(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の実施形態は、出力対時間の規定パターンに従う、送達された電力、電圧、電流、および順方向電力等の出力を生成する、プラズマ電力送達システムを提供し、パターンは、現在の周期内と対照的に、過去の1つ以上の繰り返し周期に行われた測定に基づいて、パターンの区分を制御することによって、繰り返し周期を伴って繰り返す。従来のコントローラと比較して、そのような周期間コントローラは、より低い帯域幅測定および制御システムを利用して、より正確に出力を再現することができる。周期間コントローラによって提供される利益は、プラズマ発生混合および相互変調積の存在下を含む、種々の状況で有利であり得る。付加的実施形態では、周期間コントローラは、従来の周期内コントローラと組み合わせられることができる。付加的実施形態では、発電機出力周波数等のパラメータは、過去の1つ以上の繰り返し周期に行われた測定に基づいて、主要出力とともに調節されてもよく、電力制御および発電機周波数等の制御入力と発電機に提示される送達された電力およびインピーダンス等の制御出力との間の相関は、制御システムによって決定および使用される。付加的実施形態では、発電機は、出力対時間の規定パターンに従う出力を生成し、パターンは、制御入力を摂動させ、摂動への応答を決定し、摂動への応答を使用し、波形内の隣接または密接に位置する時間周期の間の結合を補償することによって、過去の1つ以上の繰り返し周期に同一の区分に関して行われる測定、およびパターンの中の他の区分に関するそのような測定に基づいて、パターンの区分を制御することによって、繰り返し周期を伴って繰り返す。
【0032】
発電機用のコントローラを参照して主に説明されるが、本開示の側面は、スイッチモード電力供給部と、全体的電力送達システムの一部、および同部分用のコントローラ(他の基板バイアス方式として、バイアスを基板に提供するため等に、eV源用途で使用され得る)とに適用可能である。本明細書で議論されるコントローラおよび制御方式はまた、インピーダンス合致ネットワークの可変インピーダンス要素(真空可変コンデンサまたは切替可変リアクタンス要素等)を制御するために使用されてもよい。そのような事例では、本開示の側面は、全体的電力送達システムの一部として、インピーダンス合致ネットワークへのRF供給の制御で使用される場合とそうではない場合がある。コントローラは、電力送達システムの任意の部分内(例えば、発電機内または合致ネットワーク内)に常駐してもよく、電力送達システムの他の部分から情報を受信し、それを制御する場合とそうではない場合がある。例えば、発電機の中に常駐するコントローラは、発電機のみから、合致のみから、または発電機および合致の両方から取得される情報を用いて、電力送達システムの一部である発電機および合致の両方を制御してもよい。本明細書で議論されるコントローラおよび制御方式はまた、プラズマ電力送達環境内で電力を送達することを伴ってまたは伴わずに他のシステムで使用されてもよい。
【0033】
図1A(従来技術)は、プラズマ電力送達システムを制御するために使用され得る、単純なアナログ周期内制御システムを図示し、
図1B(従来技術)は、単純なデジタル周期内制御システムを図示する。
図1Aでは、入力101と出力106との間の差異は、コントローラ103がプラント105への制御入力104を生成するために使用する、エラー信号102を生成する。本説明図では、コントローラは、kの利得を伴う単純な積分器である。実際の実装では、制御入力104cは、電力増幅器への駆動レベルであってもよく、プラント105Pは、電力増幅器であってもよい。本コントローラと開示される周期間コントローラとの間の性能差を例証するために、プラント105Pは、ユニティ利得ブロック、すなわち、y=cである。これらの仮定により、ループ利得は、k rad/sまたはk/(2π)Hzにおけるユニティ利得を有し、システムステップ応答の時定数は、1/k sであり、システムのインパルス応答の積分は、1/k sで63.2%(1−1/e)に到達する。
図1Bでは、入力151は、サンプラ157によって、1/T
sのサンプリングレートにおいてサンプリングされ、デジタル化される。(いくつかの用途では、入力は、すでにデジタルデータストリームであり、サンプラ157は、システムの中に存在しない)。出力156は、サンプラ159によってサンプリングおよびデジタル化され、入力と出力との間の差異は、プラント155にフィードされる、デジタル/アナログ変換器158によってアナログ制御信号に変換される、制御入力154を生成するためにコントローラ153が使用する、エラー信号152を生成する。
図1Aに関して、本コントローラと開示される周期間コントローラとの間の性能差を例証するために、プラント105Pは、ユニティ利得ブロックである。kとユニティ利得周波数および応答時間との間の関係に関する同一の記述は、kが2π/T
