(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971298
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】経編バンド組織が形成された経編生地およびブラジャーの構造
(51)【国際特許分類】
A41C 3/12 20060101AFI20211111BHJP
A41C 3/00 20060101ALI20211111BHJP
D04B 21/10 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
A41C3/12 C
A41C3/00 Z
D04B21/10
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-233812(P2019-233812)
(22)【出願日】2019年12月25日
(65)【公開番号】特開2021-55241(P2021-55241A)
(43)【公開日】2021年4月8日
【審査請求日】2019年12月25日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0121828
(32)【優先日】2019年10月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519461196
【氏名又は名称】テクスマコーポレーション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】カン、ブユン ギル
【審査官】
五閑 統一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−521416(JP,A)
【文献】
特開2007−063718(JP,A)
【文献】
特開2005−042266(JP,A)
【文献】
特開平03−019945(JP,A)
【文献】
特開平11−229254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41C 3/00
D04B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生地組織を成すグラウンド組織は、少なくとも2個のグラウンドガイドバーが複数個数字配列のチェーン番号数字群からなる単位チェーンにより1個形成される一定の形状の網組織(A)と、前記チェーン番号数字群と同じチェーン番号数字群が連続的に繰り返されるように組み立てられた複数個の単位チェーンにより複数個形成される前記網組織(A)と、さらに前記複数個の網組織(A)と同時に、他のグラウンドガイドバーにより生地組織の一側に帯形態で一定間隔に形成される経編バンド(510)と、を有することを特徴とする経編バンド組織が形成された経編生地構造。
【請求項2】
前記グラウンドガイドバーのG1、G3、G4のチェーン番号は、G1が2−0、0−2であり、G3は、0−0、2−2であり、G4の場合は、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、2−2であることを特徴とする請求項1に記載の経編バンド組織が形成された経編生地構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経編機の一種である一般ラッシェル機により経編バンド組織が形成された経編生地構造(略称:バンドレース地)およびブラジャーの構造に関し、生地のグラウンド組織が一定形状の複数個の網組織から構成された単位組織だけで形成されることもでき、それぞれ異なる形状の単位組織が連続的かつ複合的に形成される生地にバンド組織を形成して製織できる経編バンド組織が形成された経編生地構造およびブラジャーの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、本発明の技術を理解するために用語について解説する。経編生地の構成において経編生地は、グラウンド組織とパターン組織が共に組み合わせられて編織され、ここで、グラウンド組織とは、編織方向(縦)に経糸が一定の形状の網構造に織られる組織であって、経編生地を構成する基礎組織であって、パターンバーによるパターン組織の背景となる組織をいう。パターン組織とは、経編機により生地の製織時、グラウンド組織と共に織られる組織であって、編織方向に織られる緯糸で左右または直線、緩慢な曲線で編織される組織をいう。バーン−アウトとは、下地面を溶かして穴があけられて織物の組織構造を示すためのものをいう。
【0003】
従来技術である第1実施例として韓国デザイン登録第30−0397958号に示されており、そのデザイン内容は、
図1に示されたように、グラウンド組織が同じ編物地であって、材質は、ナイロンまたはポリエステル原糸で製織した生地であり、編物地1の全体単一面上でグラウンド組織2が形成されることによって、多少広いグラウンド組織4は、製織時に縦糸に沿って上がって該当部分でグラウンドバーの役割をする糸が必要な場所だけで作動して一定形態のグラウンド組織4を製織するジャカード機で編織されたものであり、また、左右側の縦糸をつなぐパターンバーの糸が作動して立体感のある花模様パターン3を作る機能があるジャカードラッセル機で製織された技術が公知されている。
