(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アップリンク干渉インジケータを送信する可能性があるセルとして前記隣接セルを識別するシステム情報ブロック(SIB)メッセージを、前記サービングセルから送信することをさらに含む
請求項12に記載の方法。
前記サービングセルは、アップリンク干渉インジケータを送信する可能性があるセルとして前記隣接セルを識別するシステム情報ブロック(SIB)メッセージを送信する送信部をさらに含む、
請求項26に記載のシステム。
前記サービングセルは、前記隣接セルからの前記モビリティ履歴に基づいて、前記隣接セルからの少なくともいくつかのダウンリンクメッセージを監視するように前記UAVを構成する設定情報を、前記UAVに送信する送信部をさらに含む、
請求項25に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
無人航空機(UAV)を、移動端末(UE)装置としてネットワークに接続する際には、いくつかの重要な検討事項がある。UAVを接続可能なネットワークの一例は、3rd Generation Partnership Project(3GPP)Long−Term Evolution(LTE)ネットワークであり得る。他の実施例では、ネットワークは、fifth generation wireless system(5G)New Radioネットワークである。UAVが接続する特定のネットワークに関わらず、今後数年間のドローンなどのUAVからのデータトラフィック増加に備えて、セルラネットワークを良好に準備するための拡張機能が認識される可能性がある。
【0012】
UAVが基地局(eNB)のアンテナの高さよりも十分上空を飛行している場合、UAVから送信されるアップリンク信号は、見通し内伝搬条件により、複数のセル(例えば、基地局)で受信される可能性がある。したがって、UAVの高度が高くなるにつれて、UAVからのアップリンク信号が、隣接セルに干渉する可能性が高くなる。UAVからのアップリンク信号が、1つ又は複数の隣接セルへ干渉するとみなされる場面では、干渉は、地上のUE装置(例えば、スマートフォン、Internet of Things(IoT)装置等)に悪影響を与える。
【0013】
このようなアップリンク干渉を防止するために、UAVにサービスを提供していない1つ又は複数のセルは、干渉するUAVから離れるように、それらのアンテナビームパターンを変化させてもよい。さらに、UAVにサービスを提供しているセル(例えば、サービングセル又はサービス基地局)は、そのアンテナビームパターンをUAVに向けて操作してもよい。しかしながら、そのようなアンテナ操作機構は複雑であり、地上UE装置へのサービスに影響を与える可能性がある。
【0014】
隣接セルが受けるアップリンク干渉に起因して、ハンドオーバ中は、UAVのサービングセルは、そのような干渉を考慮することが重要である。例えば、サービングセルは、UAVを、最小のアップリンク経路損失を有する隣接セルにハンドオーバすることが可能で、それにより、UAVの送信パワーを最小にすることができ、その結果、隣接セルへのアップリンク干渉をも最小化する。他の実施例では、UAVのサービングセルは、アップリンク干渉を避けるために、隣接セルにより使用されていないアップリンクリソースを割り当てようとしてもよい。
【0015】
しかしながら、両方の場合において、厳密なネットワーク調整が必要であり、現在又は予測可能な将来において、それは容易には利用できないおそれがある。場合によっては、ネットワーク調整は、セル内のバックホールリンクの不足(例えば、X2リンクがない)により、不可能であるおそれもあり、隣接セル情報がないと、サービングセルが、ハンドオーバを最適化したり、UAVに直交するリソースを割り当てたりすることは困難である。
【0016】
上記の観察に基づいて、厳密なネットワーク調整なしで、UAVに隣接セルのそれぞれのアップリンク干渉状態を通知する必要がある。本明細書で記載される実施例のいくつかは、UAVが、隣接セルから受信するダウンリンク信号に基づいて、隣接セルが受けているアップリンク干渉の推定値を計算することのできる方法及びシステムを含む。推定されるアップリンク干渉レベルに基づいて、UAVは、隣接セルのうちの1つ又は複数からのダウンリンクメッセージの少なくともいくつかを監視してもよい。監視される隣接セルのうちの1つが許容できないアップリンク干渉を受け始めると、その隣接セルは、UAVにアップリンク干渉インジケータを送信する。アップリンク干渉インジケータを受け取ると、UAVは、サービングセルの有無に関わらず、アップリンク干渉インジケータを送信した隣接セルが受けたアップリンク干渉を軽減する工程を実行してもよい。
【0017】
図1は、隣接セルから無人航空機(UAV)が受信したダウンリンク信号に基づく、隣接セルが受けたアップリンク干渉の計算推定値に基づいて、UAVが、隣接セルからのダウンリンクメッセージを監視する場合の一例の通信システムのブロック図である。通信システム100は、無線アクセスネットワークの一部である様々な基地局のそれぞれのサービスエリア内に位置するUE装置に、様々な無線サービスを提供する無線アクセスネットワーク(図示せず)の一部である。基地局102は、バックホール(図示せず)を介して既知の技術によりネットワークに接続されている。基地局102は、本明細書の例ではUE装置として機能するUAV106に無線サービスを提供する。基地局102は、通信リンク104を介してUAV106と通信する。
【0018】
図1では、UAV106は、基地局102のサービスエリア103の上方に位置しているが、本実施例では、基地局102は、UAV106のサービス基地局である。例えば、
図1では、サービスエリア103、110、116は、二次元の領域として表されているが、UAVにサービスを提供する目的のために、サービスエリアは、実際は垂直上向きに延在し、
図1に示すサービスエリア上方の様々な高度に位置し得るUAVにサービスを提供することが理解される。特に、接続モードでUAV106をサービスするために、どの基地局が使用されるかの判定は、隣接基地局の負荷、基地局のアンテナ構成、及びUAV106からのダウンリンク信号強度測定レポートなどの複数の要因に応じて、ネットワークにより制御される。その際、基地局による従来の地上UE装置に提供可能なカバレッジエリアと同様に、基地局によるUAVに提供可能なカバレッジエリアも、距離、環境条件、障害物、及び干渉により影響を受ける可能性があることに注目する必要がある。
