特許第6971317号(P6971317)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6971317原動機付き車両用懸架装置群、原動機付き車両用車輪群、原動機付き車両の前端部および原動機付き車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971317
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】原動機付き車両用懸架装置群、原動機付き車両用車輪群、原動機付き車両の前端部および原動機付き車両
(51)【国際特許分類】
   B62K 25/04 20060101AFI20211111BHJP
   B62K 5/05 20130101ALI20211111BHJP
   B60G 3/14 20060101ALI20211111BHJP
   B62K 5/10 20130101ALN20211111BHJP
【FI】
   B62K25/04
   B62K5/05
   B60G3/14
   !B62K5/10
【請求項の数】22
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-528917(P2019-528917)
(86)(22)【出願日】2017年12月7日
(65)【公表番号】特表2020-513369(P2020-513369A)
(43)【公表日】2020年5月14日
(86)【国際出願番号】IB2017057729
(87)【国際公開番号】WO2018104906
(87)【国際公開日】20180614
【審査請求日】2020年10月15日
(31)【優先権主張番号】102016000124367
(32)【優先日】2016年12月7日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512185877
【氏名又は名称】ピアッジオ・エ・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】PIAGGIO & C. S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・ラッファエッリ
【審査官】 中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−193678(JP,A)
【文献】 英国特許出願公告第00163504(GB,A)
【文献】 特開2007−062605(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第105313628(CN,A)
【文献】 中国実用新案第205439858(CN,U)
【文献】 特開2004−352121(JP,A)
【文献】 特開2014−015063(JP,A)
【文献】 特開2008−080882(JP,A)
【文献】 実公昭33−002021(JP,Y1)
【文献】 特開2007−118766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 25/04
B62K 5/05
B60G 3/14
B62K 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)であって、前記懸架装置群(10)は、
長手方向軸(T−T)に沿って延在し、前記長手方向軸(T−T)に直角な回転軸(R−R)を有する車輪(102、102a)の回転ピン(3)と連結するための車輪取り付け部(2)を備える、車輪ガイド(1)と、
第1のクランク(9)と第2のクランク(12)それぞれを介して前記車輪ガイド(1)に機能的に連結されている支持アーム(8)とを備え、
前記車輪ガイド(1)は、第1の端部(1a)と前記第1の端部(1a)の反対側にある第2の端部(1b)との間に延在し、
前記第1のクランク(9)は、前記第2の端部(1b)で前記車輪ガイド(1)に及び前記支持アーム(8)に枢動可能に連結され、
前記第2のクランク(12)は、前記第1の端部(1a)で前記車輪ガイド(1)に及び前記支持アーム(8)に枢動可能に連結され、
前記車輪ガイド部材(1)、前記支持アーム(8)並びに前記第1のクランク(9)および前記第2のクランク(12)は、懸架四角形を定め、
前記車輪ガイド(1)と前記支持アーム(8)と前記第1のクランク(9)と前記第2のクランク(12)の中から選択された前記部材の少なくとも二つの間で、ショックアブソーバ群(7)は、前記懸架四角形の運動が変化したときに前記ショックアブソーバ群(7)がその伸びを変化させるように、相互に連結されており
前記懸架四角形は、前記車輪(102、102a)のリム(184)によって範囲を定められた容積(180)内に収容され、
前記原動機付き車両は、モータサイクルである、
原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項2】