sをはるかに下回ることを前提として、
図1Aのアナログコントローラに関して当てはまる。
【0034】
図2A(従来技術)は、周期T
p205を伴う周期的入力への
図1Aまたは
図1Bに示されるような単純な周期内コントローラの応答200を示す。本実施例では、異なる設定点のホスト(例えば、1の設定点電力、その後に2が続き、その後に5が続き、3までの漸増を伴う)が、1つの入力の周期を定義する。出力202は、可視的な不正確度(出力が入力設定点に合致しない)を伴って、入力201の後に続く。本説明図に関する閉ループ応答の時定数は、10マイクロ秒である。所与の点Aにおける出力203は、システムの時間偏移時間逆転インパルス応答を入力で乗算し、積分することによって、取得されることができる。ユニットの正規化された偏移時間逆転インパルス応答204は、点Aにおける出力203が、(点Aに先立った1つの時定数または10マイクロ秒以内の)直近の過去によって大きく影響を受け、点Aに先立った10個の時定数よりも早く起こる事象によって殆ど全く影響を受けないことを示す。パルス内の変化する設定点に適応するために、従来のコントローラは、非常に高速でなければならない。
図2B(従来技術)に示されるように、コントローラを加速することは、正確に入力の後に続く出力の能力を向上させる。本説明図に関する閉ループ応答の時定数は、5マイクロ秒である。応答250は、出力252が、より密接に入力251の後に続くことを示す。正規化された時間偏移時間逆転インパルス応答254は、点A253が、ここでは、直近の過去の入力によってさらに大きく影響を受けることを示す。
【0035】
これらの従来の周期内コントローラでは、エラー制御は、設定点に対する(周期内の)電流出力の測定値に基づく。したがって、
図2Aを参照すると、例えば、時間1.5ミリ秒における出力の測定値は、エラー信号を発生させるように、その同一の時間における設定点値に対して比較されるであろう。別の言い方をすれば、設定点値は、従来の周期内コントローラに関するエラー信号を発生させるように、現在の周期中に測定値に対して比較される。対照的に、周期間コントローラは、所与の設定点に関して過去の出力された1つ以上のサイクルの測定値を比較し、設定点における過去の測定値を使用し、現在のエラー信号およびコントローラ出力を発生させる。
図2Aを再び参照すると、例えば、3という設定点を伴う時間1.5ミリ秒において、3という同一の設定点を伴う時間0.94ミリ秒における測定値(0.56ミリ秒早い1つの波形繰り返し周期または時間1.5ミリ秒と相関する先行パルスのその部分)が、時間1.5ミリ秒におけるパルス内の測定値と対照的に、エラーおよび出力を発生させるためにコントローラによって使用されるであろう。着目すべきこととして、周期間コントローラは、パルス内の直接近接する値と対照的に、過去の1サイクルの測定値に依拠するため、ほぼ同程度に高速である必要はない。
【0036】
いくつかの実施例では、パルス(例えば、周期T
pにわたるパルス)は、複数の時間周期に分割され、前のパルスの同一の時間周期内の対応する(同一の)出力値は、エラー信号に使用される。以降の第2のパルスの時間1.5ミリ秒におけるエラー補正に関して、第1のパルスの時間0.94ミリ秒における測定値を使用することを直接上記で参照する、実施例を再び参照すると、時間周期は、ある範囲内に0.56ミリ秒の特定の値を包含する。一実施例では、パルスが分割される時間周期は、任意の時間周期が、傾斜設定点遷移を除いて、異なる設定点を包含しないようなものである。
【0037】
種々の実装では、周期間パルス情報は、後続のパルスのエラーフィードバックに関してコントローラによってアクセスおよび使用され得るように、ある形態のメモリの中に記憶される。傾斜設定点遷移および別様に異なる設定点を伴うような複雑なパルスは、パルスの比較的に小さい時間周期細分から利益を享受し得、したがって、比較的に大きくて速いメモリを要求し得る。特定の実施例では、100ミリ秒〜10マイクロ秒周期T
pを伴うパルスは、1,024の時間スライスに細分されてもよく、スライス毎の出力値は、後続のパルスの同一の時間スライスの中の測定値との比較のために記憶されてもよい。
【0038】
いくつかの用途では、いかなるエラー信号も発生されない。周期間制御方式を使用するインピーダンス合致用途では、過去の1つまたは複数の周期T
p205に発電機に提示されるインピーダンスについての情報は、現時点における合致ネットワーク内の可変インピーダンス要素を調節するために使用されることができる。情報は、最初にエラー信号を発生させることなく、可変インピーダンス合致要素への調節を計算するために使用されることができる。インピーダンス合致用途では、設定点(例えば、101、151、303、351、501)は、概して、一定であるが、所望の入力インピーダンスに合致されなければならない、負荷インピーダンスの周期的擾乱が存在する。そのような周期的擾乱は、例えば、出力対時間の規定パターンに従う、プラズマ負荷に電力を送達することから生じ得、パターンは、繰り返し周期を伴って繰り返す。そのような場合において、例えば、電力の規定パターンを提供する電源からの同期化信号は、擾乱の反復波形と同期化する際に合致ネットワークを支援するように、合致ネットワークに提供されることができる。
