(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1.第1実施形態>
以下、第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
(1−1.パラレルリンクロボットシステムの構成)
まず、
図1を参照しつつ、本実施形態に係るパラレルリンクロボットシステム1の構成の一例について説明する。
【0013】
図1に示すように、パラレルリンクロボットシステム1は、第1搬送コンベア3と、第2搬送コンベア5と、複数(この例では3台)のパラレルリンクロボット7と、カメラ9と、上位コントローラ11と、ロボットコントローラ13とを有する。
【0014】
第1搬送コンベア3(第1搬送装置の一例)は、ワークWを各パラレルリンクロボット7の第1作業領域Z1を含む経路で搬送する。第1搬送コンベア3により、ワークWは第1作業領域Z1に向けて矢印15の方向に搬送される。第1作業領域Z1は、各パラレルリンクロボット7がワークWをピック(把持、吸着、保持、取り出し、持ち上げ等ともいう)するための作業領域である。
【0015】
第2搬送コンベア5(第2搬送装置の一例)は、ワークWを各パラレルリンクロボット7の第2作業領域Z2を含む経路で搬送する。第2搬送コンベア5により、ワークWは第2作業領域Z2から矢印17の方向に搬送される。第2作業領域Z2は、各パラレルリンクロボット7がワークWをプレイス(載置、取り置き、下ろし等ともいう)するための作業領域である。第1搬送コンベア3と第2搬送コンベア5は、互いの搬送方向が略平行且つ同じ向き(矢印15,17の向き)となるように配置されている。なお、第1搬送コンベア3と第2搬送コンベア5は搬送方向が反対の向きとなるように配置されてもよい。
【0016】
ワークWは、パラレルリンクロボット7によりピックアンドプレイスが可能なものであれば、特に限定されるものではない。例えば、機械部品、電気部品、製品、商品、食品等をワークWとすることができる。
【0017】
第1搬送コンベア3及び第2搬送コンベア5は、ワークWを搬送可能であれば、特に限定されるものではない。例えば、ベルトコンベア、ローラコンベア、チェーンコンベア等を使用可能である。またその他にも、例えば無人搬送車(AGV)、台車、カーゴ、シュータ等、コンベア以外の搬送装置を使用してもよい。
【0018】
パラレルリンクロボット7は、第1搬送コンベア3及び第2搬送コンベア5の上方に位置するように、図示しない架台により支持されている。パラレルリンクロボット7は、ワークWを第1作業領域Z1でピックして第2作業領域Z2でプレイスする。
図1には、例えば第1搬送コンベア3によりランダムな位置で搬送される多数のワークWをピックし、第2搬送コンベア5に一列に整列するようにプレイスする場合を一例として示している。なお、ピックアンドプレイスの態様はこれに限定されるものではない。例えば、第1搬送コンベア3により搬送される容器に収容されたワークWをピックしたり、ピックしたワークWを第2搬送コンベア5により搬送される容器の所定の場所に収容する(いわゆる箱詰め)等、他にも様々な態様としうる。
【0019】
パラレルリンクロボット7は、3つのアームA1,A2,A3を有する。詳細は後述するが、アームA1,A2,A3の中心軸AX周りの円周方向の角度間隔は、アームA1,A3間は80°、アームA1,A2間及びアームA2,A3間は共に140°となっている(
図3参照)。パラレルリンクロボット7は、80°の角度間隔の両端に位置する2つのアームA1,A3が中心軸AXよりも第1作業領域Z1側(すなわち第1搬送コンベア3側)に位置し、他の1つのアームA2が中心軸AXよりも第2作業領域Z2側(すなわち第2搬送コンベア5側)に位置するように配置されている。詳細には、アームA2の延設方向が搬送コンベア3,5によるワークWの搬送方向に垂直となり、且つ、各アームが上述の位置となるように配置されている。そして、3台のパラレルリンクロボット7は、上述した同じ姿勢(同じ配置の向き)で、アームA2の延設方向に垂直な方向(すなわち搬送コンベア3,5によるワークWの搬送方向)に沿って並べて配置されている。
【0020】
なお、パラレルリンクロボット7の数は、各パラレルリンクロボット7の処理性能と搬送されるワークWの数等に応じて、3台以外の適宜の台数(例えば2台、又は4台以上)としてもよい。また、1台のパラレルリンクロボット7により全ワークWを処理可能であれば、複数に限らず1台としてもよい。また、パラレルリンクロボット7は、アームA1,A3が中心軸AXよりも第1作業領域Z1側に位置し、アームA2が中心軸AXよりも第2作業領域Z2側に位置していれば、アームA2の延設方向がワークWの搬送方向に必ずしも垂直でなくともよく、適宜傾斜していてもよい。
【0021】
カメラ9は、第1搬送コンベア3により搬送されるワークWを第1作業領域Z1の上流側、詳細には複数台のパラレルリンクロボット7のうち最も上流側に位置するパラレルリンクロボット7の第1作業領域Z1の上流側で撮像する。
【0022】
上位コントローラ11は、例えばモーションコントローラ、パーソナルコンピュータ(PC)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等により構成される。上位コントローラ11は、画像処理部19を有する。画像処理部19は、カメラ9が撮像したワークWの画像を取得し、所定の画像解析処理を実行することで、例えばワークWの数、位置、姿勢(向き)、形状、大きさ、種類等のうちの少なくともいずれかに関する情報を取得する。
