特許第6971385号(P6971385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6971385薬剤送達デバイス内のガス発生を制御するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971385
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】薬剤送達デバイス内のガス発生を制御するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   A61M5/20 530
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-511492(P2020-511492)
(86)(22)【出願日】2018年8月31日
(65)【公表番号】特表2020-531172(P2020-531172A)
(43)【公表日】2020年11月5日
(86)【国際出願番号】US2018049048
(87)【国際公開番号】WO2019050791
(87)【国際公開日】20190314
【審査請求日】2020年2月25日
(31)【優先権主張番号】62/555,808
(32)【優先日】2017年9月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ベニソン,コリー ジョー
(72)【発明者】
【氏名】ドゥオン,アンソニー デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】エリス,ジェフリー ルクレア
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン,マイケル ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】クールティス,ランプロス シー.
(72)【発明者】
【氏名】シルカール,レア
(72)【発明者】
【氏名】タラリコ,ジョン ポール
【審査官】 上石 大
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−524227(JP,A)
【文献】 特表2015−531311(JP,A)
【文献】 特開2004−339496(JP,A)
【文献】 特開昭62−044248(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0168480(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学反応によって治療用流体を送達するためのデバイスであって、
第1のチャンバ、第2のチャンバ、および第3のチャンバを有するハウジング
を含み、
前記デバイスは、
前記第1のチャンバが液体塩基を含み、前記第2のチャンバがポリマー酸を含み、前記第3のチャンバが前記治療用流体を含む装填構成と、
前記液体塩基が前記ポリマー酸と反応して、前記第3のチャンバから前記治療用流体を送達する推進ガスを発生させる送達構成と
を有する、前記デバイス。
【請求項2】
前記液体塩基が炭酸塩含有塩基である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ポリマー酸が架橋されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ポリマー酸が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、およびポリマレイン酸のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ポリマー酸が、80%以上の酸含有量を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ポリマー酸が、100%の酸含有量を有する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記装填構成において、前記第2のチャンバは、前記ポリマー酸と組み合わせて二次酸を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記二次酸がクエン酸である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ポリマー酸は、ゲル、ペレット、ガラスおよび粉末のうちの1つとして形成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ポリマー酸がディスクの形態である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ポリマー酸はゲルであり、前記ゲルは複数の繊維から形成されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記炭酸塩含有塩基が、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、および炭酸カリウムのうちの少なくとも1つである、請求項2に記載のデバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月8日に出願された米国仮出願第62/555,808号に対する優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、薬剤送達デバイス内のガス生成を制御するためのシステムに関する。