【0039】
図3Aは、本開示の一実施形態による、プラズマ電力送達システムで実装され得る、周期間コントローラ300の一実施例のブロック図を図示する。
図3Bは、本開示の別の実施形態による、プラズマ電力送達システムで実装され得る、周期間コントローラ350の代替例示的実装のブロック図を図示する。本明細書に説明される周期間コントローラのいくつかの実装は、多入力多出力(MIMO)コントローラと見なされてもよい。コントローラ、またはより一般的には、制御要素は、ハードウェアおよびソフトウェアで、同部分の種々の可能性として考えられる組み合わせを伴って、実装されてもよい。制御要素は、発電機または他のデバイスと統合されてもよい、または別個のコンポーネントであってもよい。いくつかの用途では、周期間コントローラは、制御されているものと異なる機器の中に常駐してもよい。実施例として、インピーダンス合致ネットワークに接続されるコントローラは、発電機の中に常駐するが、インピーダンス合致ネットワーク内の可変インピーダンス要素を制御してもよい。そのような用途では、結合器からの順方向および反射信号は、発電機の中に常駐する結合器から取得され、アナログでフィルタ処理され、アナログ/デジタル変換器においてデジタル化され、ソフトウェアプログラムを起動するマイクロプロセッサによって、または、例えば、FPGAで実装されるデジタル論理回路によって、合致によって発電機に提示されるインピーダンスを抽出するように処理されてもよい。測定は、マイクロプロセッサまたはFPGAの中に常駐する再構成可能なデジタル回路によって、メモリの中に記憶されることができる。異なる時間におけるインピーダンス測定のサンプルを含有するメモリは、マイクロプロセッサ内で起動するソフトウェアを使用して、またはFPGAによって処理されることができる。ソフトウェアまたはFPGAは、過去の1つまたは複数の波形繰り返し周期のサンプルを使用し、周期間制御方式を実装することができる。そのような方式を実装するために、合致の中の可変インピーダンス要素の過去の値についての情報もまた、使用されることができる。コントローラは、次いで、制御信号を合致に送信し、合致の中の可変インピーダンス要素を変更することができる。
図3Aは、入力の繰り返し周期T
pにおいてそれぞれ起動する、コントローラの数Nとして、周期間コントローラ(インターリーブ方式を提供する)を実装する。ブロック301は、第1のそのようなコントローラを示し、ブロック302は、N番目のそのようなコントローラを示す。入力303は、1/T
sのサンプリングレートにおいて、アナログ/デジタル変換器304によってサンプリングおよびデジタル化される。(入力は、すでにデータストリームとして存在していてもよく、その場合、変換器304は、使用されない。)サンプリングされた入力は、各コントローラが1/T
pのレートにおいて更新された入力を受信するように、スイッチ305によって順にコントローラに切り替えられる、またはルーティングされる。コントローラの出力は、スイッチ306によって、共通制御入力cにルーティングされる。制御入力は、デジタル/アナログ変換器307によってアナログに変換され、プラントP308の制御入力に印加される。出力y309は、サンプラ(コントローラ301に関しては313)による1/T
pのレートにおいて、各コントローラによってサンプリングされる。
【0040】
各コントローラは、サンプリングされた出力から入力を減算することによって、誤差関数(コントローラ301に関しては310)を作成する。(サンプリングされた出力が波形周期T
pだけ遅延されるため、これは、周期間コントローラを実装する。)誤差関数は、(コントローラ301に関しては311によって)積分され、出力(コントローラ301に関しては312)を生成する。コントローラの数Nおよびサンプリング周期T
sは、NT
s=T
pであるように調節される。入力の繰り返し周期T
pが、少しのサンプリング周期を変動させ得る、状況に応じるために、余剰コントローラが、利用されてもよい。例えば、3つのサンプリング周期を変動させ得る、T
pを取り扱うためのN+3個のコントローラが存在し得る。余剰制御区分が、最大よりも短いT
pに起因して更新されないとき、最後の更新されたコントローラの状態は、余剰制御区分にコピーされることができる。
【0041】
図3Bは、本開示のある実施形態による、周期間コントローラ350の代替的実装を示す。入力351は、1/T