【0023】
ロボットコントローラ13は、例えばモーションコントローラ、パーソナルコンピュータ(PC)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、サーボアンプ等により構成される。ロボットコントローラ13は、第1動作制御部21を有する。第1動作制御部21は、画像処理部19による画像の処理結果に基づいて、各パラレルリンクロボット7を制御する。具体的には、第1動作制御部21は、上位コントローラ11の画像処理部19から受信した情報に基づいて、パラレルリンクロボット7の手先位置をワークWをピックする位置に移動させるための各モータM1〜M3に対するモータ位置指令を演算し、当該モータ位置指令に基づいて各モータM1〜M3に供給する駆動電力の制御を行い、パラレルリンクロボット7のピック動作を制御する。また、第1動作制御部21は、パラレルリンクロボット7の手先位置をワークWをプレイスする位置に移動させるための各モータM1〜M3に対するモータ位置指令を演算し、当該モータ位置指令に基づいて各モータM1〜M3に供給する駆動電力の制御を行い、パラレルリンクロボット7のプレイス動作を制御する。
【0024】
なお、ロボットコントローラ13は、1つの制御装置としてもよいし、複数の制御装置で構成してもよい。1つとする場合には、1つのロボットコントローラ13で3台のパラレルリンクロボット7を統合して制御してもよい。複数とする場合には、例えば3つのロボットコントローラ13の各々が各パラレルリンクロボット7を制御してもよい。また、ロボットコントローラ13と上位コントローラ11とを、別体でなく一体の制御装置として構成してもよい。また、上位コントローラ11を複数の制御装置で構成してもよい。
【0025】
なお、本実施形態ではワークWを第1搬送コンベア3でピックして第2搬送コンベア5にプレイスする場合を一例として説明するが、コンベア以外の作業領域でピック又はプレイスを行ってもよい。例えば、コンベアでピックしたワークWをテーブル、コンベア以外の搬送装置、所定の工程処理を行う処理装置等(第2作業領域の一例)にプレイスしてもよいし、テーブル、コンベア以外の搬送装置、所定の処理装置等(第1作業領域の一例)でピックしたワークWをコンベアにプレイスしてもよい。また、テーブル、コンベア以外の搬送装置、所定の処理装置等でピックしたワークWを、テーブル、コンベア以外の搬送装置、所定の処理装置等にプレイスしてもよい。
【0026】
また、上述した画像処理部19、第1動作制御部21等における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、ロボットコントローラ13は、モータM1〜M3に駆動電力を給電する部分(インバータ等)のみ実際の装置により実装され、その他の機能は後述するCPU901(
図12参照)が実行するプログラムにより実装されてもよいし、その一部又は全部がASICやFPGA、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
【0027】
(1−2.パラレルリンクロボットの構成)
次に、
図2及び
図3を参照しつつ、本実施形態に係るパラレルリンクロボット7の構成の一例について説明する。
【0028】
図2に示すように、パラレルリンクロボット7は、ベース部23と、可動部25と、3つのアームA1,A2,A3と、3つのモータM1,M2,M3とを有する。なお、各モータM1,M2,M3はモータケースMC1,MC2,MC3にそれぞれ収容されており(
図4参照)、
図1及び
図2では当該モータケースMC1,MC2,MC3を図示している。
【0029】
3つのアームA1,A2,A3は、パラレルリンクロボット7の中心軸AX周りの円周方向に所定の角度間隔で配置され、ベース部23と可動部25とを連結する。3つのモータM1,M2,M3は、ベース部23の上部に配置され、それぞれアームA1,A2,A3を駆動する。ベース部23は、この例では略円板状に形成されており、各アームA1,A2,A3に対応する位置にそれぞれ略台形状の切り欠き部27,29,31が形成されている。これら切り欠き部27,29,31により、各アームA1,A2,A3の上アーム部A1U,A2U,A3Uの先端部の振り上げ高さをベース部23の上方の範囲まで確保することが可能となり、可動部25の可動範囲を拡大することができる。なお、ベース部23の形状は円形に限らず、例えば三角形や四角形、五角形、六角形、星形等の多角形の形状でもよい。また、中心軸AXに対して左右非対称の形状でもよい。また、切り欠き部27,29,31の形状は台形に限らず、例えば三角形や四角形、円弧状等としてもよい。
【0030】
3つのモータM1,M2,M3の動力を減速して3つのアームA1,A2,A3にそれぞれ伝達する3つの減速機R1,R2,R3は、ベース部23の下部に配置されている。なお、各減速機R1,R2,R3は減速機ケースRC1,RC2,RC3にそれぞれ収容されており(
図4参照)、
図2では当該減速機ケースRC1,RC3を図示している。可動部25は、この例では略六角形状に形成されており、下端に取付部材33を備える。取付部材33には、例えばロボットハンドや吸着パッド等のワークWをピック及びプレイス可能なエンドエフェクタ(図示省略)が取り付けられる。なお、可動部25の形状は六角形に限らず、例えば三角形や四角形、その他の多角形や円形等としてもよい。
【0031】
