(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
参考の実施形態を
図1Aから
図2B,
図3Aから
図4B,
図5Aから
図6B,
図7Aおよび
図7B,
図8Aおよび
図8Bによって説明する。
図1Aから
図2Bは、
参考の第1実施形態を示している。
固定台としてのテーブルTにハウジング1が取り付けられ、そのハウジング1内にシリンダ孔2が形成される。そのハウジング1は、下側から順に形成される下壁1a(基端壁)と筒状の胴部1bと上壁1c(先端壁)とを有する。
【0014】
図1Aに示すように、上記のシリンダ孔2に出力部材5が上下方向へ移動可能に挿入される。その出力部材5が、下側から順に形成されるピストン本体6と操作ロッド7と出力ロッド8とを有する。ピストン本体6がシリンダ孔2に保密状に挿入される。そのピストン本体6の上側に設けられる操作ロッド7が、シリンダ孔2内に挿入される。その操作ロッド7から上方へ突設される出力ロッド8が、ハウジング1の上壁1cに挿入される。
なお、この実施形態では、上記ピストン本体6と操作ロッド7と出力ロッド8とを一体に形成しているが、これら3つの部材を、それぞれ、別体に形成してもよい。
【0015】
上記ピストン本体6と下壁1aとの間に作動室11が形成され、その作動室11に圧油(圧力流体)が供給および排出される。その作動室11は、給排路12を介して圧油の供給源(図示せず)へ連通される。また、操作ロッド7と上壁1cとの間にバネ室13が形成される。そのバネ室13は、ハウジング1の胴部1bに形成される呼吸孔14によって外部に連通される。そのバネ室13に装着されるリリースバネ15が、出力部材5を下方へ付勢している。
【0016】
図1Bに示すように、操作ロッド7の外周壁に案内溝16が上下方向に形成される。また、ハウジング1の胴部1bの周壁からピン17が操作ロッド7に向けて突設され、そのピン17が案内溝16に挿入される。このため、出力部材5がハウジング1内で上下方向へ移動可能に回り止めされる。
【0017】
図1Aに示すように、ハウジング1内に第1流路(流路)20が設けられる。その第1流路20は、第1供給路(供給路)21と(後述する)第1弁孔(弁孔)26と第1排出路(排出路)23とを有する。その第1供給路21が、前記ハウジング1の胴部1bに形成されている。また、ハウジング1の胴部1bに半径方向に形成される第1装着孔24に第1検出弁25が装着される。その第1検出弁(検出弁)25内に形成される第1弁孔26に第1供給路21が連通される。その第1弁孔26は、操作ロッド7の外周壁に形成される第1排出溝9と、バネ室13と、呼吸孔14とを通ってハウジング1の外部へ連通される。
なお、本実施形態において、第1排出路(排出路)23は、第1排出溝9とバネ室13と呼吸孔14とによって構成される。
【0018】
また、前記ハウジング1内に第2流路(流路)40が設けられる。前記ハウジング1の胴部1bに第2流路40の第2供給路(供給路)41が形成される。ハウジング1の胴部1bに半径方向に形成される第2装着孔44に第2検出弁(検出弁)45が装着される。第2検出弁45内に形成される第2弁孔(弁孔)46に第2供給路41が連通される。その第2弁孔46は、操作ロッド7の外周壁に形成される第2排出溝10と、バネ室13と、呼吸孔14とを通ってハウジング1の外部へ連通される。
なお、本実施形態において、第2排出路(排出路)43は、第2排出溝10とバネ室13と呼吸孔14とによって構成される。
【0019】
上記第1検出弁25および第2検出弁45は、主として
図1Aに示すように、ハウジング1の胴部1bの同じ高さ位置に周方向へ所定の間隔をあけて設けられている。その第1検出弁25が、次のように構成されている。