より具体的には、本開示は、薬剤送達デバイスから治療用流体を推進するためのガス発生速度を制御するための液体塩基−ポリマー酸化学反応システムに関する。
【背景技術】
【0003】
最近、薬剤送達デバイスを介した治療用流体の送達の動力を供給するために、化学反応システムが使用されている。一般に、使用される化学反応システムは、ガスを発生させ、次いでそのガスが薬剤送達デバイスから治療用流体を推進し、送達するために使用される液体酸−粉末塩基反応を含んでいる。しかし、特に治療用流体の遅い送達が必要とされるのに応じて、これらの反応の速度を制御することは難しいことがわかっている。
【0004】
したがって、治療用流体が薬剤送達デバイスから投与される速度を制御し、特に治療用流体がより遅い様式で送達されることができるように速度を制御することができる反応システムを提供することが望ましいだろう。これらの反応システムは、任意の数の治療用流体、例えば、高濃度タンパク質、高粘度の医薬製剤、または他の治療用流体を送達するために使用され得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、薬剤送達デバイス内のガスの発生を制御するためのシステムを提供する。より具体的には、本開示は、薬剤送達デバイスからの治療用流体の送達の速度を制御するために、薬剤送達デバイス内のガス発生の速度を制御することができる液体塩基−ポリマー酸化学反応システムを提供する。
【0006】
本開示の実施形態によれば、化学反応によって治療用流体を送達するためのデバイスが開示される。デバイスは、第1のチャンバ、第2のチャンバ、および第3のチャンバを有するハウジングを含む。デバイスは、第1のチャンバが液体塩基を含み、第2のチャンバがポリマー酸を含み、第3のチャンバが治療用流体を含む装填構成と、液体塩基がポリマー酸と反応し、第3のチャンバから治療用流体を送達する推進ガスを発生させる送達構成とを有する。
【0007】
本開示の別の実施形態によれば、化学反応によって治療用流体を送達するための方法が開示され、方法は、液体塩基、ポリマー酸、および治療用流体を含むデバイスを提供することを含み、液体塩基はポリマー酸と反応して、デバイスから治療用流体を送達する推進ガスを発生させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の上述および他の特徴および利点、ならびにそれらを達成する様式は、本発明の実施形態の以下の説明を添付の図面と併せて参照することによってより明らかになり、またよりよく理解されることとする。
【0009】
図1】本開示の例示の送達デバイスの断面図を示す。
図2】本開示の別の例示の送達デバイスの断面図を示す。
図3】本開示の化学反応システムの液体塩基とポリマー酸の反応速度と、先行技術の化学反応システムの粉末塩基と液体非ポリマー酸の反応速度とのグラフ比較を示す。
図4】先行技術の化学反応システムの粉末塩基および液体非ポリマー酸の圧力および送達/流量のグラフ表示を示す。
図5】含水量/酸濃度を制御することにより調整された本開示の2つの例示の反応の反応速度のグラフ比較を示す。
図6】化学反応システムの様々な態様の制御により調整された本開示の化学反応システムの反応および送達/流量のグラフ表示を示す。
図7】化学反応システムの酸含有量を変えることにより調整された本開示の化学反応システムの送達/流量のグラフ表示を示す。
図8】架橋されている本開示の化学反応システムの送達/流量と架橋されていない本開示の化学反応システムの反応速度のグラフ比較を示す。
図9】化学反応システムの表面積対体積比を変えることにより調整された本開示の化学反応システムの送達/流量のグラフ表示を示す。
図10】化学反応システムのポリマー酸の重量を制御することにより調整された本開示の化学反応システムの送達/流量のグラフ表示を示す。
図11】化学反応システムのポリマー酸の表面積特性を制御することにより調整された本開示の化学反応システムの反応速度および送達/流量のグラフ表示を示す。
図12】ポリマー酸の様々な物理的形態を有する本開示の様々な化学反応システムとクエン酸粉末を用いた化学反応システムの圧力プロファイルのグラフ比較を示す。
