特許第6971420号(P6971420)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6971420操作ボタンスイッチ、操作装置、エレベータおよび自動運転車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6971420
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】操作ボタンスイッチ、操作装置、エレベータおよび自動運転車両
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20211111BHJP
   B66B 1/46 20060101ALI20211111BHJP
   H01H 13/00 20060101ALI20211111BHJP
   H01H 35/00 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H01H36/00 E
   B66B1/46 A
   H01H13/00 A
   H01H13/00 B
   H01H35/00 F
   H01H36/00 Z
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2021-59740(P2021-59740)
(22)【出願日】2021年3月31日
【審査請求日】2021年4月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】上條 雄樹
【審査官】 太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6841372(JP,B2)
【文献】 特開2013−058117(JP,A)
【文献】 特開2021−008139(JP,A)
【文献】 特開2010−141834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00−36/02
B66B 1/46− 1/50
H01H 13/00−13/88
H01H 35/00
H01H 89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動要素に対する移動指示を行う操作ボタンスイッチであって、
ボタン部と、
前記ボタン部に対する前後方向において前記ボタン部よりも奥側に配置され、正面視にて前記ボタン部の中央部と重なる位置に配置される表示光源と、
前記ボタン部に対する使用者の手の接触、および、前記ボタン部を基準とする第1検出範囲内への使用者の手の進入のうち、少なくとも一方を検出可能な第1検出部と、
前記ボタン部の中心に対して対称に配置される投光部および受光部を有し、前後方向において前記第1検出範囲よりも前記ボタン部から離れている第2検出範囲内への使用者の手の進入を検出可能な光電センサである第2検出部と、
前記第1検出部による検出および前記第2検出部による検出のうち少なくとも一方が生じた場合に信号を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする操作ボタンスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載の操作ボタンスイッチであって、
前記第1検出範囲は、前記ボタン部を中心とした半球状であり、
前記第2検出範囲は、前後方向において前記第1検出範囲に連続することを特徴とする操作ボタンスイッチ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の操作ボタンスイッチであって、
前記出力部は、
使用者の手が前記第1検出範囲内および前記第2検出範囲内の少なくとも一方に存在する場合に前記信号を継続的に出力し、
使用者の手が前記第1検出範囲および前記第2検出範囲の外部へと移動した場合、前記信号の出力を終了することを特徴とする操作ボタンスイッチ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の操作ボタンスイッチであって、
前記第1検出部は感圧式または静電容量式のセンサであることを特徴とする操作ボタンスイッチ。
【請求項5】
請求項1ないしのいずれか1つに記載の操作ボタンスイッチであって、
前記ボタン部は、使用者の手の接触により変位しないことを特徴とする操作ボタンスイッチ。
【請求項6】
操作装置であって、
操作対象の移動要素に対する移動指示を行う請求項1ないしのいずれか1つに記載の操作ボタンスイッチを備えることを特徴とする操作装置。
【請求項7】
エレベータであって、
請求項に記載の操作装置を備えることを特徴とするエレベータ。
【請求項8】
自動運転車両であって、
請求項に記載の操作装置を備えることを特徴とする自動運転車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ボタンスイッチ、および、当該操作ボタンスイッチを備える操作装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衛生面等への配慮から、押しボタンスイッチに代えて非接触型スイッチを設けることが提案されている。例えば、特許文献1では、エレベータのかご(すなわち、移動要素)の操作盤において、行き先階の決定(すなわち、移動の指示)を行うための押しボタンスイッチと共に、反射型光電センサを有する非接触型の行き先階決定スイッチを設けることが提案されている。