前記ハウジング1の第1装着孔24に第1検出弁25の筒状の第1弁ケース27が装着される。その第1弁ケース27の筒壁に第1連通路28が形成され、第1供給路21が第1連通路28と第1弁ケース27の筒孔29とを通ってシリンダ孔2に連通されている。その筒孔29の内周壁にテーパ状の第1弁座(弁座)30が形成される。その筒孔29内に、弁部材としての第1係合ボール31が左右方向に移動可能に挿入される。その第1係合ボール31の左側面に第1弁面(弁面)32が形成され、その第1弁面32が第1弁座30に当接可能となっている。筒孔29内に装着される第1閉弁バネ(付勢手段)33が第1係合ボール31を第1弁座30に向けて左方へ付勢している。
なお、本実施形態において、第1弁孔26は、第1連通路28と第1弁ケース27の筒孔29とによって構成される。
【0020】
前記の第1係合ボール31の左端面に第1被操作部34が形成される。第1係合ボール31が左方へ移動されたときに、第1被操作部34がシリンダ孔2の内周面からハウジング1の軸心に向けて突出される。また、その第1被操作部34は、操作ロッド7の外周壁(本実施形態においては、第1排出溝9の底壁)に形成される第1操作部35に当接可能となっていると共に、その第1操作部35の上側であって操作ロッド7の外周壁に形成される第1凹部36に挿入可能となっている。
そして、その第1被操作部34が第1操作部35に当接されるときに、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30から離間されて第1検出弁25が開弁される。また、第1被操作部34が第1凹部36内に挿入されるときに、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30に当接されて第1検出弁25が閉弁される。
【0021】
上記第2検出弁45は、次のように構成されている。
前記ハウジング1の第2装着孔44に第2検出弁45の筒状の第2弁ケース47が装着される。その第2弁ケース47の筒壁に第2連通路48が形成され、第2供給路41が第2連通路48と第2弁ケース47の筒孔49とを通ってシリンダ孔2に連通されている。その筒孔49の内周壁にテーパ状の第2弁座(弁座)50が形成される。その筒孔49内に、弁部材としての第2係合ボール51が左右方向に移動可能に挿入される。その第2係合ボール51の右側面に第2弁面(弁面)52が形成され、その第2弁面52が第2弁座50に当接可能となっている。筒孔49内に装着される第2閉弁バネ(付勢手段)53が第2係合ボール51を第2弁座50に向けて右方へ付勢している。
なお、本実施形態において、第2弁孔46は、第2連通路48と第2弁ケース47の筒孔49とによって構成される。
【0022】
前記の第2係合ボール51の右端面に第2被操作部54が形成される。第2係合ボール51が右方へ移動されるときに、第2被操作部54がシリンダ孔2の内周面からハウジング1の軸心に向けて突出される。また、その第2被操作部54は、操作ロッド7の外周壁(本実施形態においては、第2排出溝10の底壁)に形成される第2操作部55に当接可能となっていると共に、その第2操作部55の下側であって操作ロッド7の外周壁に形成される第1凹部56に挿入可能となっている。
そして、その第2被操作部54が第2操作部55に当接されるときに、第2係合ボール51の第2弁面52が第2弁座50から離間されて第2検出弁45が開弁される。また、第2被操作部54が第2凹部56に挿入されるときに、第2係合ボール51の第2弁面52が第2弁座50に当接されて第2検出弁45が閉弁される。
【0023】
上記の検出弁付きシリンダ装置は、
図1Aから
図2Bに示すように、次のように作動する。
図1Aに示す検出弁付きシリンダ装置のリリース状態では、作動室11から圧油が排出されており、リリースバネ15が出力部材5を下限位置へ移動させている。このとき、第1検出弁25の第1係合ボール31が出力部材5の第1凹部36に挿入され、第1検出弁25が閉弁されている。また、第2検出弁45の第2係合ボール51が出力部材5の第2操作部55に当接され、第2検出弁45が開弁されている。
上記のリリース状態で、シリンダ装置の出力ロッド8の上方からワーク60が搬入され、テーブルTから上方に突設される支持ピン61上に載置される。