【0004】
従来技術である第2実施例として
図1のような従来技術の単調さを避けるために、本発明者は、韓国特許登録第10−0970235号で特許を受けたことがあり、その技術は、
図2に示されたように、ラッシェル機で複数個の単位チェーンで組み立てられたチェーンに連動する複数個のガイドバー間の相互作動により各ガイドバーに整経された経糸によりループ形態で編成されたグラウンド組織とパターン組織が組み合わせられて編成される経編生地において、前記グラウンド組織は、少なくとも2個のグラウンドガイドバーが複数個数字配列のチェーン番号数字群からなる単位チェーンにより一定の形状の網組織Aを1個形成し、前記チェーン番号数字群と同じチェーン番号数字群が連続的に繰り返されるように組み立てられた複数個の単位チェーンにより前記網組織Aを複数個形成し、前記チェーン番号数字群に引き続いて他の数字配列の連結用チェーン番号数字群からなる単位チェーンにより連結部10a、10b、20a、20bを形成して表出される一定形態の単位組織Bと、前記単位組織Bから連続して前記単位組織Bのチェーン番号数字群および連結用チェーン番号数字群と同一または異なるチェーン番号数字群が複数個繰り返されて前記単位組織Bの形状と異なる形状で編成される複数個の単位組織Bを形成して、全体的に一つのサイクルを形成しつつ表出される単位デザイン10で構成され、前記単位デザイン10と同一または異なる形態の単位デザイン20が横方向に連続的に少なくとも1個以上配列されて複合的に表出されることを特徴とするグラウンド組織が複合的単位組織により多様なデザイン形態で表出される経編生地100を発明したことがある。
【0005】
経編物の製造工程は、グラウンドビームおよびパターンビームに原糸を掛けておく原糸供給工程と、給糸機構により経糸ビームで送出された複数本の糸がそれぞれ対応するガイドバーに設置された編針に縦に供給する給糸工程と、所定のストランド数の経糸を長さおよび張力を均一に所定の幅になるように配列してビームに巻く整経工程と、針を利用して原糸が円筒で相互交差して原糸が出る一種の原糸を供給されて、整経された経糸が縦方向に供給されて整経された経糸の縺れにより縦方向に組織を編成させた編環が縦方向に連結されてグラウンド組織とパターン組織が似合って編成される編織工程と、編環がからまって編布を形成して編成された生地を巻くローリング工程とから構成される。
【0006】
そして、製造しようとする経編物の生地デザインを意匠紙上に設計して原糸の移動経路を決定した後、移動経路による最小の単位となる1個の循環のグラウンド組織とパターン組織を示すチェーン配列表を作成し、その番号によって単位チェーンを組み立てて、それぞれの線輪に合う必要な整経および通経方法を表示する。
【0007】
したがって、グラウンド組織およびパターン組織は、単位チェーンの形態別と高低の差異によって、そして組合わせられた単位チェーンの数字、すなわち組み合わせられた単位チェーンの距離によって多様な形態のグラウンド網組織と模様デザインに決定されるものである。
【0008】
このように製織された生地200は、
図3に示されたように、グラウンド組織を形成する糸は、ポリであり、パターン組織を形成する糸は、綿からなるものであって(ポリと綿からなってもよいが、ポリにレーヨンなどの自然糸からなるものであってもよく、ナイロングラウンドとパターン糸ポリも可能である)、各製造工程を経ることによって、代表的な技術として生地にパターン加工面210には染色面を形成し、これにバーン−アウト220をさせることになれば、生地組織100が現れることになり、その縁部には、発泡をさせて発泡面230を作って所望の色と形態などが現れることになっており、その下地を成すグラウンド組織が多様な形態で現れるので、全体的な視覚的な面において既存の一般ラッシェル機で表出される生地デザインよりもさらに多様な生地デザインが形成されることによって、高品格で表出されるものがあった。
【0009】
図4及び
図5の網組織を示す意匠設計図案で示すように、韓国特許登録第10−0970235号のように、前記単位組織の網組織の形状が四角形、ダイヤモンド型、菱形または六角形からなるもののうちいずれか一つの形状で形成される。
【0010】
前記四角形の網組織形状は、グラウンドガイドバーG1のチェーン番号数字群は、2−0、0−2、2−0、0−2であり、グラウンドガイドバーG2とG3のチェーン番号数字群は、網の形状によってG1のチェーン番号数字群を基本とし、G2とG3の可変的な様々なチェーン番号数字群である単位チェーンにより形成されることを明らかにする。
【0011】
前記六角形の網組織形状は、基本形であって、グラウンドガイドバーG1のチェーン番号数字群は、2−0、0−2、2−0、2−4、4−2、2−4であり、グラウンドガイドバーG2のチェーン番号数字群である0−0、2−2、0−0、4−4、2−2、4−4と変形された六角の形態によって変化する単位チェーンにより形成される。