【0010】
複数の図全体を通して、対応する参照符号は、対応する部品を示す。本明細書に記載される例証は、本発明の例示の実施形態を例示し、そのような例証は、いかなる様式においても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、薬剤送達デバイスを操作するために使用されるガスを発生させるためのシステムを提供する。これらのシステムは、制御可能なガス放出を提供するように調整することができる液体塩基−ポリマー酸反応を含む化学反応システムを含み、薬剤送達デバイスからの治療用流体のより遅い送達速度の範囲を許容する。
【0012】
1.治療用流体
本開示の薬剤送達デバイスから分注される治療用流体または製剤は、溶液、分散液、懸濁液、乳濁液、または別の適切な流体形態など、様々な形態をとり得る。薬剤送達デバイスは、患者、介護者または医療従事者によって概して本明細書に記載されているような様式で操作されて、薬を人に送達する。
【0013】
治療用流体は、治療上有用な薬を含有し得る。治療薬としては、インスリン、インスリンリスプロまたはインスリングラルギンなどのインスリン類似体、インスリン誘導体、デュラグルチドまたはリラグルチドなどのGLP−1受容体アゴニスト、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴン誘導体、胃抑制ポリペプチド(GIP)、GIP類似体、GIP誘導体、オキシントモジュリン類似体、オキシントモジュリン誘導体、治療用抗体、および本開示のデバイスによって送達することができる任意の治療薬が挙げられ得る。本デバイスで使用されるような治療薬は、1つ以上の賦形剤を伴って製剤化されてもよい。
【0014】
ある実施形態において、薬は、モノクローナル抗体などのタンパク質、または治療上有用ないくつかの他のタンパク質である。いくつかの実施形態において、タンパク質は、治療用流体中で約75mg/mL〜約500mg/mLの濃度を有し得る。ある実施形態において、タンパク質は、約150mg/mL、200mg/mL、250mg/mL、またはそれ以上の濃度を有し得る。治療用流体は、水、ペルフルオロアルカン溶媒、ベニバナ油、または安息香酸ベンジルなどの、溶媒または非溶媒をさらに含有してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、治療用流体は高粘度流体とみなしてよく、約5cP〜約1000cPの絶対粘度を有し得る。ある実施形態において、高粘度流体は、少なくとも約10cP、20cP、30cP、40cP、50cP、60cP、またはそれ以上の絶対粘度を有する。
【0016】
2.化学反応システムを備えた送達デバイス
治療用流体を患者に送達するための例示の送達デバイス1000、1000´が図1および2に示されている。デバイス1000´は、デバイス1000と類似しており、同様の要素はプライム付きの参照番号で示されている。以下の説明はデバイス1000に言及しているが、この説明はデバイス1000´にも適用可能である。他の適切な送達デバイスが提供され得る。
【0017】
図示のデバイス1000は、第1の遠位端1002(図示では下端)から第2の近位端1004(図示では上端)まで延在する細長い構造体である。図示のデバイス1000は、ピストン1010、バネ1012、およびプランジャ1014を含む実質的に円筒形のバレルまたはハウジング1006を含む。第1の端部1002では、デバイス1000は、例えば、注射器または針などの患者送達機構(図示せず)を含む。第2の端部1004では、デバイス1000は、アクチュエータアセンブリ1020を含む。
【0018】
最初に、デバイス1000は、図1に示されるように、ピストン1010がバレル1006内で下向きに保持されてバネ1012を圧縮する装填構成で提供され得る。この装填構成では、デバイス1000のバレル1006は、複数のチャンバ、図示では第1の作動チャンバ1030、第2の反応チャンバ1032、および第3の治療用流体チャンバ1034に分割され得る。第1の作動チャンバ1030は、ピストン1010の上に位置し、第1の試薬1031を含む(図2)。第2の反応チャンバ1032は、ピストン1010の下に位置し、第2の試薬1033を含む(図2)。第3の治療用流体チャンバ1034は、プランジャ1014の下に位置し、治療用流体(図示せず)を含む。図示の実施形態では、これらの3つのチャンバ1030、1032および1034は同軸であり、それぞれが円筒形状を有するように描かれている。デバイス1000は、この装填構成で保存され得る。
【0019】
デバイス1000の使用準備が整ったら、患者に治療用流体を送達するために、デバイス1000を非充填または送達構成に移してもよい。このステップは、アクチュエータアセンブリ1020のボタン1022をバレル1006に対して下向きに押すことを伴ってもよい。図示のデバイス1000では、ボタン1022の下向きの移動により、ピストン1010が回転し、バネ1012がその圧縮状態(図1)からその中立または解放状態に拡張するように上向きの移動についてピストン1010を解放する。