【0024】
上記の検出弁付きシリンダ装置を
図1Aに示すリリース状態から
図2Aに示すロック状態へロック駆動するときには、作動室11に圧油を供給する。すると、作動室11の圧油が出力部材5のピストン本体6をリリースバネ15の下方への付勢力に抗して下限位置(リリース位置)から上限位置(ロック側限界位置)に向けて上方へ移動させていく。このとき、第1凹部36の周壁が第1検出弁25の第1係合ボール31を右方へ開弁移動させていく。これにより、第1弁孔26内の圧力が所定圧力よりも下降する。その結果、その下降圧力を圧力スイッチ(図示せず)で検出することにより、出力部材5が下限位置から上方へ移動されたことが検出される。
そして、出力ロッド8の上端面8aがワーク60の下面60aを押していくと、出力ロッド8がワーク60を所定高さ位置(ロック位置)に移動させて停止される。このとき、第2検出弁45の第2係合ボール51が出力部材5の第2凹部56に挿入される。このため、第2係合ボール51の第2弁面52が第2弁座50に当接され、第2検出弁45が閉弁される。これにより、第2弁孔46内の圧力が所定圧力よりも上昇する。その結果、その上昇圧力を圧力スイッチ(図示せず)で検出することにより、出力部材5が所定高さ位置に移動されたことが検出される。
【0025】
上記の検出弁付きシリンダ装置を
図2Aに示すロック状態から
図1Aに示すリリース状態へリリース駆動するときには、作動室11の圧油を排出する。すると、リリースバネ15が出力部材5のピストン本体6を下方へ移動させていく。このとき、第2凹部56の周壁が第2検出弁45の第2係合ボール51を左方へ開弁移動させていく。これにより、第2弁孔46内の圧力が所定圧力よりも下降する。その結果、その下降圧力を圧力スイッチで検出することにより、出力部材5が所定高さ位置から下方へ移動されたことが検出される。
そして、ピストン本体6の下端面がハウジング1の下壁1aに受け止められる直前に、第1検出弁25の第1係合ボール31が出力部材5の第1凹部36に挿入される。すると、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30に当接されて、第1検出弁25が閉弁される。これにより、第1弁孔26内の圧力が所定圧力よりも上昇する。その結果、その上昇圧力を圧力スイッチで検出することにより、出力部材5が下限位置に移動されたことが検出される。
【0026】
上記シリンダ装置は、異常状態で、例えば、ワーク60が未搬入である状態、または、ワーク60が所定寸法よりも小さいことにより出力部材がロック位置を越えて過剰に移動可能な状態で、次のように作動する。
上記の異常状態でクランプ装置をロック駆動(空クランプ)させると、作動室11の圧油が出力部材5をリリースバネ15の付勢力に抗して、
図1Aのリリース位置から
図2Aに示す所定高さ位置(ロック位置)を越えて上限位置(ロック側限界位置)に向けて上方へ移動されていく。すると、
図2Bに示すように、操作ロッド7の上端部が上壁1cに受け止められる。このとき、第2凹部56の下側に形成される異常検出用のカム部57によって第2係合ボール51が左方へ移動される。このため、第2係合ボール51の第2弁面52が第2弁座50から左方へ離間され、第2検出弁45が開弁される。これにより、第2弁孔46内の圧力が所定圧力によりも下降して、その下降圧力が圧力スイッチによって検出される。また、このとき、第1検出弁25も開弁状態に維持されている。その結果、シリンダ装置の出力部材5がロック位置およびリリース位置以外の位置で停止している状態(異常状態)であることが確認される。
【0027】
上記の第1実施形態は次の長所を奏する。
第1排出路23の一部および第2排出路43の一部がシリンダ孔2内に形成される。このため、上記の従来技術のように、排出路がハウジングの周壁内に設けられる場合に比べて、本実施形態では、第1排出路23および第2排出路43を簡素に造ることができる。従って、検出弁付きシリンダ装置をコンパクトかつ安価に造ることができる。