sのサンプリングレートにおいて、アナログ/デジタル変換器352によってサンプリングおよびデジタル化される。(入力は、すでにデータストリームとして存在していてもよく、その場合、変換器352は、使用されない。)出力358は、アナログ/デジタル変換器359によってサンプリングおよびデジタル化される。(出力は、出力の測定から導出されるデジタルデータストリームであってもよく、その場合、アナログ/デジタル変換器は、示されるように実装されなくてもよい。)誤差関数353が、出力から入力を減算することによって取得される。コントローラ354は、プラントへの制御入力c355および1つの入力の周期T
p前の誤差関数e353の値から、プラントへの制御入力c355を発生させる。これは、以下に示されるであろうように、従来の周期内コントローラと有意に異なる。プラントへの制御入力は、デジタル/アナログ変換器356によってアナログ信号に変換され、プラント357に印加される。コントローラ300に関して、プロビジョンは、入力の繰り返し周期T
pが少ないサンプリング周期を変動させ得る状況に対処するように行われることができる。この場合、Nは、前の入力の周期T
pに適合する、サンプリング周期T
sの数に基づいて、変動することを可能にされる。
【0042】
図4A−
図4Dは、周期的制御入力への本開示の一実施形態によるプラズマ電力送達システムで実装され得る周期間コントローラの応答を図示する。
図4Aおよび4Bでは、周期的入力401への出力402の応答400が、示される。応答400に示されるように、出力は、入力にゆっくりと収束する(
図4A)が、入力の約30サイクル後(
図4B)、出力404は、殆ど感知できない誤差を伴って入力403の後に続く。
図4Cは、応答450上の点A451および点Aに影響を及ぼす点を示す。周期間コントローラに関して、点A451は、依然として、過去の入力された5ミリ秒によって有意に影響を受けることに留意されたい。したがって、出力の各区分が約5ミリ秒の時定数を伴う入力に接近しても、入力の少ない周期後に、出力は、殆ど感知できない誤差を伴って入力の後に続くことができる。従来の周期内コントローラに関して、たとえ5マイクロ秒の時定数があっても、出力は、本精度で入力の後に続かない。
【0043】
図5は、本開示の一実施形態による、プラズマ電力送達システムで実装され得る、例示的複合周期間および周期内コントローラ500のブロック図を図示する。入力501は、1/T
sのサンプリングレートにおいて、アナログ/デジタル変換器502によってサンプリングおよびデジタル化される。(入力は、すでにデータストリームとして存在していてもよく、その場合、変換器502は、使用されない。)出力509は、アナログ/デジタル変換器510によってサンプリングおよびデジタル化される。(出力は、出力の測定から導出されるデジタルデータストリームであってもよく、その場合、アナログ/デジタル変換器は、示されるように実装されなくてもよい。)誤差関数503が、出力から入力を減算することによって取得される。コントローラ504は、プラントへの制御入力c506および1つの入力の周期T
p前および1つのサンプリング周期T
s前の誤差関数e503の値から、プラントへの制御入力c506を発生させる。NおよびT
sは、T
p=NT
sを満たすように選定される。制御入力c506は、1つのサンプリング周期T
s前および1つの入力の周期T
p前の値に基づく、値の加重平均である。本加重は、おそらく、方程式505に示されるシーケンス(サンプリングされた時間)ドメインにより明確に図示される。504および505では、W
eは、0〜1の実数であり、W
a=1−W
eである。W
e=1である場合、コントローラは、純粋周期間コントローラであり、W
e=0である場合、コントローラは、従来の周期内コントローラである。プラントへの制御入力c506は、デジタル/アナログ変換器507によってアナログ信号に変換され、プラント508に印加される。プロビジョンは、入力の繰り返し周期T
pが少ないサンプリング周期を変動させ得る状況に対処するように行われることができる。この場合、Nは、前の入力の周期T
pに適合する、サンプリング周期T
sの数に基づいて、変動することを可能にされる。この場合、繰り返しの終了に向かった区分が最近更新されなかった場合、以前のサンプルから状態をコピーするのではなく、加重は、次の入力の周期の開始まで純粋周期内コントローラを起動するように変更されることができる(W
e=0)。本例示的複合周期間および周期内コントローラ500は、周期的入力とともに動作することから非反復入力501とともに動作することへ容易に遷移し得るという点で、付加的利点を有する。
【0044】
図6A、
図6B、
図6C、および
図6Dは、本開示の一実施形態による、プラズマ電力送達システムで実装され得る、(W
e=1を伴う)300、350、または500等の例示的周期間コントローラの性質を図示する。例証を容易にするために、
図6では、プラントP308、357、または506は、単純なユニティ利得ブロックであり、サンプル周期T
s=1マイクロ秒、繰り返し周期T