3つのアームA1,A2,A3は同様の構成を有する。アームA1,A2,A3は、ベース部23に回動可能に連結された上アーム部A1U,A2U,A3U(アーム部の一例)をそれぞれ有する。詳細には、アームA1は、減速機R1に連結された上アーム部A1Uと、上アーム部A1Uと可動部25とに連結された2つの下アーム部A1Lとを有する。2つの下アーム部A1Lは、それぞれ球面軸受35aにより上アーム部A1Uと連結され、それぞれ球面軸受37aにより可動部25と連結される。アームA2は、減速機R2に連結された上アーム部A2Uと、上アーム部A2Uと可動部25とに連結された2つの下アーム部A2Lとを有する。2つの下アーム部A2Lは、それぞれ球面軸受35bにより上アーム部A2Uと連結され、それぞれ球面軸受37bにより可動部25と連結される。アームA3は、減速機R3に連結された上アーム部A3Uと、上アーム部A3Uと可動部25とに連結された2つの下アーム部A3Lとを有する。2つの下アーム部A3Lは、それぞれ球面軸受35cにより上アーム部A3Uと連結され、それぞれ球面軸受37cにより可動部25と連結される。
【0032】
図3に示すように、上アーム部A1U,A2U,A3Uは直線状の部材であり、中心軸AXを中心とする半径方向に沿って放射状にそれぞれ延設されている。アームA1,A2,A3は、上アーム部A1U,A2U,A3Uの中心軸AX周りの円周方向の角度間隔の1つが120°よりも小さく、他の2つの角度間隔が互いに等しい角度となるように配置されている。これにより、アームA1,A2,A3は、中心軸AX方向から見て略Y字状となるように配置されている。本実施形態では、例えば、アームA1とアームA2との間が140°、アームA2とアームA3との間が上記と同じ140°、アームA3とアームA1との間が80°となっている。
【0033】
上記角度間隔とするに伴い、モータM1,M2,M3(モータケースMC1,MC2,MC3)の配置も最適化されている。すなわち、モータM2,M3(モータケースMC2,MC3)については、対応するアームA2,A3の円周方向一方側に配置されているのに対し、モータM1(モータケースMC1)については、対応するアームA1の円周方向他方側に配置されている。その結果、アームA2,A3の間には1台のモータM3(モータケースMC3)、アームA1,A2の間には2台のモータM1,M2(モータケースMC1,MC2)が配置され、角度間隔の小さいアームA1,A3の間にはモータが配置されない構成となっている。なお、上記のように最適化せずともモータM1,M2,M3をベース部23上に配置できる場合には、全てのモータM1,M2,M3(モータケースMC1,MC2,MC3)を対応するアームA1,A2,A3の円周方向一方側又は他方側に向きを揃えて配置してもよい。
【0034】
なお、120°よりも小さい角度間隔は80°に限定されるものではない。すなわち、アームA2の延設方向h1に垂直な幅方向h2におけるアームA1,A3の中心軸AXからの張り出し寸法Lと、幅方向h2におけるベース部23の中心軸AXからの張り出し寸法(この例ではベース部23の半径R)とが、それぞれ略一致するように設定された角度であればよい(例えば110°、90°、70°等)。これにより、各アームA1,A2,A3に対する負荷のバランスの低下や可動部25の寸法の増大を抑制しつつ、パラレルリンクロボット7の幅寸法(上記幅方向h2の寸法)を低減することが可能となる。
【0035】
また、球面軸受35a,35b,35c及び球面軸受37a,37b,37cは、球面ジョイントに限定されるものではなく、例えば回転ジョイント、ユニバーサルジョイント、又は直進ジョイント等でもよい。また、各アームA1,A2,A3は、2つのアーム部によるリンク機構に限定されるものではなく、3以上のアーム部を有するリンク機構で構成されてもよい。
(1−3.モータの動力を減速機に伝達する動力伝達機構)
次に、
図4を参照しつつ、モータM1,M2,M3の動力を減速機R1,R2,R3にそれぞれ伝達する動力伝達機構T1,T2,T3の構成の一例について説明する。
図4は、
図3におけるIV−IV断面による部分断面図である。なお、動力伝達機構T1,T2,T3はそれぞれ同様の構成であるため、ここではモータM1の動力を減速機R1に伝達する動力伝達機構T1について説明する。
【0036】
図4に示すように、アームA1の上アーム部A1Uを駆動するモータM1は、支持部材39により、ベース部23の上部に固定されている。モータM1は回転型のモータであり、そのシャフト41には駆動プーリ43が設けられている。これらモータM1、支持部材39、シャフト41、駆動プーリ43等は、モータケースMC1に収容されて覆われている。モータケースMC1は、例えば略直方体形状に形成されており、下方に開口部45を有する。モータケースMC1は、開口部45がベース部23により閉塞されるように、例えばボルト(図示省略)等によりベース部23の上部に固定されている。
【0037】
