特許第6971303号(P6971303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エコラブ ユーエスエイ インクの特許一覧

<>
  • 特許6971303-デジタル撮像による工業用水処理の制御 図000010
  • 特許6971303-デジタル撮像による工業用水処理の制御 図000011
  • 特許6971303-デジタル撮像による工業用水処理の制御 図000012
  • 特許6971303-デジタル撮像による工業用水処理の制御 図000013
  • 特許6971303-デジタル撮像による工業用水処理の制御 図000014
  • 特許6971303-デジタル撮像による工業用水処理の制御 図000015
  • 特許6971303-デジタル撮像による工業用水処理の制御 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971303
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】デジタル撮像による工業用水処理の制御
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/18 20060101AFI20211111BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   G01N33/18 Z
   G01N21/27 Z
【請求項の数】23
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-503222(P2019-503222)
(86)(22)【出願日】2017年7月19日
(65)【公表番号】特表2019-526787(P2019-526787A)
(43)【公表日】2019年9月19日
(86)【国際出願番号】US2017042793
(87)【国際公開番号】WO2018017670
(87)【国際公開日】20180125
【審査請求日】2020年6月16日
(31)【優先権主張番号】62/364,138
(32)【優先日】2016年7月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515050220
【氏名又は名称】エコラブ ユーエスエイ インク
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴォン ドラセク ウィリアム エー
【審査官】 三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0293040(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0260566(US,A1)
【文献】 特開2012−106237(JP,A)
【文献】 特開2012−117594(JP,A)
【文献】 特開2013−231692(JP,A)
【文献】 特表2009−524521(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0326667(US,A1)
【文献】 特許第2691447(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/18
G01N 21/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業用水システム内の工業用水に接触する基材上の堆積物を分析する方法であって、
前記基材が前記工業用水システム内の前記工業用水に接触している間に前記基材を前記工業用水の温度よりも高い温度に加熱し、それによって前記基板上に堆積物を形成することと、
前記基材が前記工業用水システム内の前記工業用水に接触している間に前記基材の一連のデジタル画像を作成することと、
前記基材の前記一連のデジタル画像内の関心領域を定義することと、
前記基材の前記一連のデジタル画像内の前記関心領域内の堆積物特徴を識別することと、
前記工業用水システム内の前記基材の堆積傾向を決定するように前記基材の前記一連のデジタル画像内の前記関心領域内の前記堆積物特徴を分析することと、を含む、方法。
【請求項2】
堆積防止剤で前記工業用水システム内の前記工業用水を処理することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基材の前記デジタル画像またはその一連のデジタル画像の前記関心領域内の前記堆積物特徴の前記分析に基づいて措置をとることをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記基材の熱伝達抵抗を決定することをさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
pH、伝導率、酸化還元電位、直線偏極抵抗、それらの派生項目、およびそれらの組み合わせから選択される前記工業用水システム内の前記工業用水のパラメータを測定することをさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
複数の点で温度を測定して前記基材の熱伝達抵抗を決定することをさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記堆積物が、カルシウム含有物質を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
カルシウム含有物質が、炭酸カルシウムである、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記堆積物が、鉄含有物質を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記鉄含有物質が、酸化第2鉄である、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記デジタル画像またはその一連のデジタル画像が、マルチスペクトルデジタル画像またはその一連のマルチスペクトルデジタル画像である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記工業用水システム内の堆積物を制御するように措置をとることをさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記工業用水システム内の堆積物を制御するように措置をとることが、堆積防止剤の投与を増加すること、異なる堆積防止剤を選択すること、堆積防止剤を修正すること、前記工業用水システムの物理的特性を変更すること、前記工業用水システムをシャットダウンすること、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記デジタル画像またはその一連のデジタル画像の前記関心領域の前記堆積物特徴を分析することが、前記関心領域またはその副領域の色に従って前記基材上の堆積物を分類することを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
第2の関心領域をデジタル撮像に曝露するように前記工業用水システム内で前記基材を移動することと、前記方法のステップを繰り返すことと、を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記基材が、水晶マイクロバランスである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
工業用水システム内の堆積物を監視するシステムであって、
光アクセスを有する流体流路と、
前記流体流路内に存在する工業用水に接触するように構成された加熱された基材と、
前記流体流路内に位置するとき、前記基材のデジタル画像を捕捉するように構成されたカメラと、
