(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2部材は、前記駆動部の前記駆動部材が前記第2部材の前記第3係合部に嵌合し、かつ、前記手術器具の前記被駆動部材が前記第1部材の前記第1係合部に嵌合している場合において、前記手術器具の前記被駆動部材に当接することにより、前記第2部材の前記手術器具側への移動を制限する移動制限部を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアダプタセット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、手術器具を駆動するために、ロボットアームの駆動部の回転に伴ってディスクが回転する必要がある。しかしながら、上記特許文献1のアダプタでは、ロボットアームの駆動部とディスクとが係合された後、レトラクタプレートの歯によるディスクの回転の規制を解除する構造および空間などを設ける必要があるという不都合がある。このため、上記特許文献1のアダプタでは、アダプタに余分な内部構造および内部空間が必要となるので、アダプタの構造の複雑化および大型化を抑制しながら、駆動部によるディスク(駆動力伝達部材)の連れ回りを抑制することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、アダプタの構造の複雑化および大型化を抑制しながら、ロボットアームの駆動部による駆動伝達部材の連れ回りを抑制することが可能なアダプタセットおよびアダプタを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面によるアダプタセットは、ロボットアームに設けられるとともに駆動部材を有する駆動部と、被駆動部材を有する手術器具との間に配置され
、手術器具とは別体のアダプタと、アダプタに対して装着され
、手術器具とは別体のストッパとを備え、アダプタは、回転可能に設けられ、駆動部の駆動部材から手術器具の被駆動部材に駆動力を伝達する駆動伝達部材を含み、ストッパは、駆動伝達部材の回転を規制する回転規制部を含み、駆動伝達部材は、手術器具の被駆動部材と嵌合
可能な第1係合部と、第1係合部とは別個に設けられ、ストッパの回転規制部と嵌合
可能な第2係合部とを有する第1部材と、駆動部の駆動部材と嵌合
可能な第3係合部を有する第2部材とを含み、ストッパは、駆動部の駆動部材がアダプタの第2部材に嵌合する前には回転規制部により駆動伝達部材の回転を規制した状態でアダプタに装着されているとともに、駆動部の駆動部材がアダプタの第2部材に嵌合した後にはアダプタから取り外されるように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面によるアダプタセットでは、上記のように、ストッパは、駆動部の駆動部材がアダプタの第2部材に嵌合する前には回転規制部により駆動伝達部材の回転を規制した状態でアダプタに装着されているとともに、駆動部の駆動部材がアダプタの第2部材に嵌合した後にはアダプタから取り外されるように構成されている。これにより、駆動部にアダプタを介して手術器具を装着する際にはストッパは取り外されているので、アダプタ自体に駆動伝達部材の回転を規制するための構造を設ける必要がない。その結果、アダプタに余分な内部構造および内部空間を設けることなくストッパの回転規制部により駆動伝達部材の回転を規制することができるので、アダプタの構造の複雑化および大型化を抑制しながら、ロボットアームの駆動部による駆動伝達部材の連れ回りを抑制することができる。また、手術器具の被駆動部材と嵌合する第1係合部とは別個に設けられた第2係合部をストッパの回転規制部に嵌合させることにより、手術器具の被駆動部材とアダプタの第1係合部との嵌合が解除されるのを抑制するために第1係合部の形状を特殊な形状とした場合でも、ストッパと第1係合部とを係合させる場合と異なり、ストッパの形状を第1係合部の形状に合わせた特殊な形状とする必要がない。これにより、ストッパの構造の複雑化も抑制することができる。
【0009】
この発明の第2の局面によるアダプタは、ロボットアームに設けられるとともに駆動部材を有する駆動部と、被駆動部材を有する手術器具との間に配置され
、手術器具とは別体のアダプタであって、回転可能に設けられ、駆動部の駆動部材から手術器具の被駆動部材に駆動力を伝達する駆動伝達部材を備え、駆動伝達部材は、手術器具の被駆動部材と嵌合
可能な第1係合部と、第1係合部とは別個に設けられ
、駆動伝達部材の回転を規制する回転規制部を含み手術器具とは別体のストッパの回転規制部が嵌合可能な第2係合部とを有する第1部材と、駆動部の駆動部材と嵌合する第3係合部を有する第2部材とを含み、駆動部の駆動部材が第2部材に嵌合する前には、
回転規制部により駆動伝達部材の回転を規制
した状態でストッパ
が装着される
とともに、駆動部の駆動部材が第2部材に嵌合した後には、ストッパが取り外される。
【0010】