【0028】
図3Aから
図4B,
図5Aから
図6B,
図7Aおよび
図7B,
図8Aおよび
図8Bは、
参考の第2実施形態,
本発明の第3実施形態および第3実施形態の変形例を示している。この第2実施形態,第3実施形態および第3実施形態の変形例においては、上記の第1実施形態の構成部材と同じ部材(または類似する部材)には原則として同一の参照数字を付けて説明する。
【0029】
図3Aから
図4Bに示す第2実施形態が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。
図3Aに示すように、ハウジング1内に形成されるシリンダ孔2に出力部材5が上下方向へ移動可能に挿入される。その出力部材5が、下側から順に形成されるピストン本体6と出力ロッド8とを有する。ピストン本体6がシリンダ孔2に保密状に挿入される。より詳しくいえば、ピストン本体6の外周壁に下側封止部材64と上側封止部材65とが上下に並べられるように周方向に設けられる。また、下封止部材64および上封止部材65によって上下に封止された環状隙間63が、シリンダ孔2の内周面とピストン本体6の外周面との間に形成される。その環状隙間63は、ハウジング1の胴部1bに形成される排出孔66を通ってハウジング1の外部に連通される。そのピストン本体6から上方へ突設される出力ロッド8が、ハウジング1の上壁1cに保密状に挿入される。
なお、この実施形態では、第1排出路23および第2排出路43は、環状隙間63と排出孔66とによって構成される。
【0030】
上記ピストン本体6と下壁1aとの間にロック室67が形成され、上記ピストン本体6と上壁1cとの間にリリース室68が形成される。そのロック室67に圧油(圧力流体)が給排路69を通って供給および排出される。そのリリース室68に圧油が別の給排路70を通って供給および排出される。
【0031】
図3Aおよび
図3Bに示すように、第1検出弁25の筒状の第1弁ケース27が、ハウジング1の第1装着孔24に半径方向へ調節可能に螺合されて、その第1弁ケース27の右端部にロックナット71が取り付けられている。
また、第2検出弁45の筒状の第2弁ケース47が、ハウジング1の第2装着孔44に半径方向へ調節可能に螺合されて、その第2弁ケース47の左端部にロックナット72が取り付けられている。
【0032】
前記の出力部材5のピストン本体6の外周壁に第1操作部35が形成される。その第1操作部35の上側であってピストン本体6の外周壁に第1凹部36が形成され、その第1操作部35の下側に異常検出用の凹部73が形成される。第1検出弁25の第1被操作部34は、ピストン本体6の外周壁に形成される第1操作部35に当接可能となっていると共に、第1凹部36と異常検出用の凹部73とに挿入可能となっている。
そして、その第1被操作部34が第1操作部35に当接されるときに、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30から離間されて第1検出弁25が開弁される。また、第1被操作部34が第1凹部36または異常検出用の凹部73に挿入されるときに、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30に当接されて第1検出弁25が閉弁される。
【0033】
上記の検出弁付きシリンダ装置は、
図3Aから
図4Bに示すように、次のように作動する。
図3Aに示す検出弁付きシリンダ装置のリリース状態では、ロック室67から圧油が排出されると共に、リリース室68に圧油が供給されている。このため、リリース室68の圧油が出力部材5を下限位置へ移動させている。このとき、第1検出弁25の第1係合ボール31が出力部材5の第1凹部36に挿入され、第1検出弁25が閉弁されている。また、第2検出弁45の第2係合ボール51が出力部材5の第2操作部55に当接され、第2検出弁45が開弁されている。
上記のリリース状態で、シリンダ装置の出力ロッド8の上方からワーク60が搬入され、テーブルTから上方に突設される支持ピン61上に載置される。