【0012】
一方、網組織の大きさを変更させようとする場合には、G2またはG3の原糸L2、L3が1個以上編織方向または幅方向に目の進行方向に沿って1目引き抜き、2目引き抜きなどの編針間隔が一定間隔の形態でスキップするか、減少するように編織されることによって、網組織の形状、すなわち網目の幅と長さを変更させることができることを明らかにし、かつ、経糸の太さおよび間隔の変化を通じて様々な形態に形成され得ることはすでに公知されていることを明らかにしておく。
【0013】
しかしながら、このようなレース地の下地を成す技術は開発されていたが、弾力を有する構造は開発されていないため、糸自体によるテンションだけを利用するのが実情であり、特に最も多く使用されるブラジャーのバスト輪郭(パンティーの腰帯)には、依然としてテンションバンド部を別途作成した上で、ブラジャーに付着して使用することになるため、厚みが厚いか、または製作がわずらわしいなどの問題点があった。
【0014】
特に、ブラジャーは、バストを包む女性用下着であって、乳房を保持し保護し、バストの形態を校正する役割をするものであって、伸縮性を有する場合、健康に良いが、現在は、バストを圧迫するバスト輪郭テンションバンド部により胸をしめつけるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国デザイン登録第30−0397958号
【特許文献2】韓国特許登録第10−0970235号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前述のような問題点を解消するためになされたものであって、製織工場で製織された生地に一定形態または多様な単位組織からなるグラウンド組織において、レース地の模様の一側の裏面に追加カバーリング糸(例えば、スパンデックスと糸)で伸縮性が良好なレース地を提供することにその目的がある。
【0017】
また、従来のブラジャーの肩部位が厚くなって、弾力性がなく、活動性が保障され、健康美にも良いレース地を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、生地組織を成すグラウンド組織は、少なくとも2個のグラウンドガイドバーが複数個数字配列のチェーン番号数字群からなる単位チェーンにより
1個形成される一定の形状の網組織(A)と、前記チェーン番号数字群と同じチェーン番号数字群が連続的に繰り返されるように組み立てられた複数個の単位チェーンにより
複数個形成される前記網組織(A)と、さらに
前記複数個の網組織(A)と同時に、他のグラウンドガイドバーにより生地組織の一側に帯形態
で一定間隔
に形成される経編バンド(510)
と、を有することを特徴とする経編バンド組織が形成された経編生地構造である。
【0019】
そして、本発明において、前記グラウンドガイドバーのG1、G3、G4のチェーン番号は、G1が2−0、0−2であり、G3は、0−0、2−2であり、G4の場合は、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、2−2であることを特徴とする経編バンド組織が形成された経編生地構造である。
【0020】
そして、本発明の一実施形態では、ブラジャーカップ部310とブラジャーストラップ320、バスト輪郭連結部340が形成され、また、レースカラーがブラジャーの下端縁に形成され、前記ブラジャーストラップ320は、その中間部にレース模様部323が形成されることによって、バスト輪郭連結部340にもその中間部にレース模様部343が形成された通常のブラジャー300の構造において、ブラジャーの基本下地を成すレース地500内に下地組織部540が編み込まれ、ブラジャーの下端縁には、レースカラー部550が編み込まれていると同時に、前記レースカラー部550と並んでレース地のテンションを与えるカバーリング糸から形成された経編バンド510が編み込まれていることを特徴とするブラジャーの構造である。
【0021】
そして、本発明の別の実施形態では、ブラジャーカップ部310とブラジャーストラップ320、バスト輪郭連結部340が形成され、また、レースカラーがブラジャーの下端縁に形成され、前記ブラジャーストラップ320は、その中間部にレース模様部323が形成されることによって、バスト輪郭連結部340にもその中間部にレース模様部343が形成された通常のブラジャー300の構造において、ブラジャーの基本下地を成すバンドレース地内で前記レース模様部323の両側縁は、レース地のテンションを与えるカバーリング糸から形成された経編バンド510が編み込まれていることを特徴とするブラジャーの構造である。
【0022】
そして、本発明において前記経編バンド510の編織としてグラウンドガイドバーのG1、G3、G4のチェーン番号は、G1が2−0、0−2であり、G3は、0−0、2−2であり、G4の場合は、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、2−2であることを特徴とするブラジャーの構造である。
【発明の効果】
【0023】
