特許第6971279号(P6971279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971279
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】保護具、電解コンデンサ及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/08 20060101AFI20211111BHJP
   H01G 9/145 20060101ALI20211111BHJP
   H01G 9/12 20060101ALI20211111BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20211111BHJP
   H02B 1/42 20060101ALI20211111BHJP
   H02B 1/40 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H01G9/08 D
   H01G9/145
   H01G9/12 A
   H01G2/02 101E
   H02B1/42
   H02B1/40 B
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-122325(P2019-122325)
(22)【出願日】2019年6月28日
(65)【公開番号】特開2021-9905(P2021-9905A)
(43)【公開日】2021年1月28日
【審査請求日】2019年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花岡 直樹
(72)【発明者】
【氏名】岩戸 健
(72)【発明者】
【氏名】星 秀和
(72)【発明者】
【氏名】武田 隆
【審査官】 北原 昂
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−066956(JP,U)
【文献】 国際公開第2018/143599(WO,A3)
【文献】 特開2014−003193(JP,A)
【文献】 特開2016−220420(JP,A)
【文献】 特開2015−189190(JP,A)
【文献】 特開2009−182098(JP,A)
【文献】 特開2007−109940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/08
H01G 9/145
H01G 9/12
H01G 2/02
H02B 1/42
H02B 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解コンデンサ本体と、前記電解コンデンサ本体を収納する有底円筒状の容器と、前記容器の開口部に設けることで前記容器を封じる封口板と、前記封口板に設けられ前記容器の内圧の上昇を制限するための防爆弁と、前記封口板に設けられた1対の電極であって前記容器内で前記電解コンデンサ本体に夫々接続されていて、かつ前記容器外で1対の接続導体が夫々接続されるように形成された1対の電極と、を備える電解コンデンサの保護具であって、
前記容器側面に篏合可能に形成された側面と前記側面に繋がる底部とを有し、前記底部とは反対側の前記側面の端部にキャップ開口が形成され、前記キャップ開口を塞ぐように前記電解コンデンサに装着された状態で前記封口板が設けられた前記容器の開口部を覆い、前記封口板の外面と前記側面と前記底部とによって内部空間が形成される開放型容器を形成するキャップ部材
を備え、
前記キャップ部材の側面には、
前記側面を貫通する出口部が、前記キャップ開口と前記出口部の開口とが不連続になるように設けられ、
前記キャップ部材の底面には、前記1対の電極に夫々繋がる1対の接続導体が貫通する1対の穴部が設けられていて、
前記キャップ部材は、
前記電解コンデンサの容器の軸が水平になるように配置された状態で、前記出口部が前記側面の比較的上方に位置するように前記電解コンデンサの容器に装着されて用いられている場合に、
前記防爆弁から前記封口板の外に漏出した電解液を前記内部空間内に溜めて前記内部空間の外部に漏らすことを制限し、かつ前記防爆弁から前記封口板の外に噴出したガスを前記出口部を通じて前記内部空間の外部に漏らすように形成される、
保護具。
【請求項2】
電解コンデンサ本体と、前記電解コンデンサ本体を収納する有底円筒状の容器と、前記容器の開口部に設けることで前記容器を封じる封口板と、前記封口板に設けられた防爆弁と、前記封口板に設けられた1対の電極であって前記容器内で前記電解コンデンサ本体に夫々接続されていて、かつ前記容器外で1対の接続導体が夫々接続されるように形成された1対の電極と、を備える電解コンデンサの保護具であって、

開口を塞ぐように前記電解コンデンサに装着された状態で内部空間が形成される開放型容器の底部と前記底部の周に繋がる側部とを形成するキャップ部材
を備え、
前記キャップ部材には、
前記側部の開放側のキャップ開口とは分かれて、前記開放型容器の側部の内側から外側に通じる出口部と、前記電極に繋がる1対の接続導体が前記底部を貫通する1対の穴部とが設けられていて、
前記キャップ部材は、
前記電解コンデンサ装着され、かつ前記電解コンデンサの容器の軸が水平になるように配置された状態で、前記防爆弁から前記封口板の外に電解液が漏出した場合に、前記防爆弁から前記封口板の外に漏出した電解液を前記内部空間内に溜め得る容量を有していることで電解液を前記出口部を通じて漏らさすことを制限し、かつ前記防爆弁から前記封口板の外に噴出したガスを前記出口部を通じて前記内部空間の外部に漏らすように形成される、