【0003】
一方、特許文献2では、自動ドアの開閉用のスイッチにおいて、自動ドアの枠体に設けられた筒状の凹部の奥の壁に押しボタンスイッチを設け、当該筒状凹部の内側面に、押しボタンスイッチと同等の機能を有する光電式の非接触型スイッチを設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開2006/0011419号公報
【特許文献2】登録実用新案第3037379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1および特許文献2のボタンでは、光電式の非接触型スイッチ以外に押しボタンとしての機構を設ける必要があり、スイッチ全体が大型化するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、押しボタンとしての機構(例えば、ボタン部を基準位置に復帰させるためのバネ等)を省略可能で、ボタン部に触れても触れなくても操作可能な小型の操作ボタンスイッチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、移動要素に対する移動指示を行う操作ボタンスイッチであって、ボタン部と、前記ボタン部に対する前後方向において前記ボタン部よりも奥側に配置され、正面視にて前記ボタン部の中央部と重なる位置に配置される表示光源と、前記ボタン部に対する使用者の手の接触、および、前記ボタン部を基準とする第1検出範囲内への使用者の手の進入のうち、少なくとも一方を検出可能な第1検出部と、前記ボタン部の中心に対して対称に配置される投光部および受光部を有し、前後方向において前記第1検出範囲よりも前記ボタン部から離れている第2検出範囲内への使用者の手の進入を検出可能な光電センサである第2検出部と、前記第1検出部による検出および前記第2検出部による検出のうち少なくとも一方が生じた場合に信号を出力する出力部とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の操作ボタンスイッチであって、前記第1検出範囲は、前記ボタン部を中心とした半球状であり、前記第2検出範囲は、前後方向において前記第1検出範囲に連続する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の操作ボタンスイッチであって、前記出力部は、使用者の手が前記第1検出範囲内および前記第2検出範囲内の少なくとも一方に存在する場合に前記信号を継続的に出力し、使用者の手が前記第1検出範囲および前記第2検出範囲の外部へと移動した場合、前記信号の出力を終了する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の操作ボタンスイッチであって、前記第1検出部は感圧式または静電容量式のセンサである。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれか1つに記載の操作ボタンスイッチであって、前記ボタン部は、使用者の手の接触により変位しない。
【0013】
請求項に記載の発明は、操作装置であって、操作対象の移動要素に対する移動指示を行う請求項1ないしのいずれか1つに記載の操作ボタンスイッチを備える。
【0014】
請求項に記載の発明は、エレベータであって、請求項に記載の操作装置を備える。
【0015】
請求項に記載の発明は、自動運転車両であって、請求項に記載の操作装置を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、ボタン部に触れても触れなくても操作可能な小型の操作ボタンスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】操作ボタンスイッチの正面図である。
図2】操作ボタンスイッチの一部を省略した正面図である。
図3】操作ボタンスイッチの断面図である。
図4】操作ボタンスイッチの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る操作ボタンスイッチ1の正面図である。図2は、操作ボタンスイッチ1のうち、後述するボタン部10およびカバー部16を省略して示す正面図である。図3は、操作ボタンスイッチ1を図1中のIII−IIIの位置にて切断した断面図である。図4は、操作ボタンスイッチ1を図2中のIV−IVの位置にて切断した断面図である。図4では、後述するボタン部10および静電容量センサ11を二点鎖線にて併せて示す。
【0019】
操作ボタンスイッチ1は、移動要素に対する移動指示を行う際に用いられる。例えば、操作ボタンスイッチ1は、エレベータの操作装置に設けられてエレベータの使用者により操作されるスイッチである。図1に示す例では、操作ボタンスイッチ1は、エレベータのかご内に設けられるかご操作盤の行き先階決定ボタンスイッチである。この場合、上述の移動要素はエレベータのかごであり、移動指示は、当該かごの行き先階の決定である。操作ボタンスイッチ1は、他の用途のスイッチであってもよい。