この発明の第2の局面によるアダプタでは、上記のように構成することによって、駆動部にアダプタを介して手術器具を装着する際にはストッパは取り外すことができるので、アダプタ自体に駆動伝達部材の回転を規制するための構造を設ける必要がない。その結果、アダプタに余分な内部構造および内部空間を設けることなくストッパにより駆動伝達部材の回転を規制することができるので、アダプタの構造の複雑化および大型化を抑制しながら、ロボットアームの駆動部による駆動伝達部材の連れ回りを抑制することが可能なアダプタを提供することができる。また、手術器具の被駆動部材と嵌合する第1係合部とは別個に設けられた第2係合部をストッパに嵌合させることにより、手術器具の被駆動部材とアダプタの第1係合部との嵌合が解除されるのを抑制するために第1係合部の形状を特殊な形状とした場合でも、ストッパと第1係合部とを係合させる場合と異なり、ストッパの形状を第1係合部の形状に合わせた特殊な形状とする必要がない。これにより、ストッパの構造の複雑化も抑制することができる。
この発明の第3の局面による手術器具をロボットアームに装着する方法は、ロボットアームと手術器具との間に配置され、第1係合部および第1係合部とは異なる第2係合部
を有する第1部材と第3係合部を有する第2部材とを含み、ロボットアームの駆動部から手術器具に駆動力を伝達する駆動伝達部材を有
し、手術器具とは別体のアダプタを介して、手術器具をロボットアームに装着する方法であって、ロボットアームをドレープで覆うことと、ドレープで覆われたロボットアームに対し、駆動伝達部材の回転を規制する
手術器具とは別体のストッパ
の回転規制部が駆動伝達部材の第2係合部に嵌合
することにより駆動伝達部材の回転を規制した状態のアダプタを取り付けることと、ロボットアームの駆動部
の駆動部材とアダプタの駆動伝達部材
の第2部材の第3係合部とを嵌合させることと、ロボットアームの駆動部
の駆動部材とアダプタの駆動伝達部材とを嵌合させた後に、アダプタからストッパを取り外すことと、ストッパが取り外されたアダプタに対し、手術器具
の被駆動部材を駆動伝達部材の第1係合部に嵌合するように取り付けることと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アダプタの構造の複雑化および大型化を抑制しながら、ロボットアームの駆動部による駆動伝達部材の連れ回りを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
(ロボット手術システムの構成)
図1および
図2を参照して、一実施形態によるロボット手術システム100の構成について説明する。
【0015】
図1に示すように、ロボット手術システム100は、遠隔操作装置1と、患者側装置2と、を備えている。遠隔操作装置1は、患者側装置2に設けられた医療器具(medical equipment)を遠隔操作するために設けられている。患者側装置2によって実行されるべき動作態様指令が術者(surgeon)である操作者Oにより遠隔操作装置1に入力されると、遠隔操作装置1は、動作態様指令をコントローラ25を介して患者側装置2に送信する。そして、患者側装置2は、遠隔操作装置1から送信された動作態様指令に応答して、ロボットアーム21に取り付けられた手術器具(surgical instrument)4、内視鏡5等の医療器具を操作する。これにより、低侵襲手術が行われる。
【0016】
患者側装置2は、患者Pに対して手術を行うインターフェースを構成する。患者側装置2は、患者Pが横たわる手術台3の傍らに配置される。患者側装置2は、複数のロボットアーム21、22を有し、このうち1つのロボットアーム22に内視鏡5が取り付けられ、その他のロボットアーム21に手術器具4が取り付けられる。各ロボットアーム21、22は、プラットホーム23に共通に支持されている。複数のロボットアーム21、22は複数の関節を有し、それぞれの関節には、サーボモータを含む駆動部と、エンコーダ等の位置検出器とが設けられている。ロボットアーム21、22は、コントローラ25を介して与えられた駆動信号によりロボットアーム21、22に取り付けられた医療器具が所望の動作を行うように制御されるように構成されている。
【0017】
プラットホーム23は、手術室の床の上に載置されたポジショナ24に支持されている。ポジショナ24は、鉛直方向に調整可能な昇降軸を有する柱部24aが、車輪を備え床面を移動可能なベース24bに連結されている。
【0018】
ロボットアーム21には、先端部に医療器具としての手術器具4が着脱可能に取り付けられる。手術器具4は、ロボットアーム21に取り付けられるハウジング41(
図3参照)と、細長形状のシャフト42(
図3参照)と、シャフト42の先端部に設けられたエンドエフェクタ43(
図3参照)とを備えている。エンドエフェクタ43として、例えば、把持鉗子、シザーズ、フック、高周波ナイフ、スネアワイヤ、クランプ、ステイプラーが挙げられるがこれに限られるものではなく、各種の処置具を適用することができる。患者側装置2を用いた手術において、ロボットアーム21は、患者Pの体表に留置したカニューラ(トロッカ)を介して患者Pの体内に手術器具4を導入する。そして、手術器具4のエンドエフェクタ43は、手術部位の近傍に配置される。
【0019】