【0019】
図1に示す例では、通信リンク104は、UAV106及び基地局(eNB)102間のUuリンクである。通信リンク104は、基地局102からUAV106へのダウンリンク通信を提供し、UAV106から基地局102へのアップリンク通信を提供するように構成されている。
【0020】
明瞭さ及び簡潔さのために、通信システム100は、それらのそれぞれのサービスエリア110、116内に位置するUE装置に無線サービスを提供する、2つの隣接基地局108、114のみを有するように図示されている。しかしながら、他の実施例では、通信システム100は、任意の好適な数の基地局を有してもよい。
図1に示す例では、基地局102は、UAV106に無線サービスを提供しているので、サービス基地局であるとみなされる。しかしながら、UAV106が、隣接基地局108、114のうちの1つにハンドオーバされた場合、隣接基地局108、114も、それらのそれぞれの通信リンク112、118を介して、UAV106に無線サービスを提供することができる。通信リンク112、118は、通信リンク104に類似している。例えば、UAV106が、隣接基地局108にハンドオーバされた場合、次に、隣接基地局108は、サービス基地局となり、基地局102は隣接基地局となる。本明細書に記載された実施例の目的のために、基地局が互いに相対的に近く、及び/又はUAV106が、所与の時間、隣接基地局のそれぞれから同時に信号を受信することができる場合、基地局は互いに隣接しているとみなされる。
【0021】
基地局102(eNodeB又はeNBと呼ばれることもある)は、通信リンク104を介してダウンリンク信号を送信することにより、UAV106と通信する。5G New Radio air interfaceを利用する実施形態の場合、基地局は、gNBと呼ばれることもある。基地局102も、通信リンク104を介してUAV106から送信されるアップリンク信号を受信する。本発明で使用する場合、用語「基地局」と用語「セル」は互換性がある。場合によっては、サービングセルは、第1の基地局により提供され、隣接セルは、第2の基地局により提供される。しかしながら、他の実施例では、サービングセル及び隣接セルは、同じ基地局により提供されてよい。
【0022】
図2Aは、サービング基地局102の回路及び構成を特に示しているが、サービング基地局102に関連して図示及び記述されている同一の基地局回路及び構成は、
図1の例の隣接基地局108、114に対しても利用される。他の実施例では、いずれの基地局も、
図2Aに示すサービング基地局102のそれとは異なる回路及び/又は構成を有してもよい。
【0023】
図2Aに示すように、基地局102は、制御部204、送信部206、及び受信部208、ならびに他の電子機器、ハードウェア、及びコード(図示せず)を備える。基地局102は、本明細書で記載される機能を実行する任意の固定設備、モバイル設備、又は携帯設備である。基地局102を参照して述べられるブロックの様々な機能及び動作は、任意数の装置、回路又は要素で実装され得る。2つ又はそれ以上の機能的ブロックは、単一装置に一体化されてもよく、任意の単一装置で実行されるように述べられる機能は、いくつかの装置に渡って実装されてもよい。
【0024】
図2Aに示す例では、基地局102は、システム導入時に特定の場所に設置される固定された装置又は器具でもよい。そのような設備の実施例としては、固定基地局又は固定トランシーバ局が挙げられる。場合によっては、基地局102は、特定の場所に一時的に設置されるモバイル設備であってもよい。そのような設備のいくつかの例としては、発電機、ソーラーパネル、及び/又はバッテリなどの発電設備を含むモバイルトランシーバ局が挙げられる。そのような設備の大型で重いバージョンは、トレーラで輸送され得る。さらに他の状況では、基地局102は、いかなる特定の場所にも固定されていないポータブル装置であってもよい。それにより、基地局102は、状況によってはUE装置などのポータブルユーザ装置であってもよい。
【0025】
制御部204は、本明細書で記載される機能を実行するとともに、基地局102の全体的な機能性を促進するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。好適な制御部204の例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ装置の上で実行されるコードを含む。送信部206は、無線信号を送信するように構成されている電子機器を含む。場合によっては、送信部206は、複数の送信部を含んでもよい。受信部208は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、受信部208は、複数の受信部を含んでもよい。受信部208及び送信部206は、アンテナ210を介してそれぞれ信号の受信及び送信を行う。アンテナ210は、独立した送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよい。状況次第では、状況次第では、アンテナ210は、複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよい。
【0026】
図2Aの例における送信部206及び受信部208は、変調及び復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。したがって、受信部208は、低雑音増幅器(LNA)やフィルタなどの構成部品を含んでもよい。送信部206は、フィルタ及び増幅器を含んでもよい。その他の構成部品としては、アイソレータ、整合回路及び他のRF構成部品が挙げられる。これらの構成部品と、その他の構成部品の組み合わせ又は協働により、基地局の機能を実行する。必要な構成部品は、基地局により必要とされる特定の機能性に依存し得る。
【0027】
送信部206は、変調器(図示せず)を含み、受信部208は、復調器(図示せず)を含む。変調器は、通信リンク104を介して送信されるダウンリンク信号を変調し、その際、複数の変調次数の任意の1つを適用することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つにしたがって、基地局102で受信した任意のアップリンク信号を復調する。