【0020】
操作ボタンスイッチ1は、ボタン部10と、第1検出部である静電容量センサ11と、第2検出部である光電センサ12と、照明部13と、回路基板14と、ベース部15と、カバー部16とを備える。ベース部15は、操作ボタンスイッチ1の各構成を支持する略平板状の部材である。カバー部16は、ベース部15の図1中における手前側に取り付けられて操作ボタンスイッチ1の各構成を覆う部材である。ベース部15の正面視における形状は、例えば略矩形である。カバー部16の正面視における形状は、例えば略矩形枠状である。ベース部15は、カバー部16よりも大きく、カバー部16から図1中の上側および下側に延在している。
【0021】
以下の説明では、図1中における上下方向および左右方向を、単に「上下方向」および「左右方向」とも呼ぶ。また、図1中の紙面に垂直な方向を「前後方向」とも呼び、前後方向における手前側および奥側(すなわち、紙面に垂直な方向における手前側および奥側)を、単に「手前側」および「奥側」とも呼ぶ。前後方向とは、例えば、操作ボタンスイッチ1の使用者が操作ボタンスイッチ1に正対した状態における使用者の前後方向である。本実施の形態では、前後方向は、ボタン部10が設けられるエレベータのかご操作盤の表面に略垂直な方向である。なお、図1中における上下方向は、実際の上下方向と一致していてもよく、一致していなくてもよい。
【0022】
ベース部15の上端部および下端部には、操作ボタンスイッチ1を操作盤に取り付けるためのネジ穴が形成されている。すなわち、ベース部15の上端部および下端部は、操作ボタンスイッチ1の取り付け用の取付部151である。取付部151は、既存のエレベータの操作盤において、既存の押しボタンスイッチ(すなわち、従来の操作ボタンスイッチ)等が取り付けられている固定部に対して、当該既存の押しボタンスイッチに代えて取り付け可能である。したがって、操作ボタンスイッチ1は、建物内に既に設置されている既存のエレベータに、後付けで適用可能である。
【0023】
ボタン部10は、略矩形平板状の部材であり、内部に静電容量センサ11が配置される。ボタン部10は、例えば、透明または半透明の樹脂やガラス等により形成される。ボタン部10の外周部は、ベース部15とカバー部16の内面(すなわち、ベース部15と対向する側の面)との間に位置する。図3に示す例では、ボタン部10の外周部は、カバー部16と、後述するリフレクタ132との間に挟まれて固定されている。ボタン部10は、使用者が手で触れても(例えば、前後方向の奥側に押し込んでも)、前後方向において実質的に変位しない。ボタン部10の中央部は、外周部よりも手前側に突出する略矩形状の凸部であり、例えば、カバー部16の中央部開口から手前側に突出している。ボタン部10のうち、カバー部16から露出している部位の手前側の表面(以下、「ボタン面101」とも呼ぶ。)は、エレベータの操作盤の使用者(すなわち、エレベータの使用者等)が手等にて直接的に触れることが可能な接触面である。図3および図4に示す例では、ボタン面101は前後方向に対して略垂直な平面である。なお、ボタン面101は、必ずしも前後方向に対して垂直である必要はなく、また、平面である必要もない。
【0024】
ボタン部10の中央部分には、操作ボタンスイッチ1の機能を示す数字、文字および/または図形等を示すマーク102が設けられている。図1に示す例では、マーク102は、操作ボタンスイッチ1に対応する階を示す数字である。マーク102は、例えば、ボタン部10のボタン面101に形成された凹部または凸部である。あるいは、マーク102は、ボタン面101におけるマーク102以外の領域と異なる色を有する着色部または非着色部であってもよい。
【0025】
静電容量センサ11は、ボタン部10を基準とする検出範囲(以下、「第1検出範囲110」とも呼ぶ。)内への使用者の手の近接を検出可能な静電容量式の近接センサである。図3および図4では、第1検出範囲110を二点鎖線にて描く。図3および図4に示す例では、第1検出範囲110は、正面視におけるボタン部10の中央部(すなわち、ボタン面101の中央部)を略中心とする略半球状の範囲である。静電容量センサ11は、第1検出範囲110内への使用者の手の進入(すなわち、ボタン部10に対する使用者の手の近接または接触)を、センサ部であるセンサ電極における静電容量の変化に基づいて検出する。なお、静電容量センサ11は、使用者の手による静電容量の変化量が所定の閾値を超えたことを検出できればよく、使用者の手がボタン部10に接触したか否かを区別して検出できるまでの精度を必ずしも有する必要はない。
【0026】
静電容量センサ11のセンサ電極は、正面視における(すなわち、前後方向の手前側から奥側を見た場合における)ボタン部10の中央部において、ボタン部10の内部に配置される。当該センサ電極は、例えば、正面視において略矩形状の透明電極膜である。当該センサ電極には、後述する光電センサ12の投光部121による光の照射、および、受光部122による受光を阻害しないように、貫通孔または切り欠きが設けられてもよい。なお、静電容量センサ11のセンサ電極は、ボタン部10のボタン面101上に配置されてもよい。この場合、ボタン面101に設けられた当該センサ電極に使用者の手等が直接的に接触しないように、センサ電極を覆うカバー(図示省略)が設けられてもよい。また、上述のマーク102は、当該カバーまたは静電容量センサ11に設けられてもよい。
