特許第6971454号(P6971454)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971454
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】検出弁付きシリンダ装置
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/28 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   F15B15/28 B
   F15B15/28 L
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-218546(P2017-218546)
(22)【出願日】2017年11月13日
(65)【公開番号】特開2019-90453(P2019-90453A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2020年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】391003989
【氏名又は名称】株式会社コスメック
(72)【発明者】
【氏名】米澤 慶多朗
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−042966(JP,A)
【文献】 特開2014−159868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/00−15/28
B23Q 3/00−3/154
B23Q 3/16−3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(1)内に形成されたシリンダ孔(2)に軸方向に移動可能に挿入される出力部材(5)と、
検出用の圧力流体が供給されるように前記ハウジング(1)に形成される流路(20,40)と、
前記出力部材(5)によって前記流路(20,40)を開閉させる検出弁(25,45)であって、前記流路(20,40)に設けられる検出弁(25,45)と、を備え、
前記流路(20,40)は、
前記ハウジング(1)内に形成される供給路(21,41)と、
前記供給路(21,41)に連通されるように前記検出弁(25,45)内に形成される弁孔(26,46)と、
前記弁孔(26,46)に連通されるように前記シリンダ孔(2)と前記出力部材(5)との間に形成される排出路(23,43)と、を備え
前記検出弁(25,45)は、
前記弁孔(26,46)の内周壁に形成される仕切り面(29a,49a)と、
前記弁孔(26,46)内に進退可能に挿入される弁部材(31,51)であって、前記弁孔(26,46)内に設けられる付勢手段(33,53)によって前記出力部材(5)に向けて付勢される弁部材(31,51)と、
前記弁部材(31,51)の外周壁に形成される閉じ面(31a,51a)と、を備え、
前記閉じ面(31a,51a)が前記仕切り面(29a,49a)に対面する位置へ前記出力部材(5)が前記弁部材(31,51)を移動させるときに、前記検出弁(25,45)が閉弁され、
前記閉じ面(31a,51a)が前記仕切り面(29a,49a)に対面する位置から前記付勢手段(33,53)が当該弁部材(31,51)を離間させるときに、前記検出弁(25,45)が開弁される、
ことを特徴とする検出弁付きシリンダ装置。
【請求項2】
請求項1の検出弁付きシリンダ装置において、
前記出力部材(5)の外周壁に操作部(55)と凹部(56)とが軸方向に並べられるように形成され、
前記出力部材(5)が軸方向のリリース位置からロック側限界位置まで移動可能となっており、前記リリース位置と前記ロック側限界位置との間の所定位置にロック位置が設定され、
前記出力部材(5)が前記リリース位置から前記ロック位置直前まで移動されるときに、前記操作部(55)が前記弁部材(51)を操作して前記検出弁(45)が開弁状態または閉弁状態に維持されており、
前記出力部材(5)が前記ロック位置に移動されたときに、前記凹部(56)に前記弁部材(51)が挿入されて前記検出弁(45)が前記開弁状態から閉弁状態に切換えられ、または、前記閉弁状態から開弁状態に切換えられ、
前記出力部材(5)が前記ロック位置から前記ロック側限界位置に向けて所定距離を越えて移動されたときに、前記凹部(56)のロック側に形成される異常検出用のカム部(57)が前記弁部材(51)を操作して前記検出弁(45)が前記閉弁状態から開弁状態に切換えられ、または、前記開弁状態から閉弁状態に切換えられる、
ことを特徴とする検出弁付きシリンダ装置。
【請求項3】
請求項1または2の検出弁付きシリンダ装置において、
複数の前記検出弁(25),(45)が前記ハウジング(1)の胴部(1b)に周方向に間隔をあけて設けられる、
ことを特徴とする検出弁付きシリンダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検出弁を備えるシリンダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の検出弁付きシリンダ装置には、従来では、特許文献1(日本国・特開昭60−129410号公報)に記載されたものがある。その従来技術は、次のように構成されている。