モータM1の動力を減速してアームA1の上アーム部A1Uに伝達する減速機R1は、ベース部23の下部に配置されている。減速機R1の入力軸47には、従動プーリ49が設けられている。モータM1の駆動プーリ43と減速機R1の従動プーリ49には、ベース部23に形成された開口51に挿通された無端状のベルト53が巻回されており、モータM1の動力が減速機R1に伝達される。開口51は、ベルト53の挿通に必要なだけの大きさに形成されており、開口51によりモータケースMC1の内部空間と減速機ケースRC1の内部空間とが連通されている。減速機R1は、入力軸47とは反対側に、出力軸55を有しており、当該出力軸55に上アーム部A1Uの基端部が連結されている。減速機R1、入力軸47、従動プーリ49等は、減速機ケースRC1に収容されて覆われている。出力軸55は、減速機ケースRC1の開口56を貫通して外部に突出している。減速機ケースRC1は、減速機R1を固定する支持部57を有する。また、減速機ケースRC1は、例えば略直方体形状に形成されており、上方に開口部59を有する。減速機ケースRC1は、開口部59がベース部23により閉塞されるように、例えばボルト(図示省略)等によりベース部23の下部に固定されている。
【0038】
上記構成により、モータM1の動力は、減速機R1により回転速度を減速され且つトルクを増大されて、アームA1の上アーム部A1Uに伝達される。なお、モータM2の動力を減速機R2に伝達する動力伝達機構T2、及び、モータM3の動力を減速機R3に伝達する動力伝達機構T3についても、上記動力伝達機構T1と同様の構成である。
【0039】
なお、上記では減速機ケースRC1が減速機R1の支持部材を兼ねる構成としたが、モータM1と同様に、減速機ケースRC1とは別に支持部材を設けてもよい。また、減速機R1と同様に、モータM1をモータケースMC1で支持する構成としてもよい。
【0040】
(1−4.第1実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態のパラレルリンクロボットシステム1は、ワークWを第1作業領域Z1でピックして第2作業領域Z2でプレイスする少なくとも1つのパラレルリンクロボット7を有し、パラレルリンクロボット7は、ベース部23と、エンドエフェクタが取り付けられる可動部25と、ベース部23に回動可能に連結された上アーム部A1U,A2U,A3Uをそれぞれ備え、上アーム部A1U,A2U,A3Uの中心軸AX周りの円周方向の角度間隔の1つが120°よりも小さく、他の2つの角度間隔が互いに等しい角度となるように配置された、ベース部23と可動部25とを連結する3つのアームA1,A2,A3と、を有し、120°よりも小さい角度間隔の両端に位置する2つのアームA1,A3が中心軸AXよりも第1作業領域Z1側に位置し、他の1つのアームA2が中心軸AXよりも第2作業領域Z2側に位置するように配置されている。
【0041】
本実施形態では、パラレルリンクロボット7の3つのアームA1,A2,A3の角度間隔の1つを120°よりも小さくするので、パラレルリンクロボット7の幅寸法(幅方向h2の寸法)を、3つのアームA1,A2,A3が等角度間隔(120°間隔)で配置された場合に比べて低減できる。したがって、パラレルリンクロボットシステム1全体の小型化、省スペース化を実現できる。
【0042】
しかしながら、上記のように構成したパラレルリンクロボット7は、120°よりも小さい角度間隔の両端に位置する2つのアームA1,A3の剛性が強くなるが、他の1つのアームA2の剛性は弱くなるという課題がある。このため、可動部25を剛性が弱い1つのアームA2側に移動させた場合に、振動や振れによる位置ずれが生じる可能性がある。
【0043】
一方で、ピックアンドプレイス作業においては、ワークWを取りこぼしなくピックすることが重要であり、ピック作業の精度をプレイス作業よりも高くすることが好ましい。そこで本実施形態のパラレルリンクロボットシステム1では、剛性が強い2つのアームA1,A3がピック作業が行われる第1作業領域Z1側に位置し、剛性が弱い1つのアームA2がプレイス作業が行われる第2作業領域Z2側に位置するように、パラレルリンクロボット7が配置されている。これにより、ピックアンドプレイス作業においてより重要度が高く精度が要求されるピック作業を精度良く安定的に実行することが可能となる。以上により、省スペースでピックアンドプレイス作業の信頼性を向上できるパラレルリンクロボットシステム1を実現できる。
【0044】
また、本実施形態では特に、少なくとも1つのパラレルリンクロボット7は、複数(3台)であり、複数のパラレルリンクロボット7は、2つのアームA1,A3が中心軸AXよりも第1作業領域Z1側に位置し、他の1つのアームA2が中心軸AXよりも第2作業領域Z2側に位置する姿勢で、他の1つのアームA2の延設方向h1に垂直な幅方向h2に沿って並べて配置されている。
【0045】
本実施形態では、複数のパラレルリンクロボット7がアームA2の延設方向h1に垂直な幅方向h2に沿って並べて配置されるので、当該幅方向h2の寸法を台数分だけ大幅に低減できる。したがって、パラレルリンクロボットシステム1全体を小型化、省スペース化できる。
【0046】
また、複数のパラレルリンクロボット7を同じ姿勢で並べて配置するので、例えば姿勢を互い違いにして並べて配置する場合(例えばアームA1,A3が中心軸AXよりも第1作業領域Z1側に位置し、アームA2が中心軸AXよりも第2作業領域Z2側に位置するロボットと、反対にアームA1,A3が中心軸AXよりも第2作業領域Z2側に位置し、アームA2が中心軸AXよりも第1作業領域Z1側に位置するロボットとを交互に配置する場合)に比べて、剛性が強い2つのアームA1,A3をピック作業が行われる第1作業領域Z1側に一貫して配置することができる。これにより、省スペースでピックアンドプレイス作業の信頼性を向上できるパラレルリンクロボットシステム1を実現できる。
【0047】