保護具。
【請求項3】
電解コンデンサ本体と、前記電解コンデンサ本体を収納する有底円筒状の容器と、前記容器の開口部に設けることで前記容器を封じる封口板と、前記封口板に設けられた防爆弁と、前記封口板に設けられた1対の電極であって前記容器内で前記電解コンデンサ本体に夫々接続されていて、かつ前記容器外で1対の接続導体が夫々接続されるように形成された1対の電極と、を備える電解コンデンサの保護具であって、
前記容器側面に篏合可能に形成された側面と前記側面に繋がる底部とを有する形状に弾性を有する樹脂を用いて形成されていて、前記防爆弁から前記封口板の外に漏出した電解液を溜め、かつ前記防爆弁から前記封口板の外に噴出したガスを漏らす開放型容器の一部を形成するキャップ部材であって、前記電極に繋がる1対の接続導体が前記底部を貫通する1対の穴部が設けられているキャップ部材
を備え、
前記電解コンデンサに装着された前記キャップ部材は、
前記側面内に形成された穴である前記キャップ部材の出口部が前記円筒状の容器の軸よりも高い位置に配置されていて、
前記封口板の1対の電極に整合するように、前記底部のなかで前記1対の穴部の一方が前記円筒状の容器の軸よりも低い位置に、他方が前記円筒状の容器の軸よりも高い位置に配置される
保護具。
【請求項4】
前記キャップ部材の出口部は、
前記電解コンデンサから前記内部空間内に漏出した電解液の有無が視認可能に形成されている
請求項1又は請求項2に記載の保護具。
【請求項5】
前記キャップ部材の少なくとも一部は、前記電解コンデンサから漏出した電解液の有無が前記キャップ部材の外部から視認可能な透過性を有する部材で形成されている
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の保護具。
【請求項6】
前記キャップ部材は、少なくとも前記封口板の前記防爆弁を覆うように装着されている
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の保護具。
【請求項7】
前記キャップ部材は、前記電解コンデンサの前記封口板と、少なくとも前記電解コンデンサの容器の側面の一部とを覆うように前記電解コンデンサの容器に装着されている
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の保護具。
【請求項8】
前記開放型容器の容量は、前記防爆弁が作動して前記漏出した電解液を内部に溜めて前記キャップ部材の外部に漏らさないだけの容量を有する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の保護具。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の保護具
を備えた電解コンデンサ。
【請求項10】
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の保護具を備えた電解コンデンサと、
複数の電解コンデンサが配列される方向に延伸するバスバーを有する電解コンデンサ収容盤であって、前記電解コンデンサを収容した状態で、前記1対の接続導体が前記バスバーに接続されるように前記電解コンデンサを支持するように形成された電解コンデンサ収容盤と
を備える装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護具、電解コンデンサ及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直流電力を分配するための分電盤(装置)には、電圧を平滑化し、安定化させるための電解コンデンサが搭載されているものがある。一般に電解コンデンサの寿命は、分電盤の寿命よりも短い。
【0003】
このような電解コンデンサは、劣化が進行すると電解コンデンサの容器の内圧が高くなって、容器の破損に至ることがある。このような容器の破損を避けるために、電解コンデンサには、容器内部のガスをその容器の外に逃がすための防爆弁が設けられている。この防爆弁が一旦作動すると、電解コンデンサの内部からガスと電解液が噴出又は漏出することがある。対象の電解コンデンサを適宜交換することで、劣化による破損等を予防することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−135070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、劣化による破損等を予防していても、偶発的な電解コンデンサの内部短絡故障、過電圧印加、逆電圧印加などに起因して電解コンデンサの電解液が漏出することがある。電解コンデンサの電解液は、導電性であるため、電解液が分電盤内に噴出又は漏出した状態を、より速やかに撤去することが必要とされる。上記の事象の発生状況の確認から電解液の撤去までの保守作業は容易でない。