(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の提供装置等により実現される提供処理を説明する。
図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。なお、
図1では、本実施形態に係る提供装置の一例である情報提供装置10によって、実施形態に係る提供処理などが実現されるものとする。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報提供システム1は、情報提供装置10と、利用者端末100と、配達員端末200とを含む。情報提供装置10、利用者端末100及び配達員端末200は、ネットワークN(例えば、
図4参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、
図1に示した情報提供システム1には、複数台の情報提供装置10、複数台の利用者端末100及び複数台の配達員端末200が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す情報提供装置10は、提供処理を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報提供装置10は、商品の配送に関する配送サービスを利用者端末100に提供する。そして、情報提供装置10は、利用者端末100から購入対象の商品の指定を受け付けると、指定された商品を示す情報を配達員が利用する配達員端末200に提供する。
【0014】
なお、情報提供装置10は、配送サービスに関するアプリケーションのデータそのものを配信するサーバであってもよい。また、情報提供装置10は、利用者端末100や配達員端末200に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語により記述される。なお、情報提供装置10から配信される配送サービスに関するアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0015】
利用者端末100は、利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。例えば、利用者端末100は、利用者の操作に応じて情報提供装置10にアクセスすることにより配送サービスに関する情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。
【0016】
配達員端末200は、商品を利用者に配達する配達員であって、配送サービスの事業者により雇用される配達員によって利用される情報処理装置である。配達員端末200は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。例えば、利用者端末100は、情報提供装置10から提供される配送サービスに関する情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。
【0017】
なお、利用者端末100及び配達員端末200は、情報提供装置10によって配信される情報の表示処理を実現する制御情報を情報提供装置10から受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現してもよい。
【0018】
以下、
図1を用いて、情報提供装置10が行う提供処理について説明する。なお、以下の説明では、利用者端末100が利用者Uにより利用される例を示す。また、以下の説明では、配達員端末200を利用する配達員に応じて、配達員端末200を配達員端末200−1〜200−N(Nは任意の自然数)として説明する。例えば、配達員端末200−1は、配達員ID「D1」により識別される配達員(配達員D1)により利用される配達員端末200である。また、以下では、配達員端末200−1〜200−Nについて、特に区別なく説明する場合には、配達員端末200と記載する。
【0019】
また、以下の説明において、情報提供装置10は、配送サービスの利用者Uの位置(例えば、住所)や、配達員の待機場所、配送サービスにおいて配送される商品の提供元として登録された各店舗(実店舗)の所在地などを示す位置情報を取得しているものとする。
【0020】
まず、情報提供装置10は、各店舗で販売される商品の価格である店頭価格を取得する(ステップSa1)。例えば、情報提供装置10は、各店舗で販売される商品の商品名や、商品画像、在庫数などといった情報を含む商品情報と、店頭価格とを、各店舗の事業者が管理する外部サーバから取得する。
【0021】
続いて、情報提供装置10は、商品情報と共に、店頭価格とは異なる提示価格を利用者Uに提示する(ステップSa2)。例えば、情報提供装置10は、配送サービスの利用者が配送を希望する商品を購入するためのコンテンツ(以下、「配送コンテンツ」と記載する場合がある)を利用者Uに配信する。そして、情報提供装置10は、配送コンテンツ上で、店頭価格(例えば、定価(希望小売価格)よりも値引きされた価格)よりも高い価格である提示価格(例えば、希望小売価格)を、対応する商品情報と共に利用者Uに提示する。なお、
図1の例では、情報提供装置10が、利用者Uの位置から最寄りの位置に所在する店舗S1において販売される商品に関する商品情報と、対応する提示価格とを利用者Uに提示するものとする。
【0022】
続いて、情報提供装置10は、購入対象となる商品の指定を受け付ける(ステップSa3)。例えば、情報提供装置10は、配送コンテンツ上で利用者Uが購入操作を行った商品や、商品の購入数、商品を販売する店舗S1の位置、利用者Uの位置などを示す購入対象情報を利用者端末100から受け付ける。また、利用者Uは、購入対象情報に対応する商品代金及び配送料の決済要求(例えば、クレジットカードや、電子決済などを用いた決済の要求)を、決済サービスを提供する所定の決済サーバに対し送信する。
【0023】
続いて、情報提供装置10は、配達員に購入対象情報を提供する(ステップSa4)。例えば、情報提供装置10は、配達員のうち、店舗S1から最寄りの位置に待機している配達員D1に対し、購入対象情報を提供する。