【0034】
上記の検出弁付きシリンダ装置を
図3Aに示すリリース状態から
図4Aに示すロック状態へロック駆動するときには、リリース室68から圧油を排出すると共に、ロック室67に圧油を供給する。すると、ロック室67の圧油が出力部材5のピストン本体6を下限位置(リリース位置)から上限位置(ロック側限界位置)に向けて上方へ移動させていく。すると、第1凹部36の周壁が第1検出弁25の第1係合ボール31を右方へ開弁移動させていく。これにより、第1弁孔26内の圧力が所定圧力よりも下降する。その結果、その下降圧力を圧力スイッチ(図示せず)で検出することにより、出力部材5がリリース位置(下限位置)から上方へ移動されたことが検出される。
次いで、
図4Aに示すように、出力ロッド8の上端面8aがワーク60の下面60aを上方へ押して、出力ロッド8がワーク60を所定高さ位置(ロック位置)へ移動させたときに、第2検出弁45の第2係合ボール51が出力部材5の第2凹部56に挿入される。このとき、第2係合ボール51の第2弁面52が第2弁座50に当接されて、第2検出弁45が閉弁される。これにより、第2弁孔46内の圧力が所定圧力よりも上昇する。その結果、その上昇圧力を圧力スイッチ(図示せず)で検出することにより、出力部材5が所定高さ位置に移動されたことが検出される。
【0035】
上記の検出弁付きシリンダ装置を
図4Aに示すロック状態から
図3Aに示すリリース状態へリリース駆動するときには、ロック室67から圧油を排出すると共に、リリース室68に圧油を供給する。すると、リリース室68の圧油がピストン本体6を下方へ移動させていく。すると、第2凹部56の周壁が第2検出弁45の第2係合ボール51を左方へ開弁移動させていく。これにより、第2弁孔46内の圧力が所定圧力よりも下降する。その結果、その下降圧力を圧力スイッチ(図示せず)で検出することにより、出力部材5が所定高さ位置から下方へ移動されたことが検出される。
次いで、ピストン本体6の下端面がハウジング1の下壁1aに受け止められる直前に、第1検出弁25の第1係合ボール31が出力部材5の第1凹部36に挿入される。すると、第1係合ボール31の第1弁面32が第1弁座30に当接されて、第1検出弁25が閉弁される。これにより、第1弁孔26内の圧力が所定圧力よりも上昇する。その結果、その上昇圧力を圧力スイッチで検出することにより、出力部材5が下限位置に移動されたことが検出される。
【0036】
上記シリンダ装置は、異常状態、例えば、ワーク60が未搬入である状態、または、ワーク60が所定寸法よりも小さいことにより出力部材がロック位置を越えて過剰に移動可能な状態で、次のように作動する。
上記の異常状態でクランプ装置をロック駆動(空クランプ)させるときには、リリース室68から圧油が排出されると共に、ロック室67に圧油が供給される。すると、ロック室67の圧油が出力部材5を下限位置から所定高さ位置を越えて上限位置に向けて上方へ移動されていく。次いで、
図4Bに示すように、ピストン本体6の上端面がハウジング1の上壁1cに受け止められる。このとき、第2検出弁45の第2係合ボール51が第2凹部56に挿入されており、第2検出弁45が閉弁されている。また、第1係合ボール31が異常検出用の凹部73に挿入され、第1検出弁25が閉弁される。これにより、シリンダ装置の出力部材5が上限位置に移動された状態(異常状態)であることが第1検出弁25と第2検出弁45とによって確認される。
【0037】
図5Aから
図6Bに示す第3実施形態が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。この実施形態では、検出弁付きシリンダ装置を、ワーク60をテーブルT上に固定するクランプ装置に適用した場合を例示してある。
図5Aおよび
図5Bに示すように、固定台としてのテーブルTにクランプ装置が取り付けられる。そのクランプ装置のハウジング1は、右側から順に形成される右壁1dと、筒状の胴部1eと、その胴部1eから左方へ突設される2つの支持壁1f,1fとを有する。ハウジング1の上半部分にシリンダ孔2が左右方向へ形成され、シリンダ孔2の左端部がハウジング1の左端面に開口されている。