【0020】
ピストン1010の上向きの移動により、作動チャンバ1030が反応チャンバ1032と連通する。作動チャンバ1030からの第1の試薬は、反応チャンバ1032内の第2の試薬にさらされ、このさらすことがデバイス1000の内部でのガス発生化学反応につながる。発生したガスは、デバイス1000内の圧力を上昇させ、プランジャ1014を下向きに押し、治療用流体を治療用流体チャンバ1034から患者へと押し出す。
【0021】
デバイス1000、デバイス1000´、他の適切なデバイスならびにそのようなデバイスを操作するために使用される適切な試薬、化学製剤、および反応に関する追加の詳細は、以下の参考文献にさらに説明されており、それらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に明示的に組み込まれる。すなわち、「Process and Device for Delivery of Fluid by Chemical Reaction」と題する、2013年10月15日に出願された米国特許第9,321,581号、「Chemical Engines and Methods for Their Use,Especially in the Injection of Highly Viscous Fluids」と題する、2013年10月15日に出願された米国特許出願第14/434,586号(米国特許出願公開第2015/0314070号)、および「Processes and Devices for Delivery of Fluid by Chemical Reaction」と題する、2018年2月9日に出願された国際特許(PCT)出願第PCT/US2018/017547号である。
【0022】
3.制御されたガスを発生する化学反応
ガスを発生させるために本開示の薬剤送達デバイス内で使用できる多くの適切な化学試薬が存在する。発生するガスの例には、二酸化炭素ガス、窒素ガス、酸素ガス、塩素ガスなどが含まれる。望ましくは、発生するガスは、不活性かつ不燃性である。薬剤送達デバイスを操作するのに必要なガスの量および治療用流体のための望ましい送達速度は、デバイスで使用される各試薬の種類、量、相、および濃度に影響を与える可能性がある。
【0023】
本開示の例示の実施形態によれば、第1の試薬は液体試薬であり、第2の試薬はポリマー試薬である。1つの特定の実施形態では、液体試薬は液体塩基であり、ポリマー試薬はポリマー酸である。以下の実施例1に示すように、そのような液体塩基−ポリマー酸反応は、例えば、従来の非ポリマーベースの反応よりも遅くより線形の速度で進行してもよい。この液体塩基−ポリマー酸の組み合わせは、ポリマーの拡散特性を使用して、反応の速度を制御し、ガスの生成と治療用流体の送達速度を制御する。
【0024】
図1の例示されたデバイス1000に戻ると、液体試薬は第1の作動チャンバ1030に含まれてよく、ポリマー試薬は第2の反応チャンバ1032に含まれてもよい。デバイス1000が作動すると、液体試薬は、第1の作動チャンバ1030から移動し、解放されたピストン1010を通過し、第2の反応チャンバ1032内のポリマー試薬と接触して、液体塩基−ポリマー酸ガス発生反応を受ける。
【0025】
適切な液体塩基の例には、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、および炭酸カリウムが含まれる。珪藻土個体粒子などの他の成分もまた重炭酸塩と共に存在してもよい。様々な実施形態において、液体塩基は、溶媒または溶媒と非溶媒(例えば、水)の混合物に溶解した固体としてもよいが、他の実施形態において、液体塩基は液相である。さらに、液体塩基はアルコールに不溶としてもよい(すなわち、重炭酸カリウム)。液体塩基は、デバイスの装填構成においては最初に分離されており、デバイスの作動に応答して組み合わされる固体塩基および液体溶媒も含んでもよい。
【0026】
