【文献】
SoftBank, Sprint,UL restriction for High Power UE with dynamic TDD,3GPP TSG RAN WG1 #91 R1-1721053,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_R,2017年11月27日,Section 2,3
【文献】
OPPO,Futher discussion of UL/DL configurations for NR HPUE,3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #86bis R4-1803659,2018年04月06日,Section 2
【文献】
vivo, CMCC, OPPO,WF on NR TDD UL/DL configurations and HPUE behavior,3GPP TSG-RAN WG4#86 Meeting R4-1802714,2018年02月26日,4頁
【文献】
Vivo, Qualcomm, Softbank, Sprint,WF on NR TDD UL/DL configurations and HPUE behavior,3GPP TSG-RAN WG4 AH-1801 Meeting R4-1801125,2018年01月22日,2頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
TDD(Time Division Duplex)におけるDL(Downlink)に使用するリソースとUL(Uplink)に使用するリソースとフレキシブルに使用するリソースとを指定するDL−UL設定及びULスケジューリングを基地局から受信する受信部と、
前記DL−UL設定及び前記ULスケジューリングに基づいて、前記基地局にUL送信を行う送信部と、
ULリソース使用比率を超えないように制御する目標値を決定し、前記目標値をUE(User Equipment)能力として前記基地局に通知する制御部とを有し、
前記目標値は50パーセントより大であり、複数のパワークラスにおいて共通のデフォルト値が設定される端末。
TDD(Time Division Duplex)におけるDL(Downlink)に使用するリソースとUL(Uplink)に使用するリソースとフレキシブルに使用するリソースとを指定するDL−UL設定及びULスケジューリングを端末に送信する送信部と、
前記端末がULリソース使用比率を超えないように制御する目標値をUE(User Equipment)能力として受信し、前記DL−UL設定及び前記ULスケジューリングに基づいて、前記端末からUL受信を行う受信部と、
前記目標値を超えないように前記DL−UL設定又は前記ULスケジューリングを設定する設定部とを有し、
前記目標値は50パーセントより大であり、複数のパワークラスにおいて共通のデフォルト値が設定される基地局。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
【0011】
本発明の実施の形態の無線通信システムの動作にあたっては、適宜、既存技術が使用される。ただし、当該既存技術は、例えば既存のLTEであるが、既存のLTEに限られない。また、本明細書で使用する用語「LTE」は、特に断らない限り、LTE−Advanced、及び、LTE−Advanced以降の方式(例:NR又は5G)を含む広い意味を有するものとする。
【0012】
また、以下で説明する本発明の実施の形態では、既存のLTEで使用されているSS(Synchronization Signal)、PSS(Primary SS)、SSS(Secondary SS)、PBCH(Physical broadcast channel)、PRACH(Physical Random Access Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PUSCH(Physical. Uplink Shared Channel)等の用語を使用している。これは記載の便宜上のためであり、これらと同様の信号、機能等が他の名称で呼ばれてもよい。
【0013】
また、本発明の実施の形態において、複信(Duplex)方式は、TDD(Time Division Duplex)方式でもよいし、FDD(Frequency Division Duplex)方式でもよいし、又はそれ以外(例えば、Flexible Duplex等)の方式でもよい。
【0014】
また、以下の説明において、送信ビームを用いて信号を送信することは、プリコーディングベクトルが乗算された(プリコーディングベクトルでプリコードされた)信号を送信することとしてもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信することは、所定の重みベクトルを受信した信号に乗算することであってもよい。また、送信ビームを用いて信号を送信することは、特定のアンテナポートで信号を送信することであってもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信することは、特定のアンテナポートで信号を受信することであってもよい。アンテナポートとは、3GPPの規格で定義されている論理アンテナポート又は物理アンテナポートを指す。
【0015】
なお、送信ビーム及び受信ビームの形成方法は、上記の方法に限られない。例えば、複数アンテナを備える基地局装置100又はユーザ装置200において、それぞれのアンテナの角度を変える方法を用いてもよいし、プリコーディングベクトルを用いる方法とアンテナの角度を変える方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、異なるアンテナパネルを切り替えて利用してもよいし、複数のアンテナパネルを合わせて使う方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、その他の方法を用いてもよい。また、例えば、高周波数帯において、複数の互いに異なる送信ビームが使用されてもよい。複数の送信ビームが使用されることを、マルチビーム運用といい、ひとつの送信ビームが使用されることを、シングルビーム運用という。