前記ショックアブソーバ群(7)は、前記第1のクランク(9)と前記第2のクランク(12)との間に設けられている、請求項1に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項3】
前記ショックアブソーバ群(7)は、前記第1のクランク(9)と前記支持アーム(8)との間に設けられている、請求項1に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項4】
前記ショックアブソーバ群(7)は、前記第1のクランク(9)と前記車輪ガイド(1)との間に設けられている、請求項1に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項5】
前記ショックアブソーバ群(7)は、前記第2のクランク(12)と前記支持アーム(8)との間に設けられている、請求項1に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項6】
前記ショックアブソーバ群(7)は、前記第2のクランク(12)と前記車輪ガイド(1)との間に設けられている、請求項1に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項7】
前記ショックアブソーバ群(7)は、前記支持アーム(8)と前記車輪ガイド(1)との間に設けられている、請求項1に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項8】
前記ショックアブソーバ群(7)は、基礎部(7a)、および前記基礎部(7a)に対して反対側にある頭頂部(7b)を備え、前記基礎部(7a)と前記頭頂部(7b)は、それぞれのジョイントを介して前記二つの部材に連結されている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項9】
前記ショックアブソーバ群は、弾性手段(72)およびダンパ(71)を備える、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項10】
前記ショックアブソーバ群(7)は、前記車輪(102、102a)の負荷の増加に応じて縮むような形状である、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項11】
前記ショックアブソーバ群(7)は、前記車輪(102、102a)の負荷の増加に応じて伸びるような形状である、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項12】
前記第1のクランク(9)は、前記第2の端部(1b)で、前記車輪ガイド(1)に配置された第1のヒンジ(9a)、および前記支持アーム(8)に配置された第2のヒンジ(9b)を介して、回転自在に連結され、
前記第2のクランク(12)は、前記第1の端部(1b)で、前記支持アーム(8)に配置された第3のヒンジ(12a)を介して、および前記車輪ガイド(1)に配置された第4のヒンジ(12b)を介して、枢動可能に連結されている、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項13】
記ショックアブソーバ群(7)は、前記容積(180)の少なくとも部分的に外側に配置されている、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項14】
前記ショックアブソーバ群(7)は、前記リム(184)の前記容積(180)に対して完全に外側に、またはカンチレバーに配置されている、請求項13に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項15】
前記ショックアブソーバ群(7)は、一つのダンパ(71)のみを備え、前記第1のクランク(9)の前記第1のヒンジ(9a)および前記第2のヒンジ(9b)は、前記第1のクランク(9)が前記弾性手段(72)の機能を実行するトーションバーとして作用するように、固定され、または連結している、請求項12に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項16】
前記第2のクランク(12)の前記第3のヒンジ(12a)および前記第4のヒンジ(12b)は、前記第2のクランク(12)が前記弾性手段(72)の機能を実行するトーションバーとして作用するように、固定され、または連結している、請求項12に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項17】
前記第2のクランク(12)は、回転の瞬間中心が実質的に無限へと近づくように四角形懸架装置構成を形成する前記第1のクランク(9)に対する寸法関係を有する、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の懸架装置群(10)。
【請求項18】
前記第2のクランク(12)は、回転の瞬間中心が前記支持アーム(8)側から有限点に収束するように四角形懸架装置構成を形成する前記第1のクランク(9)に対する寸法関係を有する、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の懸架装置群(10)。