p=1ミリ秒、故に、N=T
p/T
s=1,000、k(500ではk
e)=62.83である。周期間コントローラのループ利得のボードプロットが、
図6Aに示される。ループ利得は、従来的な周期内コントローラと非常に異なる。利得k(500ではk
e)=62.83=2π10に関して予期され得るように、10Hzにおける第1の利得交差周波数が存在するが、利得の規模は、入力の高調波において無限に戻る(1/T
pの倍数)、すなわち、それが異例な精度で周期的入力の後に続くことを可能にする、周期間コントローラのユニークな性質である。
図6Bは、ループ利得のナイキストプロットを示す。ナイキストプロットの解釈を促進するために、ループ利得の規模は、log
2(1+log
2(1+・))によってスケーリングされる。本マッピングは、0を0に、1を1にマップし、単調に増加しているため、依然として、複素平面内の点−1+j0が丸く囲まれていないことを検証することができる。ボードプロット内の複数の利得交差にもかかわらず、ナイキストプロットは、本システムが安定していることを示す。
図6Cは、システムの閉ループ応答の規模および位相を示す。
図6Dは、入力の高調波のみおよび入力の高調波から+/−1Hzにおけるシステムの閉ループ応答の規模および位相を示す。
図6Dは、高調波における利得がユニティ利得であることを示し、周期T
pを伴う周期的入力が精密に後に続くであろうことを確認する。
図6Dでは、正確に0dBの利得および0位相(ユニティ利得)を有する点は、正確に入力の高調波にあり、−0.04dBの利得および+/−5度の位相を有する点は、入力高調波を1Hz上回る、かつ下回る。
【0045】
図7A、
図7B、
図7C、および
図7Dは、本開示の一実施形態による、プラズマ電力送達システムで実装され得る、W
e=0.1を伴う例示的複合周期間コントローラおよび周期内コントローラ500の性質を図示する。例証を容易にするために、
図7では、プラントP506は、単純なユニティ利得ブロックであり、サンプル周期T
s=1マイクロ秒、繰り返し周期T
p=1ミリ秒、故に、N=T
p/T
s=1,000、k
e=62.83、およびk
a=62,830である。複合周期間および周期内コントローラのループ利得のボードプロットが、
図7Aに示される。ループ利得は、従来的な周期内コントローラと非常に異なる。10HzのW
e=1に関する交差周波数と10kHzのW
e=0に関する交差との間である、100Hzにおける第1の利得交差周波数が存在する。利得の規模は、入力の高調波において高いが有限の値に戻る(1/T
pの倍数)、すなわち、複合周期間および周期内コントローラのユニークな性質である。
図7Bは、ループ利得のナイキストプロットを示す。ナイキストプロットの解釈を促進するために、ループ利得の規模は、log
2(1+log
2(1+・))によってスケーリングされる。本マッピングは、0を0に、1を1にマップし、単調に増加しているため、依然として、複素平面内の点−1+j0が丸く囲まれていないことを検証することができる。ボードプロット内の複数の利得交差にもかかわらず、ナイキストプロットは、本システムが安定していることを示す。
図7Cは、システムの閉ループ応答の規模および位相を示す。
図7Dは、入力の高調波のみおよび入力の高調波から+/−1Hzにおけるシステムの閉ループ応答の規模および位相を示す。
図7Dは、入力の最初のいくつかの高調波における利得がユニティ利得に近いことを示し、入力の最初のいくつかの高調波成分が良好な精度で後に続くであろうことを示す。
【0046】
図8A、
図8B、
図8C、および
図8Dは、本開示の一実施形態による、プラズマ電力送達システムで実装され得る、W
e=0.01を伴う例示的複合周期間コントローラおよび周期内コントローラ500の性質を図示する。
図8では、プラントP506は、単純なユニティ利得ブロックであり、サンプル周期T
s=1マイクロ秒、繰り返し周期T
p=1ミリ秒、故に、N=T
p/T
s=1,000、k
e=62.83、およびk
a=62,830である。複合周期間および周期内コントローラのループ利得のボードプロットが、
図8Aに示される。ループ利得は、従来的な周期内コントローラのものに接近する。10HzのW
e=1に関する交差周波数と10kHzのW
e=0に関する交差との間である、9.1kHzにおける第1の利得交差周波数が存在する。利得の規模は、周波数が増加するにつれてユニティの2倍高い値に戻る。
図8Bは、ループ利得のナイキストプロットを示す。ナイキストプロットの解釈を促進するために、ループ利得の規模は、log
2(1+log
2(1+・))によってスケーリングされる。本マッピングは、0を0に、1を1にマップし、単調に増加しているため、依然として、複素平面内の点−1+j0が丸く囲まれていないことを検証することができる。ボードプロット内の複数の利得交差にもかかわらず、ナイキストプロットは、本システムが安定していることを示す。