【0016】
また、本発明の実施の形態において、無線パラメータ等が「設定される」とは、所定の値が予め設定(Pre-configure)又は規定されることであってもよいし、基地局装置100又はユーザ装置200から通知される無線パラメータが設定されることであってもよい。
【0017】
ここで、本発明において、特にULに着目する理由は、電磁波エネルギーの人体への影響が関わる装置がユーザ装置であるからである。すなわち、ユーザ装置からの上り送信(UL)はユーザ(人体)の直近でなされる。このため、ULにおいてSAR(Specific Absorption Rate)を考慮することは、移動通信システムの安全性の観点で重要となる。後述する大きい最大送信電力値で規定されるパワークラスが適用され得るユーザ装置(HPUE:High power UE)では、より重要となる。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態における無線通信システムの構成例を示す図である。本発明の実施の形態における無線通信システムは、
図1に示されるように、基地局装置100及びユーザ装置200を含む。
図1には、基地局装置100及びユーザ装置200が1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数であってもよい。
【0019】
基地局装置100は、1つ以上のセルを提供し、ユーザ装置200と無線通信を行う通信装置である。
図1に示されるように、基地局装置100は、TDD configurationに係る情報をユーザ装置200に送信する。TDD configurationに係る情報は、例えば、無線フレームにおいていずれのサブフレーム、いずれのスロット又はいずれのシンボルが、DL、UL又はフレキシブルに使用されるかを示す情報である。また、基地局装置100は、設定されたTDD configurationに基づいたULスケジューリングをユーザ装置200に通知する。
【0020】
図1に示されるように、ユーザ装置200は、基地局装置100からTDD configurationに係る情報及びULスケジューリングを受信して、ULリソースを使用して基地局装置100にUL送信を行う。ユーザ装置200は、使用したULリソースに基づいて、ULリソースに係る情報を基地局装置100に送信する。ULリソースに係る情報は、例えば、ULリソースの使用比率が、所定の割合を超えることを示す情報を含む。
【0021】
図2は、TDD configurationの例(1)を示す図である。LTEにおいて、
図2に示されるTDD configurationが使用される。
図2に示されるように、7つのTDD configurationが規定される。「Downlink−to−Uplink Switch−point periodicity」が「5ms」である場合、DL及びUL双方に使用可能である「S」で示されるスペシャルサブフレームが、10msの無線フレームを構成する2つの5ms長のハーフフレームの双方で存在する。「Downlink−to−Uplink Switch−point periodicity」が「10ms」である場合、DL及びUL双方に使用可能である「S」で示されるスペシャルサブフレームが、10msの無線フレームを構成する2つの5ms長のハーフフレームのうち、最初のハーフフレームのみで存在する。「D」はDLに使用されるサブフレーム、「U」はULに使用されるサブフレームを示す。
【0022】
図3は、TDD configurationの例(2)を示す図である。NRにおいて、LTEと比較した場合より柔軟なDL及びULパターンを設定することができる。
図3は、TDD configurationがセミスタティックに設定される場合の例である。
【0023】
図3に示されるように、TDD configurationの周期が、0.5、0.625、1、1.25、2、2.25、5、10msから設定することができる。また、
図3に示されるように、TDD configurationの周期の先頭から、連続DLスロット数を1スロット単位で設定可能である。DLスロットの後方に続くシンボルに、連続DLシンボル数を1シンボル単位で設定可能である。また、
図3に示されるように、TDD configurationの周期の末尾から、連続ULスロット数を1スロット単位で設定可能である。ULスロットの前方に続くシンボルに連続ULシンボル数を1シンボル単位で設定可能である。
図3に示されるDLとULとの間は、フレキシブルなリソースであり、ダイナミックにDL又はULとして使用されるリソースを1シンボル単位で設定可能である。
【0024】
なお、TDD configurationがダイナミックに設定される場合、セミスタティックに設定されていないスロットに対して、ダイナミックな設定が可能である。すなわち、セミスタティックな設定が、ダイナミックな設定より優先される。セミスタティックな設定において、フレキシブルとなっているシンボルのみ、ダイナミックな設定が可能である。基地局装置100は、所定のDCIフォーマットを用いて、ダイナミックにUL又はDLに使用するリソースに指定するTDD configurationをユーザ装置200に送信する。
【0025】
図4は、High power UEを説明するための図である。
図4は、ユーザ装置200の最大送信電力を規定するUEパワークラスの例である。
図4に示される、「NR band」が「n41」である「Class 2」に「26dBm」が設定される。例えば、6GHz未満の周波数帯においては、デフォルトパワークラスであるClass3の最大送信電力値の23dBmが適用されるが、法制度上許容される場合、Class2である最大26dBmまでの送信が可能である。デフォルトパワークラスを超える最大送信電力値で規定されるパワークラスが適用されるユーザ装置200をHPUE(High power UE)という。なお、HPUEはNRに限られず、LTEにおいても同様に規定される。なお、以下では例えば最大送信電力が「29dBm」の「Class 1」等、Class2等以外のパワークラスが適用されるUEもHPUEと呼称する。