【0027】
図3に示すように、使用者の手(例えば、使用者の指先50)がボタン部10に近接して第1検出範囲110内に進入すると、静電容量センサ11のセンサ電極の静電容量が変化する。静電容量センサ11は、当該静電容量の変化を検出すると、回路基板14に対して所定の信号(以下、「第1検出信号」とも呼ぶ。)を送る。回路基板14は、例えば、ベース部15に固定された配線基板であり、配線152および端子部153を介して、図示省略のエレベータの制御部等に接続されている。回路基板14は、上述の第1検出信号を受けると、ボタン部10に対応する階が行き先階として選択されたことを示す信号(以下、「行き先階選択信号」とも呼ぶ。)を当該制御部等へと出力する。すなわち、回路基板14は、行き先階選択信号を出力する出力部である。
【0028】
照明部は、表示光源131と、リフレクタ132と、拡散板133とを備える。表示光源131は、ボタン部10よりも操作ボタンスイッチ1の前後方向の奥側に配置される。表示光源131は、回路基板14上に取り付けられ、回路基板14に電気的に接続される。換言すれば、表示光源131は、ベース部15に固定された回路基板14を介して、間接的にベース部15に固定される。表示光源131は、例えば、正面視にてボタン部10の中央部と重なる位置(すなわち、ボタン面101の中央部と前後方向において重なる位置)に配置される。表示光源131は、ボタン部10に向けて表示光を出射する。表示光源131としては、例えば、可視光を出射するLED(Light Emitting Diode)や他の光源が使用可能である。リフレクタ132は、表示光源131の周囲を囲む反射面であり、ボタン部10と回路基板14との間に配置される。リフレクタ132は、例えば、略四角錐台の4つの側面である。リフレクタ132は、表示光源131から出射された表示光をボタン部10に向けて反射する。
【0029】
拡散板133は、操作ボタンスイッチ1の前後方向において表示光源131とボタン部10との間に配置されるフィルム状または薄板状の部材である。拡散板133は、リフレクタ132の手前側の端部に接触し、リフレクタ132および表示光源131の略全体を覆う。拡散板133は、例えば、正面視において略矩形状の半透明の部材である。拡散板133は、透光性を有し、表示光源131から出射された表示光を拡散させて均等化する。拡散板133は、例えば、すりガラス調に加工された樹脂部材である。拡散板133の図2中の右上および左下の角部には、後述する投光部121による光の照射、および、受光部122による受光を阻害しないように貫通孔または切り欠きが設けられる。図2および図4に示す例では、リフレクタ132にも同様の貫通孔または切り欠きが設けられる。
【0030】
操作ボタンスイッチ1では、静電容量センサ11により使用者の手の近接が検出されると、上述のように、行き先階選択信号が回路基板14からエレベータの制御部等へと発信される。また、行き先階選択信号の発信と並行して、回路基板14により表示光源131が点灯される。これにより、表示光源131から出射された表示光が、拡散板133およびボタン部10の投光部(例えば、静電容量センサ11のセンサ電極やその周囲)を介して、操作ボタンスイッチ1の手前側へと照射される。操作ボタンスイッチ1の手前側に位置する使用者は、選択された操作ボタンスイッチ1のボタン面101が明るくなったことを視認することができる。なお、表示光源131の上記点灯は、継続的な点灯でもよく、断続的な点灯(すなわち、点滅)でもよい。あるいは、行き先階選択信号の発信と並行して、予め点灯されていた表示光源131が消灯されてもよい。
【0031】
光電センサ12は、投光部121と、受光部122とを備える。投光部121および受光部122はそれぞれ、操作ボタンスイッチ1の前後方向においてボタン部10と重なるとともにボタン部10よりも奥側(すなわち、ボタン部10の裏面と前後方向に対向する位置)に位置する。図4に示す例では、投光部121および受光部122は、回路基板14上に取り付けられて、回路基板14に電気的に接続される。受光部122は、投光部121から離間して配置される。好ましくは、投光部121と受光部122とは、正面視において、ボタン部10の中心に対して互いに反対側に配置される。より好ましくは、投光部121と受光部122とは、正面視において、ボタン部10の中心に対して略点対称の位置に配置される。図2に示す例では、投光部121および受光部122は、ボタン面101(図1参照)に対応する略矩形状の領域において、当該領域の一方の対角線上の2つの角部に配置される。これにより、投光部121と受光部122とを大きく離間させることができる。
【0032】
投光部121は、ボタン部10に向けて所定の波長域の検出光を出射する。検出光の波長域は、上述の表示光の波長域とは異なる。本実施の形態では、検出光は、上述のように赤外線である。検出光は、予め定められた光電センサ12固有の周波数を有するパルス光である。投光部121からの検出光は、静電容量センサ11の切り欠き部分およびボタン部10等を透過して、静電容量センサ11およびボタン部10よりも手前側に照射される。