また、本実施形態では特に、パラレルリンクロボットシステム1は、ワークWを第1作業領域Z1を含む経路で搬送する第1搬送コンベア3をさらに有し、パラレルリンクロボット7は、2つのアームA1,A3が中心軸AXよりも第1搬送コンベア3側に位置するように配置されている。
【0048】
ワークWを第1搬送コンベア3から他の場所にピックアンドプレイスする場合において、搬送中のワークWをピックする場合には、エンドエフェクタをワークWの移動に追従させつつピックすることになるため、ピック作業に高い精度が要求される。本実施形態では、剛性が強い2つのアームA1,A3が第1搬送コンベア3側に位置するように、パラレルリンクロボット7が配置される。これにより、第1搬送コンベア3により搬送されるワークWのピック作業を精度良く安定的に実行することができる。
【0049】
また、本実施形態では特に、パラレルリンクロボットシステム1は、ワークWを第2作業領域Z2を含む経路で搬送する第2搬送コンベア5をさらに有し、パラレルリンクロボット7は、他の1つのアームA2が中心軸AXよりも第2搬送コンベア5側に位置するように配置されている。
【0050】
ワークWを第1搬送コンベア3から第2搬送コンベア5にピックアンドプレイスする場合において、上述のように第1搬送コンベア3からのピック作業には高い精度が要求される一方で、第2搬送コンベア5へのプレイス作業に要求される精度はピック作業に比べて低い場合が多い。本実施形態では、剛性が強い2つのアームA1,A3が第1搬送コンベア3側に位置すると共に、剛性が弱い1つのアームAが第2搬送コンベア5側に位置するように、パラレルリンクロボット7が配置される。これにより、ピックアンドプレイスにおける各作業の要求精度に応じてパラレルリンクロボット7の配置の向きを最適化することができ、ピックアンドプレイス作業の信頼性を向上できる。
【0051】
また、本実施形態では特に、パラレルリンクロボットシステム1は、第1搬送コンベア3により搬送されるワークWを第1作業領域Z1の上流側で撮像するカメラ9と、カメラ9により撮像された画像を処理する画像処理部19と、画像の処理結果に基づいてパラレルリンクロボット7を制御する第1動作制御部21と、をさらに有する。
【0052】
本実施形態によれば、第1搬送コンベア3により搬送されるワークWの位置等を画像処理により検出した上でピック作業を実行することができるので、剛性が強い2つのアームA1,A3を第1搬送コンベア3側に位置させることとの相乗効果により、ピックアンドプレイス作業の信頼性をさらに向上できる。また、剛性が弱い1つのアームA2を第1搬送コンベア3側に位置させる場合に比べて、画像処理に要求される処理精度を低く抑えることが可能となる。
【0053】
また、本実施形態では特に、パラレルリンクロボット7は、ベース部23の上部に配置され、3つのアームA1,A2,A3をそれぞれ駆動する3つのモータM1,M2,M3と、ベース部23の下部に配置され、3つのモータM1,M2,M3の動力を減速して3つのアームA1,A2,A3にそれぞれ伝達する3つの減速機R1,R2,R3と、を有する。
【0054】
仮に、直結されたモータと減速機の両方をベース部23の下部に配置した場合には、モータ交換等のメンテナンスを行う際にモータ後方に所定のスペースが必要となる。このため、パラレルリンクロボット7の相互間のスペースが少ない場合にはメンテナンス作業が困難となる一方で、メンテナンスを容易とするためにパラレルリンクロボット7の相互間にスペースを確保した場合には、当該スペースがデッドスペースとなり、パラレルリンクロボットシステム1の大型化を招く。
【0055】
また仮に、直結されたモータと減速機の両方をベース部23の上部に配置した場合には、上アーム部A1U,A2U,A3Uの回転軸がベース部23の上部に位置するために、回転軸がロボットの上端に近づくこととなり、上アーム部A1U,A2U,A3Uの振り上げ高さが制限を受け、可動部25の可動範囲が制限されることとなる。また、この場合には上アーム部A1U,A2U,A3Uの可動領域を確保するためにベース部23に大きな切り欠き(例えばベース部23の外周から上アーム部の回転軸近傍に至るまでの切り欠き等)を形成することとなる。その結果、ベース部23の上部のゴミや埃等が切り欠きを介して落下し、ワークWに付着又は混入する可能性がある。特に、ワークWが食品等である場合には衛生面上好ましくない。
【0056】
本実施形態では、モータM1,M2,M3と減速機R1,R2,R3とを分離して、モータM1,M2,M3をベース部23の上部に配置し、減速機R1,R2,R3をベース部23の下部に配置する。これにより、ベース部23の上部にモータM1,M2,M3のメンテナンススペースを確保できるので、メンテナンス作業が容易となる。また、パラレルリンクロボット7の相互間にデッドスペースを設ける必要がないので、パラレルリンクロボットシステム1の大型化を招くこともない。また、上アーム部A1U,A2U,A3Uの回転軸(減速機R1,R2,R3の出力軸55)がベース部23の下部に位置するために、回転軸がロボットの上端から遠ざかり、上アーム部A1U,A2U,A3Uを振り上げ可能な高さを増大することができ、可動部25の可動範囲を拡大できる。さらに、ベース部23に上アーム部A1U,A2U,A3Uの可動領域を確保するための大きな切り欠きが不要となるため、ベース部23の上部のゴミや埃等が落下してワークWに付着又は混入することを抑制できる。したがって、作業領域の衛生環境を向上できる。
【0057】