図8Cは、システムの閉ループ応答の規模および位相を示す。
図7Dは、入力の高調波のみおよび入力の高調波から+/−1Hzにおけるシステムの閉ループ応答の規模および位相を示す。
図7Dは、入力の最初のいくつかの高調波における利得がユニティ利得に近いことを示し、入力の最初のいくつかの高調波成分が良好な精度で後に続くであろうことを示す。本コントローラは、10kHzの利得交差周波数を伴う周期内コントローラの性能に接近する。
【0047】
図9は、本開示の一実施形態による、プラズマ電力送達システムで実装され得る、例示的複合周期間および周期内コントローラ900の多入力多出力バージョンのブロック図を図示する。入力901は、1/T
sのサンプリングレートにおいて、アナログ/デジタル変換器902によってサンプリングおよびデジタル化される。(入力は、すでにデータストリームとして存在していてもよく、その場合、変換器902は、使用されない。)入力は、多次元であり、例えば、出力電力および発電機ソースインピーダンスのための入力を含有してもよい。出力907は、アナログ/デジタル変換器909によってサンプリングおよびデジタル化される。(出力は、出力の測定から導出されるデジタルデータストリームであってもよく、その場合、アナログ/デジタル変換器は、示されるように実装されなくてもよい。)出力は、多次元であり、例えば、発電機に提示される出力電力およびインピーダンスの測定を含んでもよい。入力901および出力907の次元性は、一致する必要はない。これは、出力の要素が最小限または最大限にされているものの測定値を含有し得、したがって、入力を要求しない(例えば、所望の負荷インピーダンスへの発電機に提示される負荷インピーダンスの不一致)ためである。また、入力の要素は、値が単純に設定されることができ、対応する測定を要求しない(例えば、発電機ソースインピーダンスを設定する)場合、対応する測定を要求しない場合がある。入力901、制御入力904、摂動908、および出力907の測定は、メモリ910の中に記憶される。コントローラ903は、1つの入力の周期T
p前および1つのサンプリング周期T
s前のメモリの中に記憶された値から、プラントへの制御入力c904を発生させる。NおよびT
sは、T
p=NT
sを満たすように選定される。
【0048】
プラントへの制御入力904の値を計算することに加えて、コントローラはまた、計算された制御に追加される摂動908を発生させることもできる。摂動908に追加されるプラントへの制御入力904は、デジタル/アナログ変換器905によってアナログ信号に変換され、プラント906に印加される。摂動908は、制御入力904と出力907との間の相関を抽出するために使用されることができる。例えば、出力電力(例えば、電力増幅器への駆動レベル)を主に制御する、904における制御要素を摂動させ、プラズマ負荷によって発電機に提示される出力電力およびインピーダンスの両方の変化を観察し、次いで、発電機(例えば、発電機周波数)に提示されるインピーダンスを主に制御する制御要素を摂動させ、プラズマ負荷によって発電機に提示される出力電力およびインピーダンスの両方を観察することは、コントローラが制御入力904と出力907との間の相関を抽出することを可能にする。入力が周期的に変調される場合、制御入力904と出力907との間の相関もまた、(殆どのプラズマ負荷の場合のように負荷が非線形であると仮定して)変調される。周期間コントローラは、反復入力サイクル内の特定の時間周期毎に制御入力904および出力907を相関させることができる。例えば、T
p=1ミリ秒およびT
s=1マイクロ秒に関して、コントローラは、入力の中の1,000時間周期のそれぞれに関して904を907と相関させる、1,000のマトリクスを維持することができる。特定の時間周期毎に制御入力904の要素と出力907の要素との間の相関を抽出することに加えて、相関は、異なる時間周期の間で抽出されることができる。例えば、コントローラは、1つの時間周期内の制御入力の要素の変化が連続時間周期内の出力に影響を及ぼす程度を決定することができる。
【0049】
単純な実施例は、これらの相関を把握することの利点を図示する。周期的入力の中の第7の時間周期に関して2次元制御ベクトル(例えば、駆動および周波数)および2次元出力(例えば、出力電力および負荷抵抗)を更新する方法についての決定を考慮されたい。第7の時間周期の出力の所望の変化を、
【化1】
とする。
摂動を通して、第7の時間周期内の出力と第6および第7の時間周期内の制御入力との間の相関が推定されると仮定する:
【化2】
(近似的に)以下の結果になる。
【化3】
第7の時間周期のための入力が調節される必要があるとき、第6の時間周期の入力への変更がすでに行われており、したがって、以下が把握され、
【化4】
以下の結果になる。
【化5】