【請求項19】
前記車輪ガイド(1)は、収容空間(5)を形成する管状カバー(4)を備え、前記ショックアブソーバ群(7)は、前記収容空間(5)に少なくとも部分的に収容されている、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の原動機付き車両(100)用懸架装置群(10)。
【請求項20】
請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の懸架装置群(10)を備える、原動機付き車両(100)の車輪群(102、102a)。
【請求項21】
原動機付き車両(100)の前端部(108)であって、
前端シャーシ(116)と、
ロールする関節接合された四角形(120)を介して前記前端シャーシ(116)に運動学的に連結された一対の前輪(102、102a)とを備え、
前記前端部(108)は、それぞれの前輪(102、102a)で、請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の懸架装置群(10)と請求項20に記載の車輪群の少なくとも一つを備える、原動機付き車両(100)の前端部(108)。
【請求項22】
後車軸(109)で駆動輪(103)と、請求項20に記載の車輪群(102、102a)と、請求項21に記載の前端部の少なくとも一つを備える、原動機付き車両(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原動機付き車両(例えば、二輪または三輪の原動機付き車両)の車輪の懸架装置群に関する。
【0002】
さらに、本発明は、原動機付き車両の前端部とその原動機付き車両の両方で、懸架装置群と一体化された原動機付き車両の車輪群に関する。
【背景技術】
【0003】
原動機付き車両の車輪に適用される様々な懸架装置解決策が知られている。懸架装置は、車輪支持のための所定の剛性を保証しなければならず、同時に、特に三輪の原動機付き車両で、車両の動的な挙動を改善するために大きさおよび重量の削減を提供しなければならない。三輪の原動機付き車両は、後部に駆動輪を、前部に操舵および傾斜する種類の二つの車輪を備える。後輪は、駆動トルクを提供するという目的を有する一方、互いに実質的に平行な前輪は、車両の進む方向を決める。
【0004】
前輪は、例えば、関節接合された四角形の介在によって、同期的かつ対称的にロールおよび操舵することを確保する運動学的システムを介して互いに運動学的に連結されている。
【0005】
四角形構造の懸架装置群は、本出願人の名前で知られており、カバーの内側に一体化されたショックアブソーバ(緩衝装置)群を備えられた車輪ガイドを備えている。車輪ガイドは、クランクおよびガイド棒を介して支持アームに連結されており、クランクは、車輪ガイドの端部と支持アームの端部でヒンジ連結され、ガイド棒は、カバーの内側に摺動自在に連結されたショックアブソーバ群の頭頂部に合わされている。ガイド棒の移動は、カバーに作られたスロットによって定められる。ショックアブソーバ群の頭頂部は、シリンダ−ピストン連結を形成し、ショックアブソーバ群の摺動に対する軸方向のガイドとして作用する。
【0006】
前述の解決策は、機能的に有効であるが、いくつかの欠点を有する。頭頂部は、スロットを通じて外側に開口しており、したがって、シリンダ−ピストン連結は、土砂の堆積にさらされ、当該態様は、シール性および一般的な機能の劣化を生じさせる。
【0007】
したがって、前述の欠点を解決する必要性が感じられる。
【0008】
懸架装置群の性能を改善する必要性はまた、ショックアブソーバの車輪ガイドに固定された車輪の軌跡のよりよい制御、懸架装置群のより高い強度、および製造費用に関して感じられる。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の目的は、従来技術による解決策に対して動的な反応および製造費用が改善された原動機付き車両の懸架装置群を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、同じ目的を実現する懸架装置群を備える車輪群を提供することである。
【0011】
また、本発明の目的は、同じ目的を実現する原動機付き車両の前端部およびその原動機付き車両を提供することである。
【0012】
これらの、およびその他の目的は、請求項1に記載している原動機付き車両用の懸架装置群によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、添付図面に関して、非限定的な例の方法で作られた、後述する実施形態の記載とともに以下で説明されている。
【0014】
図1a図1aは、本発明による懸架装置群の想定される構成の概略図である。
図1b図1bは、本発明による懸架装置群の想定される構成の概略図である。
図2a図2aは、本発明による懸架装置群を設けられた一対の車輪を前端部に備える原動機付き車両の斜視図を示す。
図2b図2bは、図2aの原動機付き車両の前端部の拡大斜視図を示す。