ハウジング内にピストンが左右方向へ移動可能に挿入される。そのピストンの右側に作動室が形成される。ハウジングの右壁内に検出エア用の流路が形成される。その流路の途中部に検出弁が設けられる。また、流路は、入口側に形成される供給路と、検出弁内に形成される弁孔と、出口側に形成される排出路とを有する。その弁孔内に検出部材が封止部材を介して保密状で左右方向へ移動可能に挿入される。その検出部材がピストンに当接可能となるようにシリンダ孔内に向けて突出されている。また、弁孔の内周壁に弁座が形成され、その弁座に向けて検出部材の弁面が進出バネによって付勢されている。
そして、ピストンが検出部材から左方へ離間されているときには、進出バネが検出部材の弁面を弁座に当接させて検出弁が閉弁されている。また、ピストンが検出部材を右方へ移動させるときには、ピストンの右方への押圧力が進出バネの付勢力に抗して検出部材の弁面を弁座から離間させて検出弁が開弁される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−129410号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術は次の問題がある。
上記の供給路と弁孔と排出路とをハウジングの右壁内に設けるので、ハウジングの寸法が大きくなる。このため、上記のシリンダ装置の全体寸法が大きくなる。
本発明の目的は、コンパクトな検出弁付きシリンダ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、例えば、5Aから図6B図7Aおよび図7B図8Aおよび図8Bに示すように、検出弁付きシリンダ装置を次のように構成した。
ハウジング1内に形成されたシリンダ孔2に、出力部材5が軸方向に移動可能に挿入される。前記ハウジング1に形成される流路20,40に、検出用の圧力流体が供給される。前記出力部材5によって前記流路20,40を開閉させる検出弁25,45が、前記流路20,40に設けられる。前記流路20,40は、供給路21,41と、弁孔26,46と、排出路23,43とを有する。供給路21,41は、前記ハウジング1内に形成される。前記検出弁25,45内に形成される弁孔26,46は、前記供給路20,40に連通される。前記シリンダ孔2と前記出力部材5との間に形成される排出路23,43が、前記弁孔26,46に連通される。前記検出弁25,45は、仕切り面29a,49aと弁部材31,51と閉じ面31a,51aとを有する。前記弁孔26,46の内周壁に仕切り面29a,49aが形成される。前記弁孔26,46内に進退可能に挿入される弁部材31,51が、前記弁孔26,46内に設けられる付勢手段33,53によって前記出力部材5に向けて付勢される。前記弁部材31,51の外周壁に閉じ面31a,51aが形成される。そして、前記閉じ面31a,51aが前記仕切り面29a,49aに対面する位置へ前記出力部材5が前記弁部材31,51を移動させるときに、前記検出弁25,45が閉弁される。前記閉じ面31a,51aが前記仕切り面29a,49aに対面する位置から前記付勢手段33,53が前記弁部材31,51を離間させるときに、前記検出弁25,45が開弁される。
【0006】
上記の本発明は次の作用効果を奏する。
本発明では、前記出力部材が先端側限界位置や基端側限界位置等の所定位置へ移動したとき、または所定位置から移動したときに、その出力部材が検出弁を開弁させる。すると、供給路を通って検出弁の弁孔に供給される検出用流体が、開弁隙間とシリンダ孔内の排出路を通って外部へ排出される。このため、供給路の圧力が変化し、その圧力変化を圧力スイッチ等のセンサで検出することにより、シリンダ装置の作動状態を検知できる。従って、従来技術のように、排出路がハウジングの周壁内に設けられる場合に比べて、本発明では、検出用流体の排出路をシリンダ孔内に設けるので、検出弁付きシリンダ装置をコンパクトに造ることができる。
【0007】
本発明は、下記(1)又は(2)の構成を加えることが好ましい
【0010】
(1)例えば、5Aから図6B図7Aおよび図7B図8Aおよび図8Bに示すように、前記出力部材5の外周壁に操作部55と凹部56とが軸方向に並べられるように形成される。前記出力部材5が軸方向のリリース位置からロック側限界位置まで移動可能となっている。前記リリース位置と前記ロック側限界位置との間の所定位置にロック位置が設定される。前記出力部材5が前記リリース位置から前記ロック位置直前まで移動されるときに、前記操作部55が前記弁部材51を操作して前記検出弁45が開弁状態または閉弁状態に維持される。前記出力部材5が前記ロック位置に移動されたときに、前記凹部56に前記弁部材51が挿入されて前記検出弁45が前記開弁状態から閉弁状態に切換えられ、または、前記閉弁状態から開弁状態に切換えられる。前記出力部材5が前記ロック位置から前記ロック側限界位置に向けて所定距離を越えて移動されたときに、前記凹部56のロック側に形成される異常検出用のカム部57が前記弁部材51を操作して前記検出弁45が前記閉弁状態から開弁状態に切換えられ、または、前記開弁状態から閉弁状態に切換えられる。