【0028】
図1に戻ると、通信システム100は、基地局102を介してUAV106に様々な無線サービスを提供する。
図1に示す例では、通信システム100は、3rd Generation Partnership Project(3GPP)通信規格の少なくとも1つの改訂版にしたがって作動する。
図2Bに示す例では、UAV106の回路は、基地局102と直接通信するように構成されている。例えば、UAV106は、アンテナ212及び受信部214を使用して、通信リンク104を介してダウンリンク信号を受信する。UAV106は、送信部218及びアンテナ212を使用してアップリンク信号を送信する。
【0029】
アンテナ212及び受信部214の他に、UAV106は、制御部216及び送信部218、ならびに他の電子機器、ハードウェア、及びコード(図示せず)をさらに備える。UAV106は、本明細書で記載される機能を実行する任意の固定設備、モバイル設備、又は携帯設備である。UAV106を参照して述べたブロックの様々な機能及び動作は、任意数の装置、回路又は要素で実装され得る。2つ又はそれ以上の機能的ブロックは、単一装置に一体化されてもよく、任意の単一装置で実行されるように述べられる機能は、いくつかの装置に渡って実装されてもよい。
【0030】
本明細書で記載される実施例として、UAV106は、人間のパイロットを搭乗させることなく飛行が可能な任意の無線通信装置である。いくつかの実施例では、UAV106は、飛行中及び地上にあるとき、Evolved Universal Mobile Telecommunications System Terrestrial Radio Access Network(E−UTRAN)に接続されてもよい。ドローンは、UAV106の一例である。UAV106がドローンである場合、UAV106の飛行は、人間のオペレータによるリモート制御の下で、内蔵コンピュータにより自律的に、又はリモートコンピュータにより自律的に、様々な程度の自律性で動作し得る。他の実施例では、UAV106は、人間のオペレータにより手動で高度を調整できる凧であってもよい。さらに他の実施例では、UAV106は、人間のオペレータよって、プログラムされたアルゴリズムによって、又はUAV106自体によって制御されることができる、調整可能な機械化されたテザーにより高度を調整できる凧であってもよい。
【0031】
UAV106の制御部216は、本明細書で記載される機能を実行するとともに、UE装置の全体的な機能性を促進するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。好適な制御部216の例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ構造の上で実行されるコードを含む。送信部218は、無線信号を送信するように構成されている電子機器を含む。場合によっては、送信部218は、複数の送信部を含んでもよい。
【0032】
受信部214は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、受信部214は、複数の受信部を含んでもよい。受信部214及び送信部218は、アンテナ212を介してそれぞれ信号の受信及び送信を行う。アンテナ212は、独立した送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよい。状況次第では、アンテナ212は、複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよい。
【0033】
図2Bの例における送信部218及び受信部214は、変調及び復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。したがって、受信部214は、低雑音増幅器(LNA)やフィルタなどの構成部品を含んでもよい。送信部218は、フィルタ及び増幅器を含んでもよい。その他の構成部品としては、アイソレータ、整合回路及び他のRF構成部品が挙げられる。これらの構成部品とその他の構成部品の組み合わせ又は協働により、UE装置の機能を実行する。必要な構成部品は、UE装置(例えば、UAV106)により必要とされる特定の機能性に依存し得る。
【0034】
送信部218は、変調器(図示せず)を含み、受信部214は、復調器(図示せず)を含む。変調器は、伝送前に、複数の変調次数の任意の1つを、変調信号に適用することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つにしたがって受信した信号を復調する。
【0035】
動作中、サービング基地局102は、通信リンク104を介してUAV106に無線サービス(例えば、サーブ)を提供する。しかしながら、UAV106が動作する高度に起因して、UAV106からのアップリンク送信は、1つ又は複数の隣接基地局108、114と、干渉を引き起こすおそれがある。より詳細には、UAV106からのアップリンクデータ送信は、隣接基地局108、114のそれぞれのサービスエリア110、116内に位置するUE装置(
図1に図示せず)により送信されるアップリンクデータ送信と、干渉するおそれがある。前述のように、本明細書で記載される実施例のいくつかは、UAV106に起因する干渉問題を軽減するために、UAV106を介して、隣接セルのアップリンク干渉状態をサービングセル102に通知するための方法及びシステムを含む。他の実施例では、UAV106は、サービングセル102の関与なしで、隣接セル108、114での干渉を軽減するための処理を行う。
【0036】
図3は、隣接セルからUAVで受信したダウンリンク信号に基づく、隣接セルが受けたアップリンク干渉の計算推定値に基づいて、UAVが、どのダウンリンクメッセージを監視するかを選択する場合の一例のメッセージング図である。明瞭さ及び簡潔さのために、
図3の例には、UAV106と基地局102、108との間で伝達されるメッセージの全ては含まれていない。その上、状況によっては、
図3で示されるメッセージのうちの1つ又は複数は、省略されている可能性がある。同様に、隣接基地局108が受けるアップリンク干渉の軽減を容易にする、
図3に示されるメッセージ以上の追加のメッセージが含まれてもよい。さらに、
図3に示される様々な信号は、隣接基地局108が受けるアップリンク干渉の軽減を容易にする、任意の好適なやり方で、互いに結合され、及び/又は置換されてもよい。