また、本実施形態では特に、パラレルリンクロボット7は、ベース部23に形成された開口51に挿通され、モータM1,M2,M3の動力を減速機R1,R2,R3に伝達するベルト53を有する。
【0058】
これにより、ベルト伝達という簡易な構造によりモータM1,M2,M3と減速機R1,R2,R3の分離配置を実現できる。また、開口51の大きさをベルト53を挿通可能な範囲で小さくできると共に、モータケースMC1,MC2,MC3と減速機ケースRC1,RC2,RC3により密封できるので、作業領域の衛生環境を良好に維持できる。
【0059】
<2.第2実施形態>
以下、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0060】
(2−1.パラレルリンクロボットシステムの構成)
まず、
図5を参照しつつ、本実施形態に係るパラレルリンクロボットシステム1Aの構成の一例について説明する。
【0061】
図5に示すように、パラレルリンクロボットシステム1Aは、第1作業領域Z1及び第2作業領域Z2の上方に配置され、3つのアームA1,A2,A3をそれぞれ駆動する3つのモータM1,M2,M3がパラレルリンクロボット7Aごとに上部に固定された天板部61を有する。天板部61は、パラレルリンクロボット7Aごとに分割されており、各パラレルリンクロボット7Aのベース部63を兼ねている。言い換えると、3つのベース部63が一方向に並べられることで1つの天板部61を構成している。ベース部63は、アームA2の延設方向h1を長辺とし、延設方向に略垂直な幅方向h2(ワークWの搬送方向)を短辺とする略長方形状を有する。ベース部63の長辺の寸法は、第1搬送コンベア3の一方側の端部近傍から第2搬送コンベア5の他方側の端部近傍に亘る長さである。ベース部63の大きさは、各パラレルリンクロボット7Aにおける第1作業領域Z1及び第2作業領域Z2を含む可動部25の可動範囲を包含する大きさとなっている。
【0062】
複数(この例では3台)のパラレルリンクロボット7Aは、図示しない架台により、隣接するベース部63の長辺同士が隙間無く接するように配置されている。なお、各パラレルリンクロボット7Aは隣接するベース部63の長辺同士が対向するように配置されればよく、ベース部63の長辺の間に別部材(例えば架台の梁等)が介在してもよい。
【0063】
ロボットコントローラ13Aは、前述の第1動作制御部21に加えて、第2動作制御部65を有する。第2動作制御部65は、各パラレルリンクロボット7Aに対し、上アーム部A1U,A2U,A3Uの先端が天板部61(ベース部63)に接触しないように、3つのアームA1,A2,A3の動作をそれぞれ制御する。
【0064】
パラレルリンクロボット7Aは、前述の第1実施形態と同様に、第1搬送コンベア3により搬送されるワークWを第1作業領域Z1でピックし、第2搬送コンベア5の第2作業領域Z2にプレイスする。第1搬送コンベア3、第2搬送コンベア5、上位コントローラ11等は、前述の第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0065】
(2−2.パラレルリンクロボットの構成)
次に、
図6〜
図8を参照しつつ、本実施形態に係るパラレルリンクロボット7Aの構成の一例について説明する。
【0066】
図6に示すように、パラレルリンクロボット7Aは、ベース部63と、可動部25と、3つのアームA1,A2,A3と、3つのモータM1,M2,M3とを有する。なお、前述の第1実施形態と同様に、各モータM1,M2,M3はモータケースMC1,MC2,MC3にそれぞれ収容されており(
図4参照)、
図5及び
図6では当該モータケースMC1,MC2,MC3を図示している。
【0067】
3つのモータM1,M2,M3(モータケースMC1,MC2,MC3)は、ベース部63の上部に配置され、それぞれアームA1,A2,A3を駆動する。
図7に示すように、ベース部63は、この例では略長方形状に形成されており、各アームA1,A2,A3の上アーム部A1U,A2U,A3Uを水平にした状態よりも大きな平面寸法を有している。このため、
図8に示すように、各アームA1,A2,A3は、上アーム部A1U,A2U,A3Uを最も振り上げた際に先端が天板部61から所定距離Dだけ離間するように(すなわち先端が天板部61に接触しないように)、第2動作制御部65により動作を制御される。なお、ベース部63の形状は長方形に限らず、例えば正方形や六角形、台形等の形状でもよい。
【0068】
図7に示すように、アームA1,A2,A3は、前述の第1実施形態と同様に、上アーム部A1U,A2U,A3Uの中心軸AX周りの円周方向の角度間隔の1つが120°よりも小さく、他の2つの角度間隔が互いに等しい角度となるように配置されている。例えば、アームA1とアームA2との間が140°、アームA2とアームA3との間が上記と同じ140°、アームA3とアームA1との間が80°となっている。
【0069】
なお、各アームA1,A2,A3の構成、モータM1,M2,M3の動力を減速機R1,R2,R3にそれぞれ伝達する動力伝達機構T1,T2,T3の構成等は、前述の第1実施形態と同様であるので説明を省略する(
図4)。
【0070】
(2−3.第2実施形態の効果)
以上説明したように、パラレルリンクロボットシステム1Aは、第1作業領域Z1及び第2作業領域Z2の上方に配置され、3つのアームA1,A2,A3をそれぞれ駆動する3つのモータM1,M2,M3がパラレルリンクロボット7Aごとに上部に固定された天板部61をさらに有し、天板部61は、パラレルリンクロボット7Aのベース部63を兼ねている。