この場合、前記出力部材が前記ロック位置から前記ロック側限界位置に向けて所定距離を越えて移動されたことが検出弁によって確実に検出される。
【0011】
(2)例えば、5Aから図6B図7Aおよび図7B図8Aおよび図8Bに示すように、複数の前記検出弁25,45が前記ハウジング1の胴部1bに周方向に間隔をあけて設けられる。
この場合、複数の前記検出弁によって出力部材の作動状態を確実に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1Aは、参考の第1実施形態を示し、検出弁付きシリンダ装置のリリース状態を示す立面視の断面図である。図1Bは、図1A中の1B−1B線の矢視図に相当する図である。
図2図2Aは、上記の検出弁付きシリンダ装置のロック状態を示す立面視の断面図であり、図1Aに類似する図である。図2Bは、上記の検出弁付きシリンダ装置の異常状態を示し、図2Aに類似する図である。
図3図3は、参考の第2実施形態を示す図である。図3Aは、検出弁付きシリンダ装置のリリース状態を示す図であり、図1Aに類似する図である。図3Bは、図3A中の3B−3B線の矢視図に相当する図である。
図4図4Aは、検出弁付きシリンダ装置のロック状態を示す図であり、図2Aに類似する図である。図4Bは、検出弁付きシリンダ装置の異常状態を示す図であり、図2Bに類似する図である。
図5図5は、本発明の第3実施形態を示す図である。図5Aは、検出弁付きシリンダ装置のロック状態を示す図であり、図2Aに類似する図である。図5Bは、図5A中の5B−5B線の矢視図に相当する図である。
図6図6Aは、図5B中の6Aに示す部分の拡大図であり、上記シリンダ装置の第1検出弁の閉弁状態を示す図である。図6Bは、上記第1検出弁の開弁状態を示す図である。
図7図7は、第3実施形態の第1変形例を示す部分拡大図である。図7Aは、図6Aに類似する図である。図7Bは、図6Bに類似する図である。
図8図8は、第3実施形態の第2変形例を示す部分拡大図である。図8Aは、図6Aに類似する図である。図8Bは、図6Bに類似する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、参考の実施形態を図1Aから図2B,図3Aから図4B図5Aから図6B図7Aおよび図7B図8Aおよび図8Bによって説明する。
図1Aから図2Bは、参考の第1実施形態を示している。
固定台としてのテーブルTにハウジング1が取り付けられ、そのハウジング1内にシリンダ孔2が形成される。そのハウジング1は、下側から順に形成される下壁1a(基端壁)と筒状の胴部1bと上壁1c(先端壁)とを有する。
【0014】
図1Aに示すように、上記のシリンダ孔2に出力部材5が上下方向へ移動可能に挿入される。その出力部材5が、下側から順に形成されるピストン本体6と操作ロッド7と出力ロッド8とを有する。ピストン本体6がシリンダ孔2に保密状に挿入される。そのピストン本体6の上側に設けられる操作ロッド7が、シリンダ孔2内に挿入される。その操作ロッド7から上方へ突設される出力ロッド8が、ハウジング1の上壁1cに挿入される。
なお、この実施形態では、上記ピストン本体6と操作ロッド7と出力ロッド8とを一体に形成しているが、これら3つの部材を、それぞれ、別体に形成してもよい。
【0015】
上記ピストン本体6と下壁1aとの間に作動室11が形成され、その作動室11に圧油(圧力流体)が供給および排出される。その作動室11は、給排路12を介して圧油の供給源(図示せず)へ連通される。また、操作ロッド7と上壁1cとの間にバネ室13が形成される。そのバネ室13は、ハウジング1の胴部1bに形成される呼吸孔14によって外部に連通される。そのバネ室13に装着されるリリースバネ15が、出力部材5を下方へ付勢している。
【0016】
図1Bに示すように、操作ロッド7の外周壁に案内溝16が上下方向に形成される。また、ハウジング1の胴部1bの周壁からピン17が操作ロッド7に向けて突設され、そのピン17が案内溝16に挿入される。このため、出力部材5がハウジング1内で上下方向へ移動可能に回り止めされる。
【0017】
図1Aに示すように、ハウジング1内に第1流路(流路)20が設けられる。その第1流路20は、第1供給路(供給路)21と(後述する)第1弁孔(弁孔)26と第1排出路(排出路)23とを有する。その第1供給路21が、前記ハウジング1の胴部1bに形成されている。また、ハウジング1の胴部1bに半径方向に形成される第1装着孔24に第1検出弁25が装着される。その第1検出弁(検出弁)25内に形成される第1弁孔26に第1供給路21が連通される。その第1弁孔26は、操作ロッド7の外周壁に形成される第1排出溝9と、バネ室13と、呼吸孔14とを通ってハウジング1の外部へ連通される。
なお、本実施形態において、第1排出路(排出路)23は、第1排出溝9とバネ室13と呼吸孔14とによって構成される。
【0018】