【0037】
UAV106がどのダウンリンクメッセージを監視するかを選択する実施例を示す他に、
図3はまた、隣接基地局108が受けているアップリンク干渉を軽減するために、UAV106のためのハンドオーバの決定を行うサービングセル102も示す。UAV106のためのハンドオーバの決定は、ハンドオーバのために選択されたターゲットセル108に対するUAV106の送信電力の差によって、アップリンク干渉の深刻度に重大な影響を与えるおそれがある。サービングセル102が適切なハンドオーバの決定を行うために、サービングセル102は、隣接セル108、114に向けたアップリンク干渉の程度を知る必要がある。場合によっては、最悪のアップリンク干渉を受ける隣接セル108が、ハンドオーバのための最良のターゲットセルである可能性がある。
図3は、情報に基づいたハンドオーバの決定を行うためにUAV106と基地局102、108との間で交換されるメッセージを示している。
【0038】
図3に示す例では、UAV106は、そのアンテナ212及び受信部214を介して、隣接基地局108からの少なくとも1つのダウンリンク信号を受信する。
図3に示す例では、明示的に示されていないが、UAV106はまた、隣接基地局114を含む他の隣接基地局から少なくとも1つのダウンリンク信号を受信してもよい。
図3ではダウンリンク信号は、信号302で示される。
【0039】
1つ又は複数の受信したダウンリンク信号(例えば、基地局108からの)に基づいて、UAV106の制御部216は、UAV106が受信したダウンリンク信号302の少なくとも1つの特性に少なくとも部分的に基づき、隣接基地局108でのUAV106に起因する推定されるアップリンク干渉を算出する。
図3に示す例では、少なくとも1つの特性は、ダウンリンク信号302の信号強度(例えば、RSRP(Reference Signals Received Power))である。しかしながら、他の実施例では、信号強度の代わりに、又は信号強度に加えて、他の特性が使用されてもよい。
【0040】
UAV106は、UAV106がダウンリンク信号を受信する任意の隣接基地局108、114について、推定されるアップリンク干渉を計算するように構成され得る。推定されるアップリンク干渉レベルに基づいて、UAV106は、隣接基地局108、114のうちの1つ又は複数からの少なくともいくつかのダウンリンクメッセージを監視するように、その受信部214を構成する。
図3に示す例では、監視される少なくともいくつかのダウンリンクメッセージは、システム情報ブロック(SIB)メッセージである。しかしながら、他の実施例では、他のダウンリンクメッセージが、SIBメッセージの代わりに、又はSIBメッセージに加えて監視されてもよい。
【0041】
どのダウンリンクメッセージを監視するかを選択するとき、UAV106は、UAV106において測定された特定の信号強度閾値を超えるダウンリンク信号強度(例えば、RSRP(Reference Signals Received Power))を有する隣接基地局からのみSIBメッセージを読み込むことを選択し得る。この信号強度閾値は、ネットワークによって定義され得る。FDD(Frequency Division Duplex)構成では、UAV106は、隣接基地局108が、UAV106からのアップリンク信号を、UAV106が同じ隣接基地局108からのダウンリンク信号を受信している強度に類似した強度で受信していると仮定することができる。TDD(Time Division Duplex)構成では、単純なダウンリンク−アップリンク相互作用を適用し、UAV106と隣接基地局108との間で信号が受信されている強度を決定する。
【0042】
図3に示す例では、UAV106は、送信部218及びアンテナ212を介して、サービングセル(例えば、基地局)102に向けたアップリンク送信を送信する。しかしながら、これらのアップリンク送信は、隣接セル(例えば、基地局)108において意図しない干渉を生成する。基地局102、108は、それらのアンテナ210及び受信部208を介してアップリンク送信を受信する。アップリンク送信を含む信号は、
図3において信号304で示される。他の実施例では、UAV106は、隣接基地局108でのアップリンク検出のための、サウンディング基準信号(SRS)又は物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)上の信号を送信してもよい。SRS及びPRACH信号は、サービングセル102によって構成され得る。
【0043】
UAV106からアップリンク送信304を受信すると、隣接基地局108の制御部204は、UAV106から受信したアップリンク送信304が、隣接セル108で干渉閾値を超えるレベルの干渉を引き起こしているかどうかを判定する。アップリンク送信304に起因する干渉が干渉閾値を下回っている場合、UAV106からのアップリンク送信304に起因するアップリンク干渉は、隣接基地局108によって許容可能であるとみなされる。しかしながら、アップリンク送信304に起因する干渉が干渉閾値を超える場合、UAV106からのアップリンク送信304に起因するアップリンク干渉は、隣接基地局108によって許容可能でないとみなされる。
【0044】
UAV106からのアップリンク干渉が隣接基地局108によって許容されない場合、隣接基地局108は、その送信部206及びアンテナ210を介して、アップリンク干渉インジケータを含むメッセージをUAV106に送信する。しかしながら、場合によっては、隣接基地局108は、干渉が許容可能であっても、アップリンク干渉インジケータを送信して、UAV106が隣接基地局108でアップリンク干渉を引き起こしていることを、UAV106に知らせてもよい。UAV106は、アンテナ212及び受信部214を用いてアップリンク干渉インジケータを含むメッセージを受信する。アップリンク干渉インジケータを含む信号は、
図3において信号306で示されている。
【0045】