【0033】
受光部122は、ボタン部10に近接する使用者の手等にて反射された当該検出光の反射光を受光して検出する。受光部122は、当該反射光を検出すると、出力部である回路基板14に対して所定の信号(以下、「第2検出信号」とも呼ぶ。)を送る。回路基板14は、当該第2検出信号を受けると、上述の第1検出信号を受けた場合と略同様に、ボタン部10に対応する階が行き先階として選択されたことを示す信号(すなわち、行き先階選択信号)を、エレベータの制御部等へと出力する。また、操作ボタンスイッチ1では、行き先階選択信号の発信と並行して表示光源131が点灯される。回路基板14では、静電容量センサ11による使用者の操作の検出、および、光電センサ12による使用者の操作の検出のうち、少なくとも一方が生じた場合に、行き先階選択信号が出力される。
【0034】
図4では、光電センサ12による検出範囲(以下、「第2検出範囲230」とも呼ぶ。)を平行斜線を付して示す。また、図4では、投光部121からの検出光の照射範囲である照射視野210、および、受光部122による受光可能範囲である受光視野220を二点鎖線にて示す。第2検出範囲230は、照射視野210と受光視野220との重複領域である。照射視野210および受光視野220は、例えば、略円錐状または略楕円錐状の空間である。
【0035】
光電センサ12では、指先50のボタン部10に対向する表面のうち、第2検出範囲230に含まれる領域(以下、「反射面51」とも呼ぶ。)にて反射された検出光の反射光が、受光部122により受光される。反射面51は、使用者の指先50の表面には限定されず、例えば、使用者が手に持った物体で操作ボタンスイッチ1を操作する場合、当該物体の表面である。光電センサ12では、照射視野210の広がり角度(すなわち、視野角)、および/または、受光視野220の広がり角度を調節することにより、反射光を検出可能な指先50の位置の範囲(すなわち、第2検出範囲230)を調節可能である。
【0036】
第2検出範囲230は、操作ボタンスイッチ1の前後方向において、第1検出範囲110よりもボタン部10から離れている。図4に示す例では、第2検出範囲230は、前後方向において第1検出範囲110に隣接し、第1検出範囲110に連続する。換言すれば、第2検出範囲230は、第1検出範囲110よりも前後方向の手前側に位置し、第2検出範囲230の前後方向における奥側の端部は、第1検出範囲110の前後方向における手前側の端部と重複または接する。第2検出範囲230の当該奥側の端部以外の領域は、第1検出範囲110外に位置し、第1検出範囲110とは重複していない。
【0037】
図4では、使用者の指先50が、光電センサ12における反射光検出の基準となる基準位置に配置されている状態を示す。基準位置とは、前後方向においてボタン面101から手前側に所定距離(例えば、4cm)離れた位置である。光電センサ12では、当該基準位置に位置する反射面51の面積が、所定の閾値面積以上である場合、受光部122にて受光する検出光の反射光の光量が所定光量(以下、「検出閾値光量」とも呼ぶ。)以上となり、当該反射光が受光部122により検出される。一方、基準位置に位置する反射面51の面積が上記閾値面積未満である場合、受光部122にて受光する当該反射光の光量が検出閾値光量未満となり、受光部122は反射光を検出しない。これにより、操作ボタンスイッチ1のボタン面101から大きく離れた位置に位置する物体や、ボタン面101に近接する微小な物体を、使用者の指先50等と間違えて検出することが抑制または防止される。
【0038】
上述の閾値面積は、例えば、使用者の指先50がボタン面101の中央部の手前側に位置している状態で、標準的な大きさの指2本分の指先の投影面積(すなわち、前後方向に垂直な面上への投影面積)である。したがって、基準位置に指1本分の指先50が位置していても、受光部122は反射光を検出せず、当該指先50が基準位置よりもボタン面101に近接し、基準位置における閾値面積の反射面と同程度の光量の検出光を反射する状態になると、受光部122は反射光を検出する。
【0039】
一方、基準位置よりもボタン面101に近接した位置に指先50よりも小さい物体(例えば、虫)が存在したとしても、当該物体により反射される反射光の光量は小さいため、受光部122は反射光を検出しない。また、基準位置や、基準位置よりもボタン面101から離れている位置に指先50等が存在する場合(すなわち、使用者に操作ボタンスイッチ1を操作する意図が無い可能性が高い場合)も、指先50等により反射された反射光の光量は小さいため、受光部122は反射光を検出しない。
【0040】
投光部121は、図示省略の検出光源および投光側遮光部を備える。検出光源は、回路基板14上に配置され、ボタン部10に向けて検出光を出射する。検出光源として、例えば、赤外線を出射するLEDまたは他の光源が利用可能である。投光側遮光部は、前後方向において検出光源とボタン部10との間にて、検出光源から出射された光の一部を上述の検出光として通過させて他の光を遮る。投光側遮光部では、検出光が通過する開口、あるいは、当該開口の手前側または奥側に、レンズ等の光学素子が配置されてもよい。上述の照射視野210は、投光側遮光部の開口の形状や位置、あるいは、上記光学素子の種類や配置を変更することにより調節可能である。
