【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名称:オーダーグッズビジネスショーOGBS2019 公開者名:株式会社山櫻 開催場所:池袋サンシャインコンベンションセンター(東京都豊島区東池袋3−1−1) 開催日:令和 1年 9月20日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、印刷用紙をセットした後、印刷を開始すると、印刷にともなうプリンタの振動により一対の用紙ガイドが移動し、重ねて置かれた印刷用紙は、互いに徐々にずれることがあった。また、印刷用紙を挟み込んで保持する一対の用紙ガイドがうまくセットされず、印刷用紙の両方の側部に隙間なくあたっていない状態であることもあった。このような状態の場合、文字やマークが印刷用紙ごとにずれて印刷されてしまうことがある。しかし、体裁よく印刷したい場合、例えば名刺印刷では、印刷文字やマークを全ての名刺で同じ位置に美しく印刷されることが好ましい。このため、重ねた複数の印刷用紙が常に揃えられて載置された状態に保持されることが望まれていた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためにされたものである。すなわち、本発明は、給紙トレイに載置された印刷用紙を揃えた状態で確実に保持できる用紙ガイド保持装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の用紙ガイド保持装置は、第1部材と、第2部材とを備え、第1部材は、第1基部と、第1基部に固定されている第1連結部とを有し、第2部材は、第2基部と、第2基部に固定されている第2連結部とを有し、
第1部材と第2部材とは、締結部材の締め付けを緩めた状態で、印刷用紙の紙幅に応じて位置が変化する用紙ガイドに合わせて、第1基部と第2基部との間隔を調整可能であり、用紙ガイド保持装置がプリンタにセットされている時には、第1部材と、第2部材とは、締結部材が締め付けられて互いに固定されており、第1基部と、第2基部とは、印刷用紙に対して反対面である一対の用紙ガイドの外側面をそれぞれ保持している。
【0007】
また、本発明の用紙ガイド保持装置は、第1連結部は、締結部材が貫通する第1長穴が設けられ、第2連結部は、締結部材が貫通する第2長穴が設けられていてもよい。
【0008】
また、本発明の用紙ガイド保持装置は、把持部を有し、締結部材がねじ嵌合する第3部材を有していてもよい。
【0009】
また、本発明の用紙ガイド保持装置において、第1基部と、第2基部とは、第1基部と、第2基部の一対の用紙ガイド側のそれぞれの面に弾性部材を有していてもよい。
【0010】
また、本発明の用紙ガイド保持装置において、第1連結部と、第2連結部との少なくとも何れか一方は、第1基部と、第2基部との間隔に対応した表示を示す見当表示部が設けられていてもよい。
【0011】
したがって、本発明の用紙ガイド保持装置は、給紙トレイに載置された印刷用紙を揃えた状態で確実に保持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施の形態>
図1〜
図5は、本発明の実施の形態に係る用紙ガイド保持装置10の各状態を示している。用紙ガイド保持装置10に関する各図面は、
図1は斜視図、
図2は上面図、
図3は側面図、
図4は背面図、
図5は
図1とは異なる紙幅に調整された状態を示す上面図である。また、
図6は、用紙ガイド保持装置10に備えられる各部材の単体状態を示した斜視図である。
【0014】
用紙ガイド保持装置10は、後述するように、プリンタ100の給紙トレイ104にセットされて用いられる。
図7〜
図9には、プリンタ100、及び、プリンタ100にセットされた状態の用紙ガイド保持装置10が示されている。
図7はセットされるプリンタ100の全体を示す斜視図、
図8は印刷用紙Lをセットした状態のプリンタ100の給紙トレイ104を示す拡大斜視図、
図9は
図8に示されている給紙トレイ104に設けられている用紙ガイド106a、106bを挟み込んで本実施の形態の用紙ガイド保持装置10がセットされた状態を示す拡大斜視図である。
【0015】
本実施の形態に係る用紙ガイド保持装置10は、第1部材11と、第1部材11に連結される第2部材31と、第1部材11と第2部材31とを連結する締結部材71と、締結部材71が第1部材11と第2部材31とを挟んだ状態で嵌合する第3部材51と、締結部材71と第3部材51との間に配置されているワッシャ91とを備えている。
【0016】