上述のように、UAV106は、SIBメッセージを監視/読み込み、隣接基地局108は、アップリンク干渉インジケータを送信する前に、アップリンク送信を測定する。これらのタスクは両方とも並行して実行され、進行中のバックグラウンド処理として行うことができる。しかしながら、いくつかのケースでは、隣接セル108は、既にそのセル内で重いトラフィック負荷を有しているか、又は他のUAVから干渉が来ている可能性があり、その結果、Interference−over−Thermal(IoT)レベルが耐えられないレベルに達している。これらの場合、隣接セル108は、UAV106からのアップリンク送信を待つ必要はなく、単にSIBメッセージ伝達を介してアップリンク干渉インジケータを送信してもよい。
【0046】
図3に示す例では、アップリンク干渉インジケータは、隣接セル108の識別子を含む。例えば、隣接セル108の識別子は、隣接セル108に関係する物理セル識別子(PCI)であってもよい。当然、任意の好適な識別子が、アップリンク干渉インジケータに含まれ、隣接セル108を識別してもよい。
【0047】
アップリンク干渉インジケータを含むメッセージは、場合によっては有用な情報であり得るので、隣接セル108がUAVのハンドオーバを許容しているかどうかのインジケーションも含んでもよい。例えば、隣接セル108におけるUAV106に起因するアップリンク干渉が強い場合、サービングセル102は、UAV106を隣接セル108にハンドオーバすることによってアップリンク干渉の軽減を試みてもよい。しかしながら、隣接セル108が既に混雑している場合、隣接セル108は、サービングセル102からのハンドオーバ要求を許容しようとしない可能性がある。したがって、サービングセル102は、アップリンク干渉インジケータが、隣接セル108がUAVのハンドオーバを許容していないことを示している場合、UAV106を隣接セル108にハンドオーバすることを試みない。
【0048】
いくつかの実施例では、アップリンク干渉インジケータは、隣接セル108がUAVのハンドオーバを許容しているかどうかを示す1ビットインジケータを含む。例えば、1ビットインジケータが0の値に設定されている場合、隣接セル108は、干渉閾値を超えるアップリンク干渉を受けており、UAVのハンドオーバを許容しない。1ビットインジケータが1の値に設定されている場合、隣接セル108は、干渉閾値を超えるアップリンク干渉を受けており、UAVのハンドオーバを許容する。当然、隣接セル108がUAVのハンドオーバを許容しているかどうかを示すために、任意の好適なインジケータを使用してもよい。
【0049】
図3に示す例では、隣接セル108は、SIBメッセージを使用してアップリンク干渉インジケータを送信する。他の実施例では、隣接セル108は、アップリンク干渉インジケータを、Multicast−Broadcast Single Frequency Network(MBSFN)チャネルを介してUAV106に送信する。しかしながら、任意の好適なダウンリンクメッセージを、アップリンク干渉インジケータをUAV106に送信するために使用してもよい。
【0050】
いくつかの実施例では、アップリンク干渉インジケータは、1ビットからなる単一の閾値インジケータを備える。例えば、隣接セル108がアップリンク干渉を単一の干渉閾値と比較するように構成されている場合、アップリンク干渉インジケータは、隣接セル108が受けているアップリンク干渉のレベルが干渉閾値の上であるか下であるかを示すように設定されてもよい。他の実施例では、アップリンク干渉インジケータはまた、どのUAV106が隣接セル108でアップリンク干渉を引き起こしたかの判定を容易にするための時間ウインドウを備える。さらに他の実施例では、アップリンク干渉インジケータはまた、アップリンク干渉が発生したアップリンク無線リソースの位置を備える。
【0051】
さらなる実施例では、アップリンク干渉インジケータは、1つ又は複数のビットを含む複数の閾値インジケータを備える。例えば、隣接セル108が、複数の干渉閾値とアップリンク干渉を比較するように構成されており、それぞれが、隣接セル108の受けているアップリンク干渉の異なるレベルを示す場合、アップリンク干渉インジケータは、隣接セル108が受けているアップリンク干渉のレベルを代表する複数の閾値のうちの1つを反映するように設定されてもよい。より詳細には、1ビットのアップリンク干渉インジケータは、2個の異なる干渉閾値を表すために使用することができ、2ビットのアップリンク干渉インジケータは、4個の異なる干渉閾値を表すために使用することができる。
【0052】
アップリンク干渉インジケータを受信すると、UAV106の制御部216は、UAV106からのアップリンク送信のタイミングと、アップリンク干渉インジケータを受信したタイミングとに基づいて、アップリンク干渉インジケータがUAV106宛であることを判定する。しかしながら、他の実施例では、隣接セル108が干渉するUAV106を識別できるように、領域内で動作する任意のUAVの識別子を近くのセル間で共有してもよい。したがって、これらの実施例では、アップリンク干渉インジケータは、干渉するUAV106に関係する識別子を含んでもよい。
【0053】
アップリンク干渉インジケータがUAV106に宛てられていると判断すると、UAV106は、単独で、又はサービングセル102と協働して、UAV106に起因するアップリンク干渉を軽減するための行動をとる。単独で行動する場合、UAV106は、一定期間、隣接セル108でアップリンク干渉の原因となったアップリンク信号を送信するために利用されたアップリンク無線リソースを介してアップリンク信号を送信することを控えてもよい。いくつかの実施形態では、期間は、タイマ満了に基づいている。代替的に、又は送信を控えることに加えて、UAV106は、アップリンク送信のためにUAV106に割り当てられたアップリンク無線リソースの異なるサブセットを利用してもよい。さらに他の実施例では、UAV106はそのスケジューリング割り当て情報を隣接セル108に送信してもよく、その結果、隣接セル108は、干渉を軽減するための工程(例えば、ビームステアリング又は隣接セル108によってサービスされている他のUE装置及び/又はUAVからのアップリンク送信の再スケジューリング)を行うことができる。
【0054】
サービングセル102と協働して動作する場合、UAV106は、隣接セル108が受けたアップリンク干渉をサービングセル102に通知する。
図3に示す例では、UAV106は、送信部218及びアンテナ212を介して、アップリンク干渉インジケータとともに受信した隣接セル識別子を含む測定レポートをサービングセル102に送信して、隣接セル108が受けたアップリンク干渉をサービングセル102に通知する。測定レポートは、隣接セル108から受信したアップリンク干渉インジケータを含む。場合によっては、測定レポートは、それぞれが異なる隣接セル108、114に関係する複数のアップリンク干渉インジケータを含んでもよい。他の実施例では、UAV106は、アップリンク干渉インジケータ及び/又は隣接セル識別子とは別に測定レポートを送信する。