【0041】
受光部122は、図示省略の受光センサおよび受光側遮光部を備える。受光センサは、回路基板14上に配置され、使用者の指先50等にて反射した検出光の反射光を受光して検出する。受光センサとして、例えば、フォトダイオードまたは他の受光素子が利用可能である。受光センサは、光電センサ12固有の周波数を有するパルス光(すなわち、検出光の反射光)のみを選択的に検出し、他の光を実質的に検出しないように設定されることが好ましい。受光センサでは、受光した検出光の反射光の光量が上述の検出閾値光量以上である場合に電流が流れ、上述の第2検出信号が回路基板14に対して送られる。受光側遮光部は、前後方向において受光センサとボタン部10との間にて、上記反射光の一部を通過させて他の光を遮る。受光側遮光部では、反射光が通過する開口、あるいは、当該開口の手前側または奥側に、レンズ等の光学素子が配置されてもよい。上述の受光視野220は、受光側遮光部の開口の形状や位置、あるいは、上記光学素子の種類や配置を変更することにより調節可能である。
【0042】
操作ボタンスイッチ1では、上述のように、使用者の指先50が第2検出範囲230内へと進入した場合、光電センサ12により使用者の操作が検出され、回路基板14からエレベータの制御部等に行き先階選択信号が出力される。また、使用者の指先50が、第1検出範囲110内へと進入した場合(ボタン部10に接触した場合も含む。)、静電容量センサ11により使用者の操作が検出され、回路基板14からエレベータの制御部等に行き先階選択信号が出力される。なお、使用者の指先50が第1検出範囲110内に位置する場合、第2検出範囲230内にも使用者の指等が存在する場合がある。この場合、静電容量センサ11および光電センサ12により使用者の操作が検出され、回路基板14から、上記と同様に、エレベータの制御部等に行き先階選択信号が出力される。
【0043】
ところで、静電容量センサのみにより使用者の手の近接を検出する従来の非接触式の操作ボタンスイッチでは、隣接する他の操作ボタンスイッチによる誤検出を防止するために、静電容量センサによる略半球状の検出範囲を小さく設定する必要があった。したがって、操作ボタンスイッチに使用者の手をかなり近接させる必要があり、ボタン面に触れることを嫌がる使用者が使用する場合等、使用者による操作を検出できないおそれがあった。また、光電センサのみにより使用者の手の近接を検出する従来の非接触式の操作ボタンスイッチでは、ボタン面の近傍に光電センサの検出範囲の死角が生じ、使用者がボタン面に触れて操作しようとした場合等、使用者による操作を検出できないおそれがあった。
【0044】
これに対し、上述の操作ボタンスイッチ1は、ボタン部10と、第1検出部と、第2検出部と、出力部とを備える。第1検出部(上記例では、静電容量センサ11)は、ボタン部10を基準とする第1検出範囲110内への使用者の手の進入(ボタン部10に対する使用者の手の接触を含む。)を検出可能である。第2検出部(上記例では、光電センサ12)は、ボタン部10に対する前後方向において第1検出範囲110よりもボタン部10から離れている第2検出範囲230内への使用者の手の進入を検出可能である。出力部(上記例では、回路基板14)は、第1検出部による検出および第2検出部による検出のうち少なくとも一方が生じた場合に信号を出力する。
【0045】
これにより、使用者がボタン部10に触れて操作ボタンスイッチ1を操作する場合、および、使用者が手をボタン部10にある程度以上近接させて操作する場合、第1検出部により使用者の操作を検出することができる。また、使用者が手をボタン部10からある程度以上離しつつ操作する場合、第2検出部により使用者の操作を検出することができる。このように、操作ボタンスイッチ1では、上述の従来の操作ボタンスイッチに比べて、使用者の手を前後方向の広い範囲において検出することができるため、使用者の操作動作に関わらず、使用者による操作ボタンスイッチ1の操作を精度良く検出することができる。例えば、非接触式スイッチに不慣れな使用者が、従来の押しボタンスイッチに対する操作(すなわち、ボタン部に触れて押し込む動作)と同じように操作ボタンスイッチ1を操作しようとした場合であっても、使用者の操作を検出することができる。また、操作ボタンスイッチ1では、押しボタンスイッチに必要な機構(例えば、ボタン部を基準位置に復帰させるためのバネ等)を省略可能であるため、操作ボタンスイッチ1を小型化することもできる。その結果、ボタン部10に触れても触れなくても操作可能な小型の操作ボタンスイッチ1を提供することができる。
【0046】
なお、上述の第1検出部は、必ずしも、ボタン部10に対する使用者の手の接触、および、第1検出範囲110内への使用者の手の進入の双方を検出可能である必要はない。第1検出部は、ボタン部10に対する使用者の手の接触、および、第1検出範囲110内への使用者の手の進入のうち、少なくとも一方を検出可能であればよい。この場合であっても、上記と略同様に、ボタン部10に触れても触れなくても操作可能な衛生面に配慮した小型の操作ボタンスイッチ1を提供することができる。また、第1検出部および第2検出部により、使用者による操作ボタンスイッチ1の操作を精度良く検出することができる。