図3図3は、対応する車輪を取り付けられた、本発明による懸架装置群の断面図である。
図3A図3Aは、図3の詳細概略図である。
図4図4は、ショックアブソーバ群の第1の伸長構成での、懸架装置群の斜視図を示す。
図5図5は、ショックアブソーバ群の第2の圧縮構成での、図4の懸架装置群の斜視図を示す。
図6a図6aは、伸長構成での、本発明のさらなる実施形態による懸架装置群の図を示す。
図6b図6bは、圧縮構成での、本発明のさらなる実施形態による懸架装置群の図を示す。
図7図7は、図6aおよび図6bにて示された懸架装置群の斜視図である。
図8図8は、本発明による懸架装置群のさらなる実施形態の図を示す。
図9図9は、本発明による懸架装置群のさらなる実施形態の図を示す。
図10図10は、本発明による懸架装置群のさらなる実施形態の図を示す。
図11図11は、本発明による懸架装置群のさらなる実施形態の図を示す。
図12図12は、本発明のさらなる実施形態による前端部を備える原動機付き車両の部分斜視図を示す。
図13図13は、図12のモータサイクルの前輪の正面図を示す。
図14図14は、図13の車輪の断面図を示す。
図15図15は、本発明のさらなる実施形態による前端部を備えるモータサイクルの部分斜視図を示す。
図16図16は、図15のモータサイクルの前輪の正面図を示す。
図17図17は、図16の車輪の断面図を示す。
【0015】
以下に記載された実施形態間で共通の部材または部材の部品は、同一の符号で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上述の図に関して、本発明による原動機付き車両の全体概略図は、まとめて100で示されている。
【0017】
本発明において、用語「原動機付き車両(motor vehicle)」は、広義で考えられるものであり、少なくとも三つの車輪(すなわち、以下でより詳細に記載されているような二つの前輪102、102a、および少なくとも一つの後輪103)を有する任意のモータサイクルを含む。したがって、いわゆる四輪車は同様に原動機付き車両の定義に含まれ、前端部に二つの車輪および後車軸に二つの車輪を有する。
【0018】
原動機付き車両100は、少なくとも二つの前輪102、102aを支持する前端部108から、一つ以上の後輪103を支持する後車軸109へと延在するシャーシ101を備える。
【0019】
たとえ示されていない場合でも、進行方向を向いて乗車している運転手に対して、図2aにて概略的に示されている右側前輪102、および左側前輪102aが、示されている。車輪102、102aは、運転手の観測点から見て、原動機付き車両の中心線平面M−Mの左側と右側に配置されている。
【0020】
本発明に関して、原動機付き車両のシャーシ101は、任意の形状と大きさであってよく、また、例えば、ラティス(格子)タイプ、ボックス(箱)タイプ、シングルクレードルまたはダブルクレードルのものなどであってもよい。
【0021】
特に、原動機付き車両100の前端部108は、前端フレーム116および一対の前輪102、102aを備え、一対の前輪102、102aは、ロールする関節接合された四角形120によって前端シャーシ116に運動学的に連結されている。ロールする関節接合された四角形120によって、前輪102、102aはロール、つまり、地面に垂直な方向に対して傾斜できる。
【0022】
前端部108は、それぞれの前輪102、102aで、懸架装置群10を備える。
【0023】
図3および図4でより詳細に示されているように、懸架装置群10は、車輪ガイド1を備え、これは長手方向軸T−Tに沿って延在している。車輪ガイド1は、長手方向軸T−Tに直角な回転軸R−Rで車輪102、102aの回転ピン3に連結するための車輪取り付け部2を提供している。
【0024】
特に、車輪ガイド1は、互いに反対側にある第1の端部1aと第2の端部1bとの間に延在している。
【0025】
懸架装置群10は、基礎部7aから、基礎部7aに対して反対側にある頭頂部7bへと延在するショックアブソーバ群7をさらに備える。基礎部および頭頂部は、互いに移動可能であり、車輪ガイド1と支持アーム8と第1のクランク9とクランク12(以下でより詳細に記載する)の中の少なくとも二つの部材に連結されている。
【0026】
例えば、ショックアブソーバ群7は、弾性手段72およびダンパ71を備える。
【0027】
懸架装置群10は、第1のクランク9と第2のクランク12それぞれを用いて車輪ガイド1に機能的に連結された支持アーム8を備える。
【0028】
第1のクランク9は、第2の端部1bで(例えば、第1のヒンジ9aを介して)車輪ガイド1に、および(例えば、第2のヒンジ9bを介して)支持アーム8に枢動可能に連結されている。
【0029】
第2のクランク12は、第1の端部1aで車輪ガイド1および支持アーム8に枢動可能に連結されている。
【0030】
例えば、第2のクランク12は、第1の端部1aで、支持アーム8に配置された第3のヒンジ12aを介して、および車輪ガイド1に配置された第4のヒンジ12bを介して枢動可能に連結されている。
【0031】