このように、本発明は、前記のような問題点を解消して、製織工場で製織された生地に一定形態または多様な単位組織からなるグラウンド組織において、レース地の模様の一側の裏面に追加カバーリング糸(例えば、スパンデックスと糸)で編織することによって、別途のテンションバンド部を使用しなくても、伸縮性が良好なレース地を提供する効果がある。
【0024】
また、本発明は、ブラジャーにおける肩部位の厚みを減少しつつ、弾力性を与えることによって、活動性が保障され、健康美にも良い効果があるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】従来グラウンド組織が複合的単位組織により多様なデザイン形態で表出される経編生地を示す。
【
図3】
図2の生地組織を加工した状態の実物写真を示す。
【
図4】従来技術による四角形網組織の意匠紙図案を示す。
【
図5】従来技術による六角形網組織の意匠紙図案を示す。
【
図6】本発明に適用される従来技術によるブラジャーの一般的な形態の実物写真を示す。
【
図7】本発明に適用される従来発明によるブラジャーが胴体の背中部分で結合される結合側部の部分を示す。
【
図8(a)-(b)】(a)は、従来一般的なブラジャーのバスト輪郭部分であり、(b)は、本発明の実施形態を示し、従来のブラジャーにおけるバスト輪郭テンションバンド部に代替し得る本発明のバンドレース地の形態を示す実物写真である。
【
図9(a)-(b)】レース地の外面側部分を示し、(a)は、従来一般的なレース地の側端部であり、(b)は、本発明の実施形態によるバンドレース地が製織されたレースの実物写真である。
【
図10(a)-(b)】レース地の内面側部分を示し、(a)は、従来一般的なレース地にバスト輪郭テンションバンド部が付着された側端部であり、(b)は、従来のテンションバンド部に相当する本発明のバンドレース地が製織されたレースの実物写真である。
【
図11(a)-(b)】本発明のバンドレース地の拡大断面図であって、(a)は、バンドレース地の内面側部分であり、(b)は、その反対面である外面側部分のレースの拡大実物写真である。
【
図12】本発明が適用される既存ビーム3個に追加的にバンドレース編織用特殊ビームが設置された状態の全景実物写真である。
【
図13】本発明の四角形網組織の組織図を示す図である。
【
図14】本発明のグラウンドバーのG1、G3、G4のチェーン番号を示す組織図である。
【
図15】本発明の基本的な下地組織とカバーリング糸が結合された状態の組織図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して本発明によるバンドレースの好ましい実施例を説明する。この過程で図面に示された線の太さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜上誇張して図示されていることがある。
【0027】
また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザや実施者の意図または慣例によって変わり得る。したがって、このような用語に関する定義は、本明細書の全体の内容に基づいて解釈されなければならない。
【0028】
以下、本発明を具体的な実施例を通じて説明する。
【0029】
図6は、本発明に適用される従来技術によるブラジャーの一般的な形態の実物写真であり、
図7は、本発明に適用される従来技術によるブラジャーが胴体の背中部分で結合される結合側部の部分である。
【0030】
これらの図に示されたように、ブラジャー300の下地組織であるレース地において、グラウンド組織を形成する糸は、ポリマーであり、パターン組織を形成する糸は、綿からなるものであり、各製造工程を経ることによって、
図6及び
図7に示すように、グラウンド組織による生地組織を利用して美しいデザインでブラジャーを形成している。
【0031】
本発明を説明するためにこれらの構造を説明すれば、次のとおりである。
【0032】
前記ブラジャー300は、ブラジャーカップ部310とブラジャーストラップ320、バスト輪郭連結部340が形成され、また、レースカラー350が縁部に形成されている。
【0033】
前記ブラジャーカップ部310は、様々な形態の技術が組み合わされて、乳房における着心地を良くしている。
【0034】
前記ブラジャーストラップ320は、その中間部にレース模様部323が形成されることによって、その両側縁部にブラジャーストラップテンション部321およびブラジャーストラップテンション部322が形成されて、肩にかけることできるものである。
【0035】
そして、バスト輪郭連結部340は、その中間部にレース模様部343が形成され、脇部分には、ブラジャーストラップテンション部342が形成されて、脇に挟持することができ、その下端には、バスト周りに巻くことができるようにバスト輪郭テンションバンド部341が形成されて、バスト部位のテンションを調節するようにしている。
【0036】
参照符号345は、ブラジャーをからだに結束するためのフックである。
【0037】