前記加熱された基材を横切る温度勾配を測定するように構成された複数の温度センサと、
前記カメラが取得した前記デジタル画像を解析するプロセッサを備え
前記基材は、前記工業用水の温度よりも高い温度に加熱され、それによって前記基板上に堆積物を形成され、
前記プロセッサは、
前記基材が前記工業用水システム内の前記工業用水に接触している間に前記基材の一連のデジタル画像を作成し、
前記基材の前記一連のデジタル画像内の関心領域を定義し、
前記基材の前記一連のデジタル画像内の前記関心領域内の堆積物特徴を識別し、
前記工業用水システム内の前記基材の堆積傾向を決定するように前記基材の前記一連のデジタル画像内の前記関心領域内の前記堆積物特徴を分析する、
システム。
【請求項18】
前記加熱された基材に向かって前記流体流路の前記光アクセスを介して光を照射するように構成された光源をさらに備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記工業用水に接触していない前記加熱された基材の一部を絶縁する絶縁体をさらに備える、請求項17または18に記載のシステム。
【請求項20】
前記加熱された基材を加熱するように構成された抵抗ヒータをさらに備える、請求項1719のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記抵抗ヒータが、セラミックヒータである、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記カメラが、マルチスペクトル撮像装置である、請求項1721のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
更に、前記一連のデジタル画像を処理することを含み、
前記一連のデジタル画像を処理することは、
前記一連のデジタル画像を構成する画像データを垂直方向に沿って画素強度値をビニングして、水平強度線プロファイルを生成することと、
前記水平強度線プロファイルを積分することにより、前記画像データを単一の点に減少させることと、
を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年7月19日に出願された米国仮特許出願第62/364,138号の利益を主張する国際(すなわちPCT)出願であり、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
水システム、特に工業用水システム(例えば、冷却水システムおよび加熱水システム)において、堆積物のない熱交換表面を維持することは、エネルギー効率を最適化するために重要である。鉱物堆積物、特にカルシウム塩、より具体的には炭酸カルシウムは、スケーリングまたはファウリングの形態であり得る。一般に、スケーリングは、機器表面上の無機塩の沈殿であり、ファウリングは、液体中に懸濁した不溶性粒子の堆積物からもたらされる。熱交換面上堆積物(鉱物または他のもの)を最小化または防止するための工業用水システムの監視は、工業用水システムの運転および/または処理プログラムの効率を向上させ、または少なくとも維持するために利用できる情報を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0293040号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱交換表面へのバイオ膜の堆積はまた、工業用水システムの非効率性を引き起こす可能性がある。例えば、鉱物堆積物と比較して、バイオ膜堆積物は、一般に、鉱物堆積物よりも4〜5倍優れた絶縁体である。一般に、バイオ膜は、粘液性であり、バイオ膜の形成を引き起こす微生物は、バイオ膜の含量のほんの一部にすぎない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、工業用水システム内の堆積物を分析するために基材のデジタル撮像を使用することに関する。特定の実施形態では、本発明は、堆積物から生じる基材の熱伝達抵抗に相関させるために利用することができる、基材のデジタル撮像を使用して基材の熱伝達抵抗を決定する。
工業用水システム内の工業用水と接触する基材上の堆積物を分析する方法が提供される。方法は、基材が工業用水システム内の工業用水に接触している間に基材のデジタル画像を作成することを含む。基材のデジタル画像内の関心領域が定義される。基材のデジタル画像内の関心領域内の堆積物特徴が識別される。基材のデジタル画像内の関心領域内の堆積物特徴が分析される。
【0006】
工業用水システム内の工業用水と接触する基材上の堆積物を分析する方法が提供される。特定の実施形態では、方法は、基材を工業用水システム内の工業用水に接触させる間に基材を加熱して基材上に堆積物を形成させることと、基材が工業用水システム内の工業用水に接触している間に基材の一連のデジタル画像が作成される。基材の一連のデジタル画像内の関心領域が、定義される。基材の一連のデジタル画像内の関心領域内の堆積物特徴が識別される。基材の一連のデジタル画像における関心領域内の堆積物特徴を分析して、工業用水システムにおける基材の堆積傾向を決定する。
【0007】
工業用水システムにおける堆積物を監視するシステムが提供される。このシステムは、光アクセスを有する流体流路を備える。加熱された基材は、流体流路内に存在する工業用水に接触するように構成される。カメラは、流体流路内に位置するときに基材のデジタル画像を捕捉するように構成される。複数の温度センサは、加熱された基材を横切る温度勾配を測定するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本明細書に記載された方法を実行するために利用され得るシステムの実施形態の概略図である。
【0009】
図2】本明細書に記載の方法を実行するために利用され得るシステムの一部の分解図である。
【0010】
図3】本明細書に記載された方法を実行するために利用され得るシステムの部分的に分解された概略図である。
【0011】
図4】マンガン−鉄堆積物からカルシウム堆積物を区別する画像の例を示す。
【0012】
図5】本明細書に記載された方法の対象となる基材のグラフィカルに追跡された熱伝達減少および低減された堆積画像データに対応する画像の例を示す。
【0013】
図6】本明細書に記載された方法の対象となる基材の経時的に収集された得られたビニングされた画像データの例を示す。
【0014】
図7】工業的水のpHを低下させることによって堆積除去物の除去が観察される、本明細書に記載の方法の対象となる基材のグラフィカルに追跡された熱伝達減少および低減された堆積物画像データに対応する画像の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、工業用水システム内の堆積物を分析するために基材のデジタル撮像を使用することに関する。特定の実施形態では、本発明は、堆積物から生じる基材の熱伝達抵抗に相関させるために利用することができる、基材のデジタル撮像を使用して基材の熱伝達抵抗を決定する。
【0016】
工業用水システム内の工業用水と接触する基材上の堆積物を分析する方法が提供される。方法は、基材が工業用水システム内の工業用水に接触している間に基材のデジタル画像を作成することを含む。基材のデジタル画像内の関心領域が定義される。基材のデジタル画像内の関心領域内の堆積物特徴が識別される。基材のデジタル画像内の関心領域内の堆積物特徴が分析される。
【0017】
工業用水システム内の工業用水と接触する基材上の堆積物を分析する方法が提供される。特定の実施形態では、方法は、基材を工業用水システム内の工業用水に接触させる間に基材を加熱して基材上に堆積物を形成させることと、基材が工業用水システム内の工業用水に接触している間に基材の一連のデジタル画像が作成される。基材の一連のデジタル画像内の関心領域が、定義される。基材の一連のデジタル画像内の関心領域内の堆積物特徴が識別される。基材の一連のデジタル画像における関心領域内の堆積物特徴を分析して、工業用水システムにおける基材の堆積傾向を決定する。