一実施形態によると、第1のクランク9は、第2の端部1bで、車輪ガイド1に配置された第1のヒンジ9a、および支持アーム8に配置された第2のヒンジ9bを介して枢動可能に連結されている。
【0032】
車輪ガイド1、支持アーム8、並びに第1のクランク9および第2のクランク12は、共同で関節接合された懸架四角形を形成している。それぞれの車輪は、車輪自体の関節接合された懸架四角形に枢動可能に連結されている。懸架四角形は、ロールする関節接合された四角形120によって互いに連結されている。そして、ロールする関節接合された四角形120は、懸架四角形を原動機付き車両のシャーシに連結している。好適には、車輪ガイド1と支持アーム8と第1のクランク9と第2のクランク12の中から選択された部材の少なくとも二つの間で、ショックアブソーバ群7は、懸架四角形の運動が変化したときにショックアブソーバ群7がその伸びを変化させるように、相互に連結されている。
【0033】
一般的に、そのようなショックアブソーバ群は、弾性手段72(典型的だが非排他的にはコイルバネまたはトーションバー)およびダンパ71を備える。弾性手段72およびダンパ71は、車輪ガイド1と支持アーム8と第1のクランク9と第2のクランク12の中から選択された同じ二つの部材の間に配置される必要はない。したがって、弾性手段72およびダンパ71は、ともに一体化されている場合、懸架四角形の同じ部材に連結するが、一方、分離している場合、四角形の同じ部材に連結してもよいし、懸架四角形の部材の異なる部品に連結してもよい。
【0034】
一実施形態によると、ショックアブソーバ群は、第1のクランク9と第2のクランク12との間に設けられている。
【0035】
一実施形態によると、ショックアブソーバ群7は、第1のクランク9と支持アーム8との間に設けられている。
【0036】
一実施形態によると、ショックアブソーバ群7は、第1のクランク9と車輪ガイド1との間に設けられている。
【0037】
一実施形態によると、ショックアブソーバ群7は、第2のクランク12と支持アーム8との間に設けられている。
【0038】
一実施形態によると、ショックアブソーバ群7は、第2のクランク12と車輪ガイド1との間に設けられている。
【0039】
一実施形態によると、ショックアブソーバ群7は、支持アーム8と車輪ガイド1との間に設けられている。
【0040】
一実施形態によると、弾性手段72は、車輪102、車輪102aで増加した負荷によって縮むように配置されている。当該状態は、図1aで概略的に示されており、ここでは、記載されたように圧縮された弾性手段72の様々な想定される傾き/配置が示されている。
【0041】
さらなる想定される実施形態によると、弾性手段72は、車輪102、車輪102aで増加した負荷によって伸びるように配置されている。当該状態は、図1bで概略的に示されており、ここでは、記載されたように伸長された弾性手段72の様々な想定される傾き/配置が示されている。
【0042】
一実施形態によると、懸架四角形10は、車輪102、車輪102aのリム184によって形成される容積180(すなわち、径方向に、リム184の内側にある空間)内に含まれる。ショックアブソーバ群7は、軸方向に容積184の外側に少なくとも部分的に配置されてもよい。好ましくは、ショックアブソーバ群7は、当該構成で、容積180に対して少なくとも部分的にカンチレバー(片持ち)に又は外側に配置されている。
【0043】
例えば、そのような少なくとも部分的なカンチレバー構成では、ショックアブソーバは、好ましくは第1のクランク9と第2のクランク12に対して回転するように、これらのクランクに二重にヒンジ連結されている。つまり、当該構成では、ショックアブソーバは、フローティングアンカーを有する。
【0044】
好ましくは、ショックアブソーバ7は、車輪の内側から中心線平面M−Mへと面して、容積180に対して完全に外側に、またはカンチレバーに配置されている。
【0045】
ショックアブソーバを当該位置にすることで、車輪のスタブアクスルの寸法を小さくすることができ、したがって、スタブアクスルが小さくなると材料および処理が削減されるため、関連費用も減らすことができる。また、懸架装置群を当該配置にすると、より細いトラック幅を備える車両の構造にすることができる。
【0046】
さらに、ショックアブソーバ7は、端部7a、端部7bで単純な結合を有し、その外側位置では、その油圧本体およびバネがスタブアクスルの内側での通過寸法を抑制しないため、その大きさに対して操縦性の大きなマージンが得られる。さらに、容積180の外側に位置することで、単一の弾性係数を備えるバネを使用できる高い幾何学的漸進性を有する挙動を得ることができる。
【0047】
弾性手段72は典型的には、一定のまたは可変のピッチによってコイルが巻かれたコイルバネを備える。
【0048】
例えば、弾性手段は、既知の方法で、ショックアブソーバ7と同軸上に配置されたバネである。
【0049】
弾性手段72は、ショックアブソーバ7に対して直列に、または並列に取り付けられてもよい。
【0050】
一実施形態によると、弾性手段72は、ショックアブソーバ7に並列に配置されている。