次に、本発明のバンドレースにより製織される編織物と、これを適用したバンドレース地によるブラジャーの構造について説明する。
【0038】
図8(a)は、従来一般的なブラジャーのバスト輪郭部分であり、
図8(b)は、本発明の実施形態を示し、従来のブラジャーにおけるバスト輪郭テンションバンド部に代替し得る本発明のバンドレース地の形態を示す実物写真であり、
図9(a)、(b)は、レース地の外面側部分を示し、(a)は、従来一般的なレース地の側端部であり、(b)は、本発明の実施形態によるバンドレース地が製織されたレースの実物写真であり、
図10(a)、(b)は、レース地の内面側部分を示し、(a)は、従来一般的なレース地にバスト輪郭テンションバンド部が付着された側端部であり、(b)は、従来のテンションバンド部に相当する本発明のバンドレース地が製織されたレースの実物写真であり、
図11(a)、(b)は、本発明のバンドレース地の拡大断面図であって、(a)は、バンドレース地の内面側部分であり、(b)は、その反対面である外面側部分のレースの拡大実物写真である。
【0039】
図8(a)、(b)に示されたように、従来ブラジャー300のレース地の下端には、バスト輪郭テンションバンド部341が付着されていて、女性のバストをブラジャーストラップで多少テンションを与えることによって安定感を与えることになる。
【0040】
しかしながら、このようなバスト輪郭テンションバンド部341の製造および使用に対する不便をなくすために、本発明は、以下に説明するように、レース地500は、下地組織部540の中にレースカラー部550を造り込み、その下地組織と共に経編バンド510を編織するものである。
【0041】
図9(a)は、レース地の表面、すなわち外側の技術であって、従来一般的なレース地の側端部として、従来レース地400内にレース模様部343が形成され、その縁部にレースカラー350が形成され、表面には、各種模様をバーン−アウトさせてレース地の美感をさらに目立つようにしている。これに対して、
図9(b)は、これに相当するように本発明のレース地500内に下地組織部540が形成され、その縁部には、レースカラー部550が編み込まれていると同時に、前記レースカラー部550と並んで経編バンド510が編み込まれており、かつ、その表面には、各種模様をバーン−アウトさせてレース地の美感をさらに目立つようにしている。
【0042】
図10(a)は、レース地の皮膚接着部、すなわち内面側の形態を示し、従来一般的なレース地の側端部として、従来レース地400内にレース模様部343が形成され、その縁部にレースカラー350が形成されていると同時に、前記レースカラー350と並んでバスト輪郭テンションバンド部341が付着(追加装着)されており、内表面には、各種模様をバーン−アウトさせた跡が示されている。これに対して、
図10(b)は、これに相当するように本発明のレース地500内に下地組織部540が編み込まれており、その縁部には、レースカラー部550が編み込まれていると同時に、前記レースカラー部550と並んで経編バンド510編み込まれており、かつ、その内表面には、各種模様をバーン−アウトさせた跡が示されている。
【0043】
したがって、本発明の一つの実施形態では、ブラジャーカップ部310とブラジャーストラップ320、バスト輪郭連結部340が形成され、また、レースカラーがブラジャーの下端縁に形成され、前記ブラジャーストラップ320は、その中間部にレース模様部323が形成されることによって、バスト輪郭連結部340にもその中間部にレース模様部343が形成された通常のブラジャー300の構造において、ブラジャーの基本下地を成すレース地500内に下地組織部540が編み込まれ、ブラジャーの下端縁には、レースカラー部550が編み込まれていると同時に、前記レースカラー部550と並んでレース地のテンションを与えるカバーリング糸から形成された経編バンド510が編み込まれているものである。
【0044】
また、本発明の別の実施形態では、ブラジャーカップ部310とブラジャーストラップ320、バスト輪郭連結部340が形成され、また、レースカラーがブラジャーの下端縁に形成され、前記ブラジャーストラップ320は、その中間部にレース模様部323が形成されることによって、バスト輪郭連結部340にもその中間部にレース模様部343が形成された通常のブラジャー300の構造において、ブラジャーの基本下地を成すバンドレース地内で前記レース模様部323の両側縁は、レース地のテンションを与えるカバーリング糸から形成された経編バンド510が編み込まれているものである。
【0045】
ここで、「レース模様部323の両側縁」というのは、腕を挟む縁と胸から肩に渡ってフック345がある所までの縁をいう。
【0046】
したがって、以上の構成による効果は、ブラジャーにおける肩部位の厚みを減少させつつ、弾力性を与えることによって、活動性が保障され、健康美にも良い効果があるものである。
【0047】
図11(a)、(b)は、本発明のバンドレース地の拡大断面図であって、(a)は、バンドレース地の内面側部分でレースカラー部550の一側に経編バンド510が編み込まれている拡大図であり、(b)は、その反対面である外面側部分でレースカラー部550の一側に経編バンド510が編み込まれているレースの拡大実物写真である。