【0038】
上記シリンダ孔2に出力部材5が左右方向へ移動可能に挿入され、その出力部材5の出力ロッド8が2つの支持壁1f,1fの間に挿入される。
【0039】
図5Aに示すように、上記ハウジング1のシリンダ孔2の下側にバネ室13が形成される。そのバネ室13がハウジング1の左端面に開口されている。バネ室13にリリースバネ15が装着される。
【0040】
本実施形態において、第1流路20の第1排出路23は、操作ロッド7の外周壁に形成される第1排出溝80と、出力ロッド8の外周面と支持壁1f,1fとの間に形成される隙間81とによって構成される。
また、第2流路40の第2排出路43は、操作ロッド7の外周壁に形成される第2排出溝82と、前記の隙間81とによって構成される。
【0041】
本実施形態の第1検出弁25は、
図5Bおよび
図6Aに示すように、次のように構成される。
上記第1検出弁25の第1弁ケース27に形成される筒孔29は、小径孔と大径孔とを有する。その大径孔に第1弁部材31の大径部が当該大径孔の軸方向へ進退可能に挿入されると共に、小径孔に第1弁部材31の小径部が挿入可能となっている。その大径部の外周壁に第1連通溝83が当該弁部材31の軸方向へ形成される。また、小径孔の内周壁に仕切り面29aが形成されると共に、小径部の外周壁に閉じ面31aが形成される。第1弁部材31は、小径孔に供給される検出用の圧縮エアによって下方へ付勢される。すなわち、本実施形態において、第1付勢手段33は、小径孔に供給される検出用の圧縮エアによって構成される。
上記の第1弁部材31の第1被操作部34が操作ロッド7の第1操作部35に当接されるときに、第1弁部材31の小径部が筒孔29の小径孔に挿入される。このため、第1弁部材31の閉じ面31aが筒孔29の仕切り面29aに対面する位置へ移動される。従って、第1検出弁25が閉弁されて、第1供給路21の圧縮エアが第1排出路23へ流出することが防止される。
また、
図5Bに示すように、第1被操作部34が第1凹部36に挿入されるときに、第1弁部材31の小径部が筒孔29の小径孔から抜き出される。このため、第1弁部材31の閉じ面29aが筒孔29の仕切り面31aから離間されるように移動される。従って、第1検出弁25が開弁されて、第1供給路21の圧縮エアが第1排出路23へ流出する。
【0042】
本実施形態の第2検出弁45は、
図5Bに示すように、次のように構成される。
上記第2検出弁45の第2弁ケース47に形成される筒孔49は、小径孔と大径孔とを有する。その大径孔に第2弁部材51の大径部が当該大径孔の軸方向へ進退可能に挿入されると共に、小径孔に第2弁部材51の小径部が挿入可能となっている。その大径部の外周壁に第2連通溝84が当該第2弁部材51の軸方向へ形成される。また、小径孔の内周壁に仕切り面49aが形成されると共に、小径部の外周壁に閉じ面51aが形成される。第2弁部材51は、小径孔に供給される検出用の圧縮エアによって右方へ付勢される。すなわち、本実施形態において、第2付勢手段53は、小径孔に供給される検出用の圧縮エアによって構成される。上記の第2検出弁45は、第1検出弁25と同様に操作ロッド7によって操作される。
【0043】
図5Aおよび
図5Bに示すように、ハウジング1の胴部1eから左方へ突設される2つの支持壁1f,1fの間に、クランプアーム87が軸部材88を中心に揺動可能となるように設けられる。クランプアーム87の右側面に係止部89が形成され、その係止部89が出力ロッド8の左端部8aに当接可能となっている。クランプアーム87の左側面に押圧面90が形成され、その押圧面90がワーク60に上方から当接可能となっている。また、クランプアーム87の下部に受部91が形成され、バネ室13内のリリースバネ15がバネ受け92と伝達部材93とを介してクランプアーム87の受部91を左方へ付勢している。
【0044】
図7Aおよび