【0024】
続いて、配達員D1は、店舗S1の店頭で商品を購入し、利用者Uに対して配達する(ステップSa5)。例えば、配達員D1は、店舗S1内において、購入対象情報に対応する商品をピッキングし、店舗S1に設置されたPOS(Point of Sales system)端末を用いてピッキングした商品を購入する。そして、配達員D1は、利用者Uに対して購入した商品を配達する。
【0025】
なお、上述した情報提供装置10が提供する配送サービスでは、利用者から配送料を徴収し、配送コンテンツ上での商品の販売に対する販売手数料を店舗から徴収する。ここで、実施形態に係る配送サービスにおいて発生する金銭の授受について、
図2を用いて説明する。
図2は、実施形態に係る配送サービスにおいて発生する金銭の授受の一例を示す図である。
【0026】
図2に示すように、配送サービスの利用者(購入者)は、商品の配送料を配送サービスに支払う。また、購入者は、配送コンテンツ上で購入操作を行った商品の代金(言い換えると、提示価格に基づく代金)を配送サービス若しくは店舗に支払い、配送サービスが雇用する配達員を介して商品を受け取る。そして、配送サービスは、配達員に対し給与(例えば、時給や、配送した回数(歩合給)に応じた給与)を支払う。
【0027】
ここで、購入者が、商品の代金を配送サービスに対して支払う場合、配送サービスは、購入者が配送コンテンツ上で購入操作を行った商品の店頭価格に基づく代金を、配達員に対し付与する。そして、配達員は、配送サービスから付与された代金を用いて店舗で商品を購入する。すなわち、商品の店頭価格に基づく代金が店舗に支払われ、結果として、店頭価格に基づく代金と、購入者により支払われた代金(提示価格に基づく代金)との差額が販売手数料として配送サービスに徴収される。
【0028】
また、購入者が、商品の代金を店舗に対して支払う場合、店舗は、配達員がピッキングした商品(購入者が購入操作を行った商品)の代金の支払いを受けずに、当該商品に関する情報を店舗の端末装置(例えば、POS端末)により読み込み、店舗における当該商品の在庫の消し込みを行う。そして、店舗は、商品の店頭価格に基づく代金と、提示価格に基づく代金との差額を販売手数料として配送サービスに支払う。
【0029】
なお、
図1の例では、情報提供装置10が、利用者Uの位置から最寄りの位置に所在する一の店舗(店舗S1)で販売される商品の提示価格を提示する例を示したが、情報提供装置10による処理はこのような例に限定されない。例えば、情報提供装置10は、複数の店舗で販売される商品の提示価格を利用者に提示してもよい。ここで、複数の店舗で販売される商品の提示価格を提示する場合の提供処理について、
図3を用いて説明する。
図3は、情報提供装置が実行する提供処理の一例を示す図である。
【0030】
なお、
図3に示す情報提供システム2における情報提供装置10、利用者端末100及び配達員端末200は、
図1に示す情報提供システム1と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0031】
まず、情報提供装置10は、各店舗の事業者が管理する外部サーバから取得した情報に基づく配送コンテンツを利用者Uに配信し、購入対象となる商品の指定を受け付ける(ステップSb1)。例えば、情報提供装置10は、利用者Uの位置から所定の範囲(例えば、1km)内に所在する店舗S1及びS2において販売される商品に関する商品情報と、対応する提示価格とを配送コンテンツにおいて提示する。ここで、情報提供装置10は、店舗S1及びS2がそれぞれ個別に販売する商品であって、同一種別である商品の商品情報及び提示価格を、単一商品に関する情報として配送コンテンツで提示する。具体的な例を挙げると、店舗S1が商品「ミネラルウォーター#1」を店頭価格「100円」で販売し、店舗S2が商品「ミネラルウォーター#1」を店頭価格「90円」で販売している場合、情報提供装置10は、店舗S1及びS2における店頭価格よりも高い提示価格「120円」が設定された商品「ミネラルウォーター#1」に関する情報を配送コンテンツで提示する。
【0032】
続いて、情報提供装置10は、店頭価格と提示価格との差額が最も大きい店舗を、利用者Uが購入対象に指定した商品ごとに選択する(ステップSb2)。例えば、利用者Uが購入対象として商品「ミネラルウォーター#1」を指定した場合、情報提供装置10は、提示価格「120円」との差が最も大きい店頭価格「90円」で商品「ミネラルウォーター#1」を販売している店舗S2を、商品「ミネラルウォーター#1」を購入する購入店舗として選択する。
【0033】
続いて、情報提供装置10は、利用者Uが指定した各商品について選択された店舗を示す購入対象情報を配達員に提供する(ステップSb3)。例えば、情報提供装置10は、配送コンテンツ上で利用者が購入操作を行った商品や、商品ごとの購入店舗などを示す購入対象情報と、利用者Uの位置を示す位置情報とを、店舗S1若しくはS2から最寄りの位置に待機している配達員D1に対し提供する。
【0034】
続いて、配達員D1は、各店舗で商品を購入し、利用者に配達する(ステップSb4)。例えば、配達員D1は、利用者Uが指定した各商品について選択された購入店舗において対応する商品を購入し、利用者Uに配達する。
【0035】
以上のように、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者が購入対象として指定した商品を示す購入対象情報を配達員に提供することにより、配達員による商品の購入及び配達を実現する。これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、商品の配達の手配や、指定された商品の購入処理などの煩雑な処理を店舗側が行うことなく、利用者に対し商品の配送サービスを提供することができる。すなわち、実施形態に係る情報提供装置10は、配送サービスを提供する際における店舗側の負担を軽減することができる。
【0036】