ロボットアーム22には、先端部に医療器具としての内視鏡5が着脱可能に取り付けられる。内視鏡5は、患者Pの体腔内を撮影するものであり、撮影した画像は、遠隔操作装置1に対して出力される。内視鏡5として、3次元画像を撮影することができる3D内視鏡若しくは2D内視鏡が用いられる。患者側装置2を用いた手術において、ロボットアーム22は、患者Pに体表に留置したトロッカを介して患者Pの体内に内視鏡5を導入する。そして、内視鏡5が手術部位の近傍に配置される。
【0020】
遠隔操作装置1は、操作者Oとのインターフェースを構成する。遠隔操作装置1は、ロボットアーム21に取り付けられた医療器具を操作者Oが操作するための装置である。すなわち、遠隔操作装置1は、操作者Oによって入力された手術器具4によって実行されるべき動作態様指令をコントローラ25を介して患者側装置2へ送信可能に構成されている。遠隔操作装置1は、たとえば、マスタの操作をしながらも患者Pの様子がよく見えるように手術台3の傍らに設置される。なお、遠隔操作装置1は、例えば動作態様指令を無線で送信するようにし、手術台3が設置された手術室とは別室に設置することも可能である。
【0021】
手術器具4によって実行されるべき動作態様とは、手術器具4の動作(一連の位置及び姿勢)及び手術器具4個別の機能によって実現される動作の態様である。たとえば、手術器具4が把持鉗子である場合には、手術器具4によって実行されるべき動作態様とは、エンドエフェクタ43の手首のロール回転位置及びピッチ回転位置と、ジョーの開閉を行う動作である。また、手術器具4が高周波ナイフである場合には、手術器具4によって実行されるべき動作態様とは、高周波ナイフの振動動作、具体的には高周波ナイフに対する電流の供給であり得る。また、手術器具4がスネアワイヤである場合には、手術器具4によって実行されるべき動作態様とは、束縛動作および束縛状態の解放動作であり得る。また、バイポーラやモノポーラに電流を供給することによって手術対象部位を焼き切る動作であり得る。
【0022】
内視鏡5によって実行されるべき動作態様とは、たとえば、内視鏡5先端の位置及び姿勢、又はズーム倍率の設定である。
【0023】
遠隔操作装置1は、
図1および
図2に示すように、操作ハンドル11と、操作ペダル部12と、表示部13と、制御装置14と、を備えている。
【0024】
操作ハンドル11は、ロボットアーム21に取り付けられた医療器具を遠隔で操作するために設けられている。具体的には、操作ハンドル11は、医療器具(手術器具4、内視鏡5)を操作するための操作者Oによる操作を受け付ける。操作ハンドル11は、水平方向に沿って2つ設けられている。つまり、2つの操作ハンドル11のうち一方の操作ハンドル11は、操作者Oの右手により操作され、2つの操作ハンドル11のうち他方の操作ハンドル11は、操作者Oの左手により操作される。
【0025】
また、操作ハンドル11は、遠隔操作装置10の後方側から、前方側に向かって延びるように配置されている。操作ハンドル11は、所定の3次元の操作領域内で動かすことができるように構成されている。すなわち、操作ハンドル11は、上下方向、左右方向、および前後方向に動かすことができるように構成されている。
【0026】
遠隔操作装置1と患者側装置2とは、ロボットアーム21およびロボットアーム22の動作の制御においては、マスタスレーブ型のシステムを構成する。すなわち、操作ハンドル11は、マスタスレーブ型のシステムにおけるマスタ側の操作部を構成し、医療器具が取り付けられたロボットアーム21およびロボットアーム22はスレーブ側の動作部を構成する。そして、操作ハンドル11を操作者Oが操作すると、操作ハンドル11の動きをロボットアーム21の先端部(手術器具4のエンドエフェクタ43)またはロボットアーム22の先端部(内視鏡5)がトレースして移動するようにロボットアーム21またはロボットアーム22の動作が制御される。
【0027】
また、患者側装置2は、設定された動作倍率に応じてロボットアーム21の動作を制御するよう構成されている。たとえば、動作倍率が1/2倍に設定されている場合、手術器具4のエンドエフェクタ43は、操作ハンドル11の移動距離の1/2の移動距離を移動するよう制御される。これによって、精細な手術を精確に行うことができる。
【0028】
操作ペダル部12は、医療器具に関する機能を実行するための複数のペダルを含んでいる。複数のペダルは、凝固ペダルと、切断ペダルと、カメラペダルと、クラッチペダルと、を含んでいる。また、複数のペダルは、操作者Oの足により操作される。
【0029】
凝固ペダルは、手術器具4を用いて手術部位を凝固させる操作を行うことができる。具体的には、凝固ペダルは、操作されることにより、手術器具4に凝固用の電圧が印加されて、手術部位の凝固が行われる。切断ペダルは、手術器具4を用いて手術部位を切断させる操作を行うことができる。具体的には、切断ペダルは、操作されることにより、手術器具4に切断用の電圧が印加されて、手術部位の切断が行われる。
【0030】
