加させることを目当てにした品質の低い回答を抑制できるため、より有意義なアンケートを行うことができる。
【0014】
本発明は、また、以下のような構成を採用できる。すなわち、
回答者が用いる端末の画像表示手段に、自由回答式の質問と、前記質問に対する回答欄を表示させる表示制御ステップと、
前記回答者が前記回答欄に入力した回答の分量を示す情報を取得する回答取得ステップと、
前記回答者に対する報酬を、前記回答取得ステップで取得した前記回答の分量に応じて決定する報酬決定ステップと、
前記回答者が前記質問に対する回答を入力している間、前記画像表示手段に、前記報酬決定ステップで決定した前記報酬を表示させる報酬表示ステップと、
を有することを特徴とする調査方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、自由回答式の質問に対して充実した回答を得るための技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、以下に記載されている構成ブロックやそれらの相対配置などは、発明が適用されるシステムの各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0018】
本発明は、回答者に質問を行い、回答を取得するアンケート調査に好ましく適用できる。本発明は、このような調査を行う調査システムまたは調査方法として捉えられる。本発明はまた、調査システムを構成する調査装置、情報処理装置または画像表示装置、調査システムによる調査を行う情報処理方法または画像表示方法しても捉えられる。本発明はまた、調査システム、情報処理装置あるいは画像表示装置の制御方法としても捉えられる。本発明はまた、情報処理装置の演算資源を利用して動作し、調査方法、情報処理方法または画像表示方法の各工程を実行するプログラムとしても捉えられる。本発明はまた、かかるプログラムが格納された記憶媒体としても捉えられる。記憶媒体は、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体であってもよい。
【0019】
[実施形態1]
<システム構成>
本実施形態のシステム構成について、
図1を参照しながら説明する。本実施形態では、ネットリサーチの運営者が、モニタとして登録した者から選ばれた回答者3に対してアンケートを行う調査システム1について説明する。調査システム1は、回答者3が使用する端末2と、運営者側のサーバ4を有しており、両者はWeb6や専用回線等を介して相互に通信可能である。運営者がモニタに対してメール等のメッセージングサービスでアンケートへの参加を要請し、回答者3が端末2のブラウザや専用アプリを用いてサーバ4にアクセスすることにより、アンケートが開始される。
【0020】
端末2は、回答者が質問を確認するための画像表示手段21と、質問に回答するための入力手段22を少なくとも備える装置である。端末2としては、CPUやメモリなどの演算資源や、表示機能、通信機能などを備え、プログラムの指示やユーザインタフェースを介した入力によって動作する、PC、ワークステーション、スマートフォン、タブレットデバイスなどの情報処理装置が好適である。
図示例では、回答者3aの端末2aはスマートフォンであり、該スマートフォンのタッチパネルが、画像表示手段21aと入力手段22aを兼ねる。また、回答者3bの端末3bはPCであり、該PCのディスプレイが画像表示手段21bに、キーボードが入力手段22bである。
【0021】
図2は、端末2aの画面構成の一例を示す。画像表示手段21aおよび入力手段22aを兼ねるタッチパネルディスプレイ上には、質問表示欄201と回答欄202が表示されている。ディスプレイ上にはまた、付加情報表示欄203が表示されている。スマートフォンの場合、回答者3は回答欄202の上をタッチして入力を開始し、キーボードアプリや音声入力アプリ等のインプットメソッドを用いて回答を入力する。質問表示欄201に表示されている質問が自由回答式である場合には、付加情報表示欄203に、入力可能な最大文字数と現在入力済みの文字数とが並んで表示される。入力が済むと、回答者3は回答完了ボタン204を押下して現在の質問への回答を終了し、次の質問に移行する。
なお、本実施形態の処理を実行できるのであれば、画面構成は図示例に限定されない。またここではスマートフォンである端末2aを示して説明したが、PCである端末2bの画像表示手段21bにも、同様の要素が含まれる。
【0022】
図1に戻り、説明を続ける。サーバ4は、Web6を介して端末2に質問を含むアンケートを送信し、回答者3による回答を収集、分析するための情報処理装置である。サーバ4として、CPUやメモリなどの演算資源を備え、プログラムの指示やユーザインタフェースを介した入力によって動作する、PCやワークステーションなどの情報処理装置が好適である。なお、サーバ4は必ずしも単一の情報処理装置で構成されていなくてもよく、複数の情報処理装置を組み合わせたり、クラウド上の演算資源を用いたりしてもよい。