【0026】
ここで、無線通信において、人体への特定部位に加えられた電磁波エネルギーの比吸収率を示すSARに係る要求を満たすことが必要である。HPUEでは、SARを考慮してULリソース使用比率が所定の比率に制限される必要がある。所定の比率は、たとえば50%である。ULリソース使用比率が50%であるとは、時間領域における全リソースに対するULシンボルの割合が50%であってもよいし、時間領域における全リソースに対して、送信されたULシンボルのうち、23dBmを超える送信電力で送信されたULシンボルの割合が50%であることとしてもよい。全リソースは、例えば、直近6分間等、所定の期間に対応する。なお、LTEのHPUEにおいては、
図2に示される「Uplink−downlink configuration」のうち、「1」から「5」までが使用可能であり、「0」及び「6」は使用できない。
【0027】
NRでは、TDD configurationを柔軟に設定できるため、HPUEがネットワークに存在する場合、SARに係る規定を満足させる必要がある。すなわち、HPUEのULリソース使用比率を50%に制限する必要がある。例えば、ULリソース使用比率を制限する場合、スロットフォーマットに制限を加えない方法と、スロットフォーマットのうち使用が許可されるサブセットを選択する方法とが考えられる。
【0028】
ここで、UEパワークラスは、UE能力としてネットワークにユーザ装置200からシグナリングされる。すなわち、ユーザ装置200の最大送信電力値は、ユーザ装置200個別の能力である。したがって、スロットフォーマットのうち使用が許可されるサブセットを選択する方法を行ってUL−DL configurationが固定化された場合、HPUE以外の全ユーザ装置200について、TDD configurationが制約され、不必要なULリソースの制約が生じる可能性がある。そこで、HPUEにのみ、TDD configurationが制約される方法が望ましい。
【0029】
図5は、本発明の実施の形態における通信手順を説明するためのシーケンス図(1)である。
ステップS1において、基地局装置100は、
図3で説明したTDD configurationを指定する情報をユーザ装置200に送信する。続いて、基地局装置100は、当該TDD configurationに基づいて、ULスケジューリングをユーザ装置200に通知する(S2)。ステップS3において、ユーザ装置200は、ULスケジューリングに基づいて、UL送信を行い、必要に応じて、ULリソースの使用に係る通知を基地局装置100に送信する。
【0030】
以下、TDD configurationによるDL−ULリソースを制限しないで、ULリソース使用比率を制御する方法を説明する。
【0031】
基地局装置100は、HPUEに対してULリソース使用比率が50%未満となるようにULデータのスケジューリングを行ってもよい。ULリソース使用比率が超えないように制御される目標値は50%に限られず、X%として、任意の値が目標値とされてもよい。Xの値は、仕様により予め規定されてもよい。また、Xの値は、ネットワークがユーザ装置200に、報知情報、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング又はPHYシグナリングを介して、ダイナミックに通知してもよい。また、Xの値は、ユーザ装置200が独自に決定してもよい。また、Xの値は、複数のUEパワークラスで共通の値が規定又は設定されてもよいし、UEパワークラスごとに異なる値が規定又は設定されてもよい。なお、Xの値は、HPUEが送信する電力が高いほど、小さくなるように設定されてもよい。例えば、HPUEの最大送信電力が26dBmの場合Xは50%であり、HPUEの最大送信電力が28dBmの場合Xを40%としてもよい。以下、ULリソース使用比率の「50%」は、適宜「X%」と読み替えられてよい。
【0032】
DL−ULリソースを制限しないで、ULリソース使用比率を制御するため、基地局装置100がHPUEに対してULリソース使用比率が50%未満となるようにULデータをスケジューリングする方法1)2)3)を下記に示す。
【0033】
方法1)基地局装置100のスケジューラが、すべて制御して、HPUEに対してULリソース使用比率が50%未満となるようにULデータのスケジューリングを行ってもよい。
【0034】
方法2)HPUEが、ULリソース使用比率が50%を超えた又は超える直前であることを、PUCCH又はRACHリソースを用いて基地局装置100に通知して、基地局装置100は、当該通知を受信した場合、ULスケジューリングを停止してもよい。
【0035】
なお、ユーザ装置200は、UL送信によって端末温度が上昇した場合等に、当該通知をULリソース使用比率にかかわらずに基地局装置100に送信してもよい。また、ユーザ装置200は、望ましいULスケジューリング粒度を基地局装置100に通知してもよい。ULスケジューリング粒度は、例えば、z秒ごと等の所定の期間である。これらの通知の送信は、ユーザ装置200がデフォルトパワークラスであった場合に行われてもよい。
【0036】
方法3)HPUEが基地局装置100に対し、ULリソース使用比率が50%以下となったことをPUCCH又はRACHリソースを用いて通知し、基地局装置100は、当該通知を受信した場合、ULスケジューリングを開始してもよい。
【0037】
DL−ULリソースを制限しないで、ULリソース使用比率を制御するため、基地局装置100がHPUEに対してUL送信電力を制御する方法1)2)を下記に示す。
【0038】
方法1)基地局装置100が、ULリソース使用比率50%以上のリソースに対してUL送信電力がデフォルト値(23dBm)以下となるよう制御してもよい。
【0039】
