(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971346
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーターとセラミック製ヒーター付き静電チャックおよびそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20211111BHJP
C04B 37/00 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
H01L21/68 R
C04B37/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-38670(P2020-38670)
(22)【出願日】2020年3月6日
(65)【公開番号】特開2021-141230(P2021-141230A)
(43)【公開日】2021年9月16日
【審査請求日】2020年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】518185875
【氏名又は名称】▲らん▼海精研股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100194629
【弁理士】
【氏名又は名称】小嶋 俊之
(74)【代理人】
【識別番号】100202692
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 吉文
(72)【発明者】
【氏名】松原 学
【審査官】
中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2019−204923(JP,A)
【文献】
特開2018−006737(JP,A)
【文献】
特開2001−203257(JP,A)
【文献】
特開2002−047071(JP,A)
【文献】
特開2002−057207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
C04B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密度が95%以上であり且つ接合面の表面粗さRaが0.1μm以下であるヒーター線内設セラミック層と、前記ヒーター線内設セラミック層の前記接合面に形成され且つ密度が95%以上であるセラミックからなる第一の接合層と、密度が95%以上であり且つ接合面の表面粗さRaが0.1μm以下である熱遮蔽効果を有する低熱伝導セラミック層と、前記低熱伝導セラミック層の前記接合面に形成され且つ密度が95%以上であるセラミックからなる第二の接合層とを備え、前記第一の接合層と前記第二の接合層とが接合されて一体化されている熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター。
【請求項2】
密度が95%以上のセラミック製静電チャックと請求項1記載のセラミック製ヒーターとが密度が95%以上である接合層によって一体化されている、熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャック。
【請求項3】
密度が95%以上であるヒーター線内設セラミック層の、表面粗さRaが0.1μm以下である接合面に、密度が95%以上のセラミックからなる第一の接合層を形成する工程と、密度が95%以上である熱遮蔽効果を有する低熱伝導セラミック層の、表面粗さが0.1μm以下である接合面に、密度が95%以上のセラミックからなる第二の接合層を形成する工程と、前記第一の接合層及び前記第二の接合層を研磨する工程と、研磨された前記第一の接合層及び研磨された前記第二の接合層をプラズマ又はイオンビームで活性化処理する工程と、活性化処理された前記第一の接合層と活性化処理された前記第二の接合層とを接合することによって前記ヒーター線内設セラミック層と前記低熱伝導セラミック層とを一体化する工程と、を含む熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーターの製造方法。
【請求項4】
密度が95%以上であるヒーター線内設セラミック層の、表面粗さRaが0.1μm以下である接合面に、密度が95%以上のセラミックからなる第一の接合層を形成する工程と、密度が95%以上である熱遮蔽効果を有する低熱伝導セラミック層の、表面粗さが0.1μm以下である接合面に、密度が95%以上のセラミックからなる第二の接合層を形成する工程と、前記第一の接合層及び前記第二の接合層を研磨する工程と、研磨された前記第一の接合層及び研磨された前記第二の接合層をプラズマ又はイオンビームで活性化処理する工程と、活性化処理された前記第一の接合層と活性化処理された前記第二の接合層とを接合することによって前記ヒーター線内設セラミック層と前記低熱伝導セラミック層とを一体化してセラミック製ヒーターを形成する工程と、密度が95%以上であるセラミックからなる誘電体層の接合面に金属電極を形成する工程と、前記誘電体層の、前記金属電極を形成した前記接合面に第三の接合層を形成する工程と、密度が95%以上であるセラミックからなる絶縁体層の接合面に第四の接合層を形成する工程と、前記第三の接合層及び前記第四の接合層を研磨する工程と、研磨された前記第三の接合層及び研磨された前記第四の接合層をプラズマ又はイオンビームで活性化処理する工程と、活性化処理された前記第三の接合層と活性化処理された前記第四の接合層とを接合することによってセラミック製静電チャックを形成する工程と、前記セラミック製静電チャックの接合面に第五の接合層を形成する工程と、