【0018】
工業用水システムにおける工業用水と接触する基材上の堆積物を分析するためのシステムおよび方法が提供される。特定の実施形態では、本方法は、工業用水システム内の工業用水に接触する基材上の堆積物を定量する方法である。用語「分析する(analyzing)」、「定義する(defining)」、「合成する(synthesizing)」、および「定量する(quantifying)」、ならびに関連する用語(例えば活用形)は、本明細書では方法の態様を記載するために使用され、「分析する(analyzing)」は、全て分析のサブセットである「定量する(quantifying)」、「定義する」および「合成する」を含む。用語「基材(substrate)」、「クーポン(coupon)」および類似の用語は、「またはその一部」を含むと解釈されるべきである。
【0019】
工業用水システムにおける堆積物を監視するシステムが提供される。このシステムは、光アクセスを有する流体流路を備える。加熱された基材は、流体流路内に存在する工業用水に接触するように構成される。カメラは、流体流路内に位置するときに基材のデジタル画像を捕捉するように構成される。複数の温度センサは、加熱された基材を横切る温度勾配を測定するように構成される。
【0020】
工業用水システムにおける堆積物を監視するためのシステムの例示的な実施形態が、図1および図2に示されている。システムは、とりわけ、流体が出入りするための流路101を有するプローブ本体100を備える。加熱要素103は、低い熱伝導率を有する支持体媒体上に装着される。加熱要素103は、カートリッジ、セラミック、マイカ、または任意の様々な加熱装置とすることができる。基材105は、流路101を介して流れ、基材105の表面に接触する液体(例えば、工業用水)とともに、一方の側部で加熱要素103と直接接触している。基材105は、別個の部品であってもよいし、例えば、流路101を形成する装置の「組み込み」部分であってもよい。システムの特定の実施形態では、基材は、好適な金属、合金、またはセラミック材料で構成される。基材は、ユーザ指定の表面仕上げおよび/または粗さを有するように構成することができる。
【0021】
加熱要素103および基材105は、例えば低熱伝導性支持体104を用いて装着することができる。好ましくは、支持体104は、基材105の表面(すなわち、表面105a)が流路101と同一平面になるように、プローブ本体100内に挿入される。図示した実施形態では、リング114にOリングを装備して、支持体104とプローブ本体100との間にシールを形成し、流路101内の流体を抑制することができる。
【0022】
本明細書に記載のシステムの特定の実施形態では、システムの一部分は、システムの残りの部分から取り外し可能に構成されている。例えば、カメラおよび/または光源(複数可)および/または複数の温度センサは、システムの残りの部分から1つ以上のユニットとして除去可能であってもよい。
【0023】
図示された実施形態では、温度プローブ106、107、108、および109が支持体ブロック上に装着され、異なる場所で温度を測定する。図示された実施形態は4つの温度プローブを含むが、より少ない(例えば2または3個)またはそれ以上(例えば、5、6、7、...、n個)を利用することができる。図示されているように、温度プローブ106は、加熱要素103の穴を介して基材105と直接接触する。温度プローブ107は、加熱要素103の裏面と直接接触し、温度プローブ108および109は、支持体104を介して熱流束を測定するために支持体104の異なる場所に装着される。加熱要素103の接続リード線110は、電源に接続するために支持体104を介して出る。
【0024】
引き続き図1および図2を参照すると、流路101は、プレート102をプローブ本体100に装着することによって作製される。プレート105が基材102の表面105aを見るために光アクセス102aを提供するように、プレート102は、ガラス、石英、サファイア、アクリルなどの透明な窓を備えた透明なアクリル材料または修正された装着部品から製作することができる。加熱要素103および基材105は、例えば、131 47th street,Brooklyn,NY.にあるCotronics Corp.によって供給されるDURALCO 128または132エポキシのような高熱伝導性エポキシを使用して組み立てることができる。次いで、DURALCO 4525または4538エポキシを使用して、ヒータ−基材アセンブリを支持体104にエポキシ化することができる。次いで、ヒータ−基材−支持体アセンブリ(すなわち、アセンブリ10)は、例えば、保持ナット115を介してプローブ本体100内に装着することができる。図示されているように、保持ナット115は、加熱要素103の温度プローブ106、107、108、109および接続リード110がノッチ115aを通過できるように切り欠かれている。液密シールは、保持ナット115を締め付けて、Oリング114をプローブ本体100および支持体104に対して圧縮することによって行われる。
【0025】
場合によっては、自動化された現場洗浄プロセスをプレート102に適用することができる。一般に、基材表面からの堆積物は、酸性条件下で除去することができる。酸性条件は、基材表面に接触する工業用水に酸を注入することによって生成することができる。しかしながら、前述のアプローチは、自動弁、送達システム(ポンプなど)、および酸性供給を現場で必要とする複雑さを増す傾向がある。より便利なアプローチは、金属基材と対向電極との間に電位を印加することによる電気化学的清浄を利用する。洗浄のために、金属基材は、アノードであり、対電極カソードは、システムに統合される。対向電極は、例えば金属(例えば、ステンレス鋼)、グラファイト、または導電性ガラス(例えば、インジウムスズ酸化物またはフッ素ドープ酸化スズ)で構成することができる。導電性ガラスを使用することにより、電気化学的洗浄のための対向電極と同様に基材表面を見るための光アクセスのための窓としての二重の機能性が提供される。利用する場合、導電性ガラスは、例えば、反射防止物質でコーティングすることができる。
【0026】
図3は、インターフェース204を介して、例えば工業用水システムの導管200に取り付けるように構成された、図1および図2に概略された構成要素からなるアセンブリ10を示す。図示された実施形態では、流体が流路101を通過することを可能にするように、アセンブリ10が配向されるように、境界面204にキーが付けられる。インターフェース204は、標準的な配管に接続し、同じ断面積を維持しながら、円形から正方形の幾何形状への移行およびその逆の移行を提供する。アセンブリ10は、ナット205を介してインターフェース204に取り付けることができる。Oリング(図示せず)を使用して、アセンブリ10とインターフェース204との間にシールを提供することができる。
【0027】
インターフェース204の一方の側部では、窓206は、基材105の表面105aを介してプレート102への光アクセス102aを提供し、動作中に流路101内の基材105の表面105aを見る能力を提供する。
【0028】
図示されているように、撮像システム20は、レンズ112と任意の照明源113を有するカメラ111を備える。2つの照明源113が示されているが、より少なく(例えば、図3に示される1つの照明源113を用いて、0または1)またはより多く(例えば、3、4、...、n個)が、撮像システム20で利用されてもよい。図示された方法で撮像システム20を位置決めすることにより、動作中(例えば、流路101を介して流れる流体に曝露されている間)の基材105の表面105aを撮像することが可能となる。
【0029】