様々な実施形態において、ポリマー酸は、粉末、様々な方法で形成された乾燥吸収性ポリマーマトリックス、またはゲルとして形成されてもよい。例えば、本開示のポリマー酸は、ゲル重合プロセスを実施することにより調製されてもよい。このプロセスは、1つ以上の液体酸(本明細書では「一次」液体酸とも呼ばれることがある)、所望量の水、1つ以上の光開始剤、および該当する場合1つ以上の架橋剤を混合することを伴うことがある。適切な液体酸の例には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、およびそれらの組み合わせが含まれる。次いで、酸溶液を様々な形状に形成し、UV光で一定時間硬化させることができる。UV光は、重合および架橋反応を促して、ポリアクリル酸(PAA)ゲル、ポリメタクリル酸(PMAA)ゲル、ポリマレイン酸ゲル、またはそれらの組み合わせを形成する。例えば、14mmのゲルディスクは、液体酸、0.5%の光開始剤(例えば、メチルプロピオフェノン)、および500ppmの架橋剤(例えば、アクリルアミド、エチレングリコール)から作成された酸溶液が30ゲージの針で注射器に引き込まれ、ゴム製Oリングを介して2つのガラス板の間に注入されてディスクを形成し、次いでそれらが1分間UV硬化されることで調製されてもよい。乾燥吸収性ポリマーマトリックスは、例えば、圧縮成形、射出成形、静電紡糸、およびフィルムキャスティングを含む多くの方法で形成されてもよい。
【0027】
ポリマー酸の形成において、酸溶液の含水量、硬化条件、酸溶液のpH、および他の変数を調整して、ポリマー酸の特性を変えてもよい。本開示の化学反応システムの1つの特定の実施形態では、PAAゲルがポリマー酸であり、重炭酸カリウムが液体塩基である。これらの試薬が反応して二酸化炭素ガスを発生させてもよい。操作中、液体塩基がポリマー酸ゲルと接触すると、塩基はポリマー酸ゲルの自由体積に拡散し、新しい酸性部分と反応し、ガスを発生させる。液体塩基がポリマー酸ゲル内で完全に拡散、反応、および平衡化すると、反応が完了する。ゲル状のポリマー酸内の自由体積(例えば、キャビティなど)は、塩基のゲルへの拡散、すなわち反応物間の反応とガス生成変更するために修正されてもよい。
【0028】
一般に、ポリマー酸は、本開示の化学反応システムにおける限界反応物質であり得る。例示の実施形態では、過剰量のポリマー酸がシステムに存在する場合、そのような過剰量は7mol%以上であり得る。この過剰量は、化学反応に利用可能な表面積を増加させ、システム内のデッドボリュームを減少し、システムによって発生するガスの速度と量を増加させるだろう。
【0029】
以下の実施例に示すように、化学反応システム内の液体塩基−ポリマー酸反応によって発生するガスの速度および量は、複数の方法で調整してもよい。一般的な経験則として、表面積対体積比、酸濃度、および/またはポリマー酸の架橋が高いほど、反応および化学反応システムを推進するために使用されるガスの生成が速くなり、したがって治療用流体の送達がより速くなる。
【0030】
化学反応システムの表面積対体積比は、発生するガスの速度と量を調整するために様々な方法で制御することができる。例えば、ポリマー酸の形状および/または形態を変更してその表面積を増加させて(すなわち、ゲル状のポリマー酸の薄いシートを作成する、ポリマー酸をペレット化する、またはポリマー酸を静電紡糸して繊維にする)、反応速度と送達速度を増加させてもよい。繊維の実施形態において、繊維自体が存在することで、酸の濡れ性、または毛管湿潤により酸の表面に広がる、または付着する流体の傾向も改善することがある。繊維自体のサイズと配置は、比較的大きなターゲット電極を使用してまっすぐで緩く詰まった繊維を生成するか、または比較的小さなターゲット電極を使用して、カールして密に詰まった繊維を生成するなどにより、静電紡糸プロセス中に制御され得る。
【0031】
さらに、化学反応システム内の酸の濃度/含水量は、発生するガスの速度と量を調整するために制御可能である。例えば、ポリマー酸を形成するために使用される一次酸がより多くの量追加されてよく、他の二次酸、例えばクエン酸がポリマー酸と共に存在してよく、かつ/または酸濃度を増加させるために一次酸の含水量を減少させて、化学反応システム内の試薬の反応速度を増加させてもよい。いくつかの実施形態では、二次酸または他の成分は、ポリマー酸または塩基試薬に必ずしも化学的に結合する必要はなく、ポリマー酸マトリックスもしくはゲルの表面に適用されるか、またはポリマー酸形態内に混合される。二次酸がポリマー酸の表面にある実施形態においては、液体塩基は、初期圧力ブーストに対して二次酸に迅速に到達して反応する可能性がある。対照的に、二次酸がポリマー酸のキャビティに埋め込まれている実施形態においては、液体塩基と二次酸の反応は、延長した圧力ブーストに対して遅くなり、長引く可能性がある。一般に、酸濃度が高いほど、または含水量が低いほど、化学反応システムの反応が速くなり、薬剤送達デバイスからの治療用流体の送達速度が速くなる(図7を参照)。同様に、酸濃度が低いほど、または含水量が高いほど、化学反応システムの反応が遅くなり、薬剤送達デバイスからの治療用流体の送達速度が遅くなる。
【0032】
さらに、様々な実施形態において、ポリマー酸試薬は、化学反応システム内で発生するガスの速度および量を調整するために架橋してもよい。架橋は、水性反応混合物中のポリマー酸(例えば繊維)の溶解性を低下させ、ポリマー酸がその形態を保持し、スポンジのように膨潤し、溶解および崩壊するよりも接触表面積を増加させることができる。ポリマー酸の物理的膨潤は、薬剤送達デバイスにおける圧力上昇にも寄与し得る。したがって、ポリマー酸を架橋することで、試薬の反応速度がより速くなり、治療用流体の送達速度がより速くなる。さらに、架橋中に繊維を加熱することにより、ポリマー酸の繊維から水分が乾燥し、乾燥繊維が水性反応混合物をより迅速かつ完全に吸収でき、送達速度がさらに増加する。