第1部材11は、給紙トレイ104上に載せられる第1基部16と、第1基部16に固定されている第1連結部12とを有している。
【0017】
第1基部16は、給紙トレイ104上に載せられるとともに、給紙トレイ104に設けられている一方の用紙ガイド106aを押圧する部材である。第1基部16は、給紙トレイ104に置かれる第1水平部20と、第1水平部20の一方端に接続されている第1垂直部19と、第1垂直部19の用紙ガイド106a側の面に設けられている第1弾性部材21とを有している。第1弾性部材21の材質は、弾力性が有り、第1垂直部19に固定できるクッション材であれば、適宜選択できる。第1弾性部材21は、例えばテープ状に形成された発泡ポリエチレンの一方面に粘着テープを貼付した発泡ポリエチレン製粘着テープである。第1基部16は、
図3の側面図に示されているように、第1水平部20と、第1垂直部19とが直角に接続されて、断面L字状に形成されている。
【0018】
前述したように、用紙ガイド保持装置10は、第1部材11と、第2部材31が連結された状態で、プリンタ100の用紙ガイド106a、106bを挟み込んで保持する。第1弾性部材21は、用紙ガイド保持装置10が給紙トレイ104に設けられている一方の用紙ガイド106aに接してセットされた状態において、押圧力を用紙ガイド106aに加えることができる。
【0019】
第1基部16は、長手方向において、第1の一端部17と、第1の他端部18とを有している。第1の一端部17には、後述するように、第2部材31の第2連結部32が差し込まれる第1挿入穴22が設けられている。
【0020】
第1の一端部17には、第1連結部12が固定されている。第1連結部12は、長方形の板状部材であり、第1の一端部17側の第1基端部14と、先端側の第1先端部13とを有している。第1の一端部17は、ほぼ全長にわたって第1長穴15が設けられている。第1長穴15は、第1部材11と、第2部材31とを連結する締結部材71が貫通する穴である。
【0021】
図2、及び
図5に示されているように、第1連結部12と、第2連結部32との上面には、第1基部16と、第2基部36との間隔Mに対応した表示を示す見当表示部12a、32aが設けられている。見当表示部12a、32aは、印刷用紙Lの紙幅に対応する、第1基部16と、第2基部36との間隔Mを調整するための目安を示している。見当表示部12a、32aは、目盛り、位置マーキング、印、それらの組み合わせ等、第1基部16と、第2基部36との間隔Mの目安を示すものであれば、何れでもよい。見当表示部12a、32aは、第1連結部12と、第2連結部32との上面に、塑性加工、ペイント、ピアシング、彫刻、等、いずれかの方法で形成されている。
【0022】
第1基部16と、第1連結部12とは、第1部材11を一体的に形成している。第1部材11は、薄板のSUS材を折曲げ加工することにより形成されている。
【0023】
第2部材31は、給紙トレイ104上に載せられる第2基部36と、第2基部36に固定されている第2連結部32とを有している。第2部材31は、第1部材11に対し、ほぼ対称形に形成されている。
【0024】
第2基部36は、給紙トレイ104上に載せられるとともに、給紙トレイ104に設けられている他方の用紙ガイド106bを押圧する部材である。第1基部16は、給紙トレイ104に置かれる第2水平部40と、第2水平部40の一方端に接続されている第2垂直部39と、第2垂直部39の用紙ガイド106b側の面に設けられている第2弾性部材41とを有している。第2弾性部材41の材質は、弾力性が有り、第1垂直部19に固定できるクッション材であれば、第1弾性部材21と同じ発泡ポリエチレン製粘着テープ等を適宜選択できる。
第2基部36は、
図3の側面図に示されているように、第2水平部40と、第2垂直部39とが直角に接続されて、断面L字状に形成されている。
【0025】
第2弾性部材41は、用紙ガイド保持装置10が給紙トレイ104に設けられている他方の用紙ガイド106bに接してセットされた状態において、押圧力を用紙ガイド106bに加えることができる。
【0026】
用紙ガイド保持装置10は、一対の用紙ガイド106a、106bを挟み込むようにセットされる。第1基部16に設けられている第1弾性部材21と、第2基部36に設けられている第2弾性部材41とで一対の用紙ガイド106a、106bを挟み込むことで、用紙ガイド保持装置10は、両方の外側から一対の用紙ガイド106a、106bを押圧力を加えながら、確実、かつ安定して保持することができる。また、印刷用紙の用紙ごとの幅寸法の誤差を吸収することができる。
【0027】