複数の照明源113を使用して、異なる方向から照明して、基材またはその表面上の所望の特徴を強調し、または全体の照明プロファイルを改善することができる。例えば、表面に垂直に近い位置に位置決めされた照明源で基材の表面を照明することで、明視野照明を提供することができる。この場合、撮像装置は直接反射光の大部分を捕捉する。表面法線に対して大きな入射角(複数可)を有する1つ以上の照明源を配置することにより、表面上のスクラッチ、ピットおよび/または堆積形態などの顕著な特徴を高めることができる。さらに、光は指向性または拡散性であり得る。拡散照明は、より均一な照明を提供し、反射面を照明するときに鏡面反射成分を減衰させる。光は、発光ダイオード(「LED」)、白熱電球、タングステンハロゲン電球、光ファイバを介して輸送される光、またはこれらの任意の組み合わせ、または照明を提供する他の標準的手段の1つ以上から供給され得る。
【0030】
LED光源の例は、Cree,Inc,4600 Silicon Drive Durham,North Carolina 27703からのCREEXPE2−750−1として入手可能であり、それは、特定の実施形態では、Carclo Optics,6−7 Faraday Road,Rabans Lane Industrial Area,Aylesbury HP19 8RY,England,U.K.から入手可能なCarcloレンズモデル10138が装備されている。
【0031】
照明源113は、角度および高さ調整を可能にするように装着されてもよい。発光波長スペクトルは、特定の特徴を強調するために白色光領域または特定の波長帯域を網羅することができる。例えば、クーポン表面上の色を強調するために特定の波長を使用することができ、または表面から色情報を抽出するために白黒カメラとともに使用することができる。本明細書に提示される特定の実施形態では、基材は、約390nm〜約700nmの波長帯域を有する光で照らされる。
【0032】
画像取得制御は、PC、マイクロプロセッサ、外部コントローラ、および/またはカメラ内の組み込みプロセッサによって行うことができる。市販のデジタルカメラは、一般に、30フレーム/秒(「fps」)以上の画像取得速度が標準的である。堆積物は、一般にはるかに長い時間スケール(例えば数10分〜数週間)で一般的に生じるので、画像取得制御が好ましい方法であり、即ち、例えば、固定、変化、および/または事象駆動され得る周波数で単一画像またはN個の画像の平均を取得する。このようなデータの収集は、データ格納をより効率的に利用する。例えば、1日に1回または1週間に1回の画像取得率は、堆積物の特徴の大きな変化のみに関心がある場合には、特定の工業用水システムには十分であり得る。しかしながら、工業用水システムが、混乱、例えばpHの低下を経験する場合、まれな画像取得で堆積物特徴の活動を見落とすことがある。この場合、混乱時にデジタル画像の作成の頻度の増加をトリガすることにより、より繊細な時間分解能で画像データを収集することが可能になる。ケーブル接続および/またはアンテナによって、撮像システムの構成要素に電力および/または通信を提供することができる。
【0033】
追加の照明制御は、(レンズ109に取り付けられた)光源(複数可)および/または撮像装置106を介してフィルタおよび/または偏光子を利用して提供することができる。例えば、線形偏光子を追加することにより、例えば透明な窓またはパイプから反射する可能性がある光源線に由来する画像からの反射またはホットスポット(例えば、高光度グレア)を除去することができる。付加的にまたは代替的に、色フィルタ(例えば、バンドパス、ノッチ、ショートパス、および/またはロングパス)を使用して、特定の画像の詳細を強調したり、背景光効果を除去したりすることができる。フィルタリングは、カメラ、光源、またはその両方に適用できる。例えば、表面上の赤い特徴は、600nmを超える、例えば600〜1100nm、より好ましくは600〜700nm、さらにより好ましくは630nmのバンドパスまたはロングパスフィルタを有する光源を使用して強調することができる。この場合、赤い光は、基材の赤い表面から、同様のフィルタを装備することができる撮像検出装置に反射する。これは、フィルタの波長透過範囲内の表面からの反射光のみが検出器に到達することを可能にし、結果として赤い特徴強調をもたらす。
【0034】
図3に示すように、撮像装置20は、マウント220をさらに備えることができる。マウント220は移動不能でも移動可能でもよい。図示のように、マウント220は、撮像装置20の集束能力を提供するように移動可能である。図3に示すように、マウント220および照明源113は、ベース225に装着される。撮像装置20は、カバー210を介して取り囲むことができる。撮像システムの電力供給された構成要素は、例えば、配線240を介して電力および通信ポートに接続することができる。自動焦点カメラは移動可能マウントを使用する必要性を取り除くことができるが、自動焦点カメラは移動不能または移動可能マウントを使用することができる。
【0035】
カメラ111は、CMOS、CCD、シリコンPDA、または空間光強度情報を提供する任意のアレイ形式の検出器とすることができる。CMOS技術またはCCD技術を使用する市販のカメラは容易に利用可能であり、レンズ(例えば、レンズ112)と結合されたときに画像データを提供する。カメラ111は、画像取得および処理のためにコンピュータと統合化することができ、またはカメラ111に専用のプロセッサが存在する埋め込み処理を利用することができる。一連のデジタル画像の作成は、例えば、スケジュールされた設定時間(例えば、1時間に1回)または事象に基づいて(例えば、pHが制御範囲外で検出されたとき)トリガされてもよい。
【0036】
デジタル画像またはその一連のデジタル画像は、基材上の堆積物の存在または不存在の証拠を提供する(例えば、基材105の表面105a上の堆積物99)。デジタル画像またはその一連のデジタル画像は、例えば、色および/または形態に基づく堆積物の種類、堆積物形成の早期始まり、表面上の被覆パーセント、および焦点深度に基づく推定厚さについてさらなる洞察を提供することができる。
【0037】
本明細書で提供される方法の一態様は、基材を加熱することによって基材上に堆積物の形成を加速させる。堆積物の加速形成は、重要な熱伝達機器、例えば熱交換器、凝縮器、冷却塔などにおける堆積物の形成を防止するための行動をとるために利用できる情報をユーザに提供することができる。
【0038】
加熱要素103に電力を印加することにより、基材105と流路101内に位置する流体との間に局部的な温度差が作成され、基材領域は流路101を介して流れる流体よりも高い温度を有する。逆溶解特性(例えば、カルシウム塩、より具体的には炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウムなど)を有する塩を含む用途では、基材105の表面105aでの沈殿が起こり、堆積物99の形成をもたらす。堆積物99が基材105の表面105a上に形成されると、基材105からの対流熱除去を減少させる熱伝導率、すなわち堆積物99の絶縁特性が低下するため、基材105の温度が上昇する。温度勾配は、複数の温度プローブ(例えば、温度プローブ106、107、108、109)を使用して測定することができる。複数の温度プローブは、熱電対、抵抗温度検出器(「RTD」)、光ファイバ温度プローブ、赤外線温度プローブ、または任意の好適な温度測定装置のような任意の好適な種類の温度プローブの1つ以上であってもよい。基材105の温度を測定し、流路101内またはその近傍の流体温度および流れ条件を知ることにより、堆積物99による熱伝達抵抗(「HTR」)を、数学的変換を使用して決定することができる。
【0039】
例えば、基材上の堆積物の熱伝達抵抗を測定するために、熱流分析が次式で開始して適用される、
【数1】