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、電解コンデンサの保守作業の負荷を軽減する保護具、電解コンデンサ及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の第1の態様である保護具は、電解コンデンサ本体と、前記電解コンデンサ本体を収納する有底円筒状の容器と、前記容器の開口部に設けることで前記容器を封じる封口板と、前記封口板に設けられ前記容器の内圧の上昇を制限するための防爆弁と、前記封口板に設けられた1対の電極であって前記容器内で前記電解コンデンサ本体に夫々接続されていて、かつ前記容器外で1対の接続導体が夫々接続されるように形成された1対の電極と、を備える電解コンデンサの保護具であって、前記容器側面に篏合可能に形成された側面と前記側面に繋がる底部とを有し、前記底部とは反対側の前記側面の端部にキャップ開口が形成され、前記キャップ開口を塞ぐように前記電解コンデンサに装着された状態で前記封口板が設けられた前記容器の開口部を覆い、前記封口板の外面と前記側面と前記底部とによって内部空間が形成される開放型容器を形成するキャップ部材を備え、前記キャップ部材の側面には、前記側面を貫通する出口部が、前記キャップ開口と前記出口部の開口とが不連続になるように設けられ、前記キャップ部材の底面には、前記1対の電極に夫々繋がる1対の接続導体が貫通する1対の穴部が設けられていて、前記キャップ部材は、前記電解コンデンサの容器の軸が水平になるように配置された状態で、前記出口部が前記側面の比較的上方に位置するように前記電解コンデンサの容器に装着されて用いられている場合に、前記防爆弁から前記封口板の外に漏出した電解液を前記内部空間内に溜めて前記内部空間の外部に漏らすことを制限し、かつ前記防爆弁から前記封口板の外に噴出したガスを前記出口部を通じて前記内部空間の外部に漏らすように形成される保護具です。
他の態様である保護具は、電解コンデンサ本体と、前記電解コンデンサ本体を収納する有底円筒状の容器と、前記容器の開口部に設けることで前記容器を封じる封口板と、前記封口板に設けられた防爆弁と、前記封口板に設けられた1対の電極であって前記容器内で前記電解コンデンサ本体に夫々接続されていて、かつ前記容器外で1対の接続導体が夫々接続されるように形成された1対の電極と、を備える電解コンデンサの保護具であって、開口を塞ぐように前記電解コンデンサに装着された状態で内部空間が形成される開放型容器の底部と前記底部の周に繋がる側部とを形成するキャップ部材を備え、前記キャップ部材には、前記側部の開放側のキャップ開口とは分かれて、前記開放型容器の側部の内側から外側に通じる出口部と、前記電極に繋がる1対の接続導体が前記底部を貫通する1対の穴部とが設けられていて、前記キャップ部材は、前記電解コンデンサ装着され、かつ前記電解コンデンサの容器の軸が水平になるように配置された状態で、前記防爆弁から前記封口板の外に電解液が漏出した場合に、前記防爆弁から前記封口板の外に漏出した電解液を前記内部空間内に溜め得る容量を有していることで電解液を前記出口部を通じて漏らさすことを制限し、かつ前記防爆弁から前記封口板の外に噴出したガスを前記出口部を通じて前記内部空間の外部に漏らすように形成される保護具です。
他の態様である保護具は、電解コンデンサ本体と、前記電解コンデンサ本体を収納する有底円筒状の容器と、前記容器の開口部に設けることで前記容器を封じる封口板と、前記封口板に設けられた防爆弁と、前記封口板に設けられた1対の電極であって前記容器内で前記電解コンデンサ本体に夫々接続されていて、かつ前記容器外で1対の接続導体が夫々接続されるように形成された1対の電極と、を備える電解コンデンサの保護具であって、前記容器側面に篏合可能に形成された側面と前記側面に繋がる底部とを有する形状に弾性を有する樹脂を用いて形成されていて、前記防爆弁から前記封口板の外に漏出した電解液を溜め、かつ前記防爆弁から前記封口板の外に噴出したガスを漏らす開放型容器の一部を形成するキャップ部材であって、前記電極に繋がる1対の接続導体が前記底部を貫通する1対の穴部が設けられているキャップ部材を備え、前記電解コンデンサに装着された前記キャップ部材は、前記側面内に形成された穴である前記キャップ部材の出口部が前記円筒状の容器の軸よりも高い位置に配置されていて、前記封口板の1対の電極に整合するように、前記底部のなかで前記1対の穴部の一方が前記円筒状の容器の軸よりも低い位置に、他方が前記円筒状の容器の軸よりも高い位置に配置される。
【0011】
(5)上記の保護具において、前記キャップ部材の出口部は、前記電解コンデンサから前記内部空間内に漏出した電解液の有無が視認可能に形成されている。
【0013】
(7)上記の保護具において、前記キャップ部材の少なくとも一部は、前記電解コンデンサから漏出した電解液の有無が前記キャップ部材の外部から視認可能な透過性を有する部材で形成されている。
【0014】
(8)上記の保護具において、前記キャップ部材は、少なくとも前記封口板の前記防爆弁を覆うように装着されている。
【0015】
(9)上記の保護具において、前記キャップ部材は、前記電解コンデンサの前記封口板と、少なくとも前記電解コンデンサの容器の側面の一部とを覆うように前記電解コンデンサの容器に装着されている。
【0016】
(10)上記の保護具において、前記開放型容器の容量は、前記防爆弁が作動して前記漏出した電解液を内部に溜めて前記キャップ部材の外部に漏らさないだけの容量を有する。
【0017】
(11)本発明の第2の態様である電解コンデンサは、上記の保護具を備える。
【0018】
(12)本発明の第3 の態様である装置は、上記の保護具を備えた電解コンデンサと、複数の電解コンデンサが配列される方向に延伸するバスバーを有する電解コンデンサ収容盤であって、前記電解コンデンサを収容した状態で、前記1対の接続導体が前記バスバーに接続されるように前記電解コンデンサを支持するように形成された電解コンデンサ収容盤とを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電解コンデンサの保守作業の負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の実施形態の分電盤が利用される給電システム1の構成図である。
図2】実施形態の分電盤13の正面図である。