第2基部36は、長手方向において、第2の一端部37と、第2の他端部38とを有している。
【0028】
第2の一端部37には、第2連結部32が固定されている。第2連結部32は、長方形の板状部材であり、第2の一端部37側の第2基端部34と、先端側の第2先端部33とを有している。第2の一端部37は、ほぼ全長にわたって第2長穴35が設けられている。第2長穴35は、第1部材11と、第2部材31とを連結する締結部材71が貫通する穴である。
【0029】
第2基部36と、第2連結部32とは、第2部材31を一体的に形成している。第2部材31は、薄板のSUS材を折曲げ加工することにより形成されている。金属の薄板で形成することで、強度を有しながら薄く作ることができる。高さ方向にあまり余裕がない給紙トレイ内に収容する大きさとするのに好都合である。
【0030】
第3部材51は、第1部材11と、第2部材31とを連結する締結部材71が嵌合する部材である。第3部材51は、平板状の第3本体部52と、第3本体部52の一方端に垂直に接続されている把持部53と、第3本体部52の他方端に垂直に接続されている端部54とを備えている。第3本体部52には、締結部材71が嵌合するねじ穴55が2つ形成されている。用紙ガイド保持装置10は把持部53を有しているため、把持部53を持って容易かつ確実に、プリンタ100への取り付け、取り外しをすることができる。又は、第3部材に代えて、締結部材71の数に対応したナットが設けられ、後述する締結部材71がナットにそれぞれ締結する構成としても良い。
【0031】
第1部材11と、第2部材31とを連結する締結部材71は、雄ねじである。締結部材71の一端部は、円柱状に形成され、円周面にローレット形状を設けられた頭部72が設けられている。締結部材71は、ローレット形状を設けられた頭部72を有するので、第1部材11と、第2部材31との連結時に締め付ける際に、工具を用いずに素手で容易に締め付けることができる。締結部材71は、2つ用いられている。
【0032】
ワッシャ91は、締結部材71と、第1部材11の第1連結部12との間に挿入されている。ワッシャ91は、ナイロン、等の樹脂で形成されている。ワッシャ91は、締結部材71と、第1部材11の第1連結部13との間に挿入されていることで、締結部材71の締結力を第1連結部12に均一に伝えるとともに、締結部材71による第1連結部12の傷つきを防止する。さらに、ワッシャ91は樹脂製であるので、圧縮時に適度な弾性がある。そのため、素手で締結部材71を締め付けた時に、締め付けトルクが急激に立ち上がることがない。したがって、徐々に締め付けることができることで、素手で容易に締めつける助けとなる。ワッシャ91は、本実施の形態では、1つの締結部材71あたり2つ用いられている。締結部材71は、2つのワッシャ91、第1連結部12、第2連結部32、第3本体部52の順で締結されている。
【0033】
本実施の形態の用紙ガイド保持装置10は、印刷用紙Lの紙幅に合わせて位置が変更され得る用紙ガイド106a、106bを押圧できるように、第1基部16と、第2基部36との間の幅を調整可能に構成されている。第1連結部12と、第2連結部32との締結部材71が貫通する穴は、上記の通り、それぞれ第1長穴15と、第2長穴35が形成されている。そのため、長穴に挿入された締結部材71が移動できる範囲で、第1基部16と、第2基部36との間隔Mを変更することが可能である。
図2は、第1基部16と、第2基部36との間隔Mをほぼ最小にセットした場合が示されている。一方、
図5は、第1基部16と、第2基部36との間隔Mを大きくセットした場合が示されている。プリンタに使用できる印刷用紙Lの紙幅のいずれにも調整可能である。具体的には、名刺サイズの55mm以上、はがきサイズの100mm、往復はがきサイズの148mm、B5の182mm、A4の210mm、A3の297mm、等を含め、最大可能幅の範囲における任意の紙幅に調整可能である。
【0034】
次に、本実施の形態の用紙ガイド保持装置10をセットするプリンタ100について、
図7〜
図8を参照しながら、説明する。なお、用紙ガイド保持装置10は、オフィス用であり、印刷用紙Lの幅を保持する一対の用紙ガイドを有するプリンタであれば使用できるように構成されている。
【0035】
図7には、プリンタ100の全体が示されている。プリンタ100は、操作部101と、フロントカバー103と、給紙トレイ104と、用紙ガイド106a、106bと、用紙載置部107と、排紙トレイ108とを備えている。
【0036】