【0055】
2つ以上の隣接セル108、114がUAV106からの過度のアップリンク干渉を受けている例では、UAV106は、上述した複数の閾値干渉インジケータによって反映されるように、最悪のアップリンク干渉を有する隣接セル108のみを、測定レポートを介して、サービングセル102に通知してもよい。他の実施例では、UAV106は、隣接セル108が上述したUAVのハンドオーバを許容しているかどうかの表示によって反映されるとき、UAVのハンドオーバを許容している隣接セル108のみを、測定レポートを介して、サービングセル102に通知する。当然、UAV106は、測定レポートで識別するために、例えば、隣接セル108、114がアップリンク干渉を許容できるかどうか、隣接セル108、114のそれぞれが受けているアップリンク干渉の強さ、隣接セル108、114がUAVのハンドオーバを許容するかどうか、及びUAV106がサービングセル102の関与なしで、1つ又は複数の隣接セル108、114に対するアップリンク干渉の軽減を試みるかどうか、を含む任意の好適な基準に基づいて、どちらかの隣接セル108、114を選択するように構成されていてもよい。
【0056】
サービングセル102は、そのアンテナ210及び受信部208を介して、UAV106によって送信される測定レポートを受信する。測定レポートを含む信号は、
図3において信号308で示される。いくつかの実施例では、UAV106は、過度のアップリンク干渉を受けていたことを示した隣接セル108、114の全て又は一部をサービングセル102に通知してもよい。
【0057】
ダウンリンク測定レポートを受信すると、サービングセル102の制御部204は、アップリンク干渉インジケータの内容(例えば、アップリンク干渉を受けた隣接セル108に関係する隣接セル識別子)及び隣接セル108に関係するダウンリンク測定レポートに基づいて、UAV106を隣接セル108にハンドオーバすべきかどうかを決定する。いくつかの実施例では、サービングセル102はまた、UAV106に関係するアップリンク信号強度に関するアップリンク測定レポートを隣接セル108から要求してもよい。アップリンク測定レポートの要求及び対応する応答は、サービングセル102と隣接セル108との間の有線接続(図示せず)を介して送信される。
【0058】
UAV106がハンドオーバされるべきである場合、サービングセル102は、その送信部206及びアンテナ210を介して、ハンドオーバコマンドを送信し、隣接セル108にハンドオーバするように、UAV106に通知する。UAV106は、アンテナ212及び受信部214を用いてハンドオーバコマンドを受信する。ハンドオーバコマンドを含む信号は、
図3において信号310で示される。
【0059】
ハンドオーバコマンドを受信すると、UAV106は、ハンドオーバコマンドに応じて、隣接セル108へのハンドオーバ手順を実行する。ハンドオーバ手順を完了するために、UAV106は、送信部218及びアンテナ212を介して、Radio Resource Control(RRC)Connection Reconfiguration Completeメッセージを隣接セル108に送信する。隣接セル108は、そのアンテナ210及び受信部208を用いて、RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージを受信する。RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージを含む信号は、
図3において信号312で示される。ハンドオーバ手順が完了すると、隣接セル108はUAV106のサービングセルとなり、サービングセル102はUAV106の隣接セルとなる。
【0060】
隣接セル108が受けているアップリンク干渉に対処するためにハンドオーバコマンドを発行することの他に、他の実施例では、サービングセル102は、UAV106に別のアップリンク無線リソースを再構成して、アップリンク干渉を軽減してもよい。
【0061】
いくつかの実施例では、1つ又は複数のアップリンク干渉インジケータを含む測定レポートを受信すると、サービングセル102は、その送信部206及びアンテナ210を介して、受信したアップリンク干渉インジケータのうちの1つ又は複数を、サービングセル102のシステム情報ブロック(SIB)メッセージ内でブロードキャストすることを選択してもよい。特定の隣接セル108に関連するアップリンク干渉インジケータをブロードキャストすることにより、他のUAVは、隣接セル108がアップリンク干渉インジケータをブロードキャストしているかどうかを調べるために、隣接セル108からのSIBメッセージを監視する必要はない。また、サービングセル102からのこのSIBメッセージは、いくつかの実施例では、指示された隣接セルのダウンリンク測定を行わないようにするUAV106に対する指示として使用されてもよく、これにより、消費パワー及びシグナル伝達のオーバーヘッドが低減される。サービングセル102による隣接セル108のアップリンク干渉インジケータのブロードキャストは、隣接セル108がアップリンク干渉インジケータをブロードキャストしているかどうかを近くのUAVに効率的に通知する。
【0062】
さらに他の実施例では、サービングセル102はまた、測定レポートの受信時に、UAV106への専用シグナル伝達で(例えば、ハンドオーバコマンドの一部として)、UAV106からのアップリンク干渉を受けている隣接セル108、114のそれぞれに対して、X2又はXnインタフェースが利用可能であるかどうかを示してもよい。代替的に、サービングセル102はまた、隣接セル108、114のそれぞれに対して、X2又はXnインタフェースが利用可能であるかどうかを示すSIBメッセージを定期的にブロードキャストしてもよい。隣接セル108、114のそれぞれに対してX2又はXnインタフェースが利用可能であるかどうかの表示を含むインジケーションは、
図3には明示的に示されていない。
【0063】