【実施例】
【0033】
実施例1:液体ポリマー反応対液体粉末(非ポリマー)反応
この実施例において、発明者らは、薬剤送達デバイスで発生した圧力および反応速度(圧力(psig)対時間(s)として表される)と、結果として生じる約20℃の温度で約20cPの粘度を有する治療用流体の治療送達または流量(質量(g)対時間(s)として表される)を評価した。
【0034】
図3および4を参照すると、液体ポリマーベース反応200における液体塩基とポリマー酸の反応速度は、従来の非ポリマーベース反応100よりも遅く、より線形的な準線形性であるように制御された。より具体的には、図3および4は、4ピースの2.11グラムの100%PAAと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムとの反応を含んだ反応システム200の送達質量が、制御された線形に増加したことを示している。対照的に、同じ治療用流体を送達するために286mgの重炭酸カリウムの乾燥粉末と550μLのクエン酸液(1.6M)の反応を含んだ反応システム100からは、送達質量と圧力においてはっきりとした急激な増加が示された。
【0035】
実施例2:酸濃度/含水量
ポリマー酸のゲルディスクの2つの別々の変形例が準備された。一方の変形例は100%のアクリル酸を含み、他方の変形例は80%のアクリル酸を含んでいた。直径14ミリメートルを有するゲルディスクが、液体アクリル酸、0.5重量%のメチルプロピオフェノン、および5000ppmのアクリルアミドを混合し、30ゲージの針で注射器に溶液を引き込み、Oリングを介した2つのガラスプレートの間に溶液を注入し、次いで形成されたディスクをUV光で約1分間硬化させることによって調製された。さらに、溶解した重炭酸カリウムの溶液が25mg/mLの濃度で調製された。3つの150mgアクリル酸ゲルディスク合計450mgが圧力容器内に置かれ、その後にその圧力容器は閉じられて圧力センサに接続された。次いで、2.5mLの重炭酸カリウム溶液が圧力容器内に注入され、データが圧力センサから読み取られた。図5に示すように、圧力発生速度は、ポリマー酸の酸性濃度または含水量によって影響を受ける。より具体的には、示すように、より低い酸濃度またはより高い含水量(80%アクリル酸)は、より高い酸濃度またはより低い含水量(100%アクリル酸)よりも遅い速度でガスを発生させた。
【0036】
実施例3:化学反応システムと反応/送達速度の変形例
この実施例において、本発明者らは、薬剤送達デバイスで発生した圧力速度(圧力(psig)対時間(s)として表される)と、結果として生じる約20℃の温度で約20cPの粘度を有する(1.17g/mLの密度)治療用流体の治療送達速度(質量(g)対時間(s)として表される)を評価した。
【0037】
図6は、4つの異なる反応システムの送達速度を示す。反応システム100(M1/P1)は、0.1グラムの粉末重炭酸カリウムと0.55ミリリットルの液体1.6Mクエン酸の反応を含む比較の先行技術の反応システムである。反応システム202(M4/P4)は、0.186グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウム(室温で)の反応を含む本開示の反応システムである。反応システム204(M3/P3)は、16個の異なるピース(表面積対体積比が増加)で提供される0.190グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含む本開示の反応システムである。反応システム206(M2/P2)は、複数のピース(表面積対体積比が増加)で提供される0.196グラムの100%PAAゲルと、0.025グラムのクエン酸(酸濃度が増加)と、1.0ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含む本開示の反応システムである。図6に示すように、先行技術の反応システム100は、本開示の反応システム202、204および206よりも速い速度を有し、より高い酸濃度とより高い表面積対体積比を有する本開示の反応システム206は、表面積対体積比のみが増加した反応システム204およびどちらも有していない反応システム202よりも速い送達速度を有する。さらに、表面積対体積比のみが増加した反応システム204は、どちらも有していない反応202よりも速い送達速度を有することが示されている。
【0038】