操作部101は、電源スイッチ102を有するとともに、プリンタ100の各種設定が行える操作ボタン類が設けられている。プリンタ100は、一側面に開閉可能なフロントカバー103を備えている。フロントカバー103は、内面に給紙トレイ104が設けられており、フロントカバー103を開くことで、給紙トレイ104が現れる。給紙トレイ104は、複数の案内溝105を有している。給紙トレイ104には、用紙ガイド106a、106bが、案内溝105にそれらの一部が嵌め合わされ、案内溝105に沿って移動可能な状態で配置されている。プリンタ100の上面には、印刷された印刷用紙Lが排出されて載置される排紙トレイ108が設けられている。
【0037】
次に、プリンタ100に、本実施の形態の用紙ガイド保持装置10をセットする手順を説明する。まず、プリンタ100のフロントカバー103を開き、給紙トレイ104を露出させる。給紙トレイ104に設けられている一対の用紙ガイド106a、106bの間隔Mが、印刷用紙Lの紙幅以上になるように移動させる。一対の用紙ガイド106a、106bの間に、印刷用紙Lを重ねて載置する。その後、一対の用紙ガイド106a、106bが印刷用紙Lの両方の側部にあたるように、一対の用紙ガイド106a、106bを移動させて、印刷用紙Lを両側から挟み込む。
【0038】
次に、用紙ガイド保持装置10をセットする。用紙ガイド保持装置10の締結部材71を緩め、第1基部16と第2基部36との間隔Mを、印刷用紙Lを挟み込んだ状態の一対の用紙ガイド106a、106bの幅より大きくする。その状態で、用紙ガイド保持装置10で一対の用紙ガイド106a、106bを外側から挟むように、給紙トレイ104にセットする。用紙ガイド保持装置10を給紙トレイ104上に載置したら、一対の用紙ガイド106a、106bに接するように、第1基部16と第2基部36との間隔Mを狭める。第1基部16を用紙ガイド106aに、第2基部36を用紙ガイド106bにそれぞれ押し当てた状態で締結部材71を締め付け、第1部材11と、第2部材31とを互いに確実に固定する。以上により、用紙ガイド保持装置10がプリンタ100に取り付けられる。この状態で、印刷用紙Lへの印刷を行う。
【0039】
本実施の形態の用紙ガイド保持装置10は、第1部材11と、第2部材31とを備え、第1部材11は、第1基部16と、第1基部16に固定されている第1連結部12とを有し、第2部材31は、第2基部36と、第2基部36に固定されている第2連結部32とを有し、用紙ガイド保持装置10がプリンタ100にセットされている時には、第1部材11と、第2部材31とは、締結部材71が締め付けられて互いに固定されており、第1基部16と、第2基部36とは、印刷用紙Lに対して反対面である一対の用紙ガイド106a、106bの外側面をそれぞれ保持している。
【0040】
このような構成により、本発明の用紙ガイド保持装置10は、給紙トレイ104に載置された印刷用紙Lを揃えた状態で確実に保持することができる。
【0041】
また、本実施の形態の用紙ガイド保持装置10において、第1連結部12は、締結部材71が貫通する第1長穴15が設けられ、第2連結部32は、締結部材71が貫通する第2長穴35が設けられていてもよい。
【0042】
このような構成により、印刷用紙の紙幅に応じて位置が変化する一対の用紙ガイド106a、106bに合わせて、締結部材71を緩めた状態で、第1基部16と、第2基部36との相対位置を調整でき、多様な紙幅の印刷用紙Lに対応することができる。
【0043】
また、本実施の形態の用紙ガイド保持装置10は、把持部53を有し、締結部材71がねじ嵌合する第3部材51を有していてもよい。
【0044】
このような構成により、紙幅に合わせて調整した状態を容易、かつ確実に維持できるとともに、持ちやすくてセットしやすい用紙ガイド保持装置10とすることができる。
【0045】
また、本実施の形態の用紙ガイド保持装置10の、第1基部16と、第2基部36とは、第1基部16と、第2基部36との一対の用紙ガイド106a、106b側のそれぞれの面に弾性部材21、41を有していてもよい。
【0046】
このような構成により、一対の用紙ガイド106a、106bに押圧力を付与させた状態にできるので、確実、かつ安定した状態で保持できる。
【0047】
また、本実施の形態の用紙ガイド保持装置10は、第1連結部12と、第2連結部32との少なくとも何れか一方は、第1基部16と、第2基部36との間隔Mに対応した表示を示す見当表示部12a、32aが設けられていてもよい。
【0048】
このような構成により、用紙ガイド保持装置10の幅を調整する際の幅の見当付けができ、短時間で用紙ガイド保持装置10をセットすることができる。