単純な実施例は、プラントへの2つの(駆動および周波数)および2つの出力(出力電力および負荷抵抗)を使用する。出力抵抗は、負荷インピーダンスの1つだけの成分である。実用的用途では、負荷インピーダンスの抵抗部だけではなく、負荷インピーダンスが重要である。そのような場合において、第3の入力(例えば、合致ネットワーク内の可変リアクタンス要素)が、利用される必要があろう、または最適化技法が、実施例における単純な算出ではなく、3つの出力を制御する2つだけの入力を使用して、最良の解を見出すために採用されることができる。
【0050】
周期間制御と併せた多入力多出力制御は、1つの制御ループ内の複数のパラメータの制御を可能にする。これは、通常、同一のプラズマ電力送達システム内の異なる制御ループのために広く異なる速度を使用することを余儀なくさせる、制御ループに干渉するという問題を回避する。
【0051】
周期間制御は、単一のコントローラが、電力を同一のプラズマシステムに送達する複数の発電機をより容易に制御することを可能にする。周期間および周期内コントローラのためのデータレートは、プラントへの制御入力がサンプリングレート1/T
sにおいて更新されるため、同一である。しかしながら、周期内コントローラが、プラントへの現在の制御入力を更新するために、より早い1つのサンプリング周期T
sからの情報を必要とする一方で、周期間コントローラは、プラントへの制御入力を更新するために、より早い1つの入力周期T
pからの情報を必要とする。殆どの場合、T
pがT
sよりも複数倍長いため、情報が周期間コントローラのために必要とされる前に、コントローラを往復するその情報を入手することは、はるかに容易である。周期間コントローラは、したがって、異なる発電機の間の相互作用をはるかに容易に考慮し、電力を同一のプラズマシステムに送達する全ての発電機の全体的制御を向上させることができる。
【0052】
周期間および混合周期間および周期内コントローラの所与の実施例では、コントローラは、過去の1つのサンプリング周期T
sまたは1つの繰り返し周期T
pの信号のサンプルを使用した。当然ながら、コントローラはまた、過去の複数のサンプリング周期または繰り返し周期の信号のサンプルを使用することもできる。
(項目1)
電力送達システムであって、
繰り返し出力パターンを生成する発電機と、
制御要素であって、上記制御要素は、現在の周期に先立った周期に行われる上記繰り返しパターンの値の測定に基づいて、上記繰り返しパターンを制御する、制御要素と
を備える、電力送達システム。
(項目2)
上記制御要素はさらに、現在の周期中の上記繰り返しパターンの値の測定と組み合わせられる上記現在の周期に先立った周期に行われる上記繰り返しパターンの測定に基づいて、上記繰り返し出力パターンを制御する、項目1に記載の電力送達システム。
(項目3)
上記繰り返し出力パターンは、出力対時間の規定パターンに従い、上記規定パターンは、繰り返し周期を伴って繰り返し、上記現在の周期に先立った周期に行われる上記繰り返しパターンの値の測定は、過去の1つ以上の繰り返し周期に起こる、項目1に記載の電力送達システム。
(項目4)
多次元入力を受信し、多次元出力を生成するプラントをさらに備え、上記パターンにおける特定の時間周期にわたる上記プラントへの制御入力の要素と同一の特定の時間周期にわたる上記プラントからの出力の要素との間の相関は、上記制御要素によって決定および使用される、項目3に記載の電力送達システム。
(項目5)
上記制御入力の要素と上記出力の要素との間の上記相関は、上記制御入力を摂動させ、上記摂動への応答を観察することによって決定される、項目4に記載の電力送達システム。
(項目6)
上記プラントへの上記制御入力および上記プラントからの上記出力は、多次元であり、上記周期的パターンにおける特定の時間周期および上記特定の時間周期に隣接する時間周期にわたる上記制御入力の要素と、上記特定の時間周期にわたる上記プラントからの上記出力の要素との間の上記相関は、上記制御要素によって決定および使用される、項目4に記載の電力送達システム。
(項目7)
上記制御入力の要素と上記出力の要素との間の上記相関は、上記制御入力を摂動させ、上記摂動への応答を観察することによって決定される、項目6に記載の電力送達システム。
(項目8)
上記発電機は、単一の無線周波数発電機または直流発電機のうちの1つであり、上記出力は、電圧、電流、および電力のうちの少なくとも1つである、項目1に記載の電力送達システム。
(項目9)
上記発電機は、複数の無線周波数発電機、または複数の直流発電機、または無線周波数発電機および直流発電機の組み合わせを備え、上記出力は、プラズマシステムに送達される電圧、電流、および電力のうちの少なくとも1つである、項目1に記載の電力送達システム。
(項目10)
上記出力の1つの要素は、電圧、電流および電力、またはそれらの組み合わせのうちの1つであり、上記出力の別の要素は、上記発電機に提示されるインピーダンスおよび上記発電機のソースインピーダンスのうちの1つである、項目4に記載の電力送達システム。