UAV106からのアップリンク送信は、隣接セル108、114に干渉を引き起こす可能性があるが、UAV106は、これらの隣接セル108、114による送信からのダウンリンク干渉の影響を受けやすく、その結果、無線リンク障害(RLF)又はハンドオーバ障害(HOF)の可能性が高くなる。RLF又はHOFの場合、UAV106は、接続再確立手順を用いて接続の再確立を試みる。しかしながら、UAV106が接続の再確立のために選択するターゲットセルは、再確立の成功に不可欠なUAVのコンテキスト情報を持っていない可能性がある。これは、通常のハンドオーバ手順(HOFなし)とは異なり、サービングセル102が、ハンドオーバ完了前に、UAVのコンテキスト情報をターゲットセルに転送することによってターゲットセルを準備する。RLF又はHOFの場合、ターゲットセルがUAVのコンテキスト情報を持っていない場合、ターゲットセルは、サービングセル102とターゲットセルとの間のX2又はXnリンクが利用可能であるならば、再確立手順中、UAVのサービングセル102からコンテキスト情報を取り込む選択肢を有する。X2又はXnインタフェースが利用可能でない場合、ターゲットセルがUAVの接続再確立の試みを拒否する必要があり、UAV106は、アイドルモードに移行し、新しい接続を始める必要があり、待ち時間の増加さらにはパケットの損失をもたらすおそれがある。
【0064】
サービングセル102が、SIBメッセージ伝達ブロードキャストで、どちらの隣接セル108、114がUAVのサービングセル102に対するX2又はXnインタフェースを有するかを示す場合、UAV106は、選択されたセルが適切である限り(例えば、選択されたセルからのダウンリンク信号強度が十分に強い)、示された隣接セル108、114のうちの1つで再選択及び再確立を試みてもよい。UAV106が、そのサービングセル102に対するX2又はXnの接続を有する隣接セルを再選択して接続を再確立する場合、接続再確立が成功する確率は増加する。
【0065】
隣接セル108、114とUAVのサービングセル102との間のX2又はXnインタフェースのアベイラビリティは、UAVがその現在のサービングセル102から離れたセルを再選択し得る場合、特に、UAV106がある高度を上回って飛行している場合、又はUAV106が1つ又は複数の隣接セル108、114から高い干渉を受けた場合、重要である。したがって、いくつかの実施例では、サービングセル102の送信部206は、高度閾値及び/又は干渉閾値をUAV106に送信するように構成されている。UAV106は、アンテナ212及び受信部214を介して、その閾値を受信する。
【0066】
UAV106は、制御部216を利用して、(1)高度閾値とUAV106の測定された高度値との比較、及び/又は(2)干渉閾値と1つ又は複数の隣接セル108、114からUAV106が受けている測定された干渉値との比較、に基づいて、UAV106の飛行状態を決定する。UAV106の飛行状態が、無線リンク障害(RLF)又はハンドオーバ障害(HOF)発生時に、潜在的なターゲットのハンドオーバ隣接セル108、114とサービングセル102との間のX2又はXnインタフェースの利用が望ましいことを示す場合、UAV106は、UAVの現在のサービングセル102に対するX2又はXnインタフェースを有するターゲット隣接セルを再選択する。RLF又はHOFの場合、UAV106は、再確立手順の一部として、ターゲット隣接セルを再選択する。
【0067】
さらに他の実施例では、サービングセル102は、そのメモリ内に、隣接セル108のモビリティ履歴を保持する。モビリティ履歴は、隣接セル108についての、アップリンク干渉問題及び/又はUAVのハンドオーバアベイラビリティの統計的な履歴を示す。モビリティ履歴は、サービングセル102内又はその近傍で動作しているUAVから受信した1つ又は複数のアップリンク干渉インジケータに基づいている。
【0068】
モビリティ履歴は、サービングセル102によって使用され、どの隣接セル108、114が、アップリンク干渉問題を有する可能性を統計的に予測することができる。また、モビリティ履歴は、SIBメッセージ伝達を介してサービングセル102によってブロードキャストされるアップリンク干渉インジケータ情報を更新するために使用されてもよい。さらに、モビリティ履歴は、また、サービングセル102によって使用され、アップリンク干渉に起因するアップリンク干渉インジケータをブロードキャストする可能性が高い1つ又は複数の特定の隣接セル108、114を監視するようにUAV106を構成してもよい。
【0069】
図4は、隣接セルからUAVで受信したダウンリンク信号に基づき、UAVが、隣接セルが受けたアップリンク干渉の計算推定値に基づいて、どのダウンリンクメッセージを監視するかを選択する方法の一例を示すフローチャートである。方法400の工程は、本明細書に記載され、
図4の例に示された順番とは異なる順番で実行されてもよい。さらに、いくつかの実施例では、工程のうちの1つ又は複数が省略されてもよい。その上、他の実施例では、1つ又は複数の追加の工程が追加されてもよい。いくつかの例では、複数の工程が並行して実行されてもよい。
【0070】
図4に示す例では、方法400は、UAV106が隣接セル108からダウンリンク信号を受信するステップ402から始まる。UAV106はまた、隣接基地局114を含む他の隣接基地局から少なくとも1つのダウンリンク信号を受信してもよい。ステップ404において、UAV106は、隣接セル108から受信したダウンリンク信号の少なくとも1つの特性に少なくとも部分的に基づいて、隣接セル108でのUAV106に起因する推定されるアップリンク干渉を計算する。UAV106は、UAV106がダウンリンク信号を受信する任意の隣接基地局108、114についてのアップリンク干渉を推定することができる。
【0071】
図4に示す例では、推定されるアップリンク干渉の計算は、ダウンリンク信号の信号強度に少なくとも部分的に基づいている。しかしながら、他の実施例では、アップリンク干渉を推定するときに、ダウンリンク信号の信号強度の代わりに、又はそれに加えて、ダウンリンク信号の他の特性を使用してもよい。
【0072】
ステップ406において、推定されるアップリンク干渉レベルに基づいて、UAV106は、隣接基地局108、114のうちの1つ又は複数からの少なくともいくつかのダウンリンクメッセージを監視する。
図4に示す例では、監視されるダウンリンクメッセージは、システム情報ブロック(SIB)メッセージである。しかしながら、他の実施例では、他のダウンリンクメッセージが、SIBメッセージの代わりに、又はSIBメッセージに加えて監視されてもよい。