【0023】
サーバ4は、機能ブロックとして表示制御手段41、回答取得手段42、および報酬決定手段43を有する。これらの各機能ブロックは物理的な処理回路により実現されてもよいし、共通の演算資源を利用する複数のプログラムモジュールにより実現されてもよい。
なお、図示例では運営者側のサーバ4が表示制御手段41、回答取得手段42、報酬決定手段43を有する様子を示しているが、これらの機能ブロックを回答者側の端末2が備えていてもよい。その場合、端末2が本発明を実現する調査装置となる。
【0024】
データベース45は、回答者3に関する回答者情報451、アンケートに含まれる質問に関する質問情報452、回答者による回答に関する回答情報453などを保存する装置である。ただし、データベースに格納される情報の種類や分類方法は、これに限定されない。また、データベースの形式や、データベースの物理的な配置や構成などは、特に限定されない。データベース45として、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶媒体を備え、情報処理装置により読み書きが可能な記憶装置が好適である。
【0025】
回答者情報は、割り付けを行うために必要な性別、年齢、居住地などの属性情報や、メールアドレス等の連絡先情報などを含む。
質問情報は、端末2の画像表示手段21に質問や回答欄を表示させるための表示制御情報を含む。表示制御情報には、質問文や回答方式、自由回答式の場合の文字数など、様々な情報を含み得る。質問情報はまた、質問に画像、音声や動画等のメディアを含める場合、メディアファイル自体、またはメディアにアクセスするためのURLなどの情報を保持してもよい。質問情報はまた、質問に回答者3が回答したときに得られる報酬に関する情報を含む。
回答情報は、回答者3から得られた回答結果それ自体であってもよい。また、回答の分量を示す情報(典型的には回答の文字数)などの、回答に関するメタ情報を含んでいてもよい。
【0026】
図3を参照して、データベース45の質問情報452に含まれるデータ構造を説明する。図示例のデータ構造は一例に過ぎず、含まれるデータの種類や配置はこれに限定されない。質問テーブル4521は、アンケートに含まれる全ての質問のリストを含むテーブルである。質問テーブル4521は、項目として、質問番号、選択式か自由回答式かを示す質問形式情報、回答者3に与えられる報酬が固定式か変動式かを示す情報、自由回答式の質問の場合の最大文字数、および、質問文を有している。質問テーブル4521には、質問ごとに、これらの項目に対する値が保存されている。
【0027】
図3(b)に示す報酬テーブル4522は、回答者3が各質問に答えたときに受け取る報酬の大きさが保存されている。この例での報酬は、ネットリサーチ運営者がモニタに付与するポイントである。従来のアンケートにおいては、一回のアンケート内の質問数などに応じて付与されるポイントが変化する場合はあったが、アンケート中の一つの質問(特に、自由回答式の質問)に対する回答者3の回答の内容によってポイントを変動させることは行われていなかった。一方、報酬テーブル4522に示されるように、本実施形態では回答者3の回答の内容に応じて一つの質問についてのポイントが変動する。すなわち、報酬が固定式の質問の場合は、回答者3に対して固定ポイントのみが付与されるのに対し、報酬が変動式の質問の場合は、自由回答の分量(文字数)に応じてポイント数が変化する。なお、ここで示したポイント数や文字数は一例に過ぎない。例えば報酬変動式の質問において、一定以下の文字数の場合は0ポイントとしてもよい。
【0028】
報酬変動式の自由回答の場合、報酬変動式の場合にポイント数を決定するタイミングは、質問への回答が完了したときでもよいし、質問を含むアンケート全体への回答が完了したときでもよい。また、回答後の所定のタイミング、例えば、回答の内容に不備がないことを確認した後などでもよい。
【0029】
<処理フロー>
図4のフローチャートと、
図5の画面遷移図を参照しながら、本実施形態の処理フローを説明する。
【0030】
ステップS11において、運営者側がアンケートに含まれる質問の内容と報酬を決定し、サーバ4を用いてデータベース45の質問情報452に設定する。ここでは、
図3の質問テーブル4521に示した質問を用いる。ステップS12において、運営者は回答者情報451を参照して適切な回答者を選択し、メールによる参加要請を行う。ステップS21において、アンケートへの参加を決定した回答者3は、端末2を用いてサーバ4にアクセスして参加の意思表示を行う。ステップS11とS12の間に予備的なアンケートを行って、回答者3として適格なモニタを抽出してもよい。
【0031】