カメラペダルは、体腔内を撮像する内視鏡5の位置及び姿勢を操作するために用いられる。具体的には、カメラペダルは、内視鏡5の操作ハンドル11による操作を有効にする。つまり、カメラペダルが押されている間は、操作ハンドル11により内視鏡5の位置および姿勢を操作することが可能である。たとえば、内視鏡5は、左右の操作ハンドル11の両方を用いることにより操作される。具体的には、左右の操作ハンドル11の中間点を中心に左右の操作ハンドル11を回動させることにより、内視鏡5が回動される。また、左右の操作ハンドル11を共に押し込むことにより、内視鏡5が奥に進む。また、左右の操作ハンドル11を共に引っ張ることにより、内視鏡5が手前に戻る。また、左右の操作ハンドル11を共に上下左右に移動させることにより、内視鏡5が上下左右に移動する。
【0031】
クラッチペダルは、ロボットアーム21と、操作ハンドル11との操作接続を一時切断し手術器具40の動作を停止させる場合に用いられる。具体的には、クラッチペダルが操作されている間は、操作ハンドル11を操作しても、患者側装置2のロボットアーム21が動作しない。たとえば、操作により操作ハンドル11が移動可能な範囲の端部近傍に来た場合に、クラッチペダルが操作されることにより、操作接続を一時切断して、操作ハンドル11を中央位置付近に戻すことができる。そして、クラッチペダルの操作を中止するとロボットアーム21と操作ハンドル11とが再び接続され、中央付近で操作ハンドル11の操作を再開することができる。
【0032】
表示部13は、内視鏡5が撮像した画像を表示することができるものである。表示部13は、スコープ型表示部または非スコープ型表示部からなる。スコープ型表示部とは、たとえば、覗き込むタイプの表示部である。また、非スコープ型表示部とは、通常のパーソナルコンピュータのディスプレイのような覗き込むタイプではない平坦な画面を有する開放型の表示部を含む。
【0033】
スコープ型表示部が取り付けられた場合、患者側装置2のロボットアーム22に取り付けられた内視鏡5により撮像された3D画像が表示される。非スコープ型表示部が取り付けられた場合にも、患者側装置2に設けられた内視鏡5により撮像された3D画像が表示される。なお、非スコープ型表示部が取り付けられた場合、患者側装置2に設けられた内視鏡5により撮像された2D画像が表示されてもよい。
【0034】
図2に示すように、制御装置14は、例えば、CPU等の演算器を有する制御部141と、ROMおよびRAM等のメモリを有する記憶部142と、画像制御部143とを含んでいる。制御装置14は、集中制御する単独の制御装置により構成されていてもよく、互いに協働して分散制御する複数の制御装置により構成されてもよい。制御部141は、操作ハンドル11により入力された動作態様指令を、操作ペダル部12の切替状態に応じて、ロボットアーム21によって実行されるべき動作態様指令であるか、または、内視鏡5によって実行されるべき動作態様指令であるかを判定する。そして、制御部141は、操作ハンドル11に入力された動作態様指令が手術器具4によって実行されるべき動作態様指令であると判断すると、動作態様指令をロボットアーム21に対して送信する。これによって、ロボットアーム21が駆動され、この駆動によってロボットアーム21に取り付けられた手術器具4の動作が制御される。
【0035】
また、制御部141は、操作ハンドル11に入力された動作態様指令が内視鏡5によって実行されるべき動作態様指令であると判定すると、当該動作態様指令をロボットアーム22に対して送信する。これによって、ロボットアーム22が駆動され、この駆動によってロボットアーム22に取り付けられた内視鏡5の動作が制御される。
【0036】
記憶部142には例えば手術器具4の種類に応じた制御プログラムが記憶されていて、取り付けられた手術器具4の種類に応じて制御部141がこれらの制御プログラムを読み出すことにより、遠隔操作装置1の操作ハンドル11及び/又は操作ペダル部12の動作指令が個別の手術器具4に適合した動作をさせることができる。
【0037】
画像制御部143は、内視鏡5が取得した画像を表示部13に伝送する。画像制御部143は、必要に応じて画像の加工修正処理を行う。
【0038】
(アダプタおよび手術器具の構成)
図3〜
図18を参照して、一実施形態によるアダプタ6aおよび手術器具4の構成について説明する。
【0039】
図3および
図4に示すように、手術器具4は、ロボットアーム21にアダプタ6aを介して取り外し可能に接続される。アダプタ6aは、ロボットアーム21を覆うための滅菌処理されたドレープ7をロボットアーム21との間に挟み込むためのドレープアダプタである。つまり、アダプタ6aは、ドレープ7を取り付け可能に構成されている。これにより、ロボットアーム21にアダプタ6aを取り付ける際、ロボットアーム21とアダプタ6aとの間にドレープ7を取り付けることにより、清潔区域と汚染区域とを確実に隔離させることができる。また、アダプタ6aは、ロボットアーム21に設けられるとともに駆動部材21bを有する駆動部21aと、被駆動部材44を有する手術器具4との間に配置される。
【0040】
手術器具4は、アダプタ6aのZ1方向側に取り付けられる。アダプタ6aは、ロボットアーム21のZ1方向側に取り付けられる。
【0041】