【0071】
本実施形態では、天板部61により、ピックアンドプレイス作業が行われる下方空間と、モータM1,M2,M3(モータケースMC1,MC2,MC3)が配置される上方空間とを区画することができる。これにより、天板部61の上方空間のゴミや埃等が下方空間に落下してワークWに付着又は混入することを抑制でき、ピックアンドプレイスの作業領域の衛生環境を向上できる。また、天板部61がパラレルリンクロボット7Aのベース部63を兼ねるため、部品数が増大するのを抑制できる。
【0072】
また、本実施形態では特に、天板部61は、パラレルリンクロボット7Aごとに分割され、分割されたベース部63は、アームA2の延設方向h1の辺を長辺とし、延設方向h1に略垂直な幅方向h2の辺を短辺とする略長方形状を有する。これにより、複数のパラレルリンクロボット7Aを幅寸法が低減される方向である幅方向h2に沿って並べて配置する場合に、長方形状のベース部63を長辺が隣接するように組み合わせることで、配置の向きや位置決めを容易に行うことが可能となり、作業性を向上できる。
【0073】
また、本実施形態では特に、パラレルリンクロボットシステム1Aは、上アーム部A1U,A2U,A3Uの先端が天板部61に接触しないように3つのアームA1,A2,A3の動作を制御する第2動作制御部65をさらに有する。これにより、天板部61に上アーム部A1U,A2U,A3Uの可動領域を確保するための切り欠き部(前述の第1実施形態における切り欠き部27,29,31等)が不要となるため、天板部61による上方空間と下方空間の区画機能を高めることができる。その結果、ピックアンドプレイスの作業領域の衛生環境をさらに向上できる。
【0074】
<3.変形例>
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0075】
例えば、以上では、パラレルリンクロボット7(7A)のアームA1,A2,A3の中心軸AX周りの円周方向の角度間隔が、アームA1,A3間は80°、アームA1,A2間及びアームA2,A3間は共に140°となっている場合について説明した。但し、モータM1,M2,M3と減速機R1,R2,R3とをベース部23(63)の上下に分離配置してメンテナンス性の向上と可動範囲の拡大の両立を図る上では、必ずしもアームA1,A2,A3の角度間隔を上記角度とする必要はなく、例えば等間隔(120°)としてもよい。
【0076】
図9に、この場合におけるパラレルリンクロボット7Bの構成の一例を示す。
図9に示すように、パラレルリンクロボット7Bでは、アームA1,A2,A3は、上アーム部A1U,A2U,A3Uの中心軸AX周りの円周方向の角度間隔がそれぞれ120°となるように配置されている。また、切り欠き部27,29,31は、ベース部23における等間隔に配置された各アームA1,A2,A3に対応する位置にそれぞれ形成されている。また、この例では、モータM1,M2,M3(モータケースMC1,MC2,MC3)は、対応するアームA1,A2,A3の円周方向一方側に向きを揃えて配置されている。なお、上記以外の構成については、前述の第1実施形態と同様である。本変形例のパラレルリンクロボット7Bを有するパラレルリンクロボットシステムにおいても、メンテナンス性の向上と可動範囲の拡大を両立することができる。
【0077】
また同様に、ピックアンドプレイス作業が行われる下方空間と、モータM1,M2,M3(モータケースMC1,MC2,MC3)が配置される上方空間とを区画する天板部61(ベース部63)を設けることにより、天板部61の上方空間のゴミや埃等が下方空間に落下してワークWに付着又は混入することを抑制する上では、必ずしもアームA1,A2,A3の角度間隔を上記角度(80°、140°、140°)とする必要はなく、例えば等間隔(120°)としてもよい。
【0078】
図10に、この場合におけるパラレルリンクロボット7Cの構成の一例を示す。
図10に示すように、パラレルリンクロボット7Cでは、アームA1,A2,A3は、上アーム部A1U,A2U,A3Uの中心軸AX周りの円周方向の角度間隔がそれぞれ120°となるように配置されている。また、この例では、モータM1,M2,M3(モータケースMC1,MC2,MC3)は、対応するアームA1,A2,A3の円周方向一方側に向きを揃えて配置されている。なお、上記以外の構成については、前述の第2実施形態と同様である。本変形例のパラレルリンクロボット7Cを有するパラレルリンクロボットシステムにおいても、天板部61(ベース部63)の上方空間のゴミや埃等が下方空間に落下してワークWに付着又は混入することを抑制して、ピックアンドプレイスの作業領域の衛生環境を向上することができる。
【0079】
また、変形例として、例えばアームA2単体の剛性を2つのアームA1,A3の各々単体の剛性よりも高くなるように構成してもよい。
図11に、この場合におけるパラレルリンクロボット7Dの構成の一例を示す。
図11に示すように、アームA2の上アーム部A2Uは、例えばアームA1,A3の上アーム部A1U,A3Uよりも太くすることによって剛性が高くなっている。同様に、図示は省略するが、アームA2の下アーム部A2Lは、例えばアームA1,A3の下アーム部A1L,A3Lよりも太くすることによって剛性が高くなっている。なお、太さでなく例えば材料を変更することによって剛性を高くしてもよい。さらに、アームA2の関節部(球面軸受35b,37b)についても、例えば剛性の高い軸受等を使用することにより、アームA1,A3の関節部(球面軸受35a,37a及び球面軸受35c,37c)よりも剛性が高くなっている。なお、剛性の高いアームA2を駆動するモータM2として、他のモータM1,M3よりも出力(トルク、回転数)の大きなモータを使用してもよい。このような構成とすることで、3つのアームA1,A2,A3の剛性のアンバランスを減少させることができ、プレイス作業をより、安定的に実行することが可能となる。