方法2)HPUEが、基地局装置100に対して、HPUEが、ULリソース使用比率が50%を超えた又は超える直前であることを、PUCCH又はRACHリソースを用いて基地局装置100に通知して、基地局装置100は、当該通知を受信した場合、上記のUL送信電力の制御を開始してもよい。また、HPUEが基地局装置100に対し、ULリソース使用比率が50%以下となったことをPUCCH又はRACHリソースを用いて通知し、基地局装置100は、当該通知を受信した場合、上記のUL送信電力の制御を停止してもよい。
【0040】
DL−ULリソースを制限しないで、ULリソース使用比率を制御するため、HPUEが、ULリソース使用比率50%をスケジューリングされた場合、自律的に無送信又は停止とする方法1)2)3)4)5)6)を下記に示す。下記方法1)2)3)4)5)6)は、少なくとも1つ以上の方法が組み合わされて実行されてもよい。
【0041】
方法1)HPUEは、全ての信号を無送信としてもよい。
方法2)HPUEは、PUCCH又はSRS(Sounding Reference Signal)等の制御信号を優先的に送信し、データ信号(PUSCH等)のみ無送信としてもよい。
方法3)HPUEは、データ信号(PUSCH等)は優先的に送信し、PUCCH又はSRS(Sounding Reference Signal)等の制御信号を無送信としてもよい。
方法4)上記方法1)2)3)を、ネットワークが切り替えてもよい。
方法5)HPUEが、基地局装置100に対して、HPUEが、ULリソース使用比率が50%を超えた又は超える直前であることを、PUCCH又はRACHリソースを用いて基地局装置100に通知してもよい。また、HPUEが基地局装置100に対し、ULリソース使用比率が50%以下となったことをPUCCH又はRACHリソースを用いて通知してもよい。
方法6)基地局装置100が、HPUEに対して、無送信が許容されるリソースを上位レイヤシグナリング等で予め指定してもよい。
【0042】
DL−ULリソースを制限しないで、ULリソース使用比率を制御するため、HPUEが、自律的にUL送信電力を低減する方法1)2)3)4)5)を下記に示す。
【0043】
方法1)HPUEは、常にUL送信電力を低減してもよい。
方法2)HPUEは、ULリソース使用比率50%を超えるULリソースに対してのみUL送信電力を低減してもよい。
方法3)基地局装置100は、HPUEに対して、最大許容送信電力低減量(MPR:Maximum Power Reduction)を通知してもよい。
方法4)HPUEが、基地局装置100に対して、HPUEが、ULリソース使用比率が50%を超えた又は超える直前であることを、PUCCH又はRACHリソースを用いて基地局装置100に通知してもよい。また、HPUEが基地局装置100に対し、ULリソース使用比率が50%以下となったことをPUCCH又はRACHリソースを用いて通知してもよい。
方法5)基地局装置100は、HPUEに対し、低送信電力が許容されるリソースを上位レイヤシグナリング等で予め指定してもよい。
【0044】
上記のDL−ULリソースを制限しないで、ULリソース使用比率を制御するための、1)基地局装置100がHPUEに対してULリソース使用比率が50%未満となるようにULデータをスケジューリングする方法、2)基地局装置100がHPUEに対してUL送信電力を制御する方法、3)HPUEが、ULリソース使用比率50%をスケジューリングされた場合、自律的に無送信とする方法、4)HPUEが、自律的にUL送信電力を低減する方法について、上記1)から4)を組み合わせた方法を行ってもよい。また、上記方法3)又は方法4)を実行できることを、UE能力として基地局装置100に報告してもよい。
【0045】
図6は、本発明の実施の形態における通信手順を説明するためのシーケンス図(2)である。DL−ULリソースを制限しないでULリソース使用比率を制御する場合に、ユーザ装置200が、上述のULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%を自律的に決定する場合の実施例に対応する。なお、当該目標値は、X%のようにパーセント表記に限られず、例えば、0から1までの数値で表記されてもよい。
【0046】
ステップS11において、基地局装置100は、ULリソース使用比率に係る閾値、すなわちULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%の1又は複数の候補をユーザ装置200に通知する。ユーザ装置200は、通知された候補から、ULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%を選択する。例えば、ULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%の候補として{50%,60%,70%}が、基地局装置100からユーザ装置200に報知情報又はRRCシグナリングを介して通知され、ユーザ装置200は、ULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%を{50%,60%,70%}から選択してもよい。
【0047】
また、基地局装置100から、ULリソース使用比率が超えないように制御される目標値の候補の複数の組を示す情報がユーザ装置200に通知されてもよい。例えば、ULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%の候補として{50%,60%,70%}と、{60%,70%,80%}とが、予め規定されてインデックスが割り振られ、基地局装置100からユーザ装置200に報知情報又はRRCシグナリングを介して当該インデックスが通知されてもよい。ユーザ装置200は、通知されたインデックスから、ULリソース使用比率が超えないように制御される目標値の候補の組を特定し、ULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%を選択する。
【0048】