ロボットアーム21は、清潔区域において使用されるため、ドレープ7により覆われる。ここで、手術室では、手術により切開した部分および医療機器が病原菌や異物などにより汚染されることを防ぐため、清潔操作が行われる。この清潔操作においては、清潔区域および清潔区域以外の区域である汚染区域が設定される。手術部位は、清潔区域に配置される。操作者Oを含む手術チームのメンバーは、手術中、清潔区域に殺菌されている物体のみが位置するよう配慮し、かつ、汚染区域に位置している物体を清潔区域に移動させるときは、この物体に滅菌処理を施す。同様に、操作者Oを含む手術チームのメンバーがその手を汚染区域に位置させたときは、清潔区域に位置している物体に直接接触する前に、手の滅菌処理を行う。清潔区域において用いられる器具は、滅菌処理が行われる、または、滅菌処理されたドレープ7により覆われる。
【0042】
図4に示すように、ドレープ7は、本体部71と、取付部72とを備えている。本体部71は、フィルム状に形成されている。取付部72は、樹脂成型により形成されている。取付部72は、ロボットアーム21およびアダプタ6aが係合する部分に貫通口が設けられている。貫通口は、係合する部分ごとに対応するように設けられていてもよい。また、貫通口は、複数の係合する部分に対応するように設けられていてもよい。
【0043】
図5に示すように、手術器具4は、複数(4個)の被駆動部材44を有している。被駆動部材44は、ハウジング41内に設けられ、Z方向に延びる回転軸線A1を中心に回転可能に設けられている。複数の被駆動部材44は、エンドエフェクタ43を操作(駆動)するために設けられている。たとえば、被駆動部材44は、シャフト42内に挿通されたワイヤ(図示せず)により、エンドエフェクタ43と接続されている。これにより、被駆動部材44の回転に応じてワイヤが駆動されるとともに、ワイヤの駆動に応じてエンドエフェクタ43が操作(駆動)される。また、たとえば、被駆動部材44は、ギア(図示せず)を介してシャフト42に接続されている。これにより、被駆動部材44の回転に応じてシャフト42が回転されるとともに、シャフト42の回転に応じてエンドエフェクタ43が操作される。
【0044】
複数の被駆動部材44は、各々、ロボットアーム21からの駆動力をエンドエフェクタ43に伝達されるために、アダプタ6aの後述する駆動伝達部材61と係合する係合凸部441を含んでいる。係合凸部441は、被駆動部材44のZ2方向側の表面からアダプタ6a側(Z2方向側)に向かって突出している。また、係合凸部441は、アダプタ6aの後述する係合凹部611(
図4参照)に対応する形状を有している。なお、係合凹部611は、特許請求の範囲の「第1係合部」の一例である。
【0045】
図4および
図6に示すように、アダプタ6aは、複数(4個)の駆動伝達部材61と、一対のガイドレール62とを有している。駆動伝達部材61は、ロボットアーム21の駆動部21aの駆動部材21bから手術器具4の被駆動部材44に駆動力を伝達するように構成されている。つまり、駆動伝達部材61は、手術器具4の被駆動部材44に対応するように設けられている。駆動伝達部材61は、Z方向に延びる回転軸線A2を中心に回転可能に設けられている。
【0046】
図4に示すように、複数の駆動伝達部材61は、各々、手術器具4の被駆動部材44の係合凸部441(
図5参照)と係合する係合凹部611を含んでいる。係合凹部611は、駆動伝達部材61の手術器具4側(Z1方向側)に設けられているとともに、駆動伝達部材61のZ1方向側の表面から手術器具4側とは反対側(Z2方向側)に向かって窪んでいる。
【0047】
図6に示すように、複数の駆動伝達部材61は、各々、ロボットアーム21の後述する係合凸部211(
図4参照)と係合する係合凹部612を含んでいる。係合凹部612は、駆動伝達部材61のロボットアーム21側(Z2方向側)に設けられている。係合凹部612は、駆動伝達部材61のZ2方向側の表面からロボットアーム21側とは反対側(Z1方向側)に向かって窪んでいる。なお、複数の駆動伝達部材61の各々は、互いに実質的に同様の構成を有している。なお、係合凹部612は、特許請求の範囲の「第3係合部」の一例である。
【0048】
図7および
図8に示すように、一対のガイドレール62は、手術器具4をアダプタ6aに取り付ける際に、手術器具4のY1方向へのスライド移動を案内するように構成されている。具体的には、一対のガイドレール62は、アダプタ6aのZ1方向側の表面63に設けられている。一対のガイドレール62は、Y方向に沿って延びるように設けられている。一対のガイドレール62は、X方向に互いに対向している。
【0049】
ここで、本実施形態では、
図7および
図8に示すように、係合凹部611とは別個に設けられ、ストッパ6bの回転規制部65(
図11参照)と嵌合する係合凹部613が設けられている。これにより、手術器具4の被駆動部材44とアダプタ6aの係合凹部611との嵌合が解除されるのを抑制するために係合凹部611の形状を特殊な形状とした場合でも、ストッパ6bと係合凹部611とを係合させる場合と異なり、ストッパ6bの形状を係合凹部611の形状に合わせた特殊な形状とする必要がない。これにより、ストッパ6bの構造が複雑化するのを抑制することができる。なお、係合凹部613は、特許請求の範囲の「第2係合部」の一例である。