式中、Qelectricは、ヒータへの入力電圧とヒータ抵抗から決定されたヒータ電力であり、Qout waterは、基材上の水流れ流に除去される熱であり、Qlossは、ヒータ支持構造を介して失われる熱である。解析を簡略化するために、基本的な概念を説明するために、1次元の熱流が仮定され、すなわち、半径方向の流れおよび側部を介する損失は、無視できる(Qloss=0)と仮定する。でフーリエの法則を用いて、式(1)のQout waterは、全HTRを次式で与える、
【数2】

式中、HTRtotalは、全体の熱伝達係数の逆数であり、基材、ヒータ、マウント、対流、堆積物などの特定の材料の全ての熱伝達抵抗の総量である。Aは、加熱表面の面積であり、ΔΤは、基材を横切って流れるヒータとバルク流体との間の温度差である。清浄な基材の場合、HTRdeposit=0であり、HTRtotalは、次式によって与えられる、
【数3】

固定されたHTR値(ヒータ、基材、およびマウント)を決定するために、対流項は、一般式を有するヌッセルト数(Nu)から次式のように計算され、
【数4】

式中、C、m、nは実験的に決定された定数、lは、長さ、kは、流体の熱伝導率、hは、対流熱伝達、Reは、レイノルズ数、Prは、Prandtl数である。ヌッセルト数の相関関係は、様々な形状およびレイノルズ数の範囲について文献で見出すことができる。流体の物理的性質と流動状態を知ると、HTRconvection(1/h)は、式(4)から計算される。清浄な基材の固定された熱伝達抵抗は、次式により与えられる、
【数5】
したがって、時間tにおける熱伝達抵抗の変化は、
【数6】
堆積物の熱伝達抵抗は、清浄な基材と堆積物を有する基材とについて同一の状態を測定することによって決定される。
【数7】
【0040】
表面に形成された堆積物を除去するためにその場での洗浄(例えば、電気化学、化学、空気、超音波、機械的など)と結合させると、デジタル画像またはその一連のデジタル画像は、堆積物の除去状態に関するフィードバック、例えば、堆積物が完全に除去されているかまたはまだ存在しているかどうかを提供することができ、それは、その場での洗浄プロセスの停止をトリガするために使用することができる。画像データが、基材上にまだ堆積物が存在することを示している場合、所望のレベルの清浄度に達するまで清浄作業を続けることができる。
【0041】
デジタル画像またはその一連のデジタル画像はまた、堆積物の色および/または形態に基づいて堆積物の種類についての洞察を提供することができる。水の化学および処理に関する知識に加えて、デジタル画像またはその一連のデジタル画像に関連するデータを使用することにより、堆積物組成物の識別を可能にすることができる。例えば、白色の結晶質の堆積物は、堆積物がカルシウム塩である可能性が高い良好な指標であるが、暗い褐色の堆積物は、高いマンガンおよび/または鉄含有量を示す可能性がある。一般に、バイオ膜は、微生物学的堆積物の粘液性の性質のために異なる反射特性を有する。この観察された変化を、例えば、低酸化還元電位測定値と組み合わせることにより、微生物学的堆積物は一般に複数の成分、例えば鉱物、シルトおよび微生物学的成分を含むので、堆積物が少なくとも部分的に微生物起源であるという信憑性を提供する。
【0042】
したがって、本方法およびシステムの特定の実施形態では、複数の方法および/またはシステムを利用して、堆積物の種類の区別を可能にする。例えば、異なる加熱された基材温度で動作する複数のシステムを実装して、複数の堆積物の形成を分析することができる。比較的低い温度範囲(例えば、約30℃〜約50℃)では、バイオ膜成長の条件を提供する傾向があり、比較的高い温度範囲(例えば、約70℃〜約120℃)は、鉱物スケールの水ポテンシャルを試験する。
【0043】
なお、基材画像データの収集および解析方法は、図示の構成に限定されず、または熱伝達抵抗測定装置に限られない。例えば、堆積物撮像は、水晶マイクロバランス(QCM、例えば、米国特許第8,945,371号に記載されているような「QCM」)、弾性表面波センサ、エバネッセント波を測定するための光学プローブ、堆積物の厚さの超音波センサ、圧力降下の測定のためのチューブセンサ、カートリッジ加熱管、またはこれらの装置の任意の組み合わせで行うことができる。堆積物の測定は、光アクセスが基材の表面に提供される限り、本明細書に記載された方法を介して行われてもよく、または光アクセスを提供するようにシステムが変更されてもよい。堆積物の形成を検出するための現場での撮像を実装することにより、耐堆積物性、耐表面清浄性、色および形態に基づく堆積物の種類に関する情報、堆積物の量に関する定性的評価、および堆積物形成の早期の始まりのための補足的な測定を提供する。特定の実施形態では、基材は、別個の加熱要素を必要とせずに加熱することができる。
【0044】
特定の実施形態では、基材は、クーポンである。特定の実施形態において、基材は、導管の一部分である。特定の実施形態では、基材は、工業用水システムの構成材料を代表するものである。特定の実施形態では、基材は、特定の実施形態において、鋼、鉄、アルミニウム、銅、真鍮、ニッケル、チタンおよび関連する合金から選択される金属で構成される。特定の実施形態において、鋼は、軟鋼、ステンレス鋼、および炭素鋼のうちの1つである。特定の実施形態では、金属は、パッシベーション可能であり、他の実施形態では金属は、パッシベーション不能である。
【0045】
基材は、図に示すように、工業用水システムの工業用水と、流路101を介して接触する。工業用水システムの例としては、これらに限定されないが、加熱水システム(例えば、ボイラーシステム)、冷却水システム(例えば、冷却塔を備えるシステム)、水輸送用のパイプライン(例えば、採掘作業への輸送であるような、海水輸送)などが含まれる。工業用水とは、工業用水システムに使用される、または使用されるであろう任意の水性物質である。一般に、工業用水システムは、関心の工業用水システムでの使用により適した水にするために何らかの方法で処理することができる工業用水を含む。例えば、加熱水システム(例えば、ボイラーシステム)に使用される工業用水は、脱気されてもよい。加熱水システムに使用される工業用水は、例えば、堆積防止剤、腐食防止剤、スケール防止剤、および/または微生物制御剤などでさらに処理することができる。様々な工業用水システムに対して、他の処理を施してもよい。特定の実施形態において、工業用水システムの工業用水は、堆積防止剤で処理される。特定の実施形態では、工業用水システムは、冷却水システムである。特定の実施形態では、工業用水システムは、ボイラーシステムであり得る加熱水システムである。特定の実施形態では、加熱水システムの工業用水は、脱気されている。
【0046】
好適な堆積防止剤の例としては、これらに限定されないが、好適な防汚剤、抗カチオン剤および/または殺生物剤が挙げられる。
【0047】
堆積防止剤は、約0.1ppmまたは約1ppm〜約500ppmまたは約200ppmを含む、重量で約0.01ppm〜約1000ppmの濃度で工業用水中に存在することができる。
【0048】
工業用水には、これらに限定されないが、腐食防止剤、緩衝剤、他の処理化学薬品およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む他の物質が存在してもよい。
【0049】
特定の実施形態では、工業用水システムのパラメータが測定される。パラメータには、これらに限定されないが、温度、圧力、pH、伝導率、酸化還元電位、直線偏極抵抗、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0050】
基材は、工業用水システム内位置する基材のデジタル画像の作成を可能にするために十分に照らされる。好ましい実施形態では、基材は、発光ダイオード、より好ましくは複数の発光ダイオードであり得る1つ以上の照明源を使用して十分に照明される。
【0051】