図3】実施形態の給電システム1の接続図である。
図4】実施形態の電解コンデンサ収容部134の接続図である。
図5A】実施形態の電解コンデンサ14の斜視図である。
図5B】実施形態の電解コンデンサ14の断面図である。
図5C】電解コンデンサ14の封口板143を平面視した図である。
図5D】キャップ部材145を装着した電解コンデンサ14が電解液を漏らした状態を説明するための図である。
図6】実施形態の電解コンデンサ収容部134を説明するための図である。
図7】第1の実施形態の第1変形例に係るキャップ部材145Aを説明するための図である。
図8】実施形態の電解コンデンサ収容部134Bを説明するための図である。
図9】実施形態の電解コンデンサ14Bから電解液が漏出した状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態の分電盤、電解コンデンサ収容盤及び装置について説明する。なお以下の説明では、同一又は類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0022】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態の分電盤が利用される給電システム1の一例について説明する。なお、給電システム1の構成は、後述する実施形態で共通である。
【0023】
図1は、本実施形態の分電盤が利用される給電システム1の一例を示す俯瞰図である。図2は、実施形態の給電システム1の接続図である。図に示すように、給電システム1は、例えば、電源装置11と、複数の負荷12と、分電盤13とを含む。
【0024】
電源装置11は、例えば、複数の負荷12に直流電力を供給する直流電源装置である。
例えば、電源装置11は、電源PSから供給される交流電力を直流電力に変換する。電源装置11の直流側は、正極が接地されている。電源装置11の直流側は、分電盤13の電源側端子に接続されている。
【0025】
負荷12は、電源装置11から供給される直流電力により機能する。負荷12は、「装置」の一例である。例えば、負荷12には、サーバ装置又は通信機器などが含まれるが、これらに限定されない。負荷12の電源側は、分電盤13の負荷側端子に接続されている。
【0026】
分電盤13は、電源装置11から電源側端子に供給される直流電力を、複数の負荷12に分配する。分電盤13は、「装置」の一例である。図3は、実施形態の分電盤13の正面図である。
【0027】
例えば、分電盤13は、筐体131と、1次配線端子部132と、2次配線端子部133と、電解コンデンサ収容部134とを備える。
【0028】
筐体131は、箱状に形成され、その内部に4つの支柱(不図示)が設けられ、その脚部が床に固定されて自立する。筐体131は、側面のうち1つの面(例えば正面と呼ぶ。)とこれに対抗する面(例えば背面と呼ぶ。)に開口部が設けられていて、開口部を塞ぐように扉(不図示)がそれぞれ設けられている。図に示す筐体131は、扉を開いた状態である。筐体131は、例えば、1次配線端子部132と、2次配線端子部133と、電解コンデンサ収容部134とを収容する。
【0029】
1次配線端子部132と、2次配線端子部133と、電解コンデンサ収容部134は、筐体131内に設けられた少なくとも1対の支柱に係止され、支持されている。1次配線端子部132は、分電盤13の電源側端子の一例であり、例えば、筐体131の中の下段に設けられる。2次配線端子部133は、分電盤13の負荷側端子の一例であり、例えば、筐体131の中の中段に設けられる。電解コンデンサ収容部134は、例えば、筐体131の中の上段に設けられる。1次配線端子部132と、2次配線端子部133と、電解コンデンサ収容部134の配置は、一例を示すものであり、これに制限されることなく適宜変更してよい。なお、電解コンデンサ収容部134は、1又は複数の電解コンデンサ14を収容する。電解コンデンサ収容部134は、電解コンデンサ収容盤の一例である。
【0030】
次に、前述の図3を参照して、分電盤13の電気的な接続関係について説明する。
【0031】
1次配線端子部132には、電源装置11からの電源ケーブルが接続される端子132Pと132Nとが設けられている。端子132Pと132Nには、筐体131内部の1対の直流母線BUSPとBUSNの一端が接続される。なお、端子等の名称に付与されている「P」が正極を示し、「N」が負極を示す。以下同様である。なお、端子132Pと132Nの接続形態に制限はなく、コネクタ接続であってもよい。
【0032】
2次配線端子部133には、負荷12への電源ケーブルが接続される端子133Pと133Nと、ヒューズ133Fとの組が複数設けられている。端子133Pには、直流母線BUSPの他端が接続される。端子133Nには、直流母線BUSNの他端がヒューズ133Fを介して接続される。なお、端子133Pと133Nの接続形態に制限はなく、コネクタ接続であってもよい。
【0033】
電解コンデンサ収容部134は、1対の端子134Pと134Nと、ヒューズ134Fとを備える。端子134Pは、直流母線BUSPに接続される。端子134Nは、ヒューズ134Fを介して直流母線BUSNに接続される。電解コンデンサ収容部134は、1対の端子134Pと134Nに接続される電解コンデンサ14を収容する。
【0034】
次に、図4を参照して、電解コンデンサ収容部134内の接続関係について説明する。図4は、実施形態の電解コンデンサ収容部134の接続図である。
【0035】