また、前記ハウジング1内に第2流路(流路)40が設けられる。前記ハウジング1の胴部1bに第2流路40の第2供給路(供給路)41が形成される。ハウジング1の胴部1bに半径方向に形成される第2装着孔44に第2検出弁(検出弁)45が装着される。第2検出弁45内に形成される第2弁孔(弁孔)46に第2供給路41が連通される。その第2弁孔46は、操作ロッド7の外周壁に形成される第2排出溝10と、バネ室13と、呼吸孔14とを通ってハウジング1の外部へ連通される。
なお、本実施形態において、第2排出路(排出路)43は、第2排出溝10とバネ室13と呼吸孔14とによって構成される。
【0019】
上記第1検出弁25および第2検出弁45は、主として図1Aに示すように、ハウジング1の胴部1bの同じ高さ位置に周方向へ所定の間隔をあけて設けられている。その第1検出弁25が、次のように構成されている。
前記ハウジング1の第1装着孔24に第1検出弁25の筒状の第1弁ケース27が装着される。その第1弁ケース27の筒壁に第1連通路28が形成され、第1供給路21が第1連通路28と第1弁ケース27の筒孔29とを通ってシリンダ孔2に連通されている。その筒孔29の内周壁にテーパ状の第1弁座(弁座)30が形成される。その筒孔29内に、弁部材としての第1係合ボール31が左右方向に移動可能に挿入される。その第1係合ボール31の左側面に第1弁面(弁面)32が形成され、その第1弁面32が第1弁座30に当接可能となっている。筒孔29内に装着される第1閉弁バネ(付勢手段)33が第1係合ボール31を第1弁座30に向けて左方へ付勢している。
なお、本実施形態において、第1弁孔26は、第1連通路28と第1弁ケース27の筒孔29とによって構成される。
【0020】
前記の第1係合ボール31の左端面に第1被操作部34が形成される。第1係合ボール31が左方へ移動されたときに、第1被操作部34がシリンダ孔2の内周面からハウジング1の軸心に向けて突出される。また、その第1被操作部34は、操作ロッド7の外周壁(本実施形態においては、第1排出溝9の底壁)に形成される第1操作部35に当接可能となっていると共に、その第1操作部35の上側であって操作ロッド7の外周壁に形成される第1凹部36に挿入可能となっている。
そして、その第1被操作部34が第1操作部35に当接されるときに、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30から離間されて第1検出弁25が開弁される。また、第1被操作部34が第1凹部36内に挿入されるときに、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30に当接されて第1検出弁25が閉弁される。
【0021】
上記第2検出弁45は、次のように構成されている。
前記ハウジング1の第2装着孔44に第2検出弁45の筒状の第2弁ケース47が装着される。その第2弁ケース47の筒壁に第2連通路48が形成され、第2供給路41が第2連通路48と第2弁ケース47の筒孔49とを通ってシリンダ孔2に連通されている。その筒孔49の内周壁にテーパ状の第2弁座(弁座)50が形成される。その筒孔49内に、弁部材としての第2係合ボール51が左右方向に移動可能に挿入される。その第2係合ボール51の右側面に第2弁面(弁面)52が形成され、その第2弁面52が第2弁座50に当接可能となっている。筒孔49内に装着される第2閉弁バネ(付勢手段)53が第2係合ボール51を第2弁座50に向けて右方へ付勢している。
なお、本実施形態において、第2弁孔46は、第2連通路48と第2弁ケース47の筒孔49とによって構成される。
【0022】
前記の第2係合ボール51の右端面に第2被操作部54が形成される。第2係合ボール51が右方へ移動されるときに、第2被操作部54がシリンダ孔2の内周面からハウジング1の軸心に向けて突出される。また、その第2被操作部54は、操作ロッド7の外周壁(本実施形態においては、第2排出溝10の底壁)に形成される第2操作部55に当接可能となっていると共に、その第2操作部55の下側であって操作ロッド7の外周壁に形成される第1凹部56に挿入可能となっている。
そして、その第2被操作部54が第2操作部55に当接されるときに、第2係合ボール51の第2弁面52が第2弁座50から離間されて第2検出弁45が開弁される。また、第2被操作部54が第2凹部56に挿入されるときに、第2係合ボール51の第2弁面52が第2弁座50に当接されて第2検出弁45が閉弁される。
【0023】
上記の検出弁付きシリンダ装置は、図1Aから図2Bに示すように、次のように作動する。
図1Aに示す検出弁付きシリンダ装置のリリース状態では、作動室11から圧油が排出されており、リリースバネ15が出力部材5を下限位置へ移動させている。このとき、第1検出弁25の第1係合ボール31が出力部材5の第1凹部36に挿入され、第1検出弁25が閉弁されている。また、第2検出弁45の第2係合ボール51が出力部材5の第2操作部55に当接され、第2検出弁45が開弁されている。
上記のリリース状態で、シリンダ装置の出力ロッド8の上方からワーク60が搬入され、テーブルTから上方に突設される支持ピン61上に載置される。
【0024】