ステップS13において、サーバ4は質問テーブル4521を参照して最初の質問(Q1:質問番号1)を端末2に送信し、端末2の画像表示手段21の質問表示欄201に質問を表示させる。サーバ4の表示制御手段41は、回答者3が用いる端末の種類、オペレーションシステム(OS)の種類、ブラウザとアプリのどちらで回答するか、などに応じて、好適なデータ形式で質問を送信する。また表示制御手段41は、回答者3が滞りなく回答を行うために、回答欄202に適切な表示がなされるようなデータを送信する。
【0032】
ここでは、回答者3は端末2としてスマートフォンを利用し、スマートフォンにインストールされたアプリを用いて質問表示と回答入力を行うものとする。ステップS22において、回答者3が端末2のタッチパネル上に表示された回答欄202をタッチし、スマートフォン用OSのインプットメソッドを利用して文字入力を行うことで、回答の記入を開始する。回答者3は、回答が完了すると回答完了ボタン204を押下する。これにより回答がサーバ4に送信され、回答情報453として保存される。
【0033】
続いて、本発明に特徴的な報酬変動型の自由回答式質問である「Q3:質問番号3」に対する回答中の動作を説明する。ステップS23、ステップS14、および、ステップS23を一組の処理とすると、これらの処理は、回答者3がQ3に対する回答を入力している間、繰り返し実行される。
【0034】
上述したステップS22で回答記入が開始されたのち、端末2は、所定の時間間隔で現在の回答の分量を示す情報を取得してサーバ4に送信する(ステップS23)。回答の分量は、例えば、端末2のCPUを用いて動作するプログラムが回答欄の文字列を取得し、その文字列の長さを求めることにより取得できる。サーバ4の回答取得手段42は、端末2から送信された回答の分量を受信する。なお、ステップS23において端末2が現時点での回答全体をサーバ4に送信し、サーバ4の側で文字数を求めてもよい。
【0035】
ステップS14において、サーバ4の報酬決定手段43は、回答取得手段42が取得した現在の回答の文字数と、データベース45に保存されている報酬テーブル4522を参照して、現在の文字数に応じた報酬を決定する。そして、表示制御手段41が、報酬を付加情報表示欄203に表示させるための報酬情報を端末2に送信する。報酬を決定する時間間隔は、サーバ4が端末2から分量情報を受信する時間間隔と同じでもよいし、違っていてもよい。
続いて、ステップS24において、端末2は、付加情報表示欄203における報酬表示を更新する。
【0036】
上述した一連の繰り返し処理について、
図5を参照して説明する。
図5(a)は、Q3への回答開始直後の、まだ回答欄202に文字が入力されていない状態を示す。そのため、ステップS23aでは端末2は回答の分量として「0文字」を取得し、サーバ4に送信するとともに、付加情報表示欄203の現在文字数表示欄2031に「0/500文字」と表示する。ステップS14aでは、報酬決定手段43が、報酬テーブル4522を参照して変動ポイントを「0pt」と決定し、端末2に送信する。ステップS24aでは、端末2の画像表示手段21が、送信された変動ポイント数を付加情報表示欄203のボーナスポイント表示欄2032に「+0pt」と表示する。
【0037】
図5(b)は、回答者3による回答入力がある程度進んだ後の、
図4のフローにおいてステップS24bでの表示更新が行われた時点での画面を示している。回答欄202には45文字の自由回答が入力されているため、付加情報表示欄のボーナスポイント表示欄2032には、変動ポイントが「+3pt」と表示されている。
【0038】
図5(c)は、回答者3が回答入力を終えた後の、
図4のフローにおいてステップS2
4nでの表示更新が行われた時点での画面を示している。回答欄202には83文字の自由回答が入力されているため、付加情報表示欄のボーナスポイント表示欄2032には、変動ポイントが「+5pt」と表示されている。
なお、固定ポイントも付与される質問の場合、付加情報表示欄203に固定ポイントと変動ポイントの合計を表示してもよい。
【0039】
図4のフローに戻り、説明を続ける。ステップS25において、回答者3は回答完了ボタン204を押下する。すると端末2は、現在の質問に対する回答をサーバ4に送信する。続いてステップS15において、サーバ4は、受信した回答をデータベース45に回答情報453として保存する。
【0040】
上記のフローでは、サーバ4が随時、現時点での回答の分量を取得して、変動ポイントを決定していた。しかし、ステップS13で端末2に送信される質問情報に、報酬テーブル4522の情報を含めておき、端末2の側で変動ポイントの算出を行ってもよい。
【0041】
このように、本実施形態においては、回答欄202への記載量が増えていくのに連れてボーナスポイントが増加していく様子を、回答者3がリアルタイムで確認できる。そのため、回答の負荷が大きい自由回答式の質問の場合であっても、回答者3が詳細な回答を行うモチベーションを維持することが可能になる。その結果、アンケートの運営者にとって有益な情報を従来よりも多く取得することが可能になる。