【0051】
想定されるさらなる実施形態によると(図12図17)、第1のクランク9の第1のヒンジ9aおよび第2のヒンジ9bは、第1のクランク9が弾性手段72の機能を実行するトーションバーとして振る舞うことができるように、固定され、または連結している。さらに、好ましくは、当該構成で、ショックアブソーバ7は、ダンパ71のみを備える。
【0052】
また、第2のクランク12が弾性手段の機能を提供するトーションバーとして振る舞うことができるように、固定され、または連結している、第2のクランク12の第3のヒンジ12aおよび第4のヒンジ12bを設けることも可能である。さらに、好ましくは、そのような構成で、ショックアブソーバ7は、ダンパ71のみを備える。
【0053】
トーションバーとして作用する第1のクランク9と第2のクランク12の使用が交互に発生し、または同時に起きてもよい。つまり、(第1のクランクまたは第2のクランクとして)単一のトーションバーを提供することができ、または両方のクランクがトーションバーとして作用してもよい。
【0054】
トーションバーの使用によって、ベアリングであろうとブッシュであろうと、費用に関してかなり有利に、ロトイダルなトルクを除去することができる。
【0055】
その上、伝統的ならせんバネを除去することで、特にカバー4に含まれていた場合、カバーの大きさそのものが小さくなるため、および/またはショックアブソーバの本体が大きくなり、懸架装置の油圧部品の挙動(すなわち、ダンピング)を改善することができるため、全体寸法は、かなり改善される。
【0056】
さらに、トーションバーは、支持アーム8とカバー4との間またはショックアブソーバ7の頭頂部7bとの間で固定され、回転を導くために通常は使用されるボールベアリングの遊びは、認識されない。
【0057】
明らかに、想定される実施形態によると、車輪ガイド1はさらに、管状カバー4(すなわち、中空管の一部)を備え、管状カバー4は、収容空間5(以後、空間5)を定めている。
【0058】
管状カバー4は、図3の断面または図5で再度示されているように、第1の端部1aで、スロット6を備える。スロット6は、長手方向軸T−Tに沿った少なくとも一つの区画にわたって延在している。
【0059】
カバー4は、空間5にショックアブソーバ群7を含むように形成されている(図3参照)。ショックアブソーバ群7は、バネ72に機能的に連結されたダンパ71を備え、両方とも空間5に収容されている。
【0060】
代替的な実施形態では、空間5は、ダンパ71のみを収容している一方、ダンパ71と機能的に連結されたバネ72は、外側に配置されている。
【0061】
特に、互いに連結されたダンパ71およびバネ72は、カバー4へのねじ結合によって取り付けられた固定基礎部7a、および固定部7aとは反対側に可動性の頭頂部7bを形成している。可動頭頂部7bは、長手方向軸T−Tにカバー4の空間5内を摺動するように調整されている。
【0062】
反対側では、第1の端部1aで、支持アーム8は、支持アーム8から延び、かつショックアブソーバ群7の可動頭頂部7bと合わされたガイド棒11を備える。ガイド棒11は、スロット6内を動き、これは、車輪102、車輪102aによって伝達されたショックアブソーバ群7の揺動運動にしたがった、その移動を定めている。
【0063】
図4および図5により詳細に示されているように、ショックアブソーバ群10の伸長構成では、ガイド棒11は、第1の端部1aにある。ショックアブソーバ群7の圧縮段階(図5参照)では、ガイド棒11は、以下で詳細に記載するように、第2の端部1bへ向かって動く。
【0064】
第2のクランク12は、長手方向軸T−Tと実質的に同軸上にある摺動方向に沿って、管状カバー4に沿った可動性頭頂部7bの移動を誘導している。
【0065】
第2のクランク12は、駆動機能を有する。つまり、ショックアブソーバ群7が管状カバーと同軸上に(すなわち、懸架軸を表す長手方向軸T−Tと同軸上に)動くことができる。
【0066】
このようにして、四角形懸架装置の構成は、ショックアブソーバの車輪ガイドに固定された車輪の軌跡のより良い制御、および高い強度、したがって信頼性を確保している。
【0067】
機能的には、(下側に配置された)第1のクランク9は、特に横方向への支持として作用し、一方、(上側に配置された)第2のクランク12は、車輪ガイド1で放たれた制動力への反応および軌跡のガイドとして作用している。
【0068】
特に、第2のクランク12は、回転の瞬間中心が実質的に無限へと近づくような懸架四角形の構成を形成する第1のクランク9に対する寸法比を有し、または、別の構成では(図3および図3Aに概略的に示されているように)、回転の瞬間中心CRは、支持アーム8の外側から有限点に収束している。
【0069】
特に、回転の瞬間中心CRは、第1のクランク9の第1のヒンジ9aおよび第2のヒンジ9bを通る第1の直線R1と、第2のクランク12の第3のヒンジ12aおよび第4のヒンジ12bを通る第2の線R2とによって定められている。図3Aは、図3に示されている線R1と線R2の交点、すなわち、懸架装置の回転の瞬間中心CRを示している。
【0070】