上記の検出弁付きシリンダ装置を図1Aに示すリリース状態から図2Aに示すロック状態へロック駆動するときには、作動室11に圧油を供給する。すると、作動室11の圧油が出力部材5のピストン本体6をリリースバネ15の下方への付勢力に抗して下限位置(リリース位置)から上限位置(ロック側限界位置)に向けて上方へ移動させていく。このとき、第1凹部36の周壁が第1検出弁25の第1係合ボール31を右方へ開弁移動させていく。これにより、第1弁孔26内の圧力が所定圧力よりも下降する。その結果、その下降圧力を圧力スイッチ(図示せず)で検出することにより、出力部材5が下限位置から上方へ移動されたことが検出される。
そして、出力ロッド8の上端面8aがワーク60の下面60aを押していくと、出力ロッド8がワーク60を所定高さ位置(ロック位置)に移動させて停止される。このとき、第2検出弁45の第2係合ボール51が出力部材5の第2凹部56に挿入される。このため、第2係合ボール51の第2弁面52が第2弁座50に当接され、第2検出弁45が閉弁される。これにより、第2弁孔46内の圧力が所定圧力よりも上昇する。その結果、その上昇圧力を圧力スイッチ(図示せず)で検出することにより、出力部材5が所定高さ位置に移動されたことが検出される。
【0025】
上記の検出弁付きシリンダ装置を図2Aに示すロック状態から図1Aに示すリリース状態へリリース駆動するときには、作動室11の圧油を排出する。すると、リリースバネ15が出力部材5のピストン本体6を下方へ移動させていく。このとき、第2凹部56の周壁が第2検出弁45の第2係合ボール51を左方へ開弁移動させていく。これにより、第2弁孔46内の圧力が所定圧力よりも下降する。その結果、その下降圧力を圧力スイッチで検出することにより、出力部材5が所定高さ位置から下方へ移動されたことが検出される。
そして、ピストン本体6の下端面がハウジング1の下壁1aに受け止められる直前に、第1検出弁25の第1係合ボール31が出力部材5の第1凹部36に挿入される。すると、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30に当接されて、第1検出弁25が閉弁される。これにより、第1弁孔26内の圧力が所定圧力よりも上昇する。その結果、その上昇圧力を圧力スイッチで検出することにより、出力部材5が下限位置に移動されたことが検出される。
【0026】
上記シリンダ装置は、異常状態で、例えば、ワーク60が未搬入である状態、または、ワーク60が所定寸法よりも小さいことにより出力部材がロック位置を越えて過剰に移動可能な状態で、次のように作動する。
上記の異常状態でクランプ装置をロック駆動(空クランプ)させると、作動室11の圧油が出力部材5をリリースバネ15の付勢力に抗して、図1Aのリリース位置から図2Aに示す所定高さ位置(ロック位置)を越えて上限位置(ロック側限界位置)に向けて上方へ移動されていく。すると、図2Bに示すように、操作ロッド7の上端部が上壁1cに受け止められる。このとき、第2凹部56の下側に形成される異常検出用のカム部57によって第2係合ボール51が左方へ移動される。このため、第2係合ボール51の第2弁面52が第2弁座50から左方へ離間され、第2検出弁45が開弁される。これにより、第2弁孔46内の圧力が所定圧力によりも下降して、その下降圧力が圧力スイッチによって検出される。また、このとき、第1検出弁25も開弁状態に維持されている。その結果、シリンダ装置の出力部材5がロック位置およびリリース位置以外の位置で停止している状態(異常状態)であることが確認される。
【0027】
上記の第1実施形態は次の長所を奏する。
第1排出路23の一部および第2排出路43の一部がシリンダ孔2内に形成される。このため、上記の従来技術のように、排出路がハウジングの周壁内に設けられる場合に比べて、本実施形態では、第1排出路23および第2排出路43を簡素に造ることができる。従って、検出弁付きシリンダ装置をコンパクトかつ安価に造ることができる。
【0028】
図3Aから図4B,図5Aから図6B図7Aおよび図7B図8Aおよび図8Bは、参考の第2実施形態,本発明の第3実施形態および第3実施形態の変形例を示している。この第2実施形態,第3実施形態および第3実施形態の変形例においては、上記の第1実施形態の構成部材と同じ部材(または類似する部材)には原則として同一の参照数字を付けて説明する。
【0029】
図3Aから図4Bに示す第2実施形態が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。
図3Aに示すように、ハウジング1内に形成されるシリンダ孔2に出力部材5が上下方向へ移動可能に挿入される。その出力部材5が、下側から順に形成されるピストン本体6と出力ロッド8とを有する。ピストン本体6がシリンダ孔2に保密状に挿入される。より詳しくいえば、ピストン本体6の外周壁に下側封止部材64と上側封止部材65とが上下に並べられるように周方向に設けられる。また、下封止部材64および上封止部材65によって上下に封止された環状隙間63が、シリンダ孔2の内周面とピストン本体6の外周面との間に形成される。その環状隙間63は、ハウジング1の胴部1bに形成される排出孔66を通ってハウジング1の外部に連通される。そのピストン本体6から上方へ突設される出力ロッド8が、ハウジング1の上壁1cに保密状に挿入される。
なお、この実施形態では、第1排出路23および第2排出路43は、環状隙間63と排出孔66とによって構成される。