本明細書で提供される方法では、基材のデジタル画像またはその一連のデジタル画像が作成される。特定の好ましい実施形態では、基材が工業用水システムに位置する間に、基材のデジタル画像またはその一連のデジタル画像が作成される。好ましくはないが、基材が工業用水システムに位置していない間に、基材のデジタル画像またはその一連のデジタル画像を作成することができる。好ましい実施形態では、工業用水システム内に位置する基材は、一般に、工業用水と接触している。
【0052】
利用される場合、一連のデジタル画像は、2つ以上のデジタル画像であってもよい。特定の実施形態では、一連のデジタル画像は、デジタル画像の、したがって加熱された基材の表面の傾向分析を行うのに十分な量のデジタル画像を含む。好ましい実施形態では、一連のデジタル画像は、基材の堆積傾向分析を行うのに十分な量である。特定の実施形態では、一連のデジタル画像は一定の時間間隔で作成され、すなわち、一定量の時間が経過した後に各画像が撮影される。特定の実施形態では、一連のデジタル画像は、工業用水システムのパラメータが制御限界内にある場合、一定の時間間隔で作成されるが、一連のデジタル画像は、工業用水システムのパラメータが制御限界内にない場合、一定の時間間隔より短い時間間隔で作成される。言い換えれば、プロセスが制御されているとき、1つのデジタル画像がt−長さの時間当たりで1つのデジタル画像の速度で作成されるが、プロセスが制御されていないとき、t−長さの時間当たりで1つのデジタル画像よりも速い速度で1つのデジタル画像が作成される。
【0053】
特定の実施形態では、基材のデジタル画像またはその一連のデジタル画像を分析して、工業用水システムにおける基材の堆積傾物向を決定する。特定の実施形態では、解析することは、基材のデジタル画像またはその一連のデジタル画像における関心領域を定義することと、デジタル画像またはその一連のデジタル画像から関心領域の傾向データを合成することと、を含む。いくつかの実施形態では、分析することは、サイズ、色プロファイル、堆積物によって被覆される面積の割合、堆積物の全体の平均表面積、熱伝達抵抗(またはその増加)、関連情報(例えば、熱伝達係数、熱伝達係数の変化など)、およびそれらの組み合わせを合成して、堆積傾向(例えば、堆積速度)を計算することを含む。堆積物動向およびデータの数学的変換の例については、本明細書でさらに論じる。
【0054】
特定の実施形態では、本方法は、基材のデジタル画像またはその一連のデジタル画像における関心領域を定義することを含む。関心領域は、基材の表面またはその一部を含むことができる。特定の実施形態では、関心領域は、基材の表面またはその一部である。
【0055】
特定の実施形態では、関心領域上に堆積物が発展し、したがって、特定の実施形態では、関心領域は、堆積物特徴を含む。特定の実施形態では、この方法は、関心領域における堆積物特徴を識別することを含む。特定の実施形態では、堆積物特徴の表面積が計算され、それは、工業用水システムにおける基材の堆積傾向を決定するために分析することができる。分析は、複数の温度プローブを使用して決定することができる熱伝達抵抗(「HTR」)の決定をさらに含むことができる。分析は、pH、導電率、酸化還元電位、直線偏極抵抗、電気化学的腐食監視、それらの派生項目、およびそれらの組み合わせから選択される工業用水システム内の工業用水のパラメータを測定することをさらに含むことができる。この分析は、工業用水システムにおける堆積物の形成を最小化または防止するように措置をとるために利用することができる。
【0056】
特定の実施形態では、基材のデジタル画像またはその一連のデジタル画像の関心領域内の、任意選択で、例えば、熱伝達抵抗および/または本明細書に列挙されたパラメータのうちの任意の、1つ、の組み合わせ、または全てを含む堆積物特徴の分析に基づいて、措置がとられる。一般的に、とられる措置は、工業用水システムにおける堆積物の影響を防止または軽減するための1つ以上の措置である。これらに限定されないが、堆積防止剤の投与を増加すること、異なる堆積防止剤を選択すること、堆積防止剤を修正すること、工業用水システムの物理的特性を変更すること、工業用水システムをシャットダウンすること、およびそれらの組み合わせを含む任意の1つ以上の措置をとることができる。
【0057】
特定の実施形態では、複数のデジタル画像またはその一連(複数)を作成するために、複数の撮像装置が利用される。複数のシステムは、例えば、PC、マイクロプロセッサ、ゲートウェイ、またはそのような装置の組み合わせとすることができるコントローラに直接インターフェースするように構成され、取得制御のための電子通信を確立し、ならびに画像データを格納および/または送信することができる。データは、有線接続および/または無線プロトコル(例えば、Wi−Fi、Zigbee、LoRa、スレッド、BLE OnRamp、RPMA、EEE802.11ネットワークファミリ、IEEE802.15.4、Bluetooth(登録商標)、HiperLAN、LoRaなどのうちの1つ以上)を介して送信され得る。システムに電力を供給することは、ケーブル、バッテリ、太陽光、または他のエネルギー収集手段、例えば振動を介して行うことができる。無線プロトコルとセルフパワード方式を組み合わせることで、複数の場所に便利に設置することができる。コントローラによって収集された画像データは、高度な画像解析アルゴリズムを使用して、格納、処理され、キートレンド変数に処理され、削減されて、データのリモートサーバへの送信、または制御装置、例えば、分散制御システム(「DCS」、例えば、Nalco Water,an Ecolab company,1601 West Diehl Road,Naperville,Illinois 60563から入手可能なNalco 3D技術)、研究室情報管理システム(例えば、「LIMS」ソフトウエア/ハードウエアパッケージ)および/またはクラウドコンピューティングシステムなどの制御システムと通信する。
【0058】
デジタル画像の作成は、単に基材のスナップショットを撮ることによって取得することができ、一連のデジタル画像のデジタル画像は、時間の経過とともに2つ以上の基材のスナップショットを撮ることによって取得することができる。特定の実施形態では、一連のデジタル画像のデジタル画像が平均化され、改善された信号対ノイズ比を提供することができ、これは、例えば、工業用水システム内の工業用水のパラメータを測定することによって収集されたデータを処理するのに同期した時間経過ビデオを作成するために使用され得る。本方法は、データを数学的に変換することによってデジタル画像またはその一連のデジタル画像から収集されたデータを分析(例えば、合成)することをさらに含むことができ、特定の実施形態では検出された堆積物に関するさらなる洞察を提供することができる。
【0059】
異なる時間に基材画像を捕捉する能力は、この場合には堆積物のために基材表面上で生じる変化を監視する手段を提供する。さらに、画像データを格納する能力は、現在の画像データを、例えば、同じ工業用水システム内に同様に載置された基材、異なる工業用水システム内に同様に載置された基材、統計的な基質の集団の分析などの全ての種類の異なる基材の過去の観測と比較する能力を提供する。例えば、基材の一連のデジタル画像を5、10、15...日ごとに作成し、工業用水システム内の同じ位置に位置する1つ以上の基材について同じ増分期間で収集された履歴デジタル画像データに対して分析することができる。データ間の観察された差異は、処理プログラムおよび/または水質によるプロセスの変化を示すことができる。
【0060】
デジタル画像処理アルゴリズムを利用することで、デジタル画像の定量評価が可能となり、基材の堆積物、それは、したがって工業用水システムの堆積物の定量的評価を提供する。デジタル画像またはその一連のデジタル画像から収集されたデータを使用して、基材表面積の変化に対する特徴(またはその複数)に関連する全体的な傾向を展開することができる。
【0061】