建設的に、好ましい実施形態によると、図4に示されているように、第2のクランク12は、支持アーム8と車輪ガイド1の取り付けヒンジ12a、12bに対応する端部を通過する孔を設けられた平らに形成された部材である。少なくとも一つのベアリングまたはブッシュが通過孔に挿入され、そこにそれぞれピン12c(図5参照)、ピン12d(図3参照)が付けられている。
【0071】
第3のヒンジ12aは、ブランチ8aとして延在している、支持アーム8に形成された取り付け部を備える。特に、取り付け部8aは、反対側で互いに向かい合う取り付け壁8bを備える「U」字形状を有する。したがって、第2のクランク12の端部は、取り付け壁8bの間に含まれ、関連するピン12cは、側壁8bによって機能的に支持されている。
【0072】
その他の建設的な態様では、第1のクランク9は、互いに反対側にある第1のヒンジ9aと第2のヒンジ9bで支持アーム8および車輪ガイド1と連結している、互いに平行な二つの異なる部材9、9’で構成されている。
【0073】
好ましくは、車輪に対応する制動手段154、155(例えば、ディスクブレーキ155用のキャリパ154)は、それぞれの車輪ガイド1に固定されている。本発明において、制動手段154、155は、任意の類いのものでよく、好ましくは、制動手段154、155は、それぞれの車輪102、102aのリム184によって範囲を定められた容積180内に入るような配置および大きさである(図3参照)。
【0074】
車輪ガイド1は、カバー4に形成された特別な小孔157を備え(図4参照)、ブレーキキャリパ154を車輪ガイド1に固定できる。
【0075】
上述された懸架装置群10は、上記されたように図2aの三輪の原動機付き車両100の前端部108のそれぞれの車輪群102、102aに適用されている。
【0076】
特に、懸架装置群10は全体的に、それぞれの車輪102、102aのリム184によって範囲を定められた容積180内に含まれる(図3参照)。前輪102および前輪102aの懸架装置群10は、各車輪の内側で互いに面している(図2参照)。つまり、懸架装置群10は、原動機付き車両の中心線平面M−Mに向かって回転され、スタブアクスルと関連付けられた関連構成部品は、外部の観察者からは直接は見えない。
【0077】
図5に示されているように、支持アーム8は、支持垂直物148、支持垂直物148aを備える。
【0078】
支持垂直物148、148aは、支持アーム8の内側で一体化され、第1の端部1aと第2の端部1bとの間に延在している。支持垂直物148、148aは、関節接合された四角形120のブランチを形成し、各ステアリングヒンジ176によって支持アーム8と結合している。ステアリングヒンジ176は、互いに平行な、車輪102、102aの各ステアリング軸S−Sを定めている。
【0079】
関節接合された四角形120はさらに、上側クロスメンバ124および下側クロスメンバ125を備える。クロスメンバ124とクロスメンバ125の対は、中央ヒンジ128で前端シャーシ116とヒンジ連結されている(図2参照)。さらに、クロスメンバ124およびクロスメンバ125は、対応するロールヒンジ178を介して対応する端部に連結されている。
【0080】
懸架装置群10の関節接合された懸架四角形は、各支持垂直物148、148aの軸を中心に回転することで、原動機付き車両を操舵できる。関節接合された懸架四角形は、(単一の、または関節接合された)棒300を通じて回転するように配置されており、棒300は、好ましくは球状ヒンジ301で支持アーム8とヒンジ連結されている。棒300は、ステアリングを動作させるように原動機付き車両のステアリングに機能的に連結されている。原動機付き車両のロールはしたがって、ロールする四角形120によって決定され、一方、操舵は、支持垂直物148、148aの軸(ステアリングヒンジ176とも呼ばれる)を中心とする、ロールする四角形120に対する懸架四角形の回転によってすることができる。
【0081】
上記内容から分かるように、本発明は、従来技術の欠点を打開する。
【0082】
好適には、本発明は、従来技術の解決策に対して、車両の動的な挙動を改善し、建設的に単純にすることで懸架装置の信頼性を改善する。
【0083】
本発明の実施形態の上記記載は、概念的な観点から発明を示しており、当業者は、周知技術を用いることで、さらなる研究をすることなく、また、創作的概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な利用のために改良および/または適合させることができる。したがって、そのような適合および/または改良は、特定に実施形態と同等であると考えられることを意味する。記載された様々な機能を実行するための手段および材料は、本発明の範囲から逸脱しない様々な類いのものである。用いられた表現および専門用語は、単なる説明のためのものであり、限定するものではない。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図3A
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17