【0030】
上記ピストン本体6と下壁1aとの間にロック室67が形成され、上記ピストン本体6と上壁1cとの間にリリース室68が形成される。そのロック室67に圧油(圧力流体)が給排路69を通って供給および排出される。そのリリース室68に圧油が別の給排路70を通って供給および排出される。
【0031】
図3Aおよび図3Bに示すように、第1検出弁25の筒状の第1弁ケース27が、ハウジング1の第1装着孔24に半径方向へ調節可能に螺合されて、その第1弁ケース27の右端部にロックナット71が取り付けられている。
また、第2検出弁45の筒状の第2弁ケース47が、ハウジング1の第2装着孔44に半径方向へ調節可能に螺合されて、その第2弁ケース47の左端部にロックナット72が取り付けられている。
【0032】
前記の出力部材5のピストン本体6の外周壁に第1操作部35が形成される。その第1操作部35の上側であってピストン本体6の外周壁に第1凹部36が形成され、その第1操作部35の下側に異常検出用の凹部73が形成される。第1検出弁25の第1被操作部34は、ピストン本体6の外周壁に形成される第1操作部35に当接可能となっていると共に、第1凹部36と異常検出用の凹部73とに挿入可能となっている。
そして、その第1被操作部34が第1操作部35に当接されるときに、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30から離間されて第1検出弁25が開弁される。また、第1被操作部34が第1凹部36または異常検出用の凹部73に挿入されるときに、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30に当接されて第1検出弁25が閉弁される。
【0033】
上記の検出弁付きシリンダ装置は、図3Aから図4Bに示すように、次のように作動する。
図3Aに示す検出弁付きシリンダ装置のリリース状態では、ロック室67から圧油が排出されると共に、リリース室68に圧油が供給されている。このため、リリース室68の圧油が出力部材5を下限位置へ移動させている。このとき、第1検出弁25の第1係合ボール31が出力部材5の第1凹部36に挿入され、第1検出弁25が閉弁されている。また、第2検出弁45の第2係合ボール51が出力部材5の第2操作部55に当接され、第2検出弁45が開弁されている。
上記のリリース状態で、シリンダ装置の出力ロッド8の上方からワーク60が搬入され、テーブルTから上方に突設される支持ピン61上に載置される。
【0034】
上記の検出弁付きシリンダ装置を図3Aに示すリリース状態から図4Aに示すロック状態へロック駆動するときには、リリース室68から圧油を排出すると共に、ロック室67に圧油を供給する。すると、ロック室67の圧油が出力部材5のピストン本体6を下限位置(リリース位置)から上限位置(ロック側限界位置)に向けて上方へ移動させていく。すると、第1凹部36の周壁が第1検出弁25の第1係合ボール31を右方へ開弁移動させていく。これにより、第1弁孔26内の圧力が所定圧力よりも下降する。その結果、その下降圧力を圧力スイッチ(図示せず)で検出することにより、出力部材5がリリース位置(下限位置)から上方へ移動されたことが検出される。
次いで、図4Aに示すように、出力ロッド8の上端面8aがワーク60の下面60aを上方へ押して、出力ロッド8がワーク60を所定高さ位置(ロック位置)へ移動させたときに、第2検出弁45の第2係合ボール51が出力部材5の第2凹部56に挿入される。このとき、第2係合ボール51の第2弁面52が第2弁座50に当接されて、第2検出弁45が閉弁される。これにより、第2弁孔46内の圧力が所定圧力よりも上昇する。その結果、その上昇圧力を圧力スイッチ(図示せず)で検出することにより、出力部材5が所定高さ位置に移動されたことが検出される。
【0035】
上記の検出弁付きシリンダ装置を図4Aに示すロック状態から図3Aに示すリリース状態へリリース駆動するときには、ロック室67から圧油を排出すると共に、リリース室68に圧油を供給する。すると、リリース室68の圧油がピストン本体6を下方へ移動させていく。すると、第2凹部56の周壁が第2検出弁45の第2係合ボール51を左方へ開弁移動させていく。これにより、第2弁孔46内の圧力が所定圧力よりも下降する。その結果、その下降圧力を圧力スイッチ(図示せず)で検出することにより、出力部材5が所定高さ位置から下方へ移動されたことが検出される。
次いで、ピストン本体6の下端面がハウジング1の下壁1aに受け止められる直前に、第1検出弁25の第1係合ボール31が出力部材5の第1凹部36に挿入される。すると、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30に当接されて、第1検出弁25が閉弁される。これにより、第1弁孔26内の圧力が所定圧力よりも上昇する。その結果、その上昇圧力を圧力スイッチで検出することにより、出力部材5が下限位置に移動されたことが検出される。
【0036】
上記シリンダ装置は、異常状態、例えば、ワーク60が未搬入である状態、または、ワーク60が所定寸法よりも小さいことにより出力部材がロック位置を越えて過剰に移動可能な状態で、次のように作動する。