なお、ステップS11は実行されずに、仕様で予め規定された1又は複数の候補から、ULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%を、ユーザ装置200は選択してもよい。例えば、仕様で予め{50%,60%,70%}が規定されていて、ユーザ装置200は、ULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%として60%を選択してもよい。
【0049】
ステップS12において、ユーザ装置200は、選択又は決定したULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%を、UE能力通知として基地局装置100に通知する。選択又は決定されるULリソース使用比率が超えないように制御される目標値は、ステップS11に示されるように基地局装置100から通知される目標値の候補から選択されてもよいし、基地局装置100からの通知によらずにユーザ装置200が予め規定された候補から選択されてもよい。
【0050】
なお、ステップS12で基地局装置100に送信されるUE能力通知に関して、ULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%に予め仕様でデフォルト値が規定されていて、ユーザ装置200がデフォルト値以外の目標値X%をサポートする場合のみ、UE能力通知を基地局装置100に送信してもよい。デフォルト値は、例えば50%であってもよく、ユーザ装置200は50%以外の目標値X%をサポートする場合、当該目標値X%を、基地局装置100にUE能力通知として送信する。
【0051】
また、デフォルト値は、複数のパワークラスにおいて同一のデフォルト値が規定されてもよいし、パワークラスによって異なっていてもよい。また、デフォルト値は、ネットワークのMCC(Mobile Country Code)に基づいて、国ごと又は地域ごとに異なるデフォルト値が規定されてもよい。また、基地局装置100が、報知情報でデフォルト値をユーザ装置200にシグナリングしてもよい。なお、基地局装置100は、ステップS12に示されるようなユーザ装置200から送信されるULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%に係るUE能力通知を受信しなかった場合、ユーザ装置200がデフォルト値をULリソース使用比率が超えないように制御される目標値X%に適用しているものと想定して、当該ユーザ装置200にスケジューリングを行ってもよい。
【0052】
以下、TDD configurationによるDL−ULリソースを制限して、ULリソース使用比率を制御する方法を説明する。
【0053】
図7は、本発明の実施の形態におけるULリソース割り当ての例(1)を示す図である。ユーザ装置200が、TDD configurationであるUL−DL config commonをセミスタティックに設定される場合、UL−DL config commonを用いて、以下のリソース割り当て方法1−1、方法1−2、方法1−3又は方法1−4を基地局装置100は実行してもよい。
【0054】
方法1−1)
図7に示されるように、ULリソースの割り当てを、50%又はX%以下としてもよい。
【0055】
方法1−2)
図7に示されるようにULリソース及びフレキシブルリソースの割り当てを、50%又はX%以下としてもよい。
【0056】
方法1−3)
図7に示されるようにULリソース及びフレキシブルリソースのY%が、割り当てを、50%又はX%以下としてもよい。Yの値は、UEパワークラスで同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0057】
方法1−4)上記の方法1−1、方法1−2及び方法1−3は、最大2つの設定可能なセミスタティックのUL−DL周期について、それぞれに適用されてもよいし、2つのUL−DL周期を合計した周期に適用されてもよい。
【0058】
図8は、本発明の実施の形態におけるULリソース割り当ての例(2)を示す図である。ユーザ装置200が、TDD configurationであるUL−DL config commonをセミスタティックに設定され、かつフレキシブルなリソースに対するTDD configurationであるUL−DL configuration dedicatedが設定される場合、UL−DL config common及びUL−DL configuration dedicatedを用いて、以下のリソース割り当て方法2−1、方法2−2、方法2−3又は方法2−4を基地局装置100は実行してもよい。
【0059】
方法2−1)
図8に示されるように、フレキシブルなリソースに設定されるULリソースを含むULリソースの割り当てを、50%又はX%以下としてもよい。
【0060】
方法2−2)
図8に示されるULリソース及びフレキシブルリソースの割り当てを、50%又はX%以下としてもよい。
【0061】
方法2−3)
図8に示されるフレキシブルなリソースのうちY%に設定されるULリソースを含むULリソースの割り当てを、50%又はX%以下としてもよい。Yの値は、UEパワークラスで同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0062】
方法2−4)上記の方法2−1、方法2−2及び方法2−3は、最大2つの設定可能なセミスタティックのUL−DL周期について、それぞれに適用されてもよいし、2つのUL−DL周期を合計した周期に適用されてもよい。
【0063】
なお、DL−ULリソースを制限して、ULリソース使用比率を制御するため、ユーザ装置200が、UL−DL config dedicatedのみをセミスタティックに設定される場合、ULリソース割り当てに関して上記の方法1−1、方法1−2、方法1−3又は方法1−4を、方法3−1、方法3−2、方法3−3又は方法3−4として基地局装置100は実行してもよい。
【0064】