前記セラミック製ヒーターの接合面に第六の接合層を形成する工程と、前記第五の接合層及び前記第六の接合層を研磨する工程と、研磨された前記第五の接合層及び研磨された前記第六の接合層をプラズマ又はイオンビームで活性化処理する工程と、活性化処理された前記第五の接合層と活性化処理された前記第六の接合層とを接合する工程と、を含む熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に半導体製造工程での使用を志向した熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーターとセラミック製ヒーター付き静電チャックおよびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特に高温での半導体製造プロセスに使用されるセラミック製ヒーターやセラミック製ヒーター付き静電チャックは、真空チャンバー内で使用される場合が多く、チャンバーとのシールにはOリングが使用されるため、その耐熱性を考慮し、ヒーターの高温部からの熱を低減させるためのセラミックチューブを下面に設置した構造が多用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−32898
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の構造ではヒーターを設置する真空チャンバーは特に縦方向の容積が大きくなり、大型になってしまう。また、下面に設置されるセラミックチューブの径に依存するが、ヒーター端子をセラミックチューブ内の中心部付近に設置する必要があるため、ヒーターパターンの設計において自由度が少ない。また、近年要求があるヒーターの多ゾーン化においては、ヒーター端子の数が増えるため、端子の取り出しをセラミックチューブ内の中心付近に設置する必要がある従来の構造で対応するには限界がある。接着剤により本発明と同様な構造を有するセラミック製ヒーターの製造が可能であるが、樹脂系接着剤の耐熱限界を超える高温においては無機接着剤の使用に限られる。しかしながら、無機接着剤は多孔質であり、パーティクルを嫌う半導体プロセスでの使用は控えたい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するために考案した、ヒーターを内設したセラミックに熱遮蔽効果を有する低熱伝導セラミックを接合したセラミック製ヒーターおよびそれらの製造方法である。
本発明の一態様による熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーターは、密度95%以上のヒーター線内設セラミック層と、密度95%以上の低熱伝導セラミック層と、を密度95%以上の接合層で一体化した。
また、半導体製造に使用されるヒーターは、静電チャック機能を有することも多い。
よって、本発明の一態様による熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャックは、密度95%以上のセラミック製静電チャックと、密度95%以上の低熱伝導セラミック層を接合した密度95%以上のセラミック製ヒーターとを、密度95%以上の接合層で一体化した。
さらに、本発明の一態様による熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーターの製造方法は、ヒーター線を内設したセラミック焼結体に、接合するための接合層を形成する工程と、前記接合層を活性化する工程と、同様に活性化された接合層を有する低熱伝導セラミック焼結体を接合する工程と、を含む。
さらに、本発明の一態様による熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャックの製造方法は、金属電極を形成したセラミック誘電体層とセラミック絶縁体層に接合のための接合層を形成する工程と、前記接合層を活性化する工程と、活性化された接合層同士を接合する工程と、接合されて一体化した静電チャックと熱遮蔽効果がある低熱伝導セラミックが接合されたセラミック製ヒーターに接合のための接合層を形成する工程と、前記接合層を活性化する工程と、活性化された接合層同士を接合する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、熱遮蔽効果を有する低熱伝導セラミックを一体化により下面に設置することで、従来のヒーターまたはヒーター付き静電チャックで必要な、高温部からの熱を低減させるためのセラミックチューブの設置が不要であり、半導体製造装置の処理チャンバーを小さく設計することが可能である。また、従来のヒーターまたはヒーター付き静電チャックではヒーター端子および静電チャック電極端子の取り出し場所は、セラミックチューブの内側である中心付近のみに制限されるが、本発明ではセラミックチューブの設置が必要ないため、ヒーター端子の取り出しは裏面全面を使用することが可能となる。このため、ヒーターパターン設計の自由度が高く、複数の端子取り出しが必要なヒーターの多ゾーン化の要求にも答え易い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明による熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーターの断面図
【
図2】熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーターの各製造工程の断面図
【
図3】本発明による熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャックの断面図