上記の異常状態でクランプ装置をロック駆動(空クランプ)させるときには、リリース室68から圧油が排出されると共に、ロック室67に圧油が供給される。すると、ロック室67の圧油が出力部材5を下限位置から所定高さ位置を越えて上限位置に向けて上方へ移動されていく。次いで、図4Bに示すように、ピストン本体6の上端面がハウジング1の上壁1cに受け止められる。このとき、第2検出弁45の第2係合ボール51が第2凹部56に挿入されており、第2検出弁45が閉弁されている。また、第1係合ボール31が異常検出用の凹部73に挿入され、第1検出弁25が閉弁される。これにより、シリンダ装置の出力部材5が上限位置に移動された状態(異常状態)であることが第1検出弁25と第2検出弁45とによって確認される。
【0037】
図5Aから図6Bに示す第3実施形態が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。この実施形態では、検出弁付きシリンダ装置を、ワーク60をテーブルT上に固定するクランプ装置に適用した場合を例示してある。
図5Aおよび図5Bに示すように、固定台としてのテーブルTにクランプ装置が取り付けられる。そのクランプ装置のハウジング1は、右側から順に形成される右壁1dと、筒状の胴部1eと、その胴部1eから左方へ突設される2つの支持壁1f,1fとを有する。ハウジング1の上半部分にシリンダ孔2が左右方向へ形成され、シリンダ孔2の左端部がハウジング1の左端面に開口されている。
【0038】
上記シリンダ孔2に出力部材5が左右方向へ移動可能に挿入され、その出力部材5の出力ロッド8が2つの支持壁1f,1fの間に挿入される。
【0039】
図5Aに示すように、上記ハウジング1のシリンダ孔2の下側にバネ室13が形成される。そのバネ室13がハウジング1の左端面に開口されている。バネ室13にリリースバネ15が装着される。
【0040】
本実施形態において、第1流路20の第1排出路23は、操作ロッド7の外周壁に形成される第1排出溝80と、出力ロッド8の外周面と支持壁1f,1fとの間に形成される隙間81とによって構成される。
また、第2流路40の第2排出路43は、操作ロッド7の外周壁に形成される第2排出溝82と、前記の隙間81とによって構成される。
【0041】
本実施形態の第1検出弁25は、図5Bおよび図6Aに示すように、次のように構成される。
上記第1検出弁25の第1弁ケース27に形成される筒孔29は、小径孔と大径孔とを有する。その大径孔に第1弁部材31の大径部が当該大径孔の軸方向へ進退可能に挿入されると共に、小径孔に第1弁部材31の小径部が挿入可能となっている。その大径部の外周壁に第1連通溝83が当該弁部材31の軸方向へ形成される。また、小径孔の内周壁に仕切り面29aが形成されると共に、小径部の外周壁に閉じ面31aが形成される。第1弁部材31は、小径孔に供給される検出用の圧縮エアによって下方へ付勢される。すなわち、本実施形態において、第1付勢手段33は、小径孔に供給される検出用の圧縮エアによって構成される。
上記の第1弁部材31の第1被操作部34が操作ロッド7の第1操作部35に当接されるときに、第1弁部材31の小径部が筒孔29の小径孔に挿入される。このため、第1弁部材31の閉じ面31aが筒孔29の仕切り面29aに対面する位置へ移動される。従って、第1検出弁25が閉弁されて、第1供給路21の圧縮エアが第1排出路23へ流出することが防止される。
また、図5Bに示すように、第1被操作部34が第1凹部36に挿入されるときに、第1弁部材31の小径部が筒孔29の小径孔から抜き出される。このため、第1弁部材31の閉じ面29aが筒孔29の仕切り面31aから離間されるように移動される。従って、第1検出弁25が開弁されて、第1供給路21の圧縮エアが第1排出路23へ流出する。
【0042】
本実施形態の第2検出弁45は、図5Bに示すように、次のように構成される。
上記第2検出弁45の第2弁ケース47に形成される筒孔49は、小径孔と大径孔とを有する。その大径孔に第2弁部材51の大径部が当該大径孔の軸方向へ進退可能に挿入されると共に、小径孔に第2弁部材51の小径部が挿入可能となっている。その大径部の外周壁に第2連通溝84が当該第2弁部材51の軸方向へ形成される。また、小径孔の内周壁に仕切り面49aが形成されると共に、小径部の外周壁に閉じ面51aが形成される。第2弁部材51は、小径孔に供給される検出用の圧縮エアによって右方へ付勢される。すなわち、本実施形態において、第2付勢手段53は、小径孔に供給される検出用の圧縮エアによって構成される。上記の第2検出弁45は、第1検出弁25と同様に操作ロッド7によって操作される。
【0043】
図5Aおよび図5Bに示すように、ハウジング1の胴部1eから左方へ突設される2つの支持壁1f,1fの間に、クランプアーム87が軸部材88を中心に揺動可能となるように設けられる。クランプアーム87の右側面に係止部89が形成され、その係止部89が出力ロッド8の左端部8aに当接可能となっている。クランプアーム87の左側面に押圧面90が形成され、その押圧面90がワーク60に上方から当接可能となっている。また、クランプアーム87の下部に受部91が形成され、バネ室13内のリリースバネ15がバネ受け92と伝達部材93とを介してクランプアーム87の受部91を左方へ付勢している。