本明細書で提供される方法およびシステムは、特定の実施形態では、基材上に形成された堆積物の種類の特徴付けを可能にするマルチスペクトル撮像を可能にするように変更されてもよい。本明細書で提供される方法およびシステムの特定の実施形態では、基材の照明は、RGBW(赤、緑、青、白)発光ダイオードなどの狭帯域波長光源を使用して行われる。異なる波長帯域での基材の照明は、堆積物の種類を分類する洞察を提供する異なる色の領域を強調することができる。一般に、光源はRGBに限定されるが、狭帯域フィルタを有する広帯域光源の組み合わせを利用して、特定のより狭い波長帯域を選択することができる。代替的に、1155 Rancho Bernardo Rd.,San Diego,CaliforniaのSurface Optics Corporationから入手可能なマルチスペクトル撮像装置を、システム内のカメラとして、またはマルチスペクトル撮像を介してデジタル画像またはその一連のデジタル画像を作成するために利用してもよい。一般に、マルチスペクトル撮像装置は、各々の画素について約400nm〜約1000nmの波長範囲にわたって連続スペクトル情報を提供することができる。マルチスペクトル撮像を利用する実施形態では、マルチスペクトル撮像装置のスペクトル範囲は、鉱物堆積物(および鉱物堆積物の可能な種類)対微生物学的堆積物などの堆積物の種類の識別を可能にする。
【0062】
本明細書に記載の方法およびシステムの特定の実施形態では、基材は、撮像装置を備えた水晶マイクロバランス(「QCM」)検出器である。QCM検出器を利用する実施形態では、上述し、図1および図2に示す基材は、例えば5MHzで動作するQCM装置である。QCM結晶対電極は、流体にさらされた曝露された電極を加熱するための加熱装置として動作することができる。電極表面を加熱することにより、カルシウムおよび炭酸塩が工業用水流中に存在すると仮定して、電極表面に接触する工業用水流からの炭酸カルシウム堆積が誘発される。堆積物が表面上に形成されるので、QCM検出器の共振周波数は、Sauerbrey方程式に従う質量負荷のために減少する。一般に、質量測定が行われると、QCM検出器の加熱は停止される。QCM検出器は、堆積物の組成に関する情報を直接的には提供せず、堆積物の質量のみを提供する。
【0063】
スケールが軟質(例えば、本質的に微生物学的)であるか、硬質(例えば、炭酸カルシウム(例えば、炭酸カルシウム))であるかを決定するために、散逸を使用する技術が、市販されている、例えば、Biolin Scientific USA,215 College Road,Paramus,New Jerseyの一部であるQSenseからのQCM−Dなどである。図1〜3に示すような撮像システムを図1〜3に示すような構成のQCM検出器に結合することにより、画像データから表面上に形成されたスケールの種類の洞察を取得することができる。
【0064】
この点を示す一例を、図4に示す。左から右への上部の一連の画像(時間の増加)は炭酸カルシウムの堆積物を示し、一方、下部の一連の画像は、オフライン分析から決定された表面上の褐色のマンガンおよび/または鉄の堆積物を示す。いずれの場合も、QCMセンサは、経時的に質量増加を測定した。しかしながら、撮像システムからのフィードバックがなければ、堆積物の性質に関する情報は失われる。堆積物に関する追加的な洞察は、処理プログラムの化学および投与量の最適化および有効性の検証に役立つ。
【0065】
工業用水システム内の工業用水の水ストレスは、例えば、異なる表面温度で加熱された基材を操作すること、ならびに加熱された基材表面の近くで局所的にpHを電気化学的に変化させることによって、堆積物の形成の可能性ならびに堆積物の種類を試験することができる。さらに、pH、伝導率、酸化還元電位、処理化学物質消費量、アルカリ度、金属イオン濃度、リン酸塩、硫酸塩およびシリカ濃度などの別の分析による水の化学に関する情報を、モデリングソフトウェアパッケージ、例えば、本明細書に記載の方法およびシステムからの入力を付加的に含むことができるFrench Creek Softwareに入力することができる。例えば、加熱された基材の温度を徐々に調節して、加熱された基材上の堆積物の形成を駆動することにより、飽和水準または工業用水中の鉱物塩の堆積物沈殿ポテンシャルに関する情報を提供することができる。付加的に、プローブシステムのマトリックスは、例えば、基材温度および/または局所的pH調整などの異なる動作条件、ならびに異なる基材表面仕上げまたは冶金などに設定された各々のプローブを用いて、工業用水の単一の流れと接触させて、使用することができる。
【0066】
本明細書に記載の方法およびシステムの特定の実施形態では、加熱された基材はガラス結合マイカブロックを含む。本明細書に記載の方法およびシステムの特定の実施形態では、加熱された基材は、ポリエーテルイミド樹脂(例えば、SABICから入手可能なULTEM樹脂)を含む。
【0067】
本明細書に記載される方法およびシステムの特定の実施形態では、加熱された基材またはその一部は、感温性塗料でコーティングされる。利用するとき、感温塗料は、加熱された基材の表面温度の測定においてさらなる精度を提供することができる。一般に作業者が熱交換器に見られる条件に近い条件に到達しようとするので、加熱された基材の表面温度は、水システムスケール電位を測定するための重要なパラメータとなり得る。温度に敏感な塗料は、例えば、7610 McEwen Road,Dayton,OhioのInnovative Scientific Solutions、Inc.によって供給されるUniTemp感温塗料として入手可能である。特定の実施形態では、工業用水と接触する加熱された基材の表面は、感温塗料で完全に被覆され、他の実施形態では、工業用水と接触する加熱された基材の表面の1つ以上の部分が被覆される。一般に、堆積物が表面上および感温塗料で被覆された表面の部分上に形成されると、感温塗料への励起源浸透の減少により、感温塗料の発光強度が低下する。さらに堆積物が形成されると、基材上に形成された堆積物が感温塗料中に存在する励起源を完全に遮断するので、発光は減少し、検出されにくくなる。
【実施例】
【0068】
熱伝達と撮像を組み合わせたアプリケーションは、工業用水システム内の工業用水の実験例である、表1に示す初期組成から始まる再循環水システムを使用して実証されている。表1の水組成物は、全ての実施例で利用される。
【表1】
【0069】
実施例1:
この構成では、図1〜3に示されたシステムを有するマニホルドを介して再循環された水は、1インチのスケジュール40NPTパイプに対して毎分1ガロンの流量を維持するために流速制御を使用して、流れループ内に装着した。堆積物形成を誘導するために、50ppmの塩化カルシウムと100ppmの重炭酸ナトリウムを異なる増分で添加することにより、水中の炭酸カルシウム濃度を調整した。測定をベンチマークするために、再循環ループ上に、Bridger Scientific INC.DATS(Deposit Accumulation Test System)を設置した。このプローブは、厚さ0.01インチの302ステンレススチール基材に、THORLABS、56 Sparta Ave,Newton,NJからのモデルHT19R 23mm直径19Wセラミックヒータを使用した。温度監視のために、Omega Engineering INC.,One Omega Drive,Stamford,ConnecticutからのJ型熱電対、モデルJMQSS−062G−6を利用した。バルク水温を測定するために、追加のRTDプローブを使用した。温度ログはパーソナルコンピュータに接続されたUnited Electronics Industries,Inc.,27 Renmar Avenue,Walpole,MAのDNA−PPC8およびDNA−AI−207システムで行った。流量の監視および制御は、フィードバック流れ制御を装備したDATSユニットによって提供された。水の伝導率、pH、および酸化還元電位は、Nalco/ECOLAB 3D TRASARコントロールを使用して連続的にモニターされ、プローブは循環水を供給および受け入れた保持タンクに挿入された。