【0050】
また、係合凹部611および係合凹部613は、駆動伝達部材61に凹状に形成されている。また、ストッパ6bの回転規制部65は、凸形状に形成されている。これにより、係合凹部611および係合凹部613がともに凹状に形成されるので、手術器具4をスライドさせてアダプタ6aに取り付ける際に、係合凹部611および係合凹部613の一方が凸状に形成されている場合と異なり、手術器具4が凸状部分に引っ掛かるのを抑制することができる。
【0051】
また、係合凹部611および係合凹部613は、駆動伝達部材61の回転軸線A2方向にみて、互いに異なる形状を有している。これにより、係合凹部611に嵌合する手術器具4の被駆動部材44が係合凹部613に誤って嵌合するのを抑制することができる。具体的には、係合凹部611および係合凹部613は、駆動伝達部材61の半径方向において、互いに異なる長さを有している。これにより、駆動伝達部材61の回転位置に関わらず、係合凹部611に嵌合する手術器具4の被駆動部材44が係合凹部613に誤って嵌合するのを抑制することができる。
【0052】
Y1方向側に配置された駆動伝達部材61の係合凹部611は、半径方向においてL1の長さを有している。また、Y2方向側に配置された駆動伝達部材61には、それぞれ、係合凹部611が2つ設けられている。2つの係合凹部611は、半径方向において、それぞれ、L2およびL3の長さを有している。一方、駆動伝達部材61に設けられた係合凹部613は、半径方向において、L4の長さを有している。ただし、L1、L2、L3およびL4は、互いに異なる長さである。また、係合凹部613の半径方向の長さL4は、係合凹部611の半径方向の長さL1、L2およびL3よりも小さい。なお、係合凹部613には、駆動伝達部材61のいずれの回転位置においても手術器具4の被駆動部材44は入らない。
【0053】
また、
図12に示すように、駆動伝達部材61は、Z1方向側に配置された第1部材614と、Z2方向側に配置された第2部材615とを含んでいる。係合凹部613は、第1部材614に対して複数設けられている。また、
図8に示すように、回転軸線A2方向で見て、複数の係合凹部613は、回転非対称に配置されている。これにより、駆動伝達部材61の特定の回転位置においてのみ、複数の係合凹部613をストッパ6bの回転規制部65に嵌合させることができるので、駆動伝達部材61を特定の回転位置に位置させた状態で、アダプタ6aをロボットアーム21に取り付けることができる。
【0054】
具体的には、係合凹部613は、第1部材614に対して一対設けられている。また、一対の係合凹部613は、駆動伝達部材61の回転中心に対して、非点対称に配置されている。これにより、非点対称に配置された一対の係合凹部613をストッパ6bの回転規制部65に嵌合させることにより、駆動伝達部材61を特定の回転位置に容易に位置させることができる。また、一対の係合凹部613は、駆動伝達部材61の回転中心を通る直線(係合凹部611が延びる方向の直線)に対して、線対称に配置されている。これにより、線対称に配置された一対の係合凹部613をストッパ6bの回転規制部65に嵌合させることにより、駆動伝達部材61の回転をバランスよく規制することができる。
【0055】
図4に示すように、ロボットアーム21は、駆動部材21bが設けられた駆動部21aを含んでいる。駆動部21aおよび駆動部材21bは、それぞれ、複数(4つ)設けられている。複数の駆動部材21bは、アダプタ6aの複数(4つ)の駆動伝達部材61に対応するように設けられている。駆動部21aは、モータおよびエンコーダを含む。駆動部21aは、駆動部材21bを回転駆動させるように構成されている。駆動部材21bは、係合凸部211を有している。係合凸部211は、駆動伝達部材61の係合凹部612と嵌合するように構成されている。駆動部材21bは、Z方向に延びる回転軸線A3を中心に回転可能に設けられている。
【0056】
(ストッパの構成)
図4に示すように、ストッパ6bは、アダプタ6aに対して着脱可能に構成されている。アダプタセット6は、アダプタ6aと、ストッパ6bとを備えている。
【0057】
図9に示すように、ストッパ6bは、アダプタ6aの駆動伝達部材61の回転位置を位置固定した状態でアダプタ6aに取り付けられている。ここで、位置固定とは、アダプタ6aの駆動伝達部材61の回転角度を位置決めして保持することを示す。
【0058】
具体的には、
図10および
図11に示すように、ストッパ6bは、ストッパ本体部64と、ストッパ本体部64に設けられ、駆動伝達部材61(
図7および
図8参照)の回転を規制する回転規制部65とを含んでいる。ストッパ6bは、駆動部21aの駆動部材21bがアダプタ6aの第2部材615に嵌合する前には回転規制部65により駆動伝達部材61の回転を規制した状態でアダプタ6aに装着されるように構成されている。また、ストッパ6bは、駆動部21aの駆動部材21bがアダプタ6aの第2部材615に嵌合した後にはアダプタ6aから取り外されるように構成されている。これにより、駆動部21aにアダプタ6aを介して手術器具4を装着する際にはストッパ6bは取り外されているので、アダプタ6a自体に駆動伝達部材61の回転を規制するための構造を設ける必要がない。その結果、アダプタ6aに余分な内部構造および内部空間を設けることなくストッパ6bの回転規制部65により駆動伝達部材61の回転を規制することができるので、アダプタ6aの構造の複雑化および大型化を抑制しながら、ロボットアーム21の駆動部21aによる駆動伝達部材61の連れ回りを抑制することができる。