図7は、酸含有量に対する様々な調整を伴う本開示の様々な反応システムの送達速度を示す。反応システム400は、繊維材料ピース(表面積対体積比が増加)として形成された0.200グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。反応システム402は、静電紡糸された繊維材料ピース(表面積対体積比が増加)として形成された0.413グラムの100%PAAゲル(追加のポリマー酸で酸含有量が増加)と0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。反応システム404は、20%(w/w%)クエン酸(二次酸酸含有量が増加)を有する静電紡糸された繊維材料ピースとして形成された0.193グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。反応システム406は、14%(w/w%)クエン酸を有する0.423グラムの100%PAAゲル(追加のポリマー酸と二次酸で酸含有量が増加)と0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。図7に示すように、追加のポリマー酸と二次酸で酸含有量が増加した反応システム406は、追加のポリマー酸または二次酸の追加のいずれかによってのみ酸含有量が増加した反応システム400、402および404よりも速い送達速度を有する。さらに、反応システム404と比較して、ポリマー酸の酸含有量が増加した反応システム402、およびポリマー酸の酸含有量が増加した反応システム400は、二次酸の含有によってのみ酸含有量が増加した反応システム404よりも速い送達速度を有する。理論によって拘束されることを望まないが、反応システム400および402を超える反応システム406のより速い送達速度は、二次酸の追加に加え、追加のポリマー酸に起因している可能性があり、反応システム404を超える反応システム400および402のより速い送達速度は、二次酸とは対照的に追加のポリマー酸によって提供された酸含有量の増加に起因している可能性がある。したがって、一般に、追加のポリマー酸および二次酸の追加を伴う本開示の反応システムは、追加のポリマー酸または二次酸の追加を伴う反応システムよりも速い送達速度を有するであろう。追加のポリマー酸を伴う反応システムは、二次酸の追加を伴う反応システムよりも速い送達速度を有するであろう。
【0039】
図8は、本開示の反応システム408、410、412および414の送達速度とさらに比較した、反応システム400、402および406の送達速度を示す。反応システム408は、14%(w/w%)クエン酸を有する0.228グラムの架橋された100%PAAゲル(二次酸と架橋により酸含有量が増加)と0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。反応システム410は、14%(w/w%)クエン酸を有する0.150グラムの100%PAAゲル(二次酸により酸含有量が増加)と0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。反応システム412は、14%(w/w%)クエン酸を有する(酸濃度が増加)0.162グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。反応システム414は、エチレングリコールで架橋された(架橋あり)繊維材料ピース(表面積対体積比が増加)として形成された0.200グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。図8に示すように、架橋されたポリマー酸マトリックスを有する反応システム414および408は、反応システム400、402、404、406、410および412の各々よりも速い送達速度を有する。理論に拘束されることを望まないが、反応システム400、402、404、406、410および412のより遅い送達速度は、急速に溶解する可能性が高い架橋されていないポリマー鎖に起因している可能性がある。
【0040】
図9は、本開示の反応システム416および418の送達速度とさらに比較した反応システム402、404、406および412の送達速度を示す。反応システム416は、クエン酸を有する(酸濃度が増加)0.203グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。反応システム418は、クエン酸を有する(酸濃度の増加)0.203グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。図9に示されるように、ポリマー酸および二次酸の酸含有量が増加した反応システム406は、反応システム418、416、402、412および404の各々のものよりも速い送達速度を有する。さらに、表面積対体積比が増加した反応システム418および416は、反応システム402、412および404のものよりも速い送達速度を有する。さらに、反応システム402および412は、反応システム404よりも高いポリマー酸の酸含有量を有し、反応システム404よりも速い送達速度を有する。したがって、一般に、ポリマー酸の量の増加と二次酸の追加の両方によって引き起こされるより高い酸含有量は、ポリマー酸の量の増加と二次酸の追加のうちの一方のみによって引き起こされる酸含有量の増加を伴う反応システムを超えた送達速度が増加したより高い表面積対体積比を伴う反応システムよりを超えて、送達速度が増加している。