【
図4-1】熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャックの各製造工程の断面図
【
図4-2】熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャックの各製造工程の断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は本発明による熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーターの断面図である。
図1に示すように、ヒーター1は、ヒーター線内設セラミック層2と、ヒーター線内設セラミック層2に内設したヒーター線3と、ヒーター線内設セラミック層側の接合層4−a
(第一の接合層)および低熱伝導セラミック層側の接合層4−b
(第二の接合層)と、低熱伝導セラミック層5と、を備える。ヒーター線内設セラミック層2は、特に半導体製造プロセスに用いられる場合、プラズマ発生のためのRF電極も内設されている場合が多い。ヒーター線内設セラミック層2は、ホットプレス法など従来の方法で製造してもよく、また市販品を使用してもよい。低熱伝導セラミック層5は、ジルコニアに代表される低熱伝導セラミックの焼結体が好ましいが、高温で使用されることを考慮するとヒーター線内設セラミック層2と熱膨張率が近い低熱伝導セラミックの焼結体を用いることがより好ましい。従来、セラミック製ヒーターとしては、熱伝導が良好な窒化アルミニウムが使用される場合が多いが、この場合、低熱伝導性の快削性セラミックが熱膨張のマッチアップ上、低熱伝導セラミックとして適している。ヒーター線内設セラミック層側の接合層4−aおよび低熱伝導セラミック層側の接合層4−bは、ヒーター線内設セラミック層2と低熱伝導セラミック層5とを接合するために、表面がプラズマまたはイオンビーム等で活性化されるセラミックからなる層である。接合層の厚みは特に限定されないが、接合した接合層同士が合わせて50μm以下の程度が好ましい。
【0009】
図2を参照して、本発明の熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーターの製造方法を説明する。
ホットプレス法などの従来の方法で製造された、または市販品の密度95%以上のヒーター線内設セラミック層2、および密度95%以上の熱遮蔽効果を有する低熱伝導セラミック層5を予め用意する。
【0010】
図2中の(A)は、密度95%以上のヒーター線内設セラミック層2および低熱伝導セラミック層5の接合面を、平面度0.05mm以下に加工した状態である。また接合面の表面粗
さRaは0.1μm以下
である。
【0011】
図2中の(B)に示すように、平面度と表面粗さを調整したヒーター線内設セラミック層2の接合面に、低熱伝導セラミック層5と接合するためのヒーター線内設セラミック層側の接合層4−aを形成する。ヒーター線内設セラミック層側の接合層4−aの形成方法は、CVDまたはPVD等の薄膜形成手法を用いることが可能である。ヒーター線内設セラミック層側の接合層4−aの膜厚は、ヒーター線内設セラミック層2の接合面の表面粗さRzより大きく成膜する。平面度と表面粗さを調整した低熱伝導セラミック層5の接合面にも、ヒーター線内設セラミック層側と同様に低熱伝導セラミック層側の接合層4−bを形成する。
【0012】
ヒーター線内設セラミック層側の接合層4−aおよび低熱伝導セラミック層側の接合層4−bを、接合後に空隙が生じないように研磨により表面粗さを調整する。表面粗さRaは0.1μm以下が望ましい。
【0013】
表面粗さを調整したヒーター線内設セラミック層側の接合層4−aおよび低熱伝導セラミック層側の接合層4−bをプラズマまたはイオンビーム等により活性化させる。
【0014】
最後に、表面活性化された接合層同士を重ね低温低荷重下で接合することにより、
図2中の(C)に示すように、ヒーター線内設セラミック層2と低熱伝導セラミック層5とを一体化した熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター1を得る。
【0015】
図3は本発明による熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャックの断面図である。
図3に示すように、熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャック6は、静電チャック7と、ヒーター1と、静電チャック側の接合層4−e
(第五の接合層)およびヒーター側の接合層4−f
(第六の接合層)と、を備える。静電チャック7は、セラミック誘電体層8と、金属電極9と、誘電体層側の接合層4−c
(第三の接合層)および絶縁体層側の接合層4−d
(第四の接合層)と、セラミック絶縁体層10と、を備える。静電チャックの誘電体層としては、Al2O3、サファイヤ、Y2O3、AlN、Si3N4、Y−O−F化合物などを用いることが可能である。セラミックの体積抵抗率はセラミック誘電体層8およびセラミック絶縁体層10ともに例えば1.0E+8(Ωcm)以上で、また、抵抗値を調整するためにSiC、TiO2、TiN等を添加した複合材を用いることも可能である。
電極としての金属は、例えば周期律表のIVB属からIB属に含まれる金属またはその合金を用いる。金属電極9の厚みは特に限定されないが、10μm以下の程度が好ましい。
誘電体層側の接合層4−cおよび絶縁体層側の接合層4−dは、金属電極9を形成したセラミック誘電体層8とセラミック絶縁体層10とを接合するために、表面がプラズマまたはイオンビーム等で活性化されるセラミックからなる層である。接合層の厚みは特に限定されないが、接合した接合層同士が合わせて50μm以下の程度が好ましい。