【0073】
UAV106は、サービングセル(例えば、基地局)102に向けたアップリンク送信を送信する。しかしながら、これらのアップリンク送信は、隣接セル(例えば、基地局)108において意図しない干渉を生じさせる可能性がある。UAV106からアップリンク送信を受信すると、隣接基地局108は、UAV106から受信したアップリンク送信が、隣接セル108で干渉閾値を上回るレベルの干渉を引き起こしているかどうかを判定する。
【0074】
アップリンク送信に起因する干渉が干渉閾値以下である場合、UAV106からのアップリンク送信に起因するアップリンク干渉は、隣接基地局108によって許容可能とみなされる。しかしながら、アップリンク送信に起因する干渉が干渉閾値を超えている場合は、UAV106からのアップリンク送信に起因するアップリンク干渉は、隣接基地局108によって許容可能ではない。UAV106からのアップリンク干渉が隣接基地局108によって許容されない場合、隣接基地局108は、アップリンク干渉インジケータを含むメッセージをUAV106に送信する。しかしながら、場合によっては、隣接基地局108は、干渉が許容可能であっても、アップリンク干渉インジケータを送信して、UAV106が隣接基地局108でアップリンク干渉を引き起こしていることを、UAV106に知らせてもよい。
【0075】
ステップ408において、UAV106は、隣接セル108からアップリンク干渉インジケータを含むメッセージを受信する。
図4に示す例では、アップリンク干渉インジケータは、隣接セル108の識別子を含む。例えば、隣接セル108の識別子は、隣接セル108に関係するPCI(Physical Cell Identifier)であってもよい。当然、任意の好適な識別子が、アップリンク干渉インジケータに含まれ、隣接セル108を識別してもよい。
【0076】
UAV106宛てのアップリンク干渉インジケータを受信すると、UAV106は、隣接セル108が受けたアップリンク干渉をサービングセル102に通知する。
図4に示す例では、UAV106は、ステップ410で、アップリンク干渉インジケータとともに受信した隣接セル識別子を含む測定レポートをサービングセル102に送信し、サービングセル102に、隣接セル108が受けたアップリンク干渉を通知する。測定レポートは、隣接セル108から受信したアップリンク干渉インジケータを含む。場合によっては、測定レポートは、それぞれが異なる隣接セル108、114に関係する複数のアップリンク干渉インジケータを含んでもよい。他の実施例では、UAV106は、アップリンク干渉インジケータ及び/又は隣接セル識別子とは別に測定レポートを送信する。
【0077】
ダウンリンク測定レポートを受信すると、サービングセル102は、いくつかの実施例では、UAV106からアップリンク干渉を受けている隣接セル108、114のそれぞれについて、X2又はXnインタフェースが利用可能であるかどうかを示す専用シグナル伝達をUAV106に送信してもよい(例えば、ハンドオーバコマンドの一部として)。サービングセル102はまた、アップリンク干渉インジケータの内容(例えば、アップリンク干渉を受けた隣接セル108に関係する隣接セル識別子)と、隣接セル108に関係するダウンリンク測定レポートとの内容に基づいて、UAV106を隣接セル108にハンドオーバすべきかどうかを決定する。UAV106をハンドオーバすべき場合、サービングセル102は、ステップ412で、ハンドオーバコマンドを送信し、UAV106に隣接セル108へのハンドオーバを通知する。ハンドオーバコマンドを受信すると、UAV106は、ハンドオーバコマンドに応じて、隣接セル108へのハンドオーバ手順を実行する。ハンドオーバ手順が完了すると、隣接セル108はUAV106のサービングセルとなり、サービングセル102はUAV106の隣接セルとなる。
【0078】
隣接セル108が受けているアップリンク干渉に対処するためにハンドオーバコマンドを発行することの他に、他の実施例では、サービングセル102は、UAV106に別のアップリンク無線リソースを再構成して、アップリンク干渉を軽減してもよい。
【0079】
前述の通り、いくつかの実施例では、1つ又は複数のアップリンク干渉インジケータを含む測定レポートを受信すると、サービングセル102は、受信したアップリンク干渉インジケータのうちの1つ又は複数を、サービングセル102のシステム情報ブロック(SIB)メッセージ内でブロードキャストすることを選択してもよい。他の実施例では、サービングセル102はまた、UAV106からのアップリンク干渉を受けている隣接セル108、114のそれぞれについて、X2インタフェースが利用可能であるかどうかをSIBメッセージ伝達ブロードキャストで示してもよい。
【0080】
さらに他の実施例では、サービングセル102は、隣接セル108に対するモビリティ履歴を保持する。モビリティ履歴は、隣接セル108についての、アップリンク干渉問題及び/又はUAVのハンドオーバアベイラビリティの統計的な履歴を示す。モビリティ履歴は、サービングセル102内又はその近傍で動作しているUAVから受信した1つ又は複数のアップリンク干渉インジケータに基づいている。モビリティ履歴は、サービングセル102によって使用され、どの隣接セル108、114が、アップリンク干渉問題を有する可能性を統計的に予測することができる。また、モビリティ履歴は、SIBメッセージ伝達を介してサービングセル102によってブロードキャストされるアップリンク干渉インジケータ情報を更新するために使用されてもよい。さらに、モビリティ履歴は、また、サービングセル102によって使用され、アップリンク干渉に起因するアップリンク干渉インジケータをブロードキャストする可能性が高い1つ又は複数の特定の隣接セル108、114を監視するようにUAV106を構成してもよい。
【0081】
本発明の他の実施形態及び変形例は、明らかにこれらの教示を参照して当業者に容易に思いつくであろう。上記説明は例示的なものであり、限定的なものではない。本発明は、請求項によってのみ制限され、上記明細書及び添付図面とともに見たとき、全てのそのような実施形態及び変形例を含む。したがって、本発明の範囲は、上記説明を参照して決定されるのではなく、添付特許請求範囲を参照して、それらの等価物の全範囲とともに決定されるべきである。