【0042】
<変形例>
記載量(文字数)に応じて報酬が変動する方式の場合、報酬の増額を目的として不備のある回答がなされる可能性がある。回答の不備として例えば、文字数を増やすために意味のない文字列を記入する場合や、質問文と関係のない回答を行った場合などである。本変形例では、アンケートの品質の低下の原因となる回答の不備の有無を確認し、不備をできるだけ抑制する方法を説明する。
【0043】
第一に、アンケートを開始する前や、質問を表示するときに、回答者の端末2の画像表示手段21に、不備のある回答の場合はポイントを付与されない等の注意喚起メッセージを表示するとよい。第二に、回答者3による回答完了後すぐに報酬を付与するのではなく、回答に不備が無いことを運営者が目視またはツールにより確認した後でポイントを付与するようにするとよい。これにより、さらに良質な回答を得ることができる。なお、報酬を付与するか付与しないかの二択ではなく、報酬の品質(例えば不備の多さ)に応じて報酬の大きさを変化させてもよい。
【0044】
[実施形態2]
実施形態2の構成について説明する。上記の実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を簡略化する。
【0045】
図6は、本実施形態の画面遷移図であり、
図5と同様にフローチャートのステップS23aからS25までの間に画像表示手段21に表示される画面を示す。本実施形態の付加情報表示欄203には、現在文字数表示欄2031およびボーナスポイント表示欄2032に加えて、バー表示欄2033が含まれる。バー表示欄2033は、現在のボーナスポイントを温度計のような形式で表示するグラフィックである。
【0046】
図6(a)は、Q3への回答開始直後の、まだ回答欄202に文字が入力されていない状態を示す。このときの変動ポイントは「0pt」である。
図6(b)は、回答者3による回答入力がある程度進んだ後の様子である。このときの変動ポイントは「3pt」であるため、バー表示欄2033にはポイントが溜まった様子が表示される。
図6(c)は、
回答者3による回答入力が更に進んだ様子を示す。このときの変動ポイントは「5pt」であるため、バー表示欄2033に示されるポイントが
図6(b)のときよりも増加した様子が表示される。
【0047】
本実施形態の表示方法によれば、回答者3は現在のボーナスポイントがどの程度であるかを視覚的に把握できる。また、現在の質問で得られる総ボーナスポイントのうち、どの程度のポイントを得られる予定かを直感的に理解できる。その結果、回答者3が詳細な回答を行うためのモチベーションをさらに高めることができる。
【0048】
なお、回答者3の理解を助けるための表示アイテムは、
図6のようなバー表示に限られない。また、
図6では、ボーナスポイント表示欄2032とバー表示欄2033の両方を一画面に表示しているが、現在の回答の分量に応じた報酬の表示が可能であればよいため、少なくともいずれか一方を表示すれば本発明の目的は達成される。
【0049】
[実施形態3]
実施形態3の構成について説明する。上記の実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を簡略化する。
【0050】
図7は、本実施形態の画面遷移図であり、
図5、
図6と同様にフローチャートのステップS23aからS25までの間に画像表示手段21に表示される画面を示す。本実施形態の付加情報表示欄203には、現在文字数表示欄2031に加えて、ビジュアル表示欄2034が含まれる。ビジュアル表示欄2034は、現在のボーナスポイント数や、文字数に応じてボーナスポイントが増加する様子を直感的に理解しやすく表示するグラフィックである。
【0051】
図7(a)は、Q3への回答開始直後の、まだ回答欄202に文字が入力されていない状態を示す。このときの変動ポイントは「0pt」である。
図7(b)は、回答者3による回答入力がある程度進み、31文字目を入力したときの様子である。本実施形態では文字数が30文字を超えるとボーナスポイントが0ptから3ptとなるため、ビジュアル表示欄2034内に表示されるポイント数が増加している。また、31文字目を入力したときにポイントが増加したことを視覚的に理解しやすくするためのグラフィックアイテム2035も表示されている。
図7(c)は、回答者3による回答入力が更に進んだ様子を示す。このときの変動ポイントは「5pt」であるため、ビジュアル表示欄2034に示されるポイントが
図7(b)のときよりも増加した様子が、数字およびグラフィックの大きさで表示されている。
【0052】
本実施形態の表示方法によっても、回答者3は現在のボーナスポイントがどの程度であるかを視覚的に把握できるため、回答者3が詳細な回答を行うためのモチベーションをさらに高めることができる。