また、実施形態に係る情報提供装置10が提供する配送サービスでは、配達員が店舗に支払う代金(店頭価格)と、利用者から支払われる代金(提示価格)との価格差を利用したアビトラージにより得られる利益を販売手数料として徴収するため、実際に店舗が自身の売上から販売手数料を負担することはない。すなわち、実施形態に係る情報提供装置10は、配送サービスを提供する際における店舗側の経済的な負担を軽減することができる。
【0037】
〔2.情報提供装置の構成〕
次に、
図2を用いて、情報提供装置10の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図4に示すように、情報提供装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0038】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末100、配達員端末200等との間で情報の送受信を行う。
【0039】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図4に示すように、記憶部30は、配達員データベース31と、店舗データベース32と、商品データベース33と、販売履歴データベース34とを有する。
【0040】
(配達員データベース31について)
配達員データベース31は、配達員に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図5を用いて、配達員データベース31が記憶する情報の一例を説明する。
図5は、実施形態に係る配達員データベースの一例を示す図である。
図5の例において、配達員データベース31は、「配達員ID」、「端末情報」、「状況情報」、「待機位置」といった項目を有する。
【0041】
「配達員ID」は、配達員を識別するための識別情報を示す。「端末情報」は、配達員が利用する端末装置(配達員端末200)を識別するための識別情報を示す。「状況情報」は、現在配達員が配達中であるか、待機位置において待機中であるかに関する情報を示す。「待機位置」は、配達をしていない配達員が待機する待機位置を示す。
【0042】
すなわち、
図5では、配達員ID「DID#1」によって識別される配達員が、「端末装置#1」によって識別される配達員端末200を利用し、現在配達中であり、待機位置が「待機位置#1」である例を示す。
【0043】
(店舗データベース32について)
店舗データベース32は、店舗に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図6を用いて、店舗データベース32が記憶する情報の一例を説明する。
図6は、実施形態に係る店舗データベースの一例を示す図である。
図6の例において、店舗データベース32は、「店舗ID」、「店舗名称」、「店舗位置」といった項目を有する。
【0044】
「店舗ID」は、店舗を識別するための識別情報を示す。「店舗名称」は、店舗の名称を示す。「店舗位置」は、店舗の所在地を示す。
【0045】
すなわち、
図6では、店舗ID「SID#1」によって識別される「店舗#1」が、「位置#1」に所在する例を示す。
【0046】
(商品データベース33について)
商品データベース33は、商品に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図7を用いて、商品データベース33が記憶する情報の一例を説明する。
図7は、実施形態に係る商品データベースの一例を示す図である。
図7の例において、商品データベース33は、「商品ID」、「商品情報」、「販売店舗」、「店頭価格」といった項目を有する。
【0047】
「商品ID」は、商品を識別するための識別情報を示す。「商品情報」は、商品に関する情報を示す。なお、
図7の例では、「商品情報」に「商品情報#1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、商品の画像や、商品名、製造元、希望小売価格などといった情報が格納される。「販売店舗」は、商品を販売する店舗を示す。「店頭価格」は、店舗において商品が販売される際の価格を示す。
【0048】
すなわち、
図7の例では、商品ID「PID#1」によって識別される商品の商品情報が「商品情報#1」であり、当該商品が販売店舗「SID#1」において、「店頭価格#1−1」で販売される例を示す。
【0049】
(販売履歴データベース34について)
販売履歴データベース34は、商品の販売履歴に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図8を用いて、販売履歴データベース34が記憶する情報の一例を説明する。
図8は、実施形態に係る販売履歴データベースの一例を示す図である。
図8の例において、販売履歴データベース34は、「履歴ID」、「日時」、「購入利用者」、「購入商品」、「購入店舗」、「提示価格」、「店頭価格」といった項目を有する。
【0050】
「履歴ID」は、商品の販売履歴を識別するための識別情報を示す。「日時」は、商品を販売した日時を示す。「購入利用者」は、商品を購入した利用者を識別するための識別情報を示す。「購入商品」は、購入した商品を識別するための識別情報を示す。「購入店舗」は、配達員が商品を購入した店舗を識別するための識別情報を示す。「提示価格」は、配送サービスにおいて利用者に提示された商品の価格を示す。「店頭価格」は、店舗において商品が販売される際の価格を示す。
【0051】
すなわち、
図8の例では、日時「日時#1」において、利用者「UID#1」が商品「PID#1」を購入し、配達員が当該商品を店舗「SID#1」において購入し、当該商品の提示価格が「提示価格#1」、店頭価格が「店頭価格#1」である例を示す。
【0052】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、
図4に示すように、取得部41と、算出部42と、推定部43と、提示部44と、受付部45と、選択部46と、提供部47と、決定部48とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0053】