【0070】
実験の結果は、図5〜7に示す熱伝達抵抗、選択された画像データおよび処理された画像データにおける測定された変化を示す。図5は、HTRの変化が、加熱された基材上に堆積物が形成されるにつれて5時間後に増加する値によって明らかであることを示している。HTR測定と同時に、一連のデジタル画像は、加熱された基材の表面上への堆積物の形成を示す。選択されたサンプル画像が、図5に異なる時点で示されている。画像データは、THE IMAGING SOURCE LLC,6926 Shannon Willow Rd,Charlotte,NCからのモデルTBL−8−Cの8mmレンズを有する、THE IMAGING SOURCEからのモデルDFK ECU010−M12カメラの、カメラを使用してPC上に収集される。照明は、Cree XLamp XP−E2 LED(Cree INC.,4600 Silicon Drive,Durham,North Carolina)およびCarlco 10140レンズ(Carlco Optics,600 Depot Street,Latrobe,PA)で制御した。サンプル画像は、堆積物が存在する前(約2時間)、堆積物が形成され始めた直後(約7時間)、および加熱された基材表面上の堆積物形成の程度を示す延長期間(約20時間)後の状態を示す。
【0071】
一連のデジタル画像は、統合画像として図5に傾向としてプロットされる2D画像データ(水平1280×垂直720画素)を単一の点に減少させるように処理される。画像処理ステップは、垂直方向に沿って画素強度値を最初にビニング(すなわち合計)して、0〜1280ピクセルの水平強度線プロファイルを生成するステップを含む。異なる時間に収集された、結果として得られたビニングされた撮像データを示す例を図6に示す。図6にも示されているのは、基材の縁部を表す垂直破線である。流れの方向は、図6の矢印で示した左から右への方向である。ビニングされたラインプロファイルは、図5に示す画像データで観察されるように、基材の左側の加熱されていないセクションであるため、全ての処理された画像に対して最初は平坦である。破線の間のビニングされたラインプロファイルは、基材面積を表し、基材上で生じる変化は、ラインプロファイルの強度値で観察される。堆積物が基材表面上に形成されるにつれて、ビニングされたラインプロファイルは、経時的に増加する。ラインプロファイルの最大の変化は、これが基材の最も暖かい領域であるため、最初に堆積物が形成される領域であるため、右端に観察される。右側の基材領域の外側では、ビニングされたラインプロファイルは、水流の下流に堆積物を形成するため、左側部よりも感度が高い。
【0072】
図6に示す破線の間のラインプロファイルを積分することにより、曲線は単一点に縮小される。異なる時間増分で予め形成されると、次に積分値を傾向としてプロットすることができる。この点の値は、基材表面の反射率および/または色の変化を表す。図5は、積分された画像データと測定された熱伝達抵抗とを比較することによってこの点を示している。堆積物が基材表面上に形成されるにつれて、HTRも増加し、積分された画像データが増加し、対応する増加を示す。図5に示す傾向の結果は、オフセットすなわち堆積物領域なしに補正され、データをゼロから1に再スケーリングするために最大積分値に正規化される。この例では、積分された画像データは、2倍のノイズレベルの検出限界を使用することに基づくHTR測定よりも約2時間早く堆積物の存在を検出する。この場合、HTRノイズは、流れ制御システムからの流れの変化に起因する。対流のために、流速の小さな変化がHTR計算に伝播する。HTR測定とは異なり、画像測定は、流体流速および/または温度とは無関係である。
【0073】
実施例2:
図7に示される第2の例では、プロットの開始時に、基材表面上に堆積物が存在する。堆積物は基材表面上に形成し続け、HTRは約3:12の時間で平坦となり、続いて酸を流れ流に導入した後に堆積物が除去されるため8:00前後に急激に減少する。pHは、8.5から2未満に変化した。積分された画像データは同様の傾向を示すが、酸注入に至る構造が異なる。両方の場合において、堆積物が基材表面から除去された後、HTRおよび積分された画像は、プロットの開始時の値よりも低いベースライン値に戻る。
【0074】
本明細書に引用される出版物、特許出願、および特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれるように個別に、具体的に指示され、その全体が明記されているのと同程度まで参照により本明細書によって組み込まれる。
【0075】
本発明を説明する文脈において(特に、以下の特許請求の範囲の文脈において)、用語「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、および同様の指示対象の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、単数形および複数形の両方を網羅するように解釈される。特に、本明細書では「一連(series)」という単語が見られ、本明細書中に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。1つ以上の品目の一覧に後続する用語「少なくとも1つ」(例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、記載された品目から選択される1つの品目(AまたはB)、または記載された品目のうちの2つ以上の任意の組み合わせ(AおよびB)を意味するように解釈される。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含む(containing)」という用語は、別途断りのない限り、非限定的用語である(すなわち、「〜を含むがそれに限定されない」ことを意味する)ものとして解釈されるべきである。本明細書における数値範囲の列挙は、本明細書において別途指示のない限り、その範囲内に入る各個別の値に対して個々に言及する簡易的方法として働くことを単に意図するものであり、各個別の値は、それを本明細書において個別に列挙したかのように本明細書に組み込まれる。本明細書において説明される全ての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序で行われ得る。本明細書において提供されるいかなる、および全ての例、または例示的言語(例えば、「等」)の使用は、本発明をより良く説明することのみを目的とし、他に主張されない限り、本発明の範囲を限定しない。本明細書におけるどの用語も、本発明の実践に不可欠なものとして、任意の特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0076】
本発明の好ましい実施形態が本明細書には記載されており、これには本発明者らが知る本発明を実行するための最良の形態が含まれる。前述の記載を読むことで、当業者には、これらの好ましい実施形態の変化形態が明らかとなるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変化形態を適切に採用することを期待し、本発明が、本明細書に具体的に記載されたものとは別様に実践されることを意図するものである。その結果、本発明は、適用法で許可される通り、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題の全ての修正および同等物を含む。また、その全ての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせは、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、本発明によって包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7