上記の端子134Pと134Nには、1対の直流母線134BUSPと134BUSNの一端が接続される。上記の1対の直流母線134BUSPと134BUSNは、電解コンデンサ収容部134を形成する棚の内部に設けられている。直流母線134BUSPには、電解コンデンサ14の正極端子を電気的に接続するための端子134PCが複数設けられている。図に示す端子134PC−1、端子134PC−2、・・・、端子134PC−M、及び端子134PC−(M+1)は、複数の端子134PCの一例である。Mは、電解コンデンサ収容部134が標準的に収容する電解コンデンサ14の個数である。端子134PCの個数は、Mより多い。
【0036】
直流母線134BUSNには、ヒューズ134Fを介して電解コンデンサ14の負極を電気的に接続するための端子134NCが複数設けられている。ヒューズ134F−1、ヒューズ134F−2、・・・、ヒューズ134F−M、及びヒューズ134F−(M+1)は、ヒューズ134Fの一例である。同様にヒューズ134Fの個数は、Mより多い。端子134NC−1、端子134NC−2、・・・、端子134NC−M、及び端子134PC−(M+1)は、複数の端子134PCの一例である。同様に端子134NCの個数は、Mより多い。
【0037】
端子134PCと端子134NCの対に、電解コンデンサ14の端子が接続されることにより、1対の直流母線にその電解コンデンサが接続されることになる。例えば、M個の電解コンデンサ14のそれぞれは、端子134PC−1と134NC−1に、端子134PC−2と134NC−2に、・・・、端子134PC−Mと134NC−Mに接続される。これにより、負荷の消費電力の変動などに伴う1対の直流母線間の電位変動への波及を軽減し、直流電圧を安定化することができる。
【0038】
図5Aは、実施形態の電解コンデンサの斜視図である。図5Bは、実施形態の電解コンデンサ14の断面図である。図5Cは、電解コンデンサ14の封口板143を平面視した図である。図5Dは、キャップ部材145を装着した電解コンデンサ14が電解液を漏らした状態を説明するための図である。
【0039】
電解コンデンサ14は、例えば、電解コンデンサ本体141と、容器142と、封口板143と、端子144Pと144Nと、キャップ部材145とを備える。端子144Pと144Nは1対の端子の一例である。
【0040】
容器142は、1つの底面が閉塞された円筒状の容器を成し、電解コンデンサ本体141を収容する。容器142の開口部は封口板143により閉じられて塞がれている。
【0041】
封口板143には、電解コンデンサ本体141に接続される正極電極143Pと負極電極143Nと、防爆弁143EVとが設けられている。正極電極143Pと負極電極143Nは、例えば、円形状の封口板143の直径上に位置する。
【0042】
図5Cに示すように防爆弁143EVは、正極電極143Pと負極電極143Nを結ぶ線lから所定距離離れた位置に設けられている。防爆弁143EVは、所定圧以上に容器142の内圧が上昇することを制限する。例えば、容器142内の圧力が過度になると防爆弁143EVから容器142内のガスと電解液とが噴出し、防爆弁143EVから電解液が漏出する。これにより、防爆弁143EVは、容器142の内圧が上昇することを制限する。
【0043】
正極電極143Pと負極電極143Nには、端子144Pと144Nとがそれぞれ接続される。端子144Pは、電解コンデンサ14を電解コンデンサ収容部134に配置することにより、端子134PCに接続される。端子144Nは、同様に端子134NCに接続される。図5Aに示す矢印の向きは、電解コンデンサ14を電解コンデンサ収容部134に配置するときに移動させる方向を示す。
【0044】
端子144Pと144Nは、その第1端部が封口板143の正極電極143Pと負極電極143N(1対の電極)に夫々接続されている。端子144Pと144Nは、正極電極143Pと負極電極143Nの端部から容器142の軸方向(Y軸方向)に所定の長さ突出している。
【0045】
例えば、端子144Pは、筒状の絶縁部と、その絶縁部の中心を通る導体部とを備える。導体部の第1端部は、絶縁部の第1底面に露出している。例えば、導体部の第2端部には、絶縁部の第2底面から露出したネジ部が形成されている。導体部の第2端部のネジ部は、正極電極143Pに設けられたネジ穴に締結される。
【0046】
端子144Nは、端子144Pと同様に形成される。端子144Nの導体部のネジ部は、負極電極143Nに設けられたネジ穴に締結される。なお、端子144Pの筒部の径と端子144Nの筒部の径は、互いに異なる。筒部の径の違いを利用して誤挿入防止を機械的に制限することにより逆接続を防止する。
【0047】
電解コンデンサ14の封口板143は、防爆弁143EVが作動するまで容器142内の電解液などを封入し、外部への漏出を防いでいる。ただし、容器142内に発生したガス圧が所定の圧力を超えると、防爆弁143EVが作動してガスなどを放出することで、容器142の破損、及び封口板143の飛散を未然に防ぐ。一旦防爆弁143EVが作動すると、防爆弁143EVの穴を通してガスだけでなく電解液を漏らすことがある。
【0048】
なお、本実施形態の場合、電解コンデンサ14は、図5Dに示すように容器142の軸が略水平になるように配置される。そのため、容器142内の電解液が防爆弁143EVの穴を通して漏れることがあるが、キャップ部材145は、このような電解液の漏れの影響を軽減する。
【0049】
キャップ部材145は、弾性を有する樹脂などで形成され、電解コンデンサ14の蓋として機能する。例えば、キャップ部材145は、少なくとも封口板143の防爆弁143EVを覆うように電解コンデンサ14に装着され、キャップ部材145から電解液がその外部に漏れることを制限する。