【0041】
図10は、本開示の化学反応システムの送達速度に対する酸濃度を変えることの影響を示す。反応システム422は、14%(w/w%)クエン酸を有する0.423グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。反応システム420は、14%(w/w%)クエン酸を有する0.162グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含んでいた。図10に示されるように、反応システム422(最高酸含有量のポリマー酸)の送達速度は、反応システム410(最低酸含有量のポリマー酸)のものよりも速い反応システム420のものよりも速い。したがって、一般に、反応システムの送達速度は、酸が限界反応物質であるため、反応システム内のポリマー酸の酸含有量が増加するにつれて増加し、ポリマー酸の酸含有量が減少するにつれて減少する。一般に、液体塩基のすべてまたはほぼすべてと反応するのに十分な酸がシステム内に存在する場合、システムの送達速度は、約9〜15分で5mLの治療薬を送達すると推定される。
【0042】
図11は、架橋されたゲルを伴う反応システム800と架橋されたゲルを伴わない反応システム802の送達速度と圧力の比較を示す。反応システム800は、架橋したクエン酸を伴う0.418グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムの反応を含み、反応システム802は19%(w/w%)の架橋されていないクエン酸を有する0.423グラムの100%PAAゲルと0.84ミリリットルの液体飽和重炭酸カリウムとの反応を含んでいた。図11に示すように、架橋されたゲルを含む反応システム800は、架橋されたゲルを含まない反応システム802よりも速い送達速度と高い圧力を有した。
【0043】
図12は、様々な物理的形態の酸を有する本開示および先行技術の様々な化学反応システムの圧力および流量/送達速度のグラフ比較を示す。より具体的には、図12は、先行技術の酸(クエン酸)の緩い粉末形態と、本開示のポリマー酸の緩い粉末形態と、本開示のポリマー酸の圧縮錠剤とを使用したときの圧力プロファイルの変動を示す。反応システム900は、0.510グラムの重さのPAA錠剤を含み、反応システム902は0.410グラムのクエン酸粉末を含み、反応システム904は、450,000MV(ミクロン単位の平均直径)の粒子サイズを有する0.414グラムのPAA粉末を含み、反応システム906は、1,000MV(ミクロン単位の平均直径)の粒子サイズを有する0.425グラムのPAA粉末を含んでいた。図12に示すように、クエン酸粉末を含む反応システム902は、反応システム900、904および906のPAA錠剤と粉末の両方よりも高い圧力プロファイルを有し、より小さい粒子サイズ(1000MV)を有するPAA粉末の反応システム906は、PAA錠剤の反応システム900およびより大きな粒子サイズ(450,000MV)を有するPAA粉末の反応システム904よりも高い圧力プロファイルを有する。
【0044】
全体として、本開示の化学反応システムの反応速度、圧力発生速度、および結果として生じる治療送達速度は、広範囲にわたって制御することができる。したがって、薬剤送達デバイスからの治療用流体の送達速度も広範囲にわたって制御することができる。図6〜9を参照すると、化学反応システムの反応速度は、以下の順において様々な調整で増加してもよい。すなわち、ポリマー酸のみ、表面積対体積比が増加し、酸濃度が増加したポリマー酸、表面積対体積比が増加したポリマー酸、酸濃度が増加したポリマー酸、酸濃度が増加し、架橋されたポリマー酸、および表面積対体積比が増加し架橋されたポリマー酸である。
【0045】
本発明は例示の設計を有するものとして説明されてきたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに修正されてもよい。したがって、本出願は、本発明の一般的原理を用いた本発明の任意の変形、使用、または適応を包含することが意図される。さらに、本出願は、本発明が関係し、添付の特許請求の範囲の限定の範囲内に入る、当該技術分野で既知のまたは慣習的な実施の範囲内に入るものとして、本開示からのそのような逸脱を網羅することを意図する。
図1
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図12