【0047】
上述のように、第1検出範囲110は、ボタン部10を中心とした半球状であり、第2検出範囲230は、前後方向において第1検出範囲110に連続することが好ましい。これにより、使用者がボタン部10に対して様々な方向から手を近づけた場合であっても、使用者による操作ボタンスイッチ1の操作を精度良く検出することができる。すなわち、使用者による操作ボタンスイッチ1の操作の検出精度を向上することができる。
【0048】
上述のように、第1検出部は静電容量センサ11であることが好ましい。これにより、ボタン部10にある程度以上近接した領域における使用者の操作を、簡素な構造で精度良く検出することができる。また、上述のように、静電容量センサ11のセンサ電極は、ボタン部10に内蔵されることが好ましい。これにより、操作ボタンスイッチ1をさらに小型化することができる。
【0049】
操作ボタンスイッチ1では、静電容量センサ11に代えて、感圧式(例えば、抵抗膜式)の接触センサが第1検出部として設けられてもよい。このように、第1検出部が感圧式または静電容量式のセンサであることにより、上述のように、ボタン部10にある程度以上近接した領域における使用者の操作を、簡素な構造で精度良く検出することができる。なお、第1検出部が感圧式センサである場合、例えば、ボタン部10と回路基板14との間に意匠フィルムと透明電極層とが設けられ、使用者のボタン面101への接触による透明電極層の僅かな変形等に基づいて、使用者による操作ボタンスイッチ1の操作が検出される。
【0050】
上述のように、第2検出部は光電センサ12であることが好ましい。これにより、ボタン部10からある程度以上離れた領域における使用者の操作を、簡素な構造で精度良く検出することができる。
【0051】
上述のように、ボタン部10は、使用者の手の接触により変位しないことが好ましい。これにより、操作ボタンスイッチ1において、ボタン部10の変位量に応じた余剰空間を設ける必要がないため、操作ボタンスイッチ1を前後方向においてさらに小型化(すなわち、薄型化)することができる。
【0052】
上述のように、操作ボタンスイッチ1は、ボタン部10に触れても触れなくても操作可能であり、使用者による操作を精度良く検出することができる。したがって、操作ボタンスイッチ1は、操作対象を操作する操作装置において、当該操作対象の移動要素(上記例では、エレベータのかご)に対する移動指示を行う操作ボタンスイッチとしての利用に適している。特に、エレベータの操作盤は、比較的狭いスペースに設けられるため、スイッチ配置に対して厳しい制約がある。したがって、小型の操作ボタンスイッチ1は、エレベータ用のスイッチに特に適している。
【0053】
上述のように、操作ボタンスイッチ1は、既存のエレベータの操作盤において従来の押しボタンスイッチ等が取り付けられている固定部に対して取り付け可能な取付部151をさらに備えることが好ましい。これにより、操作ボタンスイッチ1を既存のエレベータの操作ボタンスイッチと容易に交換することができる。その結果、操作ボタンスイッチ1を既存のエレベータに低コストにて後付けすることができる。
【0054】
上記例では、操作ボタンスイッチ1は、エレベータの行き先階決定ボタンスイッチであるが、これには限定されない。例えば、操作ボタンスイッチ1は、エレベータの扉の開閉用スイッチとして利用されてもよい。この場合、操作ボタンスイッチ1の出力部からエレベータの制御部等に対して、扉の開閉を示す開閉信号が出力される。
【0055】
操作ボタンスイッチ1では、例えば、使用者の手が第1検出範囲110内および/または第2検出範囲230内に存在する場合、出力部である回路基板14からエレベータの制御部等に信号が継続的に出力されてもよい。また、使用者の手が第1検出範囲110内および/または第2検出範囲230内から、第1検出範囲110および第2検出範囲230の外部へと移動した場合、当該信号の出力が終了されてもよい。具体的には、例えば、使用者の手が、エレベータの扉の開放を示す操作ボタンスイッチ1の第1検出範囲110内および/または第2検出範囲230内に存在する場合、回路基板14から上記制御部等に、エレベータの扉の開放を指令する開放信号が継続的に送られ、当該扉の開放が継続される。そして、この状態から、使用者の手が第1検出範囲110および第2検出範囲230の外部へと移動すると、回路基板14からの当該開放信号の出力が終了され、所定時間の経過後にエレベータの扉の閉鎖が開始される。
【0056】
このように、出力部は、使用者の手が第2検出範囲230内に存在する場合に信号を継続的に出力し、使用者の手が第2検出範囲230内から第2検出範囲230外へと移動した場合、当該信号の出力を終了するように構成されてもよい。これにより、エレベータの扉等の移動要素に対する様々な操作を可能とすることができる。
【0057】
上述のように、操作ボタンスイッチ1は、エレベータの操作装置における操作ボタンスイッチに適しているが、これには限定されない。操作ボタンスイッチ1は、例えば、自動運転車両の操作装置における操作ボタンスイッチにも適している。具体的には、操作ボタンスイッチ1は、例えば、自動運転車両の昇降扉の開閉用スイッチ、あるいは、自動運転車両の走行開始および/または走行停止用のスイッチとして利用されてもよい。