なお、DL−ULリソースを制限して、ULリソース使用比率を制御するため、ユーザ装置200が、UL−DL config common又はUL−DL config dedicatedをセミスタティックに設定されるか、UL−DL config common及びUL−DL config dedicatedをセミスタティックに設定される場合、フレキシブルリソースについて、PDCCH等でダイナミックにDL、UL又はフレキシブルが設定される場合、以下の方法4−1、方法4−2又は4−3が実行されてもよい。
【0065】
方法4−1)方法1−1、方法2−1又は方法3−1が実行される場合、ダイナミックに設定されたULリソースと、セミスタティックに設定されたULリソースとの合計が50%又はX%の範囲で、ULリソースをダイナミックに設定してもよい。
【0066】
方法4−2)方法1−2、方法2−2又は方法3−2が実行される場合、ダイナミックに設定されるULリソースは、制限なく設定されてもよい。
【0067】
方法4−3)方法1−3、方法2−3又は方法3−3が実行される場合、ダイナミックに設定されるULリソースは、制限なく設定されてもよい。
【0068】
なお、ユーザ装置200が、セミスタティックにUL−DL configを設定されない場合、上述したDL−ULリソースを制限しないで、ULリソース使用比率を制御する方法のいずれかを実行してもよい。
【0069】
なお、ユーザ装置200がHPUEである場合、セミスタティックにUL−DL configを設定されることが必須であると規定して、上述したDL−ULリソースを制限して、ULリソース使用比率を制御する方法のいずれかを実行してもよい。
【0070】
なお、DL−ULリソースを制限して、ULリソース使用比率を制御する方法において、HPUEが、基地局装置100に対して、HPUEが、ULリソース使用比率が50%を超えた又は超える直前であることを、PUCCH又はRACHリソースを用いて基地局装置100に通知してもよい。また、HPUEが基地局装置100に対し、ULリソース使用比率が50%以下となったことをPUCCH又はRACHリソースを用いて通知してもよい。
【0071】
上述の実施例において、基地局装置100及びユーザ装置200は、DL−ULリソースを制限しない場合においてULリソース使用比率が所定の値を超えないように制御することができる。また、基地局装置100及びユーザ装置200は、DL−ULリソースを制限する場合においてULリソース使用比率が所定の値を超えないように制御することができる。
【0072】
すなわち、無線通信システムにおいて、ユーザ装置が時間領域における上りリンクリソースの使用比率を制御することができる。
【0073】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する基地局装置100及びユーザ装置200の機能構成例を説明する。基地局装置100及びユーザ装置200はそれぞれ、少なくとも実施例を実施する機能を含む。ただし、基地局装置100及びユーザ装置200はそれぞれ、実施例の中の一部の機能のみを備えることとしてもよい。
【0074】
図9は、基地局装置100の機能構成の一例を示す図である。
図9に示されるように、基地局装置100は、送信部110と、受信部120と、設定情報管理部130と、リソース設定部140とを有する。
図9に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0075】
送信部110は、ユーザ装置200に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部120は、ユーザ装置200から送信されたNR−PUSCHを含む各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、受信部120は、ユーザ装置200から受信したPT−RSに基づいて、NR−PUSCHを復調する。また、送信部110は、ユーザ装置200へNR−PSS、NR−SSS、NR−PBCH、NR−PDCCH又はNR−PDSCH等を送信する機能を有する。また、送信部110は、ユーザ装置200に各種の参照信号、例えば、DM−RSを送信する。
【0076】
設定情報管理部130は、予め設定される設定情報、及び、ユーザ装置200に送信する各種の設定情報を格納する。設定情報の内容は、例えば、TDD configurationに関する情報又はスケジューリングするための情報等である。
【0077】
リソース設定部140は、実施例において説明したように、TDD configurationに係る情報又はスケジューリングを基地局装置100からユーザ装置200に送信する。なお、リソース設定部140におけるユーザ装置200への送信に係る機能部を送信部110に含めてもよいし、リソース設定部140におけるユーザ装置200からの受信に係る機能部を受信部120に含めてもよい。
【0078】
図10は、ユーザ装置200の機能構成の一例を示す図である。
図10に示されるように、ユーザ装置200は、送信部210と、受信部220と、設定情報管理部230と、リソース制御部240とを有する。
図10に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0079】
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。また、送信部210は、基地局装置100に各種の参照信号を含む信号、例えば、PT−RS及び当該PT−RSに対応するNR−PUSCHを送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部220は、基地局装置100から送信されるNR−PSS、NR−SSS、NR−PBCH、NR−PDCCH又はNR−PDSCH等を受信する機能を有する。また、送信部210は、基地局装置100に上りリンク信号を送信し、受信部220は、基地局装置100から各種の参照信号、例えば、DM−RS、PT−RS等を受信する。設定情報管理部230は、受信部220により基地局装置100から受信した各種の設定情報を格納する。また、設定情報管理部230は、予め設定される設定情報も格納する。設定情報の内容は、例えば、TDD configurationに係る情報、ULリソース使用比率を算出するための情報等である。