(取得部41について)
取得部41は、各店舗における商品の店頭価格を取得する。例えば、
図1の例において、取得部41は、各店舗で販売される商品の商品名や、商品画像、在庫数、商品を販売可能な残余期間(例えば、賞味期限)などといった情報を含む商品情報と、店頭価格とを、各店舗の事業者が管理する外部サーバから取得し、商品データベース33に格納する。
【0054】
なお、取得部41は、天候情報や、配送サービスを利用する利用者に関する情報(例えば、デモグラフィック属性や、サイコグラフィック属性、住所など)、利用者若しくは店舗が所在するエリアにおいて発生する事象(例えば、運動会、花見など)に関する情報、を取得し所定の外部サーバから取得し、記憶部に格納してもよい。
【0055】
(算出部42について)
上述の実施形態において、商品の提示価格として希望小売価格を利用者に提示する例を示した。しかしながら、配送サービスによる商品配送の需要を変化させる要因が存在する
場合、その要因に応じて商品の提示価格を変化させたいといった要望が考えられる。したがって、算出部42は、商品が購入される際の天候に基づいて、当該商品の提示価格を算出する。具体的な例を挙げると、算出部42は、商品が購入される際の天候が悪天候(例えば、大雨や、強風、台風、降雪など)である場合、店頭価格(例えば、希望小売価格よりも値引きされた価格)に対し、通常の提示価格(例えば、希望小売価格)に天候に応じた所定の割合(例えば、110%、120%)を乗算した額である提示価格を算出する。
【0056】
さらに、商品の需要を変化させる要因が存在する場合、その要因に応じて提示価格を変化させたいといった要望が考えられる。したがって、算出部42は、商品の購買履歴に基づいて、当該商品の提示価格を算出してもよい。例えば、算出部42は、販売履歴データベース34を参照し、商品の販売履歴に基づいて商品の需要を予測する。そして、算出部42は、商品の需要が低い時間帯若しくは曜日には、通常の提示価格に所定の割合を除算した当該商品の提示価格(例えば、店頭価格よりも高く、且つ、通常の提示価格よりも低い価格)を算出する。また、算出部42は、商品の需要が高い時間帯若しくは曜日には、通常の提示価格に所定の割合を乗算した当該商品の提示価格を算出する。
【0057】
また、算出部42は、商品と所定の関連性を有する事象の有無に基づいて、当該商品の提示価格を算出してもよい。例えば、算出部42は、事象「運動会」が発生するエリアに所在する利用者に対しては、事象「運動会」に関連する商品(例えば、スポーツ飲料)の通常の提示価格に所定の割合を乗算した提示価格を算出する。
【0058】
さらに、配送サービスの実績に応じて利用者に提示する提示価格を変化(例えば、提示価格を低下)させることによって、利用者の配送サービスの継続利用を促進させたいといった要望が考えられる。したがって、算出部42は、利用者の属性に基づいて、当該商品の提示価格を算出してもよい。例えば、算出部42は、販売履歴データベース34を参照し、利用者の配送サービスの利用回数(リピータであるか否か)に応じて、当該利用者に提示する提示価格を算出する。具体的な例を挙げると、算出部42は、配送サービスの利用回数が所定の閾値以上である利用者(リピータ)に対しては、通常の提示価格に所定の割合を除算した提示価格を算出する。また、算出部42は、配送サービスを利用したことがない利用者(新規利用者)に対しては、通常の提示価格に所定の割合を除算した提示価格を算出する。
【0059】
なお、算出部42は、利用者のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性に基づいて、当該商品の提示価格を算出してもよい。例えば、算出部42は、販売履歴データベース34を参照し、商品の販売履歴に基づいて利用者の年齢や性別、家族構成などの属性ごとに商品の需要を予測する。そして、算出部42は、商品の需要が低い属性の利用者に対しては、通常の提示価格に所定の割合を除算した当該商品の提示価格を算出する。また、算出部42は、商品の需要が高い属性の利用者に対しては、通常の提示価格に所定の割合を乗算した当該商品の提示価格を算出する。
【0060】
さらに、商品の状態に応じて提示価格を変化させることによって、商品の訴求効果を高めたいといった要望が考えられる。したがって、算出部42は、商品を販売可能な残余期間に基づいて、当該商品の提示価格を算出してもよい。例えば、算出部42は、現時点から賞味期限と設定された日時までの期間が所定の閾値(例えば、24時間)内である商品に対して、通常の提示価格に所定の割合を除算した当該商品の提示価格を算出する。
【0061】
(推定部43について)
商品の情報を利用者に提示する際、利用者から購入対象として指定されやすい商品(すなわち、訴求効果の高い商品)を把握したいといった要望が考えられる。したがって、推定部43は、利用者が商品を購入対象として指定する確度を推定する。例えば、推定部43は、販売履歴データベース34を参照し、商品の販売履歴に基づいて当該商品の需要を予測し、予測した需要が高い程確度を高く推定する。具体的な例を挙げると、推定部43は、提示価格を利用者に提示する際の天候や気温、季節などに応じて予測した需要に基づき、確度を推定する。また、推定部43は、提示価格を利用者に提示する際の時間帯や曜日に応じて予測した需要に基づき、確度を推定する。また、推定部43は、提示価格を提示する利用者の属性に応じて予測した需要に基づき、確度を推定する。また、推定部43は、提示価格を提示する利用者が所在するエリアにおいて発生する事象に応じて予測した需要に基づき、確度を推定する。
【0062】
(提示部44について)
提示部44は、所定の店舗で販売される商品の価格であって、当該店舗で購入した場合の価格である店頭価格とは異なる提示価格を利用者に提示する。例えば、
図1の例において、提示部44は、店舗データベース32及び商品データベース33を参照し、利用者Uの位置から最寄りの位置に所在する店舗S1において販売される商品に関する商品情報と、対応する提示価格とを利用者Uに提示する。