図7Bに示す第3実施形態の第1変形例の検出弁が、上記の第3実施形態の検出弁と異なる点は次の通りである。なお、本実施形態の第2検出弁45の構造は、第1検出弁25の構造と同様であり、それらの検出弁の構造を
図7Aおよび
図7Bに示す第1検出弁25によって説明する。
上記第1検出弁25の小径孔の内周壁に第1仕切り面29aが形成される。また、第1弁部材31が有する小径部の外周壁の上半部分に連通溝85が当該第1弁部材31の軸方向へ形成されると共に、小径部の外周壁の下半部分に閉じ面31aが形成される。大径孔に大径部が上下方向へ移動可能に挿入されると共に、小径孔に小径部が上下方向に案内される。
図7Aに示すように、第1弁部材31の第1被操作部34が操作ロッド7の第1操作部35に当接されるときに、第1弁部材31の小径部が筒孔29に挿入される方向へ移動される。このため、第1弁部材31の閉じ面31aが筒孔29の仕切り面29aに対面する位置へ移動される。従って、第1検出弁25が閉弁されて、第1供給路21の圧縮エアが第1排出路23へ流出することが防止される。
また、
図7Bに示すように、第1被操作部34が第1凹部36に挿入されるときに、第1弁部材31の小径部が筒孔29から抜き出される方向へ移動される。このため、第1弁部材31の閉じ面31aが筒孔29の仕切り面29aから離間されるように移動される。従って、第1検出弁25が開弁されて、第1供給路21の圧縮エアが第1排出路23へ流出する。
【0045】
図8Aおよび
図8Bに示す第3実施形態の第2変形例の検出弁が、上記の第3実施形態の検出弁と異なる点は次の通りである。なお、本実施形態の第2検出弁45の構造は、第1検出弁25の構造と同様であり、それらの検出弁の構造を
図8Aおよび8Bに示す第1検出弁25によって説明する。
上記第1検出弁25の第1弁ケース27に連通路28が左右方向に形成され、その連通路28が筒孔29の内周面に開口される。その開口部分の下側に第1仕切り面29aが形成される。その筒孔29に第1弁部材31が上下方向に移動可能に挿入される。その筒孔29と第1弁部材31との間に圧縮バネ(付勢手段)33が装着され、その圧縮バネ33が第1弁部材31を操作ロッド7に向けて下方へ付勢している。その第1弁部材31の外周壁に連通溝83が形成される。その連通路83が、第1弁部材31の外周壁に周方向へ形成された溝と上下方向へ形成された溝とによって構成される。その連通溝83の上側であって第1弁部材31の外周壁に閉じ面31aが形成される。
図8Aに示すように、第1弁部材31の第1被操作部34が操作ロッド7の第1操作部35に当接されるときに、第1弁部材31の閉じ面31aが上記連通路28の開口部よりも上方へ移動される。このため、第1検出弁25が開弁されて、第1供給路21に供給される圧縮エアが連通路28と連通溝83とを通って第1排出路23へ排出される。
また、
図8Bに示すように、第1被操作部34が第1凹部36に挿入されるときに、第1弁部材31の閉じ面31aが連通路28の開口部よりも下方へ移動される。このため、第1弁部材31の閉じ面31aが筒孔29の仕切り面29aに対面する。従って、第1検出弁25が閉弁されて、第1供給路21の圧縮エアが第1排出路23へ流出することが防止される。
【0046】
上記の各実施形態は次のように変更可能である。
上記の作動室11,ロック室67およびリリース室68に給排される圧力流体は、例示した圧油に代えて、他の液体または圧縮空気等の気体であってもよい。
上記出力部材5は、作動室11に供給される圧油によってロック駆動されると共にリリースバネ15によってリリース駆動されるように構成されるのに代えて、ロックバネによってロック駆動されると共に作動室に供給される圧油によってリリース駆動されるように構成されてもよい。
上記の検出弁25,45は、ハウジング1の胴部1b,1eに2つ設けられることに限られず、1つだけ,または、3つ以上設けるようにしてもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。