【0048】
次に、本発明に使用される編織装置について説明する。
【0049】
図12は、本発明が適用される既存ビーム3個に追加的にバンドレース編織用特殊ビームが設置された状態の全景実物写真である。
通常の編織装置は、3個のビームで糸を供給するが、本発明の場合には、特殊組織を編織するので、追加される一つのビームがさらに設置されて運営される。
【0050】
次に、本発明に適用されるグラウンドバーによるチェーン番号を説明する。
【0051】
図13は、本発明の四角形網組織の組織図を示す図であり、
図14は、本発明のグラウンドバーのG1、G3、G4のチェーン番号を示す組織図であり、
図15は、本発明の基本的な下地組織とカバーリング糸が結合された状態の組織図である。
【0052】
上記のような本発明に対するガイドバーによるチェーン番号を説明する。
【0053】
図13に示されたように、四角形網組織の組織図は、1番グラウンドガイドバーが針配置表2から0に回って再び2から4に、4から6に回って4から2に回ることによって繰り返して組織網を形成するが、2.4地点では、自ら「目」を形成し、4.2も、自ら「目」を形成する。
【0054】
2番グラウンドガイドバーも、1番と反対方向に、しかし、同じ方式で動作をする。
ジアミ組織とは異なって、1番ガイドの4.6が2番ガイドの2.0が接する地点は、互いに「X」字形状に形態が成される点である。
【0055】
次に、別に1番ガイドの2.0と2番ガイドの4.6が接する地点は、互いに「X」 字形状に形態が成される点である。
【0056】
これは、そばの針に挟まれる原糸が側面にある針に挟まれ、側面にある針に挟まれなければならない原糸は、そばにある他の針に原糸が挟まれる動作を左右で同時に一緒に行うことによってなされる形態になり、原糸は、図面とは異なって、張力を受けて編織されることによって交差するこの地点は、原糸が引かれて「X」字形状の形態になるものである。
【0057】
このようなグラウンド組織は、少なくとも2個のグラウンドガイドバーが複数個数字配列のチェーン番号数字群からなる単位チェーンにより一定の形状の網組織1個を形成し、前記チェーン番号数字群と同じチェーン番号数字群が連続的に繰り返されるように組み立てられた複数個の単位チェーンにより前記網組織を複数個形成することになるものである。
即ち、本発明は、生地組織を成すグラウンド組織は、少なくとも2個のグラウンドガイドバーが複数個数字配列のチェーン番号数字群からなる単位チェーンにより1個形成される一定の形状の網組織(A)と、前記チェーン番号数字群と同じチェーン番号数字群が連続的に繰り返されるように組み立てられた複数個の単位チェーンにより複数個形成される前記網組織(A)と、さらに前記複数個の網組織(A)と同時に、他のグラウンドガイドバーにより生地組織の一側に帯形態で一定間隔に形成される経編バンド(510)と、を有することを特徴とする経編バンド組織が形成された経編生地構造である。
【0058】
図14および
図15に示されたように、本発明のグラウンドガイドバーのG1、G3、G4のチェーン番号は、G1が2−0、0−2であり、G3は、0−0、2−2であり、G4の場合は、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、2−2である。
【0059】
上記のように、グラウンドバーのG1、G3、G4のチェーン番号としてG1が2−0、0−2であることによって下地組織部540の環形態の原糸540aが上がることになり、前記チェーン番号としてG3は、0−0、2−2によりさらに他の下地組織部540の波形形態の原糸540bが前記原糸540aと模様を作り、引き続いて、前記チェーン番号としてG4の場合は、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、0−0、2−2により部分的に前記レースカラー部550の一側に形成される原糸540cであって、帯のような形態の経編バンド510を製織することになるものである。
【0060】
図15には、下地組織部540の波形形態の原糸540bが示されていないが、これは、スパンデックスであって、グラウンドバーのG1内に埋め込まれていて見られないため、図示しなかった。
【0061】
本発明について、図面に示された実施例を参考として説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、当該技術の属する分野における通常の知識を有する者なら、これから多様な変形および均等な他の実施例が可能であるという点を理解することができるであろう。
【0062】
したがって、本発明の技術的保護範囲は、特許請求範囲により定められなければならない。
【符号の説明】
【0063】
300 ブラジャー
310 ブラジャーカップ部
320 ブラジャーストラップ
340 バスト輪郭連結部
343 レース模様部
350 レースカラー
400 従来レース地
500 レース地
510 経編バンド