(項目11)
上記出力の1つの要素は、電圧、電流および電力、またはそれらの組み合わせのうちの1つであり、上記出力の別の要素は、上記発電機に提示されるインピーダンスおよび上記発電機のソースインピーダンスのうちの1つである、項目6に記載の電力送達システム。
(項目12)
電力送達システムであって、
メモリと通信する制御システムであって、上記制御システムは、出力対時間の規定パターンに従う出力を生成し、上記規定パターンは、上記メモリの中に記憶された上記出力の測定に基づいて、上記規定パターンの繰り返しを制御することによって、繰り返し周期を伴って繰り返し、メモリの中に記憶された上記出力は、出力対時間の上記規定パターンの1つ以上の前の繰り返しから得られる、制御システム
を備える、電力送達システム。
(項目13)
上記制御システムは、1つ以上の前の繰り返しから得られる測定を現在の繰り返しから得られる測定と組み合わせる、項目12に記載の電力送達システム。
(項目14)
上記プラズマ電力送達システムのプラントへの制御入力および上記プラズマ電力送達システムの出力は、多次元であり、上記規定パターンの繰り返しの開始に対する1つの瞬間における上記制御入力の複数の制御入力要素と、上記繰り返し周期の開始に対する同一の瞬間における上記出力の複数の出力要素との間の相関は、上記制御システムによって決定および使用される、項目12に記載の電力送達システム。
(項目15)
上記制御入力の制御入力要素と上記出力の出力要素との間の上記相関は、上記制御入力を摂動させ、上記摂動への応答を測定することによって決定される、項目14に記載の電力送達システム。
(項目16)
上記プラントへの上記制御入力および上記出力は、多次元であり、上記繰り返し周期の開始に対する1つの瞬間および上記1つの瞬間に隣接する瞬間における上記制御入力の複数の制御入力要素と、上記繰り返し周期の開始に対する上記1つの瞬間における上記出力の出力要素との間の相関は、上記制御システムによって決定および使用される、項目13に記載の電力送達システム。
(項目17)
上記制御入力の制御入力要素と上記出力の出力要素との間の上記相関は、上記制御入力を摂動させ、上記摂動への応答を測定することによって決定される、項目16に記載の電力送達システム。
(項目18)
上記電力送達システムは、単一の無線周波数(RF)または直流(DC)発電機を備え、上記出力の要素は、プラズマシステムに送達される電圧、電流、および電力レベルのうちの少なくとも1つを備える、項目12に記載の電力送達システム。
(項目19)
RF発電機、DC発電機、またはRF発電機およびDC発電機の組み合わせを備える複数の発電機をさらに備え、上記発電機の出力のそれぞれの要素は、電圧、電流、および電力レベルのうちの少なくとも1つを備える、項目18に記載の電力送達システム。
(項目20)
上記出力の出力要素のうちの1つは、電圧、電流、および電力のうちの少なくとも1つを備え、上記出力の別の出力要素は、発電機に提示される負荷インピーダンスおよび上記発電機のソースインピーダンスのうちの少なくとも1つを備える、項目14に記載の電力送達システム。
(項目21)
上記出力の1つの出力要素は、電圧、電流、および電力レベルのうちの少なくとも1つを備え、上記出力の別の出力要素は、発電機に提示される負荷インピーダンスおよび上記発電機のソースインピーダンスのうちの少なくとも1つを備える、項目16に記載の電力送達システム。
(項目22)
電力送達システムであって、
出力を生成するためのコントローラであって、上記コントローラは、周期的擾乱を受け、上記周期的擾乱は、過去の1つ以上の繰り返し周期に行われた上記出力の値の測定に基づいて、上記出力を制御することによって、繰り返し周期を伴って繰り返す、コントローラ
を備える、電力送達システム。
(項目23)
上記プラズマ電力送達システムは、上記周期的擾乱と同期化される信号を受信する、項目22に記載の電力送達システム。
(項目24)
プラズマ電力送達システムであって、
インピーダンス合致ネットワークであって、上記インピーダンス合致ネットワークは、負荷インピーダンスを、上記負荷インピーダンスが繰り返し周期を伴って繰り返す周期的変調パターンを受ける所望のインピーダンスに合致させる、インピーダンス合致ネットワークと、
上記インピーダンス合致ネットワークと動作可能に関連付けられる制御要素であって、上記制御要素は、過去の1つ以上の繰り返し周期に行われた上記負荷インピーダンスの値の測定に基づいて、上記インピーダンス合致ネットワーク内の可変インピーダンス要素を制御する、制御要素と
を備える、プラズマ電力送達システム。
(項目25)
上記制御要素は、過去の繰り返し周期未満に行われた上記負荷インピーダンスの値の測定と組み合わせられる過去の1つ以上の繰り返し周期に行われた上記負荷インピーダンスの値の測定に基づいて、上記インピーダンス合致ネットワーク内の上記可変インピーダンス要素を制御する、項目25に記載のプラズマ電力送達システム。