ヒーター1は、
図1のヒーターと同様のものを例とした。
【0016】
図4−1、
図4−2を参照して、本発明の熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャックの製造方法を説明する。ヒーター線内設セラミック層2と低熱伝導セラミック層5が接合された熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター1は、
図2で説明した方法により予め用意する。
【0017】
図4−1中の(D)に示すように、密度95%以上で焼結されたセラミックの誘電体を平面度0.05mm以下、表面粗さRa0.01μm以下に加工し、セラミック誘電体層8とする。
【0018】
図4−1中の(E)に示すように、平面度と表面粗さを調整したセラミック誘電体層8の表面に金属を形成しパターン化することにより、電極としての金属電極9を形成する。金属を形成する方法は、CVDまたはPVD等の薄膜形成手法を用いることが可能であるが、パターン化は、マスクを使用して直接パターン通りに形成しても良いし、成膜面全面に金属を成膜した後、エッチングによりパターンを作成しても良い。金属電極9の厚みは10μm以下であることが望ましい。
【0019】
図4−1中の(F)に示すように、金属電極9を形成した表面に、セラミック絶縁体層10と接合するための誘電体層側の接合層4−cを形成する。誘電体層側の接合層4−cは、形成後は4−c”のように、金属電極9の厚みの分だけ凹凸が生じている。誘電体層側の接合層4−c”の形成方法は、CVDまたはPVD等の薄膜形成手法を用いることが可能である。誘電体層側の接合層4−c”の膜厚は、金属電極9の厚さより厚く形成する。
【0020】
図4−1中の(G)に示すように、誘電体層側の接合層4−c”の段差を加工により無くし、全面がフラットになるよう研磨し、誘電体層側の接合層4−cを得る。
また、セラミック誘電体層8と接合するセラミック絶縁体層10の表面にも、絶縁体層側の接合層4−dを同様に形成する。
誘電体層側の接合層4−cおよび絶縁体層側の接合層4−dは、接合後に空隙が生じないように研磨により表面粗さを調整する。表面粗さRaは0.1μm以下が望ましい。また、接合層の厚みは特に限定されないが、接合した接合層同士が合わせて50μm以下の程度が好ましい。
【0021】
表面粗さを調整した誘電体層側の接合層4−cおよび絶縁体層側の接合層4−dを、プラズマまたはイオンビーム等により活性化させる。
【0022】
表面活性化された接合層同士を重ね、低温低荷重下で接合することにより、
図4−2中(H)に示すように静電チャック7を得る。
【0023】
図4−2中(I)に示すように、静電チャック7の絶縁体層側の接合面を平面度0.05mm以下、表面粗さRa0.01μm以下に加工し、静電チャック側の接合層4−eを形成する。ヒーター1の接合面も同様に加工し、同様にヒーター側の接合層4−fを形成する。静電チャック側の接合層4−eおよびヒーター側の接合層4−fは、接合後に空隙が生じないように研磨により表面粗さを調整する。表面粗さRaは0.1μm以下が望ましい。接合層の厚みは特に限定されないが、接合した接合層同士が合わせて50μm以下の程度が好ましい。
【0024】
表面粗さを調整した静電チャック側の接合層接合層4−eおよびヒーター側の接合層4−fをプラズマまたはイオンビーム等により活性化させる。
【0025】
最後に、表面活性化された接合層同士を重ね低温低荷重下で接合することにより、
図2中の(J)に示すように、熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャック6を得る。
【0026】
上記、熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャックの製造方法の実施例は、接合により製作した静電チャックと、接合により製作した熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーターとを接合する実施例であるが、接合により製作したセラミック製静電チャックにヒーター線内設セラミック層を接合し、最後に熱遮蔽効果を有する低熱伝導セラミック層を接合して製作することができることは言うまでもない。
【0027】
低熱伝導セラミック層がヒーターの温度をOリングが使用可能な温度まで低減し、直接真空チャンバーに設置することが可能となり、チャンバーの大きさを小さくすることが可能となる。またセラミックチューブの設置が不要なため、ヒーター端子の取り出し部の自由度が大きく、ヒーターパターンの設計、および多ゾーン化の対応にもより自由度が増す。熱遮蔽効果を有するセラミック製ヒーター付き静電チャックの場合は、ヒーター端子の他に静電チャック端子の設置も必要となるため、セラミックチューブが不要となる効果は、ヒーター単体の時よりさらに顕著になる。また、CVDまたはPVDで形成する各接合層の密度は、セラミック焼結体と同等であり、パーティクルの発生源とはなり得ない。
【符号の説明】
【0028】
1 ヒーター
2 ヒーター線内設セラミック層
3 ヒーター線
4−a ヒーター線内設セラミック層側の接合層
4−b 低熱伝導セラミック層側の接合層
4−c 静電チャックの誘電体層側の接合層
4−c“ 加工前の静電チャックの誘電体層側の接合層
4−d 静電チャック絶縁体層側の接合層
4−e 静電チャック側の接合層
4−f ヒーター側の接合層
5 低熱伝導セラミック層
6 ヒーター付き静電チャック
7 静電チャック
8 セラミック誘電体層
9 金属電極
10 セラミック絶縁体層