【0059】
ストッパ本体部64は、ポリプロピレンなどの樹脂材により形成されている。ストッパ本体部64は、肉厚を薄くして形成されている。ストッパ本体部64は、Z1方向側から視て、アダプタ6aのZ1方向側の表面63(
図4参照)に対応する形状を有している。ストッパ本体部64のZ1方向側の表面は、略平面状により形成されている。ストッパ本体部64のZ2方向側の表面は、肉厚を薄くするために複数の凹凸を有している。
【0060】
ストッパ本体部64は、アダプタ6a(
図4参照)にストッパ本体部64を取り外し可能に取り付ける取付部66を含んでいる。取付部66は、アダプタ6aに対するストッパ本体部64の位置を固定した状態で取り付けるとともに、アダプタ6aに対するストッパ本体部64の位置の固定を解除した状態で取り外すように構成されている。
【0061】
ストッパ6bは、一対の取付部66により、アダプタ6aの一対のガイドレール62をX方向に挟み込むこんで、アダプタ6aに取り付けられる。
【0062】
回転規制部65は、アダプタ6aの係合凹部613に嵌合するように構成されている。また、回転規制部65は、1つの駆動伝達部材61に対して2つずつ設けられている。また、回転規制部65は、係合凹部613の形状に対応した凸形状に形成されている。つまり、一対の回転規制部65は、駆動伝達部材61の回転中心に対して、非点対称に配置されている。また、一対の回転規制部65は、駆動伝達部材61の回転中心を通る直線に対して、線対称に配置されている。
【0063】
図12に示すように、駆動伝達部材61は、第1部材614と、第2部材615とを含んでいる。第1部材614は、手術器具4の被駆動部材44と嵌合する係合凹部611と、係合凹部611とは別個に設けられ、ストッパ6bの回転規制部65と嵌合する係合凹部613とを有している。第2部材615は、ロボットアーム21の駆動部21aの駆動部材21bと嵌合する係合凹部612を有している。また、駆動伝達部材61は、バネ616を含んでいる。
【0064】
第1部材614は、手術器具4が取り付けられる側(Z1方向側)に配置されている。第2部材615は、ロボットアーム21に取り付けられる側(Z2方向側)に配置されている。また、第2部材615は、バネ616を収容する収容凹部615aを有している。第1部材614と第2部材615とは、バネ616を間に挟んだ状態でZ方向に相対移動可能に嵌合している。また、第1部材614と第2部材615とは、アダプタ6aにより、Z方向に相対移動可能に保持されている。なお、
図12では、Y2方向側に設けられた駆動伝達部材61を示しているが、Y1方向側に設けられた駆動伝達部材61も同様の構成を有している。
【0065】
第1部材614は、バネ616を介して第2部材615に対してZ方向に相対移動可能に設けられている。すなわち、第1部材614は、バネ616を介して第2部材615に対して手術器具4側(Z1方向側)および駆動部21a側(Z2方向側)に相対移動可能に設けられている。これにより、バネ616を利用して第1部材614を第2部材615に対して容易に相対移動させることができる。また、手術器具4をアダプタ6aに装着する際に、駆動伝達部材61の第1部材614をZ2方向側に窪むように移動させることができる。また、第2部材615は、バネ616を介して第1部材614に対してZ方向に相対移動可能に設けられている。すなわち、第2部材615は、バネ616を介して第1部材614に対して手術器具4側(Z1方向側)および駆動部21a側(Z2方向側)に相対移動可能に設けられている。これにより、バネ616を利用して第2部材615を第1部材614に対して容易に相対移動させることができる。また、アダプタ6aをロボットアーム21の駆動部21aに装着する際に、駆動伝達部材61の第2部材615をZ1方向側に窪むように移動させることができる。バネ616は、第1部材614をZ1方向側に付勢し、第2部材615をZ2方向側に付勢している。バネ616は、圧縮ばね(圧縮コイルばね)である。
【0066】
また、第1部材614と第2部材615とは、Z方向に延びる回転軸線A2について一体的に回転するように構成されている。具体的には、第1部材614は、第2部材615と回転方向に係合するように、第2部材615と嵌合する嵌合凸部614bを有している。また、第2部材615は、第1部材614と回転方向に係合するように、第1部材614と嵌合する嵌合凹部615bを有している。嵌合凸部614bは、第1部材614の嵌合凹部623aの内周部から内側に突出するように設けられており、第2部材615の嵌合凹部615bと係合する。嵌合凹部615bは、第2部材615の外周部に内側に窪むように設けられており、第1部材614の嵌合凸部614bと係合する。また、第2部材615の嵌合凹部615bと第1部材614の嵌合凸部614bとは、バネ616を介して第1部材614または第2部材615がZ方向に移動した場合にも、互いの係合状態を維持するように設けられている。これにより、駆動伝達部材61は、バネ616を介して第1部材614または第2部材615がZ方向に移動した場合にも、第1部材614と第2部材615とが一体的に回転するように構成されている。