【0080】
<4.コントローラのハードウェア構成例>
次に、
図12を参照しつつ、上記で説明したCPU901が実行するプログラムにより実装された第1動作制御部21、第2動作制御部65等による処理を実現するロボットコントローラ13,13Aのハードウェア構成例について説明する。なお、
図12中では、モータM1,M2,M3に駆動電力を給電する機能に係る構成を適宜省略して図示している。また、上位コントローラ11を同様のハードウェア構成としてもよい。
【0081】
図12に示すように、ロボットコントローラ13,13Aは、例えば、CPU901と、ROM903と、RAM905と、ASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路907と、入力装置913と、出力装置915と、記録装置917と、ドライブ919と、接続ポート921と、通信装置923とを有する。これらの構成は、バス909や入出力インターフェース911を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0082】
プログラムは、例えば、ROM903やRAM905、例えばハードディスク等により構成される記録装置917等に記録しておくことができる。
【0083】
また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD・MOディスク・DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体925に、一時的又は非一時的(永続的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体925は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体925に記録されたプログラムは、ドライブ919により読み出されて、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0084】
また、プログラムは、例えば、ダウンロードサイト・他のコンピュータ・他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置923がこのプログラムを受信する。そして、通信装置923が受信したプログラムは、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0085】
また、プログラムは、例えば、適宜の外部接続機器927に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、適宜の接続ポート921を介し転送され、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0086】
そして、CPU901が、上記記録装置917に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、上記の第1動作制御部21や第2動作制御部65等による処理が実現される。この際、CPU901は、例えば、上記記録装置917からプログラムを直接読み出して実行してもよいし、RAM905に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU901は、例えば、プログラムを通信装置923やドライブ919、接続ポート921を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置917に記録せずに直接実行してもよい。
【0087】
また、CPU901は、必要に応じて、例えばマウス・キーボード・マイク(図示せず)等の入力装置913から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0088】
そして、CPU901は、上記の処理を実行した結果を、例えば表示装置や音声出力装置等の出力装置915から出力してもよく、さらにCPU901は、必要に応じてこの処理結果を通信装置923や接続ポート921を介し送信してもよく、上記記録装置917や記録媒体925に記録させてもよい。
【0089】
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
【0090】
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさ、形状、位置等が「同一」「同じ」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「同じ」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に同じ」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0091】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。