【0044】
図7Aおよび図7Bに示す第3実施形態の第1変形例の検出弁が、上記の第3実施形態の検出弁と異なる点は次の通りである。なお、本実施形態の第2検出弁45の構造は、第1検出弁25の構造と同様であり、それらの検出弁の構造を図7Aおよび図7Bに示す第1検出弁25によって説明する。
上記第1検出弁25の小径孔の内周壁に第1仕切り面29aが形成される。また、第1弁部材31が有する小径部の外周壁の上半部分に連通溝85が当該第1弁部材31の軸方向へ形成されると共に、小径部の外周壁の下半部分に閉じ面31aが形成される。大径孔に大径部が上下方向へ移動可能に挿入されると共に、小径孔に小径部が上下方向に案内される。
図7Aに示すように、第1弁部材31の第1被操作部34が操作ロッド7の第1操作部35に当接されるときに、第1弁部材31の小径部が筒孔29に挿入される方向へ移動される。このため、第1弁部材31の閉じ面31aが筒孔29の仕切り面29aに対面する位置へ移動される。従って、第1検出弁25が閉弁されて、第1供給路21の圧縮エアが第1排出路23へ流出することが防止される。
また、図7Bに示すように、第1被操作部34が第1凹部36に挿入されるときに、第1弁部材31の小径部が筒孔29から抜き出される方向へ移動される。このため、第1弁部材31の閉じ面31aが筒孔29の仕切り面29aから離間されるように移動される。従って、第1検出弁25が開弁されて、第1供給路21の圧縮エアが第1排出路23へ流出する。
【0045】
図8Aおよび図8Bに示す第3実施形態の第2変形例の検出弁が、上記の第3実施形態の検出弁と異なる点は次の通りである。なお、本実施形態の第2検出弁45の構造は、第1検出弁25の構造と同様であり、それらの検出弁の構造を図8Aおよび8Bに示す第1検出弁25によって説明する。
上記第1検出弁25の第1弁ケース27に連通路28が左右方向に形成され、その連通路28が筒孔29の内周面に開口される。その開口部分の下側に第1仕切り面29aが形成される。その筒孔29に第1弁部材31が上下方向に移動可能に挿入される。その筒孔29と第1弁部材31との間に圧縮バネ(付勢手段)33が装着され、その圧縮バネ33が第1弁部材31を操作ロッド7に向けて下方へ付勢している。その第1弁部材31の外周壁に連通溝83が形成される。その連通路83が、第1弁部材31の外周壁に周方向へ形成された溝と上下方向へ形成された溝とによって構成される。その連通溝83の上側であって第1弁部材31の外周壁に閉じ面31aが形成される。
図8Aに示すように、第1弁部材31の第1被操作部34が操作ロッド7の第1操作部35に当接されるときに、第1弁部材31の閉じ面31aが上記連通路28の開口部よりも上方へ移動される。このため、第1検出弁25が開弁されて、第1供給路21に供給される圧縮エアが連通路28と連通溝83とを通って第1排出路23へ排出される。
また、図8Bに示すように、第1被操作部34が第1凹部36に挿入されるときに、第1弁部材31の閉じ面31aが連通路28の開口部よりも下方へ移動される。このため、第1弁部材31の閉じ面31aが筒孔29の仕切り面29aに対面する。従って、第1検出弁25が閉弁されて、第1供給路21の圧縮エアが第1排出路23へ流出することが防止される。
【0046】
上記の各実施形態は次のように変更可能である。
上記の作動室11,ロック室67およびリリース室68に給排される圧力流体は、例示した圧油に代えて、他の液体または圧縮空気等の気体であってもよい。
上記出力部材5は、作動室11に供給される圧油によってロック駆動されると共にリリースバネ15によってリリース駆動されるように構成されるのに代えて、ロックバネによってロック駆動されると共に作動室に供給される圧油によってリリース駆動されるように構成されてもよい。
上記の検出弁25,45は、ハウジング1の胴部1b,1eに2つ設けられることに限られず、1つだけ,または、3つ以上設けるようにしてもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1:ハウジング,1b:胴部,2:シリンダ孔,5:出力部材,20: 流路(第1流路),21:供給路(第1供給路),23:排出路(第1排出路),25:検出弁(第1検出弁),26:弁孔(第1弁孔),29a:仕切り面(第1仕切り面),30:弁座(第1弁座),31:弁部材(第1弁部材),31a:閉じ面(第1閉じ面),33:付勢手段(第1閉弁バネ),40:流路(第2流路),41:供給路(第2供給路),43:排出路(第2排出路),45:検出弁(第2検出弁),46:弁孔(第2弁孔),49a:仕切り面(第2仕切り面),50:弁座(第2弁座),51:弁部材(第2弁部材),51a:閉じ面(第2閉じ面),53:付勢手段(第2閉弁バネ),55:操作部,56:凹部,57:異常検出用のカム部.
図1
図2
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図4
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図8