【0080】
リソース制御部240は、実施例において説明したように、ULリソース使用に係る情報を基地局装置100に送信する。また、リソース制御部240は、基地局装置100から受信した電力制御に係る情報に基づいて、送信電力制御を行う。なお、リソース制御部240における基地局装置100への送信に係る機能部を送信部210に含めてもよいし、リソース制御部240における基地局装置100からの受信に係る機能部を受信部220に含めてもよい。
【0081】
(ハードウェア構成)
上述の本発明の実施の形態の説明に用いた機能構成図(
図9及び
図10)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に複数要素が結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0082】
また、例えば、本発明の一実施の形態における基地局装置100及びユーザ装置200はいずれも、本発明の実施の形態に係る処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図11は、本発明の実施の形態に係る基地局装置100又はユーザ装置200である無線通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局装置100及びユーザ装置200はそれぞれ、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0083】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。基地局装置100及びユーザ装置200のハードウェア構成は、図に示した1001〜1006で示される各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0084】
基地局装置100及びユーザ装置200における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0085】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。
【0086】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、補助記憶装置1003及び/又は通信装置1004から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、
図9に示した基地局装置100の送信部110、受信部120、設定情報管理部130、リソース設定部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、
図10に示したユーザ装置200の送信部210と、受信部220と、設定情報管理部230、リソース制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0087】
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本発明の一実施の形態に係る処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0088】
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。補助記憶装置1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び/又は補助記憶装置1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0089】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、基地局装置100の送信部110及び受信部120は、通信装置1004で実現されてもよい。また、ユーザ装置200の送信部210及び受信部220は、通信装置1004で実現されてもよい。
【0090】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0091】
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0092】
また、基地局装置100及びユーザ装置200はそれぞれ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0093】
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本発明の実施の形態によれば、TDD(Time Division Duplex)におけるDL(Downlink)に使用するリソースとUL(Uplink)に使用するリソースとフレキシブルに使用するリソースとを指定するDL−UL設定及びULスケジューリングを基地局装置から受信する受信部と、前記DL−UL設定及び前記ULスケジューリングに基づいて、前記基地局装置にUL送信を行う送信部と、ULリソース使用比率を超えないように制御する目標値を決定し、前記目標値に基づいてUL送信を制御する制御部とを有するユーザ装置が提供される。
【0094】
上記の構成により、ユーザ装置200は、DL−ULリソースを制限しない場合又は制限する場合においてULリソース使用比率が所定の値を超えないように制御することができる。すなわち、無線通信システムにおいて、時間領域における上りリンクリソースの使用比率を制御することができる。
【0095】
前記制御部は、UL送信によってULリソース使用比率が前記目標値を超える場合、ULリソース使用比率が前記目標値を超えることを示す情報を前記基地局装置に通知し、UL送信によってULリソース使用比率が前記目標値以下となる場合、ULリソース使用比率が前記目標値以下となることを示す情報を前記基地局装置に通知してもよい。当該構成により、ユーザ装置200は、ULリソースの使用状況を基地局装置100に通知することで、ULリソース使用比率が所定の値を超えないように制御することができる。