【0050】
より具体的な一例を示す。キャップ部材145は、電解コンデンサ14の封口板143と、少なくとも電解コンデンサ14の容器の側面の一部とを覆うように電解コンデンサ14に装着される。キャップ部材145は、電解コンデンサ14に装着されると、キャップ部材145の主たる開口部が電解コンデンサ14によって塞がれて、少なくともキャップ部材145の内面と、電解コンデンサ14の容器142と封口板143の外面とによって開放型容器が形成される。上記の開放型容器とは、防爆弁143EVから封口板143の外に漏出した電解液を溜めることができるものである。開放型容器の容量は、防爆弁143EVが作動して、漏出した電解液を内部に溜め置いてキャップ部材145の外部に漏らさないだけの容量を有しているとよい。
【0051】
なお、上記の開放型容器には、電解コンデンサ14の劣化時に発生するガスを漏らす出口部1451が設けられている。これにより、キャップ部材145は、防爆弁143EVから封口板143の外に噴出したガスを出口部1451から外部に漏らすことができるものである。
【0052】
このようなキャップ部材145は、電解コンデンサ14に装着された状態で、防爆弁143EVから封口板143の外に漏出した電解液を溜め、かつ防爆弁143EVから封口板143の外に噴出したガスを漏らす開放型容器の一部を形成する。キャップ部材145には、1対の直流母線134BUSPと134BUSNに繋がる端子144Pと144N(1対の接続導体)が貫通する1対の穴部が設けられている。
【0053】
上記の通り実施形態の電解コンデンサ14は、円筒状の容器142の軸が水平になるように配置されている。キャップ部材145の開放型容器は、容器142の軸が水平になるように横向きに配置された電解コンデンサ14の防爆弁143EVから漏出した電解液を溜める。防爆弁143EVの位置は、電解液の漏出量をより少なくすることを優先とすれば、封口板143の中心(容器142の軸)の上部に配置することが望ましいが、これに制限されることなく、何れの方向に配置してもよい。キャップ部材145は、防爆弁143EVの位置によらずに、電解液を溜めることができる。
【0054】
例えば、電解コンデンサ14は、キャップ部材145の出口部1451が容器142の軸よりも高い位置になるように配置されていれば、出口部1451から電解液が漏れることがない。このように配置された電解コンデンサ14の場合、開放型容器内の状態を出口部1451の略上方から覗き込むと、電解コンデンサ14から漏出した電解液の有無を視認することを可能にする。
【0055】
また、電解コンデンサ14を上記のように配置すると、端子144Pと144Nが貫通する1対の穴部の少なくとも一方が容器142の軸よりも低い位置に配置される場合がある。このような場合であっても、端子144Pと144Nとキャップ部材145の隙間から電解液が漏れることはない。
【0056】
なお、キャップ部材145を形成する部材の少なくとも一部を、透過性を有する部材で形成すれば、電解コンデンサ14から漏出した電解液の有無がキャップ部材145の外部からキャップ部材145を通して確認することができる。
【0057】
なお、実施形態のキャップ部材145であれば、防爆弁143EVから漏出する電解液を溜めるため、図5Dに示すように漏れ出た電解液の液面の高さが防爆弁143EVの高さよりも高くなることがある。
【0058】
図6を参照して、実施形態の電解コンデンサ収容部の構成について説明する。
図6は、実施形態の電解コンデンサ収容部134を説明するための図である。図6の(a)に、電解コンデンサ収容部134の背面図を示し、図6の(b)に、電解コンデンサ収容部134の断面図(図6の(a)の6A−6Aの面)を示す。
【0059】
電解コンデンサ収容部134において、電解コンデンサ14は、端子144Pと144Nを、直流母線134BUSPと134BUSNなどに向けて配置されている。それゆえ、電解コンデンサ14の封口板143と、直流母線134BUSPと134BUSNとが、キャップ部材145を挟んで設けられている。直流母線134BUSPと134BUSNは、接続導体の一例である。
【0060】
キャップ部材145は、その内部に電解液を溜め置くため、その外部に電解液が流出することはない。キャップ部材145の出口部1451からガスが漏れて拡散する。これにより、噴出時のガス圧でキャップ部材145が電解コンデンサ14から外れることがないように、キャップ部材145を電解コンデンサ14に装着するとよい。
【0061】
上記のキャップ部材145があることにより、防爆弁143EVからの噴出物が、直流母線134BUSPと134BUSNに掛かることを防ぐことができる。電解液が銅などの金属に掛かると、その金属が腐食することがある。そのため、直流母線134BUSPと134BUSNに電解液の成分が掛からないように制限するキャップ部材145は、腐食防止の点で有効である。
【0062】
フレーム1345は、棚板として上記の板状部材を含む棚状に形成されている。フレーム1345には、電解コンデンサ14を配置するためのブラケット1343が設けられている。例えば、このブラケット1343は、容器142の軸が略水平になるように電解コンデンサ14を支持する。フレーム1345は、ブラケット1343に配置された電解コンデンサ14をも収容する。例えば、板状部材は略水平に設置され、その上方にキャップ部材145が配置されている。
【0063】
続いて、電解コンデンサ収容部134の利用に関する手順について説明する。
【0064】
(電解コンデンサを配置するための手順)
まず、電解コンデンサ14を電解コンデンサ収容部134に配置する際の手順について説明する。