【0063】
また、提示部44は、提示価格として、店頭価格よりも高い価格を提示してもよい。例えば、
図1の例において、提示部44は、店頭価格(例えば、希望小売価格よりも値引きされた価格)よりも高い価格である提示価格(例えば、希望小売価格)を、対応する商品情報と共に利用者Uに提示する。
【0064】
ここで、店頭価格よりも値引きした提示価格を配送サービス上で提示することにより、配送サービスの利用を促進したい場合が考えられる。したがって、提示部44は、提示価格として、店頭価格よりも低い価格を提示してもよい。例えば、提示部44は、店頭価格に所定の割合を除算した価格である提示価格を提示する。なお、店頭価格よりも低い価格を提示価格として提示する場合、提示部44は、店頭価格と提示価格との差額を、配送サービスの事業者が負担する金額として設定してもよい。
【0065】
さらに、一の店舗で販売される商品の情報を提示するだけでは、利用者のニーズに応えられない場合が考えられる。したがって、提示部44は、複数の店舗で販売される商品の提示価格を利用者に提示してもよい。例えば、
図3の例において、提示部44は、利用者Uの位置から所定の範囲(例えば、1km)内に所在する店舗S1及びS2において販売される商品に関する商品情報と、対応する提示価格とを配送コンテンツにおいて提示する。
【0066】
また、提示部44は、複数の店舗がそれぞれ個別に販売する複数の商品であって、同一種別の商品の提示価格を、単一商品の提示価格として提示してもよい。例えば、
図3の例において、提示部44は、店舗S1が商品「ミネラルウォーター#1」を店頭価格「100円」で販売し、店舗S2が商品「ミネラルウォーター#1」を店頭価格「90円」で販売している場合、情報提供装置10は、店舗S1及びS2における店頭価格よりも高い提示価格「120円」が設定された商品「ミネラルウォーター#1」に関する情報を配送コンテンツにおいて提示する。
【0067】
さらに、店舗の事業者が配送サービスに関するコンテンツを提供する場合、店舗側の負担が軽減できないと考えられる。したがって、提示部44は、店舗の事業者とは異なる事業者により提供される配送サービスのウェブコンテンツを介して、提示価格を利用者に提示してもよい。例えば、
図1の例において、提示部44は、店舗S1の事業者とは異なる事業者により提供される配送サービスの配送コンテンツを介して、提示価格を利用者に提示する。
【0068】
さらに、利用者から購入対象として指定されやすい商品の情報を提示することにより、配送サービスの訴求効果を高めたいという要望が考えられる。したがって、提示部44は、推定部43により推定された確度に応じて選択された商品の提示価格を利用者に提示してもよい。例えば、提示部44は、確度が所定の閾値以上である商品の商品情報と、提示価格とを配送コンテンツにおいて優先的に提示(例えば、配送コンテンツのファーストビューにおいて提示)する。
【0069】
(受付部45について)
受付部45は、利用者から、購入対象となる商品の指定を受け付ける。例えば、
図1の例において、受付部45は、配送コンテンツ上で利用者Uが購入操作を行った商品や、商品の購入数、商品を販売する店舗S1の位置などを示す購入対象情報を利用者端末100から受け付け,販売履歴データベース34に格納する。
【0070】
ここで、いずれの店舗から商品を提供されるか利用者が把握できない場合、利用者が安心感を得られないと考えられる。したがって、受付部45は、購入対象となる商品の指定と、当該商品を購入する店舗の指定とを受け付けてもよい。例えば、提示部44は、配送コンテンツにおいて、商品の商品情報及び提示価格と共に、当該商品を販売する店舗のうちいずれかを選択可能に提示する。そして、受付部45は、購入対象となる商品の指定と、当該商品を販売する店舗の指定とを受け付ける。
【0071】
(選択部46について)
複数の店舗で販売される同一種別の商品が購入対象として指定された場合、提示価格との差額がより大きい店頭価格で販売する店舗から商品を購入することにより、利益を向上させたいという要望が考えられる。したがって、選択部46は、利用者が指定した商品を販売する店舗のうち提示価格と店頭価格との差に基づいて、当該商品を購入する店舗を購入店舗として選択する。例えば、
図3の例において、選択部46は、商品データベース33を参照し、利用者Uが指定した商品を販売する店舗のうち、店頭価格と提示価格との差額が最も大きい店舗を、当該商品を購入する購入店舗として選択する。
【0072】
また、選択部46は、購入店舗を商品ごとに選択してもよい。例えば、
図3の例において、選択部46は、利用者Uが購入対象に指定した商品ごとに購入店舗を選択する。
【0073】
さらに、商品の購入態様に対応する配達員に商品を配達させることにより、配達の効率を向上させることが可能と考えられる。したがって、選択部46は、購入対象となる商品の購入態様に基づいて、当該商品を配達する配達員を選択してもよい。例えば、選択部46は、購入対象となる商品の数や重さに応じて、所定の移動手段により商品を配達する配達員を選択する。具体的な例を挙げると、購入対象となる商品の総重量が10kg未満である場合には、自転車により商品を配達する配達員を選択し、購入対象となる商品の総重量が10kg以上である場合には、原動機付自転車や自動車などにより商品を配達する配達員を選択する。また、選択部46は、購入店舗から利用者の位置までが1km未満である場合には、自転車により商品を配達する配達員を選択し、購入店舗から利用者の位置までが1km以上である場合には、原動機付自転車や自動車などにより商品を配達する配達員を選択する。
【0074】
また、選択部46は、購入対象となる商品の配達先または当該商品を販売する店舗の位置に基づいて、当該商品を配達する配達員を選択してもよい。例えば、
図1の例において、選択部46は、配達員データベース31を参照し、店舗S1から最寄りの位置に待機している配達員D1を、商品を配達する配達員として選択する。なお、選択部46は、商品の配達先である利用者の位置や、購入店舗の所在地から所定の範囲(例えば、1km)内に待機している配達員を、商品を配達する配達員として選択してもよい。