【0058】
上述の操作ボタンスイッチ1では、様々な変更が可能である。
【0059】
本発明に関連する技術では、光電センサ12の投光部121と受光部122とは、必ずしも、正面視においてボタン面101の中心に対して互いに反対側に配置される必要はなく、投光部121および受光部122の正面視における配置は様々に変更されてよい。
【0060】
また、上述の例では、投光部121および受光部122は、ボタン部10の奥側の端面よりも奥側に配置されているが、これには限定されない。投光部121および受光部122の前後方向における位置は、ボタン部10のボタン面101よりも奥側であれば様々に変更されてよい。例えば、ボタン部10の奥側の端面中央部に、手前側へと凹む略矩形の凹部が設けられ、投光部121および受光部122は、当該凹部内に配置されてもよい。これにより、操作ボタンスイッチ1の前後方向における更なる小型化を実現することができる。
【0061】
投光部121から出射される検出光の波長域は、赤外線には限定されず様々に変更されてよい。例えば、検出光は可視光であってもよい。ただし、検出光の波長域は、表示光の波長域とは異なることが好ましい。これにより、光電センサ12の誤作動を好適に防止することができる。
【0062】
本発明に関連する技術では、光電センサ12に代えて、他の種類のセンサが第2検出部として設けられてもよい。本発明に係る操作ボタンスイッチ1では、第1検出部、感圧式または静電容量式のセンサには限定されず、他の種類のセンサであってもよい。例えば、第1検出部として光電センサが用いられてもよい。あるいは、第1検出部は、周囲の温度と温度差のある検出対象物が第1検出範囲110内に存在することを温度変化によって検出する感熱式のセンサであってもよく、検出対象物にて反射した超音波を検出する超音波式のセンサであってもよい。本発明に関連する技術では、第2検出部についても同様である。
【0063】
第1検出部(上記例では、静電容量センサ11)は、ボタン部10の周囲に設けられてもよい。図4に示す例で第1検出部の第1検出範囲110と、第2検出部の第2検出範囲230とは、前後方向に連続しているが、例えば、ボタン部10の上下に第1検出部をそれぞれ設けた場合、当該2つの第1検出部に対応する2つの第1検出範囲110が上下方向に隣接し、また第2検出範囲230とは前後方向で連続するため、より操作ボタンスイッチ1の検出範囲を広く設定することができる。
【0064】
第1検出部の第1検出範囲110と、第2検出部の第2検出範囲230とは、前後方向において非連続であってもよい。この場合、第1検出範囲110と第2検出範囲230との間の前後方向の距離は、標準的な使用者の手の厚さよりも小さくされることが好ましい。これにより、使用者による操作ボタンスイッチ1の操作を精度良く検出することができる。
【0065】
操作ボタンスイッチ1では、回路基板14の一部が出力部として利用され、他の一部が、第1検出部および/または第2検出部の一部として利用されてもよい。また、当該出力部は、必ずしも回路基板14には限定されず、他の構成であってもよい。
【0066】
操作ボタンスイッチ1では、ボタン部10およびボタン面101の正面視における形状は、略矩形には限定されず、略円形や略多角形等、様々に変更されてよい。
【0067】
操作ボタンスイッチ1が既存のエレベータに後付けされない場合、上記取付部151は、既存のエレベータの固定部に取り付け可能な構造である必要はない。
【0068】
操作ボタンスイッチ1は、エレベータまたは自動運転車両の操作装置以外の用途に利用されてもよい。例えば、操作ボタンスイッチ1は、鉄道の駅のプラットホームや鉄道車両に設けられた操作装置において、ホームドアや鉄道車両の昇降扉の開閉用スイッチとして利用されてもよい。また、操作ボタンスイッチ1は、自動で扉の開閉を行う自動ドア等の開閉用スイッチとして利用されてもよい。
【0069】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0070】
1 操作ボタンスイッチ
10 ボタン部
11 静電容量センサ
12 光電センサ
14 回路基板
110 第1検出範囲
230 第2検出範囲
【要約】
【課題】ボタン部に触れても触れなくても操作可能な小型の操作ボタンスイッチを提供する。
【解決手段】操作ボタンスイッチ1は、ボタン部10と、静電容量センサ11と、光電センサ12と、回路基板14とを備える。静電容量センサ11は、ボタン部10に対する使用者の手の接触、および、ボタン部10を基準とする第1検出範囲110内への使用者の手の進入を検出可能である。光電センサ12は、ボタン部10に対する前後方向において第1検出範囲110よりもボタン部10から離れている第2検出範囲230内への使用者の手の進入を検出可能である。回路基板14は、静電容量センサ11による検出および光電センサ12による検出のうち少なくとも一方が生じた場合に信号を出力する。これにより、ボタン部10に触れても触れなくても操作可能な小型の操作ボタンスイッチ1を提供することができる。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4