【0067】
また、第2部材615は、係合凹部612内に設けられた貫通孔615cを有している。貫通孔615cは、第2部材615を、回転軸線A2が延びる方向である回転軸方向(Z方向)に貫通している。貫通孔615cは、回転軸方向から見て、略円形状を有している。第1部材614は、第2部材615の貫通孔615cにZ方向に挿入される挿入部614cを有している。挿入部614cは、回転軸方向に延びるように設けられている。挿入部614cは、略円柱形状を有している。第2部材615の貫通孔615cおよび第1部材614の挿入部614cは、共に、駆動伝達部材61の回転中心に設けられている。また、バネ616は、挿入部614cを取り囲むように設けられている。
【0068】
第2部材615は、駆動部21aの駆動部材21bが第2部材615の係合凹部612に嵌合し、かつ、手術器具4の被駆動部材44が第1部材614の係合凹部611に嵌合している場合において、手術器具4の被駆動部材44に当接することにより、第2部材615の手術器具4側(Z1方向側)への移動を制限する移動制限部である突起615dを有している。これにより、第2部材615が手術器具4側に移動するのを抑制することができるので、駆動部21aの駆動部材21bと第2部材615の係合凹部612部との嵌合が解除されるのを効果的に抑制することができる。
【0069】
第1部材614の係合凹部611には、貫通孔614dが設けられている。移動制限部である突起615dは、駆動伝達部材61の回転軸線A2方向に延びるように形成されている。また、突起615dは、係合凹部611の貫通孔614dに挿入されている。これにより、係合凹部611に移動制限部である突起615dが配置されている場合でも、ストッパ6bの回転規制部65と係合凹部611とを係合させる場合と異なり、移動制限部である突起615dによりストッパ6bの回転規制部65の嵌合が解除されるのを抑制することができる。
【0070】
第1部材614の係合凹部611は、駆動伝達部材61の半径方向において第1方向B1に沿って設けられている。また、第2部材615の係合凹部612部は、駆動伝達部材61の半径方向において第1方向B1に略直交する第2方向B2に沿って設けられている。これにより、第1部材614の係合凹部611に第1方向B1の嵌合隙間を設け、第2部材615の係合凹部612に第2方向B2の嵌合隙間を設けることにより、係合凹部611および係合凹部612の嵌合隙間の方向を互いに略直交させることができるので、嵌合隙間に起因するガタツキが大きくなるのを抑制することができる。
【0071】
(ロボットアームへの手術器具の取り付け)
図13〜
図16を参照して、一実施形態によるロボットアーム21への手術器具4の取り付けについて説明する。
【0072】
図13および
図14に示すように、ロボットアーム21をドレープ7で覆った状態で、ロボットアーム21に、ストッパ6bが付いた状態のアダプタ6aを取り付ける。アダプタ6aは、ロボットアーム21に対してZ方向に移動させて、ロボットアーム21に取り付けられる。
【0073】
図15に示すように、ロボットアーム21にアダプタ6aが取り付けられて、アダプタ6aの各駆動伝達部材61と、ロボットアーム21の各駆動部材21bが嵌合されると、アダプタ6aからストッパ6bが取り外される。
【0074】
図16に示すように、ロボットアーム21に取り付けられたアダプタ6aに対して手術器具4を取り付ける。手術器具4は、アダプタ6aに対してY方向にスライド移動させて、アダプタ6aに取り付けられる。これにより、手術器具4がアダプタ6aを介してロボットアーム21に取り付けられる。
【0075】
次に、
図17および
図18を参照して、ロボットアーム21の駆動部21aにアダプタ6aが装着されて、アダプタ6aに手術器具4が装着された状態の駆動伝達部材61の状態について説明する。
【0076】
図18に示すように、ロボットアーム21の駆動部材21bが、第2部材615の係合凹部612に嵌合すると、第1部材614の挿入部614cが駆動部材21bにより移動が規制されて、第2部材615に対する第1部材614のロボットアーム21側に向かう移動が規制される。そして、手術器具4の被駆動部材44が、第1部材614の係合凹部611に嵌合すると、第2部材615の突起615dが被駆動部材44により移動が規制されて、第1部材614に対する第2部材615の手術器具4側に向かう移動が規制される。これにより、ロボットアーム21の駆動部材21bと、第2部材615の係合凹部612との嵌合が解除されるのが抑制される。
【0077】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。