必要数の電解コンデンサ14を、電解コンデンサ収容部134に配置されているブラケット1343に配置して、電解コンデンサ14を1対の直流母線134BUSPと134BUSNに接続する。電解コンデンサ14の配置を終えると、電解コンデンサ収容部134が利用可能になる。
【0065】
(電解コンデンサを交換するための手順)
次に、電解コンデンサ14を交換する際の手順について説明する。
【0066】
例えば、電解コンデンサ収容部134には、常時実装する電解コンデンサ14の個数よりも、ブラケット1343の個数が多く設けられている。この場合、電解コンデンサ14が実装されていないブラケット1343(予備ブラケットと呼ぶ。)が存在する。以下に示す交換の手順は、予備ブラケットを利用することを前提とする。
【0067】
まず、予備充電された電解コンデンサ14を、予備ブラケットに配置する。これにより、必要数より1つ多くの電解コンデンサ14が並列に接続されることになる。
次に、交換対象の電解コンデンサ14の内から1つを撤去する。これにより、並列に接続された電解コンデンサ14の個数が、当初の必要数(例えば、M個。)に戻る。上記の撤去により、1つのブラケットが空き状態になる。この空き状態のブラケットを、予備ブラケットとして利用する。
【0068】
上記を繰り返して、対象の電解コンデンサの全数(M個)を交換する。
【0069】
(電解コンデンサの状態を確認するための手順)
次に、電解コンデンサ14の状態を確認するための手順について説明する。
電解コンデンサ収容部134に配置されている電解コンデンサ14を一旦電解コンデンサ収容部134から取り出して、その電解コンデンサ14に、電解液の漏出が生じているか否かを点検する。例えば、キャップ部材145の出口部1451からその内部を覗くと、電解液の有無が確認できる。キャップ部材145の内部に電解液がないことが確認できれば、電解コンデンサ14から電解液の漏出が生じていないと判断できる。キャップ部材145の内部に電解液があることが検出されれば、電解コンデンサ14から電解液が漏出していると判定してよい。電解コンデンサ14に異常がなければ、その電解コンデンサ14を電解コンデンサ収容部134の所定の位置に戻す。
【0070】
上記のように電解コンデンサ14からキャップ部材145を取り外すことなく、電解コンデンサ14が損傷していないかを確認できる。
【0071】
(電解コンデンサの電解液が漏出している場合の保守の手順)
次に、電解コンデンサ14の電解液が漏出している場合の保守の手順について説明する。
電解コンデンサ14の電解液が漏出している場合は、少なくとも電解液が漏出した電解コンデンサ14を交換する。その手順は、上記の交換の手順と同様である。
【0072】
なお、電解コンデンサ14には、キャップ部材145が装着されており、装着されて状態で電解コンデンサ14を交換する。その際に、キャップ部材145の出口部1451から電解液が漏れないように留意する。実施形態の場合、電解コンデンサ収容部134の棚に電解液が流出することがないため、交換時の作業の負担が少ない。
【0073】
上記の実施形態によれば、キャップ部材145は、電解コンデンサ14の保護具である。キャップ部材145は、電解コンデンサ14に装着された状態で、防爆弁143EVから封口板143の外に漏出した電解液を溜め、かつ防爆弁143EVから封口板143の外に噴出したガスを漏らす開放型容器の一部を形成する。キャップ部材145は、電極に繋がる1対の接続導体が貫通する1対の穴部が設けられている。これにより、電解コンデンサ14の電解液が噴出又は漏出したか否かの点検に、キャップ部材145を電解コンデンサ14から外すことなく状況を点検することができる。仮に、防爆弁143EVから電解液が漏出していても、キャップ部材145の外部に漏出することがないことから、電解コンデンサ14の保守作業の負荷を軽減することができる。
【0074】
分電盤13(装置)は、キャップ部材145を備えた電解コンデンサ14と、電解コンデンサ14を収容する電解コンデンサ収容部134(収容盤)とを備えることにより、分電盤13が供給する直流電力の瞬時電圧変動の大きさを、より小さくすることができる。
【0075】
(第1の実施形態の第1変形例)
図7を参照して、第1の実施形態の第1変形例について説明する。
図7は、第1の実施形態の第1変形例に係るキャップ部材145Aを説明するための図である。図7の(a)に、電解コンデンサ収容部134Aの背面図を示し、図7の(b)に、電解コンデンサ収容部134Aの断面図(図7の(a)の7A−7Aの面)を示す。電解コンデンサ収容部134Aは、電解コンデンサ収容部134に代わるものである。第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0076】
電解コンデンサ14Aは、キャップ部材145に代えてキャップ部材145Aを備える。キャップ部材145との相違点を中心に説明する。
【0077】
キャップ部材145Aは、電解コンデンサ14の封口板143に密着するように電解コンデンサ14に装着される。キャップ部材145Aは、電解コンデンサ14に装着されると、キャップ部材145Aの主たる開口部が電解コンデンサ14の封口板143によって塞がれて、少なくともキャップ部材145Aの内面と、電解コンデンサ14の封口板143の外面とによって開放型容器が形成される。開放型容器の容量は、キャップ部材145の場合と同様でよい。
【0078】