【0096】
前記制御部は、前記ULスケジューリングで割り当てられたULリソースが、前記目標値を超えている場合、UL送信の一部を停止、UL送信の全部を停止、及びUL送信電力を低減のうち、少なくとも1つを適用してもよい。当該構成により、ユーザ装置200は、UL送信を停止するか、UL送信電力を低減することにより、ULリソース使用比率が所定の値を超えないように制御することができる。
【0097】
前記停止されるUL送信は、データ信号又は制御信号であるか、又はUL送信が停止されるULリソースが予め指定されて停止され、前記低減されるUL送信電力は、送信電力が低減されるULリソースが予め指定されて低減されてもよい。当該構成により、ユーザ装置200は、UL送信を停止するULリソースを特定することができる。
【0098】
前記制御部は、前記ユーザ装置がHigh power UEである場合、セミスタティックに設定された前記DL−UL設定に基づいて、前記目標値を超えないようにUL送信を制御してもよい。当該構成により、ユーザ装置200は、自装置がHigh power UEである場合、セミスタティックに設定された前記DL−UL設定に基づいて、ULリソース使用比率が所定の値を超えないように制御することができる。
【0099】
また、本発明の実施の形態によれば、TDD(Time Division Duplex)におけるDL(Downlink)に使用するリソースとUL(Uplink)に使用するリソースとフレキシブルに使用するリソースとを指定するDL−UL設定及びULスケジューリングをユーザ装置に送信する送信部と、前記ユーザ装置がULリソース使用比率を超えないように制御する目標値を受信し、前記DL−UL設定及び前記ULスケジューリングに基づいて、前記ユーザ装置からUL受信を行う受信部と、前記目標値を超えないように前記DL−UL設定又は前記ULスケジューリングを設定する設定部とを有する基地局装置が提供される。
【0100】
上記の構成により、基地局装置100は、DL−ULリソースを制限しない場合又は制限する場合においてULリソース使用比率が所定の値を超えないように制御することができる。すなわち、無線通信システムにおいて、時間領域における上りリンクリソースの使用比率を制御することができる。
【0101】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局装置100及びユーザ装置200は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局装置100が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従ってユーザ装置200が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0102】
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0103】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0104】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0105】
本明細書において基地局装置100によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局装置100を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、ユーザ装置200との通信のために行われる様々な動作は、基地局装置100及び/又は基地局装置100以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS−GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局装置100以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS−GW)であってもよい。
【0106】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。
【0107】
ユーザ装置200は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0108】
基地局装置100は、当業者によって、NB(NodeB)、eNB(enhanced NodeB)、gNB、ベースステーション(Base Station)、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0109】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0110】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0111】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0112】
本開示の全体において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含み得る。
【0113】
なお、本発明の実施の形態において、リソース制御部240は、制御部の一例である。リソース設定部140は、設定部の一例である。
【0114】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0115】
本国際特許出願は2018年4月13日に出願した日本国特許出願第2018−077909号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2018−077909号の全内容を本願に援用する。