【0075】
(提供部47について)
提供部47は、利用者が指定した商品を示す購入対象情報を配達員が使用(利用)する端末装置に提供する。例えば、
図1の例において、提供部47は、配達員D1が利用する配達員端末200−1に対し、配送コンテンツ上で利用者Uが購入操作を行った商品や、商品の購入数、商品を販売する店舗S1の位置、利用者Uの位置などを示す購入対象情報を提供する。
【0076】
また、提供部47は、購入対象情報として、利用者が指定した商品と、当該商品の購入店舗として選択された店舗とを示す情報を端末装置に提供してもよい。例えば、提供部47は、選択部46により選択された購入店舗を示す購入対象情報を配達員端末200に提供する。
【0077】
また、提供部47は、購入対象情報として、利用者が指定した商品と、当該商品を購入する店舗として指定された店舗とを示す情報を端末装置に提供してもよい。例えば、提供部47は、利用者から指定された購入対象となる商品と、当該商品を購入する店舗とを示す購入対象情報を配達員端末200に提供する。
【0078】
また、提供部47は、配送サービスを提供する事業者により雇用された配達員が使用する端末装置に対し、購入対象情報を提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部47は、配送サービスの事業者により雇用される配達員によって利用される配達員端末200に対し購入対象情報を提供する。なお、提供部47は、配送サービスの事業者により雇用される配達員であって、利用者に商品を配送する業務を行い、且つ、店舗における所定の業務(例えば、品出しや、棚卸など)を行う配達員に対し、購入対象情報を提供してもよい。
【0079】
また、提供部47は、店舗の事業者により雇用された配達員が使用する端末装置に対し、購入対象情報を提供してもよい。例えば、提供部47は、店舗の事業者により雇用された配達員が利用する配達員端末200に対し、購入対象情報を提供する。なお、提供部47は、店舗の事業者により雇用される配達員であって、利用者に商品を配送する業務を行い、且つ、店舗における所定の業務を行う配達員に対し、購入対象情報を提供してもよい。
【0080】
また、提供部47は、選択部46により選択された配達員が使用する端末装置に対し、購入対象情報を提供してもよい。例えば、提供部47は、購入対象となる商品の購入態様に基づいて選択された配達員が利用する配達員端末200に対し、購入対象情報を提供する。
【0081】
ここで、購入対象となる商品について、店舗側で在庫の消し込み等の特別な処理を行う必要がある場合、店舗側の処理の負担が軽減できないと考えられる。したがって、提供部47は、所定の店舗に設置された決済装置であって、当該店舗に訪問した利用者が商品を購入する際に用いられる決済装置を用いて商品を購入する配達員の端末装置に対して、購入対象情報を提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部47は、店舗S1内において購入対象情報に対応する商品をピッキングし、店舗S1に設置されたPOS端末を用いてピッキングした商品を購入する配達員D1に対し、購入対象情報を提供する。
【0082】
(決定部48について)
適切な待機場所に配達員を配置することにより、商品の配送を円滑に行うことが可能と考えられる。したがって、決定部48は、配達員が待機する待機場所を決定する。例えば、決定部48は、店舗の所在地から所定の範囲(例えば、1km)内の人口に応じた数の配達員が配置されるように、各配達員の待機場所を決定する。また、決定部48は、配達員データベース31を参照し、待機場所(待機位置)で待機する配達員の数が所定の閾値以上となるように、各配達員の待機場所を決定する。なお、決定部48は、商品を配達中である配達員の次の待機場所(帰還先)を、配達を行う前に待機していた待機場所とは異なる待機場所に決定し、次の待機場所を示す情報を配達員に通知してもよい。
【0083】
また、決定部48は、商品の配達先の履歴に基づいて、待機場所を決定してもよい。例えば、決定部48は、販売履歴データベース34を参照し、商品の販売履歴(言い換えると、商品の配達の履歴)に基づいて、待機場所が所在するエリアごとの配送サービスの需要を予測し、需要に応じた数の配達員が配置されるように、各配達員の待機場所を決定する。具体的な例を挙げると、推定部43は、待機場所が所在するエリアの天候や気温、季節などに応じて予測した配送サービスの需要に基づき、各配達員の待機場所を決定する。また、推定部43は、待機場所が所在するエリアの時間帯や曜日に応じて予測した配送サービスの需要に基づき、各配達員の待機場所を決定する。また、推定部43は、待機場所が所在するエリアの利用者の属性に応じて予測した配送サービスの需要に基づき、各配達員の待機場所を決定する。また、推定部43は、待機場所が所在するエリアにおいて発生する事象に応じて予測した配送サービスの需要に基づき、各配達員の待機場所を決定する。
【0084】
また、決定部48は、店頭価格と提示価格との差が所定の条件を満たす店舗の位置に基づいて、待機場所を決定してもよい。例えば、決定部48は、所定の範囲内に所在する複数の店舗であって、同一種別である商品をそれぞれ個別に販売する複数の店舗のうち、当該商品の店頭価格と提示価格との差が最も大きい店舗の最寄りの待機場所に、配達員が優先的に配置されるように決定する。
【0085】
〔3.提供処理のフロー〕
図9を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の提供処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0086】
図9に示すように、情報提供装置10は、利用者から商品情報の提示要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。ここで、提示要求を受け付けていない場合(ステップS101;No)、情報提供装置10は、提示要求を受け付けるまで待機する。