キャップ部材145Aは、固定具146によって電解コンデンサ14に密着するように支持される。例えば、固定具146は、電解コンデンサ14の容器142の周方向に一巡するように配置される金属製のバンド146aを含む。バンド146aには、複数の引掛け金具146bが、容器142の周方向に所定の間隔を開けて設けられている。バンド146aが容器142に取り付けられた状態の引掛け金具146bには、Y軸負側に凹部が設けられている。
【0079】
キャップ部材145Aには、引掛け金具146bの個数と同数の弾性を有する紐部が設けられている。各紐部の先端には環状部が設けられている。環状部が対応する引掛け金具146bにそれぞれ係止されることにより、キャップ部材145Aが封口板143の方向(Y軸負の方向)に付勢される。
【0080】
なお、キャップ部材145Aと封口板143との隙間に接着剤などを充填することで、キャップ部材145Aと封口板143との隙間から電解液が漏れないようにしてもよい。
【0081】
本変形例によれば、キャップ部材145Aを電解コンデンサ14の容器142の側面にはめ込む必要がなく、固定具146を用いて、キャップ部材145Aを電解コンデンサ14の封口板143に密着させることができる。これのほか、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0082】
なお、本変形例では、固定具146に設けられた引掛け金具146bに、キャップ部材145Aの環状部を係止させる事例を例示したが、これに代えて固定具146に設けられた可動金具(不図示)が、キャップ部材145AのY軸正側の外面を、Y軸負の方向に付勢してキャップ部材145Aを係止してもよい。このような構成の場合も、同様の効果を奏する。
【0083】
(第2の実施形態)
図5D図7に代えて図8を参照して、第2の実施形態について説明する。他の図については、第1の実施形態の図を参照する。
【0084】
図8は、第2の実施形態に係るキャップ部材145Bを説明するための図である。図8の(a)に、電解コンデンサ収容部134Bの背面図を示し、図8の(b)に、電解コンデンサ収容部134Bの断面図(図8の(a)の8A−8Aの面)を示す。電解コンデンサ収容部134Bは、電解コンデンサ収容部134に代わるものである。第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0085】
電解コンデンサ14Bは、キャップ部材145に代えてキャップ部材145Bを備える。キャップ部材145との相違点を中心に説明する。
【0086】
キャップ部材145Bは、キャップ部材145と同様に、電解コンデンサ14の封口板143と、少なくとも電解コンデンサ14の容器の側面の一部とを覆うように電解コンデンサ14に装着される。キャップ部材145Bの場合の開放型容器の容量の形と大きさを規定する自由度が、キャップ部材145に比べて高い。
【0087】
図9は、実施形態の電解コンデンサ14Bから電解液が漏出した状態を説明するための図である。キャップ部材145Bは、漏出した電解液を内部に溜め置くのに十分な容量を有する皿部1453を有している。漏出した電解液は、皿部1453内に溜まる。そのため、皿部1453を電解コンデンサ収容部134Bの棚の上に配置すれば、皿部1453内の電解液の重量を電解コンデンサ収容部134Bの棚で支えることができる。また、比較的多くの電解液が漏出する場合であっても、漏れ出た電解液の液面の高さを前述のキャップ部材145の場合よりも低くすることができる。
【0088】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することのほか、キャップ部材145Bに溜め置くことができる電解液の量を比較的多くすることができる。その際に、端子1444Pと144Nの延伸方向(Y軸方向)の長さに制限されることなく、端子144Pと144Nの延伸方向の長さとは独立に、溜め置くことができる電解液の量の最大値を規定することができる。
【0089】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記のものに限定されない。例えば、各実施形態とその変形例に例示した手法は、例示した組合せ以外の組みにしてもよい。また、本発明の実施形態は、上記の実施形態を次のように変形したものとすることができる。
【0090】
例えば、電解コンデンサ14の配置について、防爆弁143EVの位置が容器142の軸の高さと略同一になるように配置する事例を挙げて説明したが、これに制限されず防爆弁143EVの位置を適宜変更してよい。その場合、端子144Pと144Nの位置に合わせて電極を配置するとよい。
【0091】
また、分電盤13は、電解コンデンサ収容部134と、電解コンデンサ収容部134から電力の供給を受ける負荷12Aと、電解コンデンサ収容部134と負荷12Aとを収納する筐体131とを備えた装置として形成されていてもよい。
【0092】
例示した給電システム1は、正極接地型であったが、これに制限されることなく、例えば、高抵抗中性点接地型であってもよい。その場合には、電源装置11の出力側の両極を高抵抗によって接地して、さらに分電盤13等内の1次配線端子部132に図示しない配線用遮断器を設け、その配線用遮断器の負荷側の直流母線にも配線用遮断器を設けるとよい。
【符号の説明】
【0093】
1 給電システム、11 電源装置、12 複数の負荷、13 分電盤、134、134A、134B 電解コンデンサ収容部(コンデンサ収容収容盤)、1343 ブラケット、1345 フレーム、14、14A、14B 電解コンデンサ、145、145A、145B キャップ部材
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9