【0087】
一方、提示要求を受け付けた場合(ステップS101;Yes)、情報提供装置10は、店頭価格とは異なる価格である提示価格を決定する(ステップS102)。続いて、情報提供装置10は、提示価格と共に、各商品の情報を提供する(ステップS103)。続いて、情報提供装置10は、利用者から商品の注文を受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。注文を受け付けていない場合(ステップS104;No)、情報提供装置10は、注文を受け付けるまで待機する。
【0088】
一方、注文を受け付けた場合(ステップS104;Yes)、情報提供装置10は、配達員に対し、店頭購入して届ける対象となる商品の情報を提供し(ステップS105)、処理を終了する。
【0089】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0090】
〔4−1.配送サービスにおいて配送される商品の提供元について〕
上述の実施形態において、商品の提供元が飲料等を販売する店舗である例を示したが、情報提供装置10が提供する配送サービスはこのような例に限定されない。例えば、情報提供装置10は、食料品や、衣料品、医薬品(例えば、OTC医薬品)、家電製品などといった各種の商品を、希望小売価格よりも値引きされた価格で販売するディスカウントストア(例えば、スーパーマーケット、百貨店、家電量販店、ドラッグストア)から提供される商品を配送する配送サービスを提供してよい。
【0091】
〔4−2.配達員による商品の購入について〕
上述の実施形態における配送サービスにおいて、店舗で配達員が商品を購入する例を示したが、情報提供装置10が提供する配送サービスはこのような例に限定されない。例えば、情報提供装置10は、配達員が店舗において商品のピッキングのみを行い、商品を配送する配送サービスを提供してもよい。具体的な例を挙げると、受付部45が購入対象となる商品の指定を利用者から受け付けた場合、情報提供装置10は、購入店舗に対する商品代金(店頭価格に基づく代金)の決済要求を所定の決済サーバに送信する共に購入店舗の事業者が管理する外部サーバにアクセスし、購入対象である商品の在庫の消し込みを行う。これにより、情報提供装置10が提供する配送サービスにおいて、配達員は、店舗において商品を購入する処理を行うことなく商品を利用者に配送できる。
【0092】
〔4−3.配送先の利用者に関する情報の提供について〕
情報提供装置10は、商品の配送先の利用者に関する情報を、当該利用者と所定の関係性を有する他の利用者に提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、商品の配送先の利用者(例えば、高齢者)の健康状態に関する情報を配達員端末200から取得し、取得した情報を当該利用者の親族(例えば、利用者が配送サービスの決済に用いた家族カードの主契約者)に提供する。
【0093】
〔4−4.提示価格の提示について〕
上述の実施形態において、提示部44が、提示価格を利用者に提示する例を示したが、提示部44の機能はこのような例に限定されず、店舗の事業者に提示価格を提示してもよい。例えば、提示部44は、算出部42が算出した提示価格を、算出元となった情報(例えば、商品が購入される際の天候や、商品の購買履歴、利用者の属性、商品と所定の関連性を有する事象の有無、商品を販売可能な残余期間など)と共に店舗の事業者に提示する。そして、提示部44は、店舗の事業者から承認された提示価格を利用者に提示する。
【0094】
なお、提示部44は、店頭価格と提示価格との差額のうち、所定の割合の金額を、店舗の事業者に支払われる報酬として提示してもよい。
【0095】
〔4−5.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0096】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0097】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0098】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置10は、取得部41と、算出部42と、推定部43と、提示部44と、受付部45と、選択部46と、提供部47と、決定部48とを有する。取得部41は、各店舗における商品の店頭価格を取得する。算出部42は、商品が購入される際の天候に基づいて、当該商品の提示価格を算出する。推定部43は、利用者が商品を購入対象として指定する確度を推定する。提示部44は、所定の店舗で販売される商品の価格であって、当該店舗で購入した場合の価格である店頭価格とは異なる提示価格を利用者に提示する。また、提示部44は、推定部43により推定された確度に応じて選択された商品の提示価格を利用者に提示する。受付部45は、利用者から、購入対象となる商品の指定を受け付ける。選択部46は、利用者が指定した商品を販売する店舗のうち提示価格と店頭価格との差に基づいて、当該商品を購入する店舗を購入店舗として選択する。また、選択部46は、購入店舗を商品ごとに選択する。提供部47は、利用者が指定した商品を示す購入対象情報を配達員が使用する端末装置に提供する。また、提供部47は、購入対象情報として、利用者が指定した商品と、当該商品の購入店舗として選択された店舗とを示す情報を端末装置に提供する。決定部48は、配達員が待機する待機場所を決定する。
【0099】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、商品の配達の手配や、指定された商品の購入処理などの煩雑な処理を店舗側が行うことなく、利用者に対し商品の配送サービスを提供することができため、配送サービスを提供する際における店舗側の負担を軽減することができる。
【0100】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、提示部44は、提示価格として、店頭価格よりも高い価格を提示する。また、提示部44は、提示価格として、店頭価格よりも低い価格を提示する。また、提示部44は、複数の店舗で販売される商品の提示価格を利用者に提示する。また、提示部44は、複数の店舗がそれぞれ個別に販売する複数の商品であって、同一種別の商品の提示価格を、単一商品の提示価格として提示する。
【0101】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者に提示する価格の設定を店舗側が行うことなく、利用者に対し商品の配送サービスを提供することができため、配送サービスを提供する際における店舗側の負担を軽減することができる。
【0102】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、受付部45は、購入対象となる商品の指定と、当該商品を購入する店舗の指定とを受け付ける。そして、提供部47は、購入対象情報として、利用者が指定した商品と、当該商品を購入する店舗として指定された店舗とを示す情報を端末装置に提供する。
【0103】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者が指定した商品を利用者が指定した店舗から配送することができるため、配送サービスにおける利便性を向上できる。
【0104】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、提示部44は、店舗の事業者とは異なる事業者により提供される配送サービスのウェブコンテンツを介して、提示価格を利用者に提示する。そして、提供部47は、配送サービスを提供する事業者により雇用された配達員が使用する端末装置に対し、購入対象情報を提供する。また、提供部47は、所定の店舗に設置された決済装置であって、当該店舗に訪問した利用者が商品を購入する際に用いられる決済装置を用いて商品を購入する配達員の端末装置に対して、購入対象情報を提供する。また、提供部47は、店舗の事業者により雇用された配達員が使用する端末装置に対し、購入対象情報を提供する。
【0105】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、商品の配達の手配や、指定された商品の購入処理などの煩雑な処理を店舗側が行うことなく、利用者に対し商品の配送サービスを提供することができため、配送サービスを提供する際における店舗側の負担を軽減することができる。
【0106】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、選択部46は、購入対象となる商品の購入態様に基づいて、当該商品を配達する配達員を選択する。そして、提供部47は、選択部46により選択された配達員が使用する端末装置に対し、購入対象情報を提供する。また、選択部46は、購入対象となる商品の配達先または当該商品を販売する店舗の位置に基づいて、当該商品を配達する配達員を選択する。
【0107】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、商品の購入態様に応じた配達員により商品の配送が行われるため、配送サービスにおける利便性を向上できる。
【0108】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、算出部42は、商品の購買履歴に基づいて、当該商品の提示価格を算出する。また、算出部42は、利用者の属性に基づいて、当該商品の提示価格を算出する。また、算出部42は、商品と所定の関連性を有する事象の有無に基づいて、当該商品の提示価格を算出する。また、算出部42は、商品を販売可能な残余期間に基づいて、当該商品の提示価格を算出する。
【0109】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、種々の情報に基づいて提示価格を算出するため、配送サービスにいて適切な価格を提示できる。
【0110】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、決定部48は、商品の配達先の履歴に基づいて、待機場所を決定する。また、決定部48は、店頭価格と提示価格との差が所定の条件を満たす店舗の位置に基づいて、待機場所を決定する。
【0111】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、商品の配達の手配を店舗側が行うことなく、利用者に対し商品の配送サービスを提供することができため、配送サービスを提供する際における店舗側の負担を軽減することができる。
【0112】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。
図10は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0113】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0114】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0115】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0116】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0117】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、情報提供装置10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0118】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0119】
